JP5526309B1 - 放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】強伸度が高く、覆った放射性物質の放射線の外部漏洩量を低減可能な放射線遮蔽織物およびこれを用いた放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽カバーならびに放射線遮蔽袋を提供する。
【解決手段】熱可塑性合成樹脂20〜90重量%と、硫酸バリウム10〜80重量%との混練用原料を用いて作製された強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンから放射線遮蔽織物を製織した。また、この織物を原材料とし、放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグ、放射線遮蔽カバーならびに放射線遮蔽袋を作製した。そのため、強度が高く、覆った放射性物質の放射線の外部漏洩量を低減できた。
【選択図】図1

Description

この発明は、放射線遮蔽原料の一種である硫酸バリウムを含む放射線遮蔽織物を用いて作製された放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽袋に関する。
2011年3月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い、福島県を中心にして広範囲の土壌が放射性物質により汚染される事態が発生している。土壌汚染の面積が大きく、農林水産省は食糧生産の基盤である土壌を除染技術の開発に取り組んでいる。その一環として、福島県では地面(水田、畑)や汚染程度などを考慮した上で、放射性セシウム濃度が5000Bq/kg以上の土壌に対して、表土(充填物)の削り取りを実施している。
具体的には、重機(ユンボ)により表土を削り取り、これをフレキシブルコンテナバッグに充填して所定の仮保管場所へ輸送し、将来的に設置される中間貯蔵施設へ移動するまでの間保管される。仮保管方法は汚染土壌が充填されたフレキシブルコンテナバッグの上から遮水シートなどで覆っている。
実用新案登録第3173174号公報
ところで、従来のフレキシブルコンテナバッグは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂製のテープヤーンで織られた原反を、所定形状の部品シートに複数裁断し、そのうち、隣接する部品シート同士を縫着して袋状としたものであり、放射線遮蔽機能を有さない。そのため、汚染土壌の放射線がフレキシブルコンテナバッグの外方向へ多量に漏洩してしまい、表土の削り取りの現場だけでなく保管場所でも、長期間仕事に従事する作業者の放射能汚染レベルが高まるという問題が発生していた。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、フレキシブルコンテナバッグの部品シートが裁断される原反として、熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と、硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料をフィルム成形、スリット、加熱延伸したテープヤーンから織り上げた放射線遮蔽織物を採用すれば、軽量かつ柔軟で、鋭利物を突き刺しても破れにくい放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグが得られ、上述した問題は解消されることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、強度が高く、かつ覆った放射性物質の放射線の外部漏洩量を低減することができる放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグおよび放射線遮蔽袋を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と、硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料を用い、その強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを作製し、このテープヤーンから原反を織り上げ、この原反を裁断することにより複数の部品シートを作製し、これらの複数の部品シートのうち、隣接するもの同士を縫着して作製された放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグである。
ここでいう混練用原料とは、放射線遮蔽織物の製織時に使用されるテープヤーンを製造するための原料で、具体的には各種の熱可塑性合成樹脂、硫酸バリウムが挙げられる。
混練用原料の主原料となる熱可塑性合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、ナイロン、ポリエステルなどを使用することができる。このうち、例えばフレキシブルコンテナバッグに要求される強度、伸度、耐久性が確保できるポリプロピレンが好ましい。熱可塑性合成樹脂の性状としては、ペレット状、粒状、粉末状などが挙げられる。
硫酸バリウムは人体に対して無害であり、例えば、X線を用いた体内検査の際に、消化器官の造影剤として飲まれている。また、環境に対する影響も、鉛と比較すると非常に少ない。
熱可塑性樹脂との相溶性から、好ましくは、沈降性硫酸バリウムがよい。
硫酸バリウムの性状は、例えば粉状、液状など任意である。ただし、硫酸バリウムの性状は、粉体とした方が主原料との混練が容易になるために好ましい。その場合、粉末の硫酸バリウムの平均粒径は10μm以下、好ましくは5μm以下である。10μmを超えれば、フィルム成形において、均一に分散しにくくなり、フィッシュアイなどの問題が発生する。しかも、混練用原料はフィルム成形後に所定の幅にスリットし、加熱延伸してテープヤーンとされるが、粉末の硫酸バリウムの平均粒径が10μmを超えた場合には、延伸時にヤーンが切れ易くなる。
硫酸バリウムの添加量は、混練用原料100重量%に対して、内割りで30〜50重量%である。これに対応して、熱可塑性合成樹脂の添加量は、混練用原料100重量%に対して、内割りで50〜70重量%である
混練用原料には、外割りで、硫酸バリウムとは異なる放射線遮蔽原料や放射線遮蔽効果を有さない物質(添加物)を混ぜ合わせてもよい。異なる放射線遮蔽原料としては、例えばタングステン、ビスマス、セリウムなどを採用することができる。また、添加物としては、熱可塑性樹脂に用いられる各種添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、ブロッキング剤、難燃剤、顔料などが挙げられる。
テープヤーンとは、一般的に熱可塑性合成樹脂を原料としてフィルム成形し、そのフィルムに多数本のスリットを入れてテープ状とし、その後、各テープを加熱しながら延伸して製造したものである。テープヤーンは、経糸と緯糸とを隙間なく(密に)織り上げることで、放射線の遮蔽効果が高い放射線遮蔽織物が製織される。
テープヤーンの強度3cN/dt以下では、フレキシブルコンテナ用織物としての充分な強度が得られない。
混練用原料中の硫酸バリウムの含有量が、30重量%未満では遮蔽効果が得られ難い。また、50重量%を超えれば熱可塑性樹脂との均一分散が難しくなり、フィルム化および加熱延伸が安定せず、放射線遮蔽織物用のものとして充分な強度を有したテープヤーンが得難い。
また、放射線遮蔽織物をフレキシブルコンテナバッグの原料、放射線遮蔽カバーの原料(原反)として使用した場合、これらは屋外で使用される場合が多いことから、長期間日光に晒されるために高い耐候性が必要とされている。耐候性を改良する方法としては、光安定剤や紫外線吸収剤およびカーボンブラックの添加を採用することができる。その添加量は、光安定剤、紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種が、混練用原料100重量%に対して、外割りで0.1〜2.0重量%(複数種の場合には合計の重量%)である。
光安定剤の一種であるヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとコハク酸ジエチルの重縮合物等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、オクチル−2−シアノ−3,3’−−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’−5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤などが挙げられる。
放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグの用途は限定されない。例えば、屋外作業用、特に放射性物質により汚染された汚染土壌(汚染表土)の輸送、保管用として好適である。
フレキシブルコンテナバッグとは、ポリプロピレンなどを主原料としたテープヤーンからなるクロス(織物)を袋状にしたバッグ本体の底部または胴部に、吊りベルトの下端部をそれぞれ縫着し、胴部の上端(上周縁部)に、充填物を胴部に投入するための筒状の投入部を縫着したものである。
バッグ本体としては、充填物(特に汚染土壌)が漏出しないように、経糸および緯糸が密な(隙間のない)クロスを縫製した一般的なものを採用することができる。その他、糸密度を低くして水切り機能を付与したバッグ本体を採用してもよい。
バッグ本体の外観形状としては、例えば、平面視して円形の丸型、平面視して四角形の角型などを採用することができる。
放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグは内袋付きのものでもよい。内袋としては、例えばポリエチレンなどの合成樹脂製の袋を採用することができる。内袋は、二重または三重以上に重ねたものでもよい。また、本発明の放射線遮蔽織物を筒状または袋状に縫製し、内袋として使用することもできる。
投入部としては、クロス(放射線遮蔽織物)を筒状に縫製したもの、または各種の合成樹脂シートを筒状に加工したものなどを採用することもできる。
また、投入部の上周縁部には、投入部(襠部)の絞り込みが可能なように締結紐が装着された巾着式のものでも、一般的な投入部であって、別体の紐やベルトを使用して投入部の開口部分を縛るようにしたものでもよい。
ここでいう「原反」とは、熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と、硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料から作製された強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを、経糸および緯糸に使用して製織したクロス(放射線遮蔽織物)である。
ここでいう原反から裁断される「部品シート」としては、少なくともバッグ本体を構成する胴部および底部である。その他、胴部の上端に周設された投入部、胴部に縫着された吊りベルト、吊りベルトのバッグ本体への連結を補強する補強布(枠)などを含めてもよい。
部品シートには、その表裏面の少なくとも一方に、アルミニウムフィルムなどの放射線遮蔽フィルムを積層してもよい。これにより、放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグの放射線遮蔽効果がさらに高まる。
放射線遮蔽カバーの用途は任意である。例えば、放射性汚染土壌が充填された(放射線遮蔽)フレキシブルコンテナバッグを覆うカバーとして利用することができる。
放射線遮蔽カバーの形状およびサイズは任意である。
請求項2に記載の発明は、原反から得られた外袋に、合成樹脂基材フィルム層に放射線遮蔽金属箔層が積層された内袋を縫着して作製された袋本体と、線ファスナを介して前記袋本体の開口部に設けられ、かつ前記原反から得られた外布に、前記合成樹脂基材フィルム層に前記放射線遮蔽金属箔層が積層された内布を縫着して作製された布蓋とを備えた放射線遮蔽袋であって、熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料を用いて作製され、その強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを用い、このテープヤーンから前記原反が織り上げられた放射線遮蔽袋である。
放射線遮蔽袋の用途は任意である。例えば、放射性物質が充填される一般的な袋として利用できる他、フレキシブルコンテナバッグ(請求項1に記載の放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグを含む)の内袋としての利用でもよい。この内袋としての利用時には、放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグの放射線遮蔽効果をさらに高めることができるとともに、長期間日光に晒されないことから、原反を製織するためのテープヤーンの主原料(合成樹脂)に耐候剤を添加する必要がなく、耐候剤の添加による原反の強度低下を防げる。
袋本体の外観形状としては、例えば、平面視して円形の丸型、平面視して四角形の角型などを採用することができる。
外袋用の原反および外布用の原反としては、例えば請求項4に記載の原反を採用することができる。
合成樹脂基材フィルム層の素材としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどを採用することができる。内袋用の合成樹脂基材フィルム層と内布用の合成樹脂基材フィルム層とは、同一素材でも異なる素材でもよい。
放射線遮蔽金属箔層としては、例えば、アルミニウム箔などを採用することができる。内袋用の放射線遮蔽金属箔層と内布用の合放射線遮蔽金属箔層とは、同一素材でも異なる素材でもよい。
合成樹脂基材フィルム層と放射線遮蔽金属箔層との積層数は任意である。これらの積層数が増加するほど、袋本体および布蓋の強度が高まるとともに、放射線遮蔽袋の自立性が高まって、放射性物質の充填時の放射線遮蔽袋の開口保持作業が容易となる。
線ファスナ(スライドファスナ)としては、例えば、各種のジッパー、チャックなどを採用することができる。
放射線遮蔽織物として、熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と、硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料を用いて作製された経糸と緯糸とを織り上げたものを採用したため、放射線遮蔽織物により覆った放射性物質に対して、硫酸バリウムによる放射線遮蔽効果が得られる。しかも、放射線遮蔽織物は、強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを経糸および緯糸として織り上げたクロスであるため、一般的な繊維状の経糸および緯糸からなる織物に比べて強伸度も高い。これにより、放射線遮蔽織物は、重量物が収納される放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグの原反として好適である。
特に、混練用原料において、硫酸バリウムの含有量を30〜50重量%とすることにより、熱可塑性合成樹脂の製膜、延伸ともに安定し、放射線遮蔽のテープヤーンが得られる。
また、耐候剤を添加することにより放射線遮蔽織物の耐候性を高めることができる。
請求項1に記載の放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグによれば、フレキシブルコンテナバッグの部品シート用の原反として、放射線遮蔽織物を採用したため、テープヤーンに練り込まれた硫酸バリウムが放射線の一部を遮蔽する。これにより、充填した放射性物質の放射線がバッグ外に漏洩する量を低減することができる。
請求項2に記載の放射線遮蔽袋によれば、放射性物質の遮蔽効果を有する袋本体に、線ファスナを介して、放射性物質の遮蔽効果を有する布蓋を開閉自在に設けたため、充填した放射性物質の放射線が袋外に漏洩する量を低減することができる。また、袋本体として外袋に複層構造の内袋を縫着したものを採用し、かつ布蓋として外布に複層構造の内布を縫着したものを採用したため、放射線遮蔽袋が高強度となる。
また、線ファスナを介して袋本体の開口部に蓋布を設けるようにしたため、袋本体の開口部の開閉操作が容易であるとともに、蓋布による袋本体の封緘性を高めることができる。
この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物の斜視図である。 この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物の要部拡大平面図である。 この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物の経糸および緯糸となるテープヤーンの製造装置の全体構成図である。 この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物を原反に採用して作製された放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグの全体斜視図である。 この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物を利用して作製された放射線遮蔽カバーの使用状態を示す斜視図である。 この発明の実施例に係る放射線遮蔽織物を利用して作製された放射線遮蔽袋の蓋布の一部開口状態を示す斜視図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
図1および図2において、Sはこの発明に係る放射線遮蔽織物で、この放射線遮蔽織物Sは、熱可塑性合成樹脂(ここではポリプロピレン)20〜90重量%と、硫酸バリウム10〜80重量%との配合物(混練用原料)を用いて作製された強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを経糸40および緯糸41とし、これらの経糸40および緯糸41から織り上げられたクロス(織物)である。
ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独重合体、あるいはプロピレンを主成分とするもの、これにエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン、アクリル酸、アクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸およびその誘導体、酢酸ビニルなどのビニルエステル、スチレン、メチルスチレンなどの不飽和芳香族化合物などとの、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体を挙げることができる。
ポリプロピレン樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210−1976「熱可塑性プラスチックの流れ試験方法」表1の条件14、試験温度230℃、試験荷重21.18N)により測定、以下MFRという)は特に限定されない。ただし、0.1〜10g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分であれば、押出成形性が良好で得られるテープヤーンの強度も十分となって望ましい。
図3に示すように、放射線遮蔽織物Sの製造にあっては、まず、ポリプロピレンからなる主原料aと、硫酸バリウムからなる放射線遮蔽原料bとを、主原料aが20〜90重量%、放射線遮蔽原料bが10〜80重量%となる配合(内割り)で原料混合機30に投入する。なお、放射線遮蔽織物Sの耐候性を高めるため、原料混合機30に光安定剤、紫外線吸収剤から選ばれる少なくとも1種の添加剤cを、原料a,bを混合した物に対して外割りで0.1〜2.0重量%添加してもよい。
原料混合機30では、両原料a,b,cを混合して配合物(混練用原料)dを得る。その後、配合物dをTダイ押出装置31に投入し、ここで両原料a,b,cを溶融しながら幅広のフィルム32を連続的に製膜する。
得られたフィルム32の表面に、フィルム32の緯方向に一定ピッチで配置された多数本のカッター33の刃先をそれぞれあてがい、フィルム32を細長くスリット加工して、多数本の厚肉なテープ状物32aとする。次に、各カッター33の設置位置より下流において、テープ状物32aを、加熱された円弧状の熱板34の上で経方向(テープの長さ方向)に延伸し、その後、円弧状の熱板35により延伸された各テープ状物32bをアニールすることで、多数本のテープヤーンYが製造される。
その後、得られた各テープヤーンYをビームに整経し、次にテープヤーンYを経糸40および緯糸41として自動織機(製織装置)によって製織することにより、放射線遮蔽織物Sが得られる。なお、製織時、経糸40および緯糸41は隙間なく(密に)織り上げられる(図2)。こうして製造された放射線遮蔽織物Sは、例えば、フレキシブルコンテナバッグ用の原反として採用することができる。その他、カーテン、幕、防草シート、カバーなどとして利用することもできる。
このように、放射線遮蔽織物Sとして、熱可塑性合成樹脂からなる主原料aと硫酸バリウムからなる放射線遮蔽原料bとの配合物dを原料としてテープヤーンYを織り上げたクロスを採用したため、テープヤーンYに含まれる放射線遮蔽原料bが、放射線遮蔽織物Sによって覆われた、例えば汚染表土中の放射性物質からの放射線の一部を遮蔽する。そのため、放射線遮蔽織物Sの外に漏洩する放射線量を低減することができる。また、放射線遮蔽織物Sの経糸40と緯糸41とは隙間なく織り上げられているため(図2)、一般的な繊維状の経糸40および緯糸41からなる織物に比べて強度が高く、かつ隙間から放射線が漏れにくいため、フレキシブルコンテナバッグの外に漏洩する放射線量をさらに低減させることができる。
次に、図4を参照して、別の本発明に係る放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグ(以下、フレキシブルコンテナバッグ)を説明する。
図4に示すように、このフレキシブルコンテナバッグ10は、放射線遮蔽織物Sからなる原反A(図1)を裁断した複数の部品シートを有し、複数の部品シートのうち、隣接するもの同士を縫着して作製したものである。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
フレキシブルコンテナバッグ10は、上端が開口する胴部11と、胴部11の下端に縫着されてこれを塞ぐ底部12とを有したバッグ本体13と、胴部11の上端に縫着され、放射性物質に汚染された土壌から削り取った汚染表土(放射性物質)を胴部11に投入するための筒状の投入部15と、底部12の下面に縫着された正方形の補強布枠16と、補強布枠16の四隅部に下端部が連結され、かつ2本1組、2組の隣接するものの上端部が連結された4本の吊りベルト17と、各吊りベルト17の上端部を胴部11の上端部に縫着する際の補強布18と、吊りベルト17の各組の上端部関に架け渡された2本の吊りロープ19と、バッグ本体12の内部空間に収納された合成樹脂(ここではポリ塩化ビニル)製の内袋20とを備えている。
ここでいうフレキシブルコンテナバッグ10とは、例えば内容量1.0m3の丸型のものである。このうち、バッグ本体13を構成する胴部11および底部12と、投入部15と、補強布枠16、吊りベルト17、補強布18とは、図3に示すテープヤーンYから織り上げられた前記原反Aを所定形状に裁断した部品シートである。
胴部11および底部12を含む部品シートの裁断時には、放射線遮蔽織物Sからなる原反Aが裁断機に送られ、ここで原反Aから胴部11および底部12などが形抜きまたはレーザなどにより裁断される。
得られた胴部11および底部12を含む各部品シートは、電動ミシンを使用し、隣接するもの同士が縫着されることによって、フレキシブルコンテナバッグ10が製造される。
バッグ使用時、フレキシブルコンテナバッグ10はトラックなどで現場へ搬送される。現場では、例えば放射性物質(放射性セシウムなど)により汚染された汚染表土がユンボにより削り取られ、これが、開口されたフレキシブルコンテナバッグ10の内袋20に順次充填される。充填完了後は、作業者が内袋20の開口部を縛り、さらに結束紐により投入部15を縛る。その後、作業者はユンボのバケットにフレキシブルコンテナバッグ10の各吊りロープ19を引っ掛け、ユンボの運転者がアームを上方回転してフレキシブルコンテナバッグ10を吊り上げ、これをトラックの荷台に積み込む。その後、トラックを路上走行して所定の保管場所までこれを運搬し、そこでフレキシブルコンテナバッグ10を下ろして、所定期間保管する。
このように、原反Aとして、熱可塑性合成樹脂からなる主原料aと硫酸バリウムからなる放射線遮蔽原料bとの配合物dを原料としてテープヤーンYを織り上げた放射線遮蔽織物Sを採用したため、テープヤーンYに練り込まれた放射線遮蔽原料bが、汚染表土に含まれた放射線の一部を遮蔽する。そのため、内袋20に充填された汚染表土からフレキシブルコンテナバッグ10の外に漏洩する放射線量を低減することができる。また、放射線遮蔽織物Sの経糸40と緯糸41とは隙間なく織り上げられているため(図2)、一般的な繊維状の経糸および緯糸からなる織物に比べて強伸度が高く、かつ隙間から放射線が漏れにくいため、フレキシブルコンテナバッグ10の外に漏洩する放射線量をさらに低減させることができる。
次に、図5を参照して、また別の本発明に係る放射線遮蔽カバーを説明する。
図5に示すように、この放射線遮蔽カバー50は、前記放射線遮蔽織物Sからなり、かつ所定の仮保管場所で保管されている多数個のフレキシブルコンテナバッグ10をまとめて覆うことで、バッグ外に漏洩する放射線量を、フレキシブルコンテナバッグ10のみの場合より低減できるようにしたものである。
次に、図6を参照して、本発明に係る放射線遮蔽袋を説明する。
図6に示すように、この放射線遮蔽袋60は、図4に示すフレキシブルコンテナバッグ10の内袋20の代替え品となるもので、放射線遮蔽織物Sからなる原反Aから得られた外袋61と、透明な合成樹脂基材フィルム層62に放射線遮蔽金属箔層63が積層された内袋64とを縫着して作製された袋本体65と、線ファスナ66を介して袋本体65の開口部に設けられ、かつ放射線遮蔽織物Sからなる原反Aから得られた外布67と、透明な合成樹脂基材フィルム層62に放射線遮蔽金属箔層63が積層された内布68とを縫着して作製された布蓋69とを備えたものである。
このように、放射線遮蔽袋60をフレキシブルコンテナバッグ10の内袋20として利用したため、フレキシブルコンテナバッグ10の放射線遮蔽効果をさらに高めることができるとともに、使用時にバッグ本体13に収納されて日光に晒されないことから、テープヤーンYの主原料に耐候剤を添加する必要がなく、耐候剤の添加による原反の強度低下を防げる。
また、袋本体65は上面全体が開口した平面視して円形の丸型のもので、布蓋69は袋本体65の開口径と略同一径の平面視して円形のものであり、線ファスナ66は、袋本体65の上縁全周と布蓋69の外縁全周にわたって設けられる。これにより、充填物(汚染表土など)の袋投入が容易なように袋本体65の上面での最大開口を確保しつつ、袋本体65の開口縁に沿って線ファスナ66をスライドさせるだけで、布蓋69を簡単かつ確実に開閉することができる。しかも、従来の紐を利用した内袋の締結に比べて、布蓋69の開閉作業性が高い。
また、内袋64および内布68は、透明な2枚の合成樹脂基材フィルム層62の間にアルミニウム箔製の1枚の放射線遮蔽金属箔層63が挟み込まれた3層構造のシートからなる。そのため、内袋64および内布68では、袋内側に配置された方の合成樹脂基材フィルム層62が保護膜となり、例えば充填物の充填時に、放射線遮蔽金属箔層63が充填物と接触して破損し、これによる放射線遮蔽効果の低下を防止できる。しかも、本発明の放射線遮蔽袋60では、袋本体65の内側空間にあって、透明な合成樹脂基材フィルム層62を通して放射線遮蔽金属箔層63の金属光沢面が露出する構成を採用している。そのため、暗所や夜間など、わずかな光だけしか得られない劣悪な作業環境であっても、袋開口時に袋本体65の内面に発生した多数の皺をも利用し、袋本体65の内面(菌像光沢面)で光を乱反射させ、この光によって袋内面の全体を照らすことができる。その結果、暗所や夜間時に汚染表土の削り取り現場で重機(ユンボ)を動かす操縦者は、袋本体65の開口位置が視認し易くなり、夜間等での汚染表土の袋詰め作業の正確性および作業効率をそれぞれ高めることができる。
さらに、袋本体65は、このように放射線遮蔽織物Sからなる原反Aから得られた外袋61と、透明な合成樹脂基材フィルム層62に放射線遮蔽金属箔層63が積層された内袋64とを縫着して作製されているため、(ゴワ付き感があって)袋としての保形性が高く、袋用自立補助具がなくても放射線遮蔽袋60を自立させて汚染表土の袋詰めを行うことができる。
原反用のテープヤーンYとしては、例えばポリプロピレンからなる主原料aと硫酸バリウムからなる放射線遮蔽原料bとを、主原料aが70重量%、放射線遮蔽原料bが30重量%となる割合で混ぜ合わせた配合物dから作製されたものを採用することができる。
線ファスナ66とは、多数のエレメント(務歯)が一列に並んだ左右一対の基材テープの間でスライダを移動させることにより、左右のエレメントが順次噛合または噛合解除し、自在にファスナが開閉となった線状の掛止具である。線ファスナ66としては、金属ファスナに比べて耐候性が高いプラスチックファスナを採用している。
放射線遮蔽袋60の使用時、例えばユンボにより削り取られた汚染表土が、線ファスナ66を外して布蓋69が開いたフレキシブルコンテナバッグ10内の放射線遮蔽袋60に順次充填される。充填後は、作業者が線ファスナ66を閉じて、放射線遮蔽袋60の開口部を閉蓋し、さらに結束紐により投入部15を縛る。
このように、放射線遮蔽袋60によれば、放射性物質の遮蔽効果を有する袋本体65に、線ファスナ66を介して、放射性物質の遮蔽効果を有する布蓋69を開閉自在に設けたため、充填した放射性物質の放射線が袋外に漏洩する量を低減することができる。また、袋本体65として複層構造の内袋64を外袋61に縫着したものを採用し、かつ布蓋69として複層構造の内布68を外布67に縫着したものを採用したため、放射線遮蔽袋60が高強度となるとともに、放射線遮蔽袋60が適度に硬くなって、放射線遮蔽袋60の自立性、ひいてはフレキシブルコンテナバッグ10の自立性を高めることができる。
また、線ファスナ66を介して袋本体65の開口部に布蓋69を設けるようにしたため、袋本体65の開口部の開閉操作が容易であるとともに、布蓋69による袋本体65の封緘性を高めることができる。
次に、この発明の放射線遮蔽織物について、硫酸バリウムの添加量の増減がどのように硫酸バリウムの性能に影響を及ぼすかを確認するため、1.放射線遮蔽試験と、2.織物強伸度試験と、3.耐候性試験とをそれぞれ実施し、表1(試験例3〜5、参考例1,2,6〜11および比較例1〜3)に示した。各試験方法および各試験の評価方法は、以下の通りである。
1.放射線遮蔽試験方法
床から1mの高さで、検出器を放射線の線源から測定中心まで25cm離間し、その間に試料が存在する場合(試料有)と存在しない場合(試料無)とについて、正味の線量率(バックグラウンドの線量率を除去)を10回ずつ測定し、得られた測定値の平均値から遮蔽率を求める。
線源:セシウム137 線源10MBq(平成21年12月16日現在)
日本アイソトープ協会照射線量率標準ガンマ線源CS454CE(線源番号8101)
測定器:NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータアロカTCS−171B
バックグラウンドの線量率=0.04±0.01μSv/hr
試料が存在しない場合の線量率=15.7±0.1μSv/hr
遮蔽率=(1−試料有/試料無)×100
である。
・放射線遮蔽の評価方法
一般のポリエチレン、ポリプロピレンの合成樹脂は放射線遮蔽機能を有さないので、硫酸バリウムの添加による遮蔽効果の有無を評価した。
2.織物強伸度試験方法
織物および編物の生地試験方法 JIS L 1096−2010の8.14 引張強さおよび伸び率のA法(ストリップ法)である。
・織物強伸度試験の評価方法
非危険物用フレキシブルコンテナ JIS Z 1651−2008の本体材料として必要な強伸度と比較して評価した。
3.耐候性試験方法
サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機および耐候性試験機 JIS B 7753−2007である。
・耐候性の評価方法
耐候性試験900時間照射後の残存強度率=初期強度の70%以上として評価した。
次に、実施した試験例3〜5(および参考例1,2,6〜11)と、比較のために行った比較例1〜3とについて説明する。
参考例1
まず、図3に示すテープヤーン製造設備を用いて、テープヤーンYを製造する。すなわち、ペレット状のポリプロピレンからなる主原料a(ポリプロピレン樹脂は単体重合体、MFR、0.8g/10分)を使用し、粉末状の硫酸バリウムからなる放射線遮蔽原料bとを、主原料aが90重量%、放射線遮蔽原料bが10重量%となる配合で原料混合機に投入し、配合物dを得る。その後、配合物dをTダイ押出装置31に投入し、ここで両原料a,bを混練しながらTダイ温度240℃で幅広のフィルム32を連続的に製膜する。次に、フィルム32をカッター33により細長くスリット加工し、多数本の厚肉なテープ状物32aとした後、これらを140℃に加熱した円弧状の熱板34の上で経方向に延伸し、さらに延伸後のテープ状物32bを140℃の円弧状の熱板35によりアニールして多数本のテープヤーンYを得た。その後、各テープヤーンYをビームに整経し、次にテープヤーンYを経糸40および緯糸41として自動織機により放射線遮蔽織物Sを製織する(図1および図2)。
この放射線遮蔽織物Sで放射線遮蔽試験、織物強伸度試験および耐候性試験を実施した。その結果を表1に示す。
Figure 0005526309
参考例2
参考例2では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を80重量%とし、放射線遮蔽原料bを20重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[試験例3]
試験例3では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を70重量%とし、放射線遮蔽原料bを30重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[試験例4]
試験例4では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を60重量%とし、放射線遮蔽原料bを40重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[試験例5]
試験例5では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を50重量%とし、放射線遮蔽原料bを50重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例6
参考例6では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を40重量%とし、放射線遮蔽原料bを60重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例7
参考例7では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aが70重量%と放射線遮蔽原料bが30重量%との他に、これらの原料a,bを混合した物(配合物)に、外割りで耐候剤cを0.2重量%、原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例8
参考例8では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aが70重量%と放射線遮蔽原料bが30重量%との他に、これらの原料a,bを混合した物(配合物)に外割りで耐候剤cを0.4重量%、原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例9
参考例9では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aが70重量%と放射線遮蔽原料bが30重量%との他に、これらの原料a,bを混合した物(配合物)に外割りで耐候剤cを0.6重量%、原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例10]
参考例10では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aが70重量%と放射線遮蔽原料bが30重量%との他に、これらの原料a,bを混合した物(配合物)に外割りで耐候剤cを1.0重量%、原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
参考例11]
参考例11では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aが70重量%と放射線遮蔽原料bが30重量%との他に、これらの原料a,bを混合した物(配合物)に外割りで耐候剤cを2.0重量%、原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、テープヤーンYの製造工程において、主原料aのみを原料混合機に投入して配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例2では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を95重量%とし、放射線遮蔽原料bを5重量%として原料混合機に投入し、配合物dを得るようにした他は、参考例1と同様にして放射線遮蔽織物Sの試験片を得た。その結果を表1に示す。
[比較例3]
比較例3では、テープヤーンYの製造工程において、主原料を30重量%とし、放射線遮蔽原料bを70重量%として原料混合機に投入したが、製膜できなかった。その結果を表1に示す。
表1から明らかなように、配合物(混練用原料)d中の硫酸バリウムの添加量が大きくなるほど放射線遮蔽効果は高まったものの、織物強伸度は低下した。ただし、硫酸バリウムの添加量が10〜80重量%の場合には、放射線遮蔽効果と織物強伸度との両方ともフレキシブルコンテナバッグ10用の原反として評価を得た。特に、硫酸バリウムの添加量が30〜50重量%の場合には、例えば放射線遮蔽織物Sをフレキシブルコンテナバッグ10用の原反Aとして使用した際、好適な放射線遮蔽効果と織物強伸度とが得られた。
また、耐候性については、配合物d中の耐候剤の添加量が0.2〜2.0重量%のときに良好な結果が得られ、特に0.6〜2.0重量%の場合に、最適な耐候性が得られた。
この発明は、例えば、放射性物質により汚染された汚染表土を保管、運搬する技術として有用である。
10 放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグ、
50 放射線遮蔽カバー、
60 放射線遮蔽袋、
61 外袋、
62 合成樹脂基材フィルム層、
63 放射線遮蔽金属箔層、
64 内袋、
65 袋本体、
66 線ファスナ、
67 外布、
68 内布、
69 布蓋、
S 放射線遮蔽織物、
Y テープヤーン、
a 主原料(熱可塑性合成樹脂)、
b 放射線遮蔽原料(硫酸バリウム)、
c 添加剤(耐候剤)、
d 配合物(混練用原料)。

Claims (2)

  1. 熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と、硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料を用い、その強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを作製し、
    このテープヤーンから原反を織り上げ、
    この原反を裁断することにより複数の部品シートを作製し、
    これらの複数の部品シートのうち、隣接するもの同士を縫着して作製された放射線遮蔽フレキシブルコンテナバッグ
  2. 原反から得られた外袋に、合成樹脂基材フィルム層に放射線遮蔽金属箔層が積層された内袋を縫着して作製された袋本体と、
    線ファスナを介して前記袋本体の開口部に設けられ、かつ前記原反から得られた外布に、前記合成樹脂基材フィルム層に前記放射線遮蔽金属箔層が積層された内布を縫着して作製された布蓋とを備えた放射線遮蔽袋であって、
    熱可塑性合成樹脂50〜70重量%と硫酸バリウム30〜50重量%との混練用原料を用いて作製され、その強度が3.0cN/dt以上のテープヤーンを用い、このテープヤーンから前記原反が織り上げられた放射線遮蔽袋
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