JPH11335815A - 透明導電膜付き基板および成膜装置 - Google Patents
透明導電膜付き基板および成膜装置Info
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- JPH11335815A JPH11335815A JP13796898A JP13796898A JPH11335815A JP H11335815 A JPH11335815 A JP H11335815A JP 13796898 A JP13796898 A JP 13796898A JP 13796898 A JP13796898 A JP 13796898A JP H11335815 A JPH11335815 A JP H11335815A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 カラーフィルタ上に成膜される透明電極用の
錫含有酸化インジウム多結晶透明導電膜は、低比抵抗
で、かつ膜の圧縮応力が小さいものは得られていなかっ
た。 【解決手段】 スパッタリングによる成膜室とアーク放
電プラズマ蒸着による成膜室を備えたインライン型成膜
装置を用いて、ガラス板上に設けられたカラーフィルタ
の表面に、成膜温度を200℃として、酸化錫と酸化イ
ンジウムの焼結体のターゲットを用いた直流スパッタリ
ングにより、厚みが10nmの第1層の酸化錫10重量
%酸化インジウム90重量%のITOを成膜し、その後
第1層のITO上にアーク放電プラズマ蒸着法により厚
みが290nmの酸化錫5重量%酸化インジウム95重
量%の第2層のITOを成膜し、2層構成の透明導電膜
を得た。
錫含有酸化インジウム多結晶透明導電膜は、低比抵抗
で、かつ膜の圧縮応力が小さいものは得られていなかっ
た。 【解決手段】 スパッタリングによる成膜室とアーク放
電プラズマ蒸着による成膜室を備えたインライン型成膜
装置を用いて、ガラス板上に設けられたカラーフィルタ
の表面に、成膜温度を200℃として、酸化錫と酸化イ
ンジウムの焼結体のターゲットを用いた直流スパッタリ
ングにより、厚みが10nmの第1層の酸化錫10重量
%酸化インジウム90重量%のITOを成膜し、その後
第1層のITO上にアーク放電プラズマ蒸着法により厚
みが290nmの酸化錫5重量%酸化インジウム95重
量%の第2層のITOを成膜し、2層構成の透明導電膜
を得た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,錫含有酸化インジ
ウム多結晶透明導電膜付き基板に関し、とりわけ液晶表
示素子などの透明電極に好適に用いられる低圧縮応力の
ITO透明導電膜付き基板とその膜を成膜するための成
膜装置に関する。
ウム多結晶透明導電膜付き基板に関し、とりわけ液晶表
示素子などの透明電極に好適に用いられる低圧縮応力の
ITO透明導電膜付き基板とその膜を成膜するための成
膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ITO透明導電膜の比抵抗を下げ
る方法として,いくつかの方法が提案されてきた。例え
ば特開平3−29216号公報には、アーク放電プラズ
マを用いた成膜法が開示されている。この方法は、低温
でITO多結晶膜を緻密に堆積させることができ、かつ
膜中の電子キャリア密度を著しく増加させるという特徴
がある。その結果透明導電膜の電気抵抗を著しく下げる
ことができる。また、上記の方法は、高速に成膜ができ
るので生産能率がよいという特徴を有している。したが
って、現在工業的に広く用いられているマグネトロンス
パッタ法などによるITO多結晶膜に比較して,より比
抵抗が低いITO多結晶膜が生産能率良く成膜できる。
る方法として,いくつかの方法が提案されてきた。例え
ば特開平3−29216号公報には、アーク放電プラズ
マを用いた成膜法が開示されている。この方法は、低温
でITO多結晶膜を緻密に堆積させることができ、かつ
膜中の電子キャリア密度を著しく増加させるという特徴
がある。その結果透明導電膜の電気抵抗を著しく下げる
ことができる。また、上記の方法は、高速に成膜ができ
るので生産能率がよいという特徴を有している。したが
って、現在工業的に広く用いられているマグネトロンス
パッタ法などによるITO多結晶膜に比較して,より比
抵抗が低いITO多結晶膜が生産能率良く成膜できる。
【0003】しかしながら、アーク放電プラズマを用い
た成膜法によるITO多結晶膜は,その原因について十
分に解明されていないが、膜の圧縮応力が著しく大きい
という問題点があった。とりわけシート抵抗を低くする
ために透明導電膜の厚みを厚くすると、圧縮応力値が大
きくなる。
た成膜法によるITO多結晶膜は,その原因について十
分に解明されていないが、膜の圧縮応力が著しく大きい
という問題点があった。とりわけシート抵抗を低くする
ために透明導電膜の厚みを厚くすると、圧縮応力値が大
きくなる。
【0004】透明導電膜の圧縮応力が大きいと,液晶表
示素子の透明電極として用いた場合、その製造工程中で
圧縮応力の解放による透明導電膜のわれが生じる。とり
わけカラー表示等に用いられる有機樹脂成分を含むカラ
ーフィルタ上にアーク放電プラズマ法により成膜したI
TO多結晶の透明導電膜は、上記の問題点を解決するこ
とが課題となっていた。
示素子の透明電極として用いた場合、その製造工程中で
圧縮応力の解放による透明導電膜のわれが生じる。とり
わけカラー表示等に用いられる有機樹脂成分を含むカラ
ーフィルタ上にアーク放電プラズマ法により成膜したI
TO多結晶の透明導電膜は、上記の問題点を解決するこ
とが課題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術の有していた前述の欠点を解決しようとするもの
で、より低い圧縮応力と低比抵抗を兼ね備えたITOの
透明導電膜付き基板並びにその基板を効率よく製造する
成膜装置を提供するものである。
技術の有していた前述の欠点を解決しようとするもの
で、より低い圧縮応力と低比抵抗を兼ね備えたITOの
透明導電膜付き基板並びにその基板を効率よく製造する
成膜装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、透明
基板上に錫含有酸化インジウム多結晶膜からなる透明導
電膜が成膜された透明導電膜付き基板であって、前記透
明導電膜は、互いに異なる成膜法で成膜された基板側の
第1層の錫含有酸化インジウムと、前記第1層の上に積
層された第2層の錫含有酸化インジウムとで構成され、
第2層は減圧した雰囲気が調整できる成膜室内で、錫を
含有する酸化インジウムの蒸着材料にアーク放電プラズ
マを照射して蒸発させることにより成膜した層であるこ
とを特徴とする透明導電膜付き基板である。
基板上に錫含有酸化インジウム多結晶膜からなる透明導
電膜が成膜された透明導電膜付き基板であって、前記透
明導電膜は、互いに異なる成膜法で成膜された基板側の
第1層の錫含有酸化インジウムと、前記第1層の上に積
層された第2層の錫含有酸化インジウムとで構成され、
第2層は減圧した雰囲気が調整できる成膜室内で、錫を
含有する酸化インジウムの蒸着材料にアーク放電プラズ
マを照射して蒸発させることにより成膜した層であるこ
とを特徴とする透明導電膜付き基板である。
【0007】請求項1の発明は、アーク放電プラズマを
酸化インジウムと酸化錫の混合物からなる蒸着材料に照
射させて、基板上に錫を含有する酸化インジウム(以下
ITOという)の透明導電膜を成膜するにあたり、どの
ようにすれば膜の圧縮応力を低減できるかという課題を
解決するために鋭意研究した結果得られたものである。
そして、アーク放電プラズマを照射して蒸着材料を蒸発
させる成膜法(以下AP法という)で得られるITO膜
よりも、成膜過程での粒子成長が大きく、膜の表面凹凸
が粗いITOを下地層とし、その上にAP法で成膜した
ITOを積層することにより、圧縮応力が低減すること
を見いだしたことによりなされたものである。
酸化インジウムと酸化錫の混合物からなる蒸着材料に照
射させて、基板上に錫を含有する酸化インジウム(以下
ITOという)の透明導電膜を成膜するにあたり、どの
ようにすれば膜の圧縮応力を低減できるかという課題を
解決するために鋭意研究した結果得られたものである。
そして、アーク放電プラズマを照射して蒸着材料を蒸発
させる成膜法(以下AP法という)で得られるITO膜
よりも、成膜過程での粒子成長が大きく、膜の表面凹凸
が粗いITOを下地層とし、その上にAP法で成膜した
ITOを積層することにより、圧縮応力が低減すること
を見いだしたことによりなされたものである。
【0008】請求項1の発明によれば、基板上に直接A
P法のみにより成膜されるITO膜の大きな圧縮応力
を、AP法で成膜されたITO膜が有する低抵抗の性質
を維持したまま低減することができる。
P法のみにより成膜されるITO膜の大きな圧縮応力
を、AP法で成膜されたITO膜が有する低抵抗の性質
を維持したまま低減することができる。
【0009】請求項2の発明は、請求項1において第1
層の錫含有酸化インジウムを減圧した雰囲気が調整でき
る成膜室内で、錫含有化合物とインジウム含有化合物の
混合物をターゲットとするマグネトロンスパッタリング
法により成膜した層とすることを特徴とする。
層の錫含有酸化インジウムを減圧した雰囲気が調整でき
る成膜室内で、錫含有化合物とインジウム含有化合物の
混合物をターゲットとするマグネトロンスパッタリング
法により成膜した層とすることを特徴とする。
【0010】減圧されたアルゴンのような不活性ガスま
たは不活性ガスと酸素の混合ガスの雰囲気内で、インジ
ウム化合物および錫化合物を含むターゲットを用いるス
パッタリング法(以下SP法という)により成膜する
と、この上に積層される第2層のAP法で成膜したIT
O層の粒子は、第1層の表面凹凸の影響を受け、膜全体
の圧縮応力を低減させた透明導電膜となるように成長す
る。
たは不活性ガスと酸素の混合ガスの雰囲気内で、インジ
ウム化合物および錫化合物を含むターゲットを用いるス
パッタリング法(以下SP法という)により成膜する
と、この上に積層される第2層のAP法で成膜したIT
O層の粒子は、第1層の表面凹凸の影響を受け、膜全体
の圧縮応力を低減させた透明導電膜となるように成長す
る。
【0011】上記のスパッタリング法は、酸化インジウ
ムと酸化錫の混合物をターゲットとする直流スパッタリ
ングや高周波スパッタリングによることができ、さらに
ターゲットをインジウムと錫の合金とすることもでき
る。
ムと酸化錫の混合物をターゲットとする直流スパッタリ
ングや高周波スパッタリングによることができ、さらに
ターゲットをインジウムと錫の合金とすることもでき
る。
【0012】請求項3の発明は、請求項1において第1
層の錫含有酸化インジウムを減圧した雰囲気が調整でき
る成膜室内で、酸化錫と酸化インジウムの混合物の蒸着
材料を加速電子ビームの照射により蒸発させて成膜した
層とすることを特徴とする。
層の錫含有酸化インジウムを減圧した雰囲気が調整でき
る成膜室内で、酸化錫と酸化インジウムの混合物の蒸着
材料を加速電子ビームの照射により蒸発させて成膜した
層とすることを特徴とする。
【0013】第1層の錫含有酸化インジウムを減圧され
た雰囲気が調整できる成膜室内で、酸化錫と酸化インジ
ウムの混合物の蒸着材料を、加速電子ビームの照射によ
り蒸発させて成膜(以下EB法という)したITO層と
することにより、膜全体の圧縮応力が低減される。
た雰囲気が調整できる成膜室内で、酸化錫と酸化インジ
ウムの混合物の蒸着材料を、加速電子ビームの照射によ
り蒸発させて成膜(以下EB法という)したITO層と
することにより、膜全体の圧縮応力が低減される。
【0014】上記のEB法により成膜される層として
は、成膜室内の雰囲気ガスを13.56MHzの高周波
を印加して励起し、蒸発流分子を活性化しながらEB法
で蒸着するいわゆる高周波イオンプレーティング法(以
下RFIP法という)で成膜したITO層を含む。
は、成膜室内の雰囲気ガスを13.56MHzの高周波
を印加して励起し、蒸発流分子を活性化しながらEB法
で蒸着するいわゆる高周波イオンプレーティング法(以
下RFIP法という)で成膜したITO層を含む。
【0015】請求項4の発明は、請求項2または請求項
3の発明において、第2層の錫含有酸化インジウムを、
成膜された後大気に曝される前の第1層上に成膜された
層とすることを特徴とする。得られる透明導電膜の圧縮
応力を効果的に低減するために、第2層のITOを清浄
な第1層のITO上に成膜することが好ましく、そのた
めに成膜された直後の大気に曝される前の第1層の上
に、第2層を成膜するのがとりわけ好ましい。
3の発明において、第2層の錫含有酸化インジウムを、
成膜された後大気に曝される前の第1層上に成膜された
層とすることを特徴とする。得られる透明導電膜の圧縮
応力を効果的に低減するために、第2層のITOを清浄
な第1層のITO上に成膜することが好ましく、そのた
めに成膜された直後の大気に曝される前の第1層の上
に、第2層を成膜するのがとりわけ好ましい。
【0016】請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれ
かの発明において、第1層の錫含有酸化インジウムの厚
みを2nm以上とすることを特徴とする。第1層の厚み
は,2nm以上とするのが好ましく、5nm以上とする
のがより好ましい。2nm未満であると、AP法で成膜
される第2層の粒子成長への影響が小さく、透明導電膜
の圧縮応力を低減する効果が小さくなる。
かの発明において、第1層の錫含有酸化インジウムの厚
みを2nm以上とすることを特徴とする。第1層の厚み
は,2nm以上とするのが好ましく、5nm以上とする
のがより好ましい。2nm未満であると、AP法で成膜
される第2層の粒子成長への影響が小さく、透明導電膜
の圧縮応力を低減する効果が小さくなる。
【0017】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て第1層の錫含有酸化インジウムの厚みを80nm以下
とすることを特徴とする。第1層の錫含有酸化インジウ
ムの厚みは、80nm以下とするのが好ましく、50n
m以下とするのがさらに好ましい。第1層の錫含有酸化
インジウムの厚みが80nmを越えると、第1層の厚み
の透明導電膜全体の厚みに対する割合が大きくなり、透
明導電膜の比抵抗を小さくすることが困難になる。とく
に透明導電膜の厚みが比較的薄いときは、小さいシート
抵抗を得にくくなるので好ましくない。
て第1層の錫含有酸化インジウムの厚みを80nm以下
とすることを特徴とする。第1層の錫含有酸化インジウ
ムの厚みは、80nm以下とするのが好ましく、50n
m以下とするのがさらに好ましい。第1層の錫含有酸化
インジウムの厚みが80nmを越えると、第1層の厚み
の透明導電膜全体の厚みに対する割合が大きくなり、透
明導電膜の比抵抗を小さくすることが困難になる。とく
に透明導電膜の厚みが比較的薄いときは、小さいシート
抵抗を得にくくなるので好ましくない。
【0018】請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれ
かの発明において透明導電膜の圧縮応力が、600MP
a以下、かつ比抵抗が1.6×10-4Ωcm以下である
ことを特徴とする。
かの発明において透明導電膜の圧縮応力が、600MP
a以下、かつ比抵抗が1.6×10-4Ωcm以下である
ことを特徴とする。
【0019】請求項8の発明は、透明基板が、ガラス板
上に有機樹脂と着色剤とを含む液晶表示用カラーフィル
タが形成された基板であることを特徴とする。透明基板
としては、ガラス板、有機樹脂などが例示できる。とり
わけガラス板上に有機樹脂と着色剤とを含むカラーフィ
ルタが形成された基板である場合に、圧縮応力の低減に
よる効果、すなわち透明導電膜と樹脂材質表面との接着
力が大きくなり、剥離や膜のひびわれが防止できる点で
実用的価値が大きい。
上に有機樹脂と着色剤とを含む液晶表示用カラーフィル
タが形成された基板であることを特徴とする。透明基板
としては、ガラス板、有機樹脂などが例示できる。とり
わけガラス板上に有機樹脂と着色剤とを含むカラーフィ
ルタが形成された基板である場合に、圧縮応力の低減に
よる効果、すなわち透明導電膜と樹脂材質表面との接着
力が大きくなり、剥離や膜のひびわれが防止できる点で
実用的価値が大きい。
【0020】請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれ
かの発明になる透明導電膜付き基板を少なくとも一方の
対向基板に用いたカラー液晶表示素子である。
かの発明になる透明導電膜付き基板を少なくとも一方の
対向基板に用いたカラー液晶表示素子である。
【0021】請求項10の発明は、ガス導入手段と真空
排気手段により減圧した雰囲気が調整できる第1の成膜
室と、第1の成膜室とは開閉可能なバルブで連結されて
ガス導入手段と真空排気手段により減圧した雰囲気が調
整できる第2の成膜室と、基板を第1の成膜室から第2
の成膜室に搬送する手段とを備えた基板上に被膜を成膜
する成膜装置であって、前記第1の成膜室内には、負電
圧を印加できるマグネトロンスパッタリングカソードを
用いた成膜手段が備えられているか、加速電子を放出す
る電子銃と蒸着材料を充填するるつぼと前記加速電子を
るつぼ内に導く磁石とを有する成膜手段が備えられてお
り、前記第2の成膜室内には、アーク放電プラズマ発生
ガンとるつぼと前記アーク放電プラズマ発生ガン内で発
生したアーク放電プラズマを前記るつぼ内の蒸着材料に
導く磁石とを有する成膜手段が備えられていることを特
徴とする成膜装置である。
排気手段により減圧した雰囲気が調整できる第1の成膜
室と、第1の成膜室とは開閉可能なバルブで連結されて
ガス導入手段と真空排気手段により減圧した雰囲気が調
整できる第2の成膜室と、基板を第1の成膜室から第2
の成膜室に搬送する手段とを備えた基板上に被膜を成膜
する成膜装置であって、前記第1の成膜室内には、負電
圧を印加できるマグネトロンスパッタリングカソードを
用いた成膜手段が備えられているか、加速電子を放出す
る電子銃と蒸着材料を充填するるつぼと前記加速電子を
るつぼ内に導く磁石とを有する成膜手段が備えられてお
り、前記第2の成膜室内には、アーク放電プラズマ発生
ガンとるつぼと前記アーク放電プラズマ発生ガン内で発
生したアーク放電プラズマを前記るつぼ内の蒸着材料に
導く磁石とを有する成膜手段が備えられていることを特
徴とする成膜装置である。
【0022】請求項10の発明において、第1の成膜室
内に備えられる成膜手段は、スパッタリングカソードを
直流電源または高周波電源からの電力の印加により、ス
パッタリングカソードを放電プラズマに対して負電位に
維持し、カソード表面に設けられたターゲットをスパッ
タリングする成膜手段とすることができる。また、上記
のスパッタリングによる成膜手段に代えて、電子銃から
放出する加速電子を蒸着材料の蒸発させる成膜手段また
は、この成膜手段に高周波放電によるガス雰囲気の励起
手段を併用する成膜手段とすることができる。これらい
ずれかの成膜手段を備えた第1の成膜室は、第2の成膜
室と開閉可能なバルブで連結され、減圧した雰囲気のも
とで第1層と第2層を連続して成膜することができる。
内に備えられる成膜手段は、スパッタリングカソードを
直流電源または高周波電源からの電力の印加により、ス
パッタリングカソードを放電プラズマに対して負電位に
維持し、カソード表面に設けられたターゲットをスパッ
タリングする成膜手段とすることができる。また、上記
のスパッタリングによる成膜手段に代えて、電子銃から
放出する加速電子を蒸着材料の蒸発させる成膜手段また
は、この成膜手段に高周波放電によるガス雰囲気の励起
手段を併用する成膜手段とすることができる。これらい
ずれかの成膜手段を備えた第1の成膜室は、第2の成膜
室と開閉可能なバルブで連結され、減圧した雰囲気のも
とで第1層と第2層を連続して成膜することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の透明導電膜付き
基板20の一実施例の断面図で、ガラス板25とその上
に形成されたRGBのカラーフィルタ24からなる基板
26上に、ITO透明導電膜21が成膜されている。そ
して、このITO透明導電膜21は、直流スパッタリン
グ法で成膜された第1層のITOとアーク放電プラズマ
法により成膜された第2層のITOの積層体である。
基板20の一実施例の断面図で、ガラス板25とその上
に形成されたRGBのカラーフィルタ24からなる基板
26上に、ITO透明導電膜21が成膜されている。そ
して、このITO透明導電膜21は、直流スパッタリン
グ法で成膜された第1層のITOとアーク放電プラズマ
法により成膜された第2層のITOの積層体である。
【0024】この積層体は、第1層のITOがあらかじ
め成膜された基板のITOの上に第2層を成膜すること
によってもよいが、第1層のITO23を基板に成膜
後、そのITOを大気に触れさせることなく速やかに第
2層のITO22を積層するのが好ましい。
め成膜された基板のITOの上に第2層を成膜すること
によってもよいが、第1層のITO23を基板に成膜
後、そのITOを大気に触れさせることなく速やかに第
2層のITO22を積層するのが好ましい。
【0025】図2は、本発明の透明導電膜の第1層のI
TOと第2層のITOとを連続的に成膜するための成膜
装置の一実施例の概略断面図である。
TOと第2層のITOとを連続的に成膜するための成膜
装置の一実施例の概略断面図である。
【0026】真空排気手段(図示されない)につながる
真空排気口19とガス導入手段(図示されない)につな
がるガス導入口17により減圧した雰囲気が調整できる
第1の成膜室1と、同様に真空排気手段(図示されな
い)につながる真空排気口18とガス導入手段(図示さ
れない)につながるガス導入口16により、減圧した雰
囲気が調整できる第2の成膜室2とが開閉可能なゲート
バルブ12で連結されている。
真空排気口19とガス導入手段(図示されない)につな
がるガス導入口17により減圧した雰囲気が調整できる
第1の成膜室1と、同様に真空排気手段(図示されな
い)につながる真空排気口18とガス導入手段(図示さ
れない)につながるガス導入口16により、減圧した雰
囲気が調整できる第2の成膜室2とが開閉可能なゲート
バルブ12で連結されている。
【0027】第1の成膜室1の底部には、直流電源によ
り負電圧が印加できるスパッタリングカソード5が設け
られており、このスパッタリングカソード5の表面にI
TO焼結体からなるターゲット9がセットされる。第1
層のITOの成膜は、ITOターゲットをガス導入口1
7から導入した酸素とアルゴンの混合ガスの雰囲気でス
パッタリングすることにより、ターゲット上を通過中の
基板10の表面(図で下面)に行われる。
り負電圧が印加できるスパッタリングカソード5が設け
られており、このスパッタリングカソード5の表面にI
TO焼結体からなるターゲット9がセットされる。第1
層のITOの成膜は、ITOターゲットをガス導入口1
7から導入した酸素とアルゴンの混合ガスの雰囲気でス
パッタリングすることにより、ターゲット上を通過中の
基板10の表面(図で下面)に行われる。
【0028】第2の成膜室2には、成膜室の側壁に設け
られたアーク放電プラズマ発生ガン6が設けられ、アー
ク放電プラズマ発生ガン6内で発生したアーク放電プラ
ズマを水平方向に磁場を形成する水平磁場発生用磁気コ
イル石14により成膜室2内に引き出し、るつぼ7の下
に設けた垂直方向の磁場を形成する垂直磁場発生用磁石
15により、引き出したアーク放電プラズマ8を約90
度曲げて、るつぼ7内に充填した錫含有酸化インジウム
の蒸着材料に照射する。これにより蒸着材料を蒸発さ
せ、第2層がるつぼ上部を通過中の基板10の第1層の
ITOの表面上に成膜される。
られたアーク放電プラズマ発生ガン6が設けられ、アー
ク放電プラズマ発生ガン6内で発生したアーク放電プラ
ズマを水平方向に磁場を形成する水平磁場発生用磁気コ
イル石14により成膜室2内に引き出し、るつぼ7の下
に設けた垂直方向の磁場を形成する垂直磁場発生用磁石
15により、引き出したアーク放電プラズマ8を約90
度曲げて、るつぼ7内に充填した錫含有酸化インジウム
の蒸着材料に照射する。これにより蒸着材料を蒸発さ
せ、第2層がるつぼ上部を通過中の基板10の第1層の
ITOの表面上に成膜される。
【0029】アーク放電プラズマ発生ガン6は、たとえ
ば真空第25巻第10号(1982年)に記載されてい
る公知の複合陰極型プラズマ発生ガン、圧力勾配型プラ
ズマ発生ガン、または両者を組み合わせたものを用いる
ことができる。
ば真空第25巻第10号(1982年)に記載されてい
る公知の複合陰極型プラズマ発生ガン、圧力勾配型プラ
ズマ発生ガン、または両者を組み合わせたものを用いる
ことができる。
【0030】基板10を外部から第1の成膜室1へ入れ
るには、たとえば成膜室1と開閉可能なバルブ12で連
結した取り入れ室3を介して行われる。また、第2の成
膜室2から外部へ基板10を取り出すには、第2の成膜
室2と開閉可能なバルブ12で連結した取り出し室4を
介して行う。
るには、たとえば成膜室1と開閉可能なバルブ12で連
結した取り入れ室3を介して行われる。また、第2の成
膜室2から外部へ基板10を取り出すには、第2の成膜
室2と開閉可能なバルブ12で連結した取り出し室4を
介して行う。
【0031】第1層のITOと第2層のITOは、ロー
ラー等の搬送コンベア11により搬送される基板10
に、減圧した雰囲気中で連続して成膜される。また、必
要により加熱ヒータ13により基板10が加熱される。
ラー等の搬送コンベア11により搬送される基板10
に、減圧した雰囲気中で連続して成膜される。また、必
要により加熱ヒータ13により基板10が加熱される。
【0032】以下に本発明を実施例で説明する。 (実施例)用いた基板は、いずれの実施例、比較例にお
いても、基板としてガラス板上にカラー液晶表示用のR
GBカラーフィルタが形成されたものを用い、成膜時の
温度を200℃とした。実施例の1、4、5、6、7、
10、11および比較例の2、5については、第1層と
第2層の積層は、図2で示すインライン型の成膜装置で
行い、実施例2、3、8、9および比較例4、6の第1
層と第2層の積層は、一旦第1層を成膜したものを大気
中に取り出し、別の成膜装置で第2層を成膜した。成膜
の条件は下記の通りである。
いても、基板としてガラス板上にカラー液晶表示用のR
GBカラーフィルタが形成されたものを用い、成膜時の
温度を200℃とした。実施例の1、4、5、6、7、
10、11および比較例の2、5については、第1層と
第2層の積層は、図2で示すインライン型の成膜装置で
行い、実施例2、3、8、9および比較例4、6の第1
層と第2層の積層は、一旦第1層を成膜したものを大気
中に取り出し、別の成膜装置で第2層を成膜した。成膜
の条件は下記の通りである。
【0033】1)スパッタリング法(SP法) ターゲット:酸化インジウム90重量%と酸化錫10重
量%混合粉末の焼結体 成膜中雰囲気:0.04Pa(アルゴン98%、酸素2
%の混合ガス導入) 2)電子ビーム蒸着法(EB法) 蒸着材料:酸化インジウム95重量%酸化錫5重量%の
粉末ペレット 成膜中雰囲気:0.004Pa(酸素導入) 3)高周波イオンプレーティング法(RFIP法) 蒸着材料:酸化インジウム95重量%酸化錫5重量%の
粉末ペレット 雰囲気:0.004Pa(酸素導入) 高周波電力: 200W(リング状端子より導入) 4)直流アーク放電プラズマ法(AP法) 蒸着材料:酸化インジウム96重量%酸化錫4重量%の
粉末焼結体 成膜中雰囲気:全圧0.027Pa、酸素分圧0.00
27Pa(アルゴンと酸素の導入) アーク放電プラズマガン:複合陰極型、 放電電流:150A 放電電圧:90V
量%混合粉末の焼結体 成膜中雰囲気:0.04Pa(アルゴン98%、酸素2
%の混合ガス導入) 2)電子ビーム蒸着法(EB法) 蒸着材料:酸化インジウム95重量%酸化錫5重量%の
粉末ペレット 成膜中雰囲気:0.004Pa(酸素導入) 3)高周波イオンプレーティング法(RFIP法) 蒸着材料:酸化インジウム95重量%酸化錫5重量%の
粉末ペレット 雰囲気:0.004Pa(酸素導入) 高周波電力: 200W(リング状端子より導入) 4)直流アーク放電プラズマ法(AP法) 蒸着材料:酸化インジウム96重量%酸化錫4重量%の
粉末焼結体 成膜中雰囲気:全圧0.027Pa、酸素分圧0.00
27Pa(アルゴンと酸素の導入) アーク放電プラズマガン:複合陰極型、 放電電流:150A 放電電圧:90V
【0034】表1の説明 SP−DC:直流マグネトロンスパッタ法 SP−RF:高周波マグネトロンスパッタ法 EB:電子ビーム蒸着法 RFIP:高周波プラズマイオンプレーティング法 AP:アーク放電プラズマ法 シート抵抗欄の−表示:抵抗が不安定で測定不能
【0035】表2の説明 耐熱試験(200℃、1時間) ◎:外観検査で問題なし △:外観検査で若干クラックあり ×:外観検査でクラックあり
【0036】実施例1 予備検討として、直流マグネトロンスパッタ法により、
ITOを100nm成膜し、原子間力顕微鏡によってI
TO表面の表面粗さを測定したところ、平均粗さRaは
6.0nmであった。また、アーク放電プラズマ法によ
りITOを100nm成膜し、上記と同様に表面粗さを
測定したところ、平均粗さRaは1.5nmで、この膜
は表面が平坦に近く、凹凸が小さい膜であった。これに
より、直流マグネトロンスパッタ法により成膜されたI
TOは、アーク放電プラズマ法により成膜されたITO
に比較して、成膜過程での粒子成長が大きく、膜の表面
凹凸が粗いことを確認した。次に第1層(下地層)とし
て用いる膜の抵抗を調べるために、直流マグネトロンス
パッタ法によりITOを10nm成膜した。この膜のシ
ート抵抗は、250Ω/□であった。
ITOを100nm成膜し、原子間力顕微鏡によってI
TO表面の表面粗さを測定したところ、平均粗さRaは
6.0nmであった。また、アーク放電プラズマ法によ
りITOを100nm成膜し、上記と同様に表面粗さを
測定したところ、平均粗さRaは1.5nmで、この膜
は表面が平坦に近く、凹凸が小さい膜であった。これに
より、直流マグネトロンスパッタ法により成膜されたI
TOは、アーク放電プラズマ法により成膜されたITO
に比較して、成膜過程での粒子成長が大きく、膜の表面
凹凸が粗いことを確認した。次に第1層(下地層)とし
て用いる膜の抵抗を調べるために、直流マグネトロンス
パッタ法によりITOを10nm成膜した。この膜のシ
ート抵抗は、250Ω/□であった。
【0037】このように下地層の表面粗さおよび電気特
性を確認した後、新たな基板に対し、直流マグネトロン
スパッタ法により、ITOを下地層(第1層)として1
0nm成膜し、大気に曝すことなく基板をアーク放電プ
ラズマ成膜装置内へ移し、真空排気ポンプによって0.
0027Pa以下の圧力に一旦排気し、その後アルゴン
ガスを導入し、アーク放電プラズマ発生ガンに150A
の電流を供給し、アーク放電プラズマを生起させた。な
お、成膜中はアルゴンガスと酸素ガスの混合ガスをガス
導入口より導入して雰囲気のガス圧力、組成を一定に
し、全膜厚が300nmとなるようにした。
性を確認した後、新たな基板に対し、直流マグネトロン
スパッタ法により、ITOを下地層(第1層)として1
0nm成膜し、大気に曝すことなく基板をアーク放電プ
ラズマ成膜装置内へ移し、真空排気ポンプによって0.
0027Pa以下の圧力に一旦排気し、その後アルゴン
ガスを導入し、アーク放電プラズマ発生ガンに150A
の電流を供給し、アーク放電プラズマを生起させた。な
お、成膜中はアルゴンガスと酸素ガスの混合ガスをガス
導入口より導入して雰囲気のガス圧力、組成を一定に
し、全膜厚が300nmとなるようにした。
【0038】得られたITO積層膜の電気特性とX線回
折法により測定された圧縮応力の値を表1に示す。電気
特性は四端子法によりシート抵抗を測定し、膜厚との関
係から比抵抗を計算した。X線回折法による圧縮応力の
測定法の原理は,X線回折によって観測される結晶格子
間隔に規定される回折角を、応力がないITO粉末を測
定した場合に観測される回折角と比較し、そのずれを結
晶歪みとして結晶構造の歪み量を得、ITOの諸物性値
を用いて歪み量と圧縮応力の関係を計算した。
折法により測定された圧縮応力の値を表1に示す。電気
特性は四端子法によりシート抵抗を測定し、膜厚との関
係から比抵抗を計算した。X線回折法による圧縮応力の
測定法の原理は,X線回折によって観測される結晶格子
間隔に規定される回折角を、応力がないITO粉末を測
定した場合に観測される回折角と比較し、そのずれを結
晶歪みとして結晶構造の歪み量を得、ITOの諸物性値
を用いて歪み量と圧縮応力の関係を計算した。
【0039】
【表1】 ============================== 例 第1層 第2層 成膜法 層厚み シート抵抗 成膜法 層厚み (nm) (Ω/□) (nm) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 SP-DC 10 250 AP 290 実施例2 EB 30 97 AP 270 実施例3 RFIP 30 80 AP 270 実施例4 SP-RF 5 - AP 295 実施例5 SP-RF 2 - AP 298 実施例6 SP-DC 30 79 AP 270 実施例7 SP-DC 50 45 AP 250 実施例8 EB 50 60 AP 250 実施例9 EB 60 55 AP 240 実施例10 SP-DC 80 28 AP 240 実施例11 SP-DC 100 22 AP 200 実施例12 RF-IP 10 290 AP 290 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 AP 300 比較例2 SP-DC 300 6.9 比較例3 EB 300 7.6 比較例4 EB 1 - AP 299 比較例5 SP-RF 1 - AP 299 比較例6 AP 10 180 SP-DC 290 ==============================
【0040】理学製RAD−rC(管球はCr(40K
V、200mA):λ=2.2897A)を測定装置と
して用い,装置付属の応力測定プログラムを用いて計算
を行った。上記のITOの諸物性値としては,ヤング率
=116000MPa、ポアソン比=0.350、応力
定数値=−659.89MPaを用いた。比較した回折
角は,歪みがない場合の回折角を97.30200゜と
して計算した。
V、200mA):λ=2.2897A)を測定装置と
して用い,装置付属の応力測定プログラムを用いて計算
を行った。上記のITOの諸物性値としては,ヤング率
=116000MPa、ポアソン比=0.350、応力
定数値=−659.89MPaを用いた。比較した回折
角は,歪みがない場合の回折角を97.30200゜と
して計算した。
【0041】透明導電膜の積層構造を表1に、得られた
膜特性を表2に示す。表2に示すように、この透明導電
膜は、比抵抗1.3×10-4Ωcm、圧縮応力500M
Paという低比抵抗、低応力のITO多結晶膜であっ
た。さらに、この透明導電膜付き基板を、200℃で1
時間大気中で焼成(結果を表2の耐熱試験として示す)
しても、カラーフィルタおよびITO膜とも外観には全
く変化がなく、かつ電気特性も変化しなかった。
膜特性を表2に示す。表2に示すように、この透明導電
膜は、比抵抗1.3×10-4Ωcm、圧縮応力500M
Paという低比抵抗、低応力のITO多結晶膜であっ
た。さらに、この透明導電膜付き基板を、200℃で1
時間大気中で焼成(結果を表2の耐熱試験として示す)
しても、カラーフィルタおよびITO膜とも外観には全
く変化がなく、かつ電気特性も変化しなかった。
【0042】実施例2 予備検討として、電子ビーム蒸着法により、ITOを1
00nm成膜し、原子間力顕微鏡によってITO表面の
表面粗さを測定したところ、平均粗さRaは8.3nm
であった。これにより、電子ビーム蒸着法により成膜さ
れたITOは、アーク放電プラズマ法により成膜された
ITOに比較して、成膜過程での粒子成長が大きく、膜
の表面凹凸が粗いことを確認した。また、下地層に用い
る膜の電気抵抗を確認するために、電子ビーム蒸着法に
よりITO層を30nm成膜した。この膜のシート抵抗
は97Ω/□であった。
00nm成膜し、原子間力顕微鏡によってITO表面の
表面粗さを測定したところ、平均粗さRaは8.3nm
であった。これにより、電子ビーム蒸着法により成膜さ
れたITOは、アーク放電プラズマ法により成膜された
ITOに比較して、成膜過程での粒子成長が大きく、膜
の表面凹凸が粗いことを確認した。また、下地層に用い
る膜の電気抵抗を確認するために、電子ビーム蒸着法に
よりITO層を30nm成膜した。この膜のシート抵抗
は97Ω/□であった。
【0043】このITOを下地層として、全厚みが30
0nmとなるように、アーク放電プラズマ法で第2層の
ITOを成膜した。得られたITO積層膜の電気特性と
X線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2に示す。
この透明導電膜は、比抵抗1.4×10-4Ωcm、圧縮
応力400MPaという低比抵抗、低応力のITO多結
晶膜であった。また、この透明導電膜付き基板を200
℃で1時間焼成しても、実施例1と同様外観には全く変
化がなく,かつ電気特性も変化しなかった.
0nmとなるように、アーク放電プラズマ法で第2層の
ITOを成膜した。得られたITO積層膜の電気特性と
X線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2に示す。
この透明導電膜は、比抵抗1.4×10-4Ωcm、圧縮
応力400MPaという低比抵抗、低応力のITO多結
晶膜であった。また、この透明導電膜付き基板を200
℃で1時間焼成しても、実施例1と同様外観には全く変
化がなく,かつ電気特性も変化しなかった.
【0044】実施例3 予備検討として、RFプラズマを用いたイオンプレーテ
ィング法により、ITOを100nm成膜し、原子間力
顕微鏡によってITO表面の表面粗さを測定したとこ
ろ、平均粗さRaは5.2nmであった。これにより、
RFプラズマを用いたイオンプレーティング法により成
膜されたITOは、アーク放電プラズマ法により成膜さ
れたITOに比較して、成長過程での粒子成長が大き
く、膜の表面凹凸が粗いことを確認した。また、下地層
として用いる膜の電気抵抗を確認するために、RFプラ
ズマを用いたイオンプレーティング法によりITO層を
30nm成膜した。この膜のシート抵抗は80Ω/□で
あった。
ィング法により、ITOを100nm成膜し、原子間力
顕微鏡によってITO表面の表面粗さを測定したとこ
ろ、平均粗さRaは5.2nmであった。これにより、
RFプラズマを用いたイオンプレーティング法により成
膜されたITOは、アーク放電プラズマ法により成膜さ
れたITOに比較して、成長過程での粒子成長が大き
く、膜の表面凹凸が粗いことを確認した。また、下地層
として用いる膜の電気抵抗を確認するために、RFプラ
ズマを用いたイオンプレーティング法によりITO層を
30nm成膜した。この膜のシート抵抗は80Ω/□で
あった。
【0045】このITOを下地層として、ITOの総膜
厚が300nmとなるようにアーク放電プラズマ法によ
り第2層のITOを積層した。得られた透明導電膜の電
気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2
に示す。この透明導電膜は、比抵抗が1.4×10-4Ω
cmで、圧縮応力が400MPaであった。この基板を
200℃で1時間焼成しても、透明導電膜およびカラー
フィルタの外観は全く変化がなく、かつ電気特性も変化
しなかった。
厚が300nmとなるようにアーク放電プラズマ法によ
り第2層のITOを積層した。得られた透明導電膜の電
気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2
に示す。この透明導電膜は、比抵抗が1.4×10-4Ω
cmで、圧縮応力が400MPaであった。この基板を
200℃で1時間焼成しても、透明導電膜およびカラー
フィルタの外観は全く変化がなく、かつ電気特性も変化
しなかった。
【0046】実施例4〜12 成膜方法及び膜厚を種々変えて第1層のITOを成膜
し、その上に全膜厚が300nmとなるようにアーク放
電プラズマ法によって第2層のITOを積層した。得ら
れた透明導電膜の電気特性とX線回折法にて測定された
圧縮応力の値を表2に示す.この透明導電膜が成膜され
たカラーフィルタ付きガラス基板を200℃で1時間焼
成しても、いずれも外観にはほとんど変化が無く、かつ
電気特性も変化しなかった。実施例4〜12のいずれの
透明導電膜も、圧縮応力が600MPa以下の低い応力
値であった。さらに実施例4〜10および実施例12の
透明導電膜は、比抵抗が1.6×10-4Ωcm以下の低
抵抗であった。
し、その上に全膜厚が300nmとなるようにアーク放
電プラズマ法によって第2層のITOを積層した。得ら
れた透明導電膜の電気特性とX線回折法にて測定された
圧縮応力の値を表2に示す.この透明導電膜が成膜され
たカラーフィルタ付きガラス基板を200℃で1時間焼
成しても、いずれも外観にはほとんど変化が無く、かつ
電気特性も変化しなかった。実施例4〜12のいずれの
透明導電膜も、圧縮応力が600MPa以下の低い応力
値であった。さらに実施例4〜10および実施例12の
透明導電膜は、比抵抗が1.6×10-4Ωcm以下の低
抵抗であった。
【0047】比較例1(AP法の単層膜) 実施例1で示したアーク放電プラズマ法のみで、300
nmの厚みのITO単層膜を成膜した。得られた透明導
電膜の電気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の
値を表2に示す.この透明導電膜は、比抵抗が1.4×
10-4Ωcmと小さい値であったが,圧縮応力は110
0MPaと大きい値であった。この基板を200℃で1
時間焼成したところ,ITO膜面にクラックが生じ,シ
ート抵抗が4.2Ω/□から10.3Ω/□に悪化し
た。
nmの厚みのITO単層膜を成膜した。得られた透明導
電膜の電気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の
値を表2に示す.この透明導電膜は、比抵抗が1.4×
10-4Ωcmと小さい値であったが,圧縮応力は110
0MPaと大きい値であった。この基板を200℃で1
時間焼成したところ,ITO膜面にクラックが生じ,シ
ート抵抗が4.2Ω/□から10.3Ω/□に悪化し
た。
【0048】比較例2(SP−DC法の単層膜) 直流マグネトロンスパッタ法のみで、300nmの厚み
のITO単層膜を成膜した。得られた透明導電膜の電気
特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2に
示す。この透明導電膜は、圧縮応力が400MPaと低
い応力値であったが、比抵抗は2.1×10-4Ωcmと
高いものであった。
のITO単層膜を成膜した。得られた透明導電膜の電気
特性とX線回折法にて測定された圧縮応力の値を表2に
示す。この透明導電膜は、圧縮応力が400MPaと低
い応力値であったが、比抵抗は2.1×10-4Ωcmと
高いものであった。
【0049】比較例3(EB法の単層膜) 電子ビーム蒸着法のみで、300nmのITO単層膜を
成膜した。得られた透明導電膜の電気特性とX線回折法
にて測定された圧縮応力の値を表2に示す。この透明透
明導電膜の圧縮応力は、320MPaと小さい値であっ
たが、比抵抗は2.3×10-4Ωcmと大きくなってい
た。
成膜した。得られた透明導電膜の電気特性とX線回折法
にて測定された圧縮応力の値を表2に示す。この透明透
明導電膜の圧縮応力は、320MPaと小さい値であっ
たが、比抵抗は2.3×10-4Ωcmと大きくなってい
た。
【0050】比較例4、5 下地層となる第1層の厚みおよび成膜法を変えて、表1
に示す積層構成の透明導電膜を成膜した。得られた透明
導電膜の電気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力
の値を表2に示す。この基板を200℃で1時間焼成し
たところ,比較例4、5とも圧縮応力が高い透明導電膜
は、膜表面にクラックが生じシート抵抗が悪化した。
に示す積層構成の透明導電膜を成膜した。得られた透明
導電膜の電気特性とX線回折法にて測定された圧縮応力
の値を表2に示す。この基板を200℃で1時間焼成し
たところ,比較例4、5とも圧縮応力が高い透明導電膜
は、膜表面にクラックが生じシート抵抗が悪化した。
【0051】
【表2】 ============================= 例 シート抵抗 比抵抗 圧縮応力 耐熱試験 (Ω/□)(×10-4Ωcm)(MPa)(200℃,1時間) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 4.30 1.3 500 ◎ 実施例2 4.67 1.4 400 ◎ 実施例3 4.55 1.4 400 ◎ 実施例4 4.19 1.3 580 ◎ 実施例5 4.20 1.3 600 ◎〜△ 実施例6 4.55 1.4 450 ◎ 実施例7 5.00 1.5 430 ◎ 実施例8 5.10 1.5 350 ◎ 実施例9 5.40 1.6 310 ◎ 実施例10 5.43 1.6 540 ◎ 実施例11 6.59 2.0 490 ◎ 実施例12 5.33 1.6 510 ◎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 比較例1 4.70 1.4 1100 × 比較例2 6.91 2.1 400 ◎ 比較例3 7.57 2.3 320 ◎ 比較例4 4.58 1.4 800 × 比較例5 4.70 1.4 900 × 比較例6 7.41 2.2 420 ◎ ============================
【0052】比較例6 実施例1とは積層の順を逆にして、先ずアーク放電プラ
ズマ法により厚みが10nmの第1層のITOを成膜
し、その上に全膜厚が300nmとなるように直流マグ
ネトロンスパッタ法によってITOの積層膜とした。こ
の透明導電膜は、圧縮応力が420MPaで良好な応力
値であったが、比抵抗は2.2×10-4Ωcmと、比較
例2の単層からなるものよりも大きいものであった。
ズマ法により厚みが10nmの第1層のITOを成膜
し、その上に全膜厚が300nmとなるように直流マグ
ネトロンスパッタ法によってITOの積層膜とした。こ
の透明導電膜は、圧縮応力が420MPaで良好な応力
値であったが、比抵抗は2.2×10-4Ωcmと、比較
例2の単層からなるものよりも大きいものであった。
【0053】上記の実施例および比較例で分かるよう
に、スパッタリングによる成膜法、電子銃による蒸着法
あるいは高周波イオンプレーティングによる成膜法によ
り成膜した錫含有酸化インジウム(ITO)を下地膜と
して、第2層のITOをアーク放電プラズマ法により成
膜して得られる透明導電膜は、比抵抗が小さく、かつ圧
縮応力値が小さい透明導電膜にすることができることが
分かる。
に、スパッタリングによる成膜法、電子銃による蒸着法
あるいは高周波イオンプレーティングによる成膜法によ
り成膜した錫含有酸化インジウム(ITO)を下地膜と
して、第2層のITOをアーク放電プラズマ法により成
膜して得られる透明導電膜は、比抵抗が小さく、かつ圧
縮応力値が小さい透明導電膜にすることができることが
分かる。
【0054】本発明の実施例によれば、100nmの厚
みに成膜したときの膜の表面の平均粗さRaが5.2n
m以上であれば、その膜を下地層として用いると、AP
法で成膜される第2層のITOの圧縮応力が低減できる
ことが分かった。その理由は明確に判明していないが、
第2層のITOの粒子成長の初期段階が圧縮応力に影響
を及ぼしているものと考えられる。
みに成膜したときの膜の表面の平均粗さRaが5.2n
m以上であれば、その膜を下地層として用いると、AP
法で成膜される第2層のITOの圧縮応力が低減できる
ことが分かった。その理由は明確に判明していないが、
第2層のITOの粒子成長の初期段階が圧縮応力に影響
を及ぼしているものと考えられる。
【0055】また、本発明の実施例によれば、透明導電
膜の主たる厚みをアーク放電プラズマ法で成膜すること
により、1.6×10-4Ωcmより小さい値で、かつ、
600MPa以下の圧縮応力を有する透明導電膜が得ら
れることが分かる。この透明導電膜は、第2層のITO
の厚みが透明導電膜全体に占める割合が大きいので、す
なわち大部分の厚みをアーク放電プラズマ法で成膜する
ので、小さい圧縮応力と小さい比抵抗を有する透明導電
膜を高速で成膜することができる。
膜の主たる厚みをアーク放電プラズマ法で成膜すること
により、1.6×10-4Ωcmより小さい値で、かつ、
600MPa以下の圧縮応力を有する透明導電膜が得ら
れることが分かる。この透明導電膜は、第2層のITO
の厚みが透明導電膜全体に占める割合が大きいので、す
なわち大部分の厚みをアーク放電プラズマ法で成膜する
ので、小さい圧縮応力と小さい比抵抗を有する透明導電
膜を高速で成膜することができる。
【0056】本発明の第1層とすることができるITO
の成膜方法としては、有機インジウムと有機錫化合物の
混合物の溶液あるいは蒸気を加熱したガラス板にスプレ
ーする成膜法や、その溶液をガラス板表面に塗り、その
後加熱して酸化物にする成膜法を採用することもでき
る。
の成膜方法としては、有機インジウムと有機錫化合物の
混合物の溶液あるいは蒸気を加熱したガラス板にスプレ
ーする成膜法や、その溶液をガラス板表面に塗り、その
後加熱して酸化物にする成膜法を採用することもでき
る。
【0057】
【発明の効果】本発明にかかる透明導電膜は、2層の積
層体で構成される。第1層のアーク放電プラズマ法以外
の成膜法により成膜されたITOは、第2層のアーク放
電プラズマ法により成膜されるITOの粒子成長に影響
を与え、第2層のITOを小さい圧縮応力の層にする。
これにより、本発明にかかる透明導電膜は、第2層のI
TOが有する低比抵抗の特性を有するとともに、全体と
して小さい圧縮応力を有する膜となる。
層体で構成される。第1層のアーク放電プラズマ法以外
の成膜法により成膜されたITOは、第2層のアーク放
電プラズマ法により成膜されるITOの粒子成長に影響
を与え、第2層のITOを小さい圧縮応力の層にする。
これにより、本発明にかかる透明導電膜は、第2層のI
TOが有する低比抵抗の特性を有するとともに、全体と
して小さい圧縮応力を有する膜となる。
【0058】第2層のITOが、減圧した雰囲気内で行
うスパッタリング法または減圧した雰囲気で行う電子銃
による加熱蒸着により成膜されると、このITOを下地
層としてその上に積層される第2層のITOは、下地層
の表面粗さに強く影響を受けて、小さい圧縮応力の透明
導電膜となる。
うスパッタリング法または減圧した雰囲気で行う電子銃
による加熱蒸着により成膜されると、このITOを下地
層としてその上に積層される第2層のITOは、下地層
の表面粗さに強く影響を受けて、小さい圧縮応力の透明
導電膜となる。
【0059】本発明にかかる透明導電膜の全厚みの大部
分を第2層のITOで構成すると、透明導電膜全体を高
速で成膜できるので、透明導電膜付き基板の生産能率が
よい。
分を第2層のITOで構成すると、透明導電膜全体を高
速で成膜できるので、透明導電膜付き基板の生産能率が
よい。
【0060】本発明にかかる透明導電膜は、それを成膜
するときの基板の加熱に制限がある有機樹脂上に成膜さ
れるとき 、膜の圧縮応力が小さいので樹脂との密着力
が増し、液晶セルの製造工程における電極加工等の工程
で、膜割れの発生が防止でき、液晶表示セルの信頼性が
向上する。
するときの基板の加熱に制限がある有機樹脂上に成膜さ
れるとき 、膜の圧縮応力が小さいので樹脂との密着力
が増し、液晶セルの製造工程における電極加工等の工程
で、膜割れの発生が防止でき、液晶表示セルの信頼性が
向上する。
【0061】本発明にかかる成膜装置によれば、第1層
のITOが成膜されて後、大気中にその表面が触れるこ
となく、すなわちその表面が清浄に維持された状態で第
2層のITOが成膜されるので、第2層の圧縮応力低減
を効果的に、かつ再現性よく実現できる。
のITOが成膜されて後、大気中にその表面が触れるこ
となく、すなわちその表面が清浄に維持された状態で第
2層のITOが成膜されるので、第2層の圧縮応力低減
を効果的に、かつ再現性よく実現できる。
【図1】本発明の透明導電膜付き基板の一実施例の断面
図である。
図である。
【図2】本発明の成膜装置の一実施例の概略断面図であ
る。
る。
1:第1の成膜室、2:第2の成膜室、3:取り入れ
室、4:取り出し室、5:スパッタリングカソード、
6:アーク放電プラズマ発生ガン、7:るつぼ 8:アーク放電プラズマ、9:ITOターゲット、1
0:基板、11:搬送コンベア、12:ゲートバルブ、
13:加熱ヒータ、14:水平磁場発生用磁気コイル、
15:垂直磁場発生用磁石 16,17:ガス導入口、18,19:真空排気口、2
0:透明導電膜付き基板 21:透明導電膜、22:第2層、23:第1層、2
4:カラーフィルタ、25:ガラス板、26:透明基板
室、4:取り出し室、5:スパッタリングカソード、
6:アーク放電プラズマ発生ガン、7:るつぼ 8:アーク放電プラズマ、9:ITOターゲット、1
0:基板、11:搬送コンベア、12:ゲートバルブ、
13:加熱ヒータ、14:水平磁場発生用磁気コイル、
15:垂直磁場発生用磁石 16,17:ガス導入口、18,19:真空排気口、2
0:透明導電膜付き基板 21:透明導電膜、22:第2層、23:第1層、2
4:カラーフィルタ、25:ガラス板、26:透明基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/285 H01L 21/285 S
Claims (10)
- 【請求項1】 透明基板上に錫含有酸化インジウム多結
晶膜からなる透明導電膜が成膜された透明導電膜付き基
板であって、前記透明導電膜は、互いに異なる成膜法で
成膜された基板側の第1層の錫含有酸化インジウムと、
前記第1層の上に積層された第2層の錫含有酸化インジ
ウムとで構成され、第2層は減圧した雰囲気が調整でき
る成膜室内で、錫を含有する酸化インジウムの蒸着材料
にアーク放電プラズマを照射して蒸発させることにより
成膜した層であることを特徴とする透明導電膜付き基
板。 - 【請求項2】 前記第1層の錫含有酸化インジウムは、
減圧した雰囲気が調整できる成膜室内で、錫含有化合物
とインジウム含有化合物の混合物をターゲットとするマ
グネトロンスパッタリング法により成膜した層であるこ
とを特徴とする請求項1に記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項3】 前記第1層の錫含有酸化インジウムは、
減圧した雰囲気が調整できる成膜室内で、酸化錫と酸化
インジウムの混合物の蒸着材料に加速電子ビームを照射
し、前記蒸着材料を蒸発させて成膜した層であることを
特徴とする請求項1に記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項4】 前記第2層の錫含有酸化インジウムは、
成膜された後で、かつ大気に曝される前の第1層の錫含
有酸化インジウムの表面に成膜された層であることを特
徴とする請求項2または3に記載の透明導電膜付き基
板。 - 【請求項5】 前記第1層の錫含有酸化インジウムの厚
みが2nm以上であることを特徴とする請求項1〜4の
いずれかに記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項6】 前記第1層の錫含有酸化インジウムの厚
みが80nm以下であることを特徴とする請求項5に記
載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項7】 前記透明導電膜の圧縮応力が、600M
Pa以下、比抵抗が1.6×10-4Ωcm以下であるこ
とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の透明導
電膜付き基板。 - 【請求項8】 前記透明基板が、ガラス板上に有機樹脂
と着色剤とを含む液晶表示用カラーフィルタが形成され
た基板であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか
に記載の透明導電膜付き基板。 - 【請求項9】 請求項1〜8の透明導電膜付き基板を少
なくとも一方の対向基板に用いたカラー液晶表示素子。 - 【請求項10】 ガス導入手段と真空排気手段により減
圧した雰囲気が調整できる第1の成膜室と、第1の成膜
室とは開閉可能なバルブで連結されてガス導入手段と真
空排気手段により減圧した雰囲気が調整できる第2の成
膜室と、基板を第1の成膜室から第2の成膜室に搬送す
る手段とを備えた基板上に被膜を成膜する成膜装置であ
って、前記第1の成膜室内には、負電圧を印加できるマ
グネトロンスパッタリングカソードを用いた成膜手段が
備えられているか、加速電子を放出する電子銃と蒸着材
料を充填するるつぼと前記加速電子をるつぼ内に導く磁
石とを有する成膜手段が備えられており、前記第2の成
膜室内には、アーク放電プラズマ発生ガンとるつぼと前
記アーク放電プラズマ発生ガン内で発生したアーク放電
プラズマを前記るつぼ内の蒸着材料に導く磁石とを有す
る成膜手段が備えられていることを特徴とする成膜装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13796898A JPH11335815A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 透明導電膜付き基板および成膜装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13796898A JPH11335815A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 透明導電膜付き基板および成膜装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335815A true JPH11335815A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15210957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13796898A Pending JPH11335815A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | 透明導電膜付き基板および成膜装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335815A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-05-20 JP JP13796898A patent/JPH11335815A/ja active Pending
Cited By (16)
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040330 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |