JP2688999B2 - 透明導電膜の製造方法 - Google Patents

透明導電膜の製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スパッタリング法による透明導電膜の製造
方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、可視光に対し、高い透過率をもち、さらに高い
導電性すなわち、低抵抗の透明導電膜は、液晶、エレク
トロルミネッセンス、エレクトロクロミックなどの表示
素子、タッチパネルおよび太陽電池用の電極として用い
られている。透明導電膜としてのすぐれた特性より、酸
化インジウムと酸化すず膜すなわちITO(ndium in
xide)膜が代表的に用いられ、この膜の形成法とし
て、膜の緻密性と表面の平滑性の面からスパッタリング
による成膜法が急速に採用されつつある。上述の用途の
うち、タッチパネル用にはプラスチックス基板が、その
他に対しては、ガラス基板が用いられる。
スパッタリング法は、真空中でアルゴン、窒素などの
不活性ガスまたはこのガスと酸素、水素などの反応性ガ
スを用い、1×10-4〜2×10-2Torrの雰囲気とし、基板
とITO膜形成材料であるターゲットとの間に直流(DC)
電源または高周波(RF)電源をターゲットをカソードと
して印加し、雰囲気ガスを電離し、プラズマを形成さ
せ、ターゲット表面に電離したガスが衝突し、ターゲッ
ト組成成分が飛び出し、基板上に堆積させ、成膜する方
法である。このターゲットには、インジウム、すずの単
体金属または合金を用いる金属ターゲットと金属酸化物
が用いられる。後者は、形成膜の組成の制御が容易であ
ることから最近、広く採用されている。また、ターゲッ
トに永久磁石または電磁石により、磁場を付加し、プラ
ズマ密度を上げ、成膜速度を上げるマグネトロンスパッ
タリングが一般に用いられている。
スパッタリング法によるITO膜の形成において、低抵
抗、高透過率のITO膜を得る技術が提起されている。金
属ターゲットを用いる方法として、特開昭57−165905、
特開昭57−130303、特開昭59−29304、特開昭60−6381
4、特開昭61−292817、特開昭61−260505および特公昭6
3−54788が、金属酸化物ターゲットを用いる方法として
特開昭59−149604、特開昭61−290605、特開昭63−1784
14および特公昭61−55205が提起され、さらに、膜形成
材料のターゲットの製法に関して特開昭59−136480が提
起され、また、耐熱性に劣るプラスチック基板への適用
について、電子情報通信学会論文C−II、J72−C−II
巻、4号、頁231〜236(1989年4月号)に発表されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ITO膜は、液晶ディスプレイの電極に多く用いられ、
従来ガラス基板上にITO膜を形成する方式では、上述の
技術で低抵抗、高透過率をもつ電極を形成できたが、最
近カラー液晶ディスプレイは、ガラス基板上に有機質の
カラーフィルターを形成したのち電極用のITOを形成す
る必要が生じ、この有機質は、耐熱性が劣り、耐熱性は
通常160〜200℃であり、この耐熱性を上げるためカラー
フィルターの改質も試みられているものの、高くしても
230℃が限界とされている。低抵抗でかつ高透過率とす
るのにガラス基板上では300℃以上に基板を加熱し、ITO
膜を形成するかまたは成膜後、基板を高温に加熱し、焼
成を行っていた。カラーフィルター上のITO膜では、200
℃以下で成膜を行わなければならず、また量産化に対応
した成膜方法が要求される。このカラーフィルター上の
電極としての特性は、シート抵抗(または面抵抗とよば
れる。)は30Ω以下が要求される。従来、膜厚を上げ、
抵抗を下げる方法が講じられているが、電極形成のため
の電極パターニング工程でのITO膜のエッチングにおい
て、エッチングに時間を要し、またパターンの精細度を
低下させるので膜厚を上げることができない。さらに、
電極は、ディスプレイとしての画質を上げるには、膜厚
は薄い方がよい。この用途に対しての膜厚は、約1500Å
以下とされ、この膜厚でシート抵抗30Ω以下とするには
抵抗率3×10-4Ω・cm以下のITO膜が必要であり、上述
した先行技術において、基板を300℃以上に加熱しない
限り、この低抵抗のITO膜が得られない。ITO成膜におい
て、液晶ディスプレイは大型化の傾向があり、一般的に
は300×300mm、さらに大型化したものでは600×600mmが
要求されている。このため、ITO成膜のコスト低減化の
ためには、生産速度を高め、特性の変動要因である放電
ガスの流量、放電ガスの圧力、スパッタリングパワー
(電流×電圧)等に対し、なるべく広範囲で特性が安定
していなければならない。生産性を高めるには、成膜速
度として、500Å/min以上でないと、成膜に対し、長時
間を要し、量産用として不適である。また、放電ガスの
うちの反応性ガスとして、真空排気において、排気能力
を低減する水、水素などを用いることは量産に障害とな
る。特開昭61−260505は、基板温度を100℃で、低抵抗
膜(膜厚30Åでシート抵抗約100Ωすなわち抵抗率3×1
0-4Ω・cm)が得られるものの、合金ターゲットを用い
ているため、膜中の酸素濃度の制御のための反応性酸素
ガスの流量が僅か変動(例えば16SCCM(cm3/min)に対
し0.5SCCM)してもシート抵抗は、10倍以上変動し、反
応性ガスの厳密なコントロールが必要で実用上種々の障
害がある。また、基板温度を100℃以下で低抵抗を得る
方法として、電子情報通信学会論文C−II、J72−C−I
I巻4号、頁231〜236(1989年4月号)の提起がある
が、成膜速度150Å/minと遅く、これを解決することが
必要である。また、酸化物ターゲットを用いた場合の特
性改善方法として特開昭59−136480および特公昭61−55
205が提起されている。前者は、酸化インジウムと酸化
すずターゲットにおいて、理論密度の75%以上の密度を
有し、抵抗率0.6〜0.1Ω・cmであるターゲットを用いる
ことにより、ターゲットの機械的安定性をもたらし、DC
スパッタリングに適したターゲット材料を提供し、ハイ
パワーのスパッタリング技術に進歩をもたらした。ま
た、後者は密度(見掛け比重)を理論密度の80%以上と
し、ターゲットへの酸素、水分等の有害物の吸蔵を抑制
し、ターゲット表層に形成される有害膜の除去の時間短
縮をすることにあった。
一方、ITO膜は液晶ディスプレイ用電極として用いら
れ、ラップトップパソコンあるいは、ワードプロセッサ
ーの表示素子としてカラー液晶ディスプレイの開発が急
速に高まり、このディスプレイは、単独マトリックス方
式とアクティブマトリックス方式に大別され、アクティ
ブマトリックスが一部採用されようとしている。しか
し、単純マトリックス方式は、低コストでカラー液晶デ
ィスプレイが製造できる利点があり、最近注目され、開
発が進められている。従来、ガラス基板上にITO膜を形
成させればよく、上述のように基板温度を300℃以上に
加熱しスパッタリングするか、または成膜後300℃以上
の加熱により焼成を行うことができ、これにより低抵抗
でかつ高透過率のITO膜を得てきた。従来方法は、表示
素子用電極としての特性を改善するものの、有機系のカ
ラーフィルター上へのITO膜の成膜に対し、種々の困難
があった。また、量産化するには、スパッタリング条件
としての成膜速度、使用ガスの種類、雰囲気ガスの状
態、使用ターゲットの変動に対し、安定した低効率およ
び透過率を示し、均質な膜を高速成膜できなければなら
ない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、かかる問題点を解決すべくなされたもので
あり、酸化インジウムを主成分とする透明導電膜の製造
方法において、酸化すずを0.1〜15.0重量%を含む酸化
インジウムであって、密度5.0g/m3〜6.5g/m3でかつ、抵
抗率が(0.05〜10.0)×10-4Ω・cmの透明導電膜形成の
材料ターゲットを用い、酸素ガスを0.1〜5.0体積%を含
む不活性ガスを放電ガスとして、放電ガスの流量をスパ
ッタリング室の体積Vに対し(0.01〜1)×10-3×V
(cm3/min)で圧力を(0.5〜10)×10-3Torrに制御して
スパッタリングを行うことを特徴とする透明導電膜の製
造方法を提供するものである。
スパッタリングは、基板を真空槽内に入れ、所定の枚
数にセットしたのち槽内を排気し、1×10-6Torr以下と
し槽内へ放電ガスを挿入して一定圧力下でターゲットに
直流(DC)または、RF電源により印加し放電させ基板に
成膜する。この工程は1回毎に真空を破り、成膜された
基板を槽内から取り出すバッチ型と放電を行うスパッタ
リング室の真空を維持し、連続的に基板をスパッタリン
グ室へ送り込むインライン型の2種があり、このいずれ
にも適用できる。スパッタリングのエネルギー源として
直流(DC)および高周波(RF)電源が用いられ、本発明
にも用いることができる。
透明導電膜形成の原料ターゲットは、減圧槽内で基板
に対向するように、またはキャリヤーに取付けられた基
板が搬送され、水平または垂直に基板と対向するよう設
置し、成膜室である真空槽内に放電ガスの流量を制御す
るマスフローコントローラーを界して放電ガスを導入す
る。用いる原料ターゲットは、酸化すず(SnO2)を0.1
〜15.0体積%を含む酸化インジウム(In2O3)の酸化物
ターゲットである。酸化物ターゲットを用いるのは、形
成されるITO膜の組成の制御が容易で、In,Snの金属単体
ターゲットまたは合金ターゲットの場合のように放電ガ
ス中の活性ガスである酸素の制御を厳密に行うことな
く、ターゲット組成に近い組成のITO膜を形成できるた
めである。真空槽内に導入された放電ガスは、基板とタ
ーゲットとの間にDCまたはRF電源が印加されると、放電
ガスが電離し、電離した放電ガスは、ターゲット表面に
当たり、その運動エネルギーによりITOターゲット中の
成分であるIn,SnおよびOが飛び出し基板上に堆積し、I
TO膜が形成される。形成される膜の抵抗率、透過率は、
原料ターゲットの組成、密度および抵抗率に影響され、
また放電ガスの組成、スパッタリング中の放電ガス流量
と放電ガス圧力の制御により、低抵抗でかつ高透過率の
ITO膜を形成することができ、上述の問題を解決すると
ともに、量産するためのハイパワーでの成膜を可能に
し、高速成膜例えば1,000Å/min以上でITO膜が形成でき
生産能力を高めるともに、大型基板(例えば600×600m
m)にも対応できる。
原料ターゲットは、一般にIn2O3とSnO2との原料粉を
所定の割合に調合し冷間等方プレス(CIP)または熱間
等方プレス(HIP)で固結し、プレート状に成形され
る。密度は、用いる原料粉および固結する工程により調
整する。SnO2とIn2O3との組成比は、SnO2を0.1〜15.0重
量%が好ましく、密度は5.0g/m3〜6.5g/m3である。密度
が少なくとも5.0g/m2でないと、形成されるITO膜は低抵
抗の膜が得られなく、6.5g/m3を越えるとIn2O3とSnO2
らなるITO酸化物焼結体の理論密度の95%以上となり、
スパッタリング時ターゲットが加熱されると、ターゲッ
ト冷却用の銅製バッキングプレートとターゲットとの熱
膨張差によりターゲット中に割れを生じ易くなり、5.0
〜6.5g/m3が適している。ターゲットの抵抗率は、10.0
×10-4Ω・cm以下でないと低抵抗の膜は得られない。ま
た、0.05×10-4すなわち、5.0×10-6Ω・cm以下のITO焼
結体ターゲットを製造するには困難である。したがっ
て、抵抗率は(0.05〜10.0)×10-4Ω・cmが適してい
る。また、ターゲット中のZn,Pb,Fe等の不純物の総量
は、0.01重量以下に抑えることが好ましく、不純物が0.
010重量%を越えると低抵抗、高透過率の膜が形成され
ないばかりか、ターゲットの抵抗率を10×10-4Ω・cm以
下にすることが困難となる。
スパッタリングにおける放電ガスのうちの不活性ガス
としてHe,Ne,Kr,Xeの希ガスおよびN2ガスを用いること
ができ、通常Arガスが用いられる。放電ガスとしてO2
スを用いる。放電ガス中のO2ガスは形成されるITO膜の
透過率を高くする。O2ガスは、0.01〜5.0体積%が好ま
しく、O2ガスが5.0体積%越えると、放電ガスの流量が
高い場合、スパッタリング雰囲気中のO2ガス量が過剰と
なり、ITO膜の抵抗率を高くし、目的とする低抵抗のITO
膜の形成が困難となる。また、このことから放電ガス流
量とスパッタリングにおける放電ガス圧力とを制御しな
ければならない。放電ガスの流量υは、成膜室の体積V
に対してυ=(0.01〜1)×10-3×V(cm3/min)の範
囲にし、かつ放電ガスの圧力は、(0.5〜10)×10-3Tor
rが好ましい。υおよび放電ガス圧力が下限を切ると、
放電が困難となり、成膜ができなくなるばかりか、ター
ゲットが加熱され、バッキングプレートの水冷が不足す
ると、バッキングプレートとターゲットとを接合してい
る低融点金属が融解し、ターゲットがバッキングプレー
トから落下するトラブルが生じる。またυが0.01×Vcm3
/minを越えると、ターゲットと基板との間で放電ガスと
ターゲットから飛び出したターゲット中の成分との衝突
確率を高くして、運動エネルギーが減少して抵抗率の高
いITO膜が形成され易くなる。放電ガス圧力も同様の理
由により、10×10-3Torr以下にする必要がある。流量は
マスフローコントローラーにより制御し、ガス圧力はこ
の流量と真空ポンプの排気量により制御する。放電ガス
は、ターゲット近傍に放出するようにステンレスパイ
プ、銅パイプ等によりガス導入管を設けることが好まし
い。上記の酸化物ターゲット、スパッタリングにおける
O2を含む放電ガスを用い、上記の放電ガス流量でかつ放
電ガス圧力下でスパッタリングすることにより、基板温
度200℃以下の低温成膜において抵抗率3×10-4Ω・cm
以下でかつ可視光透過率85%以上のITO膜が形成でき、
カラーフィルターのような耐熱性の劣る有機質上に良質
のITO膜が形成できる。
〔実施例〕
本発明を第1〜3図により詳細に説明する。
実施例1 第1図に示すように、厚み1.1mm,サイズ300×300mmの
ガラス基板1にカラーフィルター2およびその保護膜3
を被覆したカラーフィルターガラス基板を第2図に示す
ようなインライン方式のマグネトロンDCスパッタリング
装置を用いて、本発明の方法のITO膜4を形成した。こ
の装置は、基板の脱着を行うロードアンロード室5と基
板にITO膜を成膜するスパッタリング室11とからなり、
スパッタリング室は加熱セクションとスパッタリングセ
クションとからなっている。まず基板は、ロードアンロ
ード室で基板を搬送するキャリヤー7に基板2枚を装着
する。キャリヤーは、ガイドレール6上に設置されてい
る。ロータリーポンプ9で粗引きし、次にクライオポン
プ8で高真空排気を行い、1×10-6Torrの高真空にす
る。スパッタリング室は、クライオポンプとロータリー
ポンプにより、あらかじめ8×10-7Torrまで排気し、高
真空を維持する。次にロードアンロード室とスパッタリ
ング室とを遮断して、ロードアンロード室が、基板脱着
の際大気圧になってもスパッタリング室を1×10-6Torr
以下に維持できるように設けられた仕切板10をエアー圧
で開放し、基板を装着したキャリヤーは、ガイドレール
により、スパッタリング室の加熱セクションに移送す
る。移送後仕切板は閉じられる。基板は加熱セクション
に設けられた抵抗加熱体12の輻射熱により加熱される。
基板の加熱温度は電力と加熱時間で設定する。ここで基
板は5分間、加熱セクションに置いて180℃に到達した
時点で、スパッタリングセクションに移送する。スパッ
タリング室は、サイズ150×450mm、組成をSnO2を10重量
%を含むIn2O3、密度5.31g/cm3、抵抗率3.5×10-4Ω・c
mのターゲット13を銅製のバッキングプレート14上に粘
り着けられたスパッタリングカソードが設置されてい
る。スパッタリングカソードを第3図に示す。第3図
は、ターゲット23とバッキングプレート24、スパッタリ
ング速度を高めるための永久磁石25と冷却のための冷却
水の注排出管26,27からなっている。あらかじめスパッ
タリング室は、不活性ガスとしてのAr容器17とO2ガスを
5体積%含むArガス容器19から放電ガス流量をコントロ
ールするマスフローコントローラー18および20とによ
り、O2ガスが0.2体積%のArガスを5cm3/minスパッタリ
ング室へ放電ガス導入管21より送り、排気調整バルブ16
により、スパッタリング室の圧力を2×10-3Torrとし
た。スパッタリング室は幅190×長さ2260×高さ620mmで
あるので体積が266,228cm3であるので流量υは、0.019
×10-3Vcm3/minに相当する。次にテフロン製Oリングに
より絶縁されたバッキングプレート上のターゲットと接
地されたガイドレール第2図の6との間にターゲットを
カソードとして、800WのDC電源を印加し放電した。キャ
リヤーに装着された2枚の基板は、接地されたガイドレ
ール上を加熱セクションよりスパッタリングセクション
へ150mm/minの速度で搬送し、基板がターゲットに近ず
くにつれ、基板にITO膜が形成され、搬送中に成膜速度
1,000Å/minで1,000Åの膜厚のITO膜を形成し、予備室
第2図の22に移送され、成膜を完了し、停止する。次に
印加電源と放電ガスの送入を停止して、クライオンポン
プ8によりスパッタリング室を10-6Torr台に排気し、キ
ャリヤーに装着された基板はロードアンロード室に移送
して、ロードアンロード室をN2を送入して大気にし、ロ
ードアンロード室のドアーを開いて、ITO膜を形成した
基板を取り出した。
実施例2 実施例1と同様の基板を用い、同様のターゲットを用
いて、放電ガスのO2ガス含有量、流量、ガス圧力以外は
同様の方法で、ITO膜を膜厚1000Å形成した。放電ガス
としてO2含有量4.5体積%のArガスをスパッタリング室
に30cm3/min、すなわち0.13×10-3×V(cm3/min)を送
り、放電ガス圧力を7×10-3Torrでスパッタリングを行
い、ITO膜を形成した。
実施例3 実施例1と同様の基板を用い、密度6.05g/cm3、抵抗
率2.4×10-4Ω・cmである実施例1と同じサイズのター
ゲットを用い、放電ガス中のO2ガス含有量、流量および
圧力以外は実施例1と同様の方法でITO膜を1000Å形成
した。放電ガスとしてO2含有量0.05体積%のArガスをス
パッタリング室に10cm3/min、すなわち、0.013×10-3×
Vcm3/minを送り、放電ガス圧力1.5×10-3Torrでスパッ
タリングを行い、ITO膜を形成した。
実施例4 実施例1と同様の基板を用い、実施例3と同様のター
ゲットを用い、放電ガス中のO2ガス含有量、流量および
圧力以外は実施例1と同様の方法でITO膜を1000Å形成
した。放電ガスとしてO2ガス4.5体積%のArガスをスパ
ッタリング室に、15cm3/minすなわち0.065×10-3×Vcm3
/min送り、放電ガス圧力5×10-3Torrでスパッタリング
を行いITO膜を形成した。
比較例1 特開昭59−136480に従い、実施例1に用いた基板にIT
O膜を形成した。
比較例2 特開昭61−290609に従い、実施例1に用いた基板にIT
O膜を形成した。
比較例3 特開昭63−178414に従い、実施例1に用いた基板にIT
O膜を形成した。
比較例4 特公昭61−55205による方法で得られた結果を比較例
として示した。
実施例1〜4および比較例1〜4のITO膜を形成した
カラーフィルター付きガラス基板について次のテストを
行った。
1)ITOの膜厚:日本真空技術社製Dektak−II(分解能
最大5Å)粗さ計を用いて、段差法により測定した。同
時に理学電機製螢光X線分析装置により、Inを測定し
た。
2)基板のカラーフィルターの外観:実体顕微鏡により
カラーフィルターの損傷状態を調べた。
3)シート抵抗および抵抗率:共和理研製4探針法抵抗
率測定器K−705RSを用いて、一面につ き15点測定、平均値を求めた。
4)透過率:島津製作所紫外、可視分光光度計UV−160A
を用い、カラーフィルターのないITO膜付基板により評
価した。可視光領域の波長450nmでのガラス基板込みお
よびガラス基板(透過率90.5%)を基準にしたときのIT
O膜の透過率を測定した。
〔発明の効果〕
第1表に示すように、本願の方法によれば、200℃以
下の低温加熱にもかかわらず、膜厚1000Åでシート抵抗
30Ω以下、抵抗率3×10-4Ω・cm以下で、かつITO膜の
透過率は、ガラス基板込みで85%以上、ガラス基板を基
準としITO膜自身で95%以上のITO膜が得られ、また、量
産にも対応したO2ガスと不活性ガスのみで1000Å/min以
上の高速成膜が可能となる。また、従来のように基板を
300℃以上に加熱することなく、透明導電膜のカラー液
晶ディスプレイ用電極に応用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は液晶ディスプレイのカラーフィルター用基板の
断面図、第2図はスパッタリング装置の一例を示す図、
第3図はターゲットを含むカソードの断面図である。 1……ガラス基板、2……カラーフィルター 3……保護膜、4……ITO膜 5……ロードアンロード室 6……ガイドレール 7……キャリヤー、8……クライオポンプ 9……ロータリーポンプ 10……仕切板、11……スパッタリング室 12……加熱抵抗体、13……ターゲット 14……バッキングプレート 15……水冷用供給管および排出管 16……排気調整バルブ 17……Arガス容器 18……マスフローコントローラー 19……O2ガス混入Arガス容器 20……マスフローコントローラー 21……放電ガス供給管 22……予備室 23……ターゲット 24……バッキングプレート 25……永久磁石 26……水冷用供給管 27……水冷用排出管

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化インジウムを主成分とする透明導電膜
    の製造方法において、酸化すずを0.1〜15.0重量%を含
    む酸化インジウムで、密度5.0〜6.5g/cm3、抵抗率(0.0
    5〜10.0)×10-4Ω・cmの透明導電膜形成の材料ターゲ
    ットを用い、放電ガスが不活性ガスと酸素ガスとからな
    り、酸素ガスを全放電ガスの0.1〜5.0体積%とし、放電
    ガスの流量をスパッタリング室の体積Vに対し、(0.01
    〜1)×10-3×V・cm3/minで、放電ガスの圧力を(0.5
    〜10)×10-3Torrにしてスパッタリングすることを特徴
    とする透明導電膜の製造方法。
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