JP6882942B2 - ポリエステル系複合繊維及び繊維集合体 - Google Patents

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Description

本発明は、防透性、遮熱性、発色性及び耐光性に優れたポリエステル系複合繊維及び該複合繊維からなる繊維集合体に関するものである。
最近の衣料へのニーズの動向として白色で透けない素材が求められ、レジャー用のスポーツ等に用いられるテニスウェアー、水着、そして医療分野に用いられる白衣等への該素材の需要が増加している。また、近年発生した東日本震災による電力不足の影響や地球温暖化防止の観点からクールビズ対策が実施されており、エコ繊維として薄くても透けない素材が求められている。
従来、衣料用として使用されているポリエステルやポリアミド等の合成繊維は、透明であるポリマーの特性により、布帛となした場合に着用して衣服や下着が透けて見えるという欠点を有している。
上記課題を解決するために特許文献1及び2には無機微粒子を含有させた芯鞘複合繊維で防透性に優れたものが得られることが記載されている。また、特許文献3には表面がシリカ、アルミナおよびジルコニアから選ばれた1種類以上の化合物で被覆された平均粒子径0.01〜0.15μmの酸化チタンが0.05〜6重量%含有されていることを特徴とする耐候性長繊維不織布が得られることが記載されている。
しかしながら、特許文献1および特許文献2では、酸化チタンを高濃度で樹脂中に含有させるため、光触媒の活性により繊維樹脂が黄変する問題があった。また、特許文献3では、耐候性による強度低下に対しては性能があるが、酸化チタンの表面がシリカおよびジルコニアで被覆したものでは光触媒の活性により繊維樹脂が黄変する問題があった。さらに、酸化チタンの平均粒子径が小さく赤外線反射が劣るものであった。
国際公開第2013/111661号 特開2014−189905号公報 特開平10−273867号公報
本発明はこのような従来技術における問題点を解決するものであり、防透性、遮熱性、発色性、及び耐光性に優れたポリエステル系芯鞘型複合繊維及びその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、芯成分がアルミナ化合物で被覆された平均粒子径0.4〜0.8μmの酸化チタンを8重量%以上70重量%以下含有するポリエステル系重合体で、鞘成分が無機微粒子を0.5重量%以上3重量%以下含有するポリエステル系重合体であり、かつ芯成分と鞘成分との重量比率が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維にすることによって、該繊維は従来のポリエステル繊維と同等の製糸性及び発色性を維持したまま、芯成分に高濃度含有させたアルミナ化合物で被覆された酸化チタンによって効率的に可視光や赤外線を反射または遮断することができ、遮熱性に優れていることを見出した。さらに、芯成分に酸化チタンを高含有させて防透性を付与しても、該繊維は高い耐光性を有していることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、芯成分がアルミナ化合物で表面が被覆された平均粒子径0.4〜0.8μmの酸化チタンを8重量%以上70重量%以下含有するポリエステル系重合体で、鞘成分が無機微粒子を0.5重量%以上4.0重量%以下含有するポリエステル系重合体であり、かつ芯成分と鞘成分との重量比率が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維である。
また、前記鞘成分に含有する無機微粒子の平均粒子径が0.03〜0.8μmであってもよい。
また、前記無機微粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の無機微粒子であってもよい。
さらに、本発明は前記芯鞘型複合繊維を含む繊維集合体であって、可視光および赤外線の波長380〜3000nmにおける反射率が70%以上、不透明度が85%以上であり、かつ耐光堅牢度が4級以上であることを特徴とする繊維集合体である。
本発明は芯成分がアルミナ化合物で被覆された平均粒子径0.4〜0.8μmの酸化チタンを8重量%以上70重量%以下含有するポリエステル系重合体であり、鞘成分が無機微粒子を0.5重量%以上3重量%以下含有するポリエステル系重合体であり、かつ芯成分と鞘成分との重量比率が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維とすることにより、芯成分に含有する酸化チタンの光触媒活性に起因した繊維樹脂の黄変を抑制することで、従来のポリエステル繊維と同等の耐光性を維持しつつも、防透性及び遮熱性を兼ね備えるポリエステル繊維を得ることが出来る。また、鞘成分の重量比率を60%以上有することで従来ポリエステルと同程度の発色性を有することが出来る。
本発明により得られる芯鞘型断面複合繊維は、可視光及び赤外線の波長380〜3000nmにおいて高い反射率を有することで遮熱性に優れ、かつ耐光性および発色性に優れているので、衣料全般に適した繊維及び繊維集合体を得ることができる。
本発明の芯鞘型複合繊維の芯成分を構成するポリエステル重合体について説明する。芯成分を構成するポリエステル重合体には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類またはこれらのポリエステルを主体骨格とし、イソフタル酸、金属スルホネート基を有するイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等の第3成分で変性した共重合ポリエステル類が好ましく用いられる。
また、本発明でいうアルミナ化合物で被覆された酸化チタンは、波長380〜3000nmの可視光および赤外線を反射もしくは透過させない、かつポリエステル重合体に高充填させることができ、さらに酸化チタンの光触媒作用に起因した樹脂の劣化を抑制できる。また、酸化チタンをコーティング剤で被覆させた場合は、製糸時の分散性が著しく改善し、酸化チタンを高濃度で樹脂中に含有させることができるためコーティングは必須である。
一般的に酸化チタンを被覆するコーティング剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア等が挙げられる。本発明では、酸化チタンをアルミナで被覆することによって製糸時の分散性及び耐光性が優れている。しかし、シリカ、ジルコニアで被覆した酸化チタンでは、酸化チタンを高濃度で樹脂中に含有させた場合、製糸時の分散性は問題ないが、光触媒の活性により樹脂自体を黄変させる問題があり、耐光性の向上が不十分である。
本発明においては、芯成分のポリエステル系重合体に含有させるアルミナ化合物で被覆された酸化チタンの含有量は8重量%以上70重量%以下であることが重要である。前記含有量にすることによって、可視光及び赤外線の波長を効率的に反射することができ、防透効果、遮熱効果が発揮させる。
アルミナ化合物で被覆された酸化チタンの含有量が8重量%未満では、可視光、赤外線の波長を効率的に反射することができず、十分な防透効果および遮熱効果を得ることができない。また、アルミナ化合物で被覆された酸化チタンの含有量が70重量%を超えると、紡糸時の曳糸性が極端に悪化するとともに、染色時の発色性が低下する。好ましくは10重量%以上60重量%以下、より好ましくは15重量%以上50重量%以下である。
本発明においては、芯成分のポリエステル系重合体に含有させるアルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径が0.4〜0.8μmであることが重要である。前記平均粒子径にすることによって、可視光及び赤外線の波長を効率的に反射することができ、防透効果、遮熱効果が発揮させる。
アルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径が0.2μmより小さいと、可視光および赤外線の波長を効率的に反射することができず、十分な防透効果、遮熱効果を得ることができない。また、アルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径が0.8μmより大きいと紡糸時の曳糸性が極端に悪化するとともに、染色時の発色性が低下する。アルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径は好ましくは0.4μm以上0.6μm以下である。
繊維表面から入射した可視又は近赤外線波長は屈折率の違いにより繊維中心を通過しようとするため、繊維全体に酸化チタンなどの無機粒子を均一に分散させるよりも、本発明の芯鞘型複合繊維のように、酸化チタンが芯成分に高充填された構成とすることにより、効果的に可視光及び赤外線を反射することができ、高い防透効果および遮熱効果を得ることができる。
次に本発明の芯鞘型複合繊維の鞘成分を構成するポリエステル重合体について説明する。鞘成分を構成するポリエステル重合体には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル類またはこれらのポリエステルを主体骨格とし、イソフタル酸、金属スルホネート基を有するイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバチン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、ポリアルキレングリコール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール等の第3成分で変性した共重合ポリエステル類が好ましく用いられる。
本発明においては、鞘成分に含有される無機微粒子は0.5重量%以上4.0重量%以下であることが重要である。前記含有量にすることによって、ポリエステル従来の良好な発色性を維持しつつ、防透性を発揮することができる。無機微粒子が0.5重量%未満では、製糸性が低下するため、該複合繊維を得ることができない。また。無機微粒子の含有量が4.0重量%を超えると、紡糸時の曳糸性が極端に悪化する、あるいは、紡糸できても延伸工程での糸切れ発生の問題が生じ、さらには延伸後の品質も満足なものを得ることができない場合がある。より好ましくは0.5重量%以上2.5重量%以下であり、さらに好ましくは0.5重量%以上2.0重量%以下である。また無機微粒子の種類としては酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび二酸化ケイ素などが挙げられるが、汎用性及び加工の点から酸化チタンを用いることが好ましい。
本発明においては、鞘成分に含有される無機微粒子の平均粒子径は0.03〜0.8μmであることが好ましい。前記平均粒子径にすることによって、ポリエステル従来の良好な発色性を維持しつつ、防透性を発揮することができる。無機微粒子の平均粒子径が0.03μm未満では、製糸性が低下するため、該複合繊維を得ることができない。また。無機微粒子の含有量が0.8μmを超えると、紡糸時の曳糸性が極端に悪化する、あるいは、紡糸できても延伸工程での糸切れ発生の問題が生じ、さらには延伸後の品質も満足なものを得ることができない場合がある。より好ましくは0.1〜0.5μmである。
さらに本発明の芯鞘型複合繊維において、芯成分と鞘成分との重量比率が10:90〜40:60であることが必要であり、10:90〜30:70であることが好ましい。芯成分ポリマーの重量比率が10%未満の場合は、芯成分の遮熱性、防透性が低くなる。また、芯成分ポリマーの重量比率が40%を超えると、良好な防透性及び遮熱性は得られるが、該複合繊維の製糸性及び発色性が劣る。
本発明の芯鞘型複合繊維においては、繊維の太さは特に限定されず、任意の太さにすることができるが、発色性及び防透性の良好な繊維を得るためには複合繊維の単繊維繊度を0.3〜11dtex程度にしておくのが好ましい。また、長繊維のみならず短繊維でも本発明の効果が期待される。
次に本発明の芯鞘型複合繊維の製造方法について以下説明する。
まず芯成分ポリマーと鞘成分ポリマーをそれぞれ別の押出機で溶融押出し、各々紡糸ヘッドへ導入し、目的とする個々の複合形状を形成させる紡糸口金を経由して溶融紡糸させることにより製造することができる。また、最終製品に求められる品質や良好な工程通過性を確保するために、最適な紡糸・延伸方法を選択することができる。より具体的には、スピンドロー方式や、紡糸原糸を採取した後に別工程で延伸を行う2−Step方式、また延伸を行わず非延伸糸のまま引き取り速度が2000m/分以上の速度で捲取る方式においても、任意の糸加工工程を通過させた後に製品化することで、良好な防透性及び発色性を有する該複合繊維製品を得ることができる。
本発明の製造方法の紡糸工程において、通常の溶融紡糸装置を用いて口金より紡出する。また、口金の形状や大きさによって、得られる繊維の断面形状や径を任意に設定することが可能である。
本発明で得られる複合繊維は、各種繊維集合体(繊維構造物)として用いることができる。ここで繊維集合体とは、本発明の繊維単独よりなる織編物、不織布はもちろんのこと本発明の繊維を一部に使用してなる織編物や不織布、例えば、天然繊維、化学繊維、合成繊維など他の繊維との交編織布、あるいは混紡糸、混繊糸として用いた織編物、混綿不織布などであってもよいが、これらのような繊維構造物に占める本発明の繊維の割合は30重量%以上、好ましくは40重量%以上であることが好ましい。繊維構造物に占める本発明の繊維の割合を30重量%以上とすることにより、防透性評価の指標である不透明度を85%以上とすることができる。特に白生地や淡色系においてこの不透明度の判断は鋭敏であり、より有効に判定できる。
繊維集合体の不透明度が85%未満の場合、着用時とりわけ白地や淡色系の場合には、生地を通して内衣の着用物や肌が透けて見えやすいため、本発明の芯鞘型複合繊維を含む繊維集合体においては、不透明度の値が85%以上であることが重要である。85%以上であれば、薄地の白物においても透け防止効果を発揮するものとなる。
また、本発明の芯鞘型複合繊維を含有した繊維集合体は波長380〜3000nmにおける反射率が70%以上であることにも大きな特徴を有する。該反射率が70%未満の場合、遮熱性、防透性は不満足なものとなる。反射率とは、後述する式で表される値である。
また、本発明の芯鞘型複合繊維および該複合繊維を含有する繊維集合体は、耐光堅牢度が4級以上であることが好ましい。耐光堅牢度が3級以下であった場合、取扱い性の点から一般衣料用途としては好ましくない。
本発明の繊維の主な用途は、長繊維では単独で又は一部に使用して織編物等を作成し、良好な風合を発現させた衣料用素材とすることができる。一方、短繊維では衣料用ステープル、乾式不織布および湿式不織布等があり、衣料用のみならず各種リビング資材、産業資材等の非衣料用途にも好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。なお、実施例中の測定値は以下の方法により測定されたものである。
(無機微粒子の平均粒子径)
堀場製作所社製の遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−500により測定した。
<紡糸性>
以下の基準に従って紡糸性評価を行った。
◎:24時間の連続紡糸を行ったところ、紡糸時の断糸が何ら発生せず、しかも得られた該複合繊維には毛羽・ループが全く発生していないなど、紡糸性が極めて良好である
○:24時間の連続紡糸を行ったところ、紡糸時の断糸が1回以下の頻度で発生し、得られた該複合繊維に毛羽・ループが全く発生していないか、あるいは僅かに発生したものの、紡糸性がほぼ良好である
△:24時間の連続紡糸を行ったところ、紡糸時の断糸が1回より多く3回まで発生し、紡糸性が不良である
×:24時間の連続紡糸を行ったところ、紡糸時の断糸が3回よりも多く発生し、紡糸性が極めて不良である
<耐光性>
(耐光堅牢度)
JIS L−0842の測定方法に準拠して測定した。
<防透性評価>
(繊維集合体の不透明度(%)測定)
単繊度3.5dtexの本発明の芯鞘型異形断面複合繊維を経糸および緯糸に用い、経糸38本/cm、緯糸28本/cmの筒編地を作製し、日立分光光度計(U−3400型)を用いて、この編地のL* を測定し、下記式により算出した。
不透明度(%)=(L* B /L* W )×100
* B :黒素地に布帛(繊維集合体)を重ねた時のL*
* W :白素地に布帛(繊維集合体)を重ねた時のL*
黒素地は黒色プラスチック板(L*値=12)、白素地は標準白板(L*値=100)を示す。
<遮熱性評価>
(1)ΔT(℃)
繊維径を均一に調整し、得られた複合繊維を用いて目付け200g/mの筒編地を精錬した後、レフランプを照射し、15分後の試料直下の温度を測定した。温度はタスコジャパン株式会社の貼付型センサーTNA−8Aを用いて測定した。
対照試料であるTiOを0.05重量%含有するポリエチレンテレフタレート繊維(比較例1)に対し、どの程度高い温度を示すかについて、温度差ΔT(℃)を測定した。
(2)反射率
繊維径を均一に調整し、得られた複合繊維を用いて目付け200g/mの筒編地を精錬した後、以下に示す測定装置を使用して380〜3000nmの反射率の平均値を測定した。
分光反射率測定器:分光光度計 HITACHI U3400
<染色方法>
染 料:DiacrylBlack BSL-F 7%omf
分散助剤:Disper TL(明成化学工業社製) 1g/l
PH調整剤:ウルトラMTレベル 1g/l
浴 比: 1:50 温 度:130℃×40分
還元洗浄
ハイドロサルファイド 1g/l
アミラジン(第一工業製薬) 1g/l
NaOH 1g/l
浴 比: 1:30 温 度:80℃×120分
<発色性>
(染着濃度 K/S)
染色後サンプル編地の最大吸収波長における反射率Rを測定し、以下に示すKubelka―Munkの式から求めた。
分光反射率測定器:分光光度計 HITACHI
C−2000S Color Analyzer
K/S=(1−R)/2R
(実施例1)
芯成分に平均粒子径0.4μmのアルミナ化合物で被覆された酸化チタン30重量%を含有するポリエチレンテレフタレートと鞘成分に平均粒子径0.3μmの酸化チタン1.0重量%を含有するポリエチレンテレフタレートの複合比率(重量比率)10:90の条件で、孔数24個(孔径0.25mmφ)の口金を用いて紡糸温度290℃、単孔吐出量=1.42g/分で紡出し、温度25℃、湿度60%の冷却風を0.4m/秒の速度で紡出糸条に吹付け糸条を60℃以下にした後、紡糸口金下方1.2mの位置に設置した長さ1.0m、入口ガイド系8mm、出口ガイド系10mm、内径30mmφチューブヒーター(内温185℃)に導入してチューブヒーター内で延伸した後、チューブヒーターから出てきた糸条にオイリングノズルで給油し2個の引き取りローラーを介して4500m/分の速度で捲取り、84T/24fの該複合繊維フィラメントを得た。本発明の製造方法で得られた繊維の結果を表1に示した。さらに上記製造方法で得られた複合繊維を用いた繊維集合体(筒編地)はΔT=−3.8℃と高い遮熱効果を示し、防透性についても不透明度=90%と高い防透効果を示した。また耐光堅牢度5級であり優れた耐光性を示した。これら繊維集合体の評価結果についても表1に示した。
(実施例2〜14)
次に、芯成分及び鞘成分のポリマー、芯成分及び鞘成分の添加粒子の平均粒子径と含有量を変更し、実施例1と同様の手法で紡糸して84T/24fの該複合繊維フィラメントを得た。得られた繊維の物性を表1に示した。いずれも良好な不透明度、ΔT、反射率、染着濃度を示し、実施例1と同性能の耐光堅牢度であり、何ら問題のない品質であった。
(比較例1〜13)
芯成分の酸化チタンのコーティング種、芯成分及び鞘成分に添加する粒子種と含有量を変更し、実施例1と同様の手法で紡糸して84T/24fの該複合繊維フィラメントを得た。得られた繊維の物性を表1に示した。
比較例1では芯成分に酸化チタンを含有していないため、防透性、および遮熱性を得ることができなかった。
比較例2では芯成分に含有するアルミナ化合物で被覆された酸化チタン量が70%を超えるため、紡糸時の曳糸性が極端に悪化し紡糸が不可能であった。
比較例3は鞘成分の酸化チタンの含有量が15重量%と多すぎるため、紡糸時の曳糸性が極端に悪化し、紡糸が不可能であった。
比較例4は芯成分に含有するアルミナ化合物で被覆された酸化チタン量が5%と少なすぎるため、防透性、および遮熱性が劣る結果となった。
比較例5は鞘成分の酸化チタンの含有量が5.0重量%と多すぎるため、発色性及び紡糸性が劣る結果となった。
比較例6は芯成分の酸化チタンがコーティングを施していない酸化チタンであるため、紡糸性、耐光性が不良であった。
比較例7は芯成分の酸化チタンをシリカでコーティングをしているため、紡糸性、耐光性が不良であった。
比較例8は芯成分の酸化チタンをジルコニアでコーティングをしているため、紡糸性、耐光性が不良であった。
比較例9は芯成分に含有するアルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径が0.1μmと小さいため、防透性、および遮熱性が劣る結果となった。
比較例10は芯成分に含有するアルミナ化合物で被覆された酸化チタンの平均粒子径が1.0μmと大きいため、防透性、および紡糸性が劣る結果となった。
比較例11は芯鞘複合比率の芯成分量が5%と少ないため、防透性が劣る結果となった。
比較例12は芯鞘複合比率の芯成分量が50%と多すぎるため、発色性及び紡糸性が劣る結果となった。
比較例13は鞘成分に無機微粒子が添加されていないため、紡糸時の曳糸性が極端に悪化し、紡糸性が劣る結果となった。
Figure 0006882942
本発明により得られる芯鞘型複合繊維は、高い防透性、遮熱性、耐光性を有し、かつ従来ポリエステルと同程度の発色性を有しているので、衣料全般に適している。

Claims (4)

  1. 芯成分がアルミナ化合物で表面が被覆された平均粒子径0.4〜0.8μmの酸化チタンを8重量%以上70重量%以下含有するポリエステル系重合体で、鞘成分が無機微粒子を0.5重量%以上4.0重量%以下含有するポリエステル系重合体であり、かつ芯成分と鞘成分との重量比率が10:90〜40:60である芯鞘型複合繊維。
  2. 前記鞘成分に含有する無機微粒子の平均粒子径が0.03〜0.8μmである請求項1に記載の芯鞘型複合繊維。
  3. 前記無機微粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムおよび二酸化ケイ素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の無機微粒子である、請求項1又は2に記載の芯鞘型複合繊維。
  4. 請求項1〜3に記載の芯鞘型複合繊維を含む繊維集合体であって、可視光および赤外線の波長380〜3000nmにおける反射率が70%以上、不透明度が85%以上であり、かつ耐光堅牢度が4級以上であることを特徴とする繊維集合体。
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