JP2013204200A - 軟x線減弱性織物及び軟x線減弱性衣服 - Google Patents

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Abstract

【課題】軟X線から人体を防護し、軽量で通気性がよく、風合いが柔らかく、製造が容易で安価であり、着用感に優れる軟X線減弱性織物及びそれを用いてなる軟X線減弱性衣服を提供する。
【解決手段】バリウム化合物を60重量%含有するナイロン6繊維からなる芯部と、バリウム化合物を含有しないポリエステル繊維からなる鞘部とからなる、芯鞘重量比率3/2である同心円状の芯鞘型合成繊維(150dteX、24フィラメント)を仮撚加工したものを経糸及び緯糸に用い二重織物を作製し、精練後、180℃乾熱で熱セットを施し、表裏面とも経糸密度128本/インチ、緯糸密度67本/インチ、厚み0.63mm、目付311g/cm2 、見掛け密度0.49g/m3 の織物を得た。織物の開孔率は0.3%で、軟X線減弱率は34.4〜38.4%であった。この軟X線減弱性織物を縫製して製造した軟X線減弱性衣服は、軽量で通気性がよく、着用感に優れていた。
【選択図】なし

Description

本発明は、軟X線減弱性織物及び軟X線減弱性衣服に関する。特に、軟X線(10keV〜40keV)の減弱効果に優れ、風合いが柔らかく通気性がよく、優れた着用感を有する軟X線減弱性織物に関する。また、軟X線診断装置を扱う医療従事者等が着用するための軟X線減弱性衣服に関する。
X線診断装置等を取り扱う際、作業者(医療従事者)をX線から防護する目的や、漏洩線、被照射体(被検者)から出てくる散乱線から防護する目的で、X線防護服またはシートが使用される。医療従事者は、X線を直接被ばくすることは殆ど無く、散乱線が医療従事者の被ばくの主な要因となる。散乱線スペクトルは、X線管装置から放射されるX線スペクトルに比べて低エネルギー側にシフトしたものとなり、約30keVを中心とした紡錘形のエネルギー分布を示す。この低エネルギー成分は、人体に影響が大きいことが知られている。
X線を減弱する方法として、特許文献1に記載されているように、合成樹脂に鉛金属繊維を配合してシート状にしたものがある。しかし、鉛を使用すると健康や環境に影響を及ぼす可能性がある。また、鉛を使用したシートは、自重が大きくなり、通気性が不足し、風合いが硬くなるという問題がある。そこで、特許文献2には、鉛に代えてタングステンを含有する熱可塑性合成樹脂を繊維状に成形し、該繊維を生地状に形成してなる有害放射線遮蔽材が記載されている。
特開昭58−060299号公報 特開平08−179090号公報
しかし、鉛に代えてタングステンを用いても、やはり生地の自重が大きくなり、また通気性が不足し、風合いが硬くなるため、衣服とした場合の着用感が損なわれるという問題点があった。また、タングステンは融点・硬度が高いため、繊維加工時に必要になる微粒子を作製するのが困難であり、かつ、レアメタルであるためコスト高となるという問題点があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、軟X線から人体を防護し、軽量で通気性がよく、風合いが柔らかく、製造が容易で安価であり、着用感に優れる軟X線減弱性織物及びそれを用いてなる軟X線減弱性衣服を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係る軟X線減弱性織物は、
バリウム化合物の微粒子の含有量が10重量%〜50重量%の範囲内の合成繊維、
バリウム化合物の微粒子の含有量が40重量%〜70重量%の範囲内の芯部と、バリウム化合物の微粒子の含有量が1重量%以下またはゼロの鞘部とを有する芯鞘型合成繊維、
または前記合成繊維と前記芯鞘型合成繊維の両方、
を用いて構成された軟X線減弱性織物であって、
開孔率が0.1%〜0.5%の範囲内にあり、
見掛け密度が0.05g/cm3〜0.55g/cm3 の範囲内にある。
ここで、JIS−Z−4501−2011のX線防護用品類の鉛当量試験方法に準じて測定したX線管電圧が25kV〜35kVにおける軟X線減弱率が20%以上であることが好ましい。
また、前記バリウム化合物は硫酸バリウムであることが好ましい。
また、前記織物が二重織り組織を有することが好ましい。
また、通気度が10ml・cm−2・s−1〜20ml・cm−2・s−1の範囲内にあることが好ましい。
また、前記バリウム化合物の微粒子の平均粒子径が0.1μm〜1.0μmの範囲内にあることが好ましい。
本発明の第2の観点に係る軟X線減弱性衣服は、上記軟X線減弱性織物のいずれかを用いてなる。
本発明の軟X線減弱性織物は、バリウム化合物を特定量含有する合成繊維を織物に形成したことにより、有害な軟X線を有効に減弱できるばかりでなく、軽量で通気性がよく、風合いが柔らかく、製造が容易で安価であり、着用感に優れるという優れた効果を奏する。
X線及び散乱線のエネルギー分布を示す図である。 本発明の実施形態に係る軟X線減弱性織物の散乱線に対する減弱性を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の軟X線減弱性織物は、バリウム化合物の微粒子の含有量が10重量%〜50重量%の範囲内の合成繊維、バリウム化合物の微粒子の含有量が40重量%〜70重量%の範囲内の芯部と、バリウム化合物の微粒子の含有量が1重量%以下またはゼロの鞘部とを有する芯鞘型合成繊維、または前記合成繊維と前記芯鞘型合成繊維の両方、を用いて構成されている。
鉛(Pb)やタングステン(W)は高原子番号であるため、X線減弱効果は大きい。しかし、鉛は体表や消化器官に対する暴露(接触・定着)により腹痛・嘔吐・伸筋麻痺・感覚異常症など様々な中毒症状を起こすため、使用するには注意が必要である。また、織物に使用した場合に、重量が大きくなるという問題点がある。タングステンは融点・硬度が高いため、繊維加工時に必要になる微粒子を作製するのが困難であり、かつ、レアメタルであるためコスト高となる。また、鉛と同じく、織物に使用した場合に、重量が大きくなるという問題点がある。
これに対して、バリウム(Ba)の化合物は、高原子番号で、人体に無害で、硬度が低く、軽量で安価である。バリウム化合物としては、硫酸バリウム、炭酸バリウム、チタン酸バリウム、水酸化バリウム、硝酸バリウム、バリウム=4−(5−クロロ−4−メチル−2−スルホナトフエニルアゾ)−3−ヒドロキシ−2−ナフトアート等がある。本実施形態の軟X線減弱性織物を構成するためには、バリウム化合物の中でも、特に、入手が容易であり、人体に無害で、かつ軽量で安価であることから、硫酸バリウムが最も適している。
本実施形態の軟X線減弱性織物は、その開孔率が0.1%〜0.5%の範囲内にあることが必要である。開孔率が0.1%未満であると、通気性が悪くなり、着用感を損なうおそれがある。一方、開孔率が0.5%を超えると、軟X線減弱性が不足するおそれがある。
ここで、開孔率とは、光学顕微鏡(倍率:100倍)により織物の表面から光を当てた状態で、開孔部が白、繊維部が黒になるような拡大写真を撮り、写真の画像をCCDカメラによりコンピュータに取り込み、画像処理ソフトにより取り込んだ画像を、輝度差により白と黒に2値化し(輝度70〜130(輝度公差:26)の範囲を開孔部に設定)、全体面積のうち白(開孔部)の面積割合を算出して得られる値である。
本実施形態の軟X線減弱性織物は、その見掛け密度が0.05g/cm3〜0.55g/cm3 の範囲内にあることが必要である。好ましくは、見掛け密度が0.05g/cm3〜0.50g/cm3 の範囲内である。見掛け密度が0.55g/cm3 を超えると軟X線減弱性織物の風合いが硬くなるとともに、通気性が極端に低下し、快適性に劣るおそれがある。一方、見掛け密度が0.05g/cm3未満であると、織物としての強度が不足するおそれがある。
前記バリウム化合物微粒子を含有する合成繊維は、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系等の合成繊維を用いることができるが、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の溶融紡糸によって製造される合成繊維が製造工程上好ましい。
含有するバリウム化合物微粒子は、原糸製造に障害を及ぼさなければ、その種類は特に限定されない。また、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム等の無機微粒子を併用することができる。これらの無機微粒子は、単独もしくは2種以上を併用することができる。バリウム化合物微粒子やこれら使用される無機微粒子の平均粒子径は、一般に、0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは、0.1μm〜0.5μmの範囲内である。平均粒子径が1.0μmより大きい粗大粒子になると、紡糸時の糸切れにつながり好ましくない。一方、平均粒子径が0.1μmを下回ると、合成繊維中に均一に分散させることが困難になる。
また、これらの他に必要に応じて、紫外線安定剤、酸化防止剤等の安定剤を添加しても良い。その添加量は、特に制限はないが、通常1重量%以下、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%を添加することができる。さらに、これ以外の第3成分を必要に応じて、添加することができる。
バリウム化合物微粒子の含有量は、芯鞘型でない単一のポリマー組成からなる合成繊維の場合、10重量%〜50重量%である。含有量が10重量%未満では軟X線の減弱効果が劣るものとなり、50重量%を超えると紡糸安定性、製織性が著しく低下する。また、芯鞘型合成繊維の場合は、芯部のバリウム化合物微粒子の含有量が40重量%〜70重量%であることが必要である。含有量が40重量%未満では軟X線の減弱効果が劣るものとなり、70重量%を超えると微粒子の均一な分散が困難となり、紡糸時の糸切れなどの問題が生じる。また、鞘糸のバリウム化合物微粒子の含有量は1.0重量%以下であることが必要である。1.0重量%を超えると製織性が損なわれるおそれがある。製織性の観点からは、単一構造糸よりも芯鞘型合成繊維の方がより好ましい。
芯鞘型合成繊維の場合、芯部と鞘部は同種のポリマー組成であっても、異なるポリマー組成であってもよい。例えばポリエステル芯鞘型合成繊維の場合、鞘部のみが共重合ポリエステルであってもよい。また、ポリアミド芯鞘型合成繊維の場合、芯部がナイロン66で鞘部がナイロン6であってもよい。
また、芯部と鞘部は同心円状に複合されていてもよく、偏心して複合されていてもよい。芯成分の鞘成分に対する重量比は1/4〜4/1の範囲が好ましい。芯成分の重量比が1/4未満であると軟X線の減弱効果が劣るものとなり、4/1を超えると紡糸時に芯成分がフィラメントの表面に露出し、安定した芯鞘形状が難しくなる。より好ましい芯鞘比は、1/2〜2/1である。さらに好ましい芯鞘比は、1/1である。
また、バリウム化合物微粒子を含有する合成繊維の断面形状は特に限定されるものでなく、丸形、三角、Y型、L型、W型、扁平、C型、多葉型等、どのような形状であっても良い。また、繊維の形態は長繊維でも短繊維でも良く、長さ方向に均一なものや太細のあるものでもよい。さらには、長繊維に仮撚等の捲縮加工、流体噴射加工、撚糸等の加工が施されたものでもよい。
本実施形態で使用する合成繊維の繊度は、特に限定されるものではないが、衣料用として用いることを考慮すると総繊度は20dtex〜300dtexの範囲内、単糸繊度は0.5dtex〜7dtexの範囲内にあることが好ましい。医療用衣料用途の場合には、100dtex〜200dtexの範囲内がより好ましい。柔らかな風合いを重視する場合にも、100dtex〜200dtexの範囲内がより好ましい。
また、本実施形態の軟X線減弱性織物は、本発明の目的を損なわない範囲内で、バリウム化合物微粒子を含有した合成繊維と、他の繊維が混用されていても良い。他の繊維にはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル等の合成繊維や、綿、麻、ウール等の天然繊維等、任意の繊維を用いることができる。
混用の方法は、混紡、エアー混繊、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)等の手段によることができる。また、交織により混用することもできる。交織の場合、経糸または緯糸の少なくとも一方に用いたり、1本交互や2本交互等で配置したり、2層、3層等で配置する方法等で混用することができる。しかしながら他の繊維と混用する場合は、軟X線の減弱効果を低下させないために、バリウム化合物微粒子を含有した合成繊維の重量混率が、軟X線減弱性織物の重量の80%以上であることが好ましい。より好ましくは90%以上である。また、1本交互や2本交互等の様に周期的に軟X線減弱性織物に配置されているか、軟X線減弱性織物の1層全面に配置されていることが好ましい。
さらに、本実施形態の軟X線減弱性織物において軟X線の減弱率は20%以上であることが好ましい。より好ましくは、軟X線の減弱率は、30%以上である。さらに好ましくは、軟X線の減弱率は、35%以上である。本発明者らは、散乱するX線の影響について検討した結果、X線管装置から放射されるX線スペクトルは図1の破線の様な分布になるが、散乱線スペクトルは図1の実線のように低エネルギー側にシフトしたものとなるという知見を得た。この知見に基づいて、バリウム化合物を軟X線減弱性織物に混入させている。バリウムは、約37keVに質量減弱係数の吸収端を持つ。このため、図2に破線で示すようなエネルギースペクトルを持つ散乱線に対して、バリウム化合物を衣服に混入させれば、図2に実線で示すように散乱線を減弱させることが可能である。さらに、37keV以上のエネルギーを持つ散乱線を大幅に減弱することができる。また、着用快適性を十分に有し、軟X線の減弱率をより高く保つことが可能な布帛における軟X線減弱率が20%以上であるという知見を得た。
また、本実施形態の軟X線減弱性織物の通気度は、10ml・cm−2・s−1〜20ml・cm−2・s−1の範囲内にあることが好ましい。通気度が10ml・cm−2・s−1未満であると、衣服にした際に蒸れ感があり、着用快適性が低下するおそれがある。一方、通気度が20ml・cm−2・s−1を超えると、軟X線減弱性が不足するおそれがある。
本実施形態に係る軟X線減弱性衣服は、上述した特性を有する軟X線減弱性織物を用いてなることが好ましい。これによって、軽量で通気性がよく、着用感に優れた軟X線減弱性衣服となる。
以下、本発明に係る軟X線減弱性織物及び軟X線減弱性衣服について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明に係る実施例1乃至実施例3の軟X線減弱性織物を製造して、物性値を測定した。なお、比較のため、比較例1及び比較例2の軟X線減弱性織物を製造して、物性値を測定した。実施例及び比較例における各物性値は、以下の方法により測定、評価した。
(1)厚みの測定
厚み計により5g/cm2 荷重における織物の厚み[mm]を測定した。
(2)見掛け密度の測定
織物の目付[g/m2 ]と厚み[mm]の関係から以下にて算出した。
見掛け密度[g/cm3 ]=目付[g/m2 ]/厚み[mm]/1000
(3)通気性の測定
JIS−L−1096−2011のフラジール形法に準じて通気度[ml・cm−2・s−1]を測定した。
(4)軟X線減弱率の測定
X線管電流は10mAに固定し、X線管電圧を25、28、30、32、35kVと変化させ、電離箱検出器でJIS−Z−4501−2011のX線防護用品類の鉛当量試験方法に準じて減弱率[%]を測定した。
(5)風合いの評価
作製した織物の風合いを以下判定基準にて10人で官能評価した。
○:風合いが柔らかく良好
×:風合いが硬く不良
(6)バリウム化合物の平均粒子径の測定
レーザ回折・散乱式粒度分布計(日機装株式会社製 マイクロトラック)を用いて測定した。
〔実施例1〕
合成繊維として、平均粒子径1μmの硫酸バリウム微粒子を60重量%含有するナイロン6繊維からなる芯部と、硫酸バリウム微粒子を含有しないポリエステル繊維からなる鞘部とからなる、芯鞘重量比率3/2である同心円状の芯鞘型合成繊維(150dteX、24フィラメント)を使用した。仮撚加工したものを経糸及び緯糸に用いて織物を作製し、精練後、180℃乾熱で熱セットを施し、二重織物を得た。表裏面とも経糸密度128本/インチ、緯糸密度67本/インチ、厚み0.63mm、目付311g/m2 、見掛け密度0.49g/cm3 であった。織物の開孔率は0.3%で、軟X線減弱率は34.4%〜38.4%であった。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
合成繊維として、平均粒子径1μmの硫酸バリウム微粒子を60重量%含有するナイロン6繊維からなる芯部と、硫酸バリウム微粒子を含有しないポリエステル繊維からなる鞘部とからなる、芯鞘重量比率3/2である同心円状の芯鞘型合成繊維(150dteX、24フィラメント)を使用した。仮撚加工したものを経糸及び緯糸に用いて織物を作製し、精練後、180℃乾熱で熱セットを施し、二重織物を得た。表裏面とも経糸密度128本/インチ、緯糸密度59本/インチ、厚み0.63mm、目付302g/m2 、見掛け密度0.47g/cm3 であった。織物の開孔率は0.4%で、軟X線減弱率は29.8%〜33.3%であった。評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
合成繊維として、平均粒子径1μmの硫酸バリウム微粒子を45重量%含有するナイロン6繊維からなる芯部と、硫酸バリウム微粒子を含有しないポリエステル繊維からなる鞘部とからなる、芯鞘重量比率3/2である同心円状の芯鞘型合成繊維(150dteX、24フィラメント)を使用した。仮撚加工したものを経糸及び緯糸に用いて織物を作製し、精練後、180℃乾熱で熱セットを施し、二重織物を得た。表裏面とも経糸密度128本/インチ、緯糸密度76本/インチ、厚み0.63mm、目付290g/m2 、見掛け密度0.46g/cm3 であった。織物の開孔率は0.2%で、軟X線減弱率は20.1%〜22.5%であった。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1と同じ芯鞘型合成繊維を経糸及び緯糸に用いて織物を作製し、精練後、180℃乾熱セットを施し、二重織物を得た。表裏面とも経糸密度128本/インチ、緯糸密度90本/インチ、厚み0.63mm、目付364g/m2 、見掛け密度0.57g/cm3であった。この織物の開孔率は0.02%で、軟X線減弱率は36.8%〜41.0%であった。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1と同じ芯鞘型合成繊維を経糸及び緯糸に用い一重織物(朱子織り)を作製し、精練後、180℃乾熱セットを施し、経糸密度124本/インチ、緯糸密度77本/インチ、厚み0.50mm、目付244g/m2 、見掛け密度0.48g/cm3 の織物を得た。この織物の開孔率は4.3%で、軟X線減弱率は10.3%〜14.7%であった。評価結果を表1に示す。
Figure 2013204200
表1に示すように、本発明の実施例1に係る軟X線減弱性織物は、見掛け密度が0.49g/m3 、開孔率は0.3%で、軟X線減弱率は34.4%〜38.4%であった。通気度は、11.1ml・cm−2・s−1であり、風合いも柔らかく良好であった。実施例2に係る軟X線減弱性織物は、見掛け密度が0.47g/m3 、開孔率は0.4%で、軟X線減弱率は29.8%〜33.3%であった。通気度は、12.2ml・cm−2・s−1であり、風合いも柔らかく良好であった。実施例3に係る軟X線減弱性織物は、見掛け密度が0.46g/m3 、開孔率は0.2%で、軟X線減弱率は20.1%〜22.5%であった。通気度は、10.5ml・cm−2・s−1であり、風合いも柔らかく良好であった。
これに対して、比較例1の軟X線減弱性織物は、見掛け密度が0.57g/m3 、軟X線減弱率は36.8%〜41.0%であるが、開孔率が0.02%と小さい。このため、通気度が0.69ml・cm−2・s−1と小さく、風合いも硬く不良である。
また、比較例2の軟X線減弱性織物は、見掛け密度が0.48g/m3 であり、風合いも柔らかく良好であるが、開孔率が4.3%と大きい。このため、通気度が26.3ml・cm−2・s−1と大きく、軟X線減弱率も10.3%〜14.7%で十分とはいえない。
上記実施例1乃至3に係る軟X線減弱性織物を縫製して、軟X線減弱性衣服を製造した。これらの軟X線減弱性衣服は、軽量で通気性がよく、着用感に優れていた。
以上説明したように、本発明の実施例1乃至3に係る軟X線減弱性織物を用いて軟X線減弱性衣服とすることによって、軟X線から人体を防護し、風合いが柔らかく、かつ、軽量で通気性がよく着用感に優れる軟X線減弱性衣服を得ることができる。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態及び実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
本発明の軟X線減弱性織物及び軟X線減弱性衣服は、X線診断装置等を取り扱う作業者をX線及びその散乱線から防護するのに適している。

Claims (7)

  1. バリウム化合物の微粒子の含有量が10重量%〜50重量%の範囲内の合成繊維、
    バリウム化合物の微粒子の含有量が40重量%〜70重量%の範囲内の芯部と、バリウム化合物の微粒子の含有量が1重量%以下またはゼロの鞘部とを有する芯鞘型合成繊維、
    または前記合成繊維と前記芯鞘型合成繊維の両方、
    を用いて構成された軟X線減弱性織物であって、
    開孔率が0.1%〜0.5%の範囲内にあり、
    見掛け密度が0.05g/cm3〜0.55g/cm3 の範囲内にある、
    軟X線減弱性織物。
  2. JIS−Z−4501−2011のX線防護用品類の鉛当量試験方法に準じて測定したX線管電圧が25kV〜35kVにおける軟X線減弱率が20%以上である、請求項1に記載の軟X線減弱性織物。
  3. 前記バリウム化合物は硫酸バリウムである、請求項1または2に記載の軟X線減弱性織物。
  4. 二重織り組織を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の軟X線減弱性織物。
  5. 通気度が10ml・cm−2・s−1〜20ml・cm−2・s−1の範囲内にある、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の軟X線減弱性織物。
  6. 前記バリウム化合物の微粒子の平均粒子径が0.1μm〜1.0μmの範囲内にある、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の軟X線減弱性織物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の軟X線減弱性織物を用いてなる、軟X線減弱性衣服。
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