JP6297800B2 - 優れた静電性能を有する帯電防止作業服 - Google Patents

優れた静電性能を有する帯電防止作業服 Download PDF

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Description

本発明は導電性及び制電性に優れた織物並びにこの織物を縫合してなる衣料に関する。具体的には、全体に亘って導電性が有り且つその耐久性及び制電性にも優れた帯電防止衣料に関する。
従来から電気・電子機器製造作業では半導体デバイスなどの精密機器等を取扱うために静電気帯電は製品の歩留りを悪化させる要因であった。昨今では一般家電、自動車、携帯電話なども半導体デバイスを多用したものとなっており、製品の安全性や品質保証面でも静電気の防止は大きな課題となっている。またエネルギー供給業についても静電気帯電による火花、スパークは大事故につながるため、作業服の制電性能向上及び制電性能の耐久性向上は大きな課題である。静電気対策のために導電性繊維を織物の経糸及び/又は緯糸の少なくとも一部に使用した導電性ポリエステル織物が数多く提案上市されている(例えば、特許文献1や特許文献2を参照)。該方法を用いれば効果的に帯電を防止することが可能であるが、該導電性繊維の配列・配置を緻密にしなければ十分な効果が期待できず価格が高価なものとなる。さらに、導電性繊維を緻密に織物に織り込む場合、導電糸と織物を構成する他の糸との間に強度、伸度、収縮率等の原糸特性に差があるため、製織及び加工時に糸切れや、パッカリングなどの種々の欠点が生じやすい問題があった。また配列・配置を少なく留めると帯電防止効果に乏しく帯電防止作業服として好ましいものにはならない。
特開昭60‐173140号公報 特開2001‐73207号公報
本発明の目的は、上述の課題を解決することにあり、特に導電性及び制電性に優れた織物並びにこの織物を縫合してなる布帛全体に亘って導電性が有り、且つその耐久性及び制電性にも優れた作業服を提供することにある。
本発明者等は、上記課題について鋭意検討した結果、導電性糸を含有してなる織物どうしを、導電性繊維を含有してなる縫糸により縫合することにより、導電性及び制電性に優れた帯電防止衣料が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、導電性繊維を含有する織物どうしが縫糸により縫合されてなる帯電防止衣料であって、該縫糸は導電性繊維の短繊維を0.5〜20質量%含有し、そして、該縫糸に含まれる導電性繊維が、カーボンと熱可塑性樹脂(A)とからなる導電層(a)と、熱可塑性樹脂(B)からなる保護層(b)とからなり、下記(1)〜(4)のいずれも満足する帯電防止衣料である。
(1)導電性繊維の単糸の電気抵抗値が1×10〜9×1010Ω/cm・fである。
(2)導電性繊維の単糸繊度が1.1〜7.5dtexである。
(3)導電性繊維における導電層(a)と保護層(b)との質量比が5:95〜30:70である。
(4)ΦB/D≦0.5である。
ΦB:導電性繊維における導電層と導電性繊維外表面との間の最も近接した距離(μm)
D:導電性繊維の重心と導電性繊維外表面との間の最も離れた直線距離(μm)
好ましくは、アームホール部及び/または脇縫い部が上記縫糸により縫合されてなる、上記帯電防止衣料である。
より好ましくは、上記織物が経糸及び/または緯糸に導電性繊維を含有することを特徴とする、上記帯電防止衣料である。
さらに好ましくは、上記織物に含有される導電性繊維は導電層(c)と保護層(d)とからなり、該導電性繊維の繊維断面において、保護層(d)が導電層(c)の全面を被覆している、前記帯電防止衣料である。
本発明の帯電防止衣料は、タンブラー等の業務用乾燥機で処理した場合にも帯電が発生しにくく、洗濯等を繰り返し行なっても制電性や強度低下が発生せず長期に亘って制電性に優れ、さらには耐摩耗特性にも優れる特徴を有する。
本発明の帯電防止衣料に含まれる導電性繊維の断面に関する、一実施形態の模式図である。 本発明の帯電防止衣料に含まれる導電性繊維の断面に関する、一実施形態の模式図である。 本発明の帯電防止衣料に含まれる導電性繊維の断面に関する、一実施形態の模式図である。 本発明の帯電防止衣料に含まれる導電性繊維の断面に関する、一実施形態の模式図である。 本発明の帯電防止衣料に含まれる導電性繊維の断面に関する、一実施形態の模式図である。 本発明の帯電防止衣料である作業服(上着)に関する、一実施形態としての模式図である。 本発明の帯電防止衣料である作業ズボンに関する、一実施形態としての模式図である。
本発明の帯電防止衣料は、導電性繊維を含有する織物どうしが縫糸により縫合され、該縫糸に導電性繊維が含有されてなる帯電防止衣料である。まず、該縫糸に関して、以下に詳細を説明する。
(縫糸)
本発明の縫糸は、導電性繊維と、合成繊維または天然繊維からなる非導電性繊維とから構成される。縫糸における導電性繊維の割合については、0.5〜20質量%含まれていることが、長期間に亘って安定的に縫糸に導電性を付与し、かつ耐磨耗特性にも優れる点から重要である。導電性繊維の含有量が0.5質量%より少ない場合は、縫製部に導電性を長期的に安定して与えることが困難となり、20質量%を超える場合は、縫糸や帯電防止衣料の耐摩耗性や審美性に欠けることとなる。好ましくは0.8〜15質量%、より好ましくは1.0〜10質量%である。
前記縫糸の構造については、本発明の効用を奏する限りは限定されるものではないが、合成繊維または天然繊維からなる非導電性繊維に導電性繊維をカバリングした構造や、合成繊維または天然繊維からなる非導電性繊維と導電性繊維とを合撚した構造等が、縫糸を製造する際に容易であること、及び得られる縫糸の導電特性が良好であることから好ましく採用される。このように、混繊・混紡した導電性糸を縫糸として用いることにより、十分な導電性が得られ、また該縫糸を用いた帯電防止衣料について着用、洗濯を繰り返し、該縫糸を用いた縫合部にパッカリングが発生した場合でも、その耐久性に優れた縫合部を形成することができる。
(縫糸に含まれる導電性繊維)
本発明の縫糸に含まれる導電性繊維は、カーボンと熱可塑性樹脂(A)とからなる導電層(以下、導電層(a)と称する)と熱可塑性樹脂(B)からなる保護層(以下、保護層(b)と称する)とから構成される。これは、カーボンを含有する導電層を単独で繊維化しようとすると、たとえマトリックスとなる熱可塑性樹脂(A)が充分な繊維形成性を有していたとしても、紡糸性および延伸性が不良であり、導電層単独での繊維化が難しいことに起因する。従って、該導電性繊維が導電層(a)と保護層(b)とからなることが重要であり、さらに、該導電性繊維における導電層(a)と保護層(b)との質量比が5:95〜30:70の間にあることが、導電性繊維の繊維化及び物性維持が容易になる点で重要である。導電層(a)の質量比が30を超えると導電性繊維紡糸時の曳糸性が低下する傾向にあり、紡糸断糸、延伸断糸が頻発する。一方、導電層(a)の質量比が5未満では導電層(a)の繊維長さ方向への連続性や導電性繊維表面への露出の点で問題が生じ、さらに十分な導電性を発揮することが困難となる。前記質量比は15:85〜30:70であることが好ましく、18:82〜25:75であることがさらに好ましい。
導電層(a)を構成する樹脂の融点は200℃以上であることが実用耐久性の点で好ましい。より好ましくは210℃以上250℃以下である。
導電層(a)中のカーボンとしては、導電性カーボンブラック等の公知のものを使用することができ、他にアセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が例示される。なかでも、導電性カーボンブラックが好ましく用いられ、特に、10−3〜10Ω・cmの固有電気抵抗を有する導電性カーボンブラックが縫糸の導電性を確保する観点から好ましく用いられる。導電層(a)におけるカーボンの含有量は23〜40質量%であり、好ましくは25〜35質量%である。導電性カーボンブラックの含有量が23質量%より少ない場合には、本発明が目的とするような導電性が得られず、充分な除電性能は発揮されず好ましくない。一方、40質量%を超える場合は、導電性のより一層の向上は認められず、むしろポリマーの流動性が急激に著しく低下して紡糸性が極端に悪化し好ましくない。
導電層(a)中の熱可塑性樹脂(A)としては、導電性繊維の紡糸安定性や耐摩耗性の観点から、熱可塑性ポリエステルまたは熱可塑性ポリアミドであることが好ましい。
熱可塑性ポリエステルとしては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、4,4’‐ジカルボキシジフェニル、5‐ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレング;ビスフェノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールなどのジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステル、さらにはポリブチレンテレフタレート系の樹脂を挙げることができる。特に、帯電防止衣料の設計上、導電層(a)中のカーボン含有量を増やして、導電性繊維の導電性を高くしたい場合には、ポリブチレンテレフタレート系の樹脂が好ましく用いられ、前記設計上、洗濯堅牢度特性を向上させたい場合には、ポリエチレンテレフタレート系の樹脂が好ましく用いられる。
熱可塑性ポリアミドとしては、例えばナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエラストマー等を挙げることができる。
保護層(b)は、本発明の繊維化の際、良好な工程性を維持することと導電層(a)との界面剥離を生じさせず、長期耐久性能を維持するための重要な役割を担っている。保護層(b)を構成する熱可塑性樹脂(B)としては、繊維形成可能な熱可塑性ポリエステルや熱可塑性ポリアミドを使用することができる。曳糸性に劣るポリマーは基本的には本発明の保護層用樹脂としては不適である。
保護層(b)中の熱可塑性ポリエステルとしては、繊維化する際の溶融粘度特性が良好であり、更に繊維物性、耐熱性が優れている点から、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、4,4’‐ジカルボキシジフェニル、5‐ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオール;ビスフェノールAまたはビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールなどのジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステルを挙げることができる。
なかでも、汎用ポリエステルであるエチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するポリエステルを挙げることができ、少量の第三成分を含む変性ポリエステルも使用することが可能である。特に、ポリエチレンテレフタレート系のポリエステルが繊維化工程性、繊維物性、耐久性の点で好ましい。
また、保護層(b)中の熱可塑性ポリアミドとしては、繊維化する際の溶融粘度特性が良好であり、更に繊維物性、耐熱性が優れている点から、具体的にはナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエラストマー等を挙げることができる。さらに、これらに少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤等を含んでいてもよい。
なかでも、ナイロン6およびナイロン12が繊維化工程性と、耐久性等の繊維物性とを両立し、さらに経済性にも優れる点で好ましい。
本発明において、縫糸に含まれる導電性繊維の繊維断面における導電層(a)の配置が重要である。すなわち、導電層(a)と導電性繊維外表面との間が最も近接した直線距離ΦBと、繊維断面における重心と導電性繊維外表面との間が最も離れた直線距離Dとの間に、ΦB/D≦0.5の関係が存在することが重要である。前記の関係を満足することにより、縫糸が十分な導電性を確保することが可能となるとともに本発明の帯電防止衣料の帯電電荷量を低減させることが可能となる。なお、繊維断面に導電層(a)が複数個存在する場合には、複数個の導電層(a)の中で導電層と導電性繊維外表面との間が最も近接した直線距離をΦBとする。
本発明の縫糸に含まれる導電性繊維の単糸の電気抵抗値については、1×10〜9×1010Ω/cm・fの範囲であることが、導電性繊維の紡糸特性及び耐摩耗性と、縫糸とした時の導電性確保とを両立する上で重要となる。1×10〜1×10Ω/cm・fの範囲であることが帯電防止衣料の帯電電化量の安定性を確保する上でより好ましく、1×10〜1×10Ω/cm・fの範囲であることがさらに好ましい。
前記導電性繊維の単糸の繊度については、1.1〜7.5dtexであることが、導電性繊維の紡糸性や得られた導電性繊維からなる縫糸が強度と導電性とを両立することが容易となる点で重要である。
また、前記導電性繊維は長繊維であっても短繊維であってもよいが、性能、耐久性、低混率によるコストメリットを考慮すると短繊維が好ましい。
(縫糸に含まれる非導電性繊維)
本発明の縫糸に導電性繊維とともに含まれる非導電性繊維は、生産時に糸のほつれやばらけ等がなく、縫糸として強度を十分に保持するのであれば、合成繊維であっても天然繊維であってもよい。その中でも適度に吸湿性を有し、また経済的に優れる点から、合成繊維ではポリエステル繊維やポリアミド繊維が好ましく用いられ、天然繊維では綿繊維や毛繊維が好ましく用いられる。
また、前記非導電性繊維の長さについては、縫糸としての強度特性や耐摩耗性等が十分であれば、短繊維であっても長繊維であってもよいが、前述したように導電性繊維と同一であることが品位安定性の点から好ましい。特に汎用装置での縫糸の生産が容易であることを考慮すると、縫糸を構成する繊維は、導電性繊維およびそれ以外の繊維いずれも短繊維であることが好ましい。
本発明の帯電防止衣料を構成する織物は、導電性繊維が含有されていることを特徴とする。以下、該織物に関して詳細を説明する。
(織物)
本発明の織物の構造については特に制約を受けないもの、帯電防止衣料の強度特性を考慮すると、平織、綾織、朱子織等の織物構造を有していることが好ましい。特に導電性繊維を含む糸が織物表面に規則的に均一に露出することを考えると、織物構造が平織であることが好ましい。
前記織物は、導電性繊維と非導電性繊維とからなる導電性糸、および非導電性繊維のみからなる非導電性糸で構成される。織物における導電性糸の割合は、導電性繊維を含まない非導電性糸が100重量部に対して、導電性糸が0.5〜20重量部であることが、帯電防止衣料の各部位における帯電特性の均一性と各部位における色調の均一性と審美性とを両立する上で好ましい。
また、前記織物は、織物地部を構成する経糸及び/または緯糸に導電性繊維を含有することが好ましい。すなわち、経糸及び/または緯糸に導電性糸が混入されていることが好ましく、導電性糸の混入ピッチは、経糸方向について、好ましくは1本/3cm以上、より好ましくは1本/1cm以上であり、緯糸方向について、好ましくは1本/5cm以上であり、より好ましくは1本/2.5cm以上である。
(織物を構成する非導電性糸)
本発明の織物を構成する非導電性糸に用いる繊維は、帯電防止衣料の耐久性も含めた強度特性や取り扱い性、さらには経済性を加味すると、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド繊維等が好ましく用いられる。
前記非導電性糸に用いる繊維の長さは、長繊維であっても短繊維であってもよいが、織物の製造工程性や得られる織物の毛羽の発生等を加味すると、織物の経糸方向の非導電性糸、緯糸方向の非導電性糸とも長繊維からなることが好ましい。
(織物を構成する導電性糸)
本発明の織物を構成する導電性糸は、長繊維の非導電性繊維を導電性繊維でカバリングした構造を有することが好ましい。より好ましくは、経糸及び/または緯糸に用いられる導電性糸として、芯となる長繊維の非導電性繊維を導電性繊維でカバリングしたダブルカバリング構造であるもの、または、経糸及び/または緯糸に用いられる導電性糸のうち一方が、芯となる長繊維の非導電性繊維を導電性繊維でカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が芯となる長繊維の非導電性繊維を導電性複合繊維でカバリングしたシングルカバリング構造であるもの、あるいは、経糸及び/または緯糸に用いられる導電性糸のうち、一方が芯となる長繊維の非導電性繊維を導電性繊維でカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が長繊維の非導電性繊維と導電性繊維を合撚した構造を有するものである。
前記ダブルカバリング構造の導電性糸において、導電性繊維の占める割合を示す導電性繊維被覆率は、導電性糸を側面から見たときに導電糸が占める割合であり、下記式で表される。
導電性繊維被覆率(%)=(導電性繊維の面積)/(導電性糸の面積)×100
導電性繊維被覆率はできるだけ高い方がよいが、導電性糸の加工性、製織性、コスト、導電性等を考えると、導電性繊維被覆率は20〜70%が好ましい。20%未満では導通効果が得られにくい。また70%を超える場合、導通が十分得られるが、それ以上混合しても導電性向上効果が小さくコスト面で不利であり、耐磨耗特性に劣る問題が発生する。
前記導電性糸に用いられる長繊維の非導電性繊維は、衣服類用の織物の地部を構成するものと本質的には同様のものでよい。その材料の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)やポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)等があるが、耐薬品性、取扱い性等の点からポリエステルが最も好ましい。
(織物の導電性糸に含有される導電性繊維)
本発明の織物を構成する導電性糸に含有される導電性繊維は、カーボンを含有する熱可塑性ポリエステル、または熱可塑性ポリアミドからなる導電層(以下、導電層(c)と称する)とカーボンを実質的に含まない繊維形成性ポリマーからなる保護層(以下、保護層(d)と称する)からなる。好ましくは、導電層(c)が繊維の芯成分を形成し、保護層(d)が鞘成分を形成することで、該導電性繊維の繊維断面において、保護層(d)が導電層(c)の全面を被覆している導電性繊維である。
導電層(c)に含まれるカーボンの含有量については、23〜40質量%であり、好ましくは25〜35質量%である。カーボンの含有量が23質量%より少ない場合には、本発明が目的とするような導電性が得られず、充分な除電性能は発揮されない。一方、40質量%を越える場合は、導電性のより一層の向上は認められず、むしろポリマーの流動性が急激に著しく低下して紡糸性が極端に悪化する。
また、導電層(c)を構成するポリマーが熱可塑性ポリエステルである場合には、カーボンの含有量が20質量%未満ではほとんど導電性がなく、23質量%になると急激に導電性が向上し、25質量%を越えるとほぼ飽和する。熱可塑性ポリアミドである場合には、カーボンの含有量が25質量%未満ではほとんど効果がなく、30質量%になると急激に向上し、35質量%を越えるとほぼ飽和する。
導電層(c)中のカーボンとしては、縫糸と同様に、導電性カーボンブラック等の公知のものを使用することができ、他にアセチレンブラック、オイルファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、ケッチェンブラック等が例示される。なかでも、導電性カーボンブラックが好ましく用いられ、10−3〜10Ω・cmの固有電気抵抗を有するものがより好ましい。カーボンブラックが完全に粒子状分散をしている場合は一般に導電性が不良であって、ストラクチャーと呼ばれる連鎖構造を形成している場合には、導電性能が向上して導電性カーボンブラックと称されるものになる。したがって、カーボンとして導電性カーボンブラックを用いてポリマーに導電性を付与する場合、前記ストラクチャーを破壊せずに導電性カーボンブラックを分散させることが重要である。
一般に、通常の延伸を行うとストラクチャーが破壊され易いこととなるため、本発明では、延伸されているにもかかわらずストラクチャーがほとんど破壊されないという特長を有する延伸方法として、特許第4902652号(段落0042および0057)において開示されている方法を用いる。すなわち、通常の延伸方法はローラー間の速度差により強制的に延伸する方法であるため、繊維が無理に延伸されストラクチャーが切断されるが、本発明では、ローラー間で延伸を行う方法ではなく繊維の自由延伸に委ねる方法を用いることから、無理な張力が繊維にかからないため、ストラクチャーが切断され難くなる。
そして、導電性カーボンブラック含有複合体の電気伝導メカニズムとしては、カーボンブラック連鎖の接触によるものとトンネル効果によるものが挙げられるが、前者の方が主と考えられている。したがって、カーボンブラックの連鎖が長い、あるいは高密度でポリマー中にカーボンブラックが存在する場合、接触確率が大きくなり高導電性となる。連鎖を長くするためには、導電層(c)を構成するポリマーを結晶化させ、かつ非晶部分が分子運動できるようなルーズな構造にすることで、カーボンブラックが非晶部に集中して非晶部分のカーボン濃度が高くなり、導電性能が高くなる。
本発明では、上記の特殊な紡糸延伸方法を用いているため、通常の延伸処理を行った導電性繊維と比べて、導電層(c)が結晶化され、且つ非晶部分は分子運動が可能な状態となっているため、導電性繊維として極めて優れていることとなる。本発明の特殊な紡糸延伸方法で得られる導電性繊維は、従来の一般的な延伸方法(紡糸直結延伸方法を含む)を用いて得られる導電性繊維あるいは無延伸の導電性繊維と異なり、強度(DT)と伸度(DE)について1.8≦DT(cN/dtex)≦4.5と30≦DE(%)≦90という条件をも同時に満足する。
導電層(c)に使用される熱可塑性ポリエステルとしては、たとえば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、4,4’ ‐ジカルボキシジフェニル、5‐ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール;ビスフェノールAまたはビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオ−ル;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールなどのジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステル、さらにはポリブチレンテレフタレート系の樹脂を挙げることができる。また、導電層を構成する樹脂の融点は200℃以上であることが実用耐久性の点で必要である。好ましくは210℃以上250℃以下である。
導電層(c)に使用される熱可塑性ポリアミドとしては、例えばナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエラストマー等を挙げることができる。
導電層(c)の質量の割合としては、繊維質量に対して15〜30質量%であることが好ましい。カーボンが高濃度で練込まれた樹脂は、たとえマトリックスとなる樹脂が充分な繊維形成性を有していたとしても紡糸性および延伸性が不良であり、単独での繊維化は難しいため、保護層ポリマーとの複合化により繊維化工程性及び繊維物性の維持を行う。しかしながら、カーボンを含有する鞘成分の導電層(c)が繊維質量の50質量%を越えると紡糸時の曳糸性が低下する傾向にあり、紡糸断糸、延伸断糸が頻発する。従って、芯成分の保護層(d)が繊維質量の50質量%以上を占有しているのが好ましく、更に好ましくは70質量%以上である。しかしながら、導電層(c)が余りにも少なくなると導電層(c)の連続性や繊維表面への露出の点で問題が生じることから、導電層(c)の割合としては15質量%以上が好ましく、18〜25質量%であることが更に好ましい。
保護層(d)は、本発明の繊維化の際、良好な工程性を維持することと導電層(c)との界面剥離を生じさせず、長期耐久性能を維持するための重要な役割を担っている。この保護層(d)を構成するポリマーとしては、繊維形成可能な熱可塑性ポリエステル及び熱可塑性ポリアミドを使用することができる。曳糸性に劣るポリマーは基本的には本発明の保護層用樹脂としては不適である。
保護層(d)に使用される熱可塑性ポリエステルとしては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン‐2,6‐ジカルボン酸、4,4’ ‐ジカルボキシジフェニル、5‐ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸などのジカルボン酸成分と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4‐ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール;ビスフェノールAまたはビスフェノ−ルSのエチレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族ジオールなどのジオール成分を用いて形成された繊維形成性ポリエステルを挙げることができる。なかでも汎用ポリエステルであるエチレンテレフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含有するポリエステルを挙げることができ、少量の第三成分を含む変性ポリエステルも使用することが可能である。
保護層(d)に使用される熱可塑性ポリアミドとしては、具体的にはナイロン12、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66、ナイロンエラストマー等を挙げることができる。さらに、これらに少量の添加剤、蛍光増白剤、安定剤等を含んでいてもよい。
前記熱可塑性ポリエステル及び熱可塑性ポリアミドは、繊維化する際の溶融粘度特性が良好であり、更に繊維物性、耐熱性が優れたものが好ましく採用される。なかでも、ポリエチレンテレフタレート系のポリエステル、ポリアミド系ではナイロン6が繊維化工程性、繊維物性、耐久性の点で好ましい。
本発明の織物を構成する導電性糸に用いられる導電性繊維の断面形態は、本発明の帯電防止衣料の帯電電荷量が所望の値を満足する限りは、あらゆる形式が可能であるが、審美性や耐摩耗性を重視する場合には、保護層が導電層の全面を被覆していることが好ましい。導電性繊維の典型的な断面形態を図2および図3に示す。
前記導電性繊維の繊度は、例えば単糸繊度が1〜22dtex、総繊度が10〜220dtex、好ましくは10〜110dtexのものが用いられる。該導電性繊維を含有する導電性糸の繊度を、同じく織物を構成する非導電性糸と同程度にすることにより、導電性糸が織物から突出することがなく摩耗耐久性も向上させることができる。
また、前記導電性繊維の抵抗値は、帯電防止衣料の帯電電化量の安定性を確保する上で通常1×10Ω/cm・f以下であり、好ましくは1×10Ω/cm・f以下である。
(帯電防止衣料)
本発明の帯電防止衣料は、前記縫糸によって前記織物どうしが縫合されることを特徴としているが、帯電防止衣料において縫合される部位のうち、アームホール部及び/または脇縫い部が導電性繊維を含有する縫糸で縫合されていることが、帯電防止衣料の電荷量を低減する意味で好ましく採用される。これにより十分な性能安定化が実現できることが、タンブラー法(JIS規格T‐8118)により帯電電荷量を測定することで確認できる。また、着用、洗濯などを繰り返し、縫合部にパッカリングが発生しても縫糸を介して安定な性能と耐久性が確保できる点から好ましい。
前記アームホール部および脇縫い部については、帯電防止衣料全体の部位長の10%以上が導電性繊維からなる縫糸で縫合されていることが好ましく、部位長の50%以上が導電性繊維からなる縫糸で縫合されていることがより好ましく、部位長の80%以上が導電性繊維からなる縫糸で縫合されていることが更に好ましい。アームホーム部の縫合については導電性繊維からなる縫糸がアームホーム部を1周にて連続していてもよい。
以下、本発明の実施例について説明する。評価方法は下記の通りである。
〔作業服の帯電電荷量〕
JIS規格T‐8118に規定されたタンブラー法により評価した(洗濯50HLを含む)。
〔繊維断面形態〕
縫糸に含有される導電性繊維において、繊維断面の電子顕微鏡写真(倍率:2000倍)から任意の10個の繊維断面を選び、導電性繊維における導電層と導電性繊維外表面との間の最も近接した距離(ΦB;μm)、および導電性繊維の重心と導電性繊維外表面との間の最も離れた直線距離(D;μm)の平均値を求めた。
<参考例>
参考例は、織物地部を形成する経糸としてポリエステル(ポリエチレンテレフタレート;以下、PETと略称することがある)の仮撚り加工糸167T‐48f(経糸密度:90本/in)、緯糸としてPET仮撚り加工糸167T‐48f//2(緯糸密度:76本/in)を用いるとともに、経糸部の導電性糸として、PET長繊維糸84T‐36fと導電性繊維「クラカーボ Kc‐300」(株式会社クラレ製、電気抵抗値:4×10Ω/cm・f)28T‐2fをZ撚りで600T/mで撚糸した糸を用い、該導電性糸を1本/inの割合で挿入して成る平織物を作成した。縫糸として綿の短繊維を用い、綿番手60番の紡績糸2本を合糸して対照縫糸を作成し、前記平織物を対照縫糸で全箇所縫合し、Mサイズの帯電防止作業服(上着)を作成した。
タンブラー法による評価結果を表1に示す。前記対照縫糸で縫合された作業服の帯電電荷量は0.57μC/点で、タンブラー法評価による規格(帯電電荷量:0.60μC/点以下)を満たすものの上限に近い値を有する作業着となった。
<実施例1>
実施例1は、参考例と同様の平織物を用いた。一方、縫糸については、参考例に記載の綿の短繊維と、導電性繊維「クラカーボ Kc‐585」(株式会社クラレ製、電気抵抗値:3×10Ω/cm・f、導電層と保護層の質量比=13:87、単糸繊度:3.3T、ΦB/D=0、繊維断面:図1)の短繊維とを、該導電性繊維が5質量%の割合で含有されるように混綿し、スライバー化を経て撚り数S1020T/m、綿番手60番の導電性紡績糸を得て、これを2本Z860T/mで合糸し、95℃で撚り止めセットして縫糸を作成した。前記平織物を縫糸で全箇所縫合し、Mサイズの帯電防止作業服(上着)を作成した。
タンブラー法による評価結果を表1に示す。前記縫糸で縫合された作業服の帯電電荷量は0.49μC/点で、タンブラー法評価による規格(帯電電荷量:0.60μC/点以下)を満たし、参考例の作業服と比較して、より優れた制電性能を有する作業服が得られた。
<実施例2>
実施例2は、アームホール部と脇縫い部以外の縫合部分に用いる縫糸を、参考例の対照縫糸に変更したこと以外は、実施例1と同様の条件でMサイズの帯電防止作業服(上着)を作成した。評価結果を表1に示す。帯電電荷量は0.51μC/点であり、優れた制電性能を有する作業着が得られた。
<実施例3>
実施例3は、縫糸に用いる導電性繊維を、4芯埋め込みタイプ「クラカーボ Kc‐485」(株式会社クラレ製、電気抵抗値:5×10Ω/cm・f、単糸繊度:4.4T、導電層と保護層の質量比=13:87、ΦB/D=0.17、繊維断面:図2)の短繊維に変更したこと以外は、実施例2と同様の条件で帯電防止作業服(上着)を作成した。評価結果を表1に示す。帯電電荷量は0.50μC/点であり、優れた制電性能を有する作業服が得られた。
<実施例4>
実施例4は、帯電防止衣料を、実施例3と同様の縫糸を用いて脇縫い部他全箇所を縫合したLLサイズの帯電防止作業ズボンに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で実施した。評価結果を表1に示す。帯電電荷量は0.48μC/点であり、優れた制電性能を有する作業ズボンが得られた。
<実施例5>
実施例5は、縫糸に含まれる導電性繊維の割合を10質量%に変更したこと、及び帯電防止作業服(上着)のサイズをELに変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で実施した。評価結果を表1に示す。帯電電荷量は0.55μC/点であり、優れた制電性能を有する作業服が得られた。
<比較例8>
比較例8は、縫糸に用いる導電性繊維を、4 芯埋め込みタイプ「クラカーボKc‐484」(株式会社クラレ製、電気抵抗値:5×10Ω/cm・f、単糸繊度:4.4T、導電層と保護層の質量比=13:87、ΦB/D=0.17、繊維断面:図2)の長繊維に変更した以外は、実施例5と同様の条件で帯電防止作業服(上着)を作成した。評価結果を表1に示す。帯電電荷量は0.55μC/点であった。
<比較例1>
比較例1は、織物地部を形成する経糸としてPET仮撚り加工糸167T‐48f(経糸密度:90本/in)を用い、緯糸としてPET仮撚り加工糸167T‐48f//2(緯糸密度:76本/in)を用いて、導電性繊維及び導電性糸が含まれない平織物を作成した。縫糸として、参考例に記載の対照縫糸を用いて全箇所縫合し、織物にも縫糸にも導電性繊維が含まれないMサイズの作業服(上着)を作成した。タンブラー法による評価結果を表2に示す。帯電電荷量は1.14μC/点で、タンブラー法評価による規格(帯電電荷量:0.60μC/点以下)を満たさず、制電性能に非常に劣る作業服となった。
<比較例2>
比較例2は、縫糸を参考例に記載の対照縫糸に変更した以外は、実施例5と同様の条件で作業服(上着)を作成した。評価結果を表2に示す。帯電電荷量は0.61μC/点で前記規格を満たさず、制電性能に劣る作業服となった。
<比較例3>
比較例3は、縫糸に用いる導電性繊維を、同心タイプ(株式会社クラレ製、電気抵抗値:5×10Ω/cm・f、単糸繊度:3.3T、ΦB/D=0.65、繊維断面:図3)の短繊維に変更したこと以外は、実施例1と同様の条件で作業服(上着)を作成した。帯電電荷量は0.59μC/点で、前記規格を満たすものの上限に近い値であり、制電性能が実施例に比較してやや劣る作業服となった。
<比較例4>
比較例4は、縫糸に用いる導電性繊維における導電層と保護層の質量比を40:60に変更した以外は実施例2と同様の条件で実施したが、導電性繊維の製糸工程性で断糸が多発し、量産性が得られなかった。
<比較例5>
比較例5は、縫糸に用いる導電性繊維における導電層と保護層の質量比を2:98に変更した以外は、実施例2と同様の条件で作業服(上着)を作成した。比較例4と異なり製糸工程性は良好であるものの、帯電電荷量は0.62μC/点で前記規格を満たさず、制電性能に劣る作業服となった。
<比較例6>
比較例6は、縫糸を、実施例1に記載の導電性繊維を含む縫糸に変更したこと、及び帯電防止作業服(上着)のサイズをELに変更したこと以外は、比較例1と同様に実施し、導電性繊維が織物には含まれず、縫糸にのみ含まれる作業服(上着)を作成した。帯電電荷量は0.80μC/点で前記規格を満たさず、制電性能に非常に劣る作業服となった。
<比較例7>
比較例7は、縫糸を、参考例に記載の対照縫糸に変更したこと以外は、実施例4と同様の条件でLLサイズの作業ズボンを作成した。帯電電荷量は0.60μC/点で、前記規格の上限値であり、制電性能が実施例に比較してやや劣る作業服となった。
本発明の帯電防止衣料は、電気・電子機器製造作業やエネルギー供給業での導電性及び制電性に優れた作業服を提供する。
1.導電性繊維を構成する導電層
2.導電性繊維を構成する保護層
3.導電性繊維の繊維断面における重心
4.導電性繊維における導電層と外表面との間の最も近接した距離(ΦB)
5.導電性繊維の繊維断面における重心と外表面との間の最も離れた直線距離(D)
6.作業服(上着)におけるアームホール部
7.作業服(上着)における脇縫い部
8.作業ズボンにおける脇縫い部

Claims (4)

  1. 導電性繊維を含有する織物どうしが縫糸により縫合されてなる帯電防止衣料であって、該縫糸は導電性繊維の短繊維を0.5〜20質量%含有し、
    該縫糸に含まれる導電性繊維が、カーボンと熱可塑性樹脂(A)とからなる導電層(a)と、熱可塑性樹脂(B)からなる保護層(b)とからなり、下記(1)〜(4)のいずれも満足する帯電防止衣料。
    (1)導電性繊維の単糸の電気抵抗値が1×10〜9×1010Ω/cm・fである。
    (2)導電性繊維の単糸繊度が1.1〜7.5dtexである。
    (3)導電性繊維における導電層(a)と保護層(b)との質量比が5:95〜30:70である。
    (4)ΦB/D≦0.5である。
    ΦB:導電性繊維における導電層と導電性繊維外表面との間の最も近接した距離(μm)
    D:導電性繊維の重心と導電性繊維外表面との間の最も離れた直線距離(μm)
  2. アームホール部及び/または脇縫い部が上記縫糸により縫合されてなる請求項1に記載の帯電防止衣料。
  3. 上記織物が経糸及び/または緯糸に導電性繊維を含有することを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の帯電防止衣料。
  4. 上記織物に含有される導電性繊維は導電層(c)と保護層(d)とからなり、該導電性繊維の繊維断面において、保護層(d)が導電層(c)の全面を被覆している請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電防止衣料。
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