JPH1162248A - 既存外周壁を利用した建物躯体の構築方法 - Google Patents

既存外周壁を利用した建物躯体の構築方法

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JPH1162248A
JPH1162248A JP9228209A JP22820997A JPH1162248A JP H1162248 A JPH1162248 A JP H1162248A JP 9228209 A JP9228209 A JP 9228209A JP 22820997 A JP22820997 A JP 22820997A JP H1162248 A JPH1162248 A JP H1162248A
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幸雄 林
Hisaya Otomo
尚也 大伴
Seira Fujii
聖良 藤井
Hiroshi Isozaki
浩 磯崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存建物躯体が存在する敷地に新規に建物躯
体を構築する場合に、既存建物躯体の解体作業量を削減
し、工期の短縮と工費の低減を図る。 【解決手段】 既存建物躯体の外周壁1を山留め壁とし
て利用する、もしくは新規建物躯体の外周壁2の一部と
して利用する、あるいは新規建物躯体構築用の仮設材と
して利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は既存建物躯体の外
周壁を利用して建物躯体を構築する既存外周壁を利用し
た建物躯体の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】既存の
建物が存在する敷地に新規に建物を構築する場合、従来
は敷地内から既存建物を完全に解体,撤去した後に新規
建物の施工が開始されるが、解体作業には新規構築と同
等程度の労力と、安全性確保のための仮設作業を必要と
するため、工期の長期化と工費の上昇を招く。また解体
で生ずる廃材が産業廃棄物になるため、既存建物全体を
解体するとすればその処理にも多くの時間と費用を要す
る。
【0003】この発明は既存建物の解体作業量を削減
し、工期の短縮と工費の低減を図りながら、新規建物躯
体を構築する方法を提案するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では既存建物躯体
の外周壁を新規建物躯体の一部として利用する、あるい
は新規建物躯体のための仮設材として利用することによ
り解体作業量を削減すると共に、安全性の向上、及び工
期の短縮と工費の低減を図る。
【0005】請求項1では既存の外周壁を山留め壁とし
て利用してその内周側に新規建物躯体の外周壁を構築す
ることにより、既存の外周壁を解体する必要と、新規に
山留め壁を構築する必要をなくし、解体に要する費用
と、新規構築に要する費用を削減する。
【0006】請求項2では既存の外周壁を新規建物躯体
の外周壁の一部として利用することにより、既存の外周
壁を解体する必要と、新規に外周壁を構築する必要をな
くし、解体に要する費用と、新規構築に要する費用を削
減すると共に、新規外周壁のための型枠を省略する。
【0007】請求項2の場合、新規の外周壁は既存の外
周壁の内周側に接して、もしくは既存の外周壁を取り込
みながら構築される。
【0008】請求項3では既存の外周壁の外周側に新た
に山留め壁を構築し、この山留め壁と前記外周壁間に切
梁を架設し、新規建物躯体の構築中に山留め壁が受ける
土圧を外周壁に負担させることにより、新規に山留め壁
を構築する場合の支柱等の仮設材の設置を不要にし、仮
設工事を簡略化する。
【0009】この場合も既存の外周壁を解体する必要が
ないため、解体に要する費用が削減される。
【0010】請求項1〜請求項3のいずれも既存の外周
壁を利用することで、解体に伴う煩雑で、危険な作業が
減少するため、新規構築のための作業効率と安全性が向
上する。また新規構築のための仮設作業が削減,あるい
は不要になるため、工費が節減され、解体から新設まで
の工期も短縮される。
【0011】
【発明の実施の形態】請求項1の発明は既存建物躯体の
外周壁1を山留め壁として利用してその内周側に新規建
物躯体の外周壁2を構築する方法である。
【0012】外周壁2は図1に示すように外周壁1の内
周側に外周壁1との間に間隔をおいて、もしくは接して
構築される。外周壁1と外周壁2間に隙間が生ずる場
合、隙間には土やコンクリート等が充填される。
【0013】既存建物躯体の基礎部分は解体されること
なく、新規建物躯体の一部として利用される。
【0014】請求項2の発明は既存の外周壁1を新規建
物躯体の外周壁2の一部として利用してその内周側に新
規に外周壁2を構築する方法である。
【0015】外周壁2は図2に示すように外周壁1に内
接して、または外周壁1を取り込みながら構築され、外
周壁1と外周壁2とはアンカーボルト3等により一体化
される。
【0016】この発明でも既存建物躯体の基礎部分は解
体されることなく、新規建物躯体の一部として利用され
る。
【0017】請求項2を利用して地下躯体を構築する場
合の施工手順を図3により説明する。ここでは(a) に示
すように既存建物躯体の基礎スラブ4と外周壁1を残し
て解体,撤去した場合を示す。
【0018】基礎スラブ4と外周壁1を残して既存建物
躯体を解体,撤去した後、(b) に示すように基礎スラブ
4を捨て型枠としてその上に新規建物躯体の基礎スラブ
5の配筋をし、コンクリートを打設する。(b) の工程は
省略される場合もある。
【0019】続いて(c) に示すように構真柱6を基礎ス
ラブ5,もしくは基礎スラブ4上に立設し、基礎スラブ
4に到達するアンカーボルト3等により構真柱6を基礎
スラブ5に定着させると共に、構真柱6,6間に鉄骨梁
7を架設した後、(d) に示すように地上部のスラブのコ
ンクリートを打設し、更に上層の鉄骨柱の立設と鉄骨梁
の架設を行う。
【0020】(e) に示すように基礎梁8の配筋とコンク
リートの打設後、(f) に示すように既存の外周壁1の内
周側に新規の外周壁2を構築すると共に、構真柱6の回
りに柱のコンクリートを打設し、新規建物躯体が構築さ
れる。
【0021】請求項3の発明は図4に示すように既存の
外周壁1の外周側に山留め壁9を構築し、山留め壁9と
前記外周壁1間に切梁10を架設し、山留め壁9が受ける
土圧を外周壁1に負担させながら、新規建物躯体を構築
する方法である。
【0022】この発明は平面上、新規建物が既存建物よ
り拡がり、既存の外周壁1の外周側に新規の外周壁2が
位置する場合に実施され、切梁10は外周壁1へはアンカ
ーボルト3等により接合される。
【0023】
【発明の効果】請求項1では既存の外周壁を山留め壁と
して利用してその内周側に新規建物躯体の外周壁を構築
するため、既存の外周壁を解体する必要と、新規に山留
め壁を構築する必要がなくなり、解体に要する費用と、
新規構築に要する費用が削減される。
【0024】請求項2では既存の外周壁を新規建物躯体
の外周壁の一部として利用するため、既存の外周壁を解
体する必要と、新規に外周壁を構築する必要がなくな
り、解体に要する費用と、新規構築に要する費用が削減
されると共に、新規外周壁のための型枠が省略される。
【0025】請求項3では既存の外周壁の外周側に新た
に山留め壁を構築し、この山留め壁と前記外周壁間に切
梁を架設し、新規建物躯体の構築中に山留め壁が受ける
土圧を外周壁に負担させるため、新規に山留め壁を構築
する場合の支柱等の仮設材の設置が不要になり、仮設工
事が簡略化される。
【0026】この場合も既存の外周壁を解体する必要が
ないため、解体に要する費用が削減される。
【0027】請求項1〜請求項3のいずれも既存の外周
壁を利用することで、解体に伴う煩雑で、危険な作業が
減少するため、新規構築のための作業効率と安全性が向
上する。また新規構築のための仮設作業が削減,あるい
は不要になるため、工費が節減され、解体から新設まで
の工期も短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は請求項1の発明の施工前の状態を、(b)
は施工後の状態を示した断面図である。
【図2】請求項2の発明の実施状況を示した断面図であ
る。
【図3】請求項2の発明と共に、地下躯体の構築要領を
示した断面図である。
【図4】請求項3の発明の実施状況を示した断面図であ
る。
【符号の説明】
1……既存建物躯体の外周壁、2……新規建物躯体の外
周壁、3……アンカーボルト、4……既存建物躯体の基
礎スラブ、5……新規建物躯体の基礎スラブ、6……構
真柱、7……鉄骨梁、8……基礎梁、9……山留め壁、
10……切梁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯崎 浩 東京都港区元赤坂1丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存建物躯体の外周壁を山留め壁として
    利用し、その内周側に新規建物躯体の外周壁を構築する
    既存建物躯体を利用した建物躯体の構築方法。
  2. 【請求項2】 既存建物躯体の外周壁を新規建物躯体の
    外周壁の一部として利用し、前記既存の外周壁の内周側
    に接して、もしくは既存の外周壁を取り込みながら新規
    建物躯体の外周壁を構築する既存建物躯体を利用した建
    物躯体の構築方法。
  3. 【請求項3】 既存建物躯体の外周壁の外周側に山留め
    壁を構築し、山留め壁と前記外周壁間に切梁を架設し、
    前記山留め壁が受ける土圧を前記外周壁に負担させなが
    ら、新規建物躯体を構築する既存外周壁を利用した建物
    躯体の構築方法。
JP22820997A 1997-08-25 1997-08-25 既存外周壁を利用した建物躯体の構築方法 Expired - Lifetime JP3159141B2 (ja)

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