JP2018044339A - 既存地下躯体の解体方法 - Google Patents

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【課題】工期が長期化するのを防ぐとともに、施工コストを低減できる既存地下躯体の解体方法を提供すること。【解決手段】既存地下躯体2を解体する方法は、既存地下躯体2の既存床スラブ16に地表から地下最下階に至るまで開口部20を設けるステップS1と、既存地下躯体2の地下最下階から地表に向かって、既存地下躯体2の既存柱14を残して既存地下躯体2を解体しながら埋戻しを行うステップS2〜S7と、を備える。本発明によれば、既存地下外壁を山留め壁とし、対向する既存地下外壁の支保工として既存床スラブおよび既存柱を用いることで、対向する既存地下外壁同士の間に別途支保工を架設することなく、既存地下躯体を解体して撤去できる。よって、短工期かつ低コストで既存地下躯体を解体できる。【選択図】図2

Description

本発明は、既存地下躯体を解体する方法に関する。
従来より、既存地下躯体を解体することが行われている(特許文献1〜5参照)。
特許文献1では、まず、既存地下躯体の外周フレームに補強用壁を形成し、補強用壁の土圧を支える一部の躯体を残して既存地下躯体の内部躯体を地下1階から最下階まで解体する。次に、既存地下躯体に切梁を架設しながら、この切梁の直下に残した補強用壁および躯体を解体する工程を順次繰り返し行う。
特許文献2では、まず、既存建物の既存地下躯体の内部に擁壁を構築し、この擁壁と既存地下躯体の外周壁との間に解体ガラやコンクリートを充填することで、既存地下躯体の外周壁に作用する土圧を擁壁で支持する。この状態で、新設建物の地下躯体を擁壁の内側に構築する。
特許文献3では、建物の地上部を解体し、解体ガラで地下構造部を埋め戻す工程と、埋め戻された解体ガラを退けながら、地下部の柱と梁をバットレス形状となるように残して地下部を解体する工程と、解体ガラを締め固めて施工地盤とする工程と、を行う。
特許文献4では、地下躯体の各階スラブに開口部を形成し、次いで、この開口部を介して解体手段を最下層部分に搬入し、次いで、解体手段で最下層部分に対して解体作業を行いつつ解体箇所の埋め戻しを行い、その後、解体手段を埋め戻した土の上に搬送する行程と、解体手段で直上階のスラブ等の構造躯体に対して解体作業を行いつつ解体箇所を埋め戻しする行程とを、上階に向かって順次繰り返して行う。
特許文献5では、既設建物を利用して新設建物を構築する建物の構築方法であって、既設建物の地上躯体を解体する工程と、既設建物の既設地下スラブまたは既設建物の大梁の上部に作業構台を設置する工程と、既設建物の地下の各階において既設地下スラブに開口部を形成する工程と、作業構台上に配置した揚重装置を使用して、既設建物の地下n階の床面に新設地下柱を立設する工程と、を含む。
特開2011−163074号公報 特開2006−266036号公報 特開2010−189960号公報 特開平7−18881号公報 特許第5925231号公報
特許文献1の建物の建て替え方法では、外周部の一部の躯体を残して既存地下躯体を解体した後、既存地下躯体の内側に切梁を架設しながら、この切梁の直下に残した補強用壁および躯体を解体する。したがって、切梁が解体作業の障害となるため、工期が長期化するおそれがあった。
また、特許文献2の建物の建て替え方法では、自立する擁壁で土圧を受けるため、既存地下躯体の深さが深い場合、擁壁が大型化し、施工コストが増大する、という問題があった。
また、特許文献3の建物の解体方法では、解体ガラを退けながら、地下部の柱と梁をバットレス形状となるように残して地下部を解体するため、作業手間がかかり、工期が長期化するおそれがあった。
また、特許文献4の地下躯体の解体方法では、解体手段で解体箇所の埋め戻しを行うことにより、この埋め戻し土を山留め壁の支保工とするが、この埋め戻し土のみでは、山留め壁に作用する土圧を支持できない場合があった。
また、特許文献5の建物の構築方法では、新設建物の新設地下柱を早期に構築できるが、既存地下躯体を解体する方法は明示されていない。
本発明は、既存地下躯体と隣地境界との間のスペースが狭い場合でも、工期を長期化させることなく、施工コストを低減できる既存地下躯体の解体方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、建物密集地に建つ既存建物の建て替え方法として、既存地下外壁を山留め壁とし、解体用重機を既存地下躯体の地下最下階まで吊り下ろした後、その解体用重機を使用して既存地下躯体を下方から上方に向って順次解体していく際に、上階の既存地下床スラブと既存地下柱が支保工として地下躯体を支えることで、新たに支保工を設けることなく既存地下躯体を解体して撤去できることに着目し、本願発明の既存地下躯体の解体方法の発明に至った。
本発明の特徴は、上階の既存床スラブおよび既存地下柱が支保工として機能して下階の地下躯体を支える点と、上階の既存床スラブおよび既存地下柱によって解体対象フロアが支えられた状態で、解体対象フロアごとに、既存地下柱以外の躯体を解体し、解体した部分を埋戻しながら、下方から上方に向って順次解体していく点である。
第1の発明の既存地下躯体の解体方法は、既存地下躯体(例えば、後述の既存地下躯体2)を解体する方法であって、前記既存地下躯体の既存床スラブ(例えば、後述の既存床スラブ16)に地表から地下最下階に至るまで開口部(例えば、後述の開口部20)を設ける工程(例えば、後述のステップS1)と、前記既存地下躯体の前記地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体の既存柱(例えば、後述の既存柱14)を残して当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程(例えば、後述のステップS2〜S7)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、既存地下外壁を山留め壁とし、対向する既存地下外壁の支保工として既存床スラブおよび既存柱を用いることで、対向する既存地下外壁同士の間に別途支保工を架設することなく、既存地下躯体を解体して撤去できる。よって、短工期かつ低コストで既存地下躯体を解体できる。
第2の発明の既存地下躯体の解体方法は、既存地下躯体を解体する方法であって、前記既存地下躯体の既存地下外壁の外側に新設の壁体(例えば、後述の山留め壁21)を構築する工程(例えば、後述のステップS11)と、前記既存地下躯体の既存床スラブに地表から地下最下階に至るまで開口部を設けるとともに、前記既存地下外壁と前記壁体との間に応力伝達部材(例えば、後述の裏込め部材22)を設ける工程(例えば、後述のステップS12〜S14)と、前記既存地下躯体の地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体の既存柱(例えば、後述の既存柱14)を残して当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程(例えば、後述のステップS15〜S21)と、を備えることを特徴とする。
ここで、壁体としては、山留め壁や鉄筋コンクリート造連続壁が挙げられる。
この発明によれば、新設の壁体を既存地下外壁の外側に構築し、応力伝達部材によりこの新設の壁体を既存床スラブで支持した。そして、対向する壁体の支保工として既存床スラブおよび既存柱を用いることで、対向する壁体同士の間に別途支保工を架設することなく、既存地下躯体を解体して撤去できる。よって、短工期かつ低コストで既存地下躯体を解体できる。
第3の発明の既存地下躯体の解体方法は、前記既存地下躯体の地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程では、前記既存地下躯体を解体して埋め戻す作業を、1フロア毎または複数フロア毎に繰り返すこと特徴とする。
この発明によれば、隣地境界線に近接して既存地下躯体が設けられた既存建物であっても、短工期かつ低コストにて既存地下躯体を解体できる。
本発明によれば、工期が長期化するのを防ぐとともに、施工コストを低減できる。
本発明の第1実施形態に係る既存地下躯体の第1の解体方法が適用される既存建物の縦断面図である。 既存地下躯体の第1の解体方法のフローチャートである。 既存地下躯体の第1の解体方法の説明図(その1、既存地下躯体の最下階部分の解体説明図)である。 既存地下躯体の第1の解体方法の説明図(その2、既存地下躯体の最下階から地下1階床レベルまでの解体説明図)である。 既存地下躯体の第1の解体方法の説明図(その3、既存地下躯体の地下1階部分の解体説明図)である。 既存地下躯体の第1の解体方法の説明図(その4、表層地盤部分の埋戻し説明図)である。 本発明の第2実施形態に係る既存地下躯体の第2の解体方法のフローチャートである。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その1、既存地下躯体の外側に構築する山留壁の説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その2、既存地下躯体と山留壁との間に設ける裏込め部材の説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その3、既存地下躯体と山留壁との間に設ける裏込め部材の説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その4、山留壁と既存地下躯体との間に設ける斜め切梁の説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その5、既存地下躯体の最下階より地下2階床レベルまでの解体説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その6、既存地下躯体の地下2階から地下1階床レベルまでの解体説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その7、既存地下躯体の地下1階部分の埋戻し説明図)である。 既存地下躯体の第2の解体方法の説明図(その8、表層地盤部分の埋戻し説明図)である。
本発明は、既存地下外壁を山留壁として用いた既存地下躯体の解体方法(第1実施形態)と、既存地下外壁の外側に新設の山留め壁を設けた既存地下躯体の解体方法(第2実施形態)である。第2実施形態では、第1実施形態と異なり、既存地下外壁と新設の山留め壁との間に裏込め部材を設けることで、地下上層階の既存地下外壁を早期に解体できる点に特徴がある。本発明によれば、既存地下躯体を下方から上方に順次解体していく際に、上階の既存地下床スラブが支保工として地下躯体を支えるために、別部材として支保工を設ける必要がなく、既存地下躯体を解体できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る既存地下躯体の解体方法が適用される既存建物1の縦断面図である。
既存建物1は、地下に構築された既存地下躯体2と、この既存地下躯体2の上に構築された既存地上躯体3と、を備える。
既存地下躯体2は、地下2階までの鉄筋コンクリート構造である。
この既存地下躯体2は、既存杭10、既存杭10の上に設けられたフーチング11、フーチング11同士を連結する基礎梁12、この基礎梁12同士の間に設けられた耐圧版13、基礎梁12の上に設けられた既存柱14、既存柱14同士の間に架設された既存梁15、既存梁15同士の間および基礎梁12同士の間に設けられた既存床スラブ16、外周に位置する既存外周柱14aおよび既存外周梁15aの間に設けられた既存地下外壁17を備える。
以下、既存地上躯体3を解体した後、既存地下躯体2を解体する方法について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図3に示すように、1階および地下1階の既存床スラブ16の一部を解体して、地表から地下最下階である地下2階に至るまでの各床に開口部20を形成する。
ステップS2では、図3に示すように、外周基礎梁12a、フーチング11、既存柱14、および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の基礎躯体を解体する。具体的には、1階床または地上に設けた作業構台上に揚重装置を配置し、この揚重装置により、既存床スラブ16に設けた開口部20を通して、既存地下躯体の最下階まで解体用重機を吊り下ろす。そして、この解体用重機を用いて、基礎梁12、耐圧版13、および地下2階床レベルの既存床スラブ16を解体する。解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。
ステップS3では、図4に示すように、1次埋め戻しを行う。具体的には、外周基礎梁12aおよび地下2階立上がりの既存地下外壁17を解体しながら、地盤改良した土砂で地下最下階から地下1階梁下レベルまで埋め戻しを行う。
ステップS4では、図4に示すように、既存外周梁15a、既存柱14、および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の地下1階床レベルの躯体を解体する。具体的には、地下1階床レベルの既存梁15および既存床スラブ16を解体する。解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。
ステップS5では、図5に示すように、2次埋め戻しを行う。具体的には、地下1階床レベルの既存外周梁15aおよび地下1階立上がりの既存地下外壁17を解体しながら、地盤改良した土砂で地下1階部分から1階梁下レベルまで埋め戻しを行う。
ステップS6では、図5に示すように、既存柱14および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の地下1階床レベルの躯体を解体する。具体的には、1階床レベルの既存梁15および既存床スラブ16を解体する。
ステップS7では、図6に示すように、3次埋め戻しを行う。具体的には、表層地盤部分を地盤レベルまで地盤改良した土砂で埋め戻しを行う。
ステップS8では、全旋回オールケーシング工法などにより、既存柱14、既存外周柱14a、フーチング11、および既存杭10を破砕または引き抜いて撤去する。なお、この撤去方法については、特に限定されない。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)既存地下外壁17を山留め壁とし、対向する既存地下外壁17(既存外周梁15a)の支保工として既存床スラブ16、既存梁15、および既存柱14、14aを用いることで、対向する既存地下外壁17同士の間に支保工を架設することなく、既存地下躯体2を解体して撤去できる。よって、短工期かつ低コストで既存地下躯体2を解体できる。
(2)本発明は、既存柱14、14aを存置して、この既存柱14、14aにより支持された既存床スラブ16を支保工とする。そして、この既存床スラブ16で既存地下外壁17(既存外周梁15a)を支持した状態で、フロア毎に、既存柱14以外の既存地下躯体2を解体して撤去しつつ、この解体作業により形成された空間を埋め戻して塞ぐ。これにより、解体したフロア毎に施工地盤を確保しながら、既存地下躯体2を最下階から地表に向かって安全に解体できる。
なお、本実施形態では、解体から埋め戻しまでの1サイクルを1フロア毎に実施したが、これに限らず、複数のフロア毎に実施してもよい。
(3)既存地下躯体2と隣地境界が近接する場合でも、既存地下躯体2の外側に法面勾配等の大規模な掘削領域を設けることなく、短工期かつ低コストで既存地下躯体2を解体できる。
〔第2実施形態〕
図7は、本発明の第2実施形態に係る既存地下躯体の解体方法のフローチャートである。
以下、既存建物1の解体方法について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS11では、図8に示すように、既存地下躯体2の既存地下外壁17の外側に、鋼矢板からなる壁体としての山留め壁21を構築する。この山留め壁21は、鋼矢板壁に限らず、ソイルセメント柱列壁、RC造連続壁、既存コンクリート柱列壁などでもよい。
ステップS12では、図8に示すように、1階床レベルの高さ位置で、既存地下外壁17と山留め壁21との間に、応力伝達部材としての裏込め部材22を構築する。これにより、この裏込め部材22および既存地下外壁17の1階床レベルの躯体が、山留め壁21に作用する土圧を支持する1段目の支保工の役割を果たす。
また、1階の既存床スラブ16の一部を解体して開口部20を設ける。
ステップS13では、図9に示すように、既存柱14および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の地下1階立上がり躯体を解体する。具体的には、第1実施形態と同様に、揚重装置を用いて、既存床スラブ16に設けた開口部20を通して、解体対象となるフロアまで解体用重機を吊り下ろし、その解体用重機を用いて既存地下外壁17や図示しない間仕切壁などを解体する。解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。このとき、この既存地下外壁17と山留め壁21との間の地盤も掘削して撤去する。
ステップS14では、図9に示すように、地下1階床レベルの高さ位置で、既存地下外壁17と山留め壁21との間に裏込め部材22を構築する。これにより、この裏込め部材22および既存地下外壁17の地下1階床レベルの躯体が、山留め壁21に作用する土圧を支持する2段目の支保工の役割を果たす。
また、地下1階の既存床スラブ16の一部を解体して開口部20を設ける。
ステップS15では、図10に示すように、既存柱14および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の地下2階立上がり躯体を解体する。具体的には、既存地下外壁17や図示しない間仕切壁などを解体し、解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。このとき、この既存地下外壁17と山留め壁21との間の地盤も掘削して撤去する。
ステップS16では、図10に示すように、地下2階床レベルの高さ位置で、既存地下躯体2と山留め壁21との間に、斜め切梁23を架設する。これにより、斜め切梁23および既存地下外壁17の地下1階床レベルの躯体が、山留め壁21に作用する土圧を支持する3段目の支保工の役割を果たす。
ステップS17では、図11に示すように、フーチング11、既存柱14、および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の基礎躯体を解体する。具体的には、基礎梁12、外周基礎梁12a、耐圧版13、および地下2階の既存床スラブ16を解体し、解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。
ステップS18では、図12に示すように、1次埋め戻しを行う。具体的には、地下2階床レベルまで地盤改良した土砂で埋め戻しを行うとともに、斜め切梁23を撤去する。
ステップS19では、図13に示すように、2次埋め戻しを行う。具体的には、地下1階梁下レベルまで地盤改良した土砂で埋め戻しを行う。
ステップS20では、図13に示すように、既存柱14および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の地下1階床レベルの躯体を解体する。具体的には、地下1階床レベルの既存梁15、既存外周梁15a、および既存床スラブ16を解体し、解体材は、開口部20を通して1階まで揚重して搬出する。
ステップS21では、図14に示すように、3次埋め戻しを行う。具体的には、1階梁下レベルまで地盤改良した土砂で埋め戻しを行う。
ステップS22では、図14に示すように、既存柱14および既存外周柱14aを残して、既存地下躯体2の1階床レベルの躯体を解体する。具体的には、1階床レベルの既存梁15、既存外周梁15a、および既存床スラブ16を解体する。
ステップS23では、図15に示すように、4次埋め戻しを行う。具体的には、地盤レベルまで地盤改良した土砂で埋め戻しを行う。
ステップS24では、全旋回オールケーシング工法などにより、山留め壁21、既存柱14、フーチング11、および既存杭10を破砕あるいは引き抜いて撤去する。
本実施形態によれば、上述の(2)、(3)に加えて、以下のような効果がある。
(4)山留め壁21を既存地下外壁17の外側近傍に構築し、裏込め部材22を介してこの山留め壁21を既存床スラブ16で支持した。そして、対向する山留め壁21の支保工として既存床スラブ16、既存梁15、および既存柱14、14aを用いることで、対向する山留め壁21同士の間に別途支保工を架設することなく、既存地下躯体2を解体して撤去できる。よって、短工期かつ低コストで既存地下躯体2を解体できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上述の第1実施形態では、ステップS3の1次埋め戻し工程およびステップS5の2次埋め戻し工程において、既存地下外壁17を解体しながら、解体した部分に地盤改良した土砂の埋め戻しを行ったが、これに限らず、既存地下外壁を存置した状態で他の既存地下躯体を解体し、ステップS8にて、既存柱や既存杭等とともに既存地下外壁を撤去してもよい。このように、既存地下外壁を存置して、既存地下躯体の内側を解体した場合には、この既存地下外壁により既存地下躯体の外側から土砂や地下水が流入するのを防止できる。
また、上述の第2実施形態では、既存地下躯体2の既存地下外壁17の外側に、鋼矢板からなる壁体として山留め壁21を構築したが、これに限らず、新設建物の地下外壁を構築して、既存地下外壁17に連結してもよい。この場合、新設建物の地下外壁と既存地下外壁17とが一体化した合成壁となり、上述の(4)と同様の効果がある。
また、上述の第2実施形態では、山留め壁21と既存地下躯体2との間に斜め切梁23を架設したが、これに限らない。すなわち、山留め壁21の強度や剛性を十分に確保できる場合には、このような斜め切梁を設けなくてもよい。
上述の第1、第2実施形態では、既存地下躯体2を鉄筋コンクリート造の地下2階建としたが、これに限らず、本発明の既存地下躯体の解体方法は、既存地下躯体の規模に限定されない。
1…既存建物 2…既存地下躯体 3…既存地上躯体
10…杭 11…フーチング 12…基礎梁 12a…外周基礎梁 13…耐圧版
14…既存柱 14a…既存外周柱 15…既存梁 15a…既存外周梁
16…既存床スラブ 17…既存地下外壁
20…開口部 21…山留め壁(壁体) 22…裏込め部材(応力伝達部材)
23…斜め切梁

Claims (3)

  1. 既存地下躯体を解体する方法であって、
    前記既存地下躯体の既存床スラブに地表から地下最下階に至るまで開口部を設ける工程と、
    前記既存地下躯体の前記地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体の既存柱を残して当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程と、を備えることを特徴とする既存地下躯体の解体方法。
  2. 既存地下躯体を解体する方法であって、
    前記既存地下躯体の既存地下外壁の外側に新設の壁体を構築する工程と、
    前記既存地下躯体の既存床スラブに地表から地下最下階に至るまで開口部を設けるとともに、前記既存地下外壁と前記壁体との間に応力伝達部材を設ける工程と、
    前記既存地下躯体の地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体の既存柱を残して当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程と、を備えることを特徴とする既存地下躯体の解体方法。
  3. 前記既存地下躯体の地下最下階から地表に向かって、当該既存地下躯体を解体しながら埋戻しを行う工程では、前記既存地下躯体を解体して埋め戻す作業を、1フロア毎に繰り返すこと特徴とする請求項1または2に記載の既存地下躯体の解体方法。
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