JP2007069432A - 多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム - Google Patents
多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 融点が140〜250℃のポリエステル樹脂からなる厚み2〜20μmの二軸延伸フィルムであって、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
10≦S≦40 …(1)
100≦F≦600 …(2)
(上記式中、Sは100℃で3分処理後のフィルムの加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィルムの加熱収縮応力(g/mm2)を表す)
【選択図】 なし
Description
100≦F≦600 …(2)
(上記式中、Sは100℃で3分処理後のフィルムの加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィルムの加熱収縮応力(g/mm2)を表す)
本発明でいうポリエステルを構成する二官能性酸成分は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチルが好ましい。また、ポリエステルを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらの中でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
本発明の感熱孔版印刷用ポリエステルフィルムは、まず、エクストルーダーに代表される周知の溶融押し出し機に原料ポリマーを供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱して溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上で急冷固化し、実質的に非晶状態の未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明においては、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
パーキンエルマー製示差熱走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、融点(Tm)を検知した。
試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、3分間熱処理し、その前後の試料長さを測定して次式にて熱収縮率を算出した。
上記式中、L0は熱処理前のサンプル長、L1は熱処理後のサンプル長をそれぞれ意味し、フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセットし、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない状態でフィルムを100℃のオイルバス中に浸漬し、浸漬開始から10秒後の応力値を測定した。浸漬前のフィルム断面積から加熱収縮応力(g/mm2)を算出した。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。なお、粒度分布値(r)は下記式から算出した。
(上記式中、d25、d75は、粒子群の積算体積を大粒子側から計測し、それぞれの総体積の25%、75%に相当する粒径(μm)を示す)
日本工業規格JIS B0601に記載されている方法に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)を求めた。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
上記方法にて作成した孔版印刷用原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.09mJおよび0.12mJにて文字画像および16階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察して以下の4段階に分けて評価した。
◎:所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分であり非常に良好
○:所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分であり良好
△:希に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大きさが不十分な部分があるが、実用は可能
×:所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある
感度測定で得た製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラフAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた文字、画像について、以下の3段階に分けて評価した。
◎:濃度のムラ、にじみが全くなく、鮮明に印字でき、非常に良好
○:濃度ムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき良好
△:僅かに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや鮮明さに欠ける
×:濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっきり出ている
(ポリエステル−Aの製造)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が1.1μm、粒度分布値(r)が1.2の球状架橋高分子粒子を1.0重量部を含有するエチレングリコールスラリー10重量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル−Aを製造した。
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール56重量部、テトラブチルチタネート0.005重量部を反応機にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留出と共に反応温度を徐々に上昇させ、3時間後に210℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応が終了したこの反応混合物にテトラブチルチタネート0.005重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を210℃から徐々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステル−Bを製造した。
ポリエステルの製造−Aにおいてテレフタル酸ジメチル100重量部の替わりにテレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部とする以外はポリエステルの製造−Aと同様の方法でポリエステル−Cを得た。
ポリエステル−A 10重量部とポリエステル−B 45重量部とポリエステル−C 45重量部とを均一にブレンドし、280℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み155μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に80℃で3.5倍、横方向に90℃で4.5倍に延伸し、さらに100℃で6秒間熱処理を施し、厚み10μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに熱融着防止層としてシリコーン系エマルジョン(KM768 信越化学工業製)をワイヤーバーで塗布して孔版印刷用原紙を作成し、評価を行った。
ポリエステル−A 10重量部とポリエステル−C 90重量部とを均一にブレンドし、275℃にて押出機よりシート状に押出した以外は、実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
実施例1において、厚み118μmの実質的に非晶質のシートを得、当該シートを縦方向に80℃で3.0倍、横方向に90℃で4.0倍に延伸し、さらに100℃で6秒間熱処理を施し、厚み10μmの二軸配向フィルムを製造した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版用原紙を作成し、評価を行った。
実施例1において、厚み44μmの実質的に非晶質のシートを得、当該シートを縦方向に80℃で2.7倍、横方向に90℃で2.8倍に延伸し、さらに100℃で6秒間熱処理を施し、厚み6μmの二軸配向フィルムを製造した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版用原紙を作成し、評価を行った。
ポリエステル−Aを100重量部、押出機の温度を285℃、得られたシートを縦方向に85℃で3.5倍、横方向に95℃で4.5倍に延伸する以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
実施例1において145℃で6秒間処理した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
実施例1において、厚み401μmの実質的に非晶質のシートを得、当該シートを縦方向に82℃で3.5倍、横方向に92℃で4.5倍に延伸し、さらに100℃で6秒間熱処理を施し、厚み26μmの二軸配向フィルムを製造した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版用原紙を作成し、評価を行った。
ポリエステル−A 70重量部とポリエステル−B 15重量部とポリエステル−C 15重量部とを均一にブレンドし、285℃にて押出機よりシート状に押出した以外は、実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
Claims (1)
- 融点が140〜250℃のポリエステル樹脂からなる厚み2〜20μmの二軸延伸フィルムであって、下記式(1)および(2)を同時に満足することを特徴とする多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム。
10≦S≦40 …(1)
100≦F≦600 …(2)
(上記式中、Sは100℃で3分処理後のフィルムの加熱収縮率(%)、Fは100℃で10秒処理後のフィルムの加熱収縮応力(g/mm2)を表す)
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JP2005257965A JP2007069432A (ja) | 2005-09-06 | 2005-09-06 | 多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム |
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JP2005257965A JP2007069432A (ja) | 2005-09-06 | 2005-09-06 | 多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2007069432A true JP2007069432A (ja) | 2007-03-22 |
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ID=37931317
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JP (1) | JP2007069432A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62282983A (ja) * | 1985-07-15 | 1987-12-08 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 高感度・感熱性孔版原紙用フイルム |
JPH08244372A (ja) * | 1995-03-15 | 1996-09-24 | Diafoil Co Ltd | ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム |
JPH0948181A (ja) * | 1995-08-07 | 1997-02-18 | Diafoil Co Ltd | 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム |
JP2003082126A (ja) * | 2001-09-07 | 2003-03-19 | Mitsubishi Polyester Film Copp | 二軸配向ポリエステルフィルム |
-
2005
- 2005-09-06 JP JP2005257965A patent/JP2007069432A/ja active Pending
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