JPH11337681A - 放射線防護布帛および放射線防護製品 - Google Patents

放射線防護布帛および放射線防護製品

Info

Publication number
JPH11337681A
JPH11337681A JP10141517A JP14151798A JPH11337681A JP H11337681 A JPH11337681 A JP H11337681A JP 10141517 A JP10141517 A JP 10141517A JP 14151798 A JP14151798 A JP 14151798A JP H11337681 A JPH11337681 A JP H11337681A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
core
radiation
sheath
yarn
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10141517A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuhei Maeda
裕平 前田
Akio Tawara
昭夫 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10141517A priority Critical patent/JPH11337681A/ja
Publication of JPH11337681A publication Critical patent/JPH11337681A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線遮蔽性能を有する環境問題のない放
射線防護布帛および製品を提供する。 【解決手段】 構成する部品の少なくとも一部が芯鞘
型複合繊維からなる放射線防護服またはシートにおい
て、該複合繊維の芯部が原子番号が40以上の元素から
なる単体または化合物からなる粒子を20重量%以上、
80重量%以下含有する熱可塑性重合体からなり、該複
合繊維の鞘部が熱可塑性重合体からなり、かつ、複合繊
維中に占める芯部の割合が40重量%以上、85重量%
以下であり、強度が2.7cN/dtex以上であるこ
とを特徴とする芯鞘型複合繊維からなる放射線防護布
帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放射線防護布帛お
よび放射線防護製品に関するものである。さらに詳細に
は、芯部に比重の高い金属化合物を含有する芯鞘型複合
繊維からなる布帛および放射線防護服、放射線防護シー
トなどの放射線防護製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より放射性同位元素を取り扱う作業
または実験、原子炉建屋内における作業やその保守に関
係した作業、加速器を使用する実験、X線発生装置の操
作、放射性物質で汚染された床や機器等の洗浄作業、放
射性廃棄物の処理作業などでは、作業者を放射線から保
護する目的や、漏洩線、被照射体から出てくる2次線か
ら保護する目的で放射線防護服またはシートが使用され
ることが多い。またこれ以外にも、通常の生活環境にお
ける被爆量である1週間に2〜5mr程度の極微量を越
える放射線被曝は、原子力発電所の事故・トラブルやX
線診断装置など以外にも種々の電気機器その他の要因
で、日常生活の場においても存在し得る。こういった場
所においては、女子、特に妊娠中の女子など、またはそ
れ以外の人においても必要に応じて身体を放射線から防
御することが要望される。
【0003】従来から鉛シートが放射線遮蔽能がすぐれ
ているために放射線防護服またはシートに使われてきて
いるが、鉛は焼却時や廃棄後に鉛害が発生する問題を有
する。したがって、特殊作業以外では日常管理ができな
いことが予想され、処分方法に問題を生じ、地球環境汚
染の観点から安易に使用することができない。また、服
またはシートとして極めて特殊であり、微量放射線に対
しては過剰防備となり、軽度の放射線を防護する服また
はシートが望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した従来の技術における問題点を解消し、軽度の放射線
遮蔽性能を有する環境問題のない放射線防護服またはシ
ートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の放射線防護布帛は主として次の構成を有する。
すなわち、少なくとも一部が芯鞘型複合繊維からなる放
射線防護布帛において、該芯鞘型複合繊維の芯部が原子
番号40以上の元素単体または化合物からなる粒子を2
0〜80重量%含有する熱可塑性重合体からなり、該芯
鞘型複合繊維の鞘部が熱可塑性重合体からなり、かつ、
芯鞘型複合繊維中に占める芯部の割合が40〜85重量
%であり、芯鞘型複合繊維の強度が2.7cN/dte
x以上であることを特徴とする放射線防護布帛である。
【0006】また、本発明の放射線防護製品は主として
次の構成を有する。すなわち、少なくとも一部が芯鞘型
複合繊維からなる放射線防護布帛において、該芯鞘型複
合繊維の芯部が原子番号40以上の元素単体または化合
物からなる粒子を20〜80重量%含有する熱可塑性重
合体からなり、該芯鞘型複合繊維の鞘部が熱可塑性重合
体からなり、かつ、芯鞘型複合繊維中に占める芯部の割
合が40〜85重量%であり、芯鞘型複合繊維の強度が
2.7cN/dtex以上である放射線防護布帛からな
る放射線防護製品である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の放射線防護布帛は、芯鞘
型複合繊維からなり、該複合繊維の芯部が原子番号40
以上の元素単体または化合物からなる粒子を20重量%
以上、80重量%以下含有する熱可塑性重合体からな
る。該粒子を含有することにより、放射線遮蔽効果を発
現させることができ、また芯鞘型複合繊維とすることに
より、かかる繊維からなる布帛を放射線防護服または放
射線防護シートなどの製品にまで仕上げる工程でのトラ
ブルを解消することができる。
【0008】この場合、放射線防護服とは、身体を覆う
いかなる製品をも含み、例えばジャケット、エプロン、
コート、ズボン、腹帯、頭巾などである。また放射線防
護服を構成する部品は、布帛生地のみでなく、中綿、パ
ッド、縫い糸などの副資材も用いることがあり、これら
副資材も上記の芯鞘型複合繊維を含むものを用いること
がより放射線遮蔽効果を向上させることができるので好
ましい。放射線防護シートとは、身体への放射線被爆を
防ぐために放射線源と人体との間に設ける繊維製の平面
膜状のものをいい、カバーやカーテン等が挙げられる。
本発明では、放射線防護布帛の少なくとも一部に上記芯
鞘型複合繊維を使用することにより、使用しない場合に
対して高い放射線遮蔽効果を発現させることができる。
【0009】本発明に用いる芯鞘型複合繊維の芯部は、
原子番号40以上の元素単体またはその化合物からなる
粒子を含有する。放射線遮蔽性は原子番号に依存するこ
とが知られており、原子番号が高い元素ほど高い遮蔽性
が得られる。この観点から原子番号56以上が好まし
い。また、該粒子は、水に溶けにくく毒性の低いこと
や、放射能被害を起こさないことが好ましく、例えばジ
ルコニウム、ニオブ、銀、インジウム、スズ、ランタ
ン、セリウム、ネオジウム、タンタル、タングステン等
の単体元素や、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、
硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、五酸化ニオブ、
二酸化ニオブ、一酸化ニオブ、二硫化モリブデン、酸化
モリブデン、二酸化モリブデン、モリブデン酸、酸化
銀、塩化銀、臭化銀、沃化銀、硫化銀、硫酸銀、水酸化
インジウム、酸化第一スズ、酸化第二スズ、硫酸第一ス
ズ、硫酸バリウム、酸化セリウム、酸化ハフニウム、タ
ンタル酸、酸化タングステン、酸化ビスマス、水酸化ビ
スマス等の化合物が挙げられる。これらの粒子は、1種
のみ含有させても良いし2種以上を含有させても良い。
また、これらの元素単体や化合物は、粒子の形態で含有
されるが、その粒子の粒径は、該複合繊維の製造を容易
とするために10μm以下であることが好ましく、2μ
m以下であることがより好ましく、0.5μm以下であ
ることがさらに好ましい。
【0010】さらに、該粒子は白色または単色であると
染色が可能となり、ファッション性の点で望ましい。従
って、本発明では、例えば硫酸バリウム、酸化セリウム
が好ましく用いられる。
【0011】本発明の複合繊維の芯部は、該粒子が20
重量%以上、80重量%以下熱可塑性重合体に含有され
る。20重量%未満では耐放射線性が不十分であり、8
0重量%を越える含有量では該複合繊維の製造が困難と
なる。同様の観点から含有量は40重量%以上60重量
%以下であることが好ましい。
【0012】本発明の複合繊維の芯部および鞘部は、熱
可塑性重合体からなる。具体的な熱可塑性重合体として
は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフ
ィン系重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等のビニル系重合体、ポ
リスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート、液晶ポリエステル等のポリエ
ステル系重合体、ポリカプラミド、ポリヘキサメチレン
アジパミド、ポリテトラメチレンアジパミド、ポリヘキ
サメチレンセバカミド、ポリドデカミド等のポリアミド
系重合体が挙げられるが、特にポリエステルおよびポリ
アミドが好ましい。
【0013】芯部および鞘部を構成する熱可塑性重合体
は互いに相溶性の良い組み合わせとすることが好まし
く、共にポリエステルであることが特に好ましい。芯部
と鞘部との熱可塑性重合体が相溶性の悪い組み合わせで
あると、芯鞘界面での剥離が生じ易く、鞘部の脱落や芯
部の露出を誘発し易いので好ましくない。
【0014】これら熱可塑性重合体はそれら本来の性質
を損ねない範囲であれば他の共重合成分、耐候剤、酸化
防止剤、顔料等を必要に応じて10重量%以下含んでい
ても良い。
【0015】本発明の複合繊維の鞘成分には無機物質が
実質的に含まれないことが好ましいが、必要に応じて5
重量%以下のような少量が含有されていてもよい。かか
る範囲であれば複合繊維の強度低下を防ぎ、また、ガイ
ドおよびロールに損傷を与えるおそれは少ない。
【0016】本発明の複合繊維中に占める芯部の割合
は、40重量%以上、85重量%以下である。40重量
%未満では、耐放射線性が不十分であり、85重量%を
越えると、本発明の目的とする強度2.7cN/dte
x以上が得られないばかりか繊維の製造が困難となる。
【0017】本発明の複合繊維の強度は、実用性を考慮
して2.7cN/dtex以上である。2.7cN/d
texに満たない場合には、該複合繊維を布帛に加工す
る際に糸切れを生じやすく、布帛を防護服またはシート
に縫製する際に欠点を生じやすく、また防護服またはシ
ート使用時にも引き裂き強力が低く破れやすいものとな
る。
【0018】本発明の複合繊維の形態は、マルチフィラ
メントヤーン、モノフィラメントヤーン、ステープルフ
ァイバー、スパンボンド等であり、非捲縮糸以外に仮撚
り加工糸等の捲縮糸を含む。また、本発明の複合繊維以
外の繊維を本発明の効果を損なわない範囲で、混繊、混
紡等のように混用することができる該複合繊維の断面形
状は、公知の形状が用いられ、丸、扁平、中空、三葉
型、八葉型、十字型等の多葉型等が挙げられる。
【0019】また芯部の断面形状についても、丸、扁
平、三葉型、八葉型、十字型等の多葉型等が挙げられ、
丸以外の異形断面とすることで効率よく放射線を遮蔽で
きるため好ましい。
【0020】該複合繊維の平均単糸繊度は、通常0.5
dtex以上、100dtex以下である。
【0021】マルチフィラメントヤーンの場合には、該
複合繊維の総繊度は、通常30dtex以上、5000
dtex以下である。
【0022】本発明の放射線防護製品である防護服また
は防護シートは、該複合繊維を通常の織編物や不織布な
どの布帛とし、必要に応じて織編工程の前または後で染
色などの高次加工処理を施した後、縫製するなどによっ
て得ることができる。放射線防護の観点から、布帛の目
付は50g/m2以上であることが好ましく、高密度の
織物であることがより好ましい。
【0023】上述した本発明に用いる複合繊維は、例え
ば次の方法によって好ましく製造される。
【0024】芯部として用いる原子番号が40以上の元
素からなる単体または化合物からなる粒子を含有する熱
可塑性重合体は、常法の重合法によって得られた熱可塑
性重合体と、適宜選択された無機物質とを、それぞれ計
量し、溶融混練した後、ノズルから押し出し、ペレット
状にカットすることによって得る。ペレット状にカット
された無機物質を含有した熱可塑性重合体は、そのまま
紡糸に供してもよいし、また、必要に応じて再度高重合
化して使用してもよい。
【0025】一方、鞘部として用いる熱可塑性重合体
は、常法によって重合して得られたものを使用すればよ
いが、添加剤を配合する場合には上記と同様にして配合
すればよい。
【0026】前記した芯部用の重合体組成物、及び、鞘
部用の重合体(組成物)は、それぞれ別々のエクストル
ダで溶融された後、複合紡糸パックに導かれ、複合紡糸
口金内で複合流を形成された後に紡糸口金から吐出され
る。その複合の形態は、単純芯鞘、芯複数型、多重芯
鞘、芯異形等、特に限定するものではなく、所望の特性
や用途等に応じて選択すればよい。 吐出された芯鞘型
複合糸条は、必要により紡糸口金直下に設置された加熱
雰囲気域を通して遅延冷却される。その後に、冷却域に
導入し冷却風を吹き付けられ、紡糸筒を通過して糸条を
形成する。
【0027】前記加熱雰囲気域の温度は通常120〜3
50℃、その長さは5〜300cmであればよく、この
加熱雰囲気域の条件は、紡出される糸条の粘度、単糸太
さ、ドラフト率、単糸数等の設定条件によって選択すれ
ばよい。
【0028】前記冷却域では、常温空気のような120
℃未満の気体を、例えば15〜50m/分の速度で吹き
付ければよい。この冷却域の条件も、紡出される糸条の
粘度、単糸太さ、ドラフト率、単糸数等の設定条件によ
って選択すればよい。
【0029】前記加熱雰囲気域および冷却域における各
条件を前記の範囲内とすることによって、紡出糸条の冷
却配向パターンを適切なものとすることができる。
【0030】前記加熱雰囲気域および冷却域を通過し、
冷風によって冷却固化した紡出糸は、紡糸油剤を付与さ
れ、通常300m/分以上、7000m/分以下で回転
するロールに巻回された後、必要によって引き続き又は
一旦巻き取った後に通常、延伸倍率5.5倍以下で延伸
される。
【0031】また、延伸は、1段または多段延伸が好ま
しい。2段以上の多段の延伸を行う場合は、1段目の延
伸配分は全延伸配分の50〜80%範囲が好ましく、こ
の範囲とすると毛羽、糸切れの発生頻度を低く抑えるこ
とができる。
【0032】延伸温度は1段目の延伸に供する糸条の温
度を鞘部の熱可塑性重合体のガラス転移温度以上、ガラ
ス転移温度+60℃以下とすることで均一延伸、糸切れ
を起こさない安定した延伸を行うことができる。
【0033】糸条に延伸に必要な熱を与える方法として
は、ロール加熱、スチーム、熱液等公知の手法を用いれ
ばよい。
【0034】延伸が完了した糸条は、必要に応じて弛緩
処理を施すか、またはそのまま巻き取られる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。なお、実施例中の物性は次の様に測定した。
【0036】A.強度(T):試料を20℃、65%R
Tの温調室に24時間以上放置した後、(株)オリエン
テック社製テンシロン引張試験機を用い、試長25c
m、引取速度30cm/分でS−S曲線を求め強度を算
出した。
【0037】B.硫酸相対粘度(ηr):試料1gを9
8%硫酸100mlに溶解し、オストワルド粘度計で2
5℃で測定した。
【0038】C.極限粘度(IV):試料8gをオルソ
クロロフェノール100mlに溶解し、溶液粘度(η)
をオストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、次の近
似式により極限粘度(IV)を算出した。
【0039】IV=0.0242η+0.2634 [実施例1〜4および比較例1〜3]極限粘度0.65
のイソフタル酸を11モル%共重合したポリエチレンテ
レフタレート(PET)に、沈降性硫酸バリウム(Ba
SO4 )を、表1に示す割合で添加混合し溶融混練した
後、3.0mmΦの口金から吐出し、冷却した後カット
して、芯部として用いるチップ状の硫酸バリウム含有ポ
リエチレンテレフタレートを得た。この硫酸バリウム含
有チップを、温度130℃の回転式真空乾燥機で12時
間乾燥し、チップ中の水分率を0.005%以下とし
た。
【0040】鞘部として用いる熱可塑性重合体として、
常法によって得られた極限粘度0.65、酸化チタン配
合量0.4wt%、チップ水分率0.005%以下のポ
リエチレンテレフタレート(PET)を準備した。
【0041】芯部用ポリマは265℃で、鞘部用ポリマ
は290℃で、それぞれ溶融させ、エクストルーダー型
紡糸機で溶融した後、複合紡糸パック中に導き、芯鞘複
合紡糸口金より、芯部が硫酸バリウム含有ポリエチレン
テレフタレート、鞘部がポリエチレンテレフタレート
で、表1に示す芯部比率の芯鞘型複合繊維として紡出し
た。
【0042】紡糸口金は孔径0.3mmΦ、孔数は48
ホ−ルであり、口金下16cmからユニフロー型チムニ
−を取り付け、25℃で20m/分の冷風を糸条に直角
に吹き付け、冷却した。次いで油剤を付与した後、13
00m/分で回転する引取ロ−ルにより巻き取った。
【0043】延伸倍率を2.9倍、延伸の供給ローラ、
延伸ローラの温度をそれぞれ110℃、150℃で1段
延伸を行い、繊度が167dtexの繊維を得た。かく
して得られた複合繊維の特性について評価し、表1に示
した。
【0044】実施例1で得られた繊維を仮撚り加工し、
常法によりツイルに織り、液流染色加工の後、人体の前
面を覆うことのできるエプロンに縫製した。
【0045】
【表1】 [比較例4」配合粒子を酸化チタンとし、ポリエチレン
テレフタレートへ配合できる最大の含有量である35重
量%として、芯部比率60%とし、実施例1と同様にし
て芯鞘複合繊維を得た。結果を表1に併せて示す。
【0046】また、実施例1と同様にしてエプロンを縫
製し、線量計により実施例1、比較例4のエプロンの放
射線遮蔽性を計測し、実施例1の方が明らかに高いこと
を確認した。
【0047】[実施例5]粒子を含有する芯部用の熱可
塑性重合体を、硫酸相対粘度2.7のポリカプロラクタ
ムに変更した以外は、実施例1と同様にして製糸した。
結果を表1に併せて記載した。
【0048】[実施例6]芯部用チップは実施例1と同
じをものを用い、鞘部に用いるポリエステルは、常法の
固相重合によって得られた極限粘度1.30、水分率
0.003%以下のポリエチレンテレフタレート(PE
T)チップと、カーボンブラックを10重量%含有した
原着マスターバッチを39:1となるように連続的に計
量、混合したものを準備した。鞘成分中のカーボンブラ
ック比率は0.25重量%とした。
【0049】芯部用ポリマは265℃で、鞘部用ポリマ
は290℃でそれぞれ溶融させ、エクストルーダー型紡
糸機で溶融した後、290℃に加熱した複合紡糸パック
中に導き、芯鞘複合紡糸口金より、同心円型複合繊維と
なるよう紡糸した。芯/鞘複合比率は、重量比率で50
/50とした。
【0050】紡糸口金は環状2列配孔で、孔径0.8m
mΦ、孔数60ホ−ルのものを用い、口金直下には30
cmの加熱筒を取り付け、筒内雰囲気温度を320℃と
なるように加熱した。筒内雰囲気温度は、口金面より1
0cm下の位置で、且つ最外周糸条より1cm離れた位
置で測定した。
【0051】加熱筒の下には長さ40cmの環状型チム
ニ−を取り付け、糸条の周囲より25℃で40m/分の
冷風を糸条に直角に吹き付け、冷却した。次いで油剤を
付与した後、500m/分の引取ローラーにより糸条速
度を制御した後、一旦巻取ることなく連続して延伸し
た。
【0052】延伸は3対のネルソン型ローラーによっ
て、1段目延伸倍率3.8倍、2段目倍率1.5倍で2
段延伸した後、次のネルソンローラー間で3%のリラッ
クスを与えて巻取った。引取ローラー温度を130℃と
し、引取ローラーと170℃に加熱した第1延伸ローラ
ー間で1段目の延伸を行い、第1延伸ローラーと表1に
示すとおりの温度に加熱された第2延伸ローラー間で2
段目の延伸を行った。次のネルソンローラーは非加熱と
して使用した。1段延伸倍率は全延伸倍率の70%、残
りを2段目で延伸し、延伸糸の総繊度が500デニ−ル
となるようポリマ吐出量を調整した。巻量は5kgとし
た。
【0053】なお、実施例9を除いて、引取ローラーと
第1延伸ローラーとの間で、1.5kg/cm2の圧空を複合
繊維糸条へ吹き付けた。
【0054】かくして得られた複合繊維の強度は4.4
cN/dtexであった。
【0055】得られた複合繊維をタテ糸およびヨコ糸に
用いた平織物を作製し、塩化ビニル樹脂により片面コー
ティングしたシートを作った。線量計により実施例6の
シートの放射線遮蔽性を計測し、後述する比較例5に比
較して実施例6の方が明らかに高いことを確認した。
【0056】[比較例5」実施例6の鞘成分と同様の原
着マスターバッチを混合したPETチップのみを用い
て、290℃で溶融させ、エクストルーダー型紡糸機で
溶融した後、290℃に加熱した単成分紡糸パック中に
導き、環状2列配孔で孔径0.8mmΦ、孔数60ホ−
ルの単成分紡糸口金より紡糸し、以下実施例6と同様に
して500デニール60フィラメントのポリエステル繊
維を得た。この繊維を用いて実施例6と同様にして片面
コーティングシートを得た。、線量計により実施例6、
比較例5のシートの放射線遮蔽性を計測し、実施例6に
比較し明らかに低いことを確認した。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、放射線遮蔽性能を有す
る環境問題のない放射線防護布帛およびかかる布帛から
なる服またはシートなどの形態の放射線防護製品を提供
することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が芯鞘型複合繊維から
    なる放射線防護布帛において、該芯鞘型複合繊維の芯部
    が原子番号が40以上の元素単体または化合物からなる
    粒子を20〜80重量%含有する熱可塑性重合体からな
    り、該芯鞘型複合繊維の鞘部が熱可塑性重合体からな
    り、かつ、芯鞘型複合繊維中に占める芯部の割合が40
    〜85重量%であり、芯鞘型複合繊維の強度が2.7c
    N/dtex以上であることを特徴とする放射線防護布
    帛。
  2. 【請求項2】 複合繊維の芯部および鞘部を構成する
    熱可塑性重合体がポリエステルあるいはポリアミドであ
    ることを特徴とする請求項1記載の放射線防護布帛。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の放射線防護布
    帛からなる放射線防護製品。
JP10141517A 1998-05-22 1998-05-22 放射線防護布帛および放射線防護製品 Pending JPH11337681A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10141517A JPH11337681A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 放射線防護布帛および放射線防護製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10141517A JPH11337681A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 放射線防護布帛および放射線防護製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11337681A true JPH11337681A (ja) 1999-12-10

Family

ID=15293817

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10141517A Pending JPH11337681A (ja) 1998-05-22 1998-05-22 放射線防護布帛および放射線防護製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11337681A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090629A1 (ja) * 2005-02-23 2006-08-31 Kabushiki Kaisha Toshiba 放射線遮蔽シート
JP2013204200A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Seiren Co Ltd 軟x線減弱性織物及び軟x線減弱性衣服
JP2013210360A (ja) * 2012-02-28 2013-10-10 Unitika Ltd 放射線遮蔽性シート、および該放射線遮蔽性シートが縫製されてなる放射線遮蔽性袋体
JP2013221865A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Daiwa:Kk 多機能シート
JP2014070324A (ja) * 2012-09-29 2014-04-21 Kb Seiren Ltd X線減衰繊維、その繊維を用いた布帛および衣料品
JP5526309B1 (ja) * 2013-05-16 2014-06-18 日豊製袋工業株式会社 放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽袋
WO2014163574A1 (en) 2013-04-05 2014-10-09 Ten Medical Design Ab Radiation protective material
JP2015219170A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 松山毛織株式会社 放射線遮蔽材
CN106192112A (zh) * 2016-08-24 2016-12-07 江苏中孚达科技股份有限公司 一种防辐射麻纤维面料
JP6074491B1 (ja) * 2015-12-22 2017-02-01 株式会社東洋ゴムチップ 放射線遮蔽材
JP2018132387A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日本製紙株式会社 放射線遮断材
CN111719214A (zh) * 2020-06-22 2020-09-29 缪冬崽 一种具有全频段防辐射性能面料的加工方法
KR20220085453A (ko) * 2020-12-15 2022-06-22 계명대학교 산학협력단 방사선 차폐 원단, 그의 제조방법 및 그를 이용한 방사선 차폐물품
WO2023090883A1 (ko) * 2021-11-17 2023-05-25 계명대학교 산학협력단 방사선 방호복용 섬유 및 이의 제조방법

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006090629A1 (ja) * 2005-02-23 2006-08-31 Kabushiki Kaisha Toshiba 放射線遮蔽シート
JPWO2006090629A1 (ja) * 2005-02-23 2008-07-24 株式会社東芝 放射線遮蔽シート
US7923708B2 (en) 2005-02-23 2011-04-12 Kabushiki Kaisha Toshiba Radiation shielding sheet
JP4686538B2 (ja) * 2005-02-23 2011-05-25 株式会社東芝 放射線遮蔽シート
JP2013210360A (ja) * 2012-02-28 2013-10-10 Unitika Ltd 放射線遮蔽性シート、および該放射線遮蔽性シートが縫製されてなる放射線遮蔽性袋体
JP2013204200A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Seiren Co Ltd 軟x線減弱性織物及び軟x線減弱性衣服
JP2013221865A (ja) * 2012-04-17 2013-10-28 Daiwa:Kk 多機能シート
JP2014070324A (ja) * 2012-09-29 2014-04-21 Kb Seiren Ltd X線減衰繊維、その繊維を用いた布帛および衣料品
WO2014163574A1 (en) 2013-04-05 2014-10-09 Ten Medical Design Ab Radiation protective material
US10364513B2 (en) 2013-04-05 2019-07-30 Ten Medical Design Ab Radiation protective material
EP2981975A1 (en) * 2013-04-05 2016-02-10 Ten Medical Design AB Radiation protective material
JP2016522395A (ja) * 2013-04-05 2016-07-28 テン メディカル デザイン アーベーTen Medical Design Ab 放射線防護材料
EP2981975A4 (en) * 2013-04-05 2016-11-02 Ten Medical Design Ab RADIATION PROTECTION MATERIAL
JP5526309B1 (ja) * 2013-05-16 2014-06-18 日豊製袋工業株式会社 放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽袋
JP2015219170A (ja) * 2014-05-20 2015-12-07 松山毛織株式会社 放射線遮蔽材
JP6074491B1 (ja) * 2015-12-22 2017-02-01 株式会社東洋ゴムチップ 放射線遮蔽材
CN106192112A (zh) * 2016-08-24 2016-12-07 江苏中孚达科技股份有限公司 一种防辐射麻纤维面料
JP2018132387A (ja) * 2017-02-14 2018-08-23 日本製紙株式会社 放射線遮断材
CN111719214A (zh) * 2020-06-22 2020-09-29 缪冬崽 一种具有全频段防辐射性能面料的加工方法
KR20220085453A (ko) * 2020-12-15 2022-06-22 계명대학교 산학협력단 방사선 차폐 원단, 그의 제조방법 및 그를 이용한 방사선 차폐물품
WO2023090883A1 (ko) * 2021-11-17 2023-05-25 계명대학교 산학협력단 방사선 방호복용 섬유 및 이의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11337681A (ja) 放射線防護布帛および放射線防護製品
US4420534A (en) Conductive composite filaments and methods for producing said composite filaments
JP3664585B2 (ja) 熱線放射性に優れる繊維
US4457973A (en) Conductive composite filaments and methods for producing said composite filaments
KR101354261B1 (ko) 복합기능성 폴리에스터 섬유의 제조방법 및 그에 의해서 제조된 복합기능성 폴리에스터 섬유
JP2004011032A (ja) 温度コントロール繊維、および温度コントロール布部材
CN1088636A (zh) 中子和γ射线辐射屏蔽纤维及其制造方法
JP5297331B2 (ja) 芯鞘型複合繊維
JP2012087427A (ja) 紡績糸および布帛および繊維製品
JP2849430B2 (ja) 芯鞘型複合繊維
JP4704197B2 (ja) ポリエステル繊維
JP5777391B2 (ja) インテリア内装材
JP7038481B2 (ja) 蓄熱保温性繊維
JP6129608B2 (ja) 防透性に優れたポリエステル系芯鞘型複合繊維及びその製造方法
CN109537085A (zh) 一种抗紫外锦纶超细纤长丝的生产方法及其生产设备
JP2015034367A (ja) 温度調節繊維
JP3686126B2 (ja) 漁網
JP3210787B2 (ja) 導電性混繊糸
JP3296859B2 (ja) 蓄熱保温性繊維
JP3574513B2 (ja) 高比重・高強度複合繊維およびその製造方法
JP2721599B2 (ja) 複合繊維
JP2016069771A (ja) 合成繊維
JP2016069772A (ja) 合成繊維マルチフィラメント
JPH05311502A (ja) 速乾性水着
JPH0424236A (ja) 複合糸

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080930