JP4705449B2 - 帯電抑制織物 - Google Patents
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Description
本発明における織物を構成する電気絶縁性繊維とは、例えば電気比抵抗が1.0×1014以上で、実質的に電気伝導性を有さない繊維を言い、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、ナイロン、アラミド、ビニロン、ポリアリレート、ポリベンザゾールなどの合成高分子を繊維化したものが用いられる。また、羊毛や綿などの天然繊維を混紡などで複合したものが用いられる場合もある。即ち、特に限定されるものではない。
また、本発明の織物を構成する導電性繊維は電気比抵抗が1.0×109Ωcmを越えると、電荷移動が急激に行われ難くなって所望の帯電防止効果が得られない。
また、防塵、防爆用衣服とした場合は、火災や爆発が発生し易い環境で働く作業者や電気部品を取り扱ったりする作業者等の衣服として好適に使用できる。
(1)摩擦帯電圧
摩擦帯電圧の測定はJIS L 1094に記載されている「摩擦帯電圧測定法」にて行った。
摩擦帯電圧が2000ボルト以上になると、実用上、スパークによる異音、衝撃を発生するなど問題となるレベルであり、2000ボルト未満であれば、問題となることはない。
(2)電気比抵抗
電気比抵抗の測定法は下記の通りである。
導電性繊維を束状に引き揃え温度20℃、湿度30%で、24時間調温、調湿したのち、グリップ法で試長10cmの繊維束とし、グリップ部に導電性接着剤を塗布し、印加電圧100Vで試料の抵抗(R)を測定し、次式により算出した。
RS=(R×D)/(9×105×L×d)
RS:電気比抵抗(Ωcm)
R:抵抗(Ω)
d:試料密度(g/cm3)
D:デニール
L:試料長(cm)
通常のレピア織機を用いて、導電性繊維として、断面直径14μm、電気比抵抗1.0×10−5Ωcmのステンレス繊維(SUS304 日本精線株式会社 ナスロン)を用い、絶縁繊維として帝人テクノプロダクツ株式会社製のポリ塩化ビニル繊維「テビロン」(繊度122デシテックス)を用いて平織りの織物を得た。ポリ塩化ビニル繊維の打ち込み本数は経緯方向とも76本/インチ(幅1.8m、長さ50m)とした。このときの格子状をなすステンレス繊維の間隔が、経緯とも2mmのもの[織物A]、30mmのもの[織物B]、60mmのもの[織物C]の3種を作成した。これらの織物の反物から幅60cm、長さ1mの織物片をそれぞれ30枚切り取り、30枚全てを長さ方向に3回折りたたんで幅60cm、長さ12.5cmとして重ね、幅70cm長さ20cmの鉄板を載せ24時間放置した。その後、長さ方向(1m長)の一端のステンレス繊維に一般電子回路用のポリエステルフィルムコンデンサー(東信工業社製 ポリエステルフィルムコンデンサー type UMZ)を幅方向60mm範囲内につき1つステンレス繊維と接触し通電可能となるように縫い付けた。織物A、織物B、織物Cからの幅60cm、長さ1mのサンプリング、コンデンサ取り付けはそれぞれ30点作成した。作成した30点のなかで、最も帯電圧の高いものをデータとして採用した。
帯電圧はどれも低く良好であった。Aのものについては風合いがやや硬いが、着用性は問題なく、B、Cのものは、風合いもソフトで着用性も良好であった。
実施例1において、ポリエステルフィルムコンデンサーを取り付けない以外は、実施例1と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に2000ボルト、3700ボルト、5800ボルトであった。
A、B,Cとも帯電圧が高くなり、実用上問題である。
導電用カーボンブラックとして”トーカブラック”#5500(東海カーボン社製)を10%練りこんだポリプロピレンを紡糸、延伸し、断面直径50μm、電気比抵抗1.8×106Ωcmのポリプロピレン導電性繊維を得た。導電性繊維以外は実施例1と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に800ボルト、1100ボルト、1500ボルトであった。
A、B、Cとも帯電圧はどれも低く良好であり、風合いもソフトで着用性も良好であった。
ポリエチレングリコール(分子量20000)と炭素数12〜13のアルキルスルホン酸ナトリウムの2:1混合導電剤1.2重量部とポリエチレンテレフタレート98.8重量部を混合し、紡糸、延伸して、断面直径50μm、電気比抵抗7×108Ωcmのポリエステル導電性繊維(A)を得た。その他は実施例2と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に1000ボルト、1500ボルト、1900ボルトであった。
A、B、Cとも帯電圧はどれも低く良好であり、風合いもソフトで着用性も良好であった。特にB、Cはソフト性、審美性も優れ、良好であった。
実施例3において、導電性繊維として、ポリエチレングリコール(分子量20000)と炭素数12〜13のアルキルスルホン酸ナトリウムの2:1混合導電剤の添加量が0.5重量部とポリエチレンテレフタレート99.5重量部を混合し、紡糸、延伸し、断面直径50μm、電気比抵抗1.9×1010Ωcmのポリエステル導電性繊維(B)を得た。その他は実施例3と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に2000ボルト、3200ボルト、5200ボルトであった。
A、B、Cとも帯電圧が高く、実用上問題である。
実施例1において、導電性繊維の断面直径を4μmとした以外は、実施例1と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に2000ボルト、2700ボルト、3400ボルトであった。
A、B,Cとも帯電圧が高く、実用上問題である。
実施例2において、導電性繊維の断面直径を190μmとした以外は、実施例2と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に700ボルト、1000ボルト、1400ボルトであった。
A、B、Cとも帯電圧は低く良好であった。Aのものについては、風合いがやや硬いものの、実用上は問題なく、B、Cのものは風合いもソフトで良好であった。
実施例2において、導電性繊維の断面直径を230μmとした以外は、実施例2と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に2000ボルト、3100ボルト、4400ボルトであった。
A、B、Cとも帯電圧が高く、実用上問題である。
実施例1において、電気絶縁性繊維としてポリエチレンテレフタレート繊維(繊度122デシテックス)を用いた以外は、実施例1と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に400ボルト、900ボルト、1200ボルトであった。
帯電圧はどれも低く良好であった。Aのものについては風合いがやや硬いが、着用性は問題なく、B、Cのものは、風合いもソフトで着用性も良好であった。
実施例1において、電気絶縁性繊維としてポリプロピレン繊維(繊度122デシテックス)を用いた以外は、実施例1と同様のものを用いた。摩擦帯電圧を評価したところ、織物A、織物B、織物Cの順に600ボルト、1000ボルト、1500ボルトであった。
帯電圧はどれも低く良好であった。Aのものについては風合いがやや硬いが、着用性は問題なく、B、Cのものは、風合いもソフトで着用性も良好であった。
Claims (4)
- 電気絶縁性繊維と導電性繊維からなる織物であって、該導電性繊維が断面直径8〜200μmであり電気比抵抗1.0×109Ωcm以下であり、且つ該導電性繊維が2〜60mmの間隔をおいて格子状に織り込まれており、更に該導電性繊維が蓄電部品に繋げられていることを特徴とする帯電抑制織物。
- 導電性繊維の断面直径が35〜85μmであり電気比抵抗が1.0×107Ωcm以下である請求項1記載の帯電抑制織物。
- 導電性繊維の織り込み間隔が2〜30mmである請求項1または2記載の帯電抑制織物。
- 請求項1〜3のいずれか一項記載の帯電抑制織物を用いて縫製されることを特徴とする帯電防止衣服。
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