JPH11344654A - 光ケーブル用止水テープ - Google Patents

光ケーブル用止水テープ

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JPH11344654A
JPH11344654A JP10153362A JP15336298A JPH11344654A JP H11344654 A JPH11344654 A JP H11344654A JP 10153362 A JP10153362 A JP 10153362A JP 15336298 A JP15336298 A JP 15336298A JP H11344654 A JPH11344654 A JP H11344654A
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absorbent resin
tape
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Shigenao Koyanagi
茂直 小柳
Makoto Nakayama
信 中山
Kisen Tanaka
喜詮 田中
Naoki Okada
直樹 岡田
Hideyuki Iwata
秀行 岩田
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のスロット型光ケーブル、ルーズチュー
ブ型光ケーブル、センターチューブ型光ケーブル等に比
べ、製造工程が削減され、光ケーブルの接続作業が容易
で、かつ短時間で行え、光ケーブルのコストが削減され
た光ケーブルを得ることが可能な光ケーブル用止水テー
プを提供する。 【解決手段】 吸水性樹脂組成物層1と、この吸水性樹
脂組成物層1下に形成された基材層2と、この基材層2
下に形成された補強材層3と、この補強材層3下に形成
された熱接着剤層4とを有し、上記吸水性樹脂組成物層
1が吸水性樹脂粉末と合成ゴムもしくは合成樹脂のバイ
ンダーとを有する吸水性樹脂組成物からなり、上記基材
層2が合成繊維の織物もしくは不織布からなり、上記補
強材層3が合成樹脂フィルムからなることを特徴とする
光ケーブル用止水テープにより解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規構造の光ファ
イバケーブル(以下、光ケーブルと略す)に使用でき、
光ケーブルの価格低減に貢献する新規構造の光ケ一ブル
用止水テープに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、数10心から数100心(最大1
000心)の光ファイバを集合させた光ケーブルの構造
としては、例えば、図3に示すようなスロット型ケーブ
ル30、図4に示すようなルーズチューブ型ケ一ブル4
0、および図5に示すようなセンターチューブ型ケーブ
ル50が公知である。
【0003】図3のスロット型ケーブル30は、スロッ
トロッド33の外周面に形成された溝内に光ファイバテ
ープ心線31が収納され、スロットロッド33の外周上
に抑え巻き止水テープ34および外被35が順次形成さ
れている。抗張力体32はスロットロッド33の中心に
配置され、抑え巻き止水テープ34と外被35との間に
は引裂き紐36が配置されている。
【0004】図4のルーズチューブ型ケーブル40は、
抗張力体42の外周面に止水性ヤーン43を配置し、そ
の上に単心の光ファイバ心線41を収納したルーズチュ
ーブ44が集合され、この集合体上に抑え巻き止水テー
プ45および外被47が順次形成されている。ルーズチ
ューブ44内には防水性ジェリー46が充填されてお
り、抑え巻き止水テープ45と外被47との間には引裂
き紐48が配置されている。
【0005】図5のセンターチューブ型ケーブル50
は、光ファイバテープ心線51を収納したセンターチュ
ーブ53が中心に配置され、その外周面に止水テープ5
5および外被56が形成されている。抗張力体52は外
被56内に埋め込まれており、センターチューブ53に
は防水性ジェリー54が充填されている。また、止水テ
ープ55と外被56との間には引裂き紐57が配置され
ている。
【0006】これらの従来の構造の光ケーブルにあって
は、それぞれ次のような問題点があった。すなわち、ス
ロット型ケーブル30はスロットロッド33を用いるた
め、多心の光ケーブルを構成するには適した構造である
が、スロットロッド33のコストがかかるので、少心の
光ケ一ブルの場合には非常に割高になるという問題があ
った。
【0007】また、ルーズチューブ型ケーブル40は、
単心の光ファイバ心線41を用いて少心の光ケーブルを
構成するには適した構造であるが、ルーズチューブ44
を形成する工程と複数のルーズチューブ44を抗張力体
42の周囲に集合させる工程がそれぞれ必要なので工程
数が多い。また光ファイバテープ心線を用いた光ケーブ
ル、あるいは多心の光ケーブルを構成する際には外径が
大きくなるという問題があった。さらに、ルーズチュー
ブ44は、光ファイバ心線41を挿入しつつ合成樹脂を
押出・成形するという方法で製造されているので、押出
成形時に溶融した合成樹脂が光ファイバ心線41に付着
するのを防止するためにも、ルーズチューブ44内全体
に防水性ジェリー46を充填することが不可欠であっ
た。このため防水性ジェリー46のコストがかかり、ま
た光ケーブルの接続時には接続点で防水性ジェリー46
を除去する必要があり、接続作業が難しく、著しく時間
を要するという不都合があった。
【0008】センターチューブ型ケーブル50は、構造
が単純で製造工程数も比較的少なくてすむが、光ファイ
バテープ心線51を挿入しつつセンターチューブ53を
押出・成形し、さらにセンターチューブ53内での光フ
ァイバテープ心線51の長さ方向の移動を防止するため
に防水性ジェリー54の充填が必要であり、製造費用が
嵩み、接続作業が難しく、時間を要するという問題があ
った。
【0009】このように従来の光ケーブル構造は、種々
の問題があり、価格も高価になるので、特に光ケーブル
の製造工程数が少なく、安価で、光ケーブルの接続作業
が容易で、接続時間をあまり費やさない新しい構造の光
ケーブルの開発が切望されていた。
【0010】このような製造工程数が少なく、安価で、
接続作業が容易で、接続時間を余り費やさない新規構造
の光ケ一ブルとしては、例えば、図2に示すような構造
が検討されている。すなわち、この新規光ケーブル20
は、帯状の止水テープ21上に充填材22を長さ方向に
間隔を置いて一定量付着させると同時に、成形機を用い
て円筒体に成形しながら光ファイバテープ心線23(ま
たは光ファイバ心線)を止水テープ21の円筒中に挿入
し、ついで、円筒上に引裂き紐26および抗張力体25
を挿入しつつ外被24を押出して製造される。
【0011】この新規光ケーブル20は、光ファイバテ
ープ心線23(または光ファイバ心線)が収納される円
筒体は帯状の止水テープ21を円筒形に成形して作製さ
れ、押出成形で作製されるものでないので、防水性ジェ
リー、スロットロッド、ルーズチューブ、センターチュ
ーブ等を用いずに製造でき、ほぼ一工程で製造できる。
そのため、製造が容易で、製造コストが低く、接続作業
が容易で、接続作業に余り時間を費やさずにすむ。円筒
体に成形された止水テープ21内には充填材22が長さ
方向に一定間隔を置いて充填されているので、防水性ジ
ェリーを用いずに円筒体内に光ファイバテープ心線23
を固定することができ、円筒体内で光ファイバ心線23
が長さ方向に移動するのが防止され、取扱い性も良い。
また、充填材22を円筒体の内部全体に充填しなくてよ
いので、材料コストも低く抑えられる。
【0012】このような新規光ケーブル20の止水テー
プ21として、従来のスロット型光ケーブル、ルーズチ
ューブ型光ケーブル、センターチューブ型光ケーブルに
通常使用される公知の止水テープを使用することが考え
られる。従来のスロット型光ケーブル30の止水テープ
34としては、特開平3−224729号公報、特開平
4−356623号公報、特開平5−92525号公
報、特開平7−256757号公報等に開示された、目
付40〜70g/m2 のポリエステル長繊維スパンボン
ド法不織布基材の片面に、吸水性樹脂粉末と、合成ゴム
または合成樹脂のバインダーと、親水化剤と、有機溶剤
とからなる吸水性樹脂組成物を80〜140g/m2
(乾燥後付着量)塗布・乾燥し、その上に目付10〜2
0g/m2 の合成繊維の薄手不織布からなるカバー材を
貼り合わせることによって得られる三層塗布構造の止水
テープが600〜1000心用として使用されている。
また、20〜300心用として、前記の基材の片面に前
記の吸水性樹脂組成物を30〜70g/m2 (乾燥後付
着量)塗布・乾燥した二層塗布構造の止水テープが使用
されている。
【0013】従来のルーズチューブ型光ケーブル40や
センターチューブ型光ケーブル50に用いられている止
水テープ34および止水テープ45としては、前記の止
水テープは勿論、ポリエステル短繊維やアクリル短繊維
を混和し、エアーレイ法やカーディング法で長さ方向に
できるだけ繊維を配列させたウェブを形成し、このウェ
ブを、例えばアクリル樹脂エマルジョン等の合成樹脂分
散液に含浸・乾燥して目付30〜70g/m2 の乾式不
織布を製造し、この乾式不織布基材の片面に吸水性樹脂
粉末粉未(および熱可塑性樹脂粉未)を散布し、加熱ま
たは水蒸気を付与し、これに二本のロール間で前記の薄
手不織布カバー材を圧着して力バー材を吸水性樹脂に貼
り合わせることによって得られる三層散布構造の止水テ
ープが使用されている。
【0014】しかしながら、図2に示すような新規光ケ
ーブル20の円筒体に成形できる止水テープ21とし
て、上記従来の二層塗布構造、三層塗布構造および三層
散布構造の止水テープを検討した結果、いずれの止水テ
ープも以下に示すような問題点があることが判明した。
すなわち、先ず第一に、いずれの止水テープも剛性
(腰)が弱く、帯状のままでは円筒体に成形できない
し、たとえ無理に円筒形に成形しても綺麗な円筒体が得
られない。二番目に、無理に止水テープを円筒形に成形
しても、成形された円筒体が単に帯状テープを丸めただ
けなので、円筒に固定できず光ファイバ心線を挿入でき
ないし、円筒体の周りに外被を円形に押出できない。三
番目に、例えば、接着剤等を用いて円筒の重ね部分を接
着させて止水テープを円筒体に成形できたとしても、こ
の円筒体上に外被が形成されたケーブルを曲げた際、止
水テープ21の円筒体が曲げ箇所の底部で折れ曲がり、
折れ曲がった止水テープ21が円筒体内で突出し、光フ
ァイバ心線または光ファイバテープ心線に過度の側圧を
与え、心線の伝送特性を著しく低下させ実用に供せな
い。このように、これら従来の光ケーブル用止水テープ
では、上記新規光ケーブル20を得ることはできない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明におけ
る課題は、従来のスロット型光ケーブル、ルーズチュー
ブ型光ケーブル、センターチューブ型光ケーブル等に比
べて製造工程が削減され、光ケーブルの接続作業が容易
で、かつ短時間で行え、光ケーブルのコストが削減され
た光ケーブルを得ることが可能な光ケーブル用止水テー
プを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、吸水性樹
脂組成物層と、この吸水性樹脂組成物層下に形成された
基材層と、この基材層下に形成された補強材層と、この
補強材層下に形成された熱接着剤層とを有し、上記吸水
性樹脂組成物層が吸水性樹脂粉末と合成ゴムもしくは合
成樹脂のバインダーとを有する吸水性樹脂組成物からな
り、上記基材層が合成繊維の織物もしくは不織布からな
り、上記補強材層が合成樹脂フィルムからなることを特
徴とする光ケーブル用止水テープにより解決される。
【0017】また、光ケーブル用止水テープとして、上
記吸水性樹脂組成物層の幅が上記基材層の幅より短くさ
れ、上記基材層の片耳部分において上記吸水性樹脂組成
物層が、長さ方向にわたって均一に欠如しているものを
用いてもよい。また、光ケーブル用止水テープとして、
上記基材層の片耳部分において上記吸水性樹脂組成物層
が長さ方向にわたって均一に欠如している部分には、接
着剤層が形成されているものを用いてもよい。また、光
ケーブル用止水テープとして、上記吸水性樹脂組成物層
と上記基材層からなる複合体が、補強材層と熱接着剤層
からなる複合体から長さ方向に対して直角方向にずれて
形成されているものを用いてもよい。また、光ケーブル
用止水テープとして、上記補強材層の片耳部分とこれに
接する上記基材層が、長さ方向にわたって均一に接着さ
れていないものを用いてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の光ケ
ーブル用止水テープを詳細に説明する。図1(a)は規
定の幅にスリット加工した本発明の光ケーブル用止水テ
ープの一形態例を示す断面図であり、吸水性樹脂粉末と
バインダーからなる吸水性樹脂組成物層1、合成繊維の
織物または不織布からなる基材層2、合成樹脂フィルム
からなる補強材層3、および熱接着剤層4より順次構成
されている。
【0019】図1(b)は、図1(a)の吸水性樹脂組
成物層1が片耳部分で2〜8mm、好ましくは約5mm
欠如している別の形態例を示す断面図である。ここで、
片耳部分とは、光ケーブル用止水テープの片側の側部の
端から内側の一定幅部分のことであり、円筒体成形時に
は、熱接着剤層4と接着する円筒体の重ね部分となる。
また、上記吸水性樹脂組成物層1が片耳部分で欠如して
いる部分に、接着剤層を形成させ、円筒体の重ね部分で
の接着性を改善してもよい。
【0020】図1(c)は、本発明の光ケーブル用止水
テープの別の形態例を示す断面図であり、上記吸水性樹
脂組成物層1と基材層2からなる複合体5を、補強材層
3と熱接着剤層4からなる複合体6から長さ方向に対し
て直角方向に2〜8mm、好ましくは約5mmずらし、
円筒体の重ね部分を形成させ、円筒体の重ね部分での接
着性を改善したものである。
【0021】図1(d)は、本発明の光ケーブル用止水
テープの別の形態例を示す断面図であり、上記補強材層
3の片耳部分とこれに接する上記基材層2が、長さ方向
にわたって均一に接着されておらず、光ケーブル加工時
にこの未接着部分をカットしながら加工し、円筒体の重
ね部分を形成させ、円筒体の重ね部分での接着性を改善
したものである。ここで、上記補強材層3の片耳部分と
は、補強材層3の片側の側部の端から内側2〜8mm、
好ましくは約5mmの部分のことである。
【0022】本発明の光ケーブル用止水テープにおける
吸水性樹脂組成物層1は、吸水性樹脂粉末と、合成ゴム
または合成樹脂のバインダーとを有する吸水性樹脂組成
物から形成され、光ケーブルの外被破損時の侵入水の走
水防止を目的としている。
【0023】上記吸水性樹脂粉末は、水と接しても水に
溶解せず、自重の10倍から100倍以上の吸水能力を
有する合成樹脂粉末で、かつ微生物で分解されないもの
であれば、いずれも使用できる。微生物で分解されるも
のは、光ファイバ心線または光ファイバテープ心線にと
って有害な水素ガスを発生し、次第に吸水能力も低下し
てしまうので好ましくない。
【0024】このような吸水性樹脂粉末としては、例え
ば、ポリアクリル酸塩架橋体、イソブチレン・無水マレ
イン酸塩架橋体、架橋ポリビニルアルコール変性体、ポ
リビニルアルコール・マレイン酸架橋共重合体、ポリエ
チレンオキサイド架橋体、ポリアクリルアミド架橋重合
体、アクリルアミド・アクリル酸架橋共重合体、ポリア
クリロニトリル架橋体加水分解物、ポリアクリロニトリ
ルグラフト重合体加水分解物、ポリアルキレンオキサイ
ド変性物、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共共重合体
ケン化物、スルホアルキル(メタ)アクリレート・アク
リル酸架橋共重合体、ポリ(N−ビニルアセトアミド)
等が好ましく使用できる。
【0025】また、腐敗して水素ガスを発生する、澱粉
・ポリアクリロニトリルグラフト重合加水分解物、澱粉
・アクリル酸グラフト共重合物、カルボキシメチルセル
ロース架橋重合物、セルロース・ポリアクリロニトリル
グラフト重合体加水分解物なども腐敗防止処理を施して
使用することができる。なお、種々の無機イオンを多量
に含んだ高イオン水(例えば、海水)の吸水能力が要求
される場合、イソブチレン・無水マレイン酸架橋共重合
体、スルホアルキル(メタ)アクリレート・アクリル酸
架橋共重合体、ポリ(N−ビニルアセトアミド)等を好
適に使用できる。これらの吸水性樹脂粉末は、単独であ
るいは二種以上の組合せで使用できる。
【0026】吸水性樹脂粉末の配合量としては、合成ゴ
ムまたは合成樹脂からなるバインダー100重量部に対
して、100〜2000重量部が好適である。これは、
100重量部未満では走水防止効果が発揮されず、20
00重量部を超すと止水テープを実際の使用幅にカット
した側面から吸水性樹脂粉末が著しく脱落するからであ
る。
【0027】本発明の光ケーブル用止水テープの吸水性
樹脂組成物層1に使用されるバインダーは、吸水性樹脂
粉末を基材層2に固定させると共に、吸水性樹脂粉末の
飛散・脱落を防止するものであり、有機溶剤に溶解する
ものは、いすれも使用できる。
【0028】合成ゴムまたは合成樹脂のバインダーとし
ては、例えば、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレ
ン.プロピレン(・ジエン)ゴム、クロロプレンゴム、
アクリルゴム、スチレン・イソプレン・スチレン共重合
体エラストマー(SIS)、スチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体エラストマー(SBS)、イソブチレン
ゴム、ポリブタジエンゴム、ウレタンゴム、スチレン・
ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル・ブタジエ
ン共重合体ゴム等の合成ゴム、あるいはアクリル樹脂、
ウレタン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体やエチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体等の各種ポリオレフィ
ン共重合体等の合成樹脂が単独、または二種以上混合し
て使用できる。ただし、長期的に劣化なきことを考慮す
ると、二重結合を余り含まないイソブチレンゴム、ブチ
ルゴム、エチレン・プロピレン(・ジエン)ゴム、アク
リルゴム、アクリル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合
体やエチレン・アクリル酸エステル共重合体等の各種ポ
リオレフィン共重合体等が特に望ましい。
【0029】また、上記吸水性樹脂組成物層1のバイン
ダーの親水性を向上させるために、親水化剤を適量配合
したり、あるいはバインダーが熱により劣化して変色・
硬化するのを防止するために、酸化防止剤を配合しても
よい。親水化剤としては、アニオン系界面活性剤、ノニ
オン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、カルボン酸
金属塩、多価アルコール、アミノアルコール、線状ポリ
エーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、多価アルコール
のグリシジルエーテル、アルキルホスフェートアルカリ
金属塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げ
られる。さらに、光ケーブル加工時の止水テープの粘着
性、ブロッキング性を改善するために、シリカ、炭酸カ
ルシウム等の無機充填剤を微量配合してもよい。
【0030】また、吸水性樹脂組成物層1の乾燥付着
(塗布)量は、形成される円筒体の直径と円筒体中に挿
入される光ファイバ心線または光ファイバテープ心線の
数、すなわち円筒体中の空間容積、吸水性樹脂粉末量お
よびケーブルの走水防止距離に依存しているが、一般
に、30〜140g/m2 で充分である。付着量が30
g/m2 未満だと走水距離が長くなり、140g/m2
を超えても走水防止効果はほとんど向上せず、経済的に
不利だからである。
【0031】本発明の光ケーブル用止水テープの基材層
2としては、光ケーブル加工時の張力に耐える強度を有
し、微生物で分解されす、ケーブル外被の押出時の熱に
耐える耐熱性を有する合成繊維の織物または不織布が使
用できる。材質面からは、ポリプロピレン繊維、ポリエ
ステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維が単独または
二種以上組み合わせて使用できる。経済的には、タテ方
向の引張強度が目付の割に大きなポリエステル長繊維ス
パンボンド法不織布が有利である。不織布の目付として
は、補強材層3に使用する合成樹脂フィルムの強度とも
関係するが、8〜100g/m2 が好適である。目付が
8g/m2 未満だと強度不足であり、光ケーブル加工時
の張力に耐えず、また吸水性樹脂組成物層1を担持でき
ず、熱接着剤層4との熱による接着力を十分発輝でき
す、さらに目付が100g/m2 を超えると不経済だか
らである。
【0032】また、合成繊維の織物または不織布に合成
樹脂や合成ゴムを含浸・乾燥、あるいは熱硬化させるこ
とによって円筒体に成形できる剛性(腰)を止水テープ
に持たせて、補強材層3を省略することもできる。ま
た、基材層2兼補強材層3として、ポリエステルフィル
ムも使用できる。この場合、吸水性樹脂組成物層1のバ
インダーが、例えば、接着性の点で飽和ポリエステル等
に限定され、かつ吸水性樹脂粉末の配合量がバインダー
100重量部に対して100〜200重量部と限定され
る。吸水性樹脂粉未の配合量が200重量部を超える
と、吸水性樹脂粉未が基材層から脱落し、光ケーブル加
工上問題を生じるからである。
【0033】本発明の光ケーブル用止水テープにおける
補強材層3としては、円筒体に成形できる剛性(腰)を
持ち、微生物で分解されず、外被の押出時の熱に耐える
耐熱性を有し、外被に熱接着できるものであればよく、
大抵の合成樹脂フィルムが使用できる。材質面からは、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロ
ン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、飽和ポリエス
テル、ポリブテン−1、エチレン・酢酸ビニル等が好適
である。中でも剛性(腰)と耐熱性の点でポリエステル
フィルムが好適である。
【0034】なお、光ケーブルの外被がポリエチレンの
場合、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等
の合成樹脂フィルムからなる補強材層3は、合成繊維の
織物または不織布からなる基材層2との適宜な組合せに
より、補強材層3と熱接着剤層4を兼ねることができ、
経済的に有利である。また、光ケーブルの外被がポリ塩
化ビニルの場合、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル
等の合成樹脂フィルムからなる補強材層3も同様に、補
強材層3と熱接着剤層4を兼ねさせることができる。
【0035】本発明の光ケーブル用止水テープの剛性
(腰)は、上記基材層2と補強材層3の目付(単位重
量)、厚さ、剛性(腰)の適宜な組合せによって好適に
調整できる。補強材層3の厚さとしては、25〜180
μmが好適である。25μm未満だと、円筒体の成形に
必要な剛性(腰)が不足し、180μmを超えると剛性
(腰)が強くなりすぎ、経済的に不利だからである。
【0036】本発明の光ケーブル用止水テープにおける
熱接着剤層4としては、テープを円筒体に成形した際に
重ね部分が熱風吹き付けまたは光ケーブルの外被押出時
の熱で接着し、かつ光ケーブルの外被押出時の熱で外被
に接着し、微生物で分解されない熱接着性樹脂をすべて
使用できる。例えば、外被がポリエチレンの場合、ポリ
エチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重
合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、アイオ
ノマー樹脂(エチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重
合体を金属イオンで部分的または完全に中和した樹
脂)、高接着機能性ポリオレフィン系ポリマーアロイ
(例えば、大日本インキ化学工業(株)製ディックサー
ム)、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・
エチルアクリレート共重合体の酸変性物、エチレン,グ
リシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン・酢
酸ビニル・グリシジル(メタ)アクリレートターポリマ
ー、エチレン・エチルアクリレート・グリシジル(メ
タ)アクリレートターポリマー、共重合エステル・エチ
レン・グリシジル(メタ)アクリレートターポリマー
(住友化学工業(株)製ポンドファーストVC−40)
等が単独または二種以上の組合せで使用できる。
【0037】光ケーブルの外被がポリ塩化ビニルの場
合、熱接着剤性樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・
マレイン酸ターポリマー、エチレン・酢酸ビニル・塩化
ビニルグラフト樹脂、飽和ポリエステル、塩素化ポリエ
チレン、共重合エステル・エチレン・グリシジル(メ
タ)アクリレートターポリマー等が単独または二種以上
の組合せで使用できる。なお、これらの熱接着性樹脂
は、有機溶剤に溶解させた溶液、または水性分散液を、
吸水性樹脂組成物層1の欠如部分に塗布・乾燥し、重ね
部分の接着力を改善するのに使用できる。
【0038】次に、本発明の光ケーブル用止水テープの
製造方法を説明する。まず、吸水性樹脂組成物層1用の
吸水性塗料を調製する。合成ゴムまたは合成樹脂からな
るバインダーを有機溶剤に溶解し、吸水性樹脂粉未を添
加し、充分に撹拌して、均一な分散液とし、吸水性塗料
を得る。この吸水性塗料を合成樹脂の織物または不織布
からなる基材層2の片面に必要量塗布・乾燥し、これに
補強材層3および熱接着剤層4を、必要に応じて接着剤
を利用して、順次、ドライラミネート法、押出ラミネー
ト法または熱ラミネート法で、接着し、貼り合わせて本
発明の光ケーブル用止水テープを得る。
【0039】あるいは、予め基材層2と合成樹脂フィル
ムの補強材層3を、必要に応じて接着剤を利用して、ウ
エットラミネート法、ドライラミネート法、押出ラミネ
ート法または熱ラミネート法で接着し、貼り合わせた複
合体の基材層2上面に吸水性塗料を塗布・乾燥する。ま
たは、予め前記の方法で基材層2、補強材層3、熱接着
剤層4を貼り合わせた複合体を使用し、最後に基材層2
上面に吸水性塗料を塗布・乾燥してもよい。熱接着剤層
4に用いる熱接着剤性樹脂が、有機溶剤に可溶であれ
ば、有機溶剤に溶解させ、熱接着剤塗料として直接補強
材層3に塗布・乾燥してもよい。
【0040】次に、本発明の光ケーブル用止水テープを
用いた光ケーブルの製造方法の一例を図2を用いて説明
する。まず、帯状の光ケーブル用止水テープ21をロー
ルから送り出し、この光ケーブル用止水テープ21の吸
水性樹脂組成物層1上に、充填材22を長さ方向に間隔
をあけて盛り、この充填材22上に複数の光ファイバテ
ープ心線23(または光ファイバ心線)を布設する。こ
の光ファイバテープ心線23を布設した光ケーブル用止
水テープ21を成形機に通し、吸水性樹脂組成物層1を
内側に向けて円筒体に成形し、この円筒体の重ね部分に
熱風を吹き付け凹型ロールで抑えて円筒体の重ね部分を
接着する。この円筒体と、抗張力体25と、引裂き紐2
6とを押出機より外被24とともに押出して、光ケーブ
ル20を得る。
【0041】本発明の光ケーブル用止水テープにあって
は、吸水性樹脂粉末と合成ゴムまたは合成樹脂を含む吸
水性樹脂組成物層1が外被破損時の走水防止の役割を果
たし、合成繊維の織物または不織布からなる基材層2が
止水テープに引張強度を与え、合成樹脂フィルムからな
る補強材層3が止水テープに剛性(腰)を付与する。ま
た、熱接着剤層4が、円筒体成形時に重ね部分と接着
し、また光ケーブルの外被押出時の熱により外被と接着
するので、止水テープを円筒体に成形しても綺麗な円筒
体が成形でき、また外被が円筒体に綺麗に押出でき、さ
らに完成した光ケーブルを曲げても、円筒体の曲げ箇所
の底部の止水テープが突出せず、光ファイバ心線または
光ファイバテープ心線の伝送特性に悪影響を及ぼさな
い。
【0042】さらに、本発明の光ケーブル用止水テープ
は、(1)吸水性樹脂組成物層1の幅を基材層2の幅よ
り短くし、かつ吸水性樹脂組成物層1の片耳部分を長さ
方向にわたって均一に欠如させることによって、円筒体
の重ね部分の基材層2と熱接着剤層4との間の接着性を
改善でき、(2)前記吸水性樹脂組成物層1の片耳部分
が長さ方向にわたって均一に欠如している部分に、接着
剤層を形成することによって、円筒体の重ね部分と熱接
着剤層4との間の接着性を改善でき、(3)吸水性樹脂
組成物層1と基材層2からなる複合体5を、補強材層3
と熱接着剤層4からなる複合体6から長さ方向に対して
直角方向にずれて形成させるることによって、円筒体成
形後の重ね部分が補強材層3と熱接着剤層4となり、円
筒体の重ね部分の接着性を改善でき、(4)補強材層3
の片耳部分とこれに接する基材層4を、長さ方向にわた
って均一に接着しないことによって、光ケーブル加工時
に片耳部分の吸水性樹脂組成物層1と基材層2を長さ方
向に除去でき、結果的に円筒体成形後の重ね部分が補強
材層3と熱接着剤層4となり、円筒体の重ね部分の接着
性を改善できる。
【0043】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明の光ケーブル用
止水テープを詳細に説明する。 (実施例1)バインダーとしてエチレン・プロピレンゴ
ム20重量部、アニオン系界面活性剤2重量部および酸
化防止剤1重量部をトルエンに溶解し、続いて吸水性樹
脂粉末として平均粒径100μm、海水吸水倍率30倍
のスルホアルキルアクリレート・アクリル酸共重合体架
橋物粉末100重量部を添加し、撹拌機で充分に撹拌し
て吸水性樹脂塗料を得た。次に、この塗料を目付70g
/m2 のポリエステル長繊維スパンボンド法不織布基材
(旭化成工業(株)製E05070)の片面に乾燥付着
量50g/m2 で塗布・乾燥し、吸水性樹脂組成物層と
基材層とからなる、単位質量120g/m2 の複合体を
得た。
【0044】これとは別に、厚さ50μmのポリエステ
ルフィルム(補強材層)の片面にウレタン系2液接着剤
(日本ポリウレタン工業(株)製、ニッポランN−31
24/コロネートL/酢酸エチル=100重量部/10
重量部/120重量部)を乾燥付着量15g/m2 で塗
布・乾燥し、これとインフレーション法で押出して製造
された厚さ50μmの共重合エステル・エチレン・グリ
シジルアクリレートターポリマーフィルム(熱接着剤
層)を、70℃に加熱した金属ロールとゴムロールの間
に通して貼り合わせ、常温で7日間エージングし、補強
材層と熱接着剤層とからなる複合体を得た。
【0045】次に、この補強材層と熱接着剤層とからな
る複合体のポリエステルフィルム面に上記ウレタン系2
液接着剤を乾燥付着量15g/m2 で塗布・乾燥し、こ
れと吸水性樹脂組成物層と基材層とからなる複合体を、
70℃に加熱した金属ロールとゴムロールの間に通して
貼り合わせ、常温で7日間エージングし、25mm幅に
スリットして、図1(a)に示す光ケーブル用止水テー
プを得た。
【0046】(実施例2)基材層の片面に塗布幅20m
m、未塗布幅5mmになるように上記吸水性樹脂塗料を
塗布・乾燥する点を除いては、実施例1と同様にして製
造を行い、図1(b)に示す光ケーブル用止水テープを
得た。
【0047】(実施例3)実施例1の吸水性樹脂組成物
層と基材層とからなる複合体、および補強材層と熱接着
剤層とからなる複合体を幅25mmにスリットし、補強
材層と熱接着剤層とからなる複合体のポリエステルフィ
ルム面に上記ウレタン系2液接着剤を乾燥付着量15g
/m2 で塗布・乾燥し、これと吸水性樹脂組成物層と基
材層とからなる複合体を幅方向に5mmずらした状態
で、70℃に加熱した金属ロールとゴムロールの間に通
して貼り合わせ、常温で7日間エージングして、図1
(c)に示す光ケーブル用止水テープを得た。
【0048】(実施例4)実施例1の吸水性樹脂組成物
層と基材層とからなる複合体、および補強材層と熱接着
剤層とからなる複合体を幅25mmにスリットし、補強
材層と熱接着剤層とからなる複合体のポリエステルフィ
ルム面に塗布幅20mm、未塗布幅5mmとなるように
上記ウレタン系2液接着剤を乾燥付着量15g/m2
塗布・乾燥し、これと吸水性樹脂組成物層と基材層とか
らなる複合体を、70℃に加熱した金属ロールとゴムロ
ールの間に通して貼り合わせ、常温で7日間エージング
して、図1(d)に示すような光ケーブル用止水テープ
を得た。
【0049】(比較例)バインダーとしてエチレン・プ
ロピレンゴム20重量部、アニオン系界面活性剤2重量
部および酸化防止剤1重量部をトルエンに溶解し、続い
て吸水性樹脂粉末として平均粒径100μm、海水吸水
倍率30倍のスルホアルキルアクリレート・アクリル酸
共重合体架橋物粉末100重量部を添加し、撹拌機で充
分に撹拌して吸水性樹脂塗料を得た。次に、この塗料を
目付70g/m2 のポリエステル長繊維スパンボンド法
不織布基材(旭化成工業(株)製E05070)の片面
に乾燥付着量50g/m2 で塗布・乾燥し、単位質量1
20g/m2 、二層塗布構造の光ケーブル用止水テープ
を得た。
【0050】以上で得た本発明の光ケーブル用止水テー
プおよび従来の二層塗布構造の光ケーブル用止水テープ
を下記の諸試験に供した。その結果を表1に示す。 (円筒体成形製試験)直径6.2mm、長さ30cmの
ステンレス鋼棒に光ケーブル用止水テープを吸水性樹脂
組成物層がステンレス鋼棒側になるように長さ方向にタ
テ添えし、その上に綿糸を15mm間隔で螺旋状に巻き
付け、止水テープの重ね部分に200℃の熱風を5秒間
吹き付けながら、直ちに重ね部分に雨戸用戸車を押し付
け、圧着する。室温まで放冷後、綿糸を取り外し、止水
テープの円筒体からステンレス鋼棒を引き抜き、円筒体
の状態を目視で観察し、円筒体が形成されているものを
○、重ね部分が剥がれて円筒体を形成できないものを×
と評価した。
【0051】(突出試験)25mm幅の光ケーブル用止
水テープを吸水性樹脂組成物層側が内側に向くように直
径約13.2mmの円筒に成形して、200℃の熱風を
10秒間吹き付けて重ね部分を接着させ、その上に外被
用黒色ポリエチレンコンパウンドを円形に押出し、放冷
後、長さ30cmを切り出し、この円筒体を曲げて、曲
げ部分底部の浮き上がり(突出)の有無を目視で観察し
た。なお、実施例4の光ケーブル用止水テープは、未接
着部分5mmの吸水性樹脂組成物層と基材層を除去して
試験に供した。
【0052】(水浸透性試験)幅25mm、長さ20m
の光ケーブル用止水テープを用意する。次に、このテー
プを重ね幅5mmで円筒形に手で丸めながらポリエステ
ル糸を10mm間隔で螺旋状に巻き付け、直径役13.
2mm、長さ20mの円筒体を得た。この円筒体上に幅
10mmのポリエステル片面粘着テープを重ね幅約5m
mで螺旋状に巻き付けた。この円筒体を地面に置き、そ
の片端に直径約14mm、長さ1mの軟質ポリ塩化ビニ
ル製チューブを取り付け、水が漏れないように取り付け
部分をテフロンテープでシールし、チューブを上に持ち
上げて、チューブの開放端が架台に1mの高さを保持す
るように固定され、チューブの開放端に漏斗を取り付
け、1mの高さから水が常に1mの水頭圧を保持するよ
う金属腐食試験用人工海水(八洲薬品社製、アクアマリ
ン)を注入し、24時間放置後、円筒体を解体して走水
距離を巻尺で測定した。なお、実施例4の光ケーブル用
止水テープは、未接着部分5mmの吸水性樹脂組成物層
と基材層を除去して試験に供した。
【0053】
【表1】
【0054】これらの結果から明らかなように、本発明
の光ケーブル用止水テープは、いずれも円筒体の成形性
良好で、外被とも接着しているので、外被を施した円筒
体を曲げても、円筒体の曲げ部分の底部が突出しない。
走水距離も8mと非常に短く、規格値の40m以内を充
分にクリアーしている。一方、従来の光ケーブル用止水
テープは、円筒体の重ね部分が接着しないので外被なし
では円筒体に成形できず、また、外被にも接着しないの
で、外被を施した円筒体を曲げると円筒体の曲げ部分の
底部が突出する。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ケーブ
ル用止水テープにあっては、合成樹脂フィルムからなる
補強材層が止水テープに剛性(腰)を付与し、熱接着剤
層が、円筒体成形時に重ね部分と接着しているので、光
ケーブル用止水テープを円筒体に成形することができ、
かつその円筒体の形状を充分に保持することができる。
さらに、光ケーブルの外被押出時の熱により外被と接着
しているので、完成した光ケーブルを曲げても、円筒体
の曲げ箇所の底部の止水テープが突出せず、光ファイバ
心線または光ファイバテープ心線の伝送特性に悪影響を
及ぼさない。
【0056】さらに、本発明の光ケーブル用止水テープ
は、吸水性樹脂組成物層の幅を基材層の幅より短くし、
かつ吸水性樹脂層の片耳部分を、長さ方向にわたって均
一に欠如させることによって、円筒体の重ね部分の基材
層と熱接着剤層との間の接着性を改善できる。また、前
記吸水性樹脂組成物層の片耳部分が長さ方向にわたって
均一に欠如している部分に、接着剤層を形成させること
によって、円筒体の重ね部分と熱接着剤層との間の接着
性を改善できる。また、吸水性樹脂組成物層と基材層か
らなる複合体を、補強材層と熱接着剤層からなる複合体
から長さ方向に対して直角方向にずれて形成させること
によって、円筒体の重ね部分の接着性を改善できる。ま
た、補強材層の片耳部分とこれに接する基材層を、長さ
方向にわたって均一に接着しないことによって、光ケー
ブル加工時に片耳部分の吸水性樹脂組成物層と基材層を
長さ方向に除去でき、円筒体の重ね部分の接着性を改善
できる。
【0057】このような光ケーブル用止水テープを用い
ることによって、従来のスロット型光ケーブル、ルーズ
チューブ型光ケーブル、センターチューブ型光ケーブル
等に比べ、製造工程を削減することができ、光ケーブル
の接続作業も容易で時間がかからず、光ケーブルのコス
ト削減に大きく貢献する新規構造の光ケーブルを得るこ
とが可能となり、その産業上の利用価値は極めて大き
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明の光ケーブル用止水テ
ープの種々の形態を示す断面図である。
【図2】 現在検討されているの新規な光ケーブルの一
例を示す断面図である。
【図3】 従来のスロット型光ケープルの一例を示す断
面図である。
【図4】 従来のルーズチューブ型光ケーブルの一例を
示す断面図である。
【図5】 従来のセンターチューブ型光ケーブルの一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・吸水性樹脂組成物層、2・・・基材層、3・・・補強材
層、4・・・熱接着剤層、5・・・吸水性樹脂組成物層と基材
層からなる複合体、6・・・補強材層と熱接着剤層からな
る複合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 信 福岡県粕屋郡新宮町大字原上1820 福岡ク ロス工業株式会社新宮工場内 (72)発明者 田中 喜詮 福岡県粕屋郡新宮町大字原上1820 福岡ク ロス工業株式会社新宮工場内 (72)発明者 岡田 直樹 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 岩田 秀行 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂組成物層と、この吸水性樹脂
    組成物層下に形成された基材層と、この基材層下に形成
    された補強材層と、この補強材層下に形成された熱接着
    剤層とを有する光ケーブル用止水テープであって、 上記吸水性樹脂組成物層が、吸水性樹脂粉末と、合成ゴ
    ムもしくは合成樹脂のバインダーとを有する吸水性樹脂
    組成物からなり、 上記基材層が、合成繊維の織物もしくは不織布からな
    り、 上記補強材層が、合成樹脂フィルムからなることを特徴
    とする光ケーブル用止水テープ。
  2. 【請求項2】 上記吸水性樹脂組成物層の幅が上記基材
    層の幅より短くされ、上記基材層の片耳部分において上
    記吸水性樹脂組成物層が、長さ方向にわたって均一に欠
    如していることを特徴とする請求項1記載の光ケーブル
    用止水テープ。
  3. 【請求項3】 上記基材層の片耳部分において上記吸水
    性樹脂組成物層が長さ方向にわたって均一に欠如してい
    る部分には、接着剤層が形成されていることを特徴とす
    る請求項2記載の光ケーブル用止水テープ。
  4. 【請求項4】 上記吸水性樹脂組成物層と上記基材層か
    らなる複合体が、補強材層と熱接着剤層からなる複合体
    から長さ方向に対して直角方向にずれて形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の光ケーブル用止水テー
    プ。
  5. 【請求項5】 上記補強材層の片耳部分とこれに接する
    上記基材層が、長さ方向にわたって均一に接着されてい
    ないことを特徴とする請求項1記載の光ケ一ブル用止水
    テープ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1245981A2 (en) * 2001-03-29 2002-10-02 Fujikura Ltd. Optical fiber cable with ripcord and manufacturing method
JP2007279226A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Fujikura Ltd 光ファイバテープ心線及び前記光ファイバテープ心線を収納した光ファイバケーブル
JP2007304348A (ja) * 2006-05-11 2007-11-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 光ファイバケーブル

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