JPH0692116B2 - 感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JPH0692116B2
JPH0692116B2 JP2408512A JP40851290A JPH0692116B2 JP H0692116 B2 JPH0692116 B2 JP H0692116B2 JP 2408512 A JP2408512 A JP 2408512A JP 40851290 A JP40851290 A JP 40851290A JP H0692116 B2 JPH0692116 B2 JP H0692116B2
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嘉記 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感熱孔版印刷原紙用ポリ
エステルフィルムに関する。さらに詳しくは、取り扱い
作業性および穿孔感度に優れ、印刷時の解像度、階調性
が良好で、かつ、原紙作成時にカール発生の問題が生じ
ることのない感熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱
可塑性樹脂フィルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたも
のが知られており、かかる用途に用いられるフィルムに
は、以下のような特性が要求される。 (1)熱穿孔感度が良いこと。すなわち、少量の熱量で
溶融し、かつ、印刷時の画像が鮮明になるような適度な
大きさの穿孔が得られるような十分な熱収縮率を有する
こと。
【0003】(2)多孔性薄葉紙とのラミネートおよび
印刷時の作業に十分耐え得る強度、弾性率を有するこ
と。また、かかる作業において、加熱工程があっても、
その影響で原紙の著しいカール等の問題が生じないこ
と。 (3)熱穿孔の階調性が良いこと。原紙として使用する
際、穿孔されるべき部分以外が周囲の穿孔の影響で溶融
してしまうと、印刷画像の階調性が劣るようになり、好
ましくない。すなわち、穿孔される部分と穿孔されない
部分とがはっきり区別できるような熱穿孔特性を有する
こと。
【0004】また、これらの要件に加え、フィルム製造
時の生産性にも優れていることが求められ、具体的に
は、フィルムの延伸性が良好で、破断等のトラブルを起
こさず、また、巻取性、スリット性も良好で、巻取時に
シワが入ったり、巻きずれを起こしたりしないことが必
要である。
【0005】従来、かかる用途に用いるフィルムとして
熱可塑性樹脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、
その熱的特性を規定することにより印刷特性を改善した
フィルム(特開昭62−149496号公報)、あるい
は熱収縮特性を規定したフィルム(特開昭62−282
983号公報)等が提案されているが、上記した要件を
すべて満足するものではなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み、鋭意検討した結果、特定の粒径の微粒子を含有
し、融点、ガラス転移点および熱収縮率がある特定の条
件を満足する二軸配向ポリエステルフィルムが感熱孔版
印刷原紙用フィルムとして好適であることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、平均粒径0.
1〜2.0μmの無機または有機の微粒子を0.1〜
5.0重量%含有する、厚み0.5〜3.0μmの二軸
延伸ポリエステルフィルムであって、該フィルムの融点
が210℃以下、ガラス転移点(Tg)が60℃以上、
フィルムの縦方向と横方向の熱収縮率の平均が、測定温
度100℃において10%以下、測定温度150℃にお
いて20%以上であることを特徴とする感熱孔版印刷原
紙用フィルムに存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸
成分とし、アルキレングリコールを主たるグリコール成
分とするポリエスエルを指す。芳香族ジカルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸等が挙げられる。また、アルキレングリ
コールとしては、エチレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙
げられる。
【0009】かかるポリエステルは、1種類の芳香族ジ
カルボン酸と、1種類のアルキレングリコールとを出発
原料とするポリエステルでもよいが、3種類以上の成分
を含む共重合体であることが好ましい。共重合可能な成
分としては、上記の外に、ジエチレングリコール、ポリ
アルキレングリコール、あるいはアジピン酸、セバシン
酸等の脂肪族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等
のオキシカルボン酸等が挙げられる。
【0010】いずれにしても、フィルムとしたとき、そ
の融点が210℃以下、さらに好ましくは200℃以
下、特に好ましくは190℃以下であり、かつ、ガラス
転移点が60℃以上となるよう、適宜、組成を選択す
る。融点が210℃を超えるものは、穿孔に必要な熱エ
ネルギーが多量になり、穿孔感度が劣るようになるため
好ましくない。また、ガラス転移点が60℃未満では、
原紙作成時の加熱工程で原紙が著しくカールするように
なるため好ましくない。
【0011】本発明で用いるポリエステルの極限粘度
は、通常、0.40以上、好ましくは0.50〜1.0
である。極限粘度が0.40未満では、フィルムの生産
性が劣ったり、フィルムの機械的強度が不足する。本発
明のフィルムの厚みは0.5〜3μmの範囲であり、好
ましくは0.5〜2.5μmの範囲である。フィルムの
厚みが薄くなれば熱伝達距離が短縮され、穿孔時に必要
な熱エネルギーも減少するため穿孔性が向上し、印刷時
の解像度や印字品位性が向上するが、厚み0.5μm未
満では印字が不鮮明で濃淡ムラが生じやすく、フィルム
の製造においても生産性、巻上げ作業性が悪化する。厚
みが3μmを越えるフィルムでは、穿孔性が悪化するた
め印刷時にムラが生じるようになり、好ましくない。
【0012】本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻
上げ工程、原紙作成時のコーティング、貼合せ工程およ
び印刷時の作業性を向上させるため、あるいは、熱穿孔
時のサーマルヘッドとフィルムとの融着を防止するた
め、表面を粗面化してフィルムに適度な滑り性が付与さ
れる。具体的には、表面を適度に粗面化するためにフィ
ルムに平均粒径0.1〜2.0μmの無機または有機の
微粒子を0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜
3.0重量%含有させる。かかる微粒子の例としては、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、リン
酸リチウム、リン酸マグネシム、フッ化リチウム、酸化
アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、カオリン、タ
ルク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素およ
び特公昭59−5216号公報に記載されたような架橋
高分子微粉体を挙げることができるが、これらに限定さ
れるものではない。この際、配合する微粒子は、単成分
でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。2
成分以上用いる場合は、それらの全体の平均粒径および
含有量が上記した範囲内にあることが必要である。平均
粒径が0.1μm未満であったり、微粒子の含有量が
0.1重量%未満である場合は、フィルム表面の粗面化
が不足し十分に効果が得られない。また、平均粒径が
2.0μmを越える場合や含有量が5.0重量%を超え
る場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大き過ぎ
て熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が
劣ったり、印字品位性を損なったりするため好ましくな
い。
【0013】本発明においては上記したような方法によ
り、表面を適度に粗面化したフィルムを得るが、作業性
や印刷時の解像度、印字品位性をさらに高度に満足させ
るためには、フィルム表面の中心線平均粗さ(Ra)が
0.03〜0.5μm、さらに好ましくは0.03〜
0.3μmの範囲となるよう適宜、条件を選択する。本
発明のフィルムは、極めて薄いフィルムであるので、フ
ィルムの長手方向と幅方向の引張弾性率を共に300kg
/mm2以上、好ましくは350kg/mm2以上とすることによ
り、取り扱い作業性や耐刷性がより良好となる。
【0014】次に本発明のポリエステルフィルムの製造
方法について説明する。本発明においては、ポリマーを
エクストルーダーに代表される周知の溶融押出装置に供
給し、該ポリマーの融点以上の温度に加熱し溶融する。
次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し
出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度に
なるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シー
トを得る。この場合、シートの平面性を向上させるた
め、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要が
あり、本発明においては静電印加密着法および/または
液体塗布密着法が好ましく採用される。
【0015】静電印加密着法とは、通常、シートの上面
側にシートの流れと直交する方向に線状電極を張り、該
電極に約5〜10kVの直流電圧を印加することによりシ
ートに静電荷を与え、ドラムとの密着性を向上させる方
法である。また、液体塗布密着法とは、回転冷却ドラム
表面の全体または一部(例えばシート両端部と接触する
部分のみ)に液体を均一に塗布することにより、ドラム
とシートとの密着性を向上させる方法である。本発明に
おいては必要に応じ両者を併用してもよい。
【0016】本発明においてはこのようにして得られた
シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。
【0017】延伸条件について具体的に述べると、前記
未延伸シートを好ましくは50〜120℃、さらに好ま
しくは50〜110℃の温度範囲で、まず一方向にロー
ルもしくはテンター方式の延伸機により2.5〜7倍に
延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは50
〜125℃、さらに好ましくは55〜115℃の温度範
囲で2.5〜7倍に延伸を行い、2軸に配向したフィル
ムを得る。なお、一方向の延伸を2段階以上で行う方法
も用いることができるが、その場合も最終的な延伸倍率
が上記した範囲に入ることが望ましい。また、前記未延
伸シートを面積倍率が6〜30倍になるように同時二軸
延伸することも可能である。
【0018】かくして得られたフィルムを熱処理する
が、必要に応じ熱処理を行う前または後に再度縦および
/または横方向に延伸してもよい。本発明のフィルムの
縦方向と横方向の熱収縮率の平均(以下、平均熱収縮率
と称する)は、測定温度100℃において10%以下、
測定温度150℃において20%以上であるが、かかる
熱収縮率とするためには、上記熱処理温度を110〜1
90℃、好ましくは130〜180℃、さらに好ましく
は140〜170℃の範囲とするのが良く、また、熱処
理時間は、通常、1秒〜10分間である。かかる熱処理
は、フィルムを20%以内の制限収縮もしくは伸長また
定長下で行い、また、2段階以上で行ってもよい。
【0019】測定温度100℃における平均熱収縮率が
10%を超えると、原紙を作成する際の加熱工程で原紙
が著しくカールするようになるため好ましくない。一
方、測定温度150℃における平均熱収縮率が20%未
満では、穿孔感度が低下して、インクが通過できるよう
な十分な大きさの穿孔が得られなくなるので好ましくな
い。測定温度150℃における平均熱収縮率は、さらに
好ましくは25〜50%である。
【0020】なお、本発明においては、製膜に供するポ
リエステル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリ
マー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポ
リアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。
また、必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯
電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。か
くして得られた本発明のポリエステルフィルムは、常法
に従って所定の多孔性薄葉紙を公知の接着剤を用いてラ
ミネートすることにより、優れた熱穿孔性を有し、か
つ、印刷時の解像度および階調性に優れた感熱孔版印刷
用原紙とすることができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用い
た物性測定法を以下に示す。 (1)微粒子の平均粒径 (株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−
CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法に
よって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒
子の等価球形分布における積算(重量基準)50%の値
を用いて平均粒径(d50)とした。
【0022】(2)熱収縮率 試料を無張力状態で所定の温度(100℃および150
℃)に保ったオーブン中、3分間熱処理し、その前後の
試料の長さを測定して次式にて算出した。
【0023】
【数1】
【0024】フィルム縦方向と横方向に5点ず測定し、
平均値を求めた。
【0025】(3)融点およびガラス転移点(Tg)セ
イコー電子工業(株)製差動熱量計SSC580DSC
20型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとお
りである。すなわち、試料フィルム10mgをDSC装置
にセットし、10℃/min の速度で昇温し、0℃〜30
0℃の範囲で測定し、融点を融解吸熱ピークの頂点とし
て測定した。さらに300℃の温度で5分間溶融保持し
た後、液体窒素にて急冷し、再び10℃/分の速度にて
0℃〜200℃の範囲で昇温しガラス転移点を測定し
た。ガラス転移点は、比熱の変化によりDSC曲線が屈
曲し、ベースラインが平行移動する形で感知される。か
かる屈曲点以下の温度でのベースラインの接線と、屈曲
した部分で傾きが最大となる点の接線との交点を屈曲の
開始点とし、この温度をガラス転移点とした。
【0026】(4)中心線平均粗さ (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の部
分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦倍
率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表したと
き、次式で与えられた値を〔μm〕で表した。中心線平
均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を求
め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心線
平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は2
μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmと
した。
【0027】
【数2】
【0028】(5)感熱孔版印刷原紙実用特性 フィルムに和紙を貼り合わせて原紙を作製した。得られ
た原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.0
9mJおよび0.12mJにて文字画像および16段階の階
調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕
微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察し、以下の項目につ
いて評価した。
【0029】(i)穿孔感度 ○ … 所定の穿孔が確実に行われ良好。 △ … 稀に所定の穿孔が得られない部分があるが、実
用上問題ない。 × … 所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、実
用上支障がある。 (ii)階調性 ○ … 所定の穿孔が確実に行われ、高濃度部において
も良好な階調性を示す。 △ … 高濃度部において若干階調性に劣る。または低
濃度部で穿孔ムラがある。 × … 高濃度部では、ほとんどフィルムが除去されて
しまい、高濃度部4〜7段階で階調性が認められない。
または低濃度部で穿孔ムラが頻発し、階調性に劣る。
【0030】また、製版原紙を用い、理想科学工業
(株)製リソグラフAP7200印刷機を用いて実際に
印刷し、得られた文字、画像について、下記の特性を目
視で判定した。 (iii) 印字品位性 ○ … 濃度のムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき、
良好。 △ … わずかに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや
鮮明さに欠ける。 × … 濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっき
り出ている。
【0031】実施例1 テレフタル酸ジメチル84部、イソフタル酸ジメチル1
6部、エチレングリコール64部および酢酸カルシウム
−水塩0.11部を反応器にとり、エステル交換反応を
行った。すなわち、反応開始温度を180℃とし、メタ
ノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、4時間
後、230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を
終了させた。
【0032】次いで、トリエチルホスフェート0.07
部を添加した後、平均粒径1.2μmのシリカ粒子0.
5部および三酸化アンチモン0.04部を添加し、常法
により重縮合反応を行った。この反応は、温度を徐々に
高めると共に、圧力を常圧より徐々に減じ、2時間後、
温度を270℃、圧力を0.3mmHgとした。反応開始後
5時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマー
を吐出させた。得られた共重合ポリエステル(A)の極
限粘度は0.68であった。
【0033】次にエチレンテレフタレート単位を67モ
ル%,1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト単位を33モル%含有する共重合ポリエステル(イー
ストマン・コダック社製PETG6763(商品名))
80部と、共重合ポリエステル(A)20部とを混合し
たものを原料として、280℃で押出機よりシート状に
押出し、表面温度を40℃に設定した回転冷却ドラムで
静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み30μm
の実質的に非晶質のシートを得た。次いで得られたシー
トを縦方向に82℃で3.7倍、横方向に95℃で4.
3倍に延伸し、さらに150℃で6秒間熱処理を施し、
厚み1.9μmの二軸配向フィルムを製造した。
【0034】実施例2 実施例1で製造した共重合ポリエステル(A)と同様に
して、平均粒径0.3μmの酸化チタン粒子を1重量%
含有し、エチレンイソフタレート単位が19モル%の共
重合ポリエチレンテレフタレート(B)を製造した。極
限粘度は0.65であった。次に、得られた共重合ポリ
エステル(B)20部と、PETG6763、80部と
を混合し、実施例1と同様にして厚み2.0μmの二軸
配向フィルムを製造した。
【0035】実施例3 実施例1と同様にして、平均粒径1.2μmの球状シリ
カ粒子を1重量%含有するポリエチレンテレフタレート
を製造した。極限粘度は0.66であった。
【0036】次に、得られたポリエチレンテレフタレー
ト20部と、PETG6763、80部とを混合し、熱
処理温度を160℃とした以外は実施例1と同様にして
厚み1.8μmの二軸配向フィルムを製造した。
【0037】比較例1 原料としてPETG6763のみを用い、実施例1と同
様にして厚み2.0μmの二軸配向フィルムを製造し
た。ただし、熱処理温度を150℃とするとフィルムの
溶融が原因で破断が頻発するため、熱処理温度は110
℃に下げた。
【0038】得られたフィルムは本発明の要件である微
粒子を含有しないため、滑り性が著しく悪く、ロール状
に巻き取ることが困難であった。
【0039】比較例2 実施例1と同じ原料を用い、また、熱処理温度を105
℃とした以外は実施例1と同じ製膜条件で、厚み1.9
μmの二軸配向フィルムを製造した。 比較例3 平均粒径1.2μmのシリカ粒子を0.2重量%含有す
る、極限粘度0.66のポリエチレンテレフタレートを
原料とし、製膜条件は、熱処理温度を225℃とした以
外は実施例1と同様にして厚み1.8μmの二軸配向フ
ィルムを得た。 比較例4 平均粒径1.2μmのシリカ粒子を0.2重量%含有
し、エチレンセバケート単位を20モル%共重合したポ
リエチレンテレフタレート共重合体(極限粘度0.6
9)を原料とし、実施例1と同じ製膜条件で厚み2.0
μmの二軸配向フィルムを製造した。
【0040】比較例5 押出機からのポリマー押出し量を増加させた以外は実施
例1と同様にして厚み5μmの二軸配向フィルムを製造
した。
【0041】以上、得られたフィルムを常法に従い、多
孔性薄葉紙に貼り合わせて感熱孔版印刷用原紙を作成
し、謄写印刷を行った。フィルムの物性および謄写印刷
特性を下記表1にまとめて示す。
【0042】
【表1】
【0043】実施例1〜3のフィルムは、本発明の要件
を満たしているため、フィルム製造時、原紙作成時の取
り扱い性に優れ、これらを用いて作成した原紙は、熱穿
孔感度に優れているため、良好な謄写印刷特性を示すも
のであった。
【0044】これらに対し、比較例1および2は測定温
度100℃における熱収縮率が大きいため、比較例4は
ガラス転移点が低いため、いずれも原紙作成時に著しい
カールを起こし、実用性に劣るものであった。また、こ
れらはいずれも階調性の評価において高濃度部でフィル
ムがほとんど除去され階調性も劣るものであった。
【0045】比較例3は、フィルムの融点が高く、ま
た、測定温度150℃における熱収縮率が小さいため、
比較例5は厚みが大きいため、いずれも熱穿孔感度が劣
るものであった。
【0046】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷原紙用フィルム
は、取り扱い性が良好で、かつ熱穿孔性、印刷時の解像
度、階調性、耐カール性の優れたものであり、その工業
的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 4F B29L 7:00 4F C08L 67:02

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均粒径0.1〜2.0μmの無機また
    は有機の微粒子を0.1〜5.0重量%含有する、厚み
    0.5〜3.0μmの二軸延伸ポリエステルフィルムで
    あって、該フィルムの融点が210℃以下、ガラス転移
    点(Tg)が60℃以上、フィルムの縦方向と横方向の
    熱収縮率の平均が、測定温度100℃において10%以
    下、測定温度150℃において20%以上であることを
    特徴とする感熱孔版印刷原紙用フィルム。
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