JP2015219170A - 放射線遮蔽材 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程が簡単で生産性の高い方法を採用して硫酸バリウム含有量の多い繊維を製造し、この繊維を織編して柔軟性のある織編物とし、身体への密着性、動きの自由度及び通気性が良好であり、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供する。
【解決手段】放射線遮蔽材は、硫酸バリウム含有繊維3を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる。使用する硫酸バリウム含有繊維3は、硫酸バリウム含有量の多い樹脂シートをスリットした硫酸バリウム含有スリットヤーンであってもよい。また、硫酸バリウム含有繊維3は、芯部に硫酸バリウムを混合した芯鞘繊維を紡績してから鞘部を溶解して硫酸バリウム含有量を多くした硫酸バリウム含有紡績糸であってもよい。更に、これらの硫酸バリウム含有繊維に金属線を巻き付けた硫酸バリウム含有カバリング糸であってもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線遮蔽材に関するものであり、更に詳しくは、X線及びγ線に対する遮蔽性に優れた放射線遮蔽材に関するものである。
従来から人体に有害な放射線、特にX線やγ線を遮蔽する材料が広く使用されている。例えば、鉛やタングステンなどの金属或いは硫酸バリウムなどの塩類など、放射線遮蔽性に優れた物質を樹脂に混練した放射線遮蔽シートなどが知られている。しかし、これらの放射線遮蔽シートは重くて厚く自由度が無く、遮蔽したい部分の形状に合わせて隙間なく被覆することが難しい。また、身体に着用して使用する場合には、柔軟性がなく行動の自由度が損なわれる。更に、樹脂シートゆえに衣服としての通気性にも問題がある。
そこで、放射線遮蔽性に優れた物質を含有した樹脂を繊維状に成形してから、これを織編して柔軟性のある織編物とし、身体への密着性、動きの自由度及び通気性を改善することが考えられる。このような目的から放射線遮蔽性を有する繊維やこれらの繊維を成形するための各種紡糸法が提案されている。
例えば、下記特許文献1においては、ビスコース紡糸原液中に硫酸バリウムを高濃度に混合して紡糸する硫酸バリウム高濃度含有レーヨンの製造方法が提案されている。また、下記特許文献2においては、放射線遮蔽材ではないが、ナイロンなどの熱可塑性樹脂に硫酸バリウムを混合して紡糸したX線感応繊維が提案されている。
特公平5−41722号公報 特開2002−266157号公報
ところで、上記特許文献1の硫酸バリウム高濃度含有レーヨンの製造方法においては、放射線遮蔽性に優れた硫酸バリウムを高濃度に含有したレーヨン糸が得られ、これを織成して放射線遮蔽織物を得ることができるとされている。しかし、ビスコース法のような湿式紡糸法により繊維を製造する方法は、その工程が煩雑であり、硫酸バリウムを高濃度に含有した場合、繊維の生産性が低下するという問題があった。
一方、ナイロンなどの熱可塑性樹脂による溶融紡糸法は、工程が簡単で生産性が高く、均一な繊維を形成することができる。しかし、通常の溶融紡糸法においては、硫酸バリウムなどの粒子成分を高濃度に含有すると繊維強度が低くなり、実用的な繊維を形成することができない。
そこで、上記特許文献2のX線感応繊維においては、芯鞘繊維という2層構造に紡糸して、硫酸バリウムを含有して強度の低下した芯部の外部に硫酸バリウムを含有しない鞘部を被覆して紡糸性と糸強度を維持している。しかし、上記特許文献2のX線感応繊維においては、芯部のみに硫酸バリウムを含有するので芯鞘繊維全体での硫酸バリウムの含有量には限界がある。また、芯部の硫酸バリウムの含有量を多くすると、芯鞘繊維を紡糸する際の生産性が極端に低下するという問題があった。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処して、工程が簡単で生産性の高い方法を採用して硫酸バリウム含有量の多い繊維を製造し、この繊維を織編して柔軟性のある織編物とし、身体への密着性、動きの自由度及び通気性が良好であり、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することを目的とする。
上記課題の解決にあたり、本発明者は、鋭意研究の結果、一方では溶融紡糸法に比べ硫酸バリウム含有量を多くすることのできる樹脂シート成形法を採用し、この樹脂シートから硫酸バリウム含有スリットヤーンを製造した。また、一方では硫酸バリウム含有量には限界があるが生産性を確保できる芯鞘繊維の溶融紡糸法を採用し、この芯鞘繊維を紡績して硫酸バリウムの充填密度が高い硫酸バリウム含有紡績糸を製造した。また、この硫酸バリウム含有紡績糸から鞘部を溶解することにより、硫酸バリウム含有量を更に多くすることができる。その後、これらの繊維を織編することにより、柔軟性のある優れた放射線遮蔽材となることを見出し本発明の完成に至った。
即ち、本発明に係る放射線遮蔽材は、請求項1の記載によると、
硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有繊維は、硫酸バリウムが80重量%を超えない範囲で混合された硫酸バリウム含有シートをスリットしてなる硫酸バリウム含有スリットヤーンからなることを特徴とする。
また、本発明は、請求項2の記載によると、請求項1に記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有シートは、ビスコース法により製造される再生セルロースシートであることを特徴とする。
また、本発明は、請求項3の記載によると、請求項1に記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有シートは、溶融成形法により製造されるポリオレフィンシート、ポリエステルシート、又は、ポリアミドシートのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明に係る放射線遮蔽材は、請求項4の記載によると、
硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有繊維は、芯部を形成する熱可塑性樹脂P1及び鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2を用いた溶融紡糸法により製造され、芯部の重量比率が80重量%以下であり鞘部の重量比率が20重量%以上である芯鞘繊維を所定の長さに切断してなる短繊維を紡績した硫酸バリウム含有紡績糸からなり、
前記芯部を形成する前記熱可塑性樹脂P1中に硫酸バリウムが35重量%を超えない範囲で混合され、前記鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2中に硫酸バリウムが混合されていないことを特徴とする。
また、本発明は、請求項5の記載によると、請求項4に記載の放射線遮蔽材であって、
前記熱可塑性樹脂P1を溶解せず、且つ、熱可塑性樹脂P2を溶解する溶剤を用いて前記硫酸バリウム含有紡績糸から前記芯鞘繊維の鞘部を除去した後に、当該鞘部を除去した硫酸バリウム含有紡績糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を形成することを特徴とする。
また、本発明は、請求項6の記載によると、請求項5に記載の放射線遮蔽材であって、
芯部を形成する前記熱可塑性樹脂P1がポリオレフィン樹脂からなり、且つ、鞘部を形成する前記熱可塑性樹脂P2がポリエステル樹脂からなり、
前記鞘部の除去に使用する溶剤が水酸化アルカリ水溶液であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項7の記載によると、請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有繊維中に混合する前記硫酸バリウムは、最大粒子径が1.5μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μm以上の硫酸バリウム粒子であることを特徴とする。
また、本発明は、請求項8の記載によると、請求項1〜7のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有スリットヤーン又は前記硫酸バリウム含有紡績糸を中心にして金属線をZ撚り及び/又はS撚りして硫酸バリウム含有カバリング糸とした後に、当該硫酸バリウム含有カバリング糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を形成することを特徴とする。
また、本発明は、請求項9の記載によると、請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有織編物の少なくとも1方の表面に金属粒子含有樹脂層を形成することを特徴とする。
また、本発明は、請求項10の記載によると、請求項1〜9のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有織編物が複数枚積層されていることを特徴とする。
また、本発明は、請求項11の記載によると、請求項1〜10のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材であって、
前記硫酸バリウム含有織編物と金属箔とが交互に複数枚積層されていることを特徴とする。
また、本発明は、請求項12の記載によると、請求項10又は11に記載の放射線遮蔽材であって、
JIS Z4501−1988により測定した鉛当量が0.25mmPb以上の値であることを特徴とする。
上記構成によれば、放射線遮蔽材は、硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる。このことにより、柔軟性があり身体への密着性、動きの自由度に優れ、且つ、通気性が良好な放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有織編物に使用する硫酸バリウム含有繊維は、硫酸バリウム含有スリットヤーンであることがよい。この硫酸バリウム含有スリットヤーンは、硫酸バリウム含有量を多くすることができる樹脂シート成形法で製造する。このことにより、工程が簡単で生産性の高い方法で硫酸バリウム含有量の多い繊維を製造することができ、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、樹脂シート成形法により製造する樹脂シートは、ビスコース法により製造される再生セルロースシート、又は、溶融成形法により製造されるポリオレフィンシート、ポリエステルシート、ポリアミドシートであってもよい。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有織編物に使用する硫酸バリウム含有繊維は、芯部に硫酸バリウムを含有する芯鞘繊維を所定の長さに切断した短繊維を紡績した硫酸バリウム含有紡績糸であることがよい。この芯鞘繊維は、硫酸バリウムを含有しても生産性を確保できる溶融紡糸法で製造する。また、芯鞘繊維とすることにより硫酸バリウムを含有しても紡績工程の生産性を確保できる。更に、芯鞘繊維を紡績することにより硫酸バリウムの充填密度が高い硫酸バリウム含有繊維が得られ、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、芯鞘繊維の芯部を形成する熱可塑性樹脂P1を溶解せず、且つ、鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2を溶解する溶剤を用いて硫酸バリウム含有紡績糸から芯鞘繊維の鞘部を除去するようにしてもよい。この鞘部には硫酸バリウムが含有されていないので、硫酸バリウムをより高濃度に含有した繊維を得ることができる。なお、鞘部の溶解を紡績後に行うことにより、紡績工程の生産性を確保することができる。
また、上記構成によれば、芯鞘繊維の芯部を形成する熱可塑性樹脂P1としてポリオレフィン樹脂を使用し、且つ、鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2としてポリエステル樹脂を使用するようにしてもよい。このことにより、熱可塑性樹脂P2を溶解する溶剤として水酸化アルカリ水溶液を使用することができ、鞘部の溶解が容易となり生産性が向上する。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有繊維中に混合する硫酸バリウムは、最大粒子径が1.5μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μm以上の硫酸バリウム粒子とすることができる。このことにより、硫酸バリウムを高濃度に含有した繊維をより安定して紡糸することができ、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有繊維は、硫酸バリウム含有スリットヤーン又は硫酸バリウム含有紡績糸を中心にして金属線をZ撚り及び/又はS撚りして硫酸バリウム含有カバリング糸としてもよい。次に、この硫酸バリウム含有カバリング糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を作製する。このことにより、硫酸バリウム含有繊維中の硫酸バリウムによる放射線遮蔽効果と共に金属線による放射線遮蔽効果が加わり、硫酸バリウム含有織編物の放射線遮蔽性が更に良好となる。よって、放射線遮蔽性により優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有織編物の少なくとも1方の表面に金属粒子含有樹脂層を形成するようにしてもよい。このことにより、硫酸バリウム含有繊維中の硫酸バリウム及び金属線による放射線遮蔽効果と共に塗布された金属粒子による放射線遮蔽効果が加わり、硫酸バリウム含有織編物の放射線遮蔽性が更に良好となる。よって、放射線遮蔽性により優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有織編物は、複数枚積層されていてもよい。このことにより、放射線遮蔽性が積層枚数に比例して向上し、放射線遮蔽性により優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、硫酸バリウム含有織編物及び金属箔が複数枚積層されていてもよい。このことにより、放射線遮蔽性が積層枚数に比例して向上すると共に金属箔による放射線遮蔽効果が加わり、放射線遮蔽性により優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
また、上記構成によれば、上記積層された放射線遮蔽材において、JIS Z4501−1988により測定した鉛当量が0.25mmPb以上の値であることがよい。このことにより、実用的な放射線遮蔽効果を有する放射線遮蔽材を提供することができる。
よって、上記構成によれば、工程が簡単で生産性の高い方法を採用して硫酸バリウム含有量の多い繊維を製造し、この繊維を織編して柔軟性のある織編物とし、身体への密着性、動きの自由度及び通気性が良好であり、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
実施例4における硫酸バリウム含有カバリング糸の構成を示す拡大図である。 実施例4における硫酸バリウム含有織物の全体構成を示す斜視図である。
ここで、本発明について詳細に説明する。本発明は、硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物により放射線遮蔽材を構成する。本発明においては、硫酸バリウム含有織編物を作製するために2つの方法を採用する。各方法に使用する硫酸バリウム含有繊維は、硫酸バリウム含有スリットヤーン又は硫酸バリウム含有紡績糸である。
硫酸バリウム含有織編物を作製する第1の方法は、≪シート成形工程≫→≪スリット工程≫→≪織編工程≫により構成される。まず、≪シート成形工程≫において樹脂シート成形法により硫酸バリウム含有シートを作製する。次に、≪スリット工程≫において硫酸バリウム含有シートをスリットして硫酸バリウム含有スリットヤーンを作製する。次に、≪織編工程≫において硫酸バリウム含有スリットヤーンを織編して硫酸バリウム含有織編物を作製する。
硫酸バリウム含有織編物を作製する第2の方法は、≪溶融紡糸工程≫→≪紡績工程≫→≪織編工程≫により構成される。まず、≪溶融紡糸工程≫において溶融紡糸法により芯部に硫酸バリウムを含有した芯鞘繊維を作製する。次に、≪紡績工程≫において芯鞘繊維を短繊維に切断してから紡績して硫酸バリウム含有紡績糸を作製する。次に、≪織編工程≫において硫酸バリウム含有紡績糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を作製する。なお、第2の方法においては、≪紡績工程≫と≪織編工程≫との間の≪鞘部溶解工程≫を導入し、硫酸バリウム含有紡績糸を構成する芯鞘繊維の鞘部を溶解除去するようにしてもよい。
また、第1及び第2の方法のいずれにおいても、≪織編工程≫の前工程としての≪カバリング工程≫を導入し、硫酸バリウム含有繊維(硫酸バリウム含有スリットヤーン又は硫酸バリウム含有紡績糸)に対して金属線をカバリングするようにしてもよい。更に、第1及び第2の方法のいずれにおいても、≪織編工程≫の後工程としての≪コーティング工程≫を導入し、硫酸バリウム含有織編物の表面に金属粒子含有樹脂層を形成するようにしてもよい。以下、各工程について説明する。
≪シート成形工程≫
本シート成形工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第1の方法における最初の工程であり、硫酸バリウム含有シートを作製する。この工程で作製される硫酸バリウム含有シートは、再生樹脂や合成樹脂などの樹脂シート中に硫酸バリウムを含有するものである。ここで、再生樹脂シートとは、例えば、セルロースなどの天然高分子を溶解しシート状に再生したものをいう。セルロースをシート化する方法は、どのようなものであってもよいが、本発明においては、ビスコース法を採用することが好ましい。本発明におけるビスコース法の条件は、硫酸バリウムを混合しない通常の方法と同様にして行うことができる。
一方、合成樹脂シートとは、例えば、シート化が容易な熱可塑性樹脂を使用してTダイ法或いはインフレーション法などの溶融成形法によりシート化したものをいう。本発明における溶融成形法の条件は、使用する樹脂に対して硫酸バリウムを混合しない通常の方法と同様にして行うことができる。
本発明に使用できる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩ビ系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などを使用することができる。また、ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などがあり、更に、ポリエチレン樹脂には高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を使用することができる。本発明においては、これらの熱可塑性樹脂の中でポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂を使用することが好ましい。
また、硫酸バリウム含有シート中に混合する放射線遮蔽物質としては、硫酸バリウムを採用する。硫酸バリウムは、放射線の中でも特に遮蔽しにくいX線やγ線の遮蔽性に優れており、また、耐熱性にも優れているので溶融紡糸法に適している。また、硫酸バリウムの他に放射線遮蔽性を有する、鉛、タングステンなどの金属、次硝酸ビスマス、酸化ナトリウム、酸化セシウムなどの塩類或いは金属酸化物などを併用してもよい。
また、硫酸バリウムは、微細な粒子径を有する一時粒子が入手しやすい。特に、熱可塑性樹脂に高濃度で混合するためには、硫酸バリウムの粒子径を制御することがよい。従って、本発明の溶融紡糸法において混合する硫酸バリウムの粒子径は、最大粒子径が1.5μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μmより大きいことがよい。更に、最大粒子径が1.2μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μmより大きいことが好ましい。
硫酸バリウムの最大粒子径が1.5μm以下であれば、セルロースのビスコース法や熱可塑性樹脂の溶融成形法において多くの硫酸バリウムを混合してもシート化することができ、作製された硫酸バリウム含有シートが実用的な強度を有することができる。更に、硫酸バリウムの平均粒子径が0.5μmより大きい場合には、硫酸バリウムが二次凝集を起こしにくく、薄い硫酸バリウム含有シートを作製することができ、作製された硫酸バリウム含有シートが実用的な強度を有することができる。
また、硫酸バリウム含有シート中に混合する硫酸バリウムの量は、80重量%を超えない範囲で混合することが必要である。硫酸バリウムの量が80重量%を超えると、いずれの方法においてもシート化が困難となるからである。
更に、本発明においては、硫酸バリウムの他にホウ素及びその化合物を樹脂シート中に混合するようにしてもよい。ホウ素は、上述のポリオレフィン樹脂などにより減速された中性子(熱中性子)を吸収する性質があり、中性子線の遮蔽性を向上させるからである。ホウ素及びその化合物には、ホウ素、ホウ酸、ボロンカーバイト、コレマナイト、酸化ボロン、硼砂等がある。
これらのホウ素及びその化合物の混合量は、硫酸バリウム含有シートの重量に対して、ホウ素に換算して5重量%以上であることが好ましい。ホウ素に換算して5重量%以上含有することにより、熱中性子を吸収する効果が認められるようになるからである。
≪スリット工程≫
本スリット工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第1の方法における2番目の工程であり、硫酸バリウム含有シートをスリットして硫酸バリウム含有スリットヤーンを作製する。この工程で作製される硫酸バリウム含有スリットヤーンは、通常のスリットヤーンの製造法に準じて、スリッターで所定に幅にスリットする。このとき、スリットの前後で必要により適宜延伸するようにしてもよい。
本発明においては、後述の織編工程における強度と伸縮性とが要求される。従って、使用する合成樹脂の物性によりスリットヤーンの延伸の度合いを調整し、更にスリット幅(スリットヤーンの太さ)を調整する。ここで、硫酸バリウム含有スリットヤーンの単糸繊度は、混合される硫酸バリウムの比重が4.5と大きく通常の硫酸バリウムを混合しないスリットヤーンと比較することができない。
そこで、本発明においては、通常の硫酸バリウムを混合しないスリットヤーンの単糸繊度と同等の太さという表現(以下「通常の単糸繊度同等の太さ」という)を使用する。従って、本発明に係る硫酸バリウム含有スリットヤーンは、300〜1200デシテックスの通常の単糸繊度同等の太さであることが好ましく、500〜1000デシテックスの通常の単糸繊度同等の太さであることがより好ましい。硫酸バリウム含有スリットヤーンが300〜1200デシテックスの通常の単糸繊度同等の太さであることにより、織編後の硫酸バリウム含有織編物の強度を維持することができる。
≪溶融紡糸工程≫
本溶融紡糸工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第2の方法における最初の工程であり、硫酸バリウム含有芯鞘繊維を作製する。ここで、溶融紡糸法とは、熱可塑性樹脂をその融点以上の高温で熱溶融し、この溶融樹脂を紡糸口金から押し出して冷却し繊維形状を形成する紡糸法である。また、本発明においては、溶融紡糸法により紡糸される繊維は芯鞘繊維である。ここで、芯鞘繊維とは、2種以上の樹脂を同心円柱状に配列し、1本の繊維を芯成分と鞘成分とで構成した繊維をいう。それぞれの成分に各種の機能材料を複合させることができ、機能の高度化、耐久性向上などが可能となる。
本発明において、芯鞘繊維を採用する理由は次のようなものである。通常、溶融紡糸法において溶融樹脂に第三成分(本発明においては硫酸バリウム)を混合した場合、紡糸性が低下し繊維の生産性が損なわれる。特に硫酸バリウム含有量が多いことを要求する放射線遮蔽材においては、生産性を確保したまま溶融紡糸をすることができない。また、紡糸された繊維自体も強度が弱く、そのまま使用することができず、また紡績をすることもできない。
そこで、本発明においては、芯鞘繊維を採用して芯部にできるだけ多くの硫酸バリウムを含有し、その芯部の紡糸性及び強度の低下を鞘部の紡糸性及び強度で補強するものである。この鞘部は硫酸バリウムを混合していなので、紡糸性がよく通常の強度を維持できるからである。なお、本発明においては、硫酸バリウム含有芯鞘繊維全体に占める芯部の重量比率を80重量%以下とし、鞘部の重量比率を20重量%以上とすることが好ましい。鞘部の重量比率を20重量%以上とすることにより、通常の生産性を維持したまま実用的な強度を有する硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡糸することができる。
本発明においては、硫酸バリウム含有芯鞘繊維を溶融紡糸法により紡糸するので、芯成分と鞘成分はいずれも熱可塑性樹脂である。従って、この方法によって芯鞘繊維の形状を形成することのできる熱可塑性樹脂であれば、どのような樹脂であっても本発明に使用することができる。また、本発明においては、芯成分に硫酸バリウムを混合し鞘成分には硫酸バリウムを混合しないことから、芯成分と鞘成分とは同一の樹脂を採用するようにしてもよい。
本発明に採用できる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩ビ系樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などを使用することができる。また、ポリオレフィン樹脂として、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などがあり、更に、ポリエチレン樹脂には高密度ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂を使用することができる。
これらの樹脂の中で本発明においては、芯成分としてポリオレフィン樹脂、特に低融点で繊維化が容易な高密度ポリエチレンを使用することが好ましい。一方、鞘成分としてポリエステル樹脂、特に産業資材用繊維として汎用性のあるポリエチレンテレフタレート樹脂を使用することが好ましい。これらの樹脂を組み合わせた場合、後述の鞘部溶解工程における操作が容易なものとなる(詳細は後述する)。
ここで、熱可塑性樹脂による放射線遮蔽能を考える。通常、これらの樹脂には特にX線、γ線などの放射線を遮蔽する能力はない。一方、放射線の中で電荷を持たない中性子線は水素原子によって減速される性質がある。そこで、高密度ポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂は、他の樹脂に比べ水素分子を多く含むので中性子線の遮蔽性を発揮することが考えられる。このような意味からも、本発明においては、硫酸バリウムを混合する芯成分としてポリオレフィン樹脂、中でもポリエチレン樹脂を使用することが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂に混合する放射線遮蔽物質としては、硫酸バリウムを採用する。硫酸バリウムは、放射線の中でも特に遮蔽しにくいX線やγ線の遮蔽性に優れており、また、耐熱性にも優れているので溶融紡糸法に適している。また、硫酸バリウムの他に放射線遮蔽性を有する、鉛、タングステンなどの金属、次硝酸ビスマス、酸化ナトリウム、酸化セシウムなどの塩類或いは金属酸化物などを併用してもよい。
また、硫酸バリウムは、微細な粒子径を有する一時粒子が入手しやすい。特に、熱可塑性樹脂に高濃度で混合するためには、硫酸バリウムの粒子径を制御することがよい。従って、本発明の溶融紡糸法において混合する硫酸バリウムの粒子径は、最大粒子径が1.5μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μmより大きいことがよい。更に、最大粒子径が1.2μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μmより大きいことが好ましい。
硫酸バリウムの最大粒子径が1.5μm以下であれば、溶融紡糸法により細い芯鞘繊維を紡糸することができ、紡糸された硫酸バリウム含有芯鞘繊維が実用的な強度を有することができる。更に、硫酸バリウムの平均粒子径が0.5μmより大きい場合には、硫酸バリウムが二次凝集を起こしにくく、細い芯鞘繊維を紡糸することができ、紡糸された硫酸バリウム含有芯鞘繊維が実用的な強度を有することができる。
また、芯成分の熱可塑性樹脂に混合する硫酸バリウムの量は、35重量%を超えない範囲で混合することが必要である。硫酸バリウムの量が35重量%を超えると、芯部の強度が大きく低下して生産性を維持して実用的な強度を有する硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡糸することが難しくなる。
更に、本発明においては、硫酸バリウムの他にホウ素及びその化合物を芯成分の熱可塑性樹脂に混合するようにしてもよい。ホウ素は、上述のポリオレフィン樹脂などにより減速された中性子(熱中性子)を吸収する性質があり、中性子線の遮蔽性を向上させるからである。ホウ素及びその化合物には、ホウ素、ホウ酸、ボロンカーバイト、コレマナイト、酸化ボロン、硼砂等がある。
これらのホウ素及びその化合物の混合量は、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の重量に対して、ホウ素に換算して5重量%以上であることが好ましい。ホウ素に換算して5重量%以上含有することにより、熱中性子を吸収する効果が認められるようになるからである。
一般に、硫酸バリウムなどを多量に混合した熱可塑性樹脂は、溶融流動性が低く連続して均一な繊維を紡糸することが難しい。そこで、硫酸バリウムなどを混合する熱可塑性樹脂の分子量や枝分かれの状態から硫酸バリウムの粒子径と混合量に最適な樹脂を選定する必要がある。その方法として、樹脂の溶融流動性を示すメルトフローレート(以下、MFRという)を採用するようにしてもよい。
MFRとは、ヒーターで加熱された円筒容器内で一定量の樹脂を定められた温度で加熱、加圧し容器底部に設けられたノズルから10分間当りに押出される樹脂量を測定する。その条件は、JIS K7210−1999により測定する。
まず、使用する樹脂の分子量等と硫酸バリウムの混合量を変化させてMFRを測定し、MFRの値が、例えば、18g/10min以上の条件を採用するようにすることが好ましい。このようにして採用した条件においては、安定して均一な繊維を紡糸することができる。
≪紡績工程≫
本紡績工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第2の方法における2番目の工程であり、硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡績して硫酸バリウム含有紡績糸を作製する。上記溶融紡糸工程で作製された硫酸バリウム含有芯鞘繊維は、長繊維(フィラメント)が束になった状態(トウ)にある。これをそのまま織編してもよく、或いは、このトウに撚りをかけてから織編してもよいが、それでは糸が締まらず、硫酸バリウムの糸中における充填密度が上がらず、織編物の放射線遮蔽性を向上させることができない。
そこで、本発明においては、溶融紡糸工程で得られた硫酸バリウム含有芯鞘繊維を短繊維にカットしてから紡績して硫酸バリウム含有紡績糸を作製する紡績工程を採用する。紡績法は、綿紡式、梳毛式、紡毛式、麻紡式、絹紡式いずれであってもよく、また、使用する紡績機もリング精紡機、ミュール精紡機、オープンエンド精紡機、空気精紡機などどのようなものを採用してもよい。
本発明においては、糸を引き締めて硫酸バリウムの紡績糸中における充填密度を上げ、放射線遮蔽性を向上させることが好ましい。従って、綿紡式に使われるリング精紡機を採用することが好ましい。
まず、紡糸工程で得られた硫酸バリウム含有芯鞘繊維(フィラメント)を紡績の前工程として短繊維(ステープル)にカットする。カット長は、各紡績法に合わせてどのようであってもよいが、例えば、綿紡績法で行なう場合には、1〜1.5インチ(2.54〜3.81cm)程度にカットする。また、カットの前に仮撚加工を行って可紡性を向上させておいてもよい。
カットされた短繊維は、通常の紡績工程と同様に、混打綿→スライバー→粗紡→精紡を経て硫酸バリウム含有紡績糸となる。得られる紡績糸の太さは、どのようにしてもよいが、硫酸バリウム含有紡績糸の番手(糸の太さ)は、混合される硫酸バリウムの比重が4.5と大きく通常の硫酸バリウムを混合しない紡績糸と比較することができない。
そこで、本発明においては、通常の硫酸バリウムを混合しない綿紡績糸の番手と同等の太さという表現(以下「通常の綿番手同等の太さ」という)を使用する。従って、本発明に係る硫酸バリウム含有紡績糸は、40〜5番手の通常の綿番手同等の太さであることが好ましく、30〜10番手の通常の綿番手同等の太さであることがより好ましい。硫酸バリウム含有紡績糸が40〜5番手の通常の綿番手同等の太さであることにより、織編後の硫酸バリウム含有織編物の強度を維持することができる。
また、本発明においては、紡績工程で作製した硫酸バリウム含有紡績糸を2本以上引き揃えて撚り合わせた合撚糸として使用することができる。合撚糸の場合、2本以上の糸を撚り合わせるので糸強度に優れ、且つ、硫酸バリウムの充填密度が高い糸となる。2本の糸を撚り合わせた合撚糸を双糸といい、3本の糸を撚り合わせた合撚糸を三子糸という。通常、双糸や三子糸は、単糸の撚りと反対方向に撚りを掛ける。単糸の撚りを下撚り、双糸或いは三子糸の撚りを上撚りという。なお、合撚糸の上撚りの程度は、糸強度と伸度により適宜選定すればよい。
≪鞘部溶解工程≫
本鞘部溶解工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第2の方法における任意の工程であるが、採用する場合には紡績工程後の硫酸バリウム含有紡績糸に対して実施する。本鞘部溶解工程においては、硫酸バリウム含有紡績糸を構成する硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘部を溶解除去する。
上述のように、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘部には硫酸バリウムが混合されていない。そこで、硫酸バリウム含有紡績糸から芯鞘繊維の鞘部を除去することで、溶解後の硫酸バリウム含有紡績糸に占める硫酸バリウムの含有量が増加する。このことにより、硫酸バリウム含有織編物の放射線遮蔽性を維持しながら柔軟性が向上し、身体への密着性、動きの自由度及び通気性がより良好となる。
なお、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘部の除去は紡績工程後に行うことが好ましい。硫酸バリウム含有芯鞘繊維の状態で鞘部を除去すると、繊維強度が低下して紡績を行うことができなくなるからである。また、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘部の除去は織編工程前に行うことが好ましい。硫酸バリウム含有織編物の状態で鞘部を除去すると、織編物の織密度或いは編密度が低下して放射線遮蔽性を維持できなくなるからである。
硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘部の除去は、芯成分を溶解せず、且つ、鞘成分を溶解する溶剤を使用する。この溶剤の種類は、硫酸バリウム含有芯鞘繊維を構成する芯成分と鞘成分との組み合わせによって適宜選定すればよい。例えば、芯成分としてポリオレフィン樹脂を使用し、鞘成分としてポリエステル樹脂を使用した場合、溶剤として水酸化アルカリ水溶液、特に水酸化ナトリウム水溶液を使用することができる。
ここで、芯部を形成するポリオレフィン樹脂としてポリエチレン樹脂を使用し、鞘部を形成するポリエステル樹脂としてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した場合を考える。硫酸バリウムを混合したポリエチレン樹脂は、アルカリに安定で高温の水酸化ナトリウム水溶液にも溶解しない。一方、ポリエチレンテレフタレート樹脂は、アルカリ加水分解を生じ、高温の水酸化ナトリウム水溶液に容易に溶解する。
そこで、本発明においては、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の芯成分としてポリエチレン樹脂を使用し、鞘成分としてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用する。そして、紡績工程後の硫酸バリウム含有紡績糸を高温の水酸化ナトリウム水溶液で処理することにより、硫酸バリウム含有芯鞘繊維の鞘成分としてポリエチレンテレフタレート樹脂を溶解除去することができる。
≪カバリング工程≫
本カバリング工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第1及び第2の方法における任意の工程であるが、採用する場合には織編工程前の硫酸バリウム含有繊維(硫酸バリウム含有スリットヤーン又は硫酸バリウム含有紡績糸)に対して実施する。本カバリング工程においては、硫酸バリウム含有繊維に金属線をカバリングして硫酸バリウム含有カバリング糸を作製する。
図1は、本発明に係る硫酸バリウム含有織編物を構成する硫酸バリウム含有カバリング糸の構成を示す拡大図である。図1において、硫酸バリウム含有カバリング糸2は、硫酸バリウム含有繊維3を中心にして、この硫酸バリウム含有繊維3に金属線材4をZ撚り(4a)及びS撚り(4b)して形成されている。金属線材4の材質と太さは、任意に選択することができるが、例えば、太さ約80μmの銅線材を使用することが好ましい。太さ約80μmの銅線材を使用してカバリングすることにより、硫酸バリウム含有織編物の放射線遮蔽性が更に向上すると共に、銅線材で覆われた硫酸バリウム含有カバリング糸が強度と柔軟性を充分に維持できるので、容易に通常の織機或いは編機で織編物とすることができる。
図1においては、硫酸バリウム含有カバリング糸2は、金属線材4をZ撚り(4a)及びS撚り(4b)の両方向からカバリングしているが、これに限定するものではなく、1本の金属線材でZ撚りのみ、或いは、S撚りのみカバリングするようにしてもよい。なお、図2は、硫酸バリウム含有カバリング糸2を経糸及び緯糸に使用して織成された硫酸バリウム含有織編物1の全体構成を示す斜視図である。
≪織編工程≫
本織編工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第1及び第2の方法における最後の工程であり、硫酸バリウム含有紡績糸を使用して硫酸バリウム含有織編物を作製する。なお、本織編工程に使用する硫酸バリウム含有紡績糸は、上記スリット工程で得られた硫酸バリウム含有スリットヤーン、上記紡績工程で得られた硫酸バリウム含有紡績糸、又は、上記カバリング工程で得られた硫酸バリウム含有カバリング糸のいずれであってもよい。
ここで、硫酸バリウム含有織物を作製する場合には、平織、綾織、朱子織などいずれの組織でもよく、また、二重織、三重織などの重ね組織に織り上げてもよい。本発明においては、放射線遮蔽性を向上させる意味から、織物中における硫酸バリウムの充填密度を上げるために平織組織或いは重ね組織が好ましい。このような織物とすることにより、放射線遮蔽は柔軟で、且つ、通気度を有することとなる。
また、経糸と緯糸との織密度も任意に設計すればよく、放射線遮蔽性を向上させる意味から、高密度に織り上げることが好ましい。このような高密度織物においても、従来の放射線遮蔽シートに比べ、非常に柔軟な放射線遮蔽材を構成することができる。
また、硫酸バリウム含有織物を織る織機は、有杼織機、グリッパー織機、レピア織機、ウォータージェット織機、エアージェット織機などどのようなよこ入れ法によって織り上げてもよい。
一方、硫酸バリウム含有編物を作製する場合には、経編、横編、丸編などどのような組織に編み込んでもよいが、いずれにしても、織編物中の硫酸バリウムの充填密度を上げるようにすることが好ましい。
≪コーティング工程≫
本コーティング工程は、硫酸バリウム含有織編物を作製する第1及び第2の方法における任意の工程であるが、採用する場合には織編工程後の硫酸バリウム含有織編物に対して実施する。本コーティング工程においては、硫酸バリウム含有織編物の表面に金属粒子を含有したコーティング樹脂を塗布してより放射線遮蔽性に優れた硫酸バリウム含有織編物を作製する。
コーティング樹脂としては、特に限定するものではなく、どのような樹脂を使用してもよい。但し、混合する金属粒子の種類、塗布性能及び耐久性の観点からエポキシ樹脂、ウレタン樹脂などを使用することが好ましい。また、コーティング樹脂に混合する金属粒子の種類と粒子径に関しても、特に限定するものではないが、放射線遮蔽性に優れた、銅、鉛、タングステンなどの金属粒子を使用することが好ましい。
なお、金属粒子を混合したコーティング樹脂の塗布装置及び塗布方法は、一般の繊維織編物に対する通常のコーティング工程と同様にして作製すればよい。
以上のようにして作製した硫酸バリウム含有織編物は、その状態で放射線遮蔽材として使用できる。また、これらの硫酸バリウム含有織編物を複数枚重ね合わせて積層体としてから放射線遮蔽材として使用するようにしてもよい。更に、この積層された硫酸バリウム含有織編物の積層体の間に、鉛箔などの柔軟な金属シートを挟み込んだ積層体としてから放射線遮蔽材として使用するようにしてもよい。
これらの放射線遮蔽材の遮蔽性能は、基本的にはその重量に依存し、硫酸バリウム含有織編物を多く積層することが好ましい。また、放射線遮蔽材の性能を示す値として鉛当量があり、これは、その放射線遮蔽材をJIS Z4501−1988に定める方法で測定した時に、その物と同程度の遮蔽性を示す鉛板の厚みで表す。この値が、0.25mmPb以上の値を有することによりX線やγ線などに対して有効な放射線遮蔽性を発揮することができる。
以下、本発明の各実施例に係る硫酸バリウム含有織物を作製し、これらを積層した放射線遮蔽材の放射線遮蔽性能を測定した。
本実施例1においては、硫酸バリウムを75重量%含有するポリエチレンシートをスリットして硫酸バリウム含有スリットヤーンを作製した。次に、この硫酸バリウム含有スリットヤーンを使用して硫酸バリウム含有織物1を作製し、これを5枚積層して放射線遮蔽材1を作製した。
まず、高密度ポリエチレン25重量%と硫酸バリウム75重量%を混合したマスターバッチを作製した。このマスターバッチに使用した硫酸バリウムの最大粒子径は1.2μmであって、その平均粒子径は1.0μmであった。一方、高密度ポリエチレン樹脂は、上記組成のマスターバッチに対して、JIS K7210−1999により測定したMFRの値を考慮して適切な分子量を有するポリマーを選定した。上記マスターバッチを使用してTダイ法により、硫酸バリウムを75重量%含有する厚さ0.1mmの硫酸バリウム含有シートを作製した。
次に、得られた硫酸バリウム含有シートをスリッターで5mm幅のスリットヤーンにスリットした。得られた硫酸バリウム含有スリットヤーンの単糸繊度は、500デシテックスの通常の単糸繊度同等の太さであった。
次に、得られた硫酸バリウム含有スリットヤーンに撚りを掛けて経糸及び緯糸に使用して、織密度40本/インチ×40本/インチの平織物を織成して、硫酸バリウム含有織物1を得た。なお、この硫酸バリウム含有織物1を5枚積層した放射線遮蔽材1は、目付が5kg/m2で厚さが10.0mmあった。
本実施例2においては、芯部に硫酸バリウムを30重量%含有する硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡糸し、この硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡績して硫酸バリウム含有紡績糸を作製した。次に、この硫酸バリウム含有紡績糸を使用して硫酸バリウム含有織物2を作製し、これを16枚積層して放射線遮蔽材2を作製した。
まず、芯成分として高密度ポリエチレン70重量%と硫酸バリウム30重量%を混合したマスターバッチを作製した。このマスターバッチに使用した硫酸バリウムの最大粒子径は1.2μmであって、その平均粒子径は1.0μmであった。一方、高密度ポリエチレン樹脂は、上記組成のマスターバッチに対して、JIS K7210−1999により測定したMFRの値を考慮して適切な分子量を有するポリマーを選定した。一方、鞘成分には、一般の産業資材用繊維に使用されるポリエチレンテレフタレートを使用した。
上記マスターバッチを芯成分として使用し、ポリエチレンテレフタレートを鞘成分として使用して、通常の芯鞘繊維を作製する溶融紡糸装置により硫酸バリウム含有芯鞘繊維を紡糸した。なお、紡糸温度、紡糸口金のノズル径とホール数、及び延伸倍率は、通常の条件とした。本実施例2で紡糸した硫酸バリウム含有芯鞘繊維の繊維重量に占める芯部の比率は70重量%であり、鞘部の比率は30重量%であった。従って、硫酸バリウム含有芯鞘繊維に占める硫酸バリウムの比率は21重量%であった。
次に、得られた硫酸バリウム含有芯鞘繊維の繊維束を1.5インチ(3.81cm)の短繊維にカットし、この短繊維を通常の綿紡式で混打綿→スライバー→粗紡と行い、リング精紡機で紡績した。得られた硫酸バリウム含有紡績糸の番手は、20番手の通常の綿番手同等の太さであった。なお、本実施例2においては、得られた硫酸バリウム含有紡績糸を2本引き揃えて撚り合わせた双糸(20/2)としてから使用した。
次に、得られた硫酸バリウム含有紡績糸の双糸(20/2)を経糸及び緯糸に使用して、織密度80本/インチ×80本/インチの平織物を織成して、硫酸バリウム含有織物2を得た。なお、この硫酸バリウム含有織物2を16枚積層した放射線遮蔽材2は、目付が12.0kg/m2で厚さが21.0mmであった。
本実施例3においては、上記実施例2で得た硫酸バリウム含有織物2を16枚と厚さ0.01mmの鉛箔8枚とを積層して放射線遮蔽材3を作製した。この放射線遮蔽材3は、目付が12.9kg/m2で厚さが21.1mmであった。
本実施例4においては、カバリング工程を導入し上記実施例2で得た硫酸バリウム含有紡績糸に太さ80μmの銅線材をZ撚り及びS撚りの両方向からカバリングして硫酸バリウム含有カバリング糸を作製した。次に、この硫酸バリウム含有カバリング糸を使用して硫酸バリウム含有織物3を作製し、これを36枚積層して放射線遮蔽材4を作製した。この放射線遮蔽材4は、目付が76.7kg/m2で厚さが18.0mmであった。
本実施例5においては、鞘部溶解工程を導入し上記実施例2で得た硫酸バリウム含有紡績糸から芯鞘繊維の鞘成分であるポリエチレンテレフタレートを高温の水酸化ナトリウム水溶液で溶解除去した。次に、カバリング工程を導入し鞘部を溶解除去した硫酸バリウム含有紡績糸から上記実施例3と同様にして硫酸バリウム含有カバリング糸を作製した。次に、この硫酸バリウム含有カバリング糸を使用して硫酸バリウム含有織物4を作製し、これを18枚積層して放射線遮蔽材5を作製した。この放射線遮蔽材5は、目付が57.6kg/m2で厚さが18.0mmであった。
本実施例6においては、コーティング工程を導入し上記実施例4で得た鞘部を溶解していない硫酸バリウム含有織物3の表面に金属粒子を含有したコーティング樹脂を塗布して金属粒子含有樹脂層を形成するものである。具体的には、硫酸バリウム含有織物4の片面にエポキシ樹脂70容量%と最大粒子径12μmの銅粒子30容量%とを混合したコーティング液を調整した。このコーティング液を塗布装置により約1mmの厚さで塗布してから樹脂を硬化させて硫酸バリウム含有織物5を作製し、これを4枚積層して放射線遮蔽材6を作製した。この放射線遮蔽材6は、目付が20.8kg/m2で厚さが14.6mmであった。
次に、上記実施例1〜6で得られた放射線遮蔽材1〜6について、X線遮蔽効果を測定し各放射線遮蔽材の鉛当量を確認した。測定方法を下記に示し、各放射線遮蔽材の鉛当量を表1に示す。
≪コーティング工程≫
X線装置:エクスロン・インターナショナル社、MG‐452型
X線管電圧及び管電流:100kV、12.5mA
X線管焦点‐試料間距離:1500mm
試料‐測定器間距離:50mm
測定器:電離箱照射線量率計、東洋メディック社、RAMTEC‐1000D型、A‐4プローブ使用
X線量測定単位:空気衝突カーマ
X線ビーム:狭いビーム
Figure 2015219170
表1から、実施例1〜6の各放射線遮蔽材1〜6において、いずれも放射線遮蔽を確認した。特に、実施例4及び5においては、1mmPb以上の鉛当量の値を得た。
以上のことから、各実施例で得られた放射線遮蔽材は、優れた放射線遮蔽性能を有すると共に、織物としての柔軟性を有しているので、遮蔽したい部分の形状に合わせて隙間なく被覆することができる。また、身体に着用して使用する場合には、従来に比べ身体への密着性、動きの自由度及び通気性が改善された放射線遮蔽材となる。
よって、上記各実施例においては、工程が簡単で生産性の高い方法を採用して硫酸バリウム含有量の多い繊維を製造し、この繊維を織編して柔軟性のある織編物とし、身体への密着性、動きの自由度及び通気性が良好であり、放射線遮蔽性に優れた放射線遮蔽材を提供することができる。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施例に限らず次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)上記各実施例においては、硫酸バリウムを含有する繊維の部分には熱可塑性樹脂として高密度ポリエチレンを使用したが、これに限るものではなく、硫酸バリウムを混合することができ、且つ、シート或いは芯鞘繊維を形成することのできる熱可塑性樹脂であればどのようなものを使用してもよい。
(2)上記実施例1においては、熱可塑性樹脂からなる硫酸バリウム含有シートを使用したが、これに限るものではなく、ビスコース法によるセルロースからなる硫酸バリウム含有シートなどを使用するようにしてもよい。
(3)上記各実施例においては、熱可塑性樹脂に混合する放射線遮蔽物質として硫酸バリウムのみを使用したが、この硫酸バリウムに加えてホウ素或いはホウ素化合物を併用して中性子線の遮蔽効果を加えるようにしてもよい。
(4)上記各実施例においては、放射線遮蔽材として織物を作製したが、これに限るものではなく、各種編物を作製するようにしてもよい。
(5)上記各実施例においては、X線に対する遮蔽性能を評価したが、これに限るものではなく、γ線や或いは中性子線に対する遮蔽性を評価するようにしてもよい。
1…硫酸バリウム含有織物、
2…硫酸バリウム含有カバリング糸、
3…硫酸バリウム含有繊維、
4…金属線材。

Claims (12)

  1. 硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる放射線遮蔽材であって、
    前記硫酸バリウム含有繊維は、硫酸バリウムが80重量%を超えない範囲で混合された硫酸バリウム含有シートをスリットしてなる硫酸バリウム含有スリットヤーンからなることを特徴とする放射線遮蔽材。
  2. 前記硫酸バリウム含有シートは、ビスコース法により製造される再生セルロースシートであることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽材。
  3. 前記硫酸バリウム含有シートは、溶融成形法により製造されるポリオレフィンシート、ポリエステルシート、又は、ポリアミドシートのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽材。
  4. 硫酸バリウム含有繊維を織編した硫酸バリウム含有織編物からなる放射線遮蔽材であって、
    前記硫酸バリウム含有繊維は、芯部を形成する熱可塑性樹脂P1及び鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2を用いた溶融紡糸法により製造され、芯部の重量比率が80重量%以下であり鞘部の重量比率が20重量%以上である芯鞘繊維を所定の長さに切断してなる短繊維を紡績した硫酸バリウム含有紡績糸からなり、
    前記芯部を形成する前記熱可塑性樹脂P1中に硫酸バリウムが35重量%を超えない範囲で混合され、前記鞘部を形成する熱可塑性樹脂P2中に硫酸バリウムが混合されていないことを特徴とする放射線遮蔽材。
  5. 前記熱可塑性樹脂P1を溶解せず、且つ、熱可塑性樹脂P2を溶解する溶剤を用いて前記硫酸バリウム含有紡績糸から前記芯鞘繊維の鞘部を除去した後に、当該鞘部を除去した硫酸バリウム含有紡績糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を形成することを特徴とする請求項4に記載の放射線遮蔽材。
  6. 芯部を形成する前記熱可塑性樹脂P1がポリオレフィン樹脂からなり、且つ、鞘部を形成する前記熱可塑性樹脂P2がポリエステル樹脂からなり、
    前記鞘部の除去に使用する溶剤が水酸化アルカリ水溶液であることを特徴とする請求項5に記載の放射線遮蔽材。
  7. 前記硫酸バリウム含有繊維中に混合する前記硫酸バリウムは、最大粒子径が1.5μm以下であって、且つ、平均粒子径が0.5μm以上の硫酸バリウム粒子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材。
  8. 前記硫酸バリウム含有スリットヤーン又は前記硫酸バリウム含有紡績糸を中心にして金属線をZ撚り及び/又はS撚りして硫酸バリウム含有カバリング糸とした後に、当該硫酸バリウム含有カバリング糸を織編して硫酸バリウム含有織編物を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材。
  9. 前記硫酸バリウム含有織編物の少なくとも1方の表面に金属粒子含有樹脂層を形成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材。
  10. 前記硫酸バリウム含有織編物が複数枚積層されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材。
  11. 前記硫酸バリウム含有織編物と金属箔とが交互に複数枚積層されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の放射線遮蔽材。
  12. JIS Z4501−1988により測定した鉛当量が0.25mmPb以上の値であることを特徴とする請求項10又は11に記載の放射線遮蔽材。
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