JP2000239932A - 導電紡績糸および布帛 - Google Patents

導電紡績糸および布帛

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JP2000239932A
JP2000239932A JP11042870A JP4287099A JP2000239932A JP 2000239932 A JP2000239932 A JP 2000239932A JP 11042870 A JP11042870 A JP 11042870A JP 4287099 A JP4287099 A JP 4287099A JP 2000239932 A JP2000239932 A JP 2000239932A
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polyester
nylon
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silver
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JP11042870A
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English (en)
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Toshinori Fujita
俊則 藤田
Yoshihiro Hamaguchi
義弘 濱口
Kazunari Yoshioka
一成 吉岡
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエステルとの混紡、交織製品を想定した、
過酷な染色加工条件においても、さらには実着用時を想
定した50回洗濯においても耐え得ることが可能な、電
磁波シールド機能、制電性能を備えた紡績糸、および布
帛を提供する。 【解決手段】芯部と鞘部の複合比率が重量比で20〜6
0/80〜40重量%である芯鞘複合短繊維であって、
芯成分がポリエステルからなり、鞘成分がナイロンから
なる短繊維を銀で被覆し、該短繊維を3重量%以上含有
することを特徴とする紡績糸。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル/ナ
イロンの芯鞘複合短繊維面に銀を被覆し、それを他の繊
維と混紡することにより、電磁波遮蔽、制電性能を具備
した導電紡績糸および布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ここ近年、電子機器と人との接点は益々
増えてきており、家庭における電子調理器、テレビをは
じめ、電気こたつ、カーペット、毛布等の電気暖房商
品、オフィスにおけるパソコン、ワープロ、携帯電話等
々広範囲に使用されている状況になってきている。それ
らの電気機器から電磁波を発生させないシールド構造体
が工夫されてはきているが、まだまだ完全とは言えな
い。一例をあげると、パソコン、テレビのブラウン管に
関しては、電子銃から放出される電磁波はシールドされ
ることなく、直接人体に照射されているのが現状であ
る。
【0003】一方、電磁波による人体障害を防護するた
めの衣服としての提案がなされてきている。電磁波シー
ルド素材として、種々の金属を種々の繊維表面に電解あ
るいは無電解メッキ法、スパッタリング法、金属蒸着法
等により被覆することが提案されており、特開平10−
310976号公報、特開平10−46443号公報で
は、シールド機能、加工性、人体に対する安全性の面か
ら、金属は銀を用いることが、被覆される繊維はポリア
ミド系が強力、風合い面で適しており、金属を繊維に被
膜する手段として、電解、あるいは無電解メッキを施す
ことが提案されている。
【0004】しかしながら、ポリアミド系繊維(以下ナ
イロンと呼ぶ)が持つ吸水性能から派生する洗濯時の膨
潤現象、あるいは、染色加工工程の熱処理において、繊
維の収縮現象により、繊維表面の銀被膜層と被覆された
繊維の界面にずれが生じ、銀被膜層に亀裂、剥離が起こ
り、導電性能の低下、すなわち電磁波シールド性能の低
下を来す問題が残っている。
【0005】他方、制電機能を要求されるワーキングウ
エァー用途については摩擦帯電圧、摩擦電荷密度を低減
化させるため炭素繊維の布帛における部分使用がなされ
ているが、導電性能の不足に伴う制電機能不足が生じて
おり、特に摩擦電荷密度を最小限におさえることを要求
される、高度な制電機能を要求される用途では問題が残
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解消せんとするものであり、ポリエ
ステルとの混紡、交織製品を想定した、過酷な染色加工
条件においても、さらには実着用時を想定した50回洗
濯においても耐え得ることが可能な、電磁波シールド機
能、制電性能を備えた紡績糸、および布帛を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために次の構成を有する。すなわち、 (1)芯部と鞘部の複合比率が重量比で20〜60/8
0〜40重量%である芯鞘複合短繊維であって、芯成分
がポリエステルからなり、鞘成分がナイロンからなる短
繊維を銀で被覆し、該短繊維を3重量%以上含有するこ
とを特徴とする導電紡績糸。
【0008】(2)前記鞘成分のナイロンがナイロン6
またはナイロン66からなる芯鞘複合短繊維であること
を特徴とする請求項1に記載の導電紡績糸。
【0009】(3)前記芯成分のポリエステルが共重合
ポリエステルまたはポリエチレンテレフタレートからな
る芯鞘複合短繊維であることを特徴とする請求項1また
は2に記載の導電糸。
【0010】(4)請求項1〜3のいずれかに記載の紡
績糸を少なくとも含んでなることを特徴とする布帛であ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0012】本発明に用いる紡績糸に含まれる銀被覆さ
れる短繊維は、鞘部にナイロン、芯部にポリエステルの
芯鞘複合短繊維を用いるものである。
【0013】鞘部にナイロンを配する狙いは、ナイロン
は銀との相容性に優れていることにある。たとえば無電
解メッキ法で銀を被覆する場合、ナイロンは分子鎖中に
反応基をもっており、還元剤を介しての銀との結合が強
く、耐久性が良化するものである。他方、芯部にポリエ
ステルを配する狙いは、ナイロンのみで構成される短繊
維に比し、熱と水分の影響を受けにくくするためであ
る。すなわち、ポリエステルが結晶分子構造の安定性に
伴う熱寸法安定性に優れているため、ナイロンと芯鞘複
合することにより、図1に示すとおり、乾熱180℃の
収縮率がナイロンのみで構成している短繊維では5%で
あるのに対し、上記の複合短繊維では2.8%までに低
減する。
【0014】また、ナイロンは水分を含むことによって
膨潤現象が生じる。すなわち、水分を吸湿することによ
りガラス転移点が下がり結晶化が生じる、いわゆる不可
逆的な膨潤と、水分がナイロンの非晶部を押し広げるこ
とにより生じる、いわゆる可逆的な膨潤が生じる。この
膨潤現象を低減化せしめるため、ポリエステルを複合す
ることにより、目的は達成されるものである。
【0015】図2は芯鞘複合比率と膨潤率との関連を示
したものである。芯部のポリエステル比率が増加するに
つれて膨潤率が減少する傾向にあり、特に、ポリエステ
ル比率0%に比し、ポリエステル複合比率が20%に達
すると急激に膨潤率は低下する。
【0016】以上述べてきた理由により、ポリエステル
とナイロンを芯鞘複合することにより大幅に熱及び水分
の影響を受けにくくなるものであり、いわゆる熱、水分
に対する寸法安定性が向上するものである。
【0017】ここで、この寸法安定性の向上が銀被覆耐
久性とどのように関連するかについて説明する。まず、
熱による寸法安定性との関連について説明する。
【0018】本発明の紡績糸は銀被覆されたポリエステ
ル/ナイロンの芯鞘複合短繊維の混紡相手繊維として、
コットン、ウール等に代表される天然繊維、レーヨン、
キュプラ等の再生セルロース繊維、ポリエステル、ナイ
ロン、アクリル等の合成繊維が製品用途により選定され
るものである。図3に本発明の紡績糸の断面モデル図を
示す。
【0019】布帛の染色加工工程において、前記繊維の
うち、とりわけポリエステル繊維を用いた布帛が、より
過酷な条件で処理される。
【0020】すなわち、高温液流リラックス工程、高温
アルカリ減量工程、高圧分散染色工程等が代表的な過酷
な工程である。
【0021】ここで、本発明の紡績糸を構成する短繊維
が銀被覆のポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維とポ
リエステル短繊維と混紡した紡績糸からなる布帛、ある
いは該紡績糸とポリエステル紡績糸、またはポリエステ
ルフィラメント糸等と交織した布帛を染色仕上げ加工す
る際、銀被覆のポリエステル/ナイロンの芯鞘複合短繊
維が前記の過酷な染色加工工程を通過することになる。
前述の通り、ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維が
熱安定性が優れていることにより、該短繊維の熱収縮が
抑えられることになる。
【0022】もし仮に、ナイロンのみで構成されている
短繊維を銀被覆素材として使用した場合、熱収縮が過大
となり、そのため銀被膜層と被覆された繊維の界面にず
れが生じ、銀被膜層に亀裂が入り、工程における外力を
受け銀被膜が剥離する問題が発生する。
【0023】したがって、ポリエステル/ナイロンの芯
鞘複合短繊維は熱寸法安定性が良いことから、高温下で
処理されても表面を被覆している銀被膜層には、ずれ、
亀裂、剥離が防止されることにより、導電性能が維持さ
れることになる。
【0024】次に水分に対する寸法安定性向上が銀被覆
の耐久性に、いかに有利に作用しているかにつき説明す
る。
【0025】当然のことながら衣料として実着用される
場合、繰り返し洗濯を伴う使用がなされており、該洗濯
に対する耐久性が要求される。とりわけ機能性を謳った
商品については、その機能の耐久性が重要となり、ここ
では洗濯による導電性の低下、すなわち繊維に被覆され
た銀被膜の洗濯による剥離が問題となる。
【0026】もし仮に、ナイロンのみで構成される短繊
維に銀被覆を施した繊維を使用した紡績糸からなる布帛
を製品にし、実着用時の繰り返し洗濯すると、水分の影
響を受け、銀被覆されたナイロン短繊維が膨潤し、銀被
膜層に歪みを生じさせる。その結果、該被膜層に亀裂が
起こり、洗濯時の外力を受け剥離され、導電性能が低下
する。
【0027】本発明の銀被覆ポリエステル/ナイロン芯
鞘複合短繊維を用いてなる紡績糸を使用した布帛を製品
にし、実着用時の繰り返し洗濯に際し、水分の影響を受
けにくく膨潤がミニマイズされる。したがって銀被膜層
の亀裂、剥離現象が回避され、その結果、導電性能の低
下、すなわち電磁波シールド機能、制電性能の低下が防
止されるものである。
【0028】次に銀被覆されるポリエステル/ナイロン
芯鞘複合短繊維の芯鞘複合比率につき説明する。
【0029】本発明の短繊維の芯鞘複合比率は芯部ポリ
エステル20〜60/鞘部ナイロン80〜40重量%の
範囲にあることが好ましく、さらには、芯部ポリエステ
ル30〜40/鞘部ナイロン70〜60重量%の範囲に
あることがより好ましい。図2に示すとおり、芯比率が
20重量%に達すると膨潤率は急激に低下し、さらに芯
比率が増加するにつれて膨潤率は暫減する傾向にある。
芯比率が60%を越えると鞘部のナイロン層厚が薄くな
り、芯鞘間の剥離強度が低下することになる。
【0030】次に銀被覆ポリエステル/ナイロン芯鞘複
合短繊維の紡績糸中における含有率は3重量%以上含有
することが好ましく、さらに5重量%以上含有すること
が優れた導電性能を発揮させることになりより好まし
い。
【0031】含有率が3重量%未満であると紡績糸中の
銀被覆ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維が分散
し、その結果電気的接点が減少し、導電性能が低下す
る。
【0032】さらに本発明の紡績糸のヨリ係数は特に制
約を受けるものではないが、ヨリ係数は2.5〜4.5
(綿式)の範囲にあることが好ましい。ヨリ係数が2.
5未満の場合は精紡工程でヨリ数不足による糸切れが発
生し、紡績生産性が著しく低下する。また、紡績工程以
降の製織工程においても工程通過性低下、しごきネップ
における糸質劣化を来す。また、ヨリ係数が4.5を越
えると精紡での生産性低下、製品の風合い硬化をきた
す。
【0033】次に銀被覆ポリエステル/ナイロン芯鞘複
合短繊維の芯及び鞘部に配するポリマー成分につき説明
する。
【0034】本発明の紡績糸に用いる銀被覆ポリエステ
ル/ナイロン芯鞘複合短繊維の芯部、鞘部のポリマー成
分の組み合わせは下記の4通りがある。すなわちケース
1として、芯成分にポリエチレンテレフタレート、鞘成
分にナイロン6ポリマーの組み合わせ、ケース2とし
て、芯成分にポリエチレンテレフタレート、鞘成分にナ
イロン66の組み合わせ、ケース3として、芯成分に共
重合ポリエステル、鞘成分にナイロン6の組み合わせ、
ケース4として、芯成分に共重合ポリエステル、鞘成分
にナイロン66の組み合わせがある。
【0035】上記いずれの組み合わせでも好ましいが、
さらに好ましくはケース4の組み合わせであり、鞘部の
ナイロン66はナイロン6に比べ、耐熱性が優れ、前述
の過酷な染色加工に対して、より優れた性能を発揮する
ものである。
【0036】また、芯部のポリエステルは共重合成分を
10モル%以下で共重合した共重合ポリエステルが好ま
しく、特にナイロンとの親和性に優れたスルフォン酸金
属塩、とりわけ5−ソジウムスルフォイソフタール酸を
用いることが芯鞘間の剥離強度をアップすることで好ま
しい。
【0037】次に本発明の紡績糸を含む布帛について説
明する。
【0038】銀被覆のポリエステル/ナイロン芯鞘複合
短繊維の含有率が比較的多い、含有率10重量%〜30
重量%の本発明の紡績糸のみを用い、タテ、ヨコ配列で
製織した布帛は織物における電気的接点がより多く存在
し、その結果、布帛の導電性が優れ、電磁波シールド機
能の優れたものになる。ただし銀被覆繊維を多く使用す
ることより、生地に銀色着色繊維が目立ち色相の低下を
きたし、さらには生地コストが高くなるため、製品の用
途としては携帯電話等の小型電子機器を収納するポケッ
ト地等の部分使用に好適である。
【0039】また、上記紡績糸をタテ、ヨコに格子配列
し、その配列本数は本発明の紡績糸以外の、たとえばポ
リエステル100%の紡績糸10に対し、本発明の紡績
糸1の割合で用いることも可能であり、この配列割合は
シールドする対象の電磁波の周波数により、適宜変更さ
せても良い。この配列により、当該紡績糸の使用量は布
帛全体の重量に対し、大幅に減少させることができコス
トダウンが可能となる。
【0040】当該布帛の用途としては、電磁波シールド
事務服、制電性ワーキングウエアーとして好適に利用で
きる。さらには電気毛布、電気カーペット等の電磁波シ
ールドカバーとしても有効である。
【0041】また、銀被覆のポリエステル/ナイロン芯
鞘複合短繊維含有量の比較的少ない、含有率3重量%〜
5重量%の本発明の紡績糸のみを用い、タテ、ヨコ配列
で製織した布帛については銀色に着色された銀被覆のポ
リエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維含有量が少なく、
したがって、該繊維以外の着色されていない繊維が95
〜97重量%含まれることになり、この繊維が可染性の
繊維であれば布帛を構成する大部分の繊維が染色できる
ことになり、色相に優れた電磁波シールド及び制電機能
を合わせ持つ、通常のアウトウェアーとして用途に展開
可能である。
【0042】さらには、銀被覆のポリエステル/ナイロ
ン芯鞘複合短繊維を10%程度含有した本発明の紡績糸
をポリエステル/綿混紡糸とタテに適度な割合でストラ
イプ配列し、ヨコ糸に前記ポリエステル/綿混紡糸を使
用した布帛については、摩擦電荷密度、摩擦帯電圧の低
減効果が顕著であり、より高度なワーキングウエアーに
好適である。
【0043】さらに優れた特徴として、本発明の紡績糸
を用いた布帛は、湿潤下で銀イオンを放出し、高度な抗
菌効果をもつものであり、靴下、肌着等の用途にも優れ
た特徴を発揮するものである。
【0044】以下、本発明を実施例により、さらに詳細
に説明する。
【0045】
【実施例】以下に本発明で用いた評価方法につき具体的
に説明する。 [電磁波シールド機能] 方法:KEC法 周波数範囲:10MHz〜1GHz 単位:デシベル(db) [摩擦帯電圧] JIS 1094 B法 単位:ボルト(v) [摩擦電荷密度] JIS 1094 C法 単位:マイクロクーロン/cm2 (μc/cm2 ) [洗濯処理] JIS L0217 103法 [織物の電気抵抗]織物幅で2cmのサンブルを銅製の
電極に電極間間隔10cmでタテ糸方向に把持し、その
電気抵抗値をを三和電気計器(株)製のSD−420型
電気テスターで計測した(単位:Ω/cm)。 [短繊維収縮率]短繊維おのおの20本の原長L1を計
測し、乾燥機180℃×15minでフリーの状態で処
理し、処理後の長さL2を計測し、下記式により収縮率
を求めた。
【0046】短繊維収縮率(%)={(L1−L2)/
L1}×100 [色相]銀被覆短繊維の銀色着色繊維が布帛中で目立つ
程度を官能で評価したもので以下の判定基準に基く。
【0047】 全く目立たない:◎ やや目に付く :○ 目立つ :△ 非常に目立つ :× [短繊維膨潤率]短繊維おのおの20本の原長L1を計
測し、水中にて60min間フリーの状態で処理し、処
理後の長さL2を計測し、下記式により膨潤率を求め
た。
【0048】短繊維膨潤率(%)={(L2−L1)/
L1}×100 (実施例1)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分は共重合成分として、5−ソジウムスルフ
ォイソフタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエス
テル、鞘成分にナイロン6を配したポリエステル/ナイ
ロン芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)
に銀を無電解メッキを施し、該繊維を3重量%をポリエ
ステル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、
ヨリ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0049】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、その生機を30g/l
の苛性ソーダ溶液中で100℃×15min減量加工
し、その後130℃×60minで染色加工施した布帛
につき、電磁波シールド機能、電気抵抗値、摩擦帯電
圧、摩擦電荷密度を計測、色相を官能評価した結果を表
1に示す。 (実施例2)ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維
(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀を無電解メッキ
を施し、該繊維を5重量%を混紡すること以外は実施例
1と同様に実施した。 (実施例3)ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維
(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀を無電解メッキ
を施し、該繊維を10重量%を混紡すること以外は実施
例1と同様に実施した。 (実施例4)ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維
(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀を無電解メッキ
を施し、該繊維を20重量%を混紡すること以外は実施
例1と同様に実施した。 (実施例5)ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維
(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀を無電解メッキ
を施し、該繊維を30重量%を混紡すること以外は実施
例1と同様に実施した。 (実施例6)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分は共重合成分として5−ソジウムスルフォ
イソフタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエステ
ル、鞘成分にナイロン6を配したポリエステル/ナイロ
ン芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に
銀を無電解メッキを施し、該繊維100重量%で構成
し、ヨリ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0050】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、その生機を100℃×
15min温液処理した布帛につき、電磁波シールド機
能、電気抵抗値、摩擦帯電圧、摩擦電荷密度を計測、色
相を官能評価した結果を表1に示す。 (比較例1)銀被覆繊維を全く含まない、ポリエステル
短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)100重量%
で構成し、ヨリ係数3.5で40’s(綿番)を紡出し
た。
【0051】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、その生機を30g/l
の苛性ソーダ溶液中で100℃×15min減量加工
し、その後130℃x60minで染色加工施した布帛
につき、電磁波シールド機能、電気抵抗値、摩擦帯電
圧、摩擦電荷密度を計測、色相を官能評価した結果を表
1に示す。 (比較例2)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分は共重合成分として5−ソジウムスルフォ
イソフタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエステ
ル、鞘成分にナイロン6を配したポリエステル/ナイロ
ン芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に
銀を無電解メッキを施し、該繊維を2重量%をポリエス
テル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、ヨ
リ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0052】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、その生機を30g/l
の苛性ソーダ溶液中で100℃×15min減量加工
し、その後130℃×60minで染色加工施した布帛
につき、電磁波シールド機能、電気抵抗値、摩擦帯電
圧、摩擦電荷密度を計測、色相を官能評価した結果を表
1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】比較例1、2で得られた布帛の色相は良好
であったが、電磁波シールド機能、制電機能ついて、比
較例1は機能をもたない。比較例2は不十分であった。
【0055】実施例1〜3については電磁波シールド機
能、制電機能、色相ともに良好であり、実施例4〜6に
ついては機能は良化するが、布帛中の銀被覆短繊維の銀
着色部分が目立ち用途的に制約される。 (実施例7)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分はポリエチケンテレフタレート、鞘成分に
ナイロン6を配したポリエステル/ナイロン芯鞘複合短
繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀を無電解メ
ッキを施し、該繊維を10重量%をポリエステル短繊維
(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、ヨリ係数3.
5で40’s(綿番)を紡出した。
【0056】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、無処理、すなわち生機
の状態と、該生機を洗濯50回施したものと、さらには
該生機を30g/lの苛性ソーダ溶液中で100℃×1
5min減量加工し、130℃×60minで染色加工
施した布帛につき洗濯50回施した後、電磁波シールド
機能、電気抵抗値を計測した結果を表2に示す。 (実施例8)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分は共重合成分に5−ソジウムスルフォイソ
フタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエステル、
鞘成分にナイロン66を配したポリエステル/ナイロン
芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に銀
を無電解メッキを施し、該繊維を10重量%をポリエス
テル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、ヨ
リ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0057】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、無処理、すなわち生機
の状態と、該生機を洗濯50回施したものと、さらには
該生機を30g/lの苛性ソーダ溶液中で100℃×1
5min減量加工し、130℃×60minで染色加工
施した布帛につき50回施した後、電磁波シールド機
能、電気抵抗値を計測した結果を表2に示す。 (比較例3)ナイロン6単体で構成された短繊維に銀を
無電解メッキを施し、該繊維を10重量%をポリエステ
ル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、ヨリ
係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0058】当該紡績糸をタテ120本/インチ、ヨコ
80本/インチの密度で製織し、無処理、すなわち生機
の状態と、該生機を洗濯50回施したものと、該生機を
30g/lの苛性ソーダ溶液中で100℃×15min
減量加工し、130℃×60minで染色加工施した布
帛につき50回施した後、電磁波シールド機能、電気抵
抗値を計測した結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】比較例3は無処理の状態、すなわち生機で
は、電磁波シールド機能、電気抵抗ともに良好である
が、その生機を50回洗濯することにより電気抵抗値は
高くなり、その結果、電磁波シールド機能も低下する。
また、ポリエステルの染色加工をモデルにした条件で加
工した後、洗濯50回実施すると、さらに電気抵抗値は
高くなり、連動して、電磁波シールド機能も低下する。
実施例7,8は生機の状態で電磁波シールド機能、電気
抵抗値は良い結果を示しており、さらに生機の洗濯50
回、染色加工を施した後の洗濯50回においても機能の
低下はほとんどみられなかった。 (実施例9)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70重
量%で芯成分は共重合成分として5−ソジウムスルフォ
イソフタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエステ
ル、鞘成分にナイロン6を配したポリエステル/ナイロ
ン芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に
銀を無電解メッキを施し、該繊維を10重量%をポリエ
ステル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、
ヨリ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0061】当該紡績糸をポリエステル65%綿混紡糸
(番手34’s)と交織し、具体的にはタテ糸にポリエ
ステル65%綿混紡糸を67本に対し、本発明紡績糸を
1本の割合でストライプ配列し、ヨコ糸はポリエステル
65%綿混紡糸のみで、タテ128本/インチ、ヨコ6
6本/インチの密度で製織し、その生機を通常のポリエ
ステル綿混紡織物の染色加工を施し、摩擦帯電圧、摩擦
電荷密度を計測した結果を表3に示す。 (実施例10)芯成分比率30重量%、鞘成分比率70
重量%で芯成分は共重合成分に5−ソジウムスルフォイ
ソフタール酸4モル%を共重合した共重合ポリエステ
ル、鞘成分にナイロン6を配したポリエステル/ナイロ
ン芯鞘複合短繊維(繊度1.5d、繊維長38mm)に
銀を無電解メッキを施し、該繊維を30重量%をポリエ
ステル短繊維(繊度1d、繊維長38mm)と混紡し、
ヨリ係数3.5で40’s(綿番)を紡出した。
【0062】当該紡績糸をポリエステル65%綿混紡糸
(番手34’s)と交織し、具体的にはタテ糸にポリエ
ステル65%綿混紡糸を67本に対し、本発明紡績糸を
1本の割合でストライプ配列し、ヨコ糸はポリエステル
65%綿混紡糸のみで、タテ128本/インチ、ヨコ6
6本/インチの密度で製織し、その生機を通常のポリエ
ステル綿混紡織物の染色加工を施し、摩擦帯電圧、摩擦
電荷密度を計測した結果を表3に示す。 (比較例4)カーボン含有したフィラメント糸とポリエ
ステル65%綿混紡糸を精紡で複合した長短複合糸(3
4’s)をポリエステル65%綿混紡糸(番手34’
s)と交織し、具体的にはタテ糸にポリエステル65%
綿混紡糸を67本に対し、本発明紡績糸を1本の割合で
ストライプ配列し、ヨコ糸はポリエステル65%綿混紡
糸のみで、タテ128本/インチ、ヨコ66本/インチ
の密度で製織し、その生機を通常のポリエステル綿混紡
織物の染色加工を施し、摩擦帯電圧、摩擦電荷密度を計
測した結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】比較例4は摩擦電荷密度、摩擦帯電圧とも
に不十分であるが、実施例9、10については優れた制
電機能を発揮した。
【0065】
【発明の効果】本発明により、銀を被覆する素材とし
て、ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維を用いるこ
とにより、染色加工工程での高温処理、薬剤処理、さら
には実着用時の繰り返し洗濯に対し、電磁波シールド機
能、制電機能につき、能優れた耐久性を付与することが
可能となった。さらに銀被覆繊維の少量混紡により、前
記の優れた機能を具現化することができ、その結果、任
意の色相にも染色可能となり、特殊用途のみならず、一
般衣料としても幅広く展開することが可能となった。ま
た、前述の機能以外にも抗菌機能も具備しており、健康
衣料としての展開も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維(芯部
は共重合ポリエステルが30重量%、鞘部はナイロン6
が70重量%)の乾熱収縮率とナイロン6単体からなる
短繊維の乾熱収縮率を示すグラフである。
【図2】ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維(芯部
は共重合ポリエステル、鞘部はナイロン6)の芯成分の
比率と水分吸湿における膨潤率との関連を示すグラフで
ある。
【図3】本発明の複合紡績糸の一例をモデル的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1:銀被覆ポリエステル/ナイロン芯鞘複合短繊維 2:銀被覆層 3:鞘部ナイロン 4:芯部ポリエステル 5:ポリエステル短繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L031 AA18 AA20 AB03 AB21 AB23 BA04 BA11 CA01 CB12 DA00 DA15 4L036 MA05 MA06 MA35 PA31 PA33 RA24 UA25 4L048 AA20 AA21 AA24 AA28 AA52 AA56 AB05 AB12 AC00 AC13 BA02 CA00 CA05 CA15 DA01 EB04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯部と鞘部の複合比率が重量比で20〜6
    0/80〜40重量%である芯鞘複合短繊維であって、
    芯成分がポリエステルからなり、鞘成分がナイロンから
    なる短繊維を銀で被覆し、該短繊維を3重量%以上含有
    することを特徴とする紡績糸。
  2. 【請求項2】前記鞘成分のナイロンがナイロン6または
    ナイロン66からなる芯鞘複合短繊維であることを特徴
    とする請求項1に記載の紡績糸。
  3. 【請求項3】前記芯成分のポリエステルが共重合ポリエ
    ステルまたはポリエチレンテレフタレートからなる芯鞘
    複合短繊維であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の紡績糸。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の紡績糸を
    少なくとも含んでなることを特徴とする布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20030000008A (ko) * 2001-06-22 2003-01-03 황장송 기능성 직물지
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