JP2014070324A - X線減衰繊維、その繊維を用いた布帛および衣料品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 X線被爆を軽減する衣服に用いるのに好適な、安定して生産できる、良好なX線減衰率を有する繊維を得る。
【解決手段】 レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を20〜35容量%を含有した相対粘度2.3〜2.6のポリアミド層を有し、そのポリアミド層の容積比率が、45〜70%からなるX線減衰繊維である。
【選択図】なし
【解決手段】 レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を20〜35容量%を含有した相対粘度2.3〜2.6のポリアミド層を有し、そのポリアミド層の容積比率が、45〜70%からなるX線減衰繊維である。
【選択図】なし
Description
本発明は、X線を用いて検査・測定を行う作業従事者に対して、漏洩したX線による被爆を軽減するために好適なX線減衰繊維、その繊維を用いた布帛および衣料品に関する。
医療現場や工場など、X線を用いた検査を行う作業従事者は、万が一X線が漏洩した際の被爆から身を守るために、ゴム等に鉛などの重金属シートが入ったX線防護エプロンを着用している。しかしながら、従来のX線防護エプロンは、高重量、フィット感が無いため、作業性が悪いだけでなく、作業時の疲労蓄積といった問題がある。更には、着用性や着用感が悪いためにX線作業時にのみ着用するといった常時着用がなされていないのが現状であり、当該者はX線従事作業中以外の不慮の被爆を避けられないのが現状である。
一方、無機粒子を高濃度に合成繊維に含有させる技術は、繊維本来の力学的性質、熱的性質など、更なる機能を手頃な価格で付与する手段として有用な技術である。付与できる機能は、例えば高比重化、可視光その他電磁波の遮蔽、反射、導電性などがある。この技術を用いれば、X線不透過性を有する無機粒子を含んだ繊維を作製することも可能である。
特許文献1には、二酸化チタンと酸化鉄の混合粉末を50〜85重量%で含有する芯ポリマーと保護層ポリマーとの複合繊維について記載されている。この繊維は比重が高いために、漁網にした場合の高速沈降や潮流に対する保形性を目的としている。
特許文献2には、芯成分として、バリウム、チタン、アルミ、鉄、銅、タングステン、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化第二鉄よりなる群から選ばれる粒子単独、およびこれらの混合物を含有した特定の共重合ポリエステル、鞘成分としてポリエステルとを用いた芯鞘複合繊維が開示されている。これにより、高強度、高比重であるとともに高い発色性や耐摩耗性を得られ、高比重が要求される、漁網用ネット等に好適に用いられることが記載されている。
特許文献3には、放射線不透過剤を含有する熱可塑性樹脂からなる繊維が、X線感応性を有することを開示している。
特許文献4には、原子番号40以上の元素からなる単体もしくは化合物からなる粒子を20〜80重量%含有する熱可塑性樹脂を芯部に用いることで放射線防護布帛が作製可能であることを開示している。さらには、粒子の粒径は、0.5μm以下が特に好ましいことが開示されている。
しかしながら、特許文献1記載の繊維に含有されている二酸化チタンと酸化鉄粒子はX線を減衰する性能が小さいため、医療現場などでX線を用いた検査する作業従事者用の衣服に用いるのは適当でない。
また、特許文献2に記載の芯鞘複合繊維に用いる芯部分の共重合ポリエステルは、粒子を含有していると、粒子中に含有する水分によって溶融時に樹脂の熱劣化を引き起こし、紡糸操業性の悪化につながるために好適ではない。
特許文献3の発明では、X線透視検査の際、X線に感応しその存在を明らかにすることが開示されているに過ぎない。更には、特許文献3の実施例において、平均粒径0.7μmの硫酸バリウムを相対粘度3.51のナイロン6に55質量%複合させた樹脂を繊維の芯部に用いることを開示しているが、このような比較的高粘度のベース樹脂を用い高複合化率で複合化を行なった場合、流動性に乏しく安定した製糸を実施するのは極めて困難である。
特許文献4では、放射線を減衰する目的で添加される粒子を原子番号が40以上の元素単体もしくは化合物と規定しているに過ぎず、添加量を重量%で規定した場合、その粒子の比重が低い場合は容積比率を高める必要があり、その影響として複合樹脂の流動性が甚だしく低下する。更に粒子複合樹脂においては、その粒子の粒度分布により流動性が影響を受けることを知られているが、特許文献4では、粒子の平均粒子径を推奨しているに過ぎず、粒度分布の影響については、一切開示されていない。
このように、特許文献1〜4に記載された繊維では、X線被爆を軽減する衣服に用いるのに好適な、安定して生産できる、良好なX線減衰率を有する繊維を得ることはできなかった。
また、特許文献2に記載の芯鞘複合繊維に用いる芯部分の共重合ポリエステルは、粒子を含有していると、粒子中に含有する水分によって溶融時に樹脂の熱劣化を引き起こし、紡糸操業性の悪化につながるために好適ではない。
特許文献3の発明では、X線透視検査の際、X線に感応しその存在を明らかにすることが開示されているに過ぎない。更には、特許文献3の実施例において、平均粒径0.7μmの硫酸バリウムを相対粘度3.51のナイロン6に55質量%複合させた樹脂を繊維の芯部に用いることを開示しているが、このような比較的高粘度のベース樹脂を用い高複合化率で複合化を行なった場合、流動性に乏しく安定した製糸を実施するのは極めて困難である。
特許文献4では、放射線を減衰する目的で添加される粒子を原子番号が40以上の元素単体もしくは化合物と規定しているに過ぎず、添加量を重量%で規定した場合、その粒子の比重が低い場合は容積比率を高める必要があり、その影響として複合樹脂の流動性が甚だしく低下する。更に粒子複合樹脂においては、その粒子の粒度分布により流動性が影響を受けることを知られているが、特許文献4では、粒子の平均粒子径を推奨しているに過ぎず、粒度分布の影響については、一切開示されていない。
このように、特許文献1〜4に記載された繊維では、X線被爆を軽減する衣服に用いるのに好適な、安定して生産できる、良好なX線減衰率を有する繊維を得ることはできなかった。
したがって、本発明は、上記のような問題点を解決し、X線減衰性能を有し、X線による検査・測定を行う作業従事者の被爆を軽減する衣類を作製するために、好適に使用できる製糸性がよくX線減衰性能を有する繊維を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を20〜35容量%含有した相対粘度2.3〜2.6のポリアミド層を有し、そのポリアミド層の容積比率が、45〜70%からなるX線減衰繊維をその要旨とする。
なかでも、繊維断面(繊維軸に対し垂直な断面)において、ポリアミド層が、芯鞘構造の芯部を構成しているX線減衰繊維が好ましい。
また、鞘成分が、ポリアミド6樹脂もしくはポリエステル樹脂から構成されるX線減衰繊維であることが好ましい。
そして、強度が1.4cN/dtex以上、3.0cN/dtex以下であるX線減衰繊維が好ましい。
また本発明は、上記X線減衰繊維を用いて作製したX線減衰機能を有する布帛でもある。そして、本発明は、上記X線減衰機能を有する布帛を用いて作製したX線減衰衣料品でもある。
また、鞘成分が、ポリアミド6樹脂もしくはポリエステル樹脂から構成されるX線減衰繊維であることが好ましい。
そして、強度が1.4cN/dtex以上、3.0cN/dtex以下であるX線減衰繊維が好ましい。
また本発明は、上記X線減衰繊維を用いて作製したX線減衰機能を有する布帛でもある。そして、本発明は、上記X線減衰機能を有する布帛を用いて作製したX線減衰衣料品でもある。
本発明のX線減衰繊維は、特定の粒径をもつ硫酸バリウムを含有したポリアミド層を特定の割合で配したものであるため、製糸性に優れるうえ、良好なX線減衰機能を得ることができる。本発明のX線減衰繊維で作製した作業着を着用すると、X線を用いた検査・測定を実施する作業従事者のX線による被爆を軽減するだけでなく、作業性の向上や常時着用による不慮の被爆回避が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は特定の硫酸バリウム粒子を含有したポリアミド層を有したX線減衰繊維である。
ポリアミド層は、例えば、特定の硫酸バリウムとポリアミド樹脂を複合化した樹脂(以下、硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂という)を用いて形成される。
本発明は特定の硫酸バリウム粒子を含有したポリアミド層を有したX線減衰繊維である。
ポリアミド層は、例えば、特定の硫酸バリウムとポリアミド樹脂を複合化した樹脂(以下、硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂という)を用いて形成される。
本発明のX線減衰繊維のポリアミド層を形成する熱可塑性樹脂としては、繊維形成性を有する熱可塑性樹脂の中で、水分の影響によって成型加工時の熱分解が起こりにくく、衣類とした場合のソフト感やしっとり感などの優れた風合いを有するポリアミドを好適に用いることができる。ポリアミドとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド69、ポリアミド46、ポリアミド610、ポリアミド12、ポリアミド611、ポリアミド612、ポリアミド4T、ポリアミド6T、ポリアミド6I、ポリアミド9T、ポリアミド912、ポリアミド1012、ポリアミド1212が挙げられるが、中でもポリアミド6は繊維成形性が高く、入手が容易であり、かつ安価であるため好適に用いることができる。
また、ポリアミド層のポリアミド樹脂の粘度としては、相対粘度2.3〜2.6のものを好適に用いることができる。相対粘度が2.3未満の場合には、分子量が低く繊維形成性が低下する。また相対粘度が2.6を超える場合には、硫酸バリウムを複合化させた複合樹脂としての流動性が低く、紡糸装置に過大な負荷を掛け、さらに繊維形成、特に芯鞘構造の芯部に使用する場合、芯鞘形成性が非常に低下するおそれがある。
上記ポリアミド層以外を形成する熱可塑性樹脂としては、繊維成形性を有するものであれば良いが、安定した複合紡糸が可能で、布帛とした場合の染色性や価格の点から、ポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂が特に好適である。このポリアミド樹脂としては、ポリアミド層に用いたものと同一種類のものや上述の各種ポリアミド樹脂を用いることができる。また、用いるポリアミド樹脂の粘度は、ポリアミド層に用いたポリアミド樹脂よりも相対粘度が高いことが繊維強度の点や芯鞘形成性の点で望ましい。具体的には、ポリアミド層以外を形成するポリアミド樹脂としては、相対粘度が2.7以上、更に好ましくは3.3以上であり、かつ相対粘度が5.0を超えないものを用いることができる。ポリアミド樹脂で相対粘度が5以上のものでは、流動性に乏しく、製糸性が急激に低下するおそれがある。
上記ポリエステル樹脂としては、ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート等があるが、中でもポリエチレンテレフタレート(PET)やポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)が好適に用いられる。ポリアミド層以外を形成する樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合、繊維強度および繊維形成性の点から極限粘度が0.63以上、更に好ましくは0.68以上であり、かつ極限粘度が0.85を超えないものを用いることできる。ポリエステル樹脂で極限粘度が0.85以上のものでは、流動性に乏しく、製糸性が急激に低下するおそれがある。また、本発明に使用するポリエステルは、共重合成分を含まないモポリエステルでもよいが、発明の効果を損なわない範囲で、イソフタル酸などの共重合成分を含んだ共重合ポリエステルでも良い。
これらのポリアミド樹脂およびポリエステル樹脂においては、本発明の効果を損なわない範囲であれば、艶消剤、改質剤、制電剤、難燃剤、顔料等の種々の添加物を添加してもよい。
そして、本発明のX線減衰繊維においては、X線不透過性を有する無機粒子として硫酸バリウムをポリアミド層中に含有する。硫酸バリウムとしては、レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を好適に用いることができる。
硫酸バリウムは一次粒径を小さくした場合には、二次凝集が生じやすくなるため紡糸装置のフィルターが閉塞し易く、同じ複合量であっても生産性が低下すると同時に得られた繊維中に凝集物により繊維径が大きくなった紡錘形の部分(異径部)が多発する。
さらに1μmを超える一次粒子が多く存在すると繊維製造時の延伸工程で糸切れが多発しやはり生産性が低下する。また、硫酸バリウムの平均粒子径(体積累積50%径)が大きい場合、具体的には1μmを超える場合には、製糸時に糸切れが発生しやすくなり、生産性が非常に悪いものとなる。
このため硫酸バリウムとしては、レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、かつ体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を用いることが好適である。
硫酸バリウムは一次粒径を小さくした場合には、二次凝集が生じやすくなるため紡糸装置のフィルターが閉塞し易く、同じ複合量であっても生産性が低下すると同時に得られた繊維中に凝集物により繊維径が大きくなった紡錘形の部分(異径部)が多発する。
さらに1μmを超える一次粒子が多く存在すると繊維製造時の延伸工程で糸切れが多発しやはり生産性が低下する。また、硫酸バリウムの平均粒子径(体積累積50%径)が大きい場合、具体的には1μmを超える場合には、製糸時に糸切れが発生しやすくなり、生産性が非常に悪いものとなる。
このため硫酸バリウムとしては、レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、かつ体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を用いることが好適である。
本発明のX線減衰繊維においては、ポリアミド層の硫酸バリウムの含有量は、ポリアミド層全体に対し20〜35容量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、25〜30容量%以下とすることである。20容量%未満であると、X線減衰性能が不十分となり、35容量%を超えると硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂の流動性が極端に低下し、ポリアミド層の繊維形成が難しくなるおそれがある。
さらに、本発明のX線減衰繊維においては、繊維横断面は、特に限定するものではないが、ポリアミド層の容積比率が、45〜70%であることが好適である。
ポリアミド層の容積比率が45%未満であると布帛としたときのX線減衰性能が十分に得られない。またポリアミド層の比率が高い方がX線減衰性能としては高くなるが、高すぎると、繊維として、強度および伸度が低下し、非常に脆くなり布帛や衣料品として用いることができなくなる。
ポリアミド層の容積比率が45%未満であると布帛としたときのX線減衰性能が十分に得られない。またポリアミド層の比率が高い方がX線減衰性能としては高くなるが、高すぎると、繊維として、強度および伸度が低下し、非常に脆くなり布帛や衣料品として用いることができなくなる。
また本発明のX線減衰繊維は、特に好ましい複合形態として、繊維断面が、芯部と鞘部とからなる芯鞘構造を有したものが好適に挙げられる。なかでも、芯部をポリアミド層としたものは特に好適である。すなわち、芯部をX線減衰性能を有する無機粒子である硫酸バリウムを含有したポリアミド層とすることによって、紡糸時のガイドに対する粒子による磨耗を防ぐため、紡糸操業性が向上する。
本発明のX線減衰繊維は、より高いX線減衰性を付与するために、高密度の布帛を作製し易い長繊維のマルチフィラメントの形態が好ましい。また、織物を作製するために必要な繊維強度は、1.4cN/dtex以上とすることが好ましい。繊維強度は延伸倍率を高くすることで一般に強くなるが、反面、繊維伸度は低下する。繊維伸度が低い場合、製編織時の解舒やガイド通過時において張力変動が大きくなるため、操業性が悪化するため、繊維強度としては3.0cN/dtexを超えないものがよい。具体的な繊維伸度の下限としては、15%であり、好ましくは20%以上の伸度を有することが好ましい。
本発明の繊維の単糸繊度は1〜10dtexの範囲が好ましく、特に2〜5dtexの範囲が好ましい。単糸繊度1dtex以下の場合、紡糸・延撚作業が困難になり、単糸繊度10dtex以上の場合、布帛作製時の風合いが硬くなり、衣料品として着用した際に違和感が強くなる。
本発明のX線減衰繊維の形態としては、通常、繊維長手方向に沿ってポリアミド層を有し、このポリアミド層と繊維形成性樹脂を複合する複合繊維が挙げられる。また、未延伸糸、POY糸、延伸糸等いずれの形態をとってもよい。
本発明のポリアミド層を形成する樹脂を製造する方法は、特に限定されない。一例としては、下記の方法が挙げられる。前記ベース樹脂に前記硫酸バリウムおよび前記各種添加剤を二軸押出混練機やで溶融混練した後に索状に押出し、2〜5mm長さに切断してペレットを得る。
次に本発明のX線減衰複合繊維の製造方法について例示する。
繊維化に関しては、通常用いられる溶融複合紡糸機を用いることができる。具体的には、硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなる鞘成分樹脂(B)を別々に熱溶融する為の押出機と樹脂溶融体を定量で計量押出するギアポンプを通し、別々の樹脂溶融体を芯・鞘断面形状に口金内で会合してから押出、口金から押出された複合繊維を冷却しながら繊維を巻き取る巻取り部分からなる。
繊維化に関しては、通常用いられる溶融複合紡糸機を用いることができる。具体的には、硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなる鞘成分樹脂(B)を別々に熱溶融する為の押出機と樹脂溶融体を定量で計量押出するギアポンプを通し、別々の樹脂溶融体を芯・鞘断面形状に口金内で会合してから押出、口金から押出された複合繊維を冷却しながら繊維を巻き取る巻取り部分からなる。
押出機の温度は各々の樹脂の流動性から判断できるが、各々の樹脂の融点+10℃〜100℃が好ましく、さらに好ましくは融点+20〜80℃である(但し、上限温度は、熱分解温度開始温度とする)。溶融温度が低い場合、樹脂が溶融不足のため繊維化できず、また上限温度以上では分解樹脂の熱分解や溶融粘度が低くなりすぎるため紡糸困難となる。紡糸時の巻取り速度は、生産性や操業性について考慮する必要があるが、400〜4000m/分の範囲で適宜設定できる。400m/分以下の巻取り速度では、生産性が悪い問題があり、4000m/分以上の巻取り速度では、糸切れ発生など操業性が悪い問題がある。
巻き取られたX線減衰繊維については、硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂(A)とポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなる鞘成分樹脂(B)のいずれか高いほうのガラス転移温度以上で延伸を行う必要があるが、ヒーター温度は室温〜200℃の範囲であり、延伸点とヒーターの位置との関係から適正温度を設定できる。延伸条件は、1段延伸もしくは多段延伸いずれの延伸方法でも可能であるが、総延伸倍率は所望する繊維の強度や伸度のバランスにより任意に設定でき、1.1倍〜5.0倍の範囲で行う。尚、X線減衰複合繊維の作製法は、未延伸状態で巻き取った後、別工程で延伸を行うコンベンショナル法でも、直接延伸して巻き取るスピンドロー法(直延伸法)でも、更に部分未延伸糸(POY)を得る方法でも良い。
次に本発明のX線減衰繊維を用いた布帛の製造方法について例示する。
X線減衰繊維を用いた布帛の製造方法は公知の方法でよい。例えば、有杼織機やレピア織機、ウォータージェット織機、エアジェット織機などの無杼織機用いて、平織、朱子織、斜紋織などの組織を持った布帛を作製できる。さらには、より高密度織物とする目的で二重織等の組織としても良い。また、丸編み、たて編み等の編み物でもなんら問題はないが、高密度が容易に達成できる織物の方が好ましい。
X線減衰繊維を用いた布帛の製造方法は公知の方法でよい。例えば、有杼織機やレピア織機、ウォータージェット織機、エアジェット織機などの無杼織機用いて、平織、朱子織、斜紋織などの組織を持った布帛を作製できる。さらには、より高密度織物とする目的で二重織等の組織としても良い。また、丸編み、たて編み等の編み物でもなんら問題はないが、高密度が容易に達成できる織物の方が好ましい。
次に本発明のX線減衰繊維を用いた布帛の製造方法について例示する。
X線減衰繊維からなる布帛を裁断および縫製して衣料品を作製することができる。更に生殖器部分や甲状腺と言った部分付近については、布帛を重ね合わせた構造をとってもよいし、さらには重ね着ができる構造を有してもよい。
X線減衰繊維からなる布帛を裁断および縫製して衣料品を作製することができる。更に生殖器部分や甲状腺と言った部分付近については、布帛を重ね合わせた構造をとってもよいし、さらには重ね着ができる構造を有してもよい。
(硫酸バリウムの粒子径測定方法)
レーザー回析式粒度分布計(日機装製、マイクロトラックHRA)を用い水を媒体として測定を実施した。測定時、硫酸バリウムの屈折率は、1.64を用いた。
また、平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布計で得られる粒子径レンジに対する体積頻度を累積分布で表し、その累積パーセントが50%となるところを平均粒子径(体積累積50%径)とした。
粒度分布における大粒子の存在割合の目安として、体積累積が90%に該当する径を体積累積90%径とした。
レーザー回析式粒度分布計(日機装製、マイクロトラックHRA)を用い水を媒体として測定を実施した。測定時、硫酸バリウムの屈折率は、1.64を用いた。
また、平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布計で得られる粒子径レンジに対する体積頻度を累積分布で表し、その累積パーセントが50%となるところを平均粒子径(体積累積50%径)とした。
粒度分布における大粒子の存在割合の目安として、体積累積が90%に該当する径を体積累積90%径とした。
(ポリアミド樹脂の相対粘度の測定方法)
96%濃硫酸を用い1質量%溶液の粘度を定法にて測定し、用いた濃硫酸単独の粘度の比を〔ηr〕とした。
96%濃硫酸を用い1質量%溶液の粘度を定法にて測定し、用いた濃硫酸単独の粘度の比を〔ηr〕とした。
(ポリエステル樹脂粘度の測定方法)
溶媒にフェノール/テトラクロロエタン(体積比率6/4)を用いて、恒温槽20℃にて測定した。
溶媒にフェノール/テトラクロロエタン(体積比率6/4)を用いて、恒温槽20℃にて測定した。
(硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂の作製)
硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、バリエースB−55、体積累積50%径=0.61μm、体積累積90%径=1.25μm)とポリアミド6樹脂(DSM社製、1010J、ηr=2.4)を用い、所定の割合で2軸同方向押出機に投入し、270℃〜300℃の温度範囲で溶融混練し、ペレット状の硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を作製した。
硫酸バリウム(堺化学工業株式会社製、バリエースB−55、体積累積50%径=0.61μm、体積累積90%径=1.25μm)とポリアミド6樹脂(DSM社製、1010J、ηr=2.4)を用い、所定の割合で2軸同方向押出機に投入し、270℃〜300℃の温度範囲で溶融混練し、ペレット状の硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を作製した。
(製糸方法:未延伸糸の作成)
紡糸装置を用いて定法にて未延伸糸を得た。具体的には、上記硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂と、ポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなる鞘成分樹脂(B)を各々の押出機に充填し、押出機温度を260℃〜300℃にて溶融ギアポンプの入り口圧力が4〜12MPaとなるように押出機のスクリュー回転数を調整しながら、所定のギアポンプ回転数にて各々の溶融樹脂を紡糸ノズルへ供給し、芯・鞘繊維断面形状になるように流路設計された紡糸ノズル内で複合化を行い、紡糸ノズル先端より繊維状に押し出しを行った。押出された繊維は、空冷した後、油剤を付与してから巻取り、未延伸糸を得た。
紡糸装置を用いて定法にて未延伸糸を得た。具体的には、上記硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂と、ポリアミド樹脂もしくはポリエステル樹脂からなる鞘成分樹脂(B)を各々の押出機に充填し、押出機温度を260℃〜300℃にて溶融ギアポンプの入り口圧力が4〜12MPaとなるように押出機のスクリュー回転数を調整しながら、所定のギアポンプ回転数にて各々の溶融樹脂を紡糸ノズルへ供給し、芯・鞘繊維断面形状になるように流路設計された紡糸ノズル内で複合化を行い、紡糸ノズル先端より繊維状に押し出しを行った。押出された繊維は、空冷した後、油剤を付与してから巻取り、未延伸糸を得た。
(製糸方法:延伸方法)
延伸装置を用いて定法にて未延伸糸を3.0〜4.0倍に延伸し、延伸糸を得た。具体的には、未延伸糸を装置にセットし、繊維を70℃〜90℃に設定した予備過熱ローラーで予熱し、更に140℃〜160℃に設定したプレートヒータ表面に触れるようにしながら予備加熱ローラーの3.0〜4.0倍の速度に設定されたドローローラーで引っ張ることにより延伸を行い、更に巻取り装置にて巻取り延伸糸を得た。
延伸装置を用いて定法にて未延伸糸を3.0〜4.0倍に延伸し、延伸糸を得た。具体的には、未延伸糸を装置にセットし、繊維を70℃〜90℃に設定した予備過熱ローラーで予熱し、更に140℃〜160℃に設定したプレートヒータ表面に触れるようにしながら予備加熱ローラーの3.0〜4.0倍の速度に設定されたドローローラーで引っ張ることにより延伸を行い、更に巻取り装置にて巻取り延伸糸を得た。
(X線減衰繊維を用いたX線減衰性能を評価布帛の作製)
X線減衰性能を評価するために経128本/2.54cm、緯64本/2.54cmの平織を作製し、30°づつ回転方向にずらした状態で3枚を重ね合わせてX線減衰評価に用いた。
X線減衰性能を評価するために経128本/2.54cm、緯64本/2.54cmの平織を作製し、30°づつ回転方向にずらした状態で3枚を重ね合わせてX線減衰評価に用いた。
(X線減衰性能の評価)
東芝メディカル製X線装置KXO−22Rを用い、加速電圧40kVのCuKα線を、10cmの距離に置いた評価布帛に当てて、評価布帛から10cmの距離にあるラドカル社製線量計検出器RADCAL9015を用いて、X線の強度を測定した。X線減衰率は布帛を置いていない場合を0%とし、布帛を置いた場合のX線強度との比から算出した。本発明では、布帛のX線減衰率が45%以上のものを合格とした。
東芝メディカル製X線装置KXO−22Rを用い、加速電圧40kVのCuKα線を、10cmの距離に置いた評価布帛に当てて、評価布帛から10cmの距離にあるラドカル社製線量計検出器RADCAL9015を用いて、X線の強度を測定した。X線減衰率は布帛を置いていない場合を0%とし、布帛を置いた場合のX線強度との比から算出した。本発明では、布帛のX線減衰率が45%以上のものを合格とした。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
硫酸バリウムが27.5容量%となるようにポリアミド6と溶融混練してX線減衰複合樹脂を得た。硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂とポリエチレンテレフタレートとを容積比で50/50とし、芯に硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂、鞘にポリエチレンテレフタレートを有する断面形状にて紡糸した。紡速は800m/分で巻取りを行い複合繊維の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延撚工程で3.54倍に延伸することで、184dtex/24fの延伸糸を得た。得られた延伸糸を用いた布帛を作製し、X線減衰性能を評価した。結果を表1に示す。
硫酸バリウムが27.5容量%となるようにポリアミド6と溶融混練してX線減衰複合樹脂を得た。硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂とポリエチレンテレフタレートとを容積比で50/50とし、芯に硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂、鞘にポリエチレンテレフタレートを有する断面形状にて紡糸した。紡速は800m/分で巻取りを行い複合繊維の未延伸糸を得た。得られた未延伸糸を延撚工程で3.54倍に延伸することで、184dtex/24fの延伸糸を得た。得られた延伸糸を用いた布帛を作製し、X線減衰性能を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜5]
芯に用いるポリアミド樹脂の硫酸バリウムの容積比、芯鞘比率、繊度を変更する以外は実施例1と同様に延伸糸を得て、X線減衰性能を評価した。結果を表1に示す。
芯に用いるポリアミド樹脂の硫酸バリウムの容積比、芯鞘比率、繊度を変更する以外は実施例1と同様に延伸糸を得て、X線減衰性能を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
硫酸バリウム含有量を6容量%とした以外は、実施例1と同様に延伸糸を得て、X線減衰性能について評価した。結果を表1に示す。
硫酸バリウム含有量を6容量%とした以外は、実施例1と同様に延伸糸を得て、X線減衰性能について評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
硫酸バリウム含有量を6容量%、芯/鞘の容積比率を80/20とした以外は、実施例1と同様にして紡糸を実施して延伸糸を得た。結果を表1に示す。
硫酸バリウム含有量を6容量%、芯/鞘の容積比率を80/20とした以外は、実施例1と同様にして紡糸を実施して延伸糸を得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
芯/鞘の容積比率を20/80とした以外は、実施例1と同様にして延伸糸を得た。結果を表1に示す。
芯/鞘の容積比率を20/80とした以外は、実施例1と同様にして延伸糸を得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
硫酸バリウム含有量を43.2容量%とした以外は、実施例1と同様にして複合繊維を紡糸した。X線減衰複合樹脂の溶融粘度が高すぎるため、紡糸できなかった。
硫酸バリウム含有量を43.2容量%とした以外は、実施例1と同様にして複合繊維を紡糸した。X線減衰複合樹脂の溶融粘度が高すぎるため、紡糸できなかった。
[実施例6]
鞘成分として、相対粘度〔ηr〕が2.9のポリアミド6樹脂を用いる以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
鞘成分として、相対粘度〔ηr〕が2.9のポリアミド6樹脂を用いる以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
[実施例7]
鞘成分として、相対粘度〔ηr〕が3.5のポリアミド6樹脂を用いる以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
鞘成分として、相対粘度〔ηr〕が3.5のポリアミド6樹脂を用いる以外は、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
[比較例5]
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成するポリアミドとして、〔ηr〕が2.9のポリアミド6を用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、複合繊維を得たが、紡糸時の芯側溶融装置のトルクが高負荷となり連続的紡糸ができなかった。
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成するポリアミドとして、〔ηr〕が2.9のポリアミド6を用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、複合繊維を得たが、紡糸時の芯側溶融装置のトルクが高負荷となり連続的紡糸ができなかった。
[比較例6]
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成する硫酸バリウムとして、堺化学工業株式会社製、バリエースB−30、体積累積50%径=0.23μm、体積累積90%径=0.46μmを用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、延伸糸を得た。この延伸糸を用いて実施例1と同様に布帛を作製しようとしたが、硫酸バリウムの凝集に起因する繊維径が大きくなった紡錘形の部分(異径部)が多発し、布帛化ができなかった。
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成する硫酸バリウムとして、堺化学工業株式会社製、バリエースB−30、体積累積50%径=0.23μm、体積累積90%径=0.46μmを用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、延伸糸を得た。この延伸糸を用いて実施例1と同様に布帛を作製しようとしたが、硫酸バリウムの凝集に起因する繊維径が大きくなった紡錘形の部分(異径部)が多発し、布帛化ができなかった。
[比較例7〜8]
芯/鞘の容積比率を、80/20、40/60に変更する以外は実施例1と同様に紡糸した。芯/鞘の比率が80/20の場合は、延伸時に糸切れが多発し、延伸糸を得ることができなかった。芯/鞘の比率が40/60の場合には、延伸糸を得ることはできたが、X線減衰評価を実施したところ減衰率が低いものとなった。
芯/鞘の容積比率を、80/20、40/60に変更する以外は実施例1と同様に紡糸した。芯/鞘の比率が80/20の場合は、延伸時に糸切れが多発し、延伸糸を得ることができなかった。芯/鞘の比率が40/60の場合には、延伸糸を得ることはできたが、X線減衰評価を実施したところ減衰率が低いものとなった。
[実施例8]
実施例1で用いたバリエースB−55に、堺化学工業株式会社製、バリエースBMH−D(体積累積50%径=3.54μm、体積累積90%径=6.46μm)をB−55/BMH−D=95/5の比率で混合して得た硫酸バリウム(体積累積50%径=0.64、体積累積90%径=1.51)を用い、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
実施例1で用いたバリエースB−55に、堺化学工業株式会社製、バリエースBMH−D(体積累積50%径=3.54μm、体積累積90%径=6.46μm)をB−55/BMH−D=95/5の比率で混合して得た硫酸バリウム(体積累積50%径=0.64、体積累積90%径=1.51)を用い、実施例1と同様に延伸糸を得た。結果を表1に示す。
[比較例9]
実施例8と同様にバリエースB−55に、堺化学工業株式会社製、バリエースBMH−D(体積累積50%径=3.54μm、体積累積90%径=6.46μm)をB−55/BMH−D=85/15の比率で混合して得た硫酸バリウム(体積累積50%径=0.68、体積累積90%径=2.87)を用い、実施例1と同様に複合化および紡糸を実施したが、大粒子径の硫酸バリウムの影響による紡糸時の糸切れが多発し、複合繊維を得ることができなかった。
実施例8と同様にバリエースB−55に、堺化学工業株式会社製、バリエースBMH−D(体積累積50%径=3.54μm、体積累積90%径=6.46μm)をB−55/BMH−D=85/15の比率で混合して得た硫酸バリウム(体積累積50%径=0.68、体積累積90%径=2.87)を用い、実施例1と同様に複合化および紡糸を実施したが、大粒子径の硫酸バリウムの影響による紡糸時の糸切れが多発し、複合繊維を得ることができなかった。
[比較例10]
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成する硫酸バリウムとして、堺化学工業株式会社製、バリエースB−54、体積累積50%径=1.03μm、体積累積90%径=2.10μmを用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、X線減衰繊維を得たが、大粒子径の硫酸バリウムの影響による紡糸時の糸切れが多発し、X線減衰繊維を得ることができなかった。
硫酸バリウム複合ポリアミド樹脂を構成する硫酸バリウムとして、堺化学工業株式会社製、バリエースB−54、体積累積50%径=1.03μm、体積累積90%径=2.10μmを用いる以外は、実施例1と同様に紡糸を実施し、X線減衰繊維を得たが、大粒子径の硫酸バリウムの影響による紡糸時の糸切れが多発し、X線減衰繊維を得ることができなかった。
本発明の実施例品はいずれも紡糸が安定的にでき、製糸性に優れるうえ、X線減衰性にも優れるものであった。
Claims (6)
- レーザー回析・散乱式粒度分布測定による平均粒子径(体積累積50%径)が0.5〜0.7μmで、体積累積90%径が2.0μm以下の硫酸バリウム粒子を20〜35容量%を含有した相対粘度2.3〜2.6のポリアミド層を有し、そのポリアミド層の容積比率が、45〜70%からなるX線減衰繊維。
- 繊維断面において、ポリアミド層が、芯鞘構造の芯部を構成している請求項1記載のX線減衰繊維。
- 鞘成分が、ポリアミド6樹脂またはポリエステル樹脂から構成される請求項2記載のX線減衰繊維。
- 強度が1.4cN/dtex以上、3.0cN/dtex以下である請求項1〜3いずれか1項記載のX線減衰繊維。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載のX線減衰繊維を用いて作製したX線減衰機能を有する布帛。
- 請求項5記載のX線減衰機能を有する布帛を用いて作製したX線減衰衣料品。
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JP2009215692A (ja) * | 2008-02-15 | 2009-09-24 | Unitica Fibers Ltd | X線造影性複合モノフィラメント |
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2012
- 2012-09-29 JP JP2012218951A patent/JP2014070324A/ja active Pending
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