JPH11336335A

JPH11336335A - 建造物の建て替え方法

Info

Publication number: JPH11336335A
Application number: JP10143984A
Authority: JP
Inventors: Mutsuo Sahashi; 睦雄佐橋; Yutaka Soga; 裕曽我; Kenji Umemura; 建次梅村; Osamu Hase; 理長谷; Masanao Nishiyama; 正直西山; Takenori Kageyama; 武紀影山; Hideo Nakazawa; 英夫中澤
Original assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Current assignee: Takenaka Komuten Co Ltd
Priority date: 1998-05-26
Filing date: 1998-05-26
Publication date: 1999-12-07

Abstract

(57)【要約】【課題】手間をかけずにスピーディーに建て替えする
ことができ、且つ、新建造物の設計の自由性を発揮し易
くする。【解決手段】地下構造部Ａ１を備えた建造物の建て替
え方法において、旧建造物Ａを解体しながら、その旧建
造物Ａの地下構造部Ａ１に充填材Ｇを充填して新建造物
Ｂに対する支持地盤Ｈに形成し、その支持地盤Ｈ上に、
新建造物Ｂの底板構造部、及び、地下構造部Ｂ１を形成
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地下構造部を備え
た建造物の建て替え方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の建造物の建て替え方法と
しては、新建造物の支持力の確保のために、旧建造物の
底板構造部を貫通させて新たに支持杭を打設して、その
支持杭によって新建造物を支持させる方法をとってい
た。従って、図５に示すように、旧建造物の基礎構造部
３、及び、地下周壁部（側壁部６）分のみが残る状態
に旧建造物を解体し、その中に埋め戻し土Ｓを充填し
て、その状態から新建造物Ｂの支持杭Ｐの施工を行い、
順次、建造物を建て上げていく方法をとり、前記埋め戻
し土Ｓは、新建造物Ｂの底板構造部１３と下方地盤２０
との隙間を埋めるために使用されているものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の建造物
の建て替え方法によれば、旧建造物の基礎部分を貫通さ
せて支持杭の施工を実施するため、杭施工そのものに手
間が掛かり、通常の杭施工に比べてコスト高になり易
い。更には、周辺地盤の地下水位が高い場合には、旧建
造物の基礎貫通に伴って地下水が流入する危険があるか
ら、杭施工に伴う止水対策を講じる必要があり、やは
り、コスト高になり易い。また、新建造物の支持杭の平
面設置位置は、旧建造物の基礎部分の構造によって制約
を受けることがあり、新建造物の柱位置の自由性が少な
いという問題点がある。

【０００４】従って、本発明の目的は、上記問題点を解
消し、手間をかけずにスピーディーに建て替えすること
ができ、且つ、新建造物の設計の自由性を発揮し易い建
造物の建て替え方法を提供するところにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項１の発明
の特徴構成は、図２・３に例示するごとく、地下構造部
Ａ１を備えた建造物の建て替え方法において、旧建造物
Ａを解体しながら、その旧建造物Ａの地下構造部Ａ１に
充填材Ｇを充填して新建造物Ｂに対する支持地盤Ｈに形
成し、その支持地盤Ｈ上に、前記新建造物Ｂの底板構造
部１３、及び、地下構造部Ｂ１を形成するところにあ
る。

【０００６】請求項２の発明の特徴構成は、図２に例示
するごとく、前記充填材Ｇは、前記旧建造物Ａの解体ガ
ラＧ１と、セメント混和物Ｇ２とが主成分であり、旧建
造物Ａ内で複数階にわたって貫通状態に残存する縦穴部
４を、前記旧建造物Ａの地下構造部Ａ１への前記解体ガ
ラＧ１の投入シュートとして利用するところにある。

【０００７】尚、上述のように、図面との対照を便利に
するために符号を記したが、該記入により本発明は添付
図面の構成に限定されるものではない。

【０００８】〔作用及び効果〕請求項１の発明の特徴構
成によれば、旧建造物を解体しながら、その旧建造物の
地下構造部に充填材を充填して新建造物に対する支持地
盤に形成し、その支持地盤上に、前記新建造物の底板構
造部、及び、地下構造部を形成するから、従来のよう
に、旧建造物の基礎部分を貫通させて支持杭の施工を実
施しなくても、現場で形成した前記支持地盤によって新
建造物を支持させることが可能となる。従って、杭施工
そのものや、それに伴って発生する付帯施工（例えば、
止水対策）を省略し、建て替え工事をスピーディーに、
且つ、経済的に実施することが可能となる。更には、前
記支持地盤上に建てる新建造物の設計に当たって、旧建
造物の柱の位置を考慮することなく平面計画を実施する
ことが可能となり、新建造物設計の自由性を発揮するこ
とが可能となる。

【０００９】請求項２の発明の特徴構成によれば、請求
項１の発明による作用効果を叶えることができるのに加
えて、前記充填材は、前記旧建造物の解体ガラと、セメ
ント混和物とが主成分であり、旧建造物内で複数階にわ
たって貫通状態に残存する縦穴部を、前記旧建造物の地
下構造部への前記解体ガラの投入シュートとして利用す
るから、建造物建て替えによって発生する廃棄物（解体
ガラ）を前記支持地盤形成材料の一つとして有効に利用
しながら、前記セメント混和物によって一体化を図るこ
とができる。従って、余分な廃棄物処理を抑制すると共
に、資源の有効利用を図り、新建造物の支持地盤を高強
度に、且つ、経済的に形成することが可能となる。更に
は、前記廃棄物を利用するに当たり、前記縦穴部を投入
シュートとして有効に使用することで、新たに工事設備
を設けることなく、且つ、能率よく支持地盤を形成する
ことが可能となり、建築費全体としたコストダウンを図
ることも可能となる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の
符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示してい
る。

【００１１】本実施形態は、図１に示す地下構造部Ａ１
を備えた旧建造物Ａを、図３に示す新建造物Ｂに建て替
える方法の一実施形態を示すものである。

【００１２】本実施形態の建造物の建て替え方法は、旧
建造物Ａを解体しながら、その旧建造物Ａの地下構造部
Ａ１に充填材Ｇを充填して新建造物Ｂに対する支持地盤
Ｈに形成し、その支持地盤Ｈ上に、前記新建造物Ｂの地
下構造部Ｂ１、及び、地上構造部Ｂ２を形成するもので
ある。

【００１３】前記旧建造物Ａは、取り壊し対象の建物で
あり、図１に示すように、地下構造部Ａ１と地上構造部
Ａ２とから構成されている。そして、既存の前記地下構
造部Ａ１・地上構造部Ａ２とも、複数階のフロアを備え
た構成である。各フロアは、側面の側壁部６、床構造部
７、及び、上下階の床構造部７にわたる柱構造部８を設
けて構成してある。そして、地下構造部Ａ１の最下部に
は、基礎構造部３が形成してある。因みに、前記床構造
部７は、スラブ７ａや梁７ｂによって構成してある。ま
た、前記基礎構造部３は、基礎スラブ３ａや地中梁３ｂ
によって構成してあり、各地中梁３ｂ間の空間はピット
部９に形成してある。また、最上階から最下階にわたっ
てエレベータシャフトや、パイプスペース等の縦穴部４
が形成してある。

【００１４】前記新建造物Ｂは、図３に示すように、地
下構造部Ｂ１と地上構造部Ｂ２とから構成されている。
そして、地下構造部Ｂ１は、免震装置Ｄを設置するスペ
ースとして構成してあり、地上構造部Ｂ２は、複数階の
フロアを備えた構成である。また、建物平面は、旧建造
物Ａより小さく設定してあると共に、地下構造部Ｂ１の
深さも、旧建造物Ａよりも小さく設定してある。各フロ
アは、側面の側壁部１０、床構造部１１、及び、上下階
の床構造部１１にわたる柱構造部１２を設けて構成して
ある。一方、地下構造部Ｂ１の最下部には、基礎構造部
（底板構造部に相当）１３が形成してあり、前記複数の
免震装置Ｄを介して基礎構造部１３と、他の地下構造部
Ｂ１とが連結されている。

【００１５】また、基礎構造部１３の下面に位置する前
記支持地盤Ｈは、図２に示すように、旧建造物Ａの地下
構造部Ａ１を、その外周部分（側壁部６・基礎構造部
３）を残した状態に解体してその内空部に、旧建造物Ａ
の解体コンクリートガラ（解体ガラに相当）Ｇ１と、モ
ルタル（セメント混和物の一例）Ｇ２とを主成分とした
充填材Ｇを充填・撹拌して一体的に固めて構成してあ
る。因みに、前記解体コンクリートガラＧ１は、最大径
が２００ｍｍ程度になるように砕いてあり、充填時や撹
拌時の取扱性を向上させ、且つ、支持地盤Ｈ全体とした
品質の安定化を図ることが可能となる。また、前記モル
タルＧ２の配合の一例を示すと、表１に示すとおりであ
り、前記解体コンクリートガラＧ１の容量に対して約３
３％の充填量でモルタル充填を実施し支持地盤Ｈを形成
してある。モルタル充填して固化させた支持地盤Ｈの一
軸圧縮強度は、５ｋｇ／ｃｍ²を目標値とした。

【００１６】

【表１】

【００１７】次に、旧建造物Ａから新建造物Ｂへの具体
的な建て替え手順について詳しく説明する（図２参
照）。［１］旧建造物Ａの解体を実施する。解体にあたって
は、地上構造部Ａ２は、上層から実施し、地下構造部Ａ
１においては、二重スラブや二重壁を解体して空間をま
とめる。また、エレベータシャフトや、ダクトスペース
等の前記縦穴部４は、地下構造部Ａ１への解体コンクリ
ートガラＧ１の投入シュートとして利用できるように開
口させておく。［２］解体によって生じた解体コンクリートガラＧ１
の一部を、図２（イ）に示すように、前記縦穴部４を通
して上層階から地下構造部Ａ１へ落下させ、前記ピット
部９に充填すると共に、ピット部９内の空隙にモルタル
（セメント混和物に相当）Ｇ２を充填して、バックホウ
で撹拌し、一体化を図る。そして、同様の工程の繰り返
しによって、前記新建造物Ｂの底面位置まで順次、解体
コンクリートガラＧ１・モルタルＧ２を充填すると共に
撹拌して前記支持地盤Ｈを形成する。因みに、解体コン
クリートガラＧ１とモルタルＧ２との撹拌は、バックホ
ウに取り付けたアタッチメント１４（図４参照）を使用
して実施する。このアタッチメント１４を巾方向に沿っ
て往復移動させることによって効率よく撹拌することが
できる。［３］前記支持地盤Ｈの養生の後、新建造物の地下構
造部Ｂ１、及び、地上構造部Ｂ２を順次建て上げる。

【００１８】〔別実施形態〕以下に他の実施の形態を説
明する。

【００１９】〈１〉前記縦穴部は、先の実施形態で説
明したエレベータシャフトや、パイプスペースで構成さ
れたもの以外にも、上下階に重なるスラブを解体して形
成するものであってもよい。〈２〉新建造物、及び、旧建造物は、先の実施形態で
説明したものに限るものではなく、要するに、新建造物
の支持地盤として、旧建造物の外殻部を有効に利用しな
がら解体部分に充填材を充填して形成できるものであれ
ばよい。従って、新建造物、及び、旧建造物の構造は、
自由に採用することが可能である。〈３〉充填材は、先の実施形態で説明した旧建造物の
解体ガラと、セメント混和物を主成分にした構成に限る
ものではなく、解体ガラについては、他の建造物から発
生した解体ガラであってもよく、セメント混和物に関し
ては、モルタル以外にも、コンクリートやセメントペー
ストであってもよい。また、解体ガラとセメント混和物
との組み合わせに替えて、天然骨材や人造骨材とセメン
ト混和物との組み合わせも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】旧建造物を示す断面図

【図２】建造物の建て替え方法を説明する断面図

【図３】新建造物を示す断面図

【図４】撹拌用アタッチメントを示す斜視図

【図５】従来の建造物の建て替え方法を示す断面図

【符号の説明】

４縦穴部１３底板構造部Ａ旧建造物Ａ１地下構造部Ｂ新建造物Ｂ１地下構造部Ｇ充填材Ｇ１解体ガラＧ２セメント混和物Ｈ支持地盤

フロントページの続き (72)発明者長谷理愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者西山正直愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者影山武紀愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号株式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者中澤英夫愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号株式会社竹中工務店名古屋支店内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】地下構造部を備えた建造物の建て替え方
法であって、旧建造物を解体しながら、その旧建造物の地下構造部に
充填材を充填して新建造物に対する支持地盤に形成し、
その支持地盤上に、前記新建造物の底板構造部、及び、
地下構造部を形成する建造物の建て替え方法。
【請求項２】前記充填材は、前記旧建造物の解体ガラ
と、セメント混和物とが主成分であり、旧建造物内で複
数階にわたって貫通状態に残存する縦穴部を、前記旧建
造物の地下構造部への前記解体ガラの投入シュートとし
て利用する請求項１に記載の建造物の建て替え方法。