JP2007152797A - 感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents
感熱孔版印刷原紙用フィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007152797A JP2007152797A JP2005352710A JP2005352710A JP2007152797A JP 2007152797 A JP2007152797 A JP 2007152797A JP 2005352710 A JP2005352710 A JP 2005352710A JP 2005352710 A JP2005352710 A JP 2005352710A JP 2007152797 A JP2007152797 A JP 2007152797A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- heat
- polyester
- thickness
- sensitive stencil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
Abstract
【課題】 感熱孔版印刷用原紙とした際に、穿孔感度、印刷時の解像度、印字品位性、濃度に優れ、高品質の感熱孔版印刷原紙用として利用することのできる2軸延伸ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 融点が140〜250℃、厚みが1.0〜3.5μmの2軸延伸ポリエステルフィルムであって、幅方向の厚みむらが18%以下、幅方向における局所シワの振幅が3.0mm以下であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用フィルム。
【選択図】 なし
【解決手段】 融点が140〜250℃、厚みが1.0〜3.5μmの2軸延伸ポリエステルフィルムであって、幅方向の厚みむらが18%以下、幅方向における局所シワの振幅が3.0mm以下であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用フィルム。
【選択図】 なし
Description
本発明は、サーマルヘッド、あるいはハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュランプ、レーザー光線等によって穿孔製版される感熱孔版印刷用原紙に用いる感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに関するものである。さらに詳しくは、本発明は、穿孔感度、印刷時の解像度(階調性)、印字品位性、濃度、平面性に優れた感熱孔版印刷原紙用フィルムに関する。
従来、感熱孔版印刷用原紙としては、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムに、多孔性薄葉紙をラミネートしたものが知られている。かかる用途に用いられる熱可塑性樹脂フィルムが、サーマルヘッド、あるいはハロゲンランプ、キセノンランプ、フラッシュランプなどによる閃光照射や赤外線照射、さらにはレーザー光線等のパルス的照射によって穿孔され、多孔性薄葉紙がインキ保持および通過性を有して版として使用される。サーマルヘッドを使用した製版方式は、原稿をセンサーで読み取り、サーマルヘッドで原稿に応じた画像を原紙のフィルム部分にドット状に穿孔して製版を行う方法である。このようなサーマルヘッドによる製版方式においては、サーマルヘッドのダメージを抑えて寿命を延長するために、ヘッドに供給するエネルギーを低減させる必要があり、フィルムが低エネルギーで感度良く穿孔して、多孔性薄葉紙に保持されたインキが穿孔された穴から確実に通過することによって印刷時の解像度、印字品位性および濃度が良好な感熱孔版印刷原紙用フィルムが望まれている。このような感度向上を目的として、二軸延伸ポリエステルフィルムの熱的特性を規定したフィルム(例えば、特許文献1参照)、熱収縮特性を規定したフィルム(例えば、特許文献2参照)、表面の粗度および突起個数を規定したフィルム(例えば、特許文献3参照)、構成成分と厚みむらを規定したフィルム(例えば、特許文献4参照)等が提案されているが、感度の向上は見られるものの不十分であり、さらなる向上が望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、感熱孔版印刷用原紙とした際に穿孔感度、印刷時の解像度、印字品位性、濃度、平面性に優れた感熱孔版印刷原紙用フィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の目的は、融点が140〜250℃、厚みが1.0〜3.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムであって、幅方向の厚みむらが18%以下、幅方向における局所シワの振幅が3.0mm以下であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用フィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルを構成する二官能性酸成分は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチルが好ましい。また、ポリエステルを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらの中でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
本発明でいうポリエステルを構成する二官能性酸成分は、芳香族ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体を主とするものであり、具体的にはテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、そのエステル形成誘導体としてはテレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルなどが挙げられ、これらの中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチルが好ましい。また、ポリエステルを構成するグリコール成分としては、エチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどが挙げられ、これらの中でもエチレングリコール、ブチレングリコールが好ましい。
かかるポリエステルは、1種の芳香族ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体と、1種のアルキレングリコールとを出発原料とするポリエステルでもよいが、2種以上の成分を含む共重合体であることが好ましい。共重合する成分として、上記のほかに、例えば、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコールなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸などのジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。また、それぞれ単一成分で構成されるホモポリマー同士、ホモポリマーと2種以上の成分を含む共重合体および当該共重合体同士のブレンドポリエステルが好ましく、それらの中でもポリブチレンテレフタレートとイソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレート共重合体とのブレンドポリエステルやポリブチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとイソフタル酸を共重合成分とするポリエチレンテレフタレート共重合体とのブレンドポリエステルがさらに好ましい。
本発明の対象となるポリエステルフィルムの融点は140〜250℃である。複数の融点を有する場合においても140〜250℃の範囲にあり、好ましくは150〜250℃の範囲である。融点が250℃より高い場合には、感熱孔版印刷用原紙とした際に低エネルギーでの穿孔性が低下し、本発明の目的とする高度な穿孔感度が得られなくなるので好ましくない。一方、フィルムの融点が140℃未満では、フィルムの耐熱寸法安定性が悪化して原紙を製造する工程や原紙の保存中にカールが発生したり、穿孔した際に穿孔部が広がり過ぎてそれぞれの穿孔部が繋がり印刷画像の解像度が劣ったりするようになるので好ましくない。また、本発明において二つ以上の融点を有する場合は、最も高い融点(Tm2)と最も低い融点(Tm1)との差は50℃未満、好ましくは30℃未満であるがTm1とTm2が同一であってもよい。温度差が50℃以上では、短時間かつ低エネルギーにおいて確実な穿孔が起こらず、解像度が劣るようになることがある。
本発明のフィルムの厚みは、1.0〜3.5μm、好ましくは1.0〜2.5μm、さらに好ましくは1.5μm〜2.5μmである。フィルムの厚みが薄くなれば熱伝導距離が短縮され、穿孔時に必要な熱エネルギーも減少して穿孔性が向上し印刷時の解像度、印字品位性、濃度が向上するが、厚みが1μm未満では、フィルムの剛性が低下し、搬送性が悪化して印字時にシワ等が生じたり、フィルムが破断したりして耐刷性が低下するようになるため好ましくない。また、厚みが3μmを超える厚い領域では、低エネルギーによる穿孔性が悪化して印刷時にむらを生じることになるため好ましくない。
本発明におけるフィルムの幅方向の厚みむらは18%以下、好ましくは16%以下、さらに好ましくは15%以下の範囲である。厚みむらが18%を超えると低エネルギーにおいて確実に穿孔されない部分が発生し、印刷時にむらが発生して著しく解像度、印字品位性を落とすようになる。
また、フィルムの幅方向の局所シワの振幅は3.0mm以下、好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下の範囲である。局所シワの振幅が3mmを超えるとフィルムの平面性が悪化し、接着剤を均一に塗布することができず、接着剤の塗布量が多い場所は、厚みむらが大きい部分と同じく低エネルギーによる穿孔感度が低下して著しく画像品質を損なうようになるため好ましくない。
厚みむらと局所シワを改良する方法としては、例えば、2軸方向それぞれについて延伸倍率を3倍以上の高延伸倍率で延伸することや、フィルム製造時に発生した耳部およびフィルム端部からの再生品の投入を5〜75重量部の範囲とすることなどが挙げられる。
本発明のフィルムのガラス転移温度(Tg)は、通常40〜85℃の範囲であり、好ましくは45〜80℃、さらに好ましくは50〜75℃の範囲である。ガラス転移温度が40℃未満では、耐熱寸法安定性が悪化してフィルムの搬送性が悪化したり、マスターフィルム保管中のカールが発生したりすることがある。
本発明の対象となるフィルムの100℃で10秒間処理後のフィルムの加熱収縮応力は通常、100〜1000g/mm2、好ましくは100〜800g/mm2である。加熱収縮応力が100g/mm2未満では穿孔時に穴が広がる力が不足して、印刷時に鮮明な画像が得られるほどの十分な大きさを有する穿孔が得られなくなるおそれがある。加熱収縮応力が1000g/mm2を超える場合は、太さむら、濃淡むら、あるいは寸法変化が生じやすい傾向がある。
これらの特性に加え、本発明におけるフィルムの100℃で3分間処理後の収縮率は5%以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜40%である。3%未満では穿孔感度が不足して印刷の画像濃度が低下する恐れがある。また40%を超えると、濃淡むらが生じやすくなる傾向がある。
なお、本発明において、製膜に供するポリエステル全量に対し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリイミド等)を含有させることができる。また必要に応じ、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配合してもよい。
上記の添加剤の配合方法は、特に限定されず、例えば、添加剤とポリエステルチップとを直接ブレンドする方法、添加剤を予めポリエステル中に高濃度に配合したマスターバッチチップを得、それを再度ポリエステルにブレンドする所謂マスターバッチ法などを採用することができる。
本発明のフィルムは、フィルム製造時の巻き上げ工程、フィルムマスター作成時のコーティング、および印刷時の作業性を向上させたり、あるいは、サーマルヘッドとフィルムとの融着を防止したりするため、フィルムに適度な滑り性を付与する。具体的には、表面を適度に粗面化するために、例えば平均粒径0.05〜2.0μmの微粒子を0.01〜2.0重量%、好ましくは0.1〜1.5重量%、フィルム中に含有させる。
かかる微粒子の例として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸リチウム、リン酸マグネシウム、フッ化リチウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン、カオリン、タルク、カーボンブラック、窒化ケイ素、窒化ホウ素、および特公昭59−5216号公報に記載されているような架橋高分子微粉体を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。この際、配合する微粒子は、単成分でもよく、また、2成分以上を同時に用いてもよい。2成分以上用いる場合は、それらの全体の平均粒径および含有量が上記した範囲内にあることが好ましい。
用いる微粒子の平均粒径が0.05μm未満、または微粒子の含有量が0.01重量%未満である場合は、フィルム表面の粗面化が不足し、十分に効果が得られないことがある。また、平均粒径が2.0μmを超える場合や含有量が2.0重量%を超える場合には、フィルム表面の粗面化の度合いが大きすぎて熱伝達にむらが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣ったり、印字品位性が損なわれたりすることがある。
原料ポリエステルに対する前記各粒子の配合方法は、特に限定されないが、例えば、ポリエステルの重合工程に各粒子を添加する方法または原料ポリエステルと各粒子を溶融混練する方法などが好適である。本発明で得られるフィルムは、作業性、印刷時の解像度、印字品位性、濃度などの特性を高度に満足させるため、中心線平均粗さ(Ra)が0.01〜0.20μmの範囲であることが好ましく、0.02〜0.15μmの範囲であることがさらに好ましい。Raが0.01μm未満の場合は、フィルムの巻き取り時にフィルムにシワが入りやすくなる傾向があり、また、Raが0.20μmを超える場合は、フィルム表面の平面性が損なわれ、熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一となり、解像度が劣り、印字品位性、濃度が損なわれる傾向がある。
次に、本発明のフィルムの製造方法について説明する。
本発明の感熱孔版印刷用ポリエステルフィルムは、まず、エクストルーダーに代表される周知の溶融押し出し機に原料ポリマーを供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱して溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上で急冷固化し、実質的に非晶状態の未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明においては、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明の感熱孔版印刷用ポリエステルフィルムは、まず、エクストルーダーに代表される周知の溶融押し出し機に原料ポリマーを供給し、当該ポリマーの融点以上の温度に加熱して溶融する。次いで、溶融したポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ドラム上で急冷固化し、実質的に非晶状態の未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明においては、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、上記のようにして得られた未延伸シートを2軸方向に延伸してフィルム化する。具体的には、まず、ロールまたはテンター方式の延伸機により、前記未延伸シートを一方向に延伸する。この一段目において、延伸温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜100℃、延伸倍率は、通常3〜7倍、好ましくは3.5〜7倍とする。次に、テンター方式の延伸機により、一段目と直交する方向に延伸する。この二段目において、延伸温度は、通常20〜100℃、好ましくは25〜90℃、延伸倍率は、通常3〜7倍、好ましくは3.5〜7倍、さらに好ましくは3.8〜7倍とする。
一方向の延伸を2段階以上で行う方法も採用することができるが、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入ることが好ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能である。得られたフィルムの熱処理は、任意に行うことができ、また、必要に応じ、熱処理を行う前または後に再度縦および/または横方向に延伸してもよい。本発明においては、延伸後の熱処理を実質的に行わないか、または、熱処理を行う場合は次の条件を採用するのが好ましい。すなわち、熱処理温度は、通常120℃以下、好ましくは100℃以下とし、熱処理時間は1秒から5分間でフィルムを定長下または30%以内の伸長下のフィルムについて熱処理を施しロールに巻き取る。ロールに巻き取る際は必要に応じて所定の幅にスリットを行う。
かくして得られた本発明のポリエステルフィルムは、多孔性支持体と接着して原紙とする。多孔性支持体とは、印刷インキの保持および透過が可能で、フィルムが穿孔される加熱条件では実質的に熱変形を起こさない天然繊維、合成繊維等を原料とした多孔質のものであり、不織布、織布またはその他の多孔体が用いられる。本発明のポリエステルフィルムは、サーマルヘッド等との融着防止のため、片面にシリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤、帯電防止剤、離型剤、有機粒子、無機粒子等を塗布することもできる。塗布方法は特に限定されないが、ロールコーター、グラビアコーター、リバースコーター、バーコーター等を用いて塗布するのが好ましい。また、塗布剤を設ける前に必要に応じて、塗布面に空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理等の活性化処理を施してもよい。
以上、詳述したように、本発明のポリエステルフィルムは、平面性が非常に良好で、穿孔感度、印刷時の解像度、印字品位性、濃度に優れており、特にサーマルヘッドによる低エネルギー下においても優れた穿孔特性を有する感熱孔版印刷原紙用フィルムおよび感熱孔版印刷原紙を得ることができ、その工業的価値は高い。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性測定法は以下のとおりである。
(1)融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)
パーキンエルマー製示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、ガラス転移に相当する温度を読み取りガラス転移温度(Tg)、融解吸熱ピークの頂点を融点(Tm)として検知した。
パーキンエルマー製示差走査カロリーメーターDSC7型を用いて測定した。DSC測定条件は以下のとおりである。すなわち、試料フィルム6mgをDSC装置にセットし、300℃の温度で5分間溶融保持した後、液体窒素にて急冷した。急冷試料を0℃より10℃/分の速度で昇温し、ガラス転移に相当する温度を読み取りガラス転移温度(Tg)、融解吸熱ピークの頂点を融点(Tm)として検知した。
(2)加熱収縮率(S)
試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、3分間処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて加熱収縮率を算出した。
S(%)={(L0−L1)/L0}X100
(上記式中、L0は熱処理前のサンプル長、L1は熱処理後のサンプル長)フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
試料を無張力状態で100℃に保ったオーブン中、3分間処理し、その前後の試料の長さを測定して次式にて加熱収縮率を算出した。
S(%)={(L0−L1)/L0}X100
(上記式中、L0は熱処理前のサンプル長、L1は熱処理後のサンプル長)フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、平均値を求めた。
(3)局所シワの振幅(Z)
キーエンス製 CCDレーザー変位センサー「LK-500型」を用いて測定した。局所シワの振幅の測定条件は次のとおりである。すなわち、300〜2500mmの範囲にある所定の幅にスリットされたロール状のフィルムについて、フィルムを巻き出し、長手方向に29.42N/幅の張力をかけてフィルムを張り出す。その状態でフィルムの下側から所定の幅のフィルムについて幅方向直角にCCDレーザー変位センサーを3m/minの速度で走行させて局所シワの振幅を測定した。ベースラインより最も高い箇所のベースラインからの距離とベースラインより最も低い箇所のベースラインからの距離を測定し、次式により局所シワの振幅(mm)を算出した。測定箇所を無作為に30点抽出し、かかる測定を30回繰り返して最も大きい振幅を局所シワの振幅とした。
Z(mm)=Z1+Z2
(上記式中、Z1はベースラインから最も高い箇所のベースラインからの距離、Z2はベースラインから最も低い箇所のベースラインからの距離)
キーエンス製 CCDレーザー変位センサー「LK-500型」を用いて測定した。局所シワの振幅の測定条件は次のとおりである。すなわち、300〜2500mmの範囲にある所定の幅にスリットされたロール状のフィルムについて、フィルムを巻き出し、長手方向に29.42N/幅の張力をかけてフィルムを張り出す。その状態でフィルムの下側から所定の幅のフィルムについて幅方向直角にCCDレーザー変位センサーを3m/minの速度で走行させて局所シワの振幅を測定した。ベースラインより最も高い箇所のベースラインからの距離とベースラインより最も低い箇所のベースラインからの距離を測定し、次式により局所シワの振幅(mm)を算出した。測定箇所を無作為に30点抽出し、かかる測定を30回繰り返して最も大きい振幅を局所シワの振幅とした。
Z(mm)=Z1+Z2
(上記式中、Z1はベースラインから最も高い箇所のベースラインからの距離、Z2はベースラインから最も低い箇所のベースラインからの距離)
(4)厚みむら(M)
光干渉の原理を用いた非接触型の膜厚測定器(大塚電子製 瞬間マルチ測光システム「MCPD−1000」)を局所シワ振幅測定用のCCDレーザー変位センサーの走行方向に設置して測定した。また、厚みむらの測定条件は局所シワの振幅の測定条件と同じとした。すなわち、300〜2500mmの範囲にある所定の幅にスリットされたロール状のフィルムについて、フィルムを巻き出し、長手方向に29.42N/幅の張力をかけてフィルムを張り出す。その状態でフィルムの下側から所定の幅のフィルムについて幅方向直角に膜厚測定器を3m/分の速度で走行させて最大厚さ(μm)と最小厚さ(μm)を測定し、変動幅(=最大厚さ−最小厚さ)を測定した。測定箇所は、局所シワ振幅測定用に無作為に30点抽出した箇所と同じ箇所で測定を行い、30回繰り返し測定を行った中で最も大きい変動幅を用いて以下の式により厚みむら(%)を求めた。
厚みむら(%)={(最大厚さ−最小厚さ)/t}X100
(上記式中、tは平均厚みであり、フィルムの試験片の密度(ρ;(g/cm3))をJIS K7112に規定するD法(密度勾配管法)により測定し次に、100±0.5cm2のサイズに切り取った試験片を天秤に乗せ、フィルム質量(m;(g))を0.0001gまで正しく測定した後、次の式により算出した。かかる測定を5回繰り返し、得られたtの値の中央値を平均厚みとした。
t=100m/ρ)
光干渉の原理を用いた非接触型の膜厚測定器(大塚電子製 瞬間マルチ測光システム「MCPD−1000」)を局所シワ振幅測定用のCCDレーザー変位センサーの走行方向に設置して測定した。また、厚みむらの測定条件は局所シワの振幅の測定条件と同じとした。すなわち、300〜2500mmの範囲にある所定の幅にスリットされたロール状のフィルムについて、フィルムを巻き出し、長手方向に29.42N/幅の張力をかけてフィルムを張り出す。その状態でフィルムの下側から所定の幅のフィルムについて幅方向直角に膜厚測定器を3m/分の速度で走行させて最大厚さ(μm)と最小厚さ(μm)を測定し、変動幅(=最大厚さ−最小厚さ)を測定した。測定箇所は、局所シワ振幅測定用に無作為に30点抽出した箇所と同じ箇所で測定を行い、30回繰り返し測定を行った中で最も大きい変動幅を用いて以下の式により厚みむら(%)を求めた。
厚みむら(%)={(最大厚さ−最小厚さ)/t}X100
(上記式中、tは平均厚みであり、フィルムの試験片の密度(ρ;(g/cm3))をJIS K7112に規定するD法(密度勾配管法)により測定し次に、100±0.5cm2のサイズに切り取った試験片を天秤に乗せ、フィルム質量(m;(g))を0.0001gまで正しく測定した後、次の式により算出した。かかる測定を5回繰り返し、得られたtの値の中央値を平均厚みとした。
t=100m/ρ)
(5)加熱収縮応力(F)
フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセットし、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない状態でフィルムを100℃のウオーターバス中に浸漬し浸漬開始から10秒後の応力値を測定した。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、浸漬前のフィルム断面積から加熱収縮応力(g/mm2)を算出し、その平均値を求めた。
フィルムを幅10mmの短冊状に切り出し、一端を荷重検出器のチャックに、もう一方を固定チャックにセットし、チャック間は50mmとした。初期荷重をかけない状態でフィルムを100℃のウオーターバス中に浸漬し浸漬開始から10秒後の応力値を測定した。フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、浸漬前のフィルム断面積から加熱収縮応力(g/mm2)を算出し、その平均値を求めた。
(6)微粒子の平均粒径および粒度分布値
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
(株)島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置SA−CP3型を用いてストークスの抵抗則に基づく沈降法によって粒子の大きさを測定した。測定により得られた粒子の等価球形分布における積算(体積基準)50%の値を用いて平均粒径とした。
(7)中心線平均粗さ(Ra)
日本工業規格JIS B0601に記載されている方法に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)を求めた。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
日本工業規格JIS B0601に記載されている方法に従い、(株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)を求めた。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
(8)感熱孔版印刷原紙実用特性(感度)
フィルムの片面に酢酸ビニル系接着剤を用いて和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤を、バーコーターを用いて塗布し、感熱孔版印刷用原紙を作成した。得られた原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.09mJおよび0.12mJにて文字画像および16階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察して以下の3段階に分けて評価した。
○…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分であり良好
△…希に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大きさが不十分な部分があるが、実用は可能
×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある
フィルムの片面に酢酸ビニル系接着剤を用いて和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤を、バーコーターを用いて塗布し、感熱孔版印刷用原紙を作成した。得られた原紙をサーマルヘッドにより、印加エネルギー0.09mJおよび0.12mJにて文字画像および16階調画像を製版した。製版された原紙のフィルム側から顕微鏡で階調画像部の穿孔状態を観察して以下の3段階に分けて評価した。
○…所定の穿孔が確実に行われ、穿孔の大きさも十分であり良好
△…希に所定の穿孔が得られない部分や穿孔の大きさが不十分な部分があるが、実用は可能
×…所定の穿孔が得られない部分が数多くあり、穿孔の大きさも不十分であり、実用上支障がある
(9)感熱孔版印刷原紙実用特性(印字品位性)
また、感度測定で得た製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラフAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた文字、画像について、以下の3段階に分けて評価した。
○…濃度ムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき良好
△…僅かに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや鮮明さに欠ける
×…濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっきり出ている
また、感度測定で得た製版原紙を用い、理想科学工業(株)製リソグラフAP7200印刷機を用いて実際に印刷し、得られた文字、画像について、以下の3段階に分けて評価した。
○…濃度ムラ、にじみがなく、鮮明に印字でき良好
△…僅かに濃淡のムラ、にじみが認められ、やや鮮明さに欠ける
×…濃淡のムラ、あるいはにじみ、かすれがはっきり出ている
以下の実施例・比較例において用いたポリエステルは、以下の要領で調整したものである。
・ポリエステル−Aの製造
テレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が1.1μmの球状架橋高分子粒子を1.0重量部を含有するエチレングリコールスラリー10重量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.74であった。
テレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部とエチレングリコール60部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物に平均粒径が1.1μmの球状架橋高分子粒子を1.0重量部を含有するエチレングリコールスラリー10重量部を添加し、エチルアシッドフォスフェート0.04部、三酸化アンチモン0.04部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.74であった。
・ポリエステル−Bの製造
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール56重量部、テトラブチルチタネート0.005重量部を反応機にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留出と共に反応温度を徐々に上昇させ、3時間後に210℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応が終了したこの反応混合物にテトラブチルチタネート0.005重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を210℃から徐々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.90であった。
テレフタル酸ジメチル100重量部、1,4−ブタンジオール56重量部、テトラブチルチタネート0.005重量部を反応機にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留出と共に反応温度を徐々に上昇させ、3時間後に210℃とした。4時間後実質的にエステル交換反応が終了したこの反応混合物にテトラブチルチタネート0.005重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を210℃から徐々に昇温し260℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.90であった。
・ポリエステル−Cの製造
2,6ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム・一水塩0.1重量部を反応器にとり、反応開始温度を180℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物にリン酸0.04重量部を添加した後、平均粒径が1.5μmの炭酸カルシウム0.50重量部をおよび三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し290℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.67であった。
2,6ナフタレンジカルボン酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部を出発原料とし、触媒として酢酸カルシウム・一水塩0.1重量部を反応器にとり、反応開始温度を180℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応の終了したこの反応混合物にリン酸0.04重量部を添加した後、平均粒径が1.5μmの炭酸カルシウム0.50重量部をおよび三酸化アンチモン0.04重量部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し290℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、4時間を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。得られたポリエステルの極限粘度は0.67であった。
・ポリエステルDの製造
テレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部をテレフタル酸ジメチル100重量部に変更した以外は、上述のポリエステルAと同様にしてポリエステルDを得た。このポリエステル極限粘度は0.75であった。
テレフタル酸ジメチル78重量部、イソフタル酸ジメチル22重量部をテレフタル酸ジメチル100重量部に変更した以外は、上述のポリエステルAと同様にしてポリエステルDを得た。このポリエステル極限粘度は0.75であった。
実施例1:
ポリエステル−A 24重量部とポリエステル−B 36重量部と、ポリエステル−Aとポリエステル−Bとの組成からなる、フィルム製造時に発生する耳部およびフィルム端部からの再生品 40重量部とを均一にブレンドし、265℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み23μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に65℃で4.0倍、横方向に70℃で4.0倍に延伸し、さらに95℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤として和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤を、バーコーターを用いて塗布し感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
ポリエステル−A 24重量部とポリエステル−B 36重量部と、ポリエステル−Aとポリエステル−Bとの組成からなる、フィルム製造時に発生する耳部およびフィルム端部からの再生品 40重量部とを均一にブレンドし、265℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を30℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み23μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に65℃で4.0倍、横方向に70℃で4.0倍に延伸し、さらに95℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤として和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤を、バーコーターを用いて塗布し感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
実施例2:
ポリエステル−A 27重量部とポリエステル−B 24重量部とポリエステル−C 9重量部と、ポリエステル−Aとポリエステル−Bとポリエステル−Cとの組成からなる、フィルム製造時に発生する耳部およびフィルム端部からの再生品 40重量部を均一にブレンドし、265℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を35℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み25μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に70℃で4.0倍、横方向に75℃で4.2倍に延伸し、さらに98℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤として和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤をバーコーターを用いて塗布し感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
ポリエステル−A 27重量部とポリエステル−B 24重量部とポリエステル−C 9重量部と、ポリエステル−Aとポリエステル−Bとポリエステル−Cとの組成からなる、フィルム製造時に発生する耳部およびフィルム端部からの再生品 40重量部を均一にブレンドし、265℃にて押出機よりシート状に押出し、表面温度を35℃に設定した回転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化させ、厚み25μmの実質的に非晶質のシートを得た。得られたシートを縦方向に70℃で4.0倍、横方向に75℃で4.2倍に延伸し、さらに98℃で6秒間熱処理を施し、厚み1.5μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムに酢酸ビニルを接着剤として和紙と貼り合わせ、さらにフィルムのもう一方の面にシリコーン系滑剤をバーコーターを用いて塗布し感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
比較例1:
ポリエステル−D 100重量部、押出機の温度を285℃、得られたシートを縦方向に85℃で3.7倍、横方向に90℃で4.3倍に延伸する以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
ポリエステル−D 100重量部、押出機の温度を285℃、得られたシートを縦方向に85℃で3.7倍、横方向に90℃で4.3倍に延伸する以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
比較例2:
実施例1において、厚み67μmの実質的に非晶質のシートを得、当該シートを縦方向に68℃で4.0倍、横方向に72℃で4.2倍に延伸し、さらに91℃で6秒間熱処理を施し、厚み4.0μmの二軸配向フィルムを製造した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版用原紙を作成し、評価を行った。
実施例1において、厚み67μmの実質的に非晶質のシートを得、当該シートを縦方向に68℃で4.0倍、横方向に72℃で4.2倍に延伸し、さらに91℃で6秒間熱処理を施し、厚み4.0μmの二軸配向フィルムを製造した以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版用原紙を作成し、評価を行った。
比較例3:
実施例1において、10μmの未延伸シートを作成し、縦方向の延伸倍率を2.5倍、横方向の延伸倍率を2.8倍とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
実施例1において、10μmの未延伸シートを作成し、縦方向の延伸倍率を2.5倍、横方向の延伸倍率を2.8倍とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
比較例4:
ポリエステル−A 5重量部、ポリエステル−B 5重量部とさらに実施例1のポリエステル製造時に発生した耳部およびフィルム端部からの再生品を90重量部とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
以上、得られた結果をまとめて下記表1〜2に示す。
ポリエステル−A 5重量部、ポリエステル−B 5重量部とさらに実施例1のポリエステル製造時に発生した耳部およびフィルム端部からの再生品を90重量部とする以外は実施例1と同様の方法で感熱孔版印刷用原紙を作成、評価を実施した。
以上、得られた結果をまとめて下記表1〜2に示す。
本発明のフィルムは、例えば、高度な品質を有する感熱孔版印刷原紙用フィルムとして好適に利用することができる。
Claims (1)
- 融点が140〜250℃、厚みが1.0〜3.5μmの2軸延伸ポリエステルフィルムであって、幅方向の厚みむらが18%以下、幅方向における局所シワの振幅が3.0mm以下であることを特徴とする感熱孔版印刷原紙用フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005352710A JP2007152797A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005352710A JP2007152797A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007152797A true JP2007152797A (ja) | 2007-06-21 |
Family
ID=38237747
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005352710A Pending JP2007152797A (ja) | 2005-12-06 | 2005-12-06 | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007152797A (ja) |
-
2005
- 2005-12-06 JP JP2005352710A patent/JP2007152797A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3806888B2 (ja) | 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフイルムおよびそれからなる感熱孔版印刷原紙 | |
KR101108092B1 (ko) | 고감도 감열 공판 인쇄 원지 | |
KR20010032154A (ko) | 감열 공판 인쇄 원지로 사용하는 이축 배향 폴리에스테르필름 | |
JP2007152797A (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP2015208944A (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP3581617B2 (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP2007168340A (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JP3499950B2 (ja) | ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP2525509B2 (ja) | 積層ポリエステルフイルム | |
JP2008207442A (ja) | ペーパーレス感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JP2006175763A (ja) | 高感度感熱孔版印刷用ポリエステルフィルム | |
JP2013223969A (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP4540276B2 (ja) | 感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムの製造方法 | |
JP2013202961A (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP3644127B2 (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用二軸延伸ポリエステルフィルム | |
JP3361152B2 (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JP2007069432A (ja) | 多孔性薄葉支持体を有しない感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JP3235211B2 (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP3411633B2 (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JP3456245B2 (ja) | 感熱孔版原紙用フイルム | |
JPH07156570A (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JPH07276844A (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルム | |
JPH0948181A (ja) | 高感度感熱孔版印刷原紙用フィルム | |
JP2010155420A (ja) | スクリーン印刷用ポリエステルフィルム | |
JP3838266B2 (ja) | 感熱孔版印刷原紙用フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20080424 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 |