JP3266363B2 - 化合繊複合布帛 - Google Patents

化合繊複合布帛

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合繊複合布帛に関
し、さらに詳しくは、アセテート繊維と合成繊維の複合
された糸条を用いたレーヨン調織物および編物などの布
帛に関する。
【0002】
【従来の技術】アセテート繊維は、セルロース繊維のナ
チュラルな感触と吸湿性、さらに鮮明な染色性など、合
成繊維では得られがたい長所を持っている反面、ヤン
グ率が低いため、布帛にした場合に腰反撥性が出ない、
強度が低い、2デニール付近を限界として、細いデ
ニールのものが製糸し難い、などといった欠点を有して
おり、これらの欠点の改良努力がこれまでいろいろ行わ
れてきた。
【0003】例えば、とに対しては、合成繊維と種
々の形態で複合して使用する方法が知られている(特公
昭43−21102号公報、特公昭45−3301号公
報、特公昭46−7218号公報、特公昭33−100
25号公報、特公昭36−10511号公報など参
照)。
【0004】しかしながら、これらの改良策は、いずれ
も、などの欠点はある程度改良されるものの、一
方、別の新たな問題を生み出している。すなわち、合成
繊維は曲げ硬さが大きく、かつ染色工程で熱収縮し易い
のに対して、アセテート繊維の表面摩擦係数が大きいた
め、布帛内で糸と糸との接圧が大きくなって摩擦力が大
きくなり易く、布帛のしなやかさやドレープ性が損なわ
れたり、反撥性や耐しわ性などが損なわれ易いとか、ア
セテート繊維と合成繊維とで染色性が違うため染斑が発
生しやすいなどといった問題がある。
【0005】一方、に対しては、これまであまり改良
がはかられていない。すなわち、アセテート繊維は強度
が1.2〜1.6g/deと低いため、単繊維デニール
が細くなると製造工程その他の製品化工程での取扱性が
難しくなるためではないかと推定される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を改良することを目的とするものであり、アセ
テート繊維の欠点である腰反撥性および強度を補強し、
かつ従来のアセテート繊維/合成繊維複合糸による布帛
の欠点であるドレープ性および染斑を改善し、さらに嵩
性とソフトな感触をも付与した感性の高い布帛を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アセテート繊
維と合成繊維からなる糸条を用いて作られた布帛であっ
て、該アセテート繊維がアセテート分子内のアセチル基
の50%以上が鹸化されており、該鹸化処理前のアセテ
ート繊維の90%以上の破断強度を保持しているととも
に、合成繊維と単繊維オーダーで微細空隙を有しながら
複合されており、かつアセテート繊維が合成繊維の側面
に異なった張り出し振幅で分散した状態で突出した多層
構造を形成して合成繊維を実質上カバリングしているこ
とを特徴とする化合繊複合布帛を提供するものである。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。即ち本発
明の狙いとするところは。a)人間に長い間馴染んでき
たセルロース繊維の感触をもつこと、b)セルロース繊
維単独では出せない腰反撥性や適度の強度をもつこと、
c)従来のアセテート繊維/合成繊維複合糸使い布帛で
は出せなかったような高いドレープ性や嵩性および細デ
ニールのソフト風合いとアセテート繊維の鮮明な染色性
とをもつこと、などである。
【0009】このため、まず、a)およびb)を満足す
るために、アセテート繊維とこれよりもヤング率や強度
の大きい合成繊維を複合した糸条を作ってこれを布帛と
する。しかしながら、これだけでは従来の改善策と同じ
内容であり、当然のことながら、c)は満足されないわ
けで、この解決手段について鋭意検討を行い、次のよう
な解決手段を見出した。
【0010】すなわち、上記布帛に特殊なアルカリ減量
処理を施すことによって、a)およびb)を満足すると
ともに、c)をも満足できることを見出した。当業界で
アルカリ減量というと、通常、合成繊維のポリエステル
布帛に施してポリエステル繊維の一部、具体的には、1
0〜30%程を溶かして細らせることにより、主として
ドレープ性などの風合いを向上させる加工方法のことで
あるが、ここでいうアルカリ減量はこれとは全く異な
り、ポリエステルなど合成繊維側はほとんど溶かさず
に、アセテート繊維をアルカリ水溶液で鹸化するもので
あり、この鹸化に伴いアセテート繊維の体積減量が生じ
る。
【0011】さらに、この際、一般に行われているポリ
エステル繊維のアルカリ減量処理条件、すなわち、アル
カリ物質として水酸化ナトリウムを使用し、水酸化ナト
リウム濃度35g/l、温度約97℃のアルカリ水溶液
に浸漬する条件では、アセテート繊維が大幅に強度劣化
を起こし、実用に供しえないため、さらに鋭意検討を重
ね、この強度劣化を約10%以下に抑制すれば、適度な
強度を保持できることおよびこのための新しい処理条件
の組合せ、すなわち、第4図に示す斜線領域において処
理すべきことを見出した。
【0012】すなわち、これによって、アセテート繊維
の強度を90%以上保持したまま、約40%前後も減量
できるようになり、減量のメカニズムは異なるが、ポリ
エステル繊維の減量効果と同様のドレープ性向上が得ら
れる他、単繊維デニールが細くなってファインなソフト
タッチを付与することができたり、あるいはアセテート
がレーヨン化するために吸湿性が大幅に向上するなどの
効果が得られる。
【0013】次に、具体的な例を図面を用いて説明す
る。図1はアセテート繊維とポリエステル繊維の複合さ
れた糸条を製造する装置の一例を示したものである。す
なわち、供給ローラー1と牽切ローラー2の間で沸水収
縮率が1%のアセテートのマルチフィラメントAと沸水
収縮率が15%のポリエステルのマルチフィラメントB
とを合糸した状態で、屈曲開繊ガイド7で両者を屈曲開
繊混繊しながら延伸してアセテートのマルチフィラメン
トだけを牽切し、引続き吸引力を有する引取ノズル4
と、交絡抱合を付与する抱合ノズル5に通して、ポリエ
ステル繊維のマルチフィラメントと牽切されたアセテー
トの短繊維とが、図2(1)に示すような、単繊維オー
ダーで混繊複合された糸条Cを得、リング撚糸装置6で
パーンDに巻き取る。
【0014】次に、このようにして得た糸条Cに撚りを
施し、これを経糸と緯糸に用いて製織して布帛となし、
次いでこの布帛を精練リラックスしたのち、プレセット
し、約97℃に加熱沸騰した水酸化ナトリウム3g/l
の濃度の水溶液に約25分間浸漬してアセテート繊維を
鹸化処理し、アセテート繊維を重量にして約40%減量
する。次いで、この布帛を分散染料で染色したのち、再
度直接染料で染色し、さらに、仕上げセットを行うと本
発明の布帛を得ることができる。
【0015】得られた製品Eの布帛は、図3にその断面
形態を示すように、ポリエステル繊維Bとアセテート繊
維を鹸化したレーヨン様繊維Aが単繊維オーダーで混繊
複合されていて、かつ該レーヨン様繊維Aがポリエステ
ル繊維Bの側面からA1 、A2 、A3 のように異なった
張り出し振幅で分散した状態で突出して多層構造を形成
し、ポリエステル繊維を実質上カバリングした構造を有
している。
【0016】さらに、その中にあってアセテート繊維の
アセテート分子内のアセチル基のほとんどが鹸化された
ことによって、重量比にして約40%も減量され、繊維
の太さが細っているため、アセテート繊維とポリエステ
ル繊維の収縮差とあいまって構成単繊維間Fおよび織物
組織間Gに微細な空隙が生じており、単繊維間および織
物組織間の摩擦による拘束力が低下した状態になってい
る。
【0017】これらの効果により、得られた布帛Eは、
ナチュラルなセルロースの感触、腰反撥、ドレープ性、
嵩性、ソフトな風合い、適度の強度、鮮明で均一な色彩
などを有しており、またアセテートがレーヨン化したこ
とで、吸湿性も大幅に向上しているなど、初期の目的を
充分達成したものになっている。
【0018】ここで、アセテート繊維Aとしては、ジア
セテート繊維やトリアセテート繊維があり、かつ種々の
単繊維デニール、光沢、断面形状のものがあるが、いず
れも目的の製品に応じて適当に選択して使用すればよ
い。ただ、単繊維デニールについては、3デニール以下
のものを使用すると、鹸化処理により約40%減量され
て1.8デニール以下となり、市販されているアセテー
ト繊維の最小デニールよりさらに細いものが得られるた
め、従来なかったような超ソフトな風合いの布帛が得ら
れる。
【0019】これは、将来製糸技術が進歩して現在より
細いデニールの糸ができたとしてもアセテート繊維が低
強度であることから、製品化工程での取扱性が難しくな
ることが予想され、本発明のように比較的太デニールの
状態で製品化工程を通り、製品になってから細デニール
化できるということは、製造技術上からも有効な手段に
なる。
【0020】また、アセテート繊維と複合する合成繊維
Bとしては、アセテート繊維よりヤング率が大きく、か
つ強度が強く、沸水収縮率が大きければ、ポリエステル
系、アクリル系、ナイロン系、その他、特に限定されな
いが、腰反撥性を付与することが主要な目的のため、ポ
リエステル系が最適である。また、単繊維デニールとし
ては、1.5デニール以上が最適である。
【0021】さらに、出来上がった布帛にアセテート繊
維のセルロース感触と嵩性を付与するとともに、合成繊
維をアセテート繊維で覆い均染性と鮮明性を付与するた
めには、アセテート繊維と合成繊維からなる糸条の合成
繊維の繊維長をアセテート繊維のそれより平均5%以上
短くすることが好ましく、このためには合成繊維の沸水
収縮率が複合相手のアセテート繊維のそれより5%以上
大きいものを使用することが好ましい。また、さらには
合成繊維の構成比率が50%以下であることが望まし
い。この他、合成繊維の断面形状、光沢などについて
は、特に限定されない。
【0022】また、アセテート繊維と合成繊維の複合さ
れた糸条の形態としては、先に説明したような短繊維と
長繊維の組み合わせだけにとどまらず、図2(2)また
は(3)に示すように、長繊維と長繊維、短繊維と短繊
維あるいは長繊維と短繊維などの組み合わせでもよく、
単繊維オーダーで混繊複合されていれば特に限定されな
い。
【0023】次に、製織、製編については、通常の糸条
と同様に扱うことができるが、染色工程で合成繊維が収
縮してアセテート繊維が異なった張り出し振幅で分散し
た状態で布帛表面に突出し、多層構造を形成しやすいよ
うに、撚り数や密度はやや少なめに設計することが好ま
しい。
【0024】また、染色、仕上げについても、通常のア
セテート繊維やレーヨンと同じように扱うことができる
が、アルカリ減量については、従来のポリエステル繊維
と同じように扱うと強度劣化や処理斑が発生するため、
次のような注意が必要である。
【0025】すなわち、アルカリ物質としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム、アンモニアなど、水中で電離し
て水酸基を出す物質であれば、状況に応じて適宜選択使
用できるが、それらの水溶液の濃度と温度については、
図4に示す実線およびその下の領域、好ましくは斜線領
域を選択することが必要である。
【0026】すなわち、図4の実線より上側の領域にお
いては、アセテート繊維の強度保持率が90%未満とな
り、実用上強度劣化が問題となる。また、斜線領域の上
側では100%鹸化に要する時間が20〜30分以下と
短くなるため、処理斑などが発生し易く、一方、斜線領
域の下側では、逆に1.5〜2時間以上と長時間を要
し、生産上不都合となる。
【0027】また、本条件下においてアセテート分子内
のアセチル基を鹸化するわけであるが、少なくとも含ま
れるアセチル基の50%以上、好ましくは全量鹸化する
必要がある。すなわち、鹸化率が50%以下では処理斑
が発生しやすく、かつ鮮明な色彩が得られないためであ
る。なお、全量鹸化すると重量が約40%減少し、いわ
ゆる減量効果とファインデニール化効果が得られる他、
ポリエステルのアルカリ減量に比べると、減量率が化学
式の計算で算出しやすいため、条件設定および管理がむ
しろ容易にできるなどのメリットがある。
【0028】
【作用】本発明の化合繊複合布帛は、これを構成するア
セテート繊維のアセテート分子内のアセチル基の50%
以上が鹸化されており、同時に単繊維デニールが細くな
っているため、ドレープ性などの風合いが向上し、吸湿
性が付与されるとともにソフト感触が付与される。ま
た、鹸化されたアセテート繊維が鹸化処理前のアセテー
ト繊維の90%以上の強度を保持しているため、適度の
強度を有する。
【0029】さらに、このようなアセテート繊維が合成
繊維と単繊維オーダーで混繊され、鹸化されることによ
って単繊維デニールが細くなり、構成単繊維間および織
物組織間に微細な空隙が生じて繊維間および組織間の摩
擦力が軽減しているため、高いドレープ性、ソフト風合
いを有するほか、アセテート繊維と合成繊維の収縮差の
作用でヤング率の高い合成繊維が主として布帛の内部に
位置し、一方アセテート繊維が布帛の表面に張り出し、
合成繊維をカバリングするため、嵩高性、腰反撥性、鮮
明な染色性などを有する。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。 実施例1 図1に示す牽切加工装置を用いて、アセテート繊維Aと
して、75デニール/55フィラメントに紡糸したジア
セテート繊維で強度1.30g/de、伸度23%、ヤ
ング率470kg/mm2 、沸水収縮率1.0%のも
の、また、合成繊維Bとして、30デニール/12フィ
ラメントのイソフタル酸を共重合したポリエステル繊維
で強度4.2g/de、伸度43%、ヤング率1,13
0kg/mm2 、沸水収縮率29%のものを使用し、下
記条件にて加工することによって、ポリエステル繊維は
牽切せずに、アセテート繊維のみ牽切し、アセテートの
短繊維とポリエステルの長繊維が単繊維オーダーで混繊
複合した95デニールの糸条を得た。
【0031】牽切長(供給ローラー1と牽切ローラー2
のニップ間距離);30cm 牽切比(牽切ローラー速度/供給ローラー速度);1:
18倍 牽切速度(牽切ローラー速度);600m/min 引取ノズル圧(旋回流);3kg/cm2 抱合ノズル圧(旋回流);3.5kg/cm2 抱合オーバーフィード率〔(牽切ローラー速度−デリベ
リーローラー速度)/牽切ローラー速度〕×100;5
% 屈曲ガイドの屈曲角θ;150° リングスピンドル回転数;6,500rpm
【0032】得られた複合糸の物性は次の通りであっ
た。 ヤーンデニール;95デニール 強度;1.7g/de 伸度;38% 沸水収縮率;25% 交絡度;183ケ/m u%;5.1% 糸形態;ポリエステルのマルチフィラメントヤーンを芯
にして、アセテートの短繊維がこれと単繊維オーダーで
混繊交絡しながら一部のアセテート繊維が側面から張り
出したり毛羽が突出した形態を形成。
【0033】次に、この複合糸に600回/mの撚を施
した後、タテ密度152本/鯨、ヨコ密度94本/鯨の
平織物を製織し、引き続き精練リラックス工程、熱セッ
ト工程を通した後、60℃の苛性ソーダ3g/lの水溶
液に60分間浸漬してアセテート繊維の鹸化処理を行
い、しかる後にポリエステル繊維側を分散染料で120
℃で染色し、次いでアセテート繊維を鹸化したレーヨン
様繊維側を直接染料で98℃でポリエステル繊維とほぼ
同色に染色を行った。
【0034】このようにして得られた織物は、ポリエス
テルフィラメントヤーンとアセテート繊維が鹸化された
レーヨン様繊維の短繊維が単繊維オーダーで混繊してい
て、そのヤーン側面から該レーヨン様繊維が異なった張
り出し振幅で分散しながら毛羽とともに突出した多層構
造を形成し、ポリエステル繊維を実質上被覆した格好で
織物表面を覆っており、このため、ナチュラルなスパン
調のセルロース感触、豊かなふくらみ、鮮明で均一な色
彩を有していた。
【0035】さらに、鹸化処理によってアセテート繊維
が重量比で約40%も減量されており、このため、繊維
間および織物組織間に微細な空隙が生じて、お互いの接
圧が減少し、摩擦によるう拘束力が小さくなって高いド
レープ性を示すとともに、単繊維デニールも1.36デ
ニールから約0.8デニールに細くなっているため、非
常にソフトな感触が付加されていた。
【0036】一方、ポリエステル繊維は本実施例による
鹸化処理条件ではほとんど影響を受けておらず、このた
め織物がソフトで高ドレープになったにもかかわらず、
曲げ反撥性が87%もある高い腰反撥も有しており、従
来にない極めて感性の高い織物になった。
【0037】なお、この織物からアセテート繊維をサン
プリングして強伸度を測定したところ、強度1.24g
/de、伸度22%で、強度保持率は95%もあった。
また鹸化前4%だった吸湿性が8%に増加した。
【0038】
【発明の効果】本発明の化合繊複合布帛は、ナチュラル
なセルロースの感触とソフトで豊かなふくらみ、高いド
レープ性、高い腰反撥性などを併せもった風合い並びに
鮮明で均一な色彩の外観を有し、従来にない高い感性の
衣料用布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の布帛を作るのに必要なアセテート繊維
と合成繊維の複合糸を製造する装置の一例を示す図であ
る。
【図2】本発明の布帛を作るのに必要なアセテート繊維
と合成繊維の複合糸の形態を示す図である。
【図3】本発明の布帛の一態様を示す織物の断面図であ
る。
【図4】本発明の布帛を作るのに必要な鹸化処理条件の
適性範囲を示す図である。
【符号の説明】
A アセテート繊維 B 合成繊維 C アセテート繊維と合成繊維の複合糸 D パーン E 本発明の織物の断面 A1 〜A3 織物表面に複合糸の側面から異なった張り
出し振幅で突出した鹸化されたアセテート繊維の単繊維 F 単繊維間の微細な空隙 G 布帛の組織間の微細な空隙 1 供給ローラー 2 牽切ローラー 3 デリベリーローラー 4 引取用空気ノズル 5 抱合用空気ノズル 6 リング撚糸装置 7 屈曲開繊ガイド 8 風綿吸引ケース 9 風綿吸引ダクト 10 牽切繊維走行補助ガイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // D06M 101:08 D06M 1/06 Z (72)発明者 浅田 薫 大阪府茨木市耳原3丁目4番1号 帝人 株式会社 大阪研究センター内 (56)参考文献 特開 昭60−173162(JP,A) 特開 平4−272246(JP,A) 特開 昭60−126371(JP,A) 特開 平4−257334(JP,A) 特開 平3−1831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 11/00 - 11/84

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセテート繊維と合成繊維からなる糸条
    を用いて作られた布帛であって、該アセテート繊維がア
    セテート分子内のアセチル基の50%以上が鹸化されて
    おり、該鹸化処理前のアセテート繊維の90%以上の
    強度を保持しているとともに、合成繊維と単繊維オー
    ダーで微細空隙を有しながら複合されており、かつアセ
    テート繊維が合成繊維の側面に異なった張り出し振幅で
    分散した状態で突出した多層構造を形成して合成繊維を
    実質上カバリングしていることを特徴とする化合繊複合
    布帛。
  2. 【請求項2】 合成繊維がアセテート繊維の繊維長より
    平均5%以上短い繊維長を有し、かつ1.5デニール以
    上の単繊維デニールである請求項1記載の化合繊複合布
    帛。
  3. 【請求項3】 合成繊維が全体の50%以下の構成比率
    を占める請求項1または2記載の化合繊複合布帛。
  4. 【請求項4】 合成繊維がポリエステル繊維である請求
    項1〜3のいずれか1項記載の化合繊複合布帛。
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CN103103667B (zh) * 2012-11-29 2016-03-02 宁波双盾纺织帆布实业有限公司 一种防水帆布用混合纤维的纺丝工艺

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