JPH0770922A - 金属被覆繊維織物の製造方法 - Google Patents

金属被覆繊維織物の製造方法

Info

Publication number
JPH0770922A
JPH0770922A JP23723093A JP23723093A JPH0770922A JP H0770922 A JPH0770922 A JP H0770922A JP 23723093 A JP23723093 A JP 23723093A JP 23723093 A JP23723093 A JP 23723093A JP H0770922 A JPH0770922 A JP H0770922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
woven fabric
metal
weft
yarns
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23723093A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiya Tanioka
俊哉 谷岡
Kiyoshi Ito
清 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshinbo Holdings Inc
Original Assignee
Nisshinbo Industries Inc
Nisshin Spinning Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshinbo Industries Inc, Nisshin Spinning Co Ltd filed Critical Nisshinbo Industries Inc
Priority to JP23723093A priority Critical patent/JPH0770922A/ja
Publication of JPH0770922A publication Critical patent/JPH0770922A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 経糸がかさ高加工されていてもよいポリエス
テルマルチフイラメント糸であり且つ緯糸がかさ高加工
ポリエステルマルチフイラメント糸である織物を、19
0〜230℃の雰囲気中において、該かさ高加工ポリエ
ステルマルチフイラメント糸の伸縮伸張率が5〜15%
の範囲内になる条件下に熱処理を行い、次いで水酸化ナ
トリウム水溶液中で減量率が3〜10%の範囲内となる
まで減量処理を行つた後、該織物に無電解メツキ法によ
つて金属皮膜を形成せしめることを特徴とする金属被覆
繊維織物の製造方法。 【効果】 繊維織物表面に均一且つ耐洗濯性良好な金属
皮膜を形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属被覆繊維織物の製
造方法に関し、更に詳しくは、ポリエステル加工糸使い
の織物の表面に均一且つ耐洗濯性の良好な金属皮膜を無
電解メツキ法により形成する方法に関する。
【0002】
【従来技術及び課題】近年、OA化又はFA化の進展に
よりパーソナルコンピユーター、ワープロ等の電子機器
を使用する機会が増している。これらの電子機器から
は、微弱ながら電磁波が漏洩しているといわれている。
【0003】この漏洩した電磁波が他の電子機器に侵入
し誤動作等を起こすという問題があるため、種々の方法
で電磁波を遮蔽する、いわゆる電磁波シールドが行われ
ている。
【0004】また、漏洩した電磁波は電子機器間の影響
といつた問題だけにとどまらず、電波保護指針(電気通
信技術審議会答申、平成2年6月)の「電波利用におけ
る人体保護指針」に示されているように、人体への影響
についても問題視されている。このため、人体に照射さ
れる電磁波を軽減させるために、電磁波シールド材を衣
料として用いることがしばしば行われている。
【0005】衣料用途のための電磁波シールド材として
は、種々のものが知られている。例えば、金属粉やカー
ボンブラツク等の導電性物質を繊維形成用ポリマーに分
散紡糸後、製織して電磁波シールド衣料として用いる方
法が提案されているが、カーボンブラツク等で充分な導
電性を得るには、ポリマー中に多量に混入分散させるこ
とが必要となり、紡糸の際にノズル詰りや糸切れ等の問
題が発生し易い。
【0006】また、金属粉等の導電性物質を樹脂バイン
ダー中に分散させ、これを布帛上にコーテイングする方
法も知られているが、充分な導電性を得るためには多量
の導電性物質を分散させた樹脂バインダーをコートする
必要があり、この結果得られた布帛は風合いが硬く、通
気性に欠け、着用感を著しく疎外させるものとなる。更
に、着用時の屈伸により亀裂が入つたり、洗濯により導
電層が容易に剥離し、シールド性能が低下する等の問題
がある。
【0007】前記の2つの方法に比べ、繊維に直接金属
をメツキする方法によれば、薄い金属膜にもかかわらず
高いシールド性能を得ることができる。
【0008】繊維上に金属被覆を行なう方法としては、
真空蒸着法、スパツタリング法、無電解メツキ法等があ
る。このうち、真空蒸着法やスパツタリング法は設備費
の高い高真空チヤンバー等が必要であり、また一回の加
工では金属被覆が片面のみにしか形成できないため、同
じ操作を2回行なう必要があり、更に加工速度が遅い等
の欠点がある。しかも、得られる製品は金属皮膜の密着
性が弱く、屈曲や家庭洗濯により剥離が生じ、シールド
効果が著しく低減するという問題もある。
【0009】一方、無電解メツキ法は、真空蒸着法やス
パツタリング法と同様に、得られる製品は金属皮膜の密
着性が弱いという問題点はあるが、後2者の方法よりも
コストが低く均一な金属被覆を形成せしめることができ
導電性が良く、従つて高い電磁波シールド効果が得られ
るという利点がある。
【0010】このため、無電解メツキ法で得られるシー
ルド材を衣料用途に用いる方法が各種研究されている。
例えば、特開公平4−370203号公報には、無電解
メツキ法により銀を被覆した不織布をシールド部材と
し、これを着衣部材に容易に着脱できるようにした電磁
波シールド着衣が開示されている。しかしながら、この
着衣におけるシールド部材本体には洗濯耐久性を向上さ
せるための処理は施されておらず、洗濯のたびにシール
ド部材を着衣から取り外ずさなければならないという繁
雑さがある。
【0011】また、特開公平2−29761号公報に
は、表面に微細孔を有するポリエステル繊維からなる基
布に無電解メツキ法で金属皮膜を形成させてから、その
表面に圧延成形ゴムをコーテイングした衣料が開示され
ている。この方法により作成された衣料は洗濯耐久性に
優れ且つ防水性、絶縁性といつた機能が付与されている
のが特徴とされている。しかしながら、ゴム引されてい
るため織物本来の柔軟性や通気性が損なわれており、O
A機器等の操作のごとく防水性又は絶縁性を必要としな
い環境では違和感がある。
【0012】本発明は、前述のような現状に鑑みて行わ
れたもので、織物表面に均一且つ密着性の良い金属被覆
を無電解メツキ法にて形成することにより、メツキ後に
ゴム引又は樹脂コーテイング等の特別な処理を行なわず
とも、換言すれば織物本来の柔軟性や通気性等を損なう
ことなく、屈曲や洗濯に対して高い耐久性を有する金属
被覆繊維織物の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、経糸が
かさ高加工されていてもよいポリエステルマルチフイラ
メント糸であり且つ緯糸がかさ高加工ポリエステルマル
チフイラメント糸である織物を、190〜230℃の雰
囲気中において、該かさ高加工ポリエステルマルチフイ
ラメント糸の伸縮伸張率が5〜15%の範囲内になる条
件下に熱処理を行い、次いで水酸化ナトリウム水溶液中
で減量率が3〜10%の範囲内となるまで減量処理を行
つた後、該織物に無電解メツキ法によつて金属皮膜を形
成せしめることを特徴とする金属被覆繊維織物の製造方
法が提供される。
【0014】以下、本発明の方法についてさらに詳細に
説明する。
【0015】本発明の方法に従つて金属被覆加工しうる
織物は、ポリエステルマルチフイラメントの仮撚加工糸
使いの繊維織物、すなわち、かさ高加工(仮撚加工)さ
れていてもよいポリエステルマルチフイラメント糸を経
糸とし且つかさ高加工(仮撚加工)されたマルチフイラ
メント糸を緯糸とする織物である。
【0016】ポリエステルフイラメント糸のかさ高加工
(仮撚加工)は、フイラメント間に物理的な歪を与え、
平行性を乱した後その歪を固定させることにより行なう
ことができる。物理的歪を加える方法としては、仮撚
法、押込み法、撚過方式等の各種方法があげられる。ま
た、歪を加え固定する方法には乾熱方式と湿熱方法があ
る。どの方法で歪を加え、固定するかは糸の太さ、加工
コスト、要求される性能等により適宜選択することがで
きる。
【0017】物理的歪を加える方法及び歪の固定方法は
特に限定されないが、カーペツト用などの非衣料用太デ
ニール糸等を除けば、仮撚・乾熱セツト法が一般的であ
る。本発明で用いる加工糸織物の組織は厳密に制限され
るものではないが、緯糸である加工糸は一般に太さが5
0d〜100d程度であり、またフイラメント数は30
本〜75本程度であることが望ましい。また、経糸に用
いられる通常のポリエステルマルチフイラメント糸又は
かさ高加工されたポリエステルマルチフイラメント糸も
同様に特に制限されるものではないが、通常、緯糸と同
程度のデニールフイラメント数をもつものが好適であ
る。
【0018】さらに、本発明において使用される織物の
打込み密度もまた特に制限されないが、一般には、経糸
密度が70〜120本/インチであり、そして緯糸密度
が経糸密度よりも10〜30%少ないものが好適であ
る。
【0019】以上に述べた如き条件下に製織された加工
糸織物の製織時の歪、折れ皺、織目曲り等を除去するた
め、通常、80〜95℃の熱水中で精練、リラツクス処
理が行なわれる。この処理では、仮撚加工を行つた際の
残留収縮、即ち伸張変形に対して可塑化が不安全な常態
で固定されることにより、ポリエステル繊維内部に蓄積
された収縮歪が加熱により回復するために、織物が3〜
5%収縮する。このため、織物にはややかさ高性が現れ
表面は細かなシボ状となる。この状態での加工糸の伸縮
伸張率は一般に15〜20%程度である。
【0020】本発明によれば、適宜上記の如く予備処理
された加工糸織物を、190〜230℃、好ましくは2
00〜225℃の雰囲気中において、経及び緯方向に緊
張を加えながら熱処理を行う。この熱処理では、熱処理
後の加工糸の伸縮伸張率が5〜15%、好ましくは8〜
10%の範囲内になるように緊張を行うのが本発明の特
徴である。ここで、伸縮伸張率はJIS−L−1090
に記載されている伸縮性A法により測定される値であ
る。
【0021】ポリエステル織物のヒートセツトは、皺伸
し、織目曲り、巾出しを主な目的として、一般に160
〜180℃の雰囲気下に、巾方向に5〜10数%の緊張
を加えながら行われるが、本発明における上記緊張は通
常1〜2%程度の緩やかな条件下に行なうのが適当であ
る。
【0022】本発明において、通常のヒートセツト温度
より高温域の190〜230℃の雰囲気下で、しかも加
工糸の伸縮性が残余される緩やかな緊張で熱処理を行な
うのは以下の理由によるものである。
【0023】即ち、紡糸の際、ポリエステル繊維には延
伸が加えられているため、繊維軸方向に分子が配列した
構造になつている。190〜230℃の温度は、ポリエ
ステルの融解開始温度よりやや低い温度であり、この加
熱の際ポリエステル繊維内部では、繊維軸方向に配列し
た分子配向が緩みランダムに配列した状態になる。特に
本発明では、この加熱の際、通常のヒートセツトよりか
なり緩やかな緊張であるため、一層ランダム化が進み易
い。分子がランダムになつたポリエステル繊維は、苛性
アルカリによる加水分解を受け易いことが知られてい
る。
【0024】このため、本発明に従い次工程で水酸化ナ
トリウム水溶液により減量処理(加水分解)を行なうこ
とにより、分子配列がランダムな部分が優先的に溶出さ
れ、繊維表面に多数の微細孔を形成する効果が得られ
る。
【0025】かくして、この減量処理は、加工糸織物の
減量率が3〜10%、特に5〜10%の範囲内となるよ
うに行なわれる。ここで減量率は減量処理前の織物の重
量に対する減量処理前後の織物の重量の差の百分率であ
る。
【0026】減量処理は、通常、上記の如く熱処理され
た加工糸織物を水酸化ナトリウム水溶液中で約70〜約
90℃、好ましくは約80〜約85℃の温度で1時間程
度加熱することにより行なうことができる。使用する水
酸化ナトリウム水溶液の濃度は一般に0.3〜3重量
%、好ましくは0.5〜2重量%とすることができる。
【0027】このように減量処理された加工糸織物の繊
維表面には多数の微細孔が形成され、かくして、この加
工糸織物に対して無電解メツキを行なうと、この微細孔
に無電解メツキ用の触媒(例えば塩化パラジウム)が吸
着され、以後のメツキ工程においてこの触媒を核として
金属皮膜が形成されるため、いわゆるアンカー効果が発
現し金属皮膜の密着性が著しく向上させることができる
という顕著な作用効果が達成される。
【0028】更に、本発明においては加工糸の伸縮性が
残余した状態であるため、屈曲又は伸縮が加えられて
も、その変形が一部分に集中することなく糸全体に分散
される。このため、繊維表面に被覆された金属の特定部
分にのみ金属の弾性限界を超える強い変形を生じさせる
ことがないため、金属被覆の剥離が発生し難く耐洗濯性
が向上する。
【0029】以上述べた如く処理された加工糸織物に対
する無電解メツキは、それ自体既知の方法によつて行な
うことができる。
【0030】例えば、減量処理した加工糸織物を塩化パ
ラジウム0.01〜0.02g/l、塩化錫5〜20g/
l及び濃塩酸50〜200ml/lの20〜30℃の水
溶液に1〜2分浸漬し、さらに濃硫酸80〜150ml
/lの35〜45℃の水溶液に浸漬して加工糸織物の表
面に無電解メツキ触媒を付着させ活性化させる。
【0031】次に、銅メツキの場合には、硫酸銅10〜
35g/l、炭酸水素ナトリウム10〜30g/l、酒
石酸塩30〜130g/l及び37%ホルマリン液10
0〜150ml/lの、苛性ソーダでpH11に調整し
た30〜40℃の無電解メツキ液に2〜10分浸漬して
無電解メツキを施した後、水洗して50〜80℃の温風
で乾燥する。
【0032】以上述べた方法により、ポリエステル加工
糸使いの繊維織物の表面に、銅、ニツケル又はこれらを
複合した金属からなる均一且つ耐洗濯性の良好な金属メ
ツキを施すことができる。
【0033】かくして、本発明により得られる金属被覆
繊維織物は、例えば、電磁波シールド材料、カーテン、
壁紙、エプロン、ワードプロセツサーなどの電子機器の
カバー等として有利に使用することができる。
【0034】
【作用】本発明では、経糸にポリエステル通常糸又はポ
リエステルかさ高加工糸、緯糸にポリエステルかさ高加
工糸使いの織物を用い、通常のヒートセツト温度より高
温域の190〜230℃の雰囲気下で、しかも加工糸の
伸縮性が残余される緩やかな緊張で熱処理を行なう。こ
の熱処理によつて、紡出延伸の際、繊維軸方向に配列し
たポリエステル分子の構造が緩み、苛性アルカリにより
加水分解を受け易いランダムな配列に変化する。
【0035】本発明では、熱処理後、水酸化ナトリウム
水溶液による減量処理(加水分解)を行なうため、この
ランダム化した部分が優先的に溶出され表面に微細孔が
形成され、金属メツキ皮膜の密着性が著しく向上され
る。
【0036】更に、本発明では加工糸の伸縮性が残余し
た状態でメツキされているため、伸縮が加えられても応
力が一部分に集中することなく、糸全体に均一に分散さ
れるため金属皮膜の剥離が発生し難く、洗濯耐久性が著
るしく向上するものである。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0038】実施例1 経糸に通常のポリエステルマルチフイラメント糸(50
d、フイラメント数36本)、緯糸にかさ高加工を行つ
たポリエステルマルチフイラメント糸(50d、フイラ
メント数36本)を使用した織物(経糸密度105本/
インチ、緯糸密度82本/インチ)をノニオン系界面活
性剤(第一工業製薬製、ダイサーフWS−20)2g/
lの水溶液中で浴比1:50の条件下に90℃1時間精
練、リラツクス処理を行つた。
【0039】精練、リラツクス処理後に水洗、乾燥を実
施し、緯糸を抜き取りJIS−L−1090伸縮性A法
に基づき、伸縮伸張率を測定したところ20%であつ
た。
【0040】次いで、温度を195℃に維持したヒート
セツト機に2%の緊張下で120秒間熱処理した。この
熱処理後、再度緯糸を抜き取り伸縮伸張率を測定したと
ころ10.5%であつた。
【0041】更に水酸化ナトリウム2g/l水溶液中で
浴比1:50の条件下に90℃で1時間減量加工を実施
した結果、5.1%の減量率となつた。
【0042】得られたポリエステル織物を下記組成の無
電解メツキ液に30℃、5分間浸漬した結果、15%の
均一な銅皮膜が形成された。表面の電気抵抗を測定した
結果、0.3Ω/□であつた。
【0043】<銅メツキ液組成> 硫酸銅 30g/l 炭酸水素ナトリウム 25g/l 酒石酸塩 120g/l 水酸化ナトリウム 30g/l 37%ホルマリン液 150ml/l PH 11.5比較例1 緯糸に通常のポリエステルマルチフイラメント糸(50
d、フイラメント数36本)を使用する以外は、実施例
1と同条件で精練、リラツクス処理を行つた。水洗乾燥
後に、緯糸を抜き取り伸縮伸張率を測定したところ3.
5%であつた。
【0044】次いで、165℃に維持したヒートセツト
機により5%緊張下で120秒間処理した。その後、緯
糸を抜き取り伸縮伸張率を測定したところ2%であつ
た。
【0045】更に、実施例1と同条件で減量加工を実施
した結果、4.3%の減量率となつた。
【0046】得られた織物に、実施例1と同条件で無電
解メツキを行つた結果、13%の均一な銅皮膜が形成さ
れた。表面電気抵抗を測定した結果、0.3Ω/□であ
つた。
【0047】実施例1及び比較例1の試料をJIS−L
−0217 103法に従い、同一条件で家庭洗濯を実
施した結果は第1表のとおりであり、本発明の方法によ
る試料の方が洗濯耐久性に優れていることが明らかであ
る。
【0048】
【表1】
【0049】次に、実施例1と比較例1の試料につい
て、金属メツキ皮膜の密着強さを摩擦試験で比較した。
その結果は第2表のとおりであり、本発明のものが密着
強さが優れていた。
【0050】測定方法・・・学振式摩擦試験:JIS−
L−0849、荷重200gで50回摩擦した。
【0051】
【表2】
【0052】更に、実施例1と比較例1と試料について
金属メツキ皮膜の摩耗強さを比較した結果は、第3表の
とおりであり、本発明のものが優れていた。
【0053】測定方法・・・スコツト形摩耗試験機:J
IS−L−1096、押圧荷重1kgで200回摩擦し
た。
【0054】
【表3】
【0055】実施例2 経糸に通常のポリエステルマルチフイラメント糸(75
d、フイラメント数72本)、緯糸にかさ高加工を行つ
たポリエステルマルチフイラメント糸(75d、フイラ
メント数72本)を使用した織物(経糸密度85本/イ
ンチ、緯糸密度72本/インチ)をノニオン系界面活性
剤(明成化学製メイセリンXO−7)3g/l水溶液に
浴比1:30の条件下に、80℃で1時間精練、リラツ
クス処理した。水洗乾燥を実施した後、緯糸を抜き取り
伸縮伸張率を測定したところ18%であつた。
【0056】更に、温度を215℃に維持したヒートセ
ツト機にて1%の緊張下で90秒間熱処理した。熱処理
後、再度緯糸を抜き取り伸縮伸張率を測定したところ9
%であつた。
【0057】引続いて、浴比1:30の条件下に水酸化
ナトリウム1.5g/l水溶液中で80℃、1時間減量
加工を行つた結果、4.4%の減量率となつた。
【0058】得られた織物を下記組成の無電解ニツケル
メツキ液に50℃、10分間浸漬した結果、8%の均一
なニツケル皮膜が形成された。表面電気抵抗を測定した
結果、2.0Ω/□であつた。
【0059】<ニツケルメツキ液組成> 硫酸ニツケル 25g/l ピロリン酸ナトリウム 50g/l 次亜リン酸ナトリウム 20g/l 水酸化アンモニウム 5g/l PH 10.1比較例2 緯糸に通常のポリエステルマルチフイラメント糸(75
d、フイラメント数72本)を使用する以外は実施例2
と同組織のポリエステル織物を用い、実施例2と同条件
で精練、リラツクス処理を行つた。水洗乾燥後に緯糸を
抜き取り伸縮伸張率を測定したところ4.1%であつ
た。
【0060】次いで、170℃に維持したヒートセツト
機にて8%緊張下で90秒間処理した。緯糸を抜き取り
伸縮伸張率を測定したところ、2.5%であつた。
【0061】更に、実施例2と同条件で減量加工を実施
した結果、3.8%の減量率となつた。
【0062】得られた織物に、実施例2と同条件で無電
解メツキを行つた結果、7.2%の均一なニツケル皮膜
が形成された。表面電気抵抗を測定した結果、2.2Ω
/□であつた。
【0063】実施例2と比較例2の試料について、金属
メツキ皮膜の密着強さを前記洗濯耐久性試験、摩擦試験
及び摩耗試験法により比較した結果は第4表のとおりで
あり、いずれも本発明のものが優れていた。
【0064】
【表4】
【0065】実施例3 経糸に仮撚加工を行つたポリエステルマルチフイラメン
ト糸(75d、フイラメント数36本)、緯糸にかさ高
加工を行つたポリエステルマルチフイラメント糸(75
d、フイラメント数48本)を使用した織物(経糸密度
110/インチ、緯糸密度80本/インチ)を実施例1
と同条件で精練、リラツクス処理を行つた。精練、リラ
ツクス後に水洗、乾燥を実施し、緯糸及び緯糸を抜き取
り伸縮伸張率を測定したところ、経糸12%、緯糸16
%であつた。
【0066】次いで、温度を220℃に維持したヒート
セツト機で経方向0%、緯糸方向に1%の緊張下で70
秒間熱処理した。熱処理後、再度経糸及び緯糸を抜き取
り伸縮伸張率を測定したところ、経糸8%、緯糸11%
であつた。
【0067】更に水酸化ナトリウム2.5g/l水溶液
中で、浴比1:40の条件下に85℃、1時間減量加工
を行つた結果、6.0%の減量率となつた。
【0068】得られたポリエステル織物を実施例1と同
条件で無電解メツキを行つた結果、13.0%の均一な
銅皮膜が形成された。表面電気抵抗を測定した結果、
0.3Ω/□であつた。
【0069】比較例3 経糸に通常のマルチフイラメント糸(75d、フイラメ
ント数36本)、緯糸に通常のマルチフイラメント糸
(75d、フイラメント数48本)を使用する以外は、
実施例3と同組織のポリエステル織物を用い、実施例3
と同条件で精練、リラツクス処理を行つた。水洗乾燥後
に、経糸及び緯糸を抜き取り伸縮伸張率を測定したとこ
ろ、経糸3.5%、緯糸4.2%であつた。
【0070】次いで、温度を175℃に維持したヒート
セツト機で経方向1%、緯糸方向に6%の緊張下で70
秒間熱処理した。再度経糸及び緯糸を抜き取り伸縮伸張
率を測定したところ、経糸2.1%、緯糸2.3%であつ
た。
【0071】更に、実施例3と同条件で減量加工を実施
した結果、5.1%の減量率となつた。
【0072】得られた織物を実施例1と同条件で無電解
メツキを行つた結果、11.9%の均一な銅皮膜が形成
された。表面電気抵抗を測定した結果、0.3Ω/□で
あつた。
【0073】実施例3と比較例3の試料について、金属
メツキ皮膜の密着強さを前記洗濯耐久性試験、摩擦試験
及び摩耗試験法により比較した結果は第5表のとおりで
あり、いずれも本発明のものが優れていた。
【0074】
【表5】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸がかさ高加工されていてもよいポリ
    エステルマルチフイラメント糸であり且つ緯糸がかさ高
    加工ポリエステルマルチフイラメント糸である織物を、
    190〜230℃の雰囲気中において、該かさ高加工ポ
    リエステルマルチフイラメント糸の伸縮伸張率が5〜1
    5%の範囲内になる条件下に熱処理を行い、次いで水酸
    化ナトリウム水溶液中で減量率が3〜10%の範囲内と
    なるまで減量処理を行つた後、該織物に無電解メツキ法
    によつて金属皮膜を形成せしめることを特徴とする金属
    被覆繊維織物の製造方法。
JP23723093A 1993-08-31 1993-08-31 金属被覆繊維織物の製造方法 Pending JPH0770922A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23723093A JPH0770922A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 金属被覆繊維織物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23723093A JPH0770922A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 金属被覆繊維織物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0770922A true JPH0770922A (ja) 1995-03-14

Family

ID=17012317

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23723093A Pending JPH0770922A (ja) 1993-08-31 1993-08-31 金属被覆繊維織物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0770922A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2011917A2 (en) * 2007-07-05 2009-01-07 Formosa Taffeta Co.,Ltd. Method for manufacturing embossed conductive cloth

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2011917A2 (en) * 2007-07-05 2009-01-07 Formosa Taffeta Co.,Ltd. Method for manufacturing embossed conductive cloth
EP2011917A3 (en) * 2007-07-05 2010-07-07 Formosa Taffeta Co.,Ltd. Method for manufacturing embossed conductive cloth

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108914327B (zh) 一种抗菌防辐射真丝绸面料及其制备方法
JP2003147652A (ja) 高吸水性複合糸及びそれを利用して製造する織編物
JP7259180B2 (ja) リヨセルフィラメントを含む又はリヨセルフィラメントからなる絹様織衣服
CN114657770A (zh) 一种蚕丝氨纶复合导电纱线柔性传感器的制备方法
CN109137182A (zh) 能够防止电磁辐射的羊毛制品
JPS59204942A (ja) 弾性の平坦表面を有する織布及びその製造法
JP2000256960A (ja) 精製セルロース繊維織編物の加工方法
JPH0770922A (ja) 金属被覆繊維織物の製造方法
JPH06166956A (ja) 風合いに優れた複合繊維織編物およびその製造方法
JP3491552B2 (ja) セルロース系繊維よりなるストレッチ織編物の製造方法
JP6739490B2 (ja) 織地の製造方法および生機
JP2000239932A (ja) 導電紡績糸および布帛
JP3266363B2 (ja) 化合繊複合布帛
CN114929962A (zh) 原纤维化的再生纤维素纤维及使用其而成的布帛
JP3884205B2 (ja) 銀/獣毛混用繊維構造物及びその製造方法
JP3023017B2 (ja) 仮撚複合糸およびその製造方法
US2740183A (en) Method of producing creped fabric
JPS6123309B2 (ja)
JPH0987969A (ja) セルロース系繊維構造物及びその製造方法
KR200259057Y1 (ko) 전자파차폐원사
JP2002317344A (ja) 織 物
JPH02175975A (ja) パイナップル繊維含有繊維構造物の防縮毛羽防止加工方法
JPH02191702A (ja) 裏地
JP2000239934A (ja) 芯鞘複合導電紡績糸およびその製造方法ならびにその紡績糸を用いてなる電磁波シールド布帛
JPH01104872A (ja) 防縮性絹織物の製造法