JP5777391B2 - インテリア内装材 - Google Patents
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Description
特許文献1には、全体として太陽光遮蔽物質を3重量%以上含み、鞘部に太陽光遮蔽物質含有量が0.8重量%以下である単フィラメントからなる特定の嵩高性ポリエステルマルチフィラメント捲縮糸を用いることによって、糸条の内部に空気が多く含まれ、断熱効果を発揮して、清涼感に優れたものが得られることが記載されている。
特許文献2には、繊維表面に銀メッキが被覆された繊維からなる布帛素材を使用した赤外線反射性を有する布帛製品を、仮設テント方式の建造物、ドーム型建造物の屋根材、レジャー用テントに使用し、太陽熱の赤外線を反射することにより、建物内部の温度調節を行えることが記載されている。
特許文献2では、布帛に銀メッキしたものを使用せねばならず、銀メッキ工程の必要性より、コスト高になるとともに、布帛に銀メッキを施していることにより、遮光されてしまうという欠点もある。
この平均粒子径は、0.8〜1.5μmのものがより好ましく、0.9〜1.2μmがさらに好ましい。また、このような酸化チタンの含有量は、3重量%以上が好ましく、より好ましくは、6重量%以上である。上限は、紡糸操業性および繊維の品質を考慮すると、20重量%程度が好ましい。
また、酸化チタンの平均粒子径について、さらに説明する。上述したように、光の波長の中で、熱エネルギーに変換されやすい波長は、0.8〜3μmである。なかでも、3μmの波長が最も熱エネルギーに変換されやすいが、この波長の光を反射するには、1.5μm程度の一次粒子径の酸化チタンを含有させるのがよい。ただ、実際には、0.8〜3μmの波長(2.2μmの幅)をもっているもので、酸化チタンの粒子径の分布も幅広くすることが好ましい。この酸化チタンの粒子径は、上記平均粒子径の範囲内を、平均粒子径を中心に幅広く分布したものであることがより好ましい。
上記鞘部は、平均粒子径0.8μm以上の酸化チタンを実質的に含有しないものであることが好ましい。
上記鞘部は、通常繊維に使用する粒子径の酸化チタンを含有することが好ましい。
また芯部は平均粒子径が0.8〜1.8μmの酸化チタンが多く含まれており、3μm以下の赤外線領域の波長を反射するが、可視光線を反射し難いため、白度が低下する。所望の白度を得るためには、鞘部に平均粒子径0.4μm以下の酸化チタンを0.5〜10重量%含むものであることが好ましい。なかでも1〜9重量%が好ましく、1〜2重量%が特に好ましい。
芯部を形成する繊維形成性ポリマーに平均粒子径0.8〜1.8μm酸化チタンを含有せしめる。含有せしめる方法は特に限定するものではないが、例えば、熱可塑性樹脂に、酸化チタンを二軸混練機で混練して練り込む方法が挙げられる。また、重合時に添加して含有せしめても良い。
鞘を形成するポリマーに0.3μm程度の酸化チタンを含有せしめる。この方法は特に限定しないが、重合時に添加する方法が有用である。
上記の2種の酸化チタンを含有せしめたポリマーを各々、ポリマーの融点以上、望ましくは融点より20℃以上の温度のエクストルーダーで溶融する。溶融したポリマーを芯鞘形成する口金を通し、口金表面の孔より、芯鞘断面のポリマーを押し出し、マルチフィラメントにする。マルチフィラメントを冷風にて冷却して、オイリングし、巻き取る。巻き取り方法は通常の紡糸機にて巻き取ればよく、巻き取り速度は特に限定されないが、700m/min〜2000m/minの巻き取り速度で巻き取ることが好ましい。巻き取った糸を、例えば75℃の熱を加えて3倍に延伸し、140℃の熱を加えてセットして芯鞘型複合繊維を得る。好適な延伸温度としては、ポリエチレンテレフタレートの場合、70〜80℃、延伸倍率は、2.8〜3.5倍、熱セット温度は120〜150℃程度が好ましい。
また、2種の酸化チタンを含有せしめたポリマーを各々、ポリマーの融点以上望ましくは融点より20℃以上の温度のエクストルーダーで溶融し、芯鞘形成する口金を通し、口金表面の孔より、芯鞘断面のポリマーとして押し出したマルチフィラメントを冷風にて冷却して、オイリングした後、巻き取らずに再度熱を加えて延伸し、熱セットをした後に巻き取る方法をとってもよい。
<涼感性>
経糸に、通常のセミダルのポリエステル糸56dtex/24f、緯糸に、得られたポリエステル糸を2本引き揃えた2本引き揃え糸を平織にて製織し、試料(本発明品)とした(経密度:110本/2.54cm、緯密度:77本/2.54cm)。緯糸に通常のセミダルのポリエステル糸56dtex/24fを2本引き揃えた糸を用いる以外は同様に製織し、対照品を得た。次に、断熱ボックス6面体の1面をガラス張りとしガラス内に試料を保持して、ガラス面より水平方向で45°上部で水平方向に60cm離れた位置にハロゲンランプ(500W×2灯設置)を設置し、ボックス内温度を本発明品と対照品とで比較して、60分後のボックス内の上昇温度差(対照品の上昇温度−本発明品の上昇温度)を求めた。上昇温度差が大きいものの方が涼感性に優れている。
<平均粒子径>
透過電子顕微鏡(日本電子社製 透過電子顕微鏡 JEM−1230)を用いて写真撮影し、自動画像処理装置(LUZEX AP(ニレコ(株)製)にて体積基準の水平方向等分径を測定し、比重を計算して、重量平均の平均粒子径を求めた。
<製糸性>
工程通過性良好であれば○、工程通過性が若干悪いものを△、製糸不可であれば×とした。
芯は平均粒子径1.0μmの酸化チタン(ルチル型、粒子径は0.5〜2.0μmの範囲で略正規分布に分布したもの)を12重量%含有したポリエステル樹脂、鞘は平均粒子径0.3μmの酸化チタン(アナターゼ型)を6重量%含有させたポリエステル樹脂を使用し、各樹脂を290℃にて溶融して48フィラメントの芯鞘となる口金より芯鞘比率が2:1となる吐出孔にて吐出した。吐出した糸を冷風にて冷やし、オイリングして、1500m/minの紡糸速度で巻き取った。その後75℃にて延伸をし、135℃でセットし56dtex/24fの延伸糸を得た。製糸の工程通過性は良好であった。
上述した涼感性の評価を行ったところ、ボックス内の温度は、対照品より2℃も低く、涼感性に優れたものであった。
鞘部の酸化チタン量を1.3重量%とする以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。実施例1のものと同様に涼感性に優れたものであった。また実施例1のものの方が白度に優れていた。
芯部の酸化チタンの量を変更する以外は、実施例2と同様に延伸糸を得た。
芯部の酸化チタンが本発明の範囲のものは、涼感性に優れていた。芯部の酸化チタン量が9重量%のものは12重量%と同様、特に涼感性に優れていた。芯部の酸化チタンが2重量%の比較例1は、実施例品と比べて、涼感性に劣ったものであった。
芯部の酸化チタンの平均粒子径を変更する以外は実施例2と同様に延伸糸を得て製織した。平均粒子径が0.3μm、0.4μmのものは、実施例2と比べて、涼感性に劣ったものであった。
芯鞘複合比率を表2のように変更する以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。涼感性と製糸性を併せて表2に示す。
以上のように、本発明の実施例品は、比較例品と比べて、製糸の工程通過性が良好であるとともに、ボックス内の温度上昇抑えることができ、涼感性に優れており、清涼感を得られるものであった。
Claims (4)
- 芯部に平均粒子径0.8〜1.8μmの酸化チタンを3重量%以上含有し、鞘部に平均粒子径0.4μm以下の酸化チタンを0.5〜10重量%含有し、総繊度が50〜110dtex、単糸繊度が1〜5dtexの芯鞘複合繊維を用いたインテリア内装材。
- カバーファクターが1800〜2400の無地である請求項1記載のインテリア内装材。
- カバーファクターが1000〜1500のシースルーである請求項1記載のインテリア内装材。
- インテリア内装材が、ロールカーテンである請求項1〜3いずれか一項記載のインテリア内装材。
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