JP2017106134A - 導電性複合加工糸および導電性織物 - Google Patents

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Hiroshi Suyama
浩史 須山
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Abstract

【課題】本発明は、導通性および制電性の効率を高め、かつ洗濯耐久に優れた織物および衣服に好適に用いられる導電性複合加工糸を提供する。さらに詳しくは、本発明は、導電性複合加工糸の沸水収縮率と交絡間隔を制御することにより、工業洗濯後に導電糸の収縮が抑制されて、織物の内部に導電性複合加工糸が埋没して性能劣化するという課題を解消する導電性織物を提供する。【解決手段】本発明の導電性複合加工糸は、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸が交絡で複合されてなる複合加工糸であって、前記の複合加工糸における導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸の沸水収縮率A(%)と非導電性繊維からなる非導電糸の沸水収縮率B(%)とが、次式(1)の関係を満足する導電性複合加工糸である。[沸水収縮率A(%)−沸水収縮率B(%)]≦+5.0(%) ・・・ (1)【選択図】 なし

Description

本発明は、繰り返し洗濯による性能劣化の少ない耐久性に優れた導電性複合加工糸およびその織物と衣服などの縫製品に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、織物および衣服の全領域において優れた導電性および制電性を持続することができる導電性複合加工糸、および、その導電性複合加工糸を用いてなる導電性織物および縫製品に関するものである。
従来から、導電性衣服は静電気を障害とする部品・薬品を扱う作業場やクリーンルーム用の防塵衣として、静電気吸塵を防ぐために用いられてきた。導電性衣服は、これらの静電気対策のために導電繊維糸が衣服内に織り込まれている。例えば、導電繊維糸が一定間隔でストライプ状や格子状に織り込まれ、静電気をコロナ放電によって空気中に拡散することによって静電気吸塵を防止している。
しかしながら、従来の導電性素材では繰り返し洗濯によって導電繊維糸の収縮や地糸の膨らみによって導電繊維糸が埋没して性能が大きく低下するという課題があった。
また、芯となる合成繊維長糸条に導電性複合紡糸糸をカバリングした構造することにより、導電繊維糸の接触点を高め導電性の効率を高める手法が提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、この提案においても、なお、繰り返し洗濯による収縮に導電繊維糸が埋没して性能が低下するという課題は解決することができなかった。
さらに、導電性繊維を鞘部に配したダブルカバリング糸条を用い、導電性繊維の露出を多くすることにより、導電性の効率を高める手法が提案されている(特許文献2参照。)。しかしながら、この提案においても、繰り返し洗濯による収縮に導電繊維が部分的に埋没して、生地に皺が発生し、導電性能・表面品位が低下するという課題は解決することができなかった。
特開平11−350296号公報 実開2010−285708号公報
そこで本発明の目的は、上記従来技術の現状に鑑み、導通性および制電性の効率を高め、かつ洗濯耐久性に優れた導電性複合加工糸、および導電性織物、さらには衣服などの導電性縫製品を提供することにある。さらに詳しくは、本発明の目的は、導電成分が表面に露出する導電成分露出型導電繊維の糸形態を制御することにより製織後の染色加工、さらには繰り返し洗濯によって導電性の性能劣化を引き起こす課題をも解消することが可能な導電性複合加工糸、それからなる導電性織物よび導電性縫製品を提供することにある。
本発明は、前記した課題を解消せんとするものであって、本発明の導電性複合加工糸は、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸が交絡で複合された複合加工糸であって、前記の複合加工糸における導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸の沸水収縮率A(%)と非導電性繊維からなる非導電糸の沸水収縮率B(%)とが、次式(1)の関係を満足することを特徴とする導電性複合加工糸である。
[沸水収縮率A(%)−沸水収縮率B(%)]≦+5.0(%) ・・・ (1)
本発明においては、前記の導電性複合加工糸を用いて導電性織物を製織することができる。
本発明の導電性織物の好ましい態様によれば、前記の導電性複合加工糸を織物の経および/または緯方向に間欠的に配列した織物であって、工業洗濯50回後の織物における導電性複合加工糸の製品交絡間隔が100mm以下であり、かつ工業洗濯50回後の織物表面におけるIEC表面抵抗値が1.0×1010Ω以下であることを特徴とする導電性織物である。
本発明によれば、衣服などの縫製品全体の表面導通性を大きく低下させることなく、かつ繰り返し洗濯後においても縫い目における導通性を大きく損なうことのない織物や縫製品に好適な導電性複合加工糸が得られる。また、本発明によれば、その導電性複合加工糸を用いてなる、前記の導電性織物および縫製品が得られる。
図1は、本発明で用いられる導電成分露出型導電繊維の断面図である。 図2は、本発明で用いられる他の導電成分露出型導電繊維の断面図である。 図3は、本発明で用いられる他の導電成分露出型導電繊維の断面図である。
本発明は、導電成分露出型導電繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸とからなる導電性複合加工糸を作成し、その導電性複合加工糸を経方向および緯方向に好ましくは格子状の間欠配列で挿入することにより、導電性織物を提供するものである。
すなわち、本発明の導電性複合加工糸は、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸が交絡で複合された複合加工糸であって、前記の複合加工糸における導電糸の沸水収縮率A(%)と非導電糸の沸水収縮率B(%)とが、次式(1)の関係を満足する導電性複合加工糸である。
[沸水収縮率A(%)−沸水収縮率B(%)]≦+5.0(%) ・・・ (1)
本発明の導電性複合加工糸に使用される非導電性繊維としては、合成繊維や天然繊維、すなわち、ポリエステルナイロンなどのフィラメント糸や紡績糸、ポリエステルやナイロンなどのステープルとレーヨンステープルや綿繊維などとの混紡糸、さらに、親水性ポリマーをブレンドしたり、親水基を導入した制電性ポリエステルフィラメント糸や制電性ナイロン糸などが好ましく用いられる。
また、本発明の導電性複合加工糸に用いられる導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸とは、金属被覆繊維からなる糸状や、繊維基質となるポリエステルやポリアミド系のベースポリマーと、カーボンまたは金属や金属化合物などの導電微粒子を分散させたポリマーとを複合紡糸してなる導電繊維からなる糸状、もしくはこれらの導電繊維を含む糸状のことである。本発明においては、酸やアルカリ環境下や洗濯耐久性の面で、カーボンを導電成分として含有する導電糸が好ましく用いられる。
また、導電成分の複合手法として、芯鞘、被覆および表面露出型などの手法が挙げられる。さらに、これらの導電糸と合成繊維マルチフィラメント糸とを混繊し、導電糸を糸条の表層に露出させてなる導電性複合糸として用いることができる。
また、導電成分露出型導電性繊維としては、図1から図3に示すように、導電性ポリマー1と非導電性ポリマー2から構成され、導電性ポリマー1の少なくとも一部が表面に露出した状態にある複合紡糸繊維が挙げられる。図1と図2は導電性ポリマー1の個数が3であり、図3は導電性ポリマー1の個数が6である。
その断面形状等としては、例えば、図1に示すような円形断面、または図2や図のように単繊維断面の形状が異形で、凸部を有するものであることが好ましく、単繊維断面の凸部に導電成分が露出していることが好ましい態様である。このような状態では、導電繊維間において導電成分の接触する可能性が高くなり、電荷の受け渡しがスムーズになる。単繊維断面の凸部とは、平面ではなく断面の外周方向に湾曲した曲線上または角のことであり、円形断面の円周も含むものとする。
導電成分の露出カ所については、織物表面の導電成分露出率および導電繊維単繊維間の電荷の受け渡しの観点から、単繊維断面において3カ所以上露出していることが好ましい態様である。
導電成分露出率は、導電糸横断面全周長の2〜40%であれば導電糸単繊維間の電荷の受け渡しがしやすくなり好ましい態様である。ここで導電成分露出率が2%未満の場合は、繊維表面における電気抵抗値が増大し、繊維表面での導電性能に劣るものになる。また、導電成分露出率が40%を超える場合には、導電糸が擦化された場合、導電成分が剥離しやすくなるという課題が発生することがある。
導電成分露出型導電性繊維による導電糸、すなわち導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸は、例えば、単繊維繊度が1〜10dtexで、総繊度が10〜150dtexの糸状が好ましく用いられる。導電成分露出型性からなる導電糸の電気抵抗値は、好ましくは10Ω/cm以下であり、特に10Ω/cm以下であることが好ましい態様である。このような電気抵抗値は、導電性成分を表面の一部に露出させることにより、容易に達成することができる。導電糸の電気抵抗値は、20℃の温度で、30%RH環境下において、10cmにフィラメントカットした両端に電圧を印可(この場合は500Vとした。)したときの比抵抗のことである。
本発明の導電性複合加工糸は、既述のとおり、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸が交絡で複合されていることが重要である。
交絡が糸条の長手方向に連続的に付与されることにより、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸とが混ざり合い、収束と開繊を繰り返すことになる。この効果により、各導電繊維表面の接触回数が増え、電荷の受け渡しを効率良く行うことができる。
本発明の導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸とがからなる複合加工糸の交絡方法としては、インターレース方法が、混繊において強固な交絡を付与することができ、好適である。インターレース方法における混繊において、それぞれの糸状のフィード率(給糸率)、および交絡用ノズル種とその圧力流量は、適宜設定されるものであるが、フィード率は導電糸と非導電糸で同等、あるいは導電糸のフィード率を1.0〜3.0%程度に高く設定するのが好ましい態様である。導電糸のフィード率が小さい場合、インターレースした導電糸条の内部に導電成分露出型導電糸が埋没しやすくなるため、織物の表面電気抵抗は悪化してしまうことがある。
この際、好ましい交絡圧は0.2〜0.5MPaである。ノズルの圧空圧が0.5MPaを超えると、交絡が入りすぎ粗硬感が強くなる。また、ノズルの圧空圧が0.2MPa未満では、各導電繊維表面の接触回数が少なくなり、織物の表面電気抵抗は悪化する。
また、本発明の導電性加工糸は、導電成分露出型導電繊維からなる導電糸の沸水収縮率A(%)と非導電性繊維からなる導電糸の沸水収縮率B(%)とが、次式(1)の関係を満足することが重要である。
[沸水収縮率A(%)−沸水収縮率B(%)]≦5.0(%) ・・・ (1)。
このようすることにより、導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸の熱収縮が発生しても導電性複合加工糸の内部に、導電糸が埋もれて表面電気抵抗が悪化するという課題が回避される。沸水収縮率差は、より好ましくは、+3.0%以内であり、さらに好ましくは+1.0%以内に抑えることである。
上記の式(1)が5%を超えると、その後の染色加工時に導電性繊維が収縮することにより糸条の内部、さらには生地内部に埋没することになり、表面電気抵抗値の悪化につながる。特に、縫製品の縫合せ部分での生地間の静電気で発生した電子の受け渡しが不能となり、衣服全体で導電性能が悪化してしまうことがある。
一方、上記式(1)の関係が−5%未満になると、導電性繊維が表面に浮いた状態で露出しすぎて、着用摩擦により導電繊維が破断する等の課題がある。
また、導電繊維間で電荷の受け渡しを効率良くするには、工業洗濯50回後の織物における導電性複合加工糸の製品交絡間隔が5mm以上100mm以下あることが好ましい態様である。ここでの製品交絡間隔とは、染色後の織物を分解して取得した導電性複合加工糸の交絡間隔のことである。導電性複合加工糸は、織編物の状態で糸長手方向に交絡部・非交絡部を繰り返し有している。通常、洗濯を繰り返すことにより、交絡部は外れやすくなるが、工業洗濯50回後の織物における導電性複合加工糸の製品交絡間隔が5mm以上100mm以下を満たすことにより、交絡部において各導電繊維表面の接触回数が増え、電荷の受け渡しを効率良く行うことができる。
ここで、製品交絡間隔が5mm未満になると、交絡が多すぎて、粗硬感の強い織物になる。また、製品交絡間隔が100mmを超えると、各導電繊維表面の接触回数が少なくなり、織物の表面電気抵抗は悪化する。より好ましい製品交絡間隔は、5mm以上50mm以下である。
また、工業洗濯50回後の織物表面におけるIEC表面抵抗値は、1.0×1010Ω以下であることが、効率良く素早く静電気を拡散させ、かつ工業洗濯後もその効果は持続させることができ、好ましい態様である。IEC表面抵抗値が1.0×1010Ωを超えると、静電気が発生し易くなる。IEC表面抵抗値のより好ましい範囲は、1.0×106Ω〜1.0×10Ωである。
本発明の導電性織物は、導電性複合加工糸を織物の経方向および/または緯方向に格子状の間隔配列で挿入してなる導電性織物である。導電性織物に用いられる導電性複合加工糸の織り込み方法としては、導電性複合加工糸の総繊度を同方向の地糸総繊度対比で、同等あるいはそれ以上とすることにより、織物の表面に突出する導電性複合加工糸を構成する導電糸面積が増加するため、縫合時に生地間の導電糸を接触させることが容易となる。また、二重組織などを用いて導電性複合加工糸を織物表面に浮糸、すなわち地組織よりも生地の垂直方向に突出した形態で露出させる手法も好適である。
また、本発明における導電性織物は、少なくとも導電性複合加工糸が経方向および/または緯方向それぞれに一定の間隔でストライプ状に挿入および配置されており、導電性複合加工糸を挿入および配置させる間隔(格子状間隔配列のピッチ)としては、その間隔が狭い方が導電特性はよくなるが、導電特性と風合い、審美性・品位およびコスト等との兼ね合いで、1〜20mm程度の間隔で挿入および配置されるもの、より好ましくは1〜10mm程度の間隔で挿入および配置されるものが例示される。
導電性複合加工糸の配置間隔が、1mm未満では、導電性複合加工糸の配置本数が大となり、風合いや、外観・品位および導電性複合加工糸の生産コストの点から好ましくない。また、その配置間隔が20mmを超える間隔では、縫い目を挟む表面抵抗を悪化させないために縫い代幅を広くとる必要があり、織物の生産コスト上からも好ましくない。
本発明の導電性織物によれば、制電性の耐久性にも優れた縫製品を提供することができる。その結果、かかる織物は、ユニフォーム、帽子および防塵衣などの衣服やその他防帯電用途に好適に利用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本発明における各種測定法は、下記のとおりである。
[沸水収縮率および沸水収縮率差]
織物に使用する原糸あるいは導電複合加工糸を、JIS L 1013(2015年度版)に規定されている熱水収縮率に基づいて測定した結果が、沸水収縮率である。沸水収縮率差は、表面露出型繊維からなる導電糸の沸水収縮率A(%)から組み合わせする非導電性繊維からなる非導電糸の沸水収縮率B(%)を引き算したものであり、その値が正の場合は『+』、負の場合は『−』で表記して、正負を区別するものとする。
沸水収縮率は、原糸あるいは導電複合加工糸をかせ取りし、0.09cN/dtexの加重下で試料長L0を測定した後、無加重の状態で15分間、沸騰水中で処理を行う。処理後、風乾し、0.09cN/dtexの加重下で試料長L1を測定し、次式で算出する。
・沸騰水収縮率(SW)(%)=[(L0−L1)/L0]×100。
[工業洗濯方法]
工業洗濯は高温水および熱風乾燥で処理される洗濯方法であり、洗濯条件は以下の通りである。洗剤および助剤は特に限定されるものではないが、本法で使用したのは次のとおりである。JIS L1096F−3法に準じて織編物を洗濯し、その後に60℃で30分間タンブラー乾燥する操作をいう。この操作が工業洗濯1回であり、工業洗濯50回とは、この操作を50回繰り返すことをいう。
[工業洗濯50回後の製品交絡間隔]
上記記載の工業洗濯50回後の織物を分解して得られた複合加工糸の交絡間隔のことである。交絡は、0.1g/dの張力下における1m当たりの交絡部の数であり、0.02g/dの張力下で非交絡部にピンを刺し、糸条1mにわたり0.1g/dの張力でピンを糸の長手方向の上下に移動せしめ、移動した距離を非交絡部とし、ピンが止まる部分を交絡部とする。ここでは、糸条の未解撚部も交絡部として数える。製品交絡間隔は下記式で算出する。
・製品交絡間隔(mm)=1000/(1m当たりの交絡部の数)。
[生地(織物)の表面電気抵抗値]
IEC(国際電気標準会議)61340−5−1,5−2規定に基づき、下記のとおり測定した。ただし、本手法は、縫い目を挟まない独自方法であるが、その他の測定条件はIEC規格に基づくものとする。
導電糸が織物の経方向および緯方向に挿入された生地を40cm×40cmの正方形に裁断して、表面電気抵抗値を測定する。表面抵抗値測定器(トレック・ジャパン株式会社 Model152AP−5P)の測定ブローブを、30cmの間隔をあけて、二点間の印加電圧100Vでの表面電気抵抗値を測定する。このとき、織物試料の同軸の導電糸を含まないように斜め方向に2点をとる。これを任意の3箇所について繰り返し、その相加平均を算出した。
(実施例1)
図1に示す導電成分露出型導電繊維からなる導電糸A(28デシテックス−3フィラメント)を、ヒーター温度を190℃に設定した非接触型ヒーターに、リラックスフィード率8.0%とし加工速度300m/分で弛緩熱処理を施して、低収縮加工導電糸Bを得た。加工前の導電成分露出型導電繊維からなる導電糸Aの沸収率は12.1%であり、低収縮加工処理後の導電糸Bの沸収率は3.2%であった。
その後に、低収縮加工処理後の導電成分露出型導電繊維からなる導電糸Bのフィード率を0.7%とし、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント、沸収率6.5%)のフィード率を0.2%として、インターレース処理(ノズル圧:0.35MPa、加工速度400m/分)を実施し、導電糸Bと非導電性ポリエステルマルチフィラメントCが交絡で複合されてなる導電性複合加工糸を得た。
織物の地組織を形成する経糸および緯糸に、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント)を用い、導電糸の配列間隔が5.5mmとなるように導電性複合加工糸を経糸と緯糸ともに配列して平織を製織した。染色加工は、定法によって処理され、一般的な精練、中間セット、液流染色、および仕上セットを実施して、密度が104×68本/2.54cmの平織物を得た。その後、工業洗濯を50回実施し、得られた織物の製品交絡間隔は2.4cmで、表面抵抗値は3.6×10Ωであり、工業洗濯後も大変優れた導電性能を有していた。
(実施例2)
図1に示す導電成分露出型導電繊維からなる導電糸A(28デシテックス−3フィラメント)を、ヒーター温度を150℃に設定した非接触型ヒーターに、リラックスフィード率3.0%とし加工速度300m/分で弛緩熱処理を施して、低収縮加工導電糸Bを得た。加工前の導電成分露出型導電繊維からなる導電糸Aの沸収率は12.1%であり、低収縮加工処理後の導電糸Bの沸収率は9.0%であった。
その後に、低収縮加工処理後の導電成分露出型導電繊維からなる導電糸Bのフィード率を0.7%とし、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント、沸収率6.5%)のフィード率を0.2%として、インターレース処理(ノズル圧:0.2MPa、加工速度400m/分)を実施し、導電糸Bと非導電性ポリエステルマルチフィラメントCが交絡で複合されてなる導電性複合加工糸を得た。
織物の地組織を形成する経糸および緯糸に、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント)を用い、導電糸の配列間隔が5.5mmとなるように導電性複合加工糸を経糸と緯糸ともに配列して平織を製織した。染色加工は、定法によって処理され、一般的な精練、中間セット、液流染色、および仕上セットを実施して、密度が104×68本/2.54cmの平織物を得た。その後、工業洗濯を50回実施し、得られた織物の製品交絡間隔は7.1cmで、表面抵抗値は4.1×10Ωであり、工業洗濯後も優れた導電性能を有していた。
(比較例1)
図1に示す導電成分露出型導電繊維からなる導電糸A(28デシテックス−3フィラメント、沸収率12.1%)のフィード率を0.7%とし、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント、沸収率6.5%)のフィード率を0.2%として、インターレース処理(ノズル圧:0.2MPa、加工速度400m/分)を実施し、導電性複合加工糸を得た。
織物の地組織を形成する経糸および緯糸に、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント)を用い、導電糸の配列間隔が5.5mmとなるように導電性複合加工糸を経糸と緯糸ともに配列して平織を製織した。染色加工は、定法によって処理され、一般的な精練、中間セット、液流染色、および仕上セットを実施して、密度が104×68本/2.54cmの平織物を得た。その後、工業洗濯を50回実施し、得られた織物の製品交絡間隔は6.5cmで、表面抵抗値は5.5×1010Ωであり、工業洗濯後は導電繊維が埋没して、性能が低下する結果となった。
(比較例2)
図1に示す導電成分露出型導電繊維からなる導電糸A(28デシテックス−3フィラメント)を、ヒーター温度を190℃に設定した非接触型ヒーターに、リラックスフィード率8.0%とし加工速度300m/分で弛緩熱処理を施して、低収縮加工導電糸Bを得た。加工前の導電成分露出型導電繊維からなる導電糸Aの沸収率は12.1%であり、低収縮加工処理後の導電糸Bの沸収率は3.2%であった。
その後、導電糸Bに非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント、沸収率6.5%)をカバリング加工(カバリング数:1000T/M)を実施し導電性複合加工糸を得た。
織物の地組織を形成する経糸および緯糸に、非導電性ポリエステルマルチフィラメントC(167デシテックス−48フィラメント)を用い、導電糸の配列間隔が5.5mmとなるように導電性複合加工糸を経糸と緯糸ともに配列して平織を製織した。染色加工は定法によって処理され、一般的な精練、中間セット、液流染色、仕上セットを実施して、密度が104×68本/2.54cmの平織物を得た。その後、工業洗濯を50回実施し、得られた織物の表面抵抗値は3.2×1012Ωであり、性能が低下する結果となった。
1:導電性ポリマー
2:非導電性ポリマー

Claims (3)

  1. 導電成分露出型導電性繊維からなる導電糸と非導電性繊維からなる非導電糸が交絡で複合されてなる複合加工糸であって、前記導電糸の沸水収縮率A(%)と前記非導電糸の沸水収縮率B(%)とが、次式(1)の関係を満足することを特徴とする導電性複合加工糸。
    [沸水収縮率A(%)−沸水収縮率B(%)]≦+5.0(%) ・・・ (1)
  2. 請求項1に記載の導電性複合加工糸を用いてなる導電性織物。
  3. 導電性複合加工糸を織物の経方向および/または緯方向に間欠的に配列した織物であって、工業洗濯50回後の織物における導電性複合加工糸の製品交絡間隔が5mm以上100mm以下であり、かつ工業洗濯50回後の織物表面におけるIEC表面抵抗値が1.0×1010Ω以下であることを特徴とする請求項2記載の導電性織物。
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