JP2016199915A - 基礎構造及び基礎施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基礎構造は、解体せずに残した既存地下外壁12と、既存地下外壁12の内側へ新設した杭18と、杭18の杭頭部に構築されたフーチング20と、フーチング20に接合されると共に、既存地下外壁12に接合された基礎梁24と、を有している。
【選択図】図1
Description
しかし、高層化された建物は、建物の形状によっては、強風時等に、既存建物よりも建物の杭に作用する引抜き力が大きくなる。このため、引抜き力を全て杭に負担させる構成では、杭を大径化する等の対策が必要となり、建設費用が増大する。
既存建物を解体して新築建物を建てる際に、既存建物の地下構造物の一部を解体せずに残し、活用する技術には、例えば特許文献1がある。
これにより、新築建物から杭に引抜き力が作用したとき、杭と共に、既存地下外壁がアンカーとして引抜き力に抵抗する。即ち、既存地下外壁を、山留めのみでなく、新設の杭の引抜き力を負担する引抜き抵抗として利用できる。
このように、新築建物の柱に発生する引抜き力を、既存地下外壁と新設の杭に分散して負担させることができる。
この結果、新設の杭の負担が軽減され、新設の杭を大径化しなくても、新築建物の柱に発生する引抜き力に抵抗させることができる。
これにより、既存地下外壁を、新築建物の山留めとして利用して、既存地下外壁の内側へ、新築建物の基礎部を構築できる。更に、新築建物に外力が作用し、柱に引抜き力が発生したとき、既存地下外壁と新設の杭がアンカーとして作用して、引抜き力に抵抗する。
即ち、既存地下外壁を、山留めのみでなく、杭に作用する引抜き力を負担する引抜き抵抗として利用することができる。
ここで、図1(A)は、基礎構造の正面図を示し、(B)は、その平面図を示している。図2は、図1(B)のX2−X2線断面図を示している。
既存地下構造物10は、図示しない解体された建物の一部であり、地盤30を掘削して構築され、解体せずに残された地下構造部である。
既存地下外壁12は、鉄筋コンクリート造とされ、地盤30の地表面から深さH1まで、所定の厚さD1で構築されている。
既存底板14は、既存地下構造物10の底面を形成し、鉄筋コンクリートで構築され、既存地下外壁12で囲まれた範囲内に設けられている。
このとき、既存地下構造物10の構築においては、新たな地盤30の掘削は必要なく、既存地下構造物10が備えている既存地下外壁12を、新築建物28の構築における山留めとして利用すると共に、地下外壁としてそのまま利用する。
杭18は、下端部が、既存底板14の下の支持層まで埋め込まれ、新築建物28の荷重を支持すると共に、新築建物28に、強風等の外力P1が作用したとき、柱26に発生する引抜き力P2に抵抗する。
杭18の上端部は、流動化処理土16の上面から高さH3だけ突出させて構築されている。なお、杭18は、杭種に制約はなく、例えば場所打ち杭や鋼管杭等、一般的な杭であればいずれでもよい。
フーチング20は、鉄筋コンクリート造とされ、フーチング20の底壁は、流動化処理土16の上面に設置され、フーチング20の底壁には、杭18の頭部を埋設させている。
既存地下外壁12側のフーチング20の側壁は、既存地下外壁12の内周面と当接させて構築されている。このとき、フーチング20の側壁と既存地下外壁12は、あと施工アンカー(アンカーボルト)22等の接合部材で接合してもよい。
フーチング20には、柱26を介して、新築建物28からの荷重、及び引抜き力が伝達される。
このとき、既存地下外壁12の側壁内側12Nには、複数のあと施工アンカー22が打込まれており、あと施工アンカー22を呑み込んで、基礎梁24を構築することにより、既存地下外壁12と基礎梁24が一体化されている。
基礎梁24の高さH4、及び幅D2は、既存地下外壁12と基礎梁24の必要接合強度を確保できる寸法に決定されている。即ち、必要数量のあと施工アンカー22を打ち込むための面積を確保できる高さH4、及び厚さD2で構築される。
これにより、柱26と基礎梁24が一体化され、柱26に作用する引抜き力を、あと施工アンカー22で接合された既存地下構造物10、及びフーチング20を介して杭18に分散して負担させることができる。
この結果、杭18の負担が軽減され、杭18の杭径を、単独で引抜き力を負担する場合より小さな杭径で、新築建物28に作用する引抜き力P2に抵抗させることができる。
先ず、図示しない既存の建物を解体するに際し、既存地下外壁12を解体せずに残し、山留めとして利用した状態で、既存地下構造物10の内部の底部に、流動化処理土16を充填させる。
次に、基礎梁24を構築し、基礎梁24と既存地下外壁12を、あと施工アンカー22を介して一体化させると共に、基礎梁24とフーチング20を接合させる。
また、基礎梁24が、既存地下外壁12の内側に、基礎梁24の側壁外側24Sと、既存地下外壁12の側壁内側12Nを重ねて構築される。このとき、基礎梁24と既存地下外壁12は、複数のあと施工アンカー22を介して一体化される。更に、基礎梁24とフーチング20が接合される。
即ち、既存地下外壁12を、山留めのみでなく、引抜き抵抗P4を発生させるアンカーとして利用することができる。
更に、本実施形態で説明した、基礎梁24の側壁外側24Sと既存地下外壁12の側壁内側12Nとの当接部の接合と、上記した他の部位における接合を組み合わせても良い。
12 既存地下外壁
18 杭(新設した杭)
20 フーチング
22 あと施工アンカー(アンカーボルト)
24 基礎梁
26 柱
28 新築建物
Claims (3)
- 解体せずに残した既存地下外壁と、
前記既存地下外壁の内側へ新設した杭と、
前記杭の杭頭部に構築されたフーチングと、
前記フーチングに接合されると共に、前記既存地下外壁に接合された基礎梁と、
を有する基礎構造。 - 前記基礎梁の上部には、柱の下端部が埋設され、
前記基礎梁は、前記既存地下外壁に打ち込まれたアンカーボルトで、前記既存地下外壁に接合されている、
請求項1に記載の基礎構造。 - 既存地下外壁を解体せずに残す工程と、
前記既存地下外壁の内側へ、杭を新設する工程と、
前記杭の杭頭部にフーチングを構築する工程と、
前記フーチングに接合される基礎梁を、前記既存地下外壁と接合させて構築する工程と、
を有する基礎施工方法。
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