JP3880743B2 - 導通性及び制電性に優れた織物並びに防塵衣 - Google Patents

導通性及び制電性に優れた織物並びに防塵衣 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導通性及び制電性に優れた織物並びにこの織物を縫合してなる防塵衣に関する。具体的には、全体に亘って導通性が有り且つその耐久性及び制電性にも優れた防塵衣に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、防塵衣用織物には静電気対策のために、導電糸と合成繊維から成る糸条が織り込まれている。これら導電糸を含む糸条が織り込まれた布帛は、導電糸を含む糸条を一定間隔でストライプ状に混入して製織した場合は勿論、格子状に織り込んである場合でも、縦方向、緯方向など導電糸の織り込んである方向には導通性があるが、布帛の斜め方向に対しては満足な導通性は得られない為、防塵衣用織物全体に亘る導通を得ることは困難であった。
これは織物内で、経糸に挿入された導電糸と緯糸に挿入された導電糸が充分に接触導通がとれていないことに原因がある。
【0003】
またこの織物を縫製して成る防塵衣において、縫製部の導通を得ることは困難であり、防塵衣全体に亘る導通を得ることは更に困難である。
これは縫製部において、それぞれの布帛の導電糸同士が接触導通していないことに原因がある。
【0004】
導電糸条を織物に織り込む場合、導電糸のみから成る導電糸条を織り込むと、導電糸と織物を構成する他の糸との間に強度、伸度、収縮率等の原糸特性に差があるため、製織及び加工時に糸切れや、パッカリングなどの種々の欠点が生じやすく、また導電糸は一般の繊維材料に比べ高価なためその使用量を削減することも重要である。
【0005】
そこで導電糸を織物を構成する地の部分の糸と同種の糸と引き揃え、交撚やエアー交絡等の方法により混繊したものを用いることが一般的に行われている。
布帛製織時にこれらの導電糸条を一定間隔でストライプ状に混入して製織した場合、導電糸の織り込んである方向には導通性があるが、他方向に関しては導通性を得ることはできない。
【0006】
また布帛製織時にこれらの導電糸条を一定間隔で格子状に織り込んである場合でも、縦方向、緯方向などの導電糸を織り込んである方向に対しては導通性はあるが、経糸に混繊された導電糸と緯糸に混繊された導電糸同士が導通していないため、織物の斜め方向に対しては満足な導通を得ることが困難であり、その結果織物全体に亘る導通を得ることは困難であった。
【0007】
これは導電糸が混繊した糸条の内部に埋もれ、経糸に挿入されている導電糸を含む糸条の導電糸と緯糸に挿入されている導電糸を含む糸条の導電糸同士の接触が損なわれてしまうことに起因している。
また導電糸が混繊した糸条の内部に埋もれてしまうため、制電性に劣ると共に、導電糸と外部との接触抵抗が大きくなり、この織物を縫製した際の縫製などの低接圧下で接触している縫製部の導通化も困難であった。
【0008】
この様に、従来の防塵衣は、防塵衣の各部分に用いられる織物が、織物全体に亘って導通が得られない点と、各部分を縫製した際の縫製部の導通が安定的に得られない点の2つの問題があり、防塵衣全体に亘って導通を得ることが困難であった。
【0009】
制電性を向上させる方法として、特開昭60−28546号公報に、導電性の糸を布帛表面に持ち上げ平行な格子を形成し、静電気散逸性能を向上させる方法が記載されている。しかし、この方法では、経糸、緯糸に形成された導電性の糸同士の接触が不十分で、織物の斜め方向の導通は得られにくい。また、導電糸が織物表面に持ち上げられていたり、織物を形成している非導電性の地の糸の直径よりも大きい為、摩耗耐久性に問題がある。
【0010】
実開昭55−135014号公報には、防塵衣の縫製部の導通をよくするために縫製部を導電性繊維を含む糸条を縫糸の一部に用いて織物に混用された導電性繊維の末端と電気的に接続するように縫製することが記載されている。しかし、この場合縫糸の一部にしか導電性繊維が用いられていない為、防塵衣を着用、洗濯をくり返して、縫製部にパッカリング等が生じた場合、縫製部の電気的な接触が損なわれる虞がある。
実開昭58−160209号公報には、導電性繊維を適当な間隔を置いて織り込んでなる織物の重合部分又は突き合わせ部分に導電材を配設し、各部位を電気的に接続された状態にした被服が記載されている。しかしこの場合は、布帛重合部分又は突き合わせ部分に導電材を配設しなければならないため経済性に問題があり、更には配設する導電材そのものの耐久性に問題が残る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の課題を解決することにあり、特に導通性及び制電性に優れた織物並びにこの織物を縫合してなる防塵衣全体に亘って導通性が有り、且つその耐久性及び制電性にも優れた防塵衣を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は第1に、導電糸状を経糸及び緯糸に間隔をおいて混用してなる織物であって、経糸及び緯糸に混用される導電糸条のうち、一方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたシングルカバリング構造であるか又は合成繊維長繊維糸条と導電性複合紡糸糸を合撚した構造であることを特徴とする織物にある。
【0013】
本発明は第2に、導電糸条における導電性複合紡糸糸の被覆率が20〜70%である上記の織物にある。
本発明の第3は、導電性複合紡糸糸がカーボンを含有し且つ電気抵抗が10〜10Ω/cmである上記の織物にある。
本発明の第4は、導電性複合紡糸糸が非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有するマトリックスポリマーとを後者の少なくとも一部が糸表面に露出するように複合紡糸して得たものである上記の織物にある。
【0014】
本発明の第5は、上記の織物どうしをカーボンを含有し且つ電気抵抗が10〜10Ω/cmである導電性複合紡糸繊維を30〜100重量%含有する縫糸を用いて縫合して成る防塵衣にある。
本発明の第6は、縫糸に含まれる導電糸が非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有するマトリックスポリマーとを後者の少なくとも一部が糸表面に露出するように複合紡糸して得たものである上記の防塵衣にある。
本発明の第7は、縫製部を含む部分の抵抗値が10Ω以下である上記の防塵衣にある。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の織物は経糸及び緯糸に用いられる導電糸条が、芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングした構造のものであり、特に経糸及び緯糸に混用される導電糸条のうち、一方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたシングルカバリング構造であるもの、または、経糸及び緯糸に混用される導電糸条のうち、一方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が合成繊維長繊維糸条と導電性複合紡糸糸を合撚した構造であるものである
【0016】
導電糸条の芯として用いられる合成繊維長繊維糸条は衣服類用の織物の地部を構成するものと本質的には同様のものでよい。その材料の具体例としてはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)やポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)等があるが、耐薬品性、取扱い性等の点からポリエステルが最も好ましい。たとえば、単糸繊度が0.1〜5デニール、総繊度が50〜200デニールのポリエステル長繊維糸条もしくはその仮撚加工糸などの加工糸が好ましく用いられる。
【0017】
上記の芯となる(非導電性の)合成繊維長繊維糸条にカバリングする導電糸としては、金属を被覆した合成繊維長繊維糸や繊維基質となるベースポリマーとカーボン、金属又は金属化合物などの導電物質の微粒子をマトリックスポリマー中に分散させた導電性ポリマーとを複合紡糸した複合繊維からなる糸条が用いられるが金属被覆糸や、導電成分が金属や金属化合物からなる複合繊維は、酸やアルカリ環境下で金属部分が溶出したり、剥がれ落ちたりする等、耐久性に問題があるため、ベースポリマーとカーボンを複合紡糸したものが好ましい。ベースポリマーとしては地部を構成しているものと同一素材が好ましく、ポリエステルやポリアミド等を好ましい具体例として用いることができる。マトリックスポリマーもベースポリマーと同一素材が好ましい。
【0018】
導電性複合紡糸糸は導電物質(を含有する導電性ポリマー)の一部が表面に露出した状態にある限りその断面形状等には特に制限はない。断面形状の一例を図1に示す。図1において1はベースポリマー(非導電性ポリマー)層を示し、2は導電性ポリマー層を示す。
導電性複合紡糸糸はたとえば、単糸繊度が1〜5デニール、総繊度が10〜200デニール、好ましくは10〜100デニールのものが用いられる。導電性複合紡糸糸の抵抗値は通常109 Ω/cm以下、特に108 Ω/cm以下が好ましい。
【0019】
これらの導電性複合紡糸糸を芯となる(非導電性の)合成繊維長繊維糸条にカバリング、好ましくはダブルカバリングして導電糸条とする。
ダブルカバリング構造の導電糸条における導電糸の占める割合を示す導電糸被覆率は、図2に示す導電糸条を横から見たときに導電糸が占める割合であり、次の式で表される。
導電糸被覆率(%)=導電糸面積/導電糸条面積×100
【0020】
導電糸被覆率はできるだけ高い方がよいが、導電糸条加工性、製織性、コスト、導通性等を考えると、導電糸被覆率は20〜70%が好ましい。20%以下では導通効果が得られにくい。また70%以上とした場合、導通が十分得られるが、それ以上混合しても特段の効果は得られずコスト面で不利である。
【0021】
この様に導電糸条の導電糸被覆率を安定して高める方法として、カバリングしている上糸と下糸を同時に逆方向に巻き付けるダブルカバリング構造にすると良い。この様な構造にすることにより、導電糸被覆率が高まり、更に、カバリングした導電糸がスリップしにくい為、糸加工及び製織時のスリップが防止できる。
【0022】
また、この様な構造の導電糸条を用いることにより、導電糸条の強度等の物性が安定的に確保される。また、導電糸が糸条表面に露出しているので、経糸に挿入されている導電糸条の導電糸と緯糸に挿入されている導電糸条の導電糸の接触性が向上し、布帛の斜め方向を含む全方向に対しての導通が確保できる。また、この様な布帛を用いて防塵衣を製作したときには、縫合部において、縫製などの低接圧時でも接触抵抗が小さくなるため、縫合部の導通が確保できる防塵衣が得られる。更には、この様な構造により、制電性にも優れた織物及び防塵衣が提供できる。
【0023】
また、導電糸条の繊度を、織物を構成する地部の非導電性繊維と同程度にすることにより、導電糸条が織物から突出することもなく摩耗耐久性も向上させることができる。
また導電糸条の混入ピッチは、経糸方向、緯糸方向とも1本/3cm以上、好ましくは1本/cm以上が好ましい。
【0024】
この様な構造にすることにより、図3に示す方法により測定した織物の抵抗値を106 〜109 Ωにすることができ、特に図4に示す方法で測定した織物の斜め方向の抵抗値を106 〜109 Ωにすることができる。
【0025】
この様に、導電糸被覆率を上記の範囲にした導電糸条を用いた織物は、織物の全方向の導通を可能にし、且つ抵抗を安定的に小さくし、優れた制電性を確保することができる。
【0026】
本発明の上記織物同士を縫合することにより、縫合部の導通が得やすく、織物のみならず、防塵衣全体にわたって導通のある防塵衣を得ることができる。
更に、上述の防塵衣の製作にあたり防塵衣の縫合部を導電性複合紡糸糸を含む縫糸を用いて縫合することにより、着用、洗濯などを繰り返し、縫合部にパッカリングが発生しても縫糸を介して安定して導通が確保できる。
つまり、パッカリングが発生し、織物同士の導電糸の接触導通が損なわれた場合でも織物の表面に露出した導電糸と縫糸中の導電糸が接触導通しているので、結果的に織物同士の導通が安定的に確保できるのである。
【0027】
縫合部に用いる導電糸としては、繊維基質となるベースポリマーとカーボン、金属又は金属化合物などの導電物質の微粒子をマトリックスポリマー中に分散させた導電性ポリマーとを複合紡糸した複合繊維からなる糸条や、金属で被覆された合成繊維糸等が挙げられるが、金属被覆糸や導電成分が金属からなる導電糸は、酸やアルカリ環境下では金属部分が溶出したり、剥がれ落ちたりするなど耐久性に問題があるため、ベースポリマーとカーボンを複合紡糸したものが好ましく用いられる。
ベースポリマーとしては、織物の地部を構成しているものと同一素材が好ましく、ポリエステルやポリアミド等を好ましい具体例として用いることができる。導電性複合紡糸糸は導電物質(を含有する導電性ポリマー)の一部が表面に露出した状態にある限りその断面形状などには特に制限はない。断面形状の一例を図1に示す。
導電性複合紡糸糸は例えば単糸繊度が1〜5デニール、総繊度が10〜200デニール、好ましくは10〜100デニールのものが用いられる。
又、その抵抗値は通常109 Ω/cm以下、特に108 Ω/cm以下が好ましい。
【0028】
縫糸としては、この様な導電性複合繊維が30〜100重量%含まれているものを用いるのが好ましい。導電性繊維の含有量が30重量%以下では縫製部に安定的に耐久性のある導通性を与えることが困難である。
また縫糸として導電繊維と混繊させる繊維としては、織物の地部を構成するものと同一素材が好ましく、ポリエステルやポリアミドなどの長繊維糸が好ましい具体例として用いることができる。混繊させる方法としては合撚が好ましい。
【0029】
この様な導電糸と非導電性繊維糸を混繊した導電性糸条を縫糸として用いることにより、導通性があり、また着用、洗濯を繰り返し、縫合部にパッカリングが発生した場合でも、その耐久性に優れた縫合部を形成することができる。
尚、この様な導電性糸条の抵抗値も109 Ω/cm以下、特に108 Ω/cm以下が好ましい。縫糸の繊度は180〜360デニールが好ましい。
【0030】
本発明の織物及び上記した縫い糸を使用し縫製製作した防塵衣は、防塵衣のいかなる部分に静電気が発生しても、織物、防塵衣全体が安定的に導通しているので、アースが効果的にとれ、またその耐久性及び制電性に優れたものとなる。
【0031】
【実施例】
次に本発明の実施例について説明する。
評価方法は下記の通りである。
〔織物の表面抵抗値〕(織物の長さ方向)
図3に示すように、巾5cm、長さ5cm以上の試料の上に表面抵抗値測定器(シムコ製 ST−3)をのせ測定する。織物の長さ方向の試料10点ずつ測定しその平均を出す。
〔織物の表面抵抗値〕(斜め方向)
図4に示すように測定する。
〔縫糸の抵抗値〕
図5に示すように、1本の縫い糸上に表面抵抗値測定器(シムコ製 ST−3)を静かにのせ抵抗値を測定した。
10点のサンプルを測定し平均値を出した。
【0032】
〔経糸耐久性〕
ポリエステルタフタに本縫いで(運針数14)縫った布帛をJIS L1096摩耗強さC法に記載される方法に準じ30回摩耗しその摩耗度合いを目視にて判定した。(摩耗輪No.CS10、荷重250gf)
(判定の基準)
○ 縫糸がやや損傷している
△ 縫糸がかなり損傷している
× 縫糸が切断している
【0033】
〔縫糸の化学的耐久性〕
JIS H8502(メッキの耐食性試験方法)に記載されるキャス試験に準じて行った。試料は、1dm2 のポリエステルタフタに縫糸を運針数14で本縫いにて縫い付けたものとした。
試験時間は24時間とし、判定は以下の基準で行った。
○ 導電糸部分に腐食が認められない。
× 導電糸部分に腐食が認められる。
【0034】
〔縫合部抵抗値〕
図6に示すように、経糸部導電糸を含む糸条同士の角度(θ)が5°に成るように2枚の生地を巻き縫いで縫製する。
縫製した試料にクリップ電極を取り付け、シムコ表面抵抗器ST−3にて測定する。
〔防塵衣抵抗値〕
縫製した衣服に図6に示すようにクリップ電極を取り付け抵抗値を測定する。
〔布帛耐久性〕
JIS L 1096(一般織物試験方法)に記載される摩耗強さ試験方法のE法(マーチンデール法)に準じ5000回摩耗しその摩耗度合いを目視にて判定した。
(判定の基準)
○ 布帛がやや損傷している
× 布帛がかなり損傷している
【0035】
(実施例1)
地部を形成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸30d−12fの糸にベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでカバリングし、更にその上に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをZ撚りで480T/mでカバリングした導電糸被覆率65%のダブルカバリング構造の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入し、また、緯糸部導電糸条にポリエステル仮撚り加工系50d−24Fの糸に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでシングルカバリングした導電性糸被覆率30%のカバリング糸を20本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度105本/吋の平織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したものを3本Z撚り480T/mで合撚した縫糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、2、3、4に示す。
【0036】
(実施例2)
地部を形成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸100d−48fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸30d−12fの糸にベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでカバリングし、更にその上に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをZ撚りで480T/mでカバリングした導電糸被覆率65%のダブルカバリング構造の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入し、また、緯糸部導電糸条にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fの糸に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでシングルカバリングした導電糸被覆率28%のシングルカバリング糸を20本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度110本/吋の2/3綾織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したものを3本Z撚り480T/mで合撚した縫糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、表2に示す。
【0037】
(実施例3)
地部を形成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸100d−48fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸30d−12fの糸にベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでカバリングし、更にその上に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをZ撚りで480T/mでカバリングした導電糸被覆率65%のダブルカバリング構造の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入し、また、緯糸部導電糸条にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fの糸と、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mで合撚した導電糸被覆率26%のカバリング糸を20本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度85本/吋の平織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したものを3本Z撚り480T/mで合撚した縫糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、表2に示す。
【0038】
(比較例1)
地部を形成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸30d−12fの糸にベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mでカバリングし、更にその上に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをZ撚りで480T/mでカバリングした導電糸被覆率65%のダブルカバリング構造の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度105本/吋の平織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したもの3本をZ撚り480T/mで合撚した縫い糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、表2に示す。
【0039】
(比較例2)
地部を形成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸50d−24fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをインターレース加工した導電糸被覆率15%の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入し、また、緯糸部導電糸条にポリエステル仮撚り加工糸50d−24fの糸に、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをインターレース加工した導電糸被覆率15%の導電糸条を20本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度105本/吋の平織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸を2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したものを3本Z撚り480T/mで合撚した縫糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、表2に示す。
【0040】
(比較例3)
地部を構成する経糸にポリエステル長繊維糸75d−36f、緯糸にポリエステル仮撚り加工糸75d−36fを用い、経糸部導電糸条にポリエステル長繊維糸100d−48fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mで合撚した導電糸被覆率18%の導電性糸条を30本に1本の割合で挿入し、また、緯糸部導電糸条にポリエステル仮撚り加工糸100d−48fの糸と、ベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fをS撚りで600T/mで合撚した導電糸被覆率18%の導電糸条を20本に1本の割合で挿入して成る、経糸密度160本/吋、緯糸密度105本/吋の平織物を用い、ポリエステル長繊維糸40d−18fの糸とベルトロンB31(鐘紡製)20d−6fの糸2本の計3本をS撚り600T/mで合撚したものを3本Z撚り480T/mで合撚した縫糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表1、表2に示す。
【0041】
(比較例4)
実施例1の布帛を用い、ポリエステル長繊維糸75d−24fの糸をZ撚り400T/mで撚ったもの3本を、S撚り280T/mで合撚した縫い糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表3、表4に示す。
【0042】
(比較例5)
実施例1の布帛を用い、ポリエステル長繊維糸100d−34fに銀メッキした糸をS撚り600T/mで撚ったもの3本とをZ撚り480T/mで合撚した縫い糸を用い、防塵衣を作成した。性能を表3、表4に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003880743
【0044】
【表2】
Figure 0003880743
【0045】
【表3】
Figure 0003880743
【0046】
【表4】
Figure 0003880743
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、防塵衣を構成する織物の全方向に導通性を示し、また縫合部を含む防塵衣全体に亘って優れた導通性を示し、更に着用、洗濯を繰り返しても耐久性のある優れた導通性を有するため、アースを利用して効果的に静電気を除去できる防塵衣を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合紡糸繊維の一例を示す断面図。
【図2】ダブルカバリング構造を示す断面図。
【図3】織物の表面抵抗値(織物の長さ方向)の測定方法の説明図。
【図4】織物の表面抵抗値(斜め方向)の測定方法の説明図。
【図5】縫糸の抵抗値の測定方法の説明図。
【図6】縫製部の抵抗値の測定方法を示す説明図。
【図7】防塵衣の抵抗値の測定方法を示す説明図。
【符号の説明】
1 ベースポリマー層
2 導電性ポリマー層
3 合成繊維長繊維糸条
4 導電糸
5 試料
6 導電糸条
7 抵抗値測定器(シムコ製 ST−3)
8 電極
9 縫糸
10 縫製部

Claims (7)

  1. 導電糸条を経糸及び緯糸に間隔をおいて混用してなる織物であって、経糸及び緯糸に混用される導電糸条のうち、一方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたダブルカバリング構造であり、他方が芯となる合成繊維長繊維糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングしたシングルカバリング構造であるか又は合成繊維長繊維糸条と導電性複合紡糸糸を合撚した構造であることを特徴とする織物。
  2. 導電糸条における導電性複合紡糸糸の被覆率が20〜70%である請求項1記載の織物。
  3. 導電性複合紡糸糸がカーボンを含有し且つ電気抵抗が10 〜10 Ω/cmである請求項1又は2記載の織物。
  4. 導電性複合紡糸糸が非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有するマトリックスポリマーとを後者の少なくとも一部が繊維表面に露出するように複合紡糸して得たものである請求項1乃至3のいずれか1項記載の織物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の織物、織物どうしをカーボンを含有し且つ電気抵抗が10 〜10 Ω/cmである導電性複合紡糸糸を30〜100重量%含有する縫糸を用いて縫合して成る防塵衣。
  6. 縫糸に含まれる導電糸が非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有するマトリックスポリマーとを後者の少なくとも一部が糸表面に露出するように複合紡糸して得たものである請求項5記載の防塵衣。
  7. 縫製部を含む部分の抵抗値が10 Ω以下である請求項5又は6記載の防塵衣。
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