JPH11342667A - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents

インクジェット記録体の製造方法

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JPH11342667A
JPH11342667A JP10152880A JP15288098A JPH11342667A JP H11342667 A JPH11342667 A JP H11342667A JP 10152880 A JP10152880 A JP 10152880A JP 15288098 A JP15288098 A JP 15288098A JP H11342667 A JPH11342667 A JP H11342667A
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JP
Japan
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ink jet
support
layer
jet recording
recording layer
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JP10152880A
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Tatsu Kitamura
龍 北村
Kazuaki Oshima
一晃 大島
Tomomi Takahashi
智美 高橋
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】印字光沢、印字画質に優れるインクジェット記
録体の製造方法を提供する。 【解決手段】シート状転写体に設けた少なくとも1層の
上層の記録層を、シート状支持体に、またはシート状支
持体が予め下層の記録層を有する場合は下層の記録層
に、貼り合わせて、更に該転写体を剥離するインクジェ
ット記録体の製造方法において、該支持体の厚みが該転
写体より70μm 以上厚く、且つ該支持体の重量が該転写
体より65g/m2 以上重いことを特徴とするインクジェッ
ト記録体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
体の製造方法に関し、特に、印字光沢、印字画質に優れ
るインクジェット記録体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、ノズルから
高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記
録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒
音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用される
インクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を
得るためには、大量のインクを用いる必要がある。ま
た、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴
が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴
が融合してインクのドットが接合するという不都合が生
じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用
される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調
が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速くて印字
ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこ
と等が要求される。インクジェット記録用紙はインク吸
収性に富むように工夫された上質紙や表面に多孔性顔料
を塗工した塗工紙等が適用されている。ところで、これ
らの用紙はすべて表面光沢の低い、いわゆるマット調の
インクジェット記録用紙が主体である。インクジェット
プリンターの急速な普及や高画質化にともなって、表面
光沢の高い、優れた外観をもつインクジェット記録用紙
が要望されている。
【0003】光沢を付与する目的で、溶解・膨潤により
インクを吸収する樹脂を塗布したインクジェット記録体
が多く市販されているが、このような樹脂の溶解・膨潤
によりインクを吸収させようとするものは、光沢が低
く、インクの乾燥速度も遅く、耐湿・耐水性がよくな
い。
【0004】平滑性、光沢性得るため、インク受容層を
2層以上、上層を光沢発現層にし、かつ、上層を鏡面を
有する加熱ドラム面に圧着、乾燥することにより、その
鏡面を写し取るいわゆるキャスト法(特開平7−117
335号)が開示されているが、この方法で得られた記
録体は光沢が不十分で、また、連続塗工性を得るため
に、離型剤の添加が不可欠である。記録層、特に表層に
離型剤を含有するとインクジェットプリンターで印字す
る際、インクをはじきやすく、インクがのらない部分
に、いわゆる白もやが生ずる問題があった。
【0005】高光沢の表面を有するインクジェット記録
体を得るために、特開昭63−151476号では支持
体にインク受容層を設け、半乾燥後、表面にシリコーン
等の剥離剤を施した転写シートを押し当て、乾燥を進
め、転写シートを塗工層より剥離する製法が開示されて
いる。このようにして得られるインクジェット記録体は
表面がボコツキやすく、光沢も不十分である。また、こ
の方法では、シリコーン等の剥離剤を光沢面に移転しや
すく、光沢面がインクをはじき、インクの吸収速度だけ
でなく、ドットも小さくなりやすく、良好な画像が得ら
れにくい問題がある。
【0006】また、特開平8−164668号では、5
0μmのポリエステルフィルムにインク受容層を設け、
中間層を介して上質紙と貼り合わせて、PETフィルム
を剥離してなる高光沢のインクジェット記録体が開示さ
れているしかし、得られたインクジェット記録体は光沢
面に剥離不良個所が発生し、不良個所のために必ずしも
充分な光沢が得られず、印字後の画質も劣り、写真調の
高光沢及び質感を有するインクジェット記録体には程遠
いものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、銀塩写真に近い、高光沢、高画質のインクジェ
ット記録体の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】より銀塩写真に近い高光
沢、高画質のインクジェット記録体を得るために、本発
明者らは鋭意検討を重ねた結果、転写体に1層以上の記
録層を設け、(必要により粘着性または接着性を有する
中間層を介して)、支持体と(支持体に他の記録層を有
する場合はその記録層と)貼り合わせて転写体を剥離し
てなるインクジェット記録体の製造方法において、支持
体と転写体の厚みの差が70μm 以上、且つ重量差が6
5g/m2 以上を有すると、転写体の剥離がスムーズに
行え、剥離不良が殆ど生じることなく、銀塩写真と同様
の高光沢、高画質のインクジェット記録体が得られる。
特に転写体を剥離処理施さないことによって、得られた
インクジェット記録体の光沢面に剥離剤の転写がなく、
より高繊細の画質が得られる。
【0009】さらに、支持体と転写体の厚みの差が10
0μm以上、且つ重量差が90g/m2 以上を有する
と、転写体の連続剥離性が向上し、生産性が向上する。
支持体の平均厚みが140μm 以上、且つ平均重量が1
35g/m2 以上を有するとより銀塩写真に近い質感を
有するインクジェット記録体が得られる。より高印字濃
度、高光沢を出すために、平均粒径3〜40nmの1次
粒子により構成された平均粒径10〜300nmの2次
粒子を記録層中に含有することが好ましい。
【0010】本発明は以下の実施様態を含むがこれらに
限るものではない。 〔1〕 シート状転写体に設けた少なくとも1層の上層
の記録層を、シート状支持体に、またはシート状支持体
が予め下層の記録層を有する場合は下層の記録層に、貼
り合わせて、更に該転写体を剥離するインクジェット記
録体の製造方法において、該支持体の厚みが該転写体よ
り70μm 以上厚く、且つ該支持体の重量が該転写体より
65g/m2 以上重いことを特徴とするインクジェット記録
体の製造方法。 〔2〕 シート状転写体に設けた少なくとも1層の上層
の記録層を、シート状支持体に、またはシート状支持体
が予め下層の記録層を有する場合は下層の記録層に、粘
着性若しくは接着性を有する中間層を介して貼り合わせ
ることを特徴とする〔1〕記載のインクジェット記録体
の製造方法。 〔3〕 シート状転写体が樹脂フィルムを含み、該転写
体の平均厚みが60μm以下、且つ平均重量が85g/
2 以下であることを特徴とする〔1〕または〔2〕記
載のインクジェット記録体の製造方法。 〔4〕 シート状支持体の平均厚みが140μm 以上3
00μm 以下、且つ平均重量が135g/m2 以上25
0g/m2 以下であることを特徴とする〔1〕、〔2〕
または〔3〕記載のインクジェット記録体の製造方法。 〔5〕 記録層中の少なくとも1層は平均粒径3〜4
0nmの1次粒子により構成された平均粒径10〜30
0nmの2次微細粒子顔料を含有することを特徴とする
〔1〕、〔2〕、〔3〕または〔4〕記載のインクジェ
ット記録体の製造方法。
【0011】〔6〕 転写体が離型処理を施されてない
ことを特徴とする〔1〕記載のインクジェット記録体の
製造方法。 〔7〕 支持体と転写体の厚みの差が100μm 以上、
且つ重量差が90g/m 2 以上を有することを特徴とす
る〔1〕または〔2〕記載のインクジェット記録体の製
造方法。 〔8〕 記録層中の少なくとも1層が上層の記録層であ
る〔5〕記載のインクジェット記録体の製造方法。
〔9〕 記録層中の少なくとも1層は顔料を主成分と
し、該顔料は平均粒径3〜40nmの1次粒子により構
成された平均粒径10〜300nmの2次微細粒子を含
有することを特徴とする〔1〕、〔2〕、〔3〕または
〔4〕記載のインクジェット記録体の製造方法。 〔10〕 2次微細粒子がシリカゾル、アルミナシリケ
ートゾル、アルミナゾル(擬ベーマイトゾルも含む)、
及び炭酸カルシウムゾルの少なくとも1種を含む顔料で
あることを特徴とする[5]または[9]記載のインク
ジェット記録体の製造方法。
【0012】〔11〕 少なくとも上層中にカチオン性
化合物を含有することを特徴とする前記いずれかに記載
のインクジェット記録体の製造方法。 〔12〕 カチオン性化合物がカチオン性樹脂であるこ
とを特徴とする〔11〕記載のインクジェット記録体の
製造方法。 〔13〕 中間層は感圧接着剤層、接着剤層或いは他の
記録層であることを特徴とする前記いずれかに記載のイ
ンクジェット記録体の製造方法。 〔14〕 平均粒径3〜40nmの1次粒子により構成
された平均粒径10〜300nmの2次微細粒子顔料が
シリカゾルである〔10〕記載のインクジェット記録体
の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は転写体に1層以上の記録
層を設け、(中間層を介して)支持体(支持体に他の記
録層を有する場合はその記録層)と貼り合わせて転写体
を剥離してなるインクジェット記録体の製造方法におい
て支持体と転写体の厚みの差が70μm 以上、且つ重量
差が65g/m2 以上を有することを特徴とするインク
ジェット記録体の製造方法に関する。
【0014】支持体としては特に限定されず、透明であ
っても不透明であってもよい。例えば、セロハン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質
ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィル
ム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙、
箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸
紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙
などが適宜使用される。銀塩写真の質感を得るためには
アート紙、コート紙、ラミネート紙、合成紙、白色ポリ
エステルフィルムが好ましく使用される。平均厚みが1
40μm 以上、且つ平均重量が135g/m2 以上を有
するアート紙、コート紙、ラミネート紙、合成紙、白色
ポリエステルフィルムがより好ましい。平均厚みは好ま
しくは140μm 以上300μm 以下、より好ましくは
150μm 以上250μm 以下である。平均重量は好ま
しくは135g/m2 以上250g/m2 以下、より好
ましくは155g/m2 以上210g/m2 以下であ
る。
【0015】次に、本発明の記録層について説明する。
記録層は1層以上により構成され、各層とも顔料と接着
剤(バインダー)を含有することが望ましい。顔料とし
ては、たとえば、シリカ、アルミナシリケート、カオリ
ン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、擬
ベーマイト、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸ア
ルミニウム、スメクタイト、珪酸マグネシウム、炭酸マ
グネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プ
ラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメ
ント、ベンゾグアナミン系プラスチックピグメント等、
一般塗工紙分野で公知公用の各種顔料を適宜使用され
る。
【0016】高印字濃度、高光沢性を得るためには、上
記各種顔料は3〜40nmの1次粒子が凝集してなる平
均粒径10〜300nmの2次粒子を選択するのが好ま
しい。より好ましくは1次粒子が5〜30nmであり、
凝集してなる2次粒子の平均粒径は20〜200nmで
ある。平均粒径10〜300nmの2次粒子(分散体)
を得るためには一般市販の各種凝集顔料(数ミクロン)
を機械的手段で強い力を与えることにより得ることがで
きる。つまり、breaking down法(塊状原
料を細分化する方法)によって得られる。機械的手段と
しては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザ
ー、ナノマイザー、アルティマイザーシステム(ULTIMA
IZER SYSTEM)、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒
体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、擂解機、サンド
グラインダー等の機械的手法が挙げられる。得られる超
微細粒子はコロイド粒子であっても、スラリーであって
もよい。本発明の効果(印字品位、高繊細の画像)をよ
り良く得るためには、顔料としてはシリカ、アルミナシ
リケート、アルミナ(擬ベーマイトも含む)、炭酸カル
シウムが好ましい。本発明でいう平均粒径は特に断らな
い限り電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径
(マーチン径)である(「微粒子ハンドブック」、朝倉
書店、p52参照)。
【0017】本発明の各層で用いる接着剤(バインダ
ー)は、水溶性樹脂(たとえばポリビニルアルコール
(以下PVAと称す)、カチオン変性ポリビニルアルコ
ール、シラノール変性ポリビニルアルコール等の変性ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、カゼ
イン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボ
キシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロー
ス誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメ
タクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系重
合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレ
ン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテック
スなどの一般に塗工紙に用いられている公知の接着剤
(バインダー)が単独或いは併用して用いられる。記録
層と支持体、或いは記録層間の接着性を上げるために
は、水溶性樹脂が好ましい。特に重合度2000以上の
ポリビニルアルコール類を使用すると、記録層と支持
体、或いは記録層間の密着性がよく、高インク吸収速
度、高インク吸収容量、高印字濃度、耐水性に優れるイ
ンクジェット記録体が得られる。
【0018】各層とも顔料と接着剤(バインダー)の固
形分重量比は100/2〜100/200、好ましくは
100/5〜100/100の範囲に調節される。接着
剤(バインダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小
さくなり、インク吸収速度が得られにくい。一方、接着
剤(バインダー)が少なすぎると記録層と支持体、或い
は記録層間の接着強度が弱すぎて、記録体を使用時に粉
落ちする現象が生じる可能性がある。
【0019】一般に、インクジェット用記録体について
は、インク定着性を向上させる目的でカチオン樹脂を記
録層中に添加することが知られている。本発明の記録層
中に、特に上層(インクが付与される側の層)中にカチ
オン性樹脂の添加が好ましい。添加されるカチオン樹脂
としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレン
ポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、または
その誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を
有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等一般市販の各
種公知公用のカチオン樹脂が挙げられる。なお、カチオ
ン樹脂の添加量としては顔料100重量部に対し、1〜
30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で調
節される。その他、一般塗工紙製造において使用される
分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤
等の各種助剤が適宜添加される。
【0020】記録層は少なくとも1層あり、2層であっ
ても、3層以上により構成してもよい。各層の塗工量は
特に限定するものではないが、好ましくは最上層(表
層)の塗工量が1〜50g/m2 、より好ましくは2〜
20g/m2 に調節する。最上層(表層)以外の記録層
の好ましい全塗工量は1〜60g/m2 、さらに好まし
くは2〜40g/m2 に調節する。下層の記録層は亀裂
があった方が好ましく、その場合下層の記録層はインク
吸収容量が大きいため、高印字濃度部のインクを完全に
吸収するには、1〜40g/m2 に調節するのが好まし
い。さらに好ましくは2〜30g/m2 に調節する。塗
工量が少ないと均一塗膜が得られにくく、一方、塗工量
が多いと効果が飽和し無意味である。
【0021】本発明の転写体に使用される材料として
は、高表面平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、ポリエ
チレンラミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の
紙類、金属フォイル、合成紙等可とう性を有するシート
類及び無機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面
を有するものが適宜使用される。特に、連続剥離性及び
光沢性の観点から、高分子フィルム(ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル等)等のシート類が好まし
い。転写体の厚さは10μm〜60μmが好ましく、坪
量は12g/m2 〜85g/m2 が好ましい。相対的に
フィルム等の転写体が薄いと剥離角度を大きくすること
ができ、また剥離が軽くなり、記録体表面が優れたもの
となる。剥離角度は90〜180度が好ましい。
【0022】転写体は上層に平滑性と光沢を付与する目
的で平滑である方が好ましく、転写体の表面粗さ(JI
S B−0601)は、Raが0.5μm以下が好まし
く、より好ましくはRaが0.05μm以下である。
尚、表面粗さをコントロールして、セミグロス調、マッ
ト調などの風合いをもたせることも可能である。また、
転写体に特定の模様や文字等の凹凸を付与し、記録層表
面に模様や文字等を付与することができる。
【0023】本発明の転写体表面にはシリコーン系樹
脂、フッソ系樹脂等の剥離剤を塗布してもよいが、剥離
剤が記録層表面に転移する可能性を考慮すると、剥離処
理を施さない方が好ましい。記録層が剥がれることなく
しかも剥離工程をスムーズに行うためには、記録層と支
持体(或いは他の記録層)の接着力よりも、転写体と記
録層の接着力を小さく制御する必要がある。それを実現
するためには支持体と転写体の厚みの差が70μm 以
上、且つ重量差が65g/m2 以上を有することが必要
である。支持体と転写体の厚みの差が100μm 以上、
重量差が90g/m 2 以上にコントロールすると、高速
(100m/min以上)剥離性も良好で、生産性が一
段と向上する。
【0024】転写体に塗工した記録層と支持体(或いは
他の記録層)が接着さえできれば特に接着方法は限定す
るものではないが、ここで一部を例示する。 転写体
に上層の記録層を設け、ダイレクトに支持体上の下層の
記録層に圧着して接着し、転写体を剥離する。 支持
体上に記録層を設け、湿潤状態で転写体に塗工した記録
層と貼り合わせて乾燥した後、転写体を剥離する。或い
は転写体上に記録層を設け、湿潤状態で支持体に塗工し
た記録層と貼り合わせて乾燥した後、転写体から剥離す
る。 支持体に接着剤を塗工乾燥し、転写体に塗工し
た記録層と貼り合わせた後、転写体を剥離する。ドライ
ラミ。 支持体に記録層を塗工し、ウェットの状態で
転写体に塗工した記録層と貼り合わせて乾燥し、転写体
を剥離する。或いは転写体に記録層を塗工し、ウェット
の状態で支持体に塗工した記録層と貼り合わせて乾燥
し、転写体から剥離する(いわゆるウエットラミ)。な
どが挙げられる。
【0025】上層記録層と下層記録層、或いは上層記録
層と支持体を貼り合わせる層、即ち中間層を用いる態様
においては、この中間層は粘着性若しくは接着性を有す
る層である。中間層は、記録層に関して前記したような
接着剤や、各種粘着剤(感圧接着剤)を含有する層を例
示できる。また記録層に関して前記したような各種顔料
(前記特定粒径の顔料でる場合、及びそれ以外の粒径で
ある場合を含む)を含有してもよい。従って、中間層は
前記した記録層であってもよい。記録層や中間層の塗工
用コーターとしてはダイコーター、ブレードコーター、
エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコータ
ー、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リッ
プコーター、カーテンコーター等の各種公知の塗工装置
が挙げられる。尚、記録体の75度光沢は30% 以上が好ま
しく、より好ましくは50% 以上、最も好ましくは70% 以
上である。
【0026】本発明のインクジェット記録方法で使用さ
れるインクとしては、像を形成するための色素と該色素
を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必
要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵
抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または
分散安定化剤等を添加して調整される。インクに使用さ
れる記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、
反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔
料等があげられるが、従来公知のものは特に制限なく使
用することができる。このような色素の含有量は、液媒
体成分の種類、インクに要求される特性などに依存して
決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来の
インク中におけるような配合、即ち、0.1〜20重量
%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
【0027】本発明で用いられるインクの溶媒として
は、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアル
コール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、
イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコー
ル類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまた
はケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブ
チレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグ
リコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール
類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロ
フラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチ
ル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエー
テル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類など
が挙げられる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。
また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた
固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。 [シリカゾルA]平均二次粒径3μm の合成無定型シリ
カ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、L
P、1次粒子径:16nm)を用い、サンドグラインダ
ーにより粉砕分散した後、圧力式ホモジナイザーでさら
に粉砕分散し、平均粒子径が100nmになるまでサン
ドグラインダーと圧力式ホモジナイザーの粉砕分散操作
を繰り返し、9%の分散液を調製した。
【0029】実施例1 シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)35部を添加し、
濃度8%の水溶液を調製した後、転写体として利用する
PETフィルム(東レ社製、商品名:ルミラーT、50
μm 、70g/m2 )に、塗工量が5g/m2 となるよ
うに塗工乾燥した。続いて、市販コート紙(王子製紙社
製、商品名:OKコート、130μm 、157g/
2 )に無定型シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファイ
ンシールX−45、平均二次粒径:4.5μm )100
部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:P
VA−117、重合度:1800、ケン化度:98%以
上)35部を混合した10%水溶液を用い、塗工量が1
5g/m2 となるように塗工、ウェットの状態で上層と
貼り合わせ、その後、乾燥工程で乾燥後、PETフィル
ムを剥離し、本発明のインクジェット記録体を製造し
た。(支持体と転写体の厚みの差:80μm 、重量差:
87g/m2
【0030】実施例2 転写体を剥離処理ありのPETフィルム(サンエー化学
工業社製、商品名:RFM50、50μm 、70g/m
2 、シリコーン系剥離剤を塗工したもの)に変更した以
外は実施例1と同様の方法でインクジェット記録体を製
造した。(支持体と転写体の厚みの差:80μm 、重量
差:87g/m2
【0031】実施例3 シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラ
レ社製、商品名:PVA−135H)35部、カチオン
樹脂(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、
日東紡績社製、商品名:PAS−H−10L)5部を添
加し、濃度8%の水溶液を調製した後、転写体として利
用するPETフィルム(東レ社製、商品名:ルミラー
T、75μm 、105g/m2 )に、塗工量が5g/m
2 となるように塗工乾燥した。さらに無定型シリカ(ト
クヤマ社製、商品名:ファインシールX−45、平均二
次粒径:4.5μm )100部に、ポリビニルアルコー
ル(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度:1
800、ケン化度:98%以上)35部を混合した10
%水溶液を用い、塗工量が15g/m2 となるように上
記塗工層上に塗工乾燥した。続いて、市販コート紙(王
子製紙社製、商品名:ホワイト・ミラーコートカバープ
ラチナ、167μm 、186g/m2 )にアクリル酸エ
ステル系接着剤(日本カーバイド工業社製、商品名:A
−02)を5g/m2 となるように塗工乾燥した。接着
剤面と記録層面が対面するように貼り合わせ、カレンダ
ー(線圧:20kg/cm)にて圧着後、PETフィル
ムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を製造し
た。(支持体と転写体の厚みのさ:92μm 、重量差:
81g/m2
【0032】実施例4 転写体を25μm のPETフィルム(東レ社製、ルミラ
ーT、25μm 、35g/m2 )に変更した以外は実施
例3と同様の方法でインクジェット記録体を製造した。
(支持体と転写体の厚みの差:142μm 、重量差:1
51g/m2
【0033】実施例5 無定型シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール
F−80、平均二次粒径:1.5μm )100部に、ポ
リビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−1
17、重合度:1800、ケン化度:98%以上)35
部、カチオン樹脂(ポリジアリルジメチルアンモニウム
クロライド、日東紡績社製、商品名:PAS−H−10
L)5部を混合した10%水溶液を用い、塗工量が5g
/m2 となるようにPETフィルム(東レ社製、商品
名:ルミラーT、50μm 、70g/m2 )に塗工乾燥
した。続いて、市販コート紙(王子製紙社製、商品名:
OKコート、130μm 、157g/m2 )に無定型シ
リカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシールX−4
5、平均二次粒径:4.5μm )100部に、ポリビニ
ルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、
重合度:1800、ケン化度:98%以上)35部を混
合した10%水溶液を用い、塗工量が15g/m2 とな
るように塗工、ウェットの状態で上層と貼り合わせ、そ
の後、乾燥工程で乾燥後、PETフィルムを剥離し、本
発明のインクジェット記録体を製造した。(支持体と転
写体の厚みの差:80μm 、重量差:87g/m2
【0034】比較例1 支持体を127.9g/m2 のコート紙(王子製紙社
製、商品名:OKコート、105μm )に変更した以外
は実施例1と同様にインクジェット記録体を製造した。
(支持体と転写体の厚みの差:55μm 、重量差:5
7.9g/m2 ) 比較例2 転写体を75μm のPETフィルム(東レ社製、商品
名:ルミラーT、105g/m2 )変更した以外は実施
例1と同様にインクジェット記録体を製造した。(支持
体と転写体の厚みの差:55μm 、重量差:52g/m
2
【0035】比較例3 転写体を100μm のPETフィルム(東レ社製、商品
名:ルミラーT、140g/m2 )変更した以外は実施
例1と同様にインクジェット記録体を製造した。(支持
体と転写体の厚みの差:30μm 、重量差:17g/m
2 ) 比較例4 市販インクジェット光沢紙(CANON社製、商品名:
GP−201)を用いた。
【0036】[評価方法] [剥離性]製造工程で転写体と支持体の角度が180°
になるように10m/minのスピードで転写体を剥離
する。転写体への、上層の記録層の残り具合で下記の4
段階で評価を行った。 ◎:転写体に記録層が全く残っていない。完全剥離状
態。 ○:転写体に記録層が僅かに残るが、記録層の表面は目
視上使用可能レベル。 △:転写体に記録層が多く残り、記録層の表面は目視上
使用し難いレベル ×:転写体に記録層が転写され、使用不可。
【0037】[高速剥離性]転写体と支持体の角度が1
80°になるように150m/minの高速で転写体を
剥離する。転写体に記録層の残り具合で下記の4段階で
評価を行った。 ◎:転写体に記録層が全く残ってなく、完全剥離状態。 ○:転写体に記録層が僅かに残り、記録層の表面は目視
上使用可能レベル。 △:転写体に記録層が多く残り、記録層の表面は目視上
使用し難いレベル ×:転写体に記録層が転写され、使用不可。
【0038】[インク吸収性]実施例、比較例で得られ
たインクジェット記録体を市販のインクジェットプンタ
ー(EPSON社製、商標:PM−700C)でイエロ
ー、シアン、マゼンタの各単色重ね打ちし、印字直後か
ら5秒毎にプリントした印字面に上質紙を貼合せ、イン
クが上質紙に転写するかどうかを観察する。全く転写し
なくなるまでの時間を測定し、4段評価した。 ◎:10秒未満 ○:10〜30秒 △:30〜1分 ×:1分以上
【0039】[印字部の光沢感(照り感)]実施例、比
較例で得られたインクジェット記録体を市販のインクジ
ェットプンター(EPSON社製、商標:PM−700
C)で記録を行い、ブラック、イエロー、シアン、マゼ
ンタの各印字部に対して横の角度から目視し、以下のよ
うに4段評価した。 ◎:銀塩写真と同レベルの照り感がある。 ○:銀塩写真より劣るが、高い照り感がある。 △:一般市販のコート紙やアート紙並み。 ×:全く照り感がない。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明はより
高光沢のインクジェット記録体の製造方法を提供するこ
とが可能である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状転写体に設けた少なくとも1層
    の上層の記録層を、シート状支持体に、またはシート状
    支持体が予め下層の記録層を有する場合は下層の記録層
    に、貼り合わせて、更に該転写体を剥離するインクジェ
    ット記録体の製造方法において、該支持体の厚みが該転
    写体より70μm 以上厚く、且つ該支持体の重量が該転写
    体より65g/m2 以上重いことを特徴とするインクジェッ
    ト記録体の製造方法。
  2. 【請求項2】 シート状転写体に設けた少なくとも1層
    の上層の記録層を、シート状支持体に、またはシート状
    支持体が予め下層の記録層を有する場合は下層の記録層
    に、粘着性若しくは接着性を有する中間層を介して貼り
    合わせることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
    ト記録体の製造方法。
  3. 【請求項3】 シート状転写体が樹脂フィルムを含み、
    該転写体の平均厚みが60μm 以下、且つ平均重量が8
    5g/m2 以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載のインクジェット記録体の製造方法。
  4. 【請求項4】 シート状支持体の平均厚みが140μm
    以上300μm 以下、且つ平均重量が135g/m2
    上250g/m2 以下であることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のインクジェット記録体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 記録層中の少なくとも1層は平均粒径3
    〜40nmの1次粒子により構成された平均粒径10〜
    300nmの2次微細粒子顔料を含有することを特徴と
    する請求項1、2、3または4記載のインクジェット記
    録体の製造方法。
  6. 【請求項6】 粘着性若しくは接着性を有する中間層
    が、感圧接着剤含有層、接着剤含有層または他の記録層
    であることを特徴とする請求項2記載のまたは5記載の
    インクジェット記録体の製造方法。
  7. 【請求項7】 平均粒径3〜40nmの1次粒子により
    構成された平均粒径10〜300nmの2次微細粒子顔
    料がシリカゾルである請求項5記載のインクジェット記
    録体の製造方法。
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