JP5326316B2 - 導電性織物の縫合方法およびそれを用いてなる導電性衣服 - Google Patents

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本発明は、表面導通性及び制電性の洗濯耐久に優れた縫合方法及び衣服に関するものである。さらに詳しくは、繰り返し洗濯により衣服の表面導電性および制電性を大きく損なうことなく、衣服の全領域において優れた表面導電性および制電性の洗濯耐久性を有する衣服に関するものである。
従来より、導電性衣服は静電気を障害とする部品・薬品を扱う作業場やクリーンルーム用の防塵衣として、静電気吸塵を防ぐために用いられてきた。導電性衣服はこれらの静電気対策のために導電糸が衣服内に織り込まれている。例えば、導電糸が一定間隔でストライプ状や格子状に織り込まれ、静電気をコロナ放電によって空気中に拡散することによって静電気吸塵を防止している。近年、静電気管理の要求特性としてIEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2において導電性衣服の表面抵抗値規定がなされており、衣服全体にわたる表面導通性が要求されている。衣服全領域で導通性を達成するためには、織物の斜め方向の導通性は勿論のこと、縫い目を挟んだ導通性を必要とされる。この場合、導電糸を異方向間で接触させて格子状に織り込み、かつ生地の縫合部で導電糸を互いに接触させることが必要となる。しかし、従来の技術では、洗濯処理前の衣服全体の導通性は問題ないが、繰り返し洗濯を行うことによって生地間の導電糸接触性が悪化し、衣服全体の導通性が悪くなったり、失われたりする問題があった。この問題を回避する手法として、縫い代に導電材を挟みこむ手法(特許文献1参照)があるが、この手法においては、導電材の耐久性だけではなく高コストとなることから問題が残る。また、特許文献2において、導電繊維を縫い糸の一部に使用する手法が開示されているが、縫い目を挟んだ導通性を満足に達成できるものではなく、さらに洗濯によるパッカリングが発生すると極端に導通性が低下する問題が残る。
実開昭58−160209号公報 実開昭55−135014号公報
本発明は、上記従来技術の現状に鑑み、表面導通性及び制電性の洗濯耐久に優れた衣服に関するものである。さらに詳しくは、衣服の縫合方法を工夫し、織物間の導電糸の接触を強固にすることで、繰り返し洗濯による衣服の表面導電性および制電性を大きく損なうことなく、衣服の全領域において優れた表面導電性および制電性の洗濯耐久性を有する衣服に関するものである。
本発明は、前記した課題を解消するために、次の構成を有するものである。すなちわ、
(1)導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物の縫合方法であって、該導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物の生地表面同士を重ね合わせて縫合した後、縫い代を全体的または部分的に融着させ、かつ縫合した織物をJISL0217(1995)103法による洗濯処理実施した後にIEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2規定に基づく測定法(23℃・25%RHの温調環境下、印加電圧10Vまたは100V)で、30cm離れた少なくとも縫い目を1つ挟む2点間の表面抵抗値(R)を測定した値がR≦1.0×1012Ωであることを特徴とする縫合方法。
(2) 超音波振動を与えて加熱することにより縫い代を全体的または部分的に融着させることを特徴とする(1)に記載の縫合方法。
(3) 導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物を縫合した導電性衣服であって、導電糸を経および緯に格子時用の間隔配列で挿入してなる織物の生地表面同士を重ね合わせて縫合した後、縫い代を全体的または部分的に融着させることにより、縫い代に含まれる導電糸同士を圧着または融着させ、JISL0217(1995)103法による洗濯処理実施した後にIEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2規定に基づく測定法(23℃・25%RHの温調環境下、印加電圧10Vまたは100V)で、該縫い目を少なくとも1つ挟む30cm離れた2点間の表面抵抗値(R)を測定した値がR≦1.0×1012Ωであることを特徴とする導電性衣服。
(4)導電糸の格子状間隔配列のピッチが経、緯ともに1〜20mmの範囲内であることを特徴とする(3)に記載の導電性衣服。
(5)導電糸が導電成分露出型導電糸であり、非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有する複合ポリマーから成ることを特徴とする(3)または(4)に記載の導電性衣服。
縫い代の全体的または部分的融着が、超音波振動を与えて加熱することによる融着であることを特徴とする(3)〜()のいずれかに記載の導電性衣服。
本発明によれば、衣服全体の表面導通性を大きく低下させることなく、かつ繰り返し洗濯後においても縫い目における導通性を大きく損なうことのない制電衣服を提供することができるものである。
本発明は、導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物、すなわち導電性織物の縫合方法及びその方法を用いた導電性衣服である。
本発明における導電性織物に使用される繊維としては、合成繊維や天然繊維、すなわち、ポリエステル、ナイロンなどのフィラメント糸や紡績糸、ポリエステルやナイロンなどのステープルとレーヨンステープル、綿繊維などとの混紡糸、さらに、親水性ポリマーをブレンドしたり、親水基を導入した制電性ポリエステルフィラメント糸や制電性ナイロン糸などが好ましく用いられる。
本発明における導電性織物に用いる導電糸とは、例えば金属被覆繊維や繊維基質となるポリエステルやポリアミド系のベースポリマーと、カーボンまたは金属や金属化合物などの導電微粒子を分散させたポリマーとを複合紡糸してなる導電繊維からなる糸もしくはこれらの導電繊維を含む糸のことである。本発明においては、酸やアルカリ環境下や洗濯耐久性の面で、カーボンを導電成分とする導電糸が好ましい。また、導電成分の複合手法として芯鞘・被覆・表面露出型などがある。さらにこれらの導電糸と合成繊維若しくは天然繊維からなる糸とを合糸若しくは撚糸又は混繊してなる糸などの公知の糸を使用することが出来る。
また、導電成分露出型導電繊維とは、導電物質や導電物質を含有する導電性ポリマーの少なくとも一部が表面に露出した状態にある複合紡糸繊維である。その断面形状等に制限はないが、単繊維断面の凸部に導電成分が露出していることが好ましい。この状態では、導電繊維間において導電成分の接触する可能性が高くなり、電荷の受け渡しがスムーズになる。断面の凸部とは、平面ではなく断面の外周方向に湾曲した曲線上または角のことであり、円形断面の円周も含むものとする。導電成分の露出カ所に制限は無いが、織物表面の導電成分露出率および導電繊維単繊維間の電荷の受け渡しの観点から、単繊維断面において3カ所以上露出していることが好ましい。さらに好ましくは、導電成分の単繊維全面の露出であり、この場合、糸強度や摩耗による剥離の点で問題が残るものの、導電繊維間で電荷の受け渡しが障害なく行うことができる。
導電成分露出型導電繊維による導電糸、すなわち導電成分露出型導電糸は、例えば単繊維繊度が1〜10dtex、総繊度が10〜150dtexのものが用いられる。導電成分露出型導電糸の電気抵抗値は、10Ω/cm以下、特に10Ω/cm以下が好ましい。
本発明の導電性織物は、導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる導電性織物である。導電性織物に用いる導電糸の織り込み方法に限りはないが、導電糸の繊度を同方向の地糸繊度対比で同等あるいはそれ以上とすることで、織物の表面に突出する導電糸面積が増加するため、縫合時に生地間の導電糸を接触させることが容易となる。また、二重組織などを用いて導電糸を織物表面に浮糸、つまり地組織よりも突出した形態で露出させる手法も好適である。
また、本発明における導電性織物は、少なくとも導電糸がタテ・ヨコ方向それぞれに一定の間隔でストライプ状に挿入・配置されており、該導電糸を挿入・配置させる間隔(格子状間隔配列のピッチ)としては、該間隔が狭い方が導電特性はよくなるが、導電特性と風合い、審美性・品位、及び、コスト等との兼ね合いで1〜20mm程度の間隔で挿入・配置されるもの、より好ましくは1〜10mm程度の間隔で挿入・配置されるものが例示される。該導電糸の配置間隔が、1mm未満では、導電糸の配置本数が大となり、風合いや、外観・品位、導電糸生産コストの点から好ましくない。また、該配置間隔が20mmを超える間隔では、縫い目を挟む表面抵抗を増加させないために縫い代幅を広くとる必要があり、織物の生産コスト上からも好ましくない。
本発明の導電性織物の縫合方法は、縫い代を全体的または部分的に融着させるものである。縫い代の全体または一部を融着させることで、縫合させた生地の縫い代に含まれる導電糸同士が圧着または融着し、接触がより強固になるために、衣服の縫い目を挟む表面抵抗を大幅に低下させることが可能となる。さらに、洗濯による生地収縮やパッカリングによる導電糸接触不良が発生しないので耐久性が非常に高い。
縫い代の融着方法はなんら限定されず、重ね合わせた生地に加熱体(熱板など)を接触もしくは接近させたり、ホットエアーを与えて融着させる方法が挙げられる。これらの方法による融着においても、良好な縫い目を挟む表面抵抗値が得られるが、熱板を接触させたりホットエアーを吹きかけたりした生地面は損傷が激しくなる場合があり、融着にも時間がかかるうえ、融着部の審美性に劣る場合もある。より好ましくはホーンを介して超音波振動を与えて加熱融着する方法が挙げられる。この方法を用いることで生地の融着が均一に行われるため効率よく融着縫合が可能で、審美上の問題も解消される。
融着においては、縫合する2枚の重ね合わせた生地の導電糸同士の交点が融着部に存在することが好ましい。導電糸同士の交点を含む部分を融着することにより、導電糸同士をより強固に圧着させることができ、さらには導電糸同士を融着させることができる。導電糸同士の交点を含む部分を融着しなくても、その周囲を融着することにより導電糸同士を圧着させることもできるが、縫い目の強度を考慮すると縫い代を全体的に融着することがより好ましい。導電糸同士の交点を含む部分を融着する場合、織物における導電糸間隔が広ければ融着長さを長くする必要があるが、少なくとも導電糸間隔と同等の長さで融着を行えば導電糸同士の交点が融着され、縫い目を挟む表面抵抗値を大幅に低下させることができる。ただし、生地を斜め(織物の経緯に対して斜め)にして縫合する場合は、縫い代で生地間の導電糸同士が交差する点が増えるため、融着長さを短くすることが可能となる。
融着による縫合方法は縫い目の強力が比較的弱いため、例えばユニフォームやスポーツ用途などの繰り返し着用の多い用途や激しい運動を想定した用途においては、シームテープや縫糸による縫合を併せて実施するのが好ましい。
融着処理とこれらの縫合との順序に制約はないが、縫糸による縫合を併用する場合、縫糸に熱可塑性成分を含んでいると熱処理時に縫糸が溶けて強度低下を起こすことがある。シームテープを併用する場合も順序に制約はないが、シームテープを貼り合わせする前に融着処理を行った方が、生地厚が薄いため均一に融着処理できるので好ましい。
シームテープとしては、例えば、基布層に高融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の樹脂類を使用し、接着層に低融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の熱溶着樹脂を使用したホットメルト型の公知のシームテープを用いることができる。このようなシームテープを縫合部分に当接させ、高周波や超音波、熱プレス等により熱接着樹脂を溶着させる方法、もしくはホットエアー等により熱接着樹脂を溶融後接着させ目止めする方法、あるいは、ゴム系に代表される粘着型の接着剤を縫目部分に塗布して目止めするための基布を接着する方法などが使用できる。
縫糸による縫代の縫合は、本縫い、単環縫い、二重環縫い、縁かがり縫い、および偏平縫いからなる群から選ばれる縫合方法で実施する。「本縫い」は、一般的にミシンを利用して作られる縫い目で、縫い目の構成が一縫い毎に独立し、表裏の縫い目が同じであり、ほどけにくいという特徴がある縫い方である。「単環縫い」とは、縫い目が針糸一本だけで作られ、裏面は針糸のループが互いに連続して鎖目状となって続く縫い方である。「二重環縫い」は、上に斜糸、下にはルーパー糸があり、このルーパー糸が斜糸とを互いに交錯させる縫い方である。この縫合方法は、縫糸が切れた場合でも縫い終わりの方から逆の方向に解かない限りほどけ難いという特徴があり、縫い目の強度も高く、伸縮性にも富む縫い方である。「縁かがり縫い」とは、布地の端を包むようにして縫う方法で、伸縮性に富むという特徴がある縫い方である。「偏平縫い」とは、通常フラットシーム縫いと呼ばれ、上の針糸、下のルーパー糸、および被せ糸という3種類の糸で縫い目が構成され、伸縮性に富み、強度に優れた確実な縫い目を作ることのできる縫い方である。これらの縫合方法は、良く知られた縫い方の代表でありこれらに限定されるものではなく、千鳥縫いなどの変化縫いに対しても効果は変わらない。
縫い目における生地の重ね方(縫い合わせ)は、特に限定されるものではない。重ね方からみた場合、融着処理の作業負荷の観点から生地は2枚を合わせて、導電糸同士が互いに接触するように縫い目に沿って融着を実施するのが簡易かつ効率的である。また、強度の観点から、融着後に片倒しコバスッテッチあるいは巻き縫いを併せて実施するのが好ましい。その他の折り伏せ縫いおよびパイピング、または袋縫い等をベースとする変化縫合法であっても融着による導電糸接触が成されていれば表面抵抗の洗濯耐久性は達成されるものである。
本発明の縫合方法によれば、静電気管理規格のIEC(国際電気標準会議)における61340−5−1,5−2に規定された要求特性を満たすものとなる。静電気管理規格のIEC(国際電気標準会議)における61340−5−1,5−2に規定された要求特性は、「23℃・25%RH温調環境下で衣服の少なくとも縫い目を1つ挟む2点間の印加電圧10Vまたは100Vにおける表面抵抗値を測定し、その表面抵抗値Rが1.0×1012Ω以下である」を満たすというものである。
この要求特性を達成するためには、本発明では、布帛の表面抵抗値が縫い目を挟まない上記測定法において、
R≦1.0×1012Ω (R:IEC規定に基づく表面抵抗値)
であることが好ましいが、本発明においては静電気拡散性を考慮すると1.0×1010Ω以下であることがさらに好ましい。さらにより好ましくは1.0×10Ω〜1.0×10Ωで、この範囲であれば効率よく素早く静電気を拡散させ、かつ帯電体からのスパーク感電を防ぐことができ、制電作業着や防塵衣用途として好適に用いることが可能となる。
本発明の導電性衣服は、導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物を用いた衣服であって、該衣服の縫合方法が、衣服の少なくとも1箇所の縫い目において融着による方法で縫合した衣服である。すなわち、本発明の縫合方法を少なくとも1箇所に用いた衣服である。
本発明の導電性衣服は洗濯耐久性に優れるため、繰り返し洗濯後のいかなる部分に静電気が発生しても、織物、衣服全体が安定的に導通しているので、導電糸からのコロナ放電またはアースが積極的に行われ、ユニフォーム、帽子、防塵衣などその他防帯電用途に好適に利用できる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、本発明における各種測定法は下記の通りである。
[超音波振動による融着装置]
クインライト電子精工(株)製「アーム可変型超音波ミシン」(MODEL:LWU−3015−4)を使用し、発振周波数を約27kHz、ホーン接地幅5mm、ホーン圧力0.15MPa、上部ローラー頭部圧力0.20MPa、左右サイドローラー圧力0.20MPaとしてシリンダーアームを使用せずにフリーアームのみで生地の縫い代の融着を行った。
[縫合部表面抵抗値]
IEC 61340−5−1規定に基づき、下記の通り測定した。
環境温室度が23℃、25%RHの試験室でタテ45cm、ヨコ45cmの二枚の試験片を生地間の導電糸軸を重ねないように、所定の縫合を行う。表面抵抗値測定器(トレック・ジャパン株式会社 Model152AP−5P)を使用して、30cmの間隔をあけて、かつ間に縫い目を挟むようにして二点間の印加電圧100Vにおける表面電気抵抗値を測定する。織物試料の同軸の導電糸を含まないように斜め方向を3点ずつ測定しその相加平均とした。図3に縫製後の概略図、図4に表面電気抵抗値測定の概略図を示す。
(実施例1)
地組織を形成する経糸にポリエステル糸84デシテックス−36フィラメントの2本双糸、緯糸にポリエステル仮撚加工糸334デシテックス−96フィラメントを用い、経糸導電糸および緯糸導電糸として図2の表面露出型繊維からなる84デシテックス−9フィラメントの導電糸を使用した。地組織を平織として、経糸導電糸をドビー織りで地経糸24本に1本の間隔(5mm)配列として、表2本の裏1本とばしで図1のような組織とする。また、緯糸導電糸は緯二重組織で地緯糸11本に1本の間隔(5mm)配列で地緯糸の上に配置させ、表3本の裏1本とばしで図1のような組織体の経密度が141本/2.54cm、緯密度が57本/2.54cmの生機を作製した。この生機を常法に従い精練、染色、仕上げを行い、仕上経密度が153本/2.54cm、緯密度が62本/2.54cmの織物を得た。得られた織物を45cm角で2枚採取し、生地表面同士を合わせて縫い代幅を10mmとして地縫いを行い、超音波ミシンで縫い代の長手方向に5mm幅で45cmの融着処理を実施した。その後に、オーバーロック、片倒しを行い2本針本縫いミシンでコバステッチを実施した。JISL0217 103法による洗濯処理を1回および20回実施した後に、縫合部表面抵抗値を測定した。各種データを表1に記す。
(実施例2)
地組織を形成する経糸にポリエステル糸84デシテックス−36フィラメントの2本双糸、緯糸にポリエステル仮撚加工糸334デシテックス−96フィラメントを用い、経糸導電糸および緯糸導電糸として図2の表面露出型繊維からなる84デシテックス−9フィラメントの導電糸を使用した。地組織を平織として、経糸導電糸をドビー織りで地経糸48本に1本の間隔(10mm)配列として、表2本の裏1本とばしで図1のような組織とする。また、緯糸導電糸は緯二重組織で地緯糸22本に1本の間隔(10mm)配列で地緯糸の上に配置させ、表3本の裏1本とばしで図1のような組織体の経密度が141本/2.54cm、緯密度が57本/2.54cmの生機を作製した。この生機を常法に従い精練、染色、仕上げを行い、仕上経密度が153本/2.54cm、緯密度が62本/2.54cmの織物を得た。得られた織物の縫い代幅を10mmとして地縫いを行い、超音波ミシンで縫い代の長手方向に10mm長で融着処理を実施した。その後に、オーバーロック、片倒しを行い2本針二重環縫いミシンでコバステッチを実施した。JISL0217 103法による洗濯処理を1回および20回実施した後に、縫合部表面抵抗値を測定した。各種データを表1に記す。
(実施例3)
実施例1と同条件で得られた織物を45cm角で2枚採取し、生地表面同士を合わせて一辺の生地端を縫い代として超音波ミシンで融着幅10mmとして一辺45cmの融着処理を実施した。縫糸による縫合は一切行わなかった。縫合した織物をJISL0217 103法による洗濯処理を1回および20回実施した後に、縫合部表面抵抗値を測定した。各種データを表1に記す。
(実施例4)
実施例1と同条件で得られた織物を45cm角で2枚採取し、生地表面同士を合わせて縫い代幅を10mmとして地縫いを行い、熱風発生装置(ヒートガン)を使用して縫い代全体を風量0.18m/min・風速1000m/min・温度250℃で融着させた。実施例1と同条件でオーバーロック、片倒しを行い2本針本縫いミシンでコバステッチを実施した。JISL0217 103法による洗濯処理を1回および20回実施した後に、縫合部表面抵抗値を測定した。各種データを表1に記す。
(比較例1)
実施例1と同条件で得られた織物を、融着処理なしで、実施例1と同条件でオーバーロック、片倒しを行い2本針本縫いミシンでコバステッチを実施した。JISL0217 103法による洗濯処理を1回および20回実施後の外観は縫い代の波打ちが強く、パッカリングが起きていることを確認した。縫合部表面抵抗値を測定した。各種データを表1に記す。
Figure 0005326316
実施例1の織物組織図である。(ただし、導電糸間の地糸本数は便宜上の理由で一致しない) 本発明に使用した表面露出型導電糸の断面図 二枚の織物を縫合する際の織物の重ね合わせ方の例 縫い目を挟む表面抵抗値の測定例 代表的な縫合図(ベースとなる縫合法および名称であり、これらが縫合法の全てではない)および各所説明
符号の説明
A:二重組織で組み込んだ導電糸
B:ドビーで挿入した導電糸
C:非導電成分のベースポリマー
D:表面の一部にカーボンを含むマトリックスが露出したポリマー部
E:本縫いミシンによる縫合の目(ステッチ)
F:織物の重ね合わせ部
G:測定プローブ(プローブ間直線距離:30cm)
H:折り伏せ縫い
I:表面抵抗値検出器
J:三巻縫い
K:パイピング
L:インターロックおよびコバステッチ
M:袋縫い
N:融着後にインターロック、コバステッチ
O:針間隔
P:ミシン針の方向
Q:ミシンの縫い目(ステッチ)
R:融着部
S:オーバーロック

Claims (6)

  1. 導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物の縫合方法であって、該導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物の生地表面同士を重ね合わせて縫合した後、縫い代を全体的または部分的に融着させ、かつ縫合した織物をJISL0217(1995)103法による洗濯処理実施した後にIEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2規定に基づく測定法(23℃・25%RHの温調環境下、印加電圧10Vまたは100V)で、30cm離れた少なくとも縫い目を1つ挟む2点間の表面抵抗値(R)を測定した値がR≦1.0×1012Ωであることを特徴とする縫合方法。
  2. 超音波振動を与えて加熱することにより縫い代を全体的または部分的に融着させることを特徴とする請求項1に記載の縫合方法。
  3. 導電糸を経および緯に格子状の間隔配列で挿入してなる織物を縫合した導電性衣服であって、導電糸を経および緯に格子時用の間隔配列で挿入してなる織物の生地表面同士を重ね合わせて縫合した後、縫い代を全体的または部分的に融着させることにより、縫い代に含まれる導電糸同士を圧着または融着させ、JISL0217(1995)103法による洗濯処理実施した後にIEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2規定に基づく測定法(23℃・25%RHの温調環境下、印加電圧10Vまたは100V)で、該縫い目を少なくとも1つ挟む30cm離れた2点間の表面抵抗値(R)を測定した値がR≦1.0×1012Ωであることを特徴とする導電性衣服。
  4. 導電糸の格子状間隔配列のピッチが経、緯ともに1〜20mmの範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の導電性衣服。
  5. 導電糸が導電成分露出型導電糸であり、非導電性ベースポリマーと導電成分としてカーボンを含有する複合ポリマーから成ることを特徴とする請求項3または4に記載の導電性衣服。
  6. 縫い代の全体的または部分的融着が、超音波振動を与えて加熱することによる融着であることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の導電性衣服。
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