JPH1158651A - 感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法 - Google Patents

感熱孔版印刷用原紙およびその製造方法

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JPH1158651A
JPH1158651A JP23219697A JP23219697A JPH1158651A JP H1158651 A JPH1158651 A JP H1158651A JP 23219697 A JP23219697 A JP 23219697A JP 23219697 A JP23219697 A JP 23219697A JP H1158651 A JPH1158651 A JP H1158651A
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film
heat
fiber
thickness
support
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JP23219697A
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English (en)
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Yukio Kawazu
幸雄 河津
Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Kenji Kida
健次 喜田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、高感度、高画質で、かつ、耐刷性な
らびに防しわ性に優れた感熱孔版印刷用原紙およびその
製造方法を提供せんとするものである。 【解決手段】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、ポリエス
テルフィルムとポリエステル繊維からなる多孔性支持体
とを接着剤を介することなく積層してなる感熱孔版印刷
用原紙において、該多孔性支持体が繊維径の異なる2種
類以上の層で構成されてなり、かつレーザーラマン分光
法により求めたフィルムの配向パラメータが3〜10で
あることを特徴とするものである。かかる感熱孔版印刷
用原紙の製造方法は、未延伸のポリエステルフィルム
に、繊維径の異なる未延伸のポリエステル繊維層を2層
以上重ね合わせた後、共延伸することを特徴とするもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感熱孔版印刷用原
紙およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、サー
マルヘッドやレーザー光線等によって穿孔製版される感
熱孔版印刷用原紙に関するものであり、特に穿孔性に優
れ、画質が良好で、かつ耐刷性に優れた感熱孔版印刷用
原紙およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より感熱孔版印刷用原紙としては、
ポリエステルフィルム等の熱可塑性樹脂フィルムに、天
然繊維、化学繊維または合成繊維あるいはこれらを混抄
した薄葉紙、不織布、紗等によって構成された多孔性支
持体を接着剤で貼り合わせた構造のものが知られている
(例えば、特開昭51−2512号公報、特開昭51−
2513号公報、特開昭57−182495号公報な
ど)。
【0003】近年、感熱孔版印刷機では高解像度を目的
にサーマルヘッドのドット密度を400dpiから60
0dpiに増大したり、また、製版速度を短縮するた
め、サーマルヘッドの製版エネルギーを低減するなどの
改良が行われており、そのための高感度で高画質な感熱
孔版印刷用原紙(以下、原紙という)の提供が求められ
てきた。
【0004】これらの要求に応えるため、例えば感度向
上を目的にフィルムの厚さを薄くしたり、フィルムの熱
収縮率や熱収縮応力を大きくするなどの改良が行われた
り、また、画質向上を目的に支持体に合成繊維を用いて
繊維を細くしたり、目付を小さくするなどの改良が行わ
れてきた。
【0005】しかしながら、フィルムを薄くしたり、支
持体の繊維径や目付を小さくすると、原紙としての剛性
や強度が低下して、製版後の原紙が熱変形したり、印刷
機内で走行不良を生じるなどの不具合のあることがわか
った。
【0006】これら原紙の熱変形や走行不良の問題点を
解消する目的で、特開平3−193445号公報におい
ては、支持体繊維の繊度と目付の両方を規定した多層様
支持体を用いた感熱孔版印刷用原紙が提案されている。
該原紙は、熱可塑性重合体よりなる感熱孔版用フィルム
に貼り合わせてなる6〜20g/m2 のインキ透過性多
孔質多層様支持体よりなり、該多孔質多層様支持体の少
なくともフィルムに面した層が、繊度1デニール以下の
繊維を主体とした4〜12g/m2 の層であることを特
徴とするものである。該原紙を用いた孔版印刷では、製
版後の原紙の熱変形性や、原紙の走行性は大幅に改良さ
れているものの、フィルムと支持体および多層様支持体
の貼り合わせに接着剤を用いているため、接着剤によっ
てフィルムの穿孔やインキの透過が阻害されて、画像鮮
明性の点でかならずしも満足のいくものではなかった。
また、大量枚数(3000枚以上)を印刷すると、フィ
ルムと支持体あるいは多層様支持体の層間が剥離して、
画像に歪みが生じるなど、耐刷性の点でも問題があっ
た。該公報には、フィルムと支持体を接着剤を用いず、
熱接着することも記載されているが、具体的な熱接着条
件は記載されていない。通常、フィルムと支持体繊維と
を熱接着した場合には、熱接着時の加熱温度によってフ
ィルムにしわが生じたり、またフィルムの配向が低下し
たりして穿孔性が著しく低下するなどの問題がある。ま
た、不織布で多層様支持体を構成する方法として、不織
布の紡糸工程で、繊維径の異なる繊維を順次重ねて紡糸
する方法が記載されているが、この場合、不織布間の接
着は必ずしも十分とはならず、耐刷性の点で問題があっ
た。不織布同士の接着を強くするため、エンボス加工を
するなどの方法があるが、エンボス加工を施すとエンボ
ス点でのインキ不通過が生じ画質が低下するという問題
がある。さらに目付6〜20g/m2 の低目付の不織布
を紡糸した場合、繊維の分散が不均一となり、画像に濃
度むらが発生するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決し、高感度、高画質で、かつ、耐刷
性ならびに防しわ性に優れた感熱孔版印刷用原紙および
その製造方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するために、つぎのような手段を採用するものであ
る。すなわち、本発明の感熱孔版印刷用原紙は、ポリエ
ステルフィルムとポリエステル繊維からなる多孔性支持
体とを接着剤を介することなく積層してなる感熱孔版印
刷用原紙において、該多孔性支持体が繊維径の異なる2
種類以上の層で構成されてなり、かつレーザーラマン分
光法により求めたフィルムの配向パラメータが3〜10
であることを特徴とするものである。
【0009】かかる感熱孔版印刷用原紙の製造方法は、
未延伸のポリエステルフィルムに、繊維径の異なる未延
伸のポリエステル繊維層を2層以上重ね合わせた後、共
延伸することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、高感度、高画質で、か
つ、耐刷性ならびに防しわ性の全ての性質に優れた感熱
孔版印刷用原紙を提供するために、鋭意検討した結果、
原紙の支持体を繊維径の異なる2つ以上の繊維層で構成
し、かつフィルムの配向パラメータを規定することによ
り、かかる課題を一挙に解決することを究明したもので
ある。本発明のポリエステルフィルムおよびポリエステ
ル不織布に用いられるポリエステルとは、いずれも芳香
族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸または脂環族ジカ
ルボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステ
ルである。ここで、芳香族ジカルボン酸成分としては例
えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4
−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカル
ボン酸等を挙げることができ、中でも好ましくはテレフ
タル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸等を使用することができる。脂肪族ジカルボン酸成分
としては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカンジオン酸等を使用することができ、中でも
好ましくはアジピン酸等を使用することができる。また
脂環族ジカルボン酸成分としては例えば、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸等を使用することができる。こ
れらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用し
てもよく、さらには、ヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸
等を一部共重合してもよい。また、ジオール成分として
は例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオ
ール、1.3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1.3−
シクロヘキサンジメタノール、1.4−シクロヘキサン
ジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリアルキレングリコール、2,2′ビス
(4′−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等
を使用することができる。中でもエチレングリコールが
好ましく用いられる。これらのジオール成分は1種のみ
用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0011】本発明のポリエステルフィルムに用いるポ
リエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレフタレ
ート、エチレンテレフタレートとエチレンイソフタレー
トとの共重合体、エチレンテレフタレートとエチレンナ
フタレートとの共重合体、ヘキサメチレンテレフタレー
トとシクロヘキサンジメチレンテレフタレートとの共重
合体、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレ
フタレートとのブレンド等を使用することができる。穿
孔感度と延伸性の点から特に好ましくは、エチレンテレ
フタレートとエチレンイソフタレートとの共重合体、エ
チレンテレフタレートとエチレンナフタレートとの共重
合体等を使用することができる。
【0012】本発明におけるポリエステルフィルムには
必要に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワ
ックス等の有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤
等を配合することができる。さらには必要に応じて易滑
性を付与することもできる。易滑性付与方法としては特
に制限はないが、例えば、クレー、マイカ、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式あるいは
乾式シリカなどの無機粒子、アクリル酸類、スチレン等
を構成成分とする有機粒子等を配合する方法、ポリエス
テル重合反応時に添加する触媒等を析出する、いわゆる
内部粒子による方法、界面活性剤を塗布する方法等を採
用することができる。
【0013】本発明におけるポリエステル繊維に用いら
れるポリエステルとして好ましくは、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、エチレンテレフタレートとエチレンイ
ソフタレートとの共重合体等を使用することができる。
熱寸法安定性の点から特に好ましくは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリエチレンナフタレート等を使用する
ことができる。
【0014】本発明のポリエステル繊維には必要に応じ
て、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯
電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックス等の
有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤等を配合す
ることができる。
【0015】本発明におけるポリエステル繊維には、イ
ンキとの親和性を付与するために必要に応じて繊維の表
面に酸、アルカリ等の化学処理あるいはコロナ処理、低
温プラズマ処理等を施してもよい。
【0016】本発明の多孔性支持体は、繊維径の異なる
2種類以上の繊維層で構成されてなる。好ましくは繊維
径5μm未満の層と繊維径5μm以上の層で構成されて
なりより好ましくはフィルムに接する繊維層が、繊維径
5μm未満の繊維で構成され、印刷機の版胴に接する層
の繊維層が繊維径5μm以上の繊維で構成されてなるも
のがよい。
【0017】フィルムに接する側の繊維層を、繊維径5
μm未満の繊維で構成することにより、フィルム面の平
滑性が向上して、サーマルヘッドとの密着性がよくな
り、穿孔不良が減少する。この場合、繊維径の下限は好
ましくは0.5μmである。また、印刷機の版胴に接す
る繊維層を繊維径5μm以上の繊維で構成することによ
り、原紙を着版させたとき、しわが惹起しにくくなる。
この場合、繊維径の上限は好ましくは20μm、さらに
好ましくは10μmである。
【0018】本発明の多孔性支持体において、繊維径5
μm未満の層と繊維径5μm以上の層との構成割合は、
任意に設定することができるが、着版時の防しわ性の点
から、版胴に接する繊維径5μm以上の層の割合は、少
なくとも印刷機の版胴に接する繊維層の厚さは、支持体
全体の厚さの少なくとも10%であるのが好ましく、よ
り好ましくは10〜70%である。また、画質の均一性
の上から、フィルムに接する繊維径5μm未満の層の割
合は、支持体全体の厚さの30%以上であるのが好まし
く、さらに好ましくは30〜90%である。かかる厚さ
に制御することにより、ベタ印刷の均一性と耐刷性とに
優れた原紙を提供することができる。
【0019】本発明におけるポリエステルフィルムは、
レーザーラマン分光法で求めた配向パラメータが3〜1
0である。より好ましくは3.5〜10、特に好ましく
は4〜10である。配向パラメータが3〜10であれ
ば、フィルムの穿孔感度の良好な原紙とすることができ
る。
【0020】本発明でいうフィルムの配向パラメータ
は、Jobin Yvon/愛宕物産(株)製“Ram
anor”U−1000I(光源:NEC製GLG33
00Ar+ レーザー 514.5nm、顕微鏡:オリン
パス製BH−2型 対物レンズ×100)を用いて、レ
ーザーラマン分光法により求めた値である。
【0021】フィルムの配向パラメータは、原紙をPM
MA樹脂中に包埋して湿式研磨し、フィルムの幅方向に
垂直な断面を形成し、該断面に対して垂直にレーザー光
を照射し、フィルムの面方向に偏光したレーザー光およ
びフィルムの厚さ方向に偏光したレーザー光による16
15cm-1バンドのピーク強度をそれぞれIYY、IXX
し、その比をR1=IYY/IXXとして求めた。配向パラ
メーターが大きい程、分子の配向度が高いことを意味す
る。
【0022】本発明における多孔性支持体全体の厚さ
は、インキ通過性の点から30〜120μmであるのが
好ましく、より好ましくは40〜100μmである。
【0023】本発明における多孔性支持体の目付は、4
〜20g/m2 であるのが好ましく、より好ましくは6
〜18g/m2 、特に好ましくは8〜16g/m2 であ
る。目付が上記範囲であれば、支持体の強度と剛性が十
分となり、搬送性が良好となる。
【0024】本発明におけるポリエステル繊維の結晶化
度は、10%〜50%が好ましく、より好ましくは15
%〜50%、特に好ましくは20%〜50%である。結
晶化度が10%以上であれば支持体として十分な耐熱性
が得られる。
【0025】本発明におけるポリエステルフィルムは、
融点(Tm1)が好ましくは230℃以下であり、より
好ましくは220℃以下、特に好ましくは210℃以下
である。融点が230℃以下であれば、フィルムの熱穿
孔性が良好となる。
【0026】本発明におけるポリエステルフィルムの融
点(Tm1)と繊維の融点(Tm2)とは、好ましくは
Tm1<Tm2であり、より好ましくはその差が5℃以
上、特に好ましくは10℃以上である。Tm1<Tm2
であれば、製版時のサーマルヘッドの熱により支持体が
収縮することがなく好ましい。
【0027】本発明におけるポリエステルフィルムの厚
さは、0.1〜5μmであるのが好ましく、より好まし
くは0. 1〜3μm、特に好ましくは0.1〜2μmで
ある。厚さが5μm以下であれば、穿孔性が低下するこ
とがなく、0.1μm以上であれば、製膜安定性が良好
である。
【0028】本発明におけるポリエステルフィルムは、
結晶融解エネルギー(△Hu)が好ましくは10〜50
J/gであり、より好ましくは10〜40J/gであ
る。△Huが10〜50J/gであれば、フィルムの穿
孔形状が安定し、鮮明な文字印刷を容易に行うことがで
きる。
【0029】次に、本発明の感熱孔版印刷用原紙の製造
方法について説明する。
【0030】本発明の感熱孔版印刷用原紙は、未延伸の
ポリエステルフィルムと、繊維径の異なる未延伸のポリ
エステル繊維層を2層以上重ね合わせて熱接着した後、
共延伸することにより製造する。
【0031】本発明に用いるポリエステルは以下の方法
で製造することができる。例えば、酸成分をジオール成
分と直接エステル化反応させた後、この反応の生成物を
減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去しつつ重縮
合させることによって製造する方法や、酸成分としてジ
アルキルエステルを用い、これとジオール成分とでエス
テル交換反応させた後、上記と同様に重縮合させること
によって製造する方法等がある。この際、必要に応じ
て、反応触媒として従来公知のアルカリ金属、アルカリ
土類金属、マンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲ
ルマニウム、チタン化合物等を用いることもできる。
【0032】本発明に用いる未延伸ポリエステルフィル
ムは上記ポリエステルを用いて、例えばTダイ押出し法
によってポリマーを冷却ドラム上に押し出して作製する
ことができる。
【0033】フィルムに用いるポリエステルの固有粘度
は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以
上、特に好ましくは0.65以上である。固有粘度が
0.5以上であれば、製膜安定性が良好で、特に薄いフ
ィルムのキャストが容易となる。本発明に用いる未延伸
ポリエステル繊維は、メルトブロー法やスパンボンド法
などの直接溶融紡糸法によって不織布形態で製造するこ
とができるが、フィルムとの共延伸性および不織布同士
の接着性の点からメルトブロー法不織布がより好まし
い。
【0034】メルトブロー法不織布は、溶融したポリマ
ーを口金から吐出するに際して、口金周辺部から熱風を
吹き付け、該熱風によって吐出したポリマーを細繊度化
せしめ、ついで、しかるべき位置に配置したネットコン
ベア上に吹き付けて捕集して製造される。該不織布はネ
ットコンベアに設けた吸引装置によって熱風と一緒に吸
引されるので、繊維が完全に固化する前に捕集される。
つまり、繊維同士は互いに融着した状態で捕集され、口
金とネットコンベア間の捕集距離を適宜設定することに
よって、繊維同士の融着度合を調整することができる。
また、ポリマー吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア
速度等を適宜調整することにより、繊維の太さや目付を
調整することができる。メルトブロー紡糸された繊維
は、熱風の圧力で細繊度化され、無配向または極めて低
配向のいわゆる未延伸状態で固化され、また、口金から
吐出したポリマーは、溶融状態から室温雰囲気下に急冷
されるため非晶質に近い低結晶の状態で固化するので、
フィルムとの共延伸性に優れたものとすることができ
る。本発明に好ましい未延伸不織布の複屈折は10×1
-3以下、結晶化度は5%以下である。また、メルトブ
ロー不織布に用いるポリマーの固有粘度は、好ましくは
0.4以上、より好ましくは0.45以上である。固有
粘度が0.4以上であれば、紡糸工程でショットや糸切
れが発生することがなく、また、フィルムとの共延伸時
に繊維が破断したりすることがない。
【0035】本発明において、繊維径の異なる2種類以
上のポリエステル繊維層を積層する方法は特に限定され
るものではなく、例えば、フィルムの製造工程の縦延伸
の段階で、繊維径の異なる2種類以上の未延伸ポリエス
テル不織布を、未延伸ポリエステルフィルムに重ね合わ
せて供給すればよい。また、予め繊維径の異なる2種類
の未延伸不織布を熱接着した後、未延伸のポリエステル
フィルムと重ね合わせて共延伸してもよい。さらにま
た、上記の不織布紡糸工程で、1層目の不織布を紡糸し
た後、その上から、もう1層の繊維径の異なる不織布を
紡糸して積層不織布を構成し、該積層不織布とポリエス
テルフィルムとを重ね合わせて共延伸してもよい。
【0036】本発明において、未延伸のポリエステルフ
ィルムと未延伸のポリエステル不織布とを熱接着して両
者を同時に共延伸することにより、ポリエステルフィル
ムとポリエステル繊維とを接着剤を介することなく接着
することができる。また、ポリエステル不織布同士も接
着剤を用いることなく接着することができる。
【0037】未延伸のポリエステルフィルムと未延伸の
ポリエステル不織布とを熱接着する方法は特に限定され
ないが、加熱ロールによる熱接着が特に好ましい。用い
る加熱ロールの材質としては、金属ロールや“テフロ
ン”ロール、シリコンロールなどが好ましい。熱接着温
度はフィルムのガラス転移点(Tg)付近が好ましく、
50℃〜100℃の範囲が特に好ましい。また、熱接着
時の圧力はロール線圧で0.1〜100N/cmの範囲
で行うのが好ましい。
【0038】ポリエステルフィルムとポリエステル不織
布との共延伸の方法は特に限定されないが、2軸延伸が
より好ましい。2軸延伸は逐次2軸延伸法または同時2
軸延伸法のいずれの方法であってもよいが、逐次2軸延
伸が特に好ましい。逐次2軸延伸の場合、通常加熱ロー
ル群による縦延伸の後、テンターにより横延伸を行うの
が一般的であるが、逆に行ってもよい。加熱ロールの材
質としては金属、“テフロン”、セラミック、シリコン
ゴムなどが好ましく用いられる。ニップロールの材質は
シリコンゴムが特に好ましい。延伸時のニップ圧力は、
ロール線圧で0.1〜100N/cmの範囲で行うのが
好ましい。延伸温度は50℃〜150℃の間が好まし
く、より好ましくは60℃〜130℃の範囲で行うのが
好ましい。また、延伸時の加熱を均一に行うため、ポリ
エステル不織布のみを単独で予熱してから延伸ロールに
供給してもよい。さらに、フィルムと不織布とを均一に
延伸するため、熱接着されたフィルムと不織布とを延伸
直前に赤外線ヒーターなどで加熱してもよい。
【0039】延伸倍率は特に限定されないが、通常好ま
しくは縦、横それぞれ2〜8倍、より好ましくは3〜8
倍が適当である。また、2軸延伸後、縦または横、ある
いは縦横に再延伸してもかまわない。
【0040】さらにその後、2軸延伸後の本発明原紙を
熱処理するのが好ましい。熱処理温度は特に限定されな
いが、100℃〜200℃の間が好ましく、処理時間は
通常0.5〜60秒程度が適当である。
【0041】また、熱処理して得られた原紙を一旦室温
程度まで冷却した後、さらに40〜90℃の比較的低温
で、5分から1週間程度エージングすることもできる。
このようなエージングを採用すると、原紙の保管時にカ
ールやシワの発生が少なく特に好ましい。
【0042】フィルムの配向パラメータを本発明の範囲
とするには、用いるポリマーの重合度にもよるが、フィ
ルムと不織布の熱接着条件、両者を共延伸するときのそ
れぞれの温度、ならびに延伸倍率、熱処理温度等を適宜
調整することにより達成することができる。この場合、
未延伸フィルムおよび未延伸不織布は延伸挙動の近いも
のが好ましいが、適正延伸温度の差が大きい場合でも、
例えば、縦延伸前の予熱の段階で、それぞれ未延伸フィ
ルム部分と未延伸不織布部分が接触するロールの温度に
差を設けることなどによってフィルム部分の配向を高め
ることができる。特に、予熱温度、延伸温度を調整し
て、フィルムの表面温度をコントロールすることが肝要
である。
【0043】本発明における原紙には、サーマルヘッド
等との融着防止のため、フィルム表面に離型剤を塗布す
るのが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、
シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等からな
るものが好ましい。これら離型剤中には、本発明の効果
を阻害しない範囲内で、例えば、帯電防止剤、耐熱剤、
耐酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料等の各種添加
剤を併用することができる。
【0044】離型剤層の厚みは好ましくは0.005μ
m以上0.4μm以下、より好ましくは0.01μm以
上0.2μm以下である。離型剤層の厚みが0.005
μm以上であれば、原紙の走行性が良好となり、厚みが
0.4μm以下であればサーマルヘッドの汚染がない。
【0045】離型剤の塗布は、フィルムの延伸前あるい
は延伸後、いずれの段階で行ってもよい。塗布方法は特
に限定されないが、ロールコーター、グラビアコータ
ー、リバースコーター、バーコーター等を適宜用いて塗
布することができる。
【0046】また、離型剤を塗布する前に必要に応じ
て、フィルムの塗布面に空気中その他種々の雰囲気中で
コロナ放電処理等を施してもよい。
【0047】次に、本発明における特性の測定方法およ
び評価方法について説明する。
【0048】(1)繊維径(μm) 原紙支持体面の任意の10箇所について電子顕微鏡で倍
率2000倍の写真を撮影し、1枚の写真について15
本の繊維の直径を測定し、合計150本の繊維の平均値
を求めた。フィルム面側の繊維径は、原紙からフィルム
を剥離して求めた。
【0049】(2)フィルムの配向パラメータ フィルムの配向パラメータは、Jobin Yvon/
愛宕物産(株)製“Ramanor”U−1000I
(光源:NEC製GLG3300 Ar+ レーザー 5
14.5nm、顕微鏡:オリンパス製BH−2型 対物
レンズ×100)を用いて、レーザーラマン分光法によ
り以下の方法で求めた。
【0050】原紙をPMMA樹脂中に包埋して湿式研磨
し、フィルムの幅方向に垂直な断面を形成し、該断面に
対して垂直にレーザー光を照射し、フィルムの面方向に
偏光したレーザー光およびフィルムの厚さ方向に偏光し
たレーザー光による1615cm-1バンドのピーク強度
をそれぞれIYY、IXXとし、その比R=IYY/IXXを配
向パラメータとして求めた。配向パラメータが大きい
程、分子の配向度が高いことを意味する。
【0051】(3)支持体繊維層の厚さ(μm) 原紙の厚さ方向の断面を電子顕微鏡で倍率1000倍の
写真を撮影し、支持体部分の厚さを求めた。
【0052】(4)目付(g/m2 ) 原紙を20cm×20cmの大きさに切り出し、その重
さを測定し、フィルムの重さを減じてm2 当たりの重量
に換算した。フィルムの重さは、密度と厚さから計算し
て求めた。
【0053】フィルムの密度は密度勾配管により求め、
フィルムの厚さは原紙の断面を電子顕微鏡で観察して測
定した。
【0054】(5)フィルム厚さ(μm) 原紙の厚さ方向の断面を電子顕微鏡で倍率2000倍〜
10000倍の写真を撮影し、フィルムの厚さを測定し
た。
【0055】(6)フィルムの融点(Tm1 ℃) 原紙からフィルムを剥離し、注意深くフィルム面からか
ら繊維を取り除いた後、試料5mgを採取し、セイコー
電子工業(株)製示差走査熱量計RDC220型を用い
て、室温より昇温速度20℃/分で昇温した時の吸熱曲
線のピークの温度より求めた。
【0056】(7)穿孔のバラツキ 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機“リソグラ
フ”(GR375)に供給して製版した。次いで製版マ
スターのフィルム面をイオンコーターで白金蒸着し、穿
孔部を倍率100倍でSEM写真を撮影した。該写真の
穿孔部150個について、イメージアナライザー
((株)ピアス製)で、等価円直径の平均値(m)と標
準偏差(σ)を求め、次式によりS/N比を計算し、穿
孔バラツキを判定した。
【0057】S/N=10×log (m/σ)2 S/N比が12以上のものを○ S/N比が10以上〜12未満のものを△ S/Nが10未満のものを× とした。S/N比が大きい程、穿孔径が均一でばらつき
が小さいことを表す。
【0058】(8)画質の評価 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機“リソグラ
フ”(GR375)に供給して、B4版の全ベタ原稿を
用いて印刷した。印刷20枚目のサンプルについて、白
抜けと濃淡むらを目視観察し、次のように判定した。
【0059】<白抜け> 白抜けが全くないものを○ 白抜けが少し発生したものを△ 白抜けが著しいものを× <濃淡むら> 濃淡が全くないものを○ わずかに濃淡が見られるものを△ 濃淡が目立つものを× とした。
【0060】(9)耐刷性 作製した原紙を理想科学工業(株)製印刷機“リソグラ
フ”(GR375)に供給して、No.8チャートを原
稿として製版し、3000枚の印刷を行った。印刷後の
画像を観察して次のように判定した。
【0061】 画像に歪みやしわ等が全く発生しなかったものを○ 部分的に歪みが生じたものを△ 歪みとしわが著しいものを× とした。
【0062】実施例1 孔径0.3mm、孔数100個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度290℃、熱風温度295℃、熱風流量1
50Nm3 /h、吐出量30g/分で、 ポリエチレン
テレフタレート原料(〔η〕=0.495、Tm2=2
54℃)をメルトブロー法にて紡出し、捕集距離10c
mでコンベア上に繊維を捕集して巻取り、繊維径6μ
m、目付100g/m2 の未延伸不織布(不織布A)を
作製した。
【0063】同様に、紡糸条件を変更して、繊維径16
μm、目付40g/m2 の未延伸不織布(不織布B)を
作製した。
【0064】次いで、エチレンテレフタレート85モル
%、エチレンイソフタレート15モル%からなる共重合
ポリエステル樹脂原料(〔η〕=0.74、Tm1=2
09℃)をスクリュ径40mmの押出機を用いて、Tダ
イ口金温度275℃で押出し、直径300mmの冷却ド
ラム(ドラム温度60℃)上にキャストして未延伸フィ
ルムを作製した。
【0065】該未延伸フィルムと上記の未延伸不織布A
および未延伸不織布Bを重ねて縦延伸機に供給し長さ方
向に3.5倍に延伸し、室温まで冷却した。このとき、
未延伸不織布Aがフィルム面側となるように重ね合わせ
た。また、縦延伸機の4本の予熱ロールの設定温度を前
から順番に80℃、85℃、90℃、95℃に設定し、
不織布が接触するロール温度をフィルムが接触するロー
ル温度よりも5℃高くした。延伸ロールの温度は95
℃、ニップ線圧は10N/cmとした。また、延伸ロー
ルの直前で、赤外線ヒーターによりフィルム面側を1k
Wで加熱した。非接触式温度計で延伸ロール直後のフィ
ルム表面温度を測定したところ、温度は91〜93℃で
あった。
【0066】次いで、テンター式横延伸機に送り込み、
予熱温度90℃、延伸温度95℃で幅方向に3.8倍延
伸し、さらにテンター内で160℃で熱処理してロール
状に巻き取った。フィルム面にシリコン系離型剤を塗布
して本発明の感熱孔版印刷用原紙を作製した。
【0067】該原紙はフィルム厚さ1.5μm、支持体
の目付は10.5g/m2 、支持体の厚さは90μmで
あった。フィルム面側の不織布の繊維径は3.1μm、
厚さは65μm、フィルムと反対面側の不織布の繊維径
は7.5μm、厚さは25μmであった。また、レーザ
ーラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータは
6.3であった。
【0068】実施例2 実施例1において、縦延伸機の4本の予熱ロールの設定
温度を前から順番に70℃、75℃、80℃、85℃に
設定し、延伸ロールの温度を90℃とした以外は、実施
例1と同様にして、感熱孔版印刷用原紙を作製した。非
接触式温度計で延伸ロール直後のフィルム表面温度を測
定したところ、温度は88〜90℃であった。
【0069】該原紙はフィルム厚さ1.5μm、支持体
の目付は10.5g/m2 、支持体の厚さは100μm
であった。フィルム面側の不織布の繊維径は3.1μ
m、厚さは70μm、フィルムと反対面側の不織布の繊
維径は7.5μm、厚さは30μmであった。また、レ
ーザーラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータ
は3.5であった。
【0070】比較例1 実施例1において、縦延伸機の4本の予熱ロールの設定
温度を全て95℃に設定し、延伸ロールの温度を100
℃とした以外は、実施例1と同様にして、感熱孔版印刷
用原紙を作製した。非接触式温度計で延伸ロール直後の
フィルム表面温度を測定したところ、温度は98〜10
2℃であった。
【0071】該原紙はフィルム厚さ1.5μm、支持体
の目付は10.5g/m2 、支持体の厚さは70μmで
あった。フィルム面側の不織布の繊維径は3.1μm、
厚さは50μm、フィルムと反対面側の不織布の繊維径
は7.5μm、厚さは20μmであった。また、レーザ
ーラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータは
2.8であった。
【0072】実施例3 実施例1において、未延伸不織布B(繊維径16μm、
目付40g/m2 )がフィルム面側になるように重ね合
わせた以外は、実施例1と同様にして、感熱孔版印刷用
原紙を作製した。
【0073】該原紙はフィルム厚さ1.5μm、支持体
の目付は10.5g/m2 、支持体の厚さは90μmで
あった。フィルム面側の不織布の繊維径は7.5μm、
厚さは25μm、フィルムと反対面側の不織布の繊維径
は3.1μm、厚さは65μmであった。また、レーザ
ーラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータは
6.1であった。
【0074】実施例4 実施例1において、未延伸不織布Aの目付を15g/m
2 、未延伸不織布Bの目付を125g/m2 )とした以
外は、実施例1と同様にして、感熱孔版印刷用原紙を作
製した。
【0075】該原紙はフィルム厚さ1.5μm、支持体
の目付は10.5g/m2 、支持体の厚さは90μmで
あった。フィルム面側の不織布の繊維径は3.1μm、
厚さは10μm、フィルムと反対面側の不織布の繊維径
は7.5μm、厚さは80μmであった。また、レーザ
ーラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータは
5.9であった。
【0076】比較例2 孔径0.25mm、孔数100個の円形口金を用いて、
口金温度290℃で、ポリエチレンテレフタレート原料
(〔η〕=0.63、Tm=254℃)を紡糸し、エア
エジェクターで紡糸速度5000m/分でコンベア上に
繊維を捕集し、繊維径5.5μm、目付5g/m2 、厚
さ15μmの延伸不織布(不織布A)を作製した。
【0077】次いで、吐出量をアップして繊維径12μ
m、目付12g/m2 、厚さ40μmの延伸不織布(不
織布B)を作製した。
【0078】次いで、不織布Aと不織布Bをポリエステ
ル系接着剤で接着し、2層積層支持体を作製した。該積
層支持体と、厚さ2μmのポリエステルフィルムとを、
酢酸ビニル系接着剤を塗布量1.0g/m2 になるよう
に固形分濃度を調整して貼り合わせ、感熱孔版印刷用原
紙を作製した。該原紙のフィルム面には、離型剤として
ジメチルシリコンオイル0.05g/m2 を塗布した。
該原紙のレーザーラマン分光法で求めたフィルムの配向
パラメータは5.3であった。
【0079】比較例3 比較例2において、延伸不織布Aと延伸不織布Bを温度
200℃のエンボスロールで熱接着して積層支持体を作
製した。
【0080】該積層支持体と厚さ2μmのポリエステル
フィルムとを重ねて温度130℃のカレンダーロールに
供給して熱接着し、感熱孔版印刷用原紙を作製した。該
原紙のフィルム面には、離型剤としてジメチルシリコン
オイル0.05g/m2 を塗布した。該原紙のレーザー
ラマン分光法で求めたフィルムの配向パラメータは2.
5であった。
【0081】実施例5 実施例1において、未延伸不織布Aの目付を40g/m
2 、未延伸不織布Bの目付を100g/m2 とした以外
は、実施例1と同様にして、感熱孔版印刷用原紙を作成
した。
【0082】該原紙は、フィルム厚さ1.5μm、支持
体の目付は10.5g/m2 、支持体厚さは30μmで
あった。また、フィルム面側の不織布の繊維径は3.1
μmで、その厚さは30μmで、フィルムと反対面側の
不織布の繊維径は7.5μmで、その厚さは60μmで
あった。また、レーザーラマン分光法で求めたフィルム
の配向パラメータは6.0であった。
【0083】実施例6 実施例1において、未延伸不織布Aの目付を125g/
2 、未延伸不織布Bの目付を15g/m2 とした以外
は、実施例1と同様にして、感熱孔版印刷用原紙を作成
した。
【0084】該原紙は、フィルム厚さ1.5μm、支持
体の目付は10.5g/m2 、支持体厚さは90μmで
あった。また、フィルム面側の不織布の繊維径は3.1
μmで、その厚さは80μmで、フィルムと反対面側の
不織布の繊維径は7.5μmで、その厚さは10μmで
あった。また、レーザーラマン分光法で求めたフィルム
の配向パラメータは6.0であった。
【0085】
【表1】 表1から明らかなように、フィルムの配向パラメータを
3以上に調整した実施例1〜6のものは、サーマルヘッ
ドによって製版されたフィルムの穿孔径のバラツキが小
さく、画質が良好であった。
【0086】これに対しフィルムの配向パラメータを3
未満に調整した比較例1のものは、該穿孔径のバラツキ
が大きく画質が低下したものであった。
【0087】また、実施例1〜6のものは、繊維径の異
なる未延伸不織布を接着剤を用いないで積層したもので
あるから、白抜けや濃淡ムラがなく、均一な画像の印刷
物が得られ、耐印刷性も良好なものであった。特にフィ
ルムの接する側の繊維層の繊維径を5μm未満とした実
施例1、2、4、5、6のものは、濃淡ムラも全くなく
極めて高画質のものであった。
【0088】また、版胴に接する側繊維層の繊維径を5
μm以上とした実施例1、2、4、5、6のものは、着
版じわが全く発生せず、大量版数印刷しても画像に歪み
を発生することがなく、耐印刷性に優れた特徴を示し
た。
【0089】これに対し、フィルムと支持体および支持
体同士を接着剤で接着した比較例2のものは、白抜けが
多く、画質の低下が著しく、耐印刷性の低いものであっ
た。また、延伸不織布を熱接着した比較例3のものは、
穿孔のバラツキが大きく、白抜けによる画質の低下も著
しく、耐印刷性の低いものであった。
【0090】
【発明の効果】本発明の感熱孔版印刷用原紙を用いた孔
版印刷で得られる印刷物は、画像に白抜けや濃淡むらが
なく高精細であり、かつ耐刷性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B41N 1/24 102 B41N 1/24 102 // B29K 67:00 B29L 9:00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムとポリエステル繊維
    からなる多孔性支持体とを接着剤を介することなく積層
    してなる感熱孔版印刷用原紙において、該多孔性支持体
    が繊維径の異なる2種類以上の層で構成されてなり、か
    つレーザーラマン分光法により求めたフィルムの配向パ
    ラメータが3〜10であることを特徴とする感熱孔版印
    刷用原紙。
  2. 【請求項2】前記多孔性支持体において、フィルムに接
    する層の繊維が、繊維径5μm未満であり、かつ、印刷
    機の版胴に接する層の繊維が繊維径5μm以上である請
    求項1記載の感熱孔版印刷用原紙。
  3. 【請求項3】前記繊維径5μm以上の繊維層の厚さが、
    支持体全体の厚さの10%以上である請求項1または2
    記載の感熱孔版印刷用原紙。
  4. 【請求項4】前記多孔性支持体が、メルトブロー不織布
    からなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の感熱孔版印刷用原紙。
  5. 【請求項5】未延伸のポリエステルフィルムに、繊維径
    の異なる2層以上の未延伸のポリエステル繊維層を重ね
    合わせた後、共延伸することを特徴とする感熱孔版印刷
    用原紙の製造方法。
  6. 【請求項6】前記共延伸が、2軸共延伸である請求項5
    記載の感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  7. 【請求項7】前記未延伸のポリエステルフィルムに積層
    する未延伸のポリエステル繊維層が、該ポリエステルフ
    ィルムに接する側の層として繊維径5μm未満の繊維か
    らなる層を形成した後、その上に繊維径5μm以上の繊
    維からなる層が積層されたものである請求項5または6
    記載の感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
  8. 【請求項8】前記繊維径5μm以上の繊維層の厚さが、
    支持体全体の厚さの少なくとも10%である請求項7記
    載の感熱孔版印刷用原紙の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008030274A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 General Technology Kk 感熱孔版原紙
CN115305744A (zh) * 2022-08-31 2022-11-08 安徽清澜新材料科技有限公司 光伏台面纸用无纺布及其生产方法

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