JP3931367B2 - インクジェット記録体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録体及びその製造方法に関し、特に、表面平滑性、画質品位、インク吸収容量、印字濃度に優れるインクジェット記録体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、ノズルから高速で射出したインク液滴を、被記録材に付着させて記録する方式であり、フルカラー化が容易なことや印字騒音が低い等の特徴を有する。この方式では、使用されるインクは多量の溶媒を含んでいるので、高い記録濃度を得るためには、大量のインクを用いる必要がある。また、インク液滴は連続的に射出されるので、最初の液滴が吸収されないうちに次の液滴が射出され、インク液滴が融合してインクのドットが接合するという不都合が生じやすい。従って、このインクジェット記録方式で使用される記録体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速く、また、インク吸収容量が大きく、印字ドットが重なった場合においてもインクの滲みがないこと等が要求される。
【0003】
これらの問題を解決するために、顔料と接着剤を有する記録層を紙などの支持体に設ける報告(例えば:特開昭55−51583号公報)があった。これらのインクジェット記録体において、記録層の塗布量が少ないと、記録層によるインク吸収容量が小さく、インク中の多くの水分や溶剤は支持体(紙など)に吸収させる必要がある。しかし、支持体に水分や溶剤を吸収させると、支持体自身がボコツキ、波打ちしやすく、印字物の外観を損なう恐れがある。記録層の塗布量が多いとこれらの問題は解決可能だが、高塗布量を得るためには、一般に1層塗りでは難しく、多層塗り(例えば:特開昭57−107879号公報)する必要がある。多層塗りは1層塗りより塗布面が劣り、特にインクジェット記録体はその問題が顕著である。インクジェット記録層は一般にインクを吸収させるために多孔性に設計されるため、多孔性を有する記録層上に、他の記録層を設けると、気泡が発生しやすく、塗工面がざらつきやすい等の問題がある。また光沢,印字濃度を出すために上層(インクが付与される側の記録層)の顔料の粒径は小さくすると良い。しかし上層の粒径が小さいと顔料が下層の多孔に沈みやすく,極めて優れた光沢,印字濃度を得ることが困難である。
【0004】
これらの問題を解決するために、特開平8−108615号公報に開示されたよう下層を塗布後、乾燥工程を経ずに上層を塗布する方法が提案された。この方法ではきれいな記録層表面を得ることは可能だが、下層を塗布後、乾燥工程を経ずに上層を塗布するため、2層の成分が混ざり合ってしまう不都合が生じる問題がある。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決し、表面平滑性、印字濃度に優れ、高品位、高インク吸収容量を有するインクジェット記録体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
図1に示すように支持体(支持体に予め記録層を設けた場合はその記録層)に記録層1を設け、記録層1を半乾燥にした後、記録層1に記録層2を設けることによって、表面平滑性、印字濃度に優れ、高品位、高インク吸収容量を有するインクジェット記録体を得ることが可能であることがわかった。
記録層1が半乾燥の状態では記録層1に多孔性がなく、記録層2を塗布すると記録層2の表面に気泡などが生じる問題もなく、平滑性に優れる表面を得ることが可能である。また、記録層1が半乾燥の状態で記録層2を塗布するため、2層の成分が混ざり合うことがなく、記録層の多様化設計にも対応可能である。
本発明はより高平滑、高光沢のインクジェット記録体を得るためには、成形面(成形面に予め記録層を設けた場合はその記録層)に記録層1を設け、記録層1を半乾燥にした後、記録層1に記録層2を設けた後支持体に転写し、成形面を剥離する方法が有効である。
本発明はより高印字濃度を得るためには記録層の少なくとも1層に、500nm以下の顔料、特に平均粒径が10〜300nmの2次粒子を使用することが好ましい。
【0008】
〔1〕少なくとも2層以上の記録層を有するインクジェット記録体の製造方法において、
(a)支持体(支持体に予め他の記録層を設けた場合は該他の記録層)に、非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層1用塗液を塗布し、記録層1を記録層1の絶乾重量100重量部に対して20〜350重量部の水分を含む半乾燥にして成膜状態とした後、記録層1上に非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層2用塗液を塗布し、乾燥してなるか、或いは(b)成形面(成形面に予め他の記録層を設けた場合は該他の記録層)に、非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層1用塗液を塗布し、記録層1を記録層1の絶乾重量100重量部に対して20〜350重量部の水分を含む半乾燥にして成膜状態とした後、記録層1上に非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層2用塗液を塗布し、乾燥し、記録層2の表面を支持体に圧着して、支持体に転写し成形面を剥離してなることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
【0011】
〕成形面がフィルムまたは金属表面であることを特徴とする〔1〕記載のインクジェット記録体の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は少なくとも2層以上の記録層を有するインクジェット記録体において、支持体(支持体に予め記録層を設けた場合はその記録層)に記録層1を設け、記録層1を半乾燥にした後、記録層2を設けることを特徴とするインクジェット記録体及びその製造方法を提供するものである。
本発明の方法で得られるインクジェット記録体は表面平滑性、高品位、高インク吸収容量を兼ね備えたものである。
特に高表面平滑、高光沢を得るためには、成形面(成形面に予め記録層を設けた場合はその記録層)に記録層1を設け、記録層1を半乾燥にした後、記録層2を設け、支持体に転写し成形面を剥離することによって得ることが可能である。
【0013】
本発明において、支持体としては特に限定されず、透明であっても不透明であってもよい。例えば、セロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗工紙、箔紙、クラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、含浸紙、蒸着紙、水溶性紙等の紙類、金属フォイル、合成紙などが適宜使用される。
【0014】
成形面に使用される材料としては、高表面平滑性を有するセロハン、ポリエチレン、ポリプロピレン、軟質ポリ塩化ビニル、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル等のプラスチックフィルム類、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙、含浸紙、蒸着紙等の紙類、金属フォイル、合成紙等可とう性を有するシート類及び無機ガラス、金属、プラスチック等の高平滑表面を有するドラムや板類が適宜使用される。特に、製造工程及び成形面と記録層の剥離適性等の観点から、高分子フィルム(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等)、高平滑表面を有する金属ドラムが好ましい。
【0015】
成形面は光沢を付与する目的では平滑である方が好ましく、成形面の表面粗さ(JIS B−0601)は、Raが0.5μm以下が好ましく、より好ましくはRaが0.05μm以下である。
尚、表面粗さをコントロールして、セミグロス調、マット調などの風合いをもたせることも可能である。
成形面は無処理のままでよいが、記録層と支持体(或いは他の記録層)の接着力よりも、成形面と記録層の接着力を小さく制御するため、成形面の塗工面にシリコーンやフッ素樹脂等の剥離性を有する化合物を塗工して使用することもできる。
【0016】
次に、本発明の記録層1について説明する。記録層1は少なくとも顔料と接着剤(バインダー)を含有する。顔料としては、非晶質シリカが好ましい。ただし、塗工層の平滑性と印字濃度を上げるために、顔料の平均粒径500nm以下の微粒子が好ましく、より好ましくは平均粒径10〜300nmの2次粒子(分散体)を使用する。特に、液体インクが付与される側の記録層(上層)が上記平均粒径500nm以下の微粒子を含有することが好ましい。
【0017】
平均粒径500nm以下の微粒子は一般市販の合成非晶質シリカ(数ミクロン)に機械的手段で強い力を与えることにより得られる。つまり、breaking down法(塊状原料を細分化する方法)によって得られる。機械的手段としては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。前記2次粒子を構成する1次粒子は特に限定するものではないが、好ましくは3〜40nmの範囲に調節される。小さいとインク吸収性が低下する恐れがあり、大きいと塗工層が不透明になり、印字濃度が低下する恐れもある。本発明の顔料微粒子はコロイド粒子であっても、スラリーであってもよい。本発明でいう平均粒径はすべて電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察した粒径である(マーチン径を平均したもの。「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52参照、1991年)。
【0018】
記録層1に用いる接着剤(バインダー)としては、水溶性樹脂(たとえばポリビニルアルコール(以下PVAとも称す)、カチオン性ポリビニルアルコールやシリル変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコール、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロースやメチルセルロース等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体の共役ジエン系重合体ラテックス、アクリル系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体ラテックスなどの水分散性樹脂などの一般に塗工紙に用いられている公知の接着剤(バインダー)が単独或いは併用して用いられる。記録層と支持体との接着性を上げるためには、水溶性樹脂が好ましく使用される。水溶性樹脂を使用すると表面平滑性、インク吸収性、高印字濃度、耐水性に優れるインクジェット記録体が得られる。
特にポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコールも含む)が良好である。その中でもケン化度95%以上、重合度2000以上のポリビニールアルコールが最も好ましい。
【0019】
記録層の顔料と接着剤(バインダー)の固形分重量比は特に限定しないが100/5〜100/200、好ましくは100/10〜100/100の範囲に調節される。接着剤(バインダー)の添加量が多いと、粒子間の細孔が小さくなり、インク吸収速度が得られにくい。一方、接着剤(バインダー)が少ないと塗工層にひび割れが入りやすい。
【0020】
記録層2は、前記の顔料と接着剤を含有する記録層1ト同様の構成が好ましい
【0021】
本発明の各記録層中にはカチオン性樹脂を添加してもよい。カチオン樹脂を記録層中に添加することによりインク定着性を向上させることができる。添加されるカチオン樹脂としては、例えばポリエチレンアミンやポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、またはその誘導体、第3級アミノ基や第4級アンモニウム基を有するアクリル樹脂、ジアクリルアミン等が挙げられる。なお、カチオン樹脂の添加量としては顔料100重量部に対し、1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の範囲で調節される。その他、一般塗工紙製造において使用される分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤等の各種助剤が適宜添加される。
【0022】
記録層1及び記録層2の塗工量は特に限定するものではないが、1〜100g/m2 、好ましくは2〜50g/m2 に調節するのが好ましい。1g/m2 未満では均一塗膜が得られにくく、100g/m2 を越えると効果が飽和し、また、塗膜にひび割れが生じやすくなる。
【0023】
支持体(支持体に予め他の記録層を設けた場合は他の記録層)に記録層1を設け、半乾燥にした後、記録層2を設ける際の記録層1の状態について説明する( 図1参照) 。記録層1の半乾燥状態は液体塗料で塗布後、ある程度乾燥し、記録層1はまだ多くの水分を含有するが、成膜している状態をいう。記録層の半乾燥状態時の水分含有量は塗布時の塗料の濃度にもよるが、記録層1の絶乾重量に対して20〜350%(即ち、記録層1の絶乾重量100重量部に対して20〜350重量部の水分を含む)、好ましくは50〜300%、より好ましくは100〜200%に調節される。水分が少ないと顔料を含む記録層1は多孔性になり、記録層2を塗布すると記録層2の表面に気泡が生じ、記録面(記録層2の表面)がざらつく問題がある。しかし適度な水分を含むと平滑性に優れた表面が得られる。
一方、水分が多いと記録層1がまだ未成膜状態であり、記録層2を塗布すると記録層1と記録層2の成分が混ざり合い、好ましくない。例えば本発明の好ましい態様ではインクにより記録する面に近い層(上層)に平均粒径500nm以下の微細顔料を含有させ、また下層に500nmを越え、例えば1μm〜10μmの平均粒径を有する顔料(例えば非晶質シリカの凝集体粒子)を含有させることにより、一層インク吸収性に優れ、記録濃度、表面光沢、画像品位に優れたものが得られるが、このように上層と下層で組成を変える場合に、両層が混合すると、その効果を十分に得ることができない。
【0024】
また成形面に記録層1と記録層2を順次設け、支持体に転写する態様(図2の態様)においても表面平滑性に優れた記録体が得られる理由について説明する。この態様では最終的に支持体(3)に設ける記録層1(1)と記録層2(2)の積層順が図1の態様と逆になり記録層1が上層となる。
この態様でも半乾燥状態の記録層1の上に記録層2を設けるため、記録層2に泡等の発生がなく、優れた平滑性が得られる。この影響により記録層1も凸凹のない平滑な層となる。この結果得られる記録体の記録面も凹凸がない優れた面が得られるものと思われる。記録層1の半乾燥状態での水分量については前記図1の態様と同様である。
また記録層の転写性をより良くするために、下記の転写法を利用することができる。
▲1▼ 成形面に上記のように記録層1と記録層2を順次設け、更に記録層を乾燥した後(例えば記録層水分5〜10%)、支持体と重ねて温度と圧力をかけることにより記録層を支持体側に転写することもできる。支持体としては特にラミネート紙や接着性を付与した紙やフィルムが好ましい。
▲2▼ 成形面に上記のように記録層1と記録層2を順次設け、更に記録層を乾燥した後(例えば記録層水分5〜10%)、記録層を蒸気により再湿潤し、支持体に圧着転写することもできる。支持体としては前記のような各種支持体が利用でき、上質紙等でもよい。
【0025】
本発明で用いる乾燥方法としては自然対流方式、熱風式、遠赤外線式等一般公知の乾燥方法が用いられる。
【0026】
記録層の塗工コーターとしてはブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター、ダイコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。
尚、半乾燥ではなく、通常に乾燥した場合、記録層の水分は特に限定されず、2〜10%程度でよい。
【0027】
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、像を形成するための色素と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤、記録剤の溶解または分散安定化剤等を添加して調整される。
【0028】
インクに使用される記録剤としては直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料及び各種顔料等があげられるが、従来公知のものは特に制限なく使用することができる。このような色素の含有量は、液媒体成分の種類、インクに要求される特性などに依存して決定されるが、本発明におけるインクの場合も、従来のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20重量%程度の割合になるような使用で特に問題はない。
【0029】
本発明で用いられるインクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、、ポロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミド等のアミド類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、勿論これらに限定されるものではない。また、例中の部及び%は特に断らない限り、水を除いた固形分であり、それぞれ重量部及び重量%を示す。塗工量は特に断らない限り乾燥塗工量を示す。
尚、実施例において半乾燥ではなく、塗工後乾燥した場合の水分は5〜6%程度であった。乾燥装置としては熱風乾燥機を利用し、実施例の水分の調整は乾燥時間で行った。
記録層水分は固形分100重量部に対して例えば175重量部の水を含有するものを175%と記載した。
[シリカゾルA]
平均粒径3μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、HD−2、1次粒径:11nm)を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、超音波ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、凝集体平均粒子径が70nmになるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、8%の分散液を調製した。
【0031】
[シリカゾルB]
平均粒径3μmの合成非晶質シリカ(日本シリカ工業社製、商品名:Nipsil、HD−2、1次粒径:11nm)を用い、サンドグラインダーにより粉砕分散した後、超音波ホモジナイザーでさらに粉砕分散し、凝集体平均粒子径が120nmになるまでサンドグラインダーと超音波ホモジナイザーの粉砕分散操作を繰り返し、8%の分散液を調製した。
実施例1
前記シリカゾルB100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をメイヤーバーで乾燥塗工量が10g/m2 となるように,市販塗工紙(王子製紙社製、商品名:OKコート、127.9g/m2 )をラミネートしたもの(エクストルージョンラミネート法により塗工紙表面に15μmのポリエチレンをラミネートしたもの、以下、単にラミネート塗工紙とも称す)に塗工し、熱風乾燥機により半乾燥した(記録層の絶乾重量100%に対して水分は175%であった。以下他の実施例においても特に断らない限り乾燥工程はすべて熱風乾燥機により乾燥した)。
シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をダイコーターで塗工量が10g/m2 となるように上記塗工層上に塗工乾燥し(水分5.5%)、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0032】
参考例
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−45、凝集体平均粒径4.5μm)100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度1750、ケン化度98.5%)35部、カチオン樹脂(住友化学工業社製、商品名:SR−1001)10部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗工量が10g/mとなるように前記と同様のラミネート塗工紙に塗工半乾燥(記録層の絶乾重量100%に対して水分は150%であった)した。続いて、前記シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をダイコーターで塗工量が10g/mとおなるように上記塗工層上に塗被乾燥し(水分5.5%)、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0033】
実施例
シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をメイヤーバーで塗工量が10g/mとなるように成形面として利用するPETフィルム(東レ社製、ルミラーT、75μm、表面粗さRa=0.02μm)に塗工し、半乾燥(記録層の絶乾重量に対して水分は175%であった)した。次に、シリカゾルB100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をダイコータで塗工量が10g/mとなるように前記塗工層上に塗布乾燥した(水分約10%)。続いて、ラミネート塗工紙上に上記塗工面を圧着転写し、PETフィルムを剥がし、本発明のインクジェット記録体を製造した。
【0034】
比較例1
シリカゾルB100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をメイヤーバーで塗工量が10g/m2 となるようにラミネート塗工紙に塗工乾燥した(記録層の絶乾重量に対して水分は5%であった)。
シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をダイコーターで塗工量が10g/m2 となるように上記塗工層上に塗工乾燥し(水分5.5%)、インクジェット記録体を製造した。
【0035】
比較例2
合成非晶質シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−45,平均凝集粒径4.5μm)100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−117、重合度1750、ケン化度98.5%)35部、カチオン樹脂(住友化学工業社製、商品名:SR−1001)10部を混合した15%水溶液をメイヤーバーで塗工量が10g/m2 となるようにラミネート塗工紙に塗工、乾燥工程を経ずに、シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をダイコータで塗工量が10g/m2 となるよう上記塗工層上に塗被乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
【0036】
比較例3
シリカゾルA100部に、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA−135H、重合度:3500、ケン化度:99%以上)40部を混合した8%水溶液をメイヤーバーで塗工量が10g/m2 となるようにラミネート塗工紙に塗工乾燥し、インクジェット記録体を製造した。
【0037】
[評価方法]
各実施例、比較例で得られたインクジェット記録体のインク吸収容量、印字ムラ、印字濃度、記録層表面性等は以下に示す方法で評価した。印字ムラ、印字濃度については市販のインクジェットプリンター(キヤノン社製、商標:BJC−600J)で記録を行った場合のベタ部分のものを示す。
[インク吸収容量]
A4サイズのPPC用紙の真中に10cm×10cm四方の本発明のインクジェット記録体を貼り付け、インク吐出量が25g/m2 となるようにブラックインクを本発明のシートにベタ印字し、インクが塗被層から溢れるかどうかを観察する。印字直後から1分、5分後にプリントした印字面に上質紙を貼り合わせ、インクが上質紙に転写するかどうかを観察する。全く転写しなくなるまでの時間を測定し、下記のように評価した。
○:1分未満
△:1〜5分
×:5分以上
【0038】
[印字濃度]
黒ベタ部の印字濃度をマクベス反射濃度計(Macbeth、RD−920)を用いて測定した。表中に示した数字は5回測定の平均値である。
[記録層の印字ムラ]
記録層の印字ムラ(ベタ印字部の色の濃淡)の有無を目視で確認し、以下のように評価する。
○:全くムラがない。
△:多少のムラが認められる。
×:多くのムラがある。
【0039】
[記録層平滑性]
目視で塗膜の表面平滑性を観察した。
◎:極めて平滑である
○:表面の凹凸が少なく、平滑である。
△:表面に凹凸が認められ、平滑性があまりよくない状態
×:表面がかなりボコツキ、外観が極めて悪い
【0040】
【表1】
Figure 0003931367
【0041】
【発明の効果】
表1から明らかなように、本発明の方法により得られたインクジェット記録体はインク吸収容量が大きく、記録層の表面平滑性に優れ、印字濃度が高く、かつ印字ムラがない優れたインクジェット記録体である
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製法を説明する概略図である。
【図2】本発明の別の態様を説明する概略図である。
【符号の説明】
1:記録層1(本発明において先ず、半乾燥状態にする記録層)
2:記録層2(重ね塗りする記録層)
3:支持体
4:成形面

Claims (1)

  1. 少なくとも2層以上の記録層を有するインクジェット記録体の製造方法において、(a)支持体(支持体に予め他の記録層を設けた場合は該他の記録層)に、非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層1用塗液を塗布し、記録層1を記録層1の絶乾重量100重量部に対して20〜350重量部の水分を含む半乾燥にして成膜状態とした後、記録層1上に非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層2用塗液を塗布し、乾燥してなるか、或いは(b)成形面(成形面に予め他の記録層を設けた場合は該他の記録層)に、非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層1用塗液を塗布し、記録層1を記録層1の絶乾重量100重量部に対して20〜350重量部の水分を含む半乾燥にして成膜状態とした後、記録層1上に非晶質シリカからなる平均粒径10〜500nmの顔料及びケン化度95%以上で重合度2000以上であるポリビニルアルコールからなる接着剤を含有する記録層2用塗液を塗布し、乾燥し、記録層2の表面を支持体に圧着して、支持体に転写し成形面を剥離してなることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
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