JPH01111003A - 制電衣服 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、火災や爆発が発生し易い環境で働く作業者や
電気部品を取り扱ったりする作業者等の作業用衣服とし
て好適な制電衣服に関する。

〔発明の前景〕

合成繊維から成る布帛は、天然繊維から成る布帛に比較
すると、一般に、強度、耐久性に優れ、繊維ごみを発生
させることが少なく、洗濯しても乾きが早いから、作業
用衣服に好適である。特にフィラメント糸使いの布帛は
、繊維ごみを殆ど発生させないから、清浄環境で働く作
業者の作業用衣服に好適である。しかし、合成繊維から
成る布帛は、帯電し易いと言う欠点があり、帯電防止性
すなわち制電性を付与しなければ、静電気によるスパー
クが発生し易、くて、火災や爆発の生じ易い環境で働く
作業者や電気部品を取り扱ったりする作業者等の作業用
衣服には危険で用いることができない、天然繊維からな
る布帛であっても、低湿度雰囲気では帯電するようにな
るから、上述のような作業用衣服に用いる場合は制電性
の付与を必要とされることがある。

合成繊維から成る布帛に制電性を付与する方法としでは
、■合成繊維に親水性ポリマー等をブレンドしたり、親
水基を導入した改質繊維を用いる方法、■合成繊維また
は布帛に後加工によって親水性ポリマー等の吸水性物質
を付着させる方法、■導電糸例えば、金属繊維、炭素繊
維等の導電繊維から成る糸、あるいはこの糸と合成繊維
もしくは天然繊維から成る糸との合糸または撚糸から成
る糸、混合紡糸や複合紡糸あるいは塗布法や無電解メツ
キと言った化学処理によって得られる導電性繊維すなわ
ち、金属、導電性金属化合物、カーボンブラック、導電
性金属等の導電性物質が混入またはサイドバイサイドや
全周に付着した導電性合成繊維から成る糸、あるいはこ
の糸と合成繊維もしくは天然繊維から成る糸との金糸ま
たは撚糸から成る糸を適当な間隔で織り込むか編み込む
かする法、■布帛に導電性塗料を塗布したり、導電性フ
ィルムを貼り合わせたり、金属等の被膜を蒸着やスパッ
タリングで設けたりする方法がある。

このうち、■の方法は、５０％ＲＨ以上の高湿度雰囲気
では改質゛繊維の比抵抗が１０１〜１０９Ω・１となっ
て一応の制電性が得られるが、３０％ＲＨ以下の低湿度
雰囲気では比抵抗が高くなって制電効果が得られなくな
る。■の方法は、■の方法と同様に、低湿度雰囲気では
制電効果が得られず、さらに、繰り返し洗濯等によって
制電性が低下し易いと言う問題もある。■の方法は、導
電繊維や導電性繊維が合成繊維等に比較すると高価で、
柔軟性に欠けるため、導電糸を高密度に用いると、布帛
のコストが高くなるばかりでなく、風合が硬くなって、
衣服にした場合に着用感が悪くなる。、そして、導電糸
を低密度に用いた布帛は、コストや着用感が改善されて
も、前述のような高度の制電性能を要求される作業用衣
服には、制電性が不十分とされるようになる。衣服を形
成するためには、裁断した布帛をミシン縫等で接合しな
ければならず、その際、導電糸の接続までも行うように
接合することは困難であることも上述の問題を助長する
。■の方法は、金属等の被膜を設けるのは、洗濯等に対
して被膜の耐久性が悪いし、導電性の塗料やフィルムに
よるのは、風合が硬くなって、衣服への加工性や着用時
の行動性が悪くなり、通気性も悪くなって、衣服がむれ
易いものとなる。フィルムによった場合は、さらに、フ
ィルムが剥がれ易いと言う問題もある。

本発明者らは、スパークや他の静電気障害を生せしめる
ことがない衣服を得るのに、衣服の各部分に同じ布帛を
用いるようにした場合は上述のような問題があるが、■
の方法の導電糸入り布帛と■の方法の導電層を設けた布
帛とを適当に用いて衣服を形成した場合は、上述の問題
を解消し得ることを見出した。

〔発明の目的〕

本発明は、上述の背景に基いてなされたものであり、制
電性、耐久性１着用性に優れて、比較的安価に得られる
制電衣服の提供を目的とする。

〔発明の構成〕

本発明は、導電糸を適当な間隔で織り込むか編み込むか
した布帛を主に用い、織編物の少なくとも片面に導電層
を設けた布帛を部分的に用いて形成され、両布帛の接続
が導電糸と導電層が接触する重ね合わせで行われている
ことを特徴とする制電衣服にあり、この構成によって、
導電層を設けた布帛を衣服の制電性に効果的に働く部分
、着用性に影響を及ぼすことが少ない部分、導電層の疲
労することが少ない部分等に用いることで、導電糸入り
布帛を比較的安価なコストで得られて着用性の低下しな
い導電糸配設密度のものとすることができ、前述の目的
を達成することができる。

導電糸入り布帛の導電糸には、先に述べたような導電糸
であって、１ｃｍの長さの間の電気抵抗すなわち、比抵
抗が乾燥状態で１０９Ω・ｃｍ以下の導電糸が好ましく
用いられる。そして、布帛への導電糸の織り込みや編み
込みは、経、緯いずれかのストライブ状でも、経、鱒両
方の格子状でもよい。

導電糸の配設密度は、制電性の面からは着用性の低下し
ない範囲でできるだけ高密度とするのが好ましいが、コ
ストの面も考慮すると、前述のような好ましい比抵抗の
導電糸を用いた場合、ストライブ状では導電糸を十数本
に１本の割合から１０ｃｉ幅に１本の割合の範囲が適当
に用いられ、格子状ではそれよりもさらに粗の配設密度
まで用いることができる。導電糸以外の糸としては、ポ
リエステル、ナイロンのフィラメント糸や紡績糸、ポリ
エステル、ナイロンのステーブルとレーヨンステープル
や綿等の混紡糸、その他のフィラメント糸や紡績糸を用
いることができ、特に前記■の方法による改質繊維から
成る制電性ポリエステルフィラメント糸や制電性ナイロ
ンフィラメント糸が好ましく用いられる。　゛ 織編物の少なくとも片面に導電層を設けた布帛としては
、前記■の方法によって得られる布帛が用いられるが、
中でも■２液型ポリエーテルポリオール変性ポリウレタ
ン樹脂、メラミン誘導体。

有機ポリイソシアネート、架橋触媒から成る樹脂組成物
に導電性物質を分散させた導電性塗料を織編物に塗布し
て加熱乾燥することにより導電性塗料を固化した布帛、
＠前記導電性塗料を薄膜化して架橋処理することにより
得られた導電性フィルムを織編物に前記樹脂組成物を接
着剤として貼合した布帛、の−波型透湿性ポリウレタン
樹脂に導電性物質を加えた導電性塗料を薄膜化して得ら
れた導電性フィルムを織編物に前記樹脂組成物を接着剤
として貼合した布帛であって、電気抵抗が導電糸入り布
帛よりも一段と小なるものが好ましく用いられ、特に■
の布帛、あるいは＠、■における接着剤に導電性物質を
加えた布帛のような、導電層が直接織編物に接して設け
られている布帛が好ましく用いられる。また、１導電層
を設ける織編物が導電糸入りであることは、制電性９点
で好ましい。

以上のような導電層を設けた布帛は、衣服の袖口部、裸
部、前立部、裾部等の端部分、あるいは先に述べたよう
な導電糸入り布帛の導電糸を導電層で接続するように導
電糸入り布帛の間に用いる。

導電層を設けた布帛を端部分に用いるのは、身体に直接
接触する袖口部や裾部が好ましい、この場合、導電層を
片面側にだけ設けた布帛の場合は、折り返しをするなど
して、導電層が身体側になるようにするのが好ましい、
また、導電層を片面にだけ設けた布帛の場合は、導電層
側を導電糸入り布帛と重ねて、ミシン縫等により導電糸
入り布帛と接続する。この点、導電層を両面に設けた布
帛の場合は、表裏を考慮しなくても導電層と導電糸が接
触するようになる。また接続は、ストライブ状に導電糸
が入っている布帛の場合は、できるだけ多くの導電糸が
導電層と接続するように、導電糸が接続線に交わる方向
で両布帛を重ねて行うようにする。この点も、導電糸が
格子状に入っている布帛の場合は、特に考慮することな
しに、すべての導電糸が導電層と接続するようになる。

以上のように導電糸入り布帛と導電層を設けた布帛とを
用いて作った衣服は、導電糸入り布帛の導電糸密度が着
用性を低下させず、コストを余り高くしない密度であっ
ても、導電層を設けた布帛によって優れた制電性を示し
、導電層を設けた布帛が着用性を低下させたり、耐久性
に劣ったりすることもないと言う優れた性能を示す。

〔実施例〕

以下、本発明を図示例によって説明する。

第１図、第２図はそれぞれ上衣の例を示し、第１図の上
衣は、袖口部と腕の付は根から両脇部に導電層を設けた
布帛１を用い、それ以外の部分ば導電糸入り布帛２を用
いており、第２図の上衣は、袖口部と裾部および肩と背
あるいは肩と胸から下の部分の継ぎ部分に導電層を設け
た布帛１を用い、それ以外の部分に導電糸入り布帛２を
用いている。

なお、第１図の導電糸入り布帛２は導電糸をストライプ
状に配設した布帛、第・２図の導電糸入り布帛２は格子
状に配設した布帛である。１いずれの上衣においても、
布帛１と布帛２の接続は、第３図の側面図に示したよう
に、布帛１の導電層１８面と布帛２を重ねるようにして
行われている。

１液型透湿性ポリウレタン；クリスボン３３１４（大日
本インキ化学工業■製）１００部に導電性カーボンペー
スト；エルティックＥＣ８０１３８０部ヲ混合したポリ
ウレタン溶液をポリプロピレンコート紙上にコンマコー
ターを用いて固形分が８　ｇ／ｒａ”になるように塗工
し１００°Ｃで２分間加熱乾燥させ導電層フィルムを形
成させる。別途、平均分子量１５００のポリエチレング
リコール２０部、平均分子量２０００のポリブチレンア
ジペートジオール８０部、及びトリレンジイソシアネー
ト１５部をトルエン１０５ｑとジメチルホルムアミド６
８部との混合溶媒１７３部中で反応させ、樹脂濃度４０
％の２液型ポリエーテルポリオール変性ポリウレタン樹
脂溶液を得、この溶液にトリメチロールメラミン１０部
（２液型ポリエーテルポリオール変性ポリウレタン樹脂
に対し８７％）を加え、さらにヘキサメチレンジイソシ
アネート１５部、ｐ−トルエンスルホン酸０．５部。

ジブチル錫ジラウレート０．５部を加えて、２液型ポリ
エーテルポリオール変性ポリウレタン樹脂を得た。これ
を接着剤として先に得た導電層フィルム上に接着剤固形
分が１８ｇ１０＋”になるように塗工し、３０秒間乾燥
させて接着剤層付き導電層フィルムを得た。また、経糸
及び緯糸にポリエチレンテレフタレートフィラメント糸
（７５ｄｅ／７２ｆｉｌ）を用いた平織物を常法により
分散染料（Ｃ，１，Ｎαデスパース・ブルー１３９）で
染色した後、撥水剤；アサヒガフィット処理して紺色の
撥水性平織物（経糸密度１１６本／２．５４Ｃ１１，緯
糸密度９４本／２．５４　ｃｍ）を得た。

この織物と接着剤層付き導電層フィルムの接着剤層とを
重ねて１２０″Ｃの加熱ロールに通し貼合わせたものを
２日間エージングした後、ポリプロピレンコートの離型
紙を剥離して導電層を有する布帛を得た。これを布帛１
とする。一方、ポリエステル加工糸（７５ｄｅ／７２ｆ
　ｉｌ）を経、緯糸に用い、ナイロンモノフィラメント
（２２ｄｅ）に導電性カーボンを被覆した導電繊維とポ
リエステル加工糸（７５ｄｅ／７２　ｆｉｌ）とを交撚
（撚数２００Ｔ／ｍ）　した導電糸を経糸に８−間隔で
用いて平織物を得、この織物を通常の仕上げ加工方法で
加工したものを布帛２とする。

そして、★ドライブ状に配設された布帛２の各導電糸が
布帛１の導電層１ａと接触する第３図の接続をＡ、布帛
２の、各導電糸が布帛１の導電層１ａのない面倒と接触
する第４図の側面図に示したような接続をＢ、布帛２同
志を第５図の平面図に示したようにストライプ状の導電
糸の位置を互いにずらして重ねて接続した場合をＣ１第
６図の平面図に示したように布帛２単独の場合をＤ、第
７図の平面図に示したように布帛１の単独の場合をＥと
して、幅５Ｃ１１で長さ５ｃｍの間のＪＩＳＬ１０９４
の方法による表面漏洩抵抗、および幅３．５吋で長さ５
吋の間のＵＳＡ　Ｆｅｄｅｒａｌ　Ｔｅ５ｔ　Ｍｅｔｈ
ｏｄ　５ｔａｎｄａｒｄ　ＮＩＩＬＩＯＩＢＭｅｔｈｏ
ｄ　４０４６の減衰法による２秒後の残留電位を測定し
、制電性を比較した。なお、Ａ−Ｃについては重ね合わ
せ長５鴫の接続部が長さの中央に位置するようにした。

Ｄ、Ｅは勿論、中間に接続部はない。測定結果を第１表
に示す。

第　　１　　表 第１表に見るように、布帛１の導電層１ａと布帛２を重
ねて接続したＡの場合は、制電性が著しく向上する。こ
のような制電性向上効果は、第３図の接続に限らず、第
８図の側面図に示したような接続によっても得ることが
できる。

第１図、第２図の上衣は、以上のような制電性向上効果
や布帛１が袖口部に設けられた身体に直接接触して放電
が行われるよ７うな効果等により、優れた制電性を示し
、また布帛１が部分的に用いられているため着用感や耐
久性も優れている。

本発明は、図示例に限定されるものではなく、ズボンや
上下一体の衣服にも適用できる。また、導電層を設けた
布帛が第８図に示した接続部分にだけ用いられているも
のであってもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、制電性、耐久性９着用性に優れた衣服
が比較的低コストで得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図はそれぞれ本発明衣服の一例を示す背面
図、第３図は本発明衣服における導電糸入り布帛と導電
層を設けた布帛の接続の例を示す側面図、第４図および
第５図はそれぞれ接続の比較例を示す側面図および平面
図、第６図および第７図は導電糸入り布帛および導電層
を設けた布帛自体の制電性を求めるサンプルの平面図、
第８図は第３図とは異なる接続例を示す側面図である。 １・・・導電層を設けた布帛、 １ａ・・・導電層、 ２・・・導電糸入り布帛。 第１図 第２図 第３図 第４図 第　　７　　図 第　　８　　図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）導電糸を適当な間隔で織り込むか編み込むかした
   布帛を主に用い、織編物の少なくとも片面に導電層を設
   けた布帛を部分的に用いて形成され、両布帛の接続が導
   電糸と導電層が接触する重ね合わせで行われていること
   を特徴とする制電衣服。
2. （２）導電層を有する布帛が異なる部分の導電糸入り布
   帛の導電糸間を接続するように用いられている特許請求
   の範囲第１項記載の制電衣服。
3. （３）導電層を有する布帛が衣服の端部分に用いられて
   いる特許請求の範囲第１項記載の制電衣服。