JP2000129436A - インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング方法 - Google Patents
インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング方法Info
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Abstract
ることなく、均質で、均一な膜厚分布の薄膜を成膜する
ことができるインライン型スパッタリング装置およびス
パッタリング方法を提供する。 【解決手段】成膜チャンバ40内に、複数個のターゲッ
トセグメント101〜105が基板10の搬送方向と直
交して、少なくとも基板10の全幅に相当する長さにわ
たり整列させて構成される固定ターゲットを複数基配置
し、基板10をターゲット前を連続的に通過させる。
Description
基板を搬送しつつ、対向配置された複数基の固定ターゲ
ット前を連続的に通過させて基板表面に薄膜を成膜する
インライン型スパッタリング装置並びにスパッタリング
方法に関する。
面積の矩形基板に均質で、膜厚分布が均一な成膜を行う
ことが要求されている。このためのスパッタリング装置
として、図10に示すようなインライン型スパッタリン
グ装置が用いられている。このインライン型スパッタリ
ング装置は、基板10の搬送経路(Z方向に移動)の上
流側より順に、ローディング室20と、バッファチャン
バA30と、成膜チャンバ40と、バッファチャンバB
50とアンローディング室60とを連設して概略構成さ
れており、これらの各室を基板10が搬送手段(図示せ
ず)により順次移動する。また、各室間にはドアバルブ
21、31、41、51が設けられており、隣接する室
との連結あるいは室毎の密閉が行われる。スパッタリン
グの実施に際して、基板10は、先ず大気圧下にあるロ
ーディング室20で搬送手段に装着され、バッファチャ
ンバA30に送られる。次いで、バッファチャンバA3
0の室内を真空排気した後、ドアバルブ31を開けて基
板10を成膜チャンバ40に送る。成膜チャンバ40は
所定の背圧に真空排気されており、スパッタ時にはガス
ボンベ70から放電ガス(例えばアルゴンガス)が供給
される。また、成膜チャンバ40には複数基の固定ター
ゲット80、80が基板10の搬送経路に沿って所定間
隔で配置されており、スパッタ時には各固定ターゲット
80、80のカソード(図示せず)に放電用電源90、
90から放電電力が供給される。そして、基板10がこ
れらの固定ターゲット80、80の前を順次通過するこ
とにより、基板10の表面には固定ターゲット80、8
0からのスパッタ粒子が堆積して薄膜が形成される。次
いで、成膜チャンバ40で成膜された基板10は、バッ
ファチャンバB50内で大気に開放された後、アンロー
ディング室60に送られ、回収される。このインライン
型スパッタリング装置は、複数枚の基板10を連続して
処理できることから、生産性が高く、現在主流になりつ
つある。
ライン型スパッタリング装置では、図11(図10の上
面図に相当)に示すように、基板10の全面に成膜する
ために、ターゲット80は少なくとも基板10の幅W
(搬送方向Zに直交)を長辺とする略短冊状の一体成形
品となっている。従って、基板10が大型化してその幅
Wも広くなると、ターゲット80も大型化、特にその長
辺を長くしなければならない。しかし、大型のターゲッ
ト80を成型するには困難を伴い、コスト高を招く。ま
た、ターゲット80が大型になると重量も重くなり、1
人での取り回しが困難となる。
合、ターゲット80からのスパッタ粒子の飛び出し角度
はほぼコサイン則に従うことが知られており、それによ
り基板10の幅方向における膜厚分布は、図12に示す
ような、両端部に向かって漸次減少する、全体として幅
広の山型形状を呈する。従って、基板10の全幅にわた
って均一な膜厚を得るためには、図11において、ター
ゲット80をその両端が基板10からかなり突出するよ
うに、さらに大型化しなければならない。
は、ターゲット80の周囲に膜厚分布修正板を配置する
のが一般的であるが、この膜厚分布修正板に付着した膜
が剥離落下してダストとなったり、ターゲット80から
基板10への着膜率を下げる等の不具合を生じている。
しかも、この膜厚分布修正板は、ターゲット80の初期
状態に合わせてその取付状態を設定するのが普通である
ため、ターゲット80のエロージョンの進行に応じた調
整が必要であり、その都度成膜チャンバ40を開けなけ
ればならない。
等の成膜には反応性スパッタリングが行われるが、その
際ターゲット80の全表面で反応性ガスとの反応が均一
に行われずに、得られる薄膜は膜厚の他に組成も不均一
になることがある。ターゲット80にはその全面にわた
り同一の放電電力が印加されるために、反応性ガスとの
反応性を部分的に制御するのは困難であり、組成の不均
一も大きな問題となっている。特に、大面積のターゲッ
ト80では顕著となる。
ものであり、低コストで生産効率を向上でき、また大型
の基板であっても大きなターゲットを用いることなく、
均質で、均一な膜厚分布の薄膜を成膜することができる
インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング
方法を提供することにある。
めに、本発明は、成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、
基板と対向させ基板と隔置された固定ターゲット前を連
続的に通過させて基板表面に薄膜を成膜するインライン
型スパッタリング装置において、前記固定ターゲット
が、基板の搬送方向と直交して、少なくとも基板の全幅
に相当する長さにわたり整列された複数個のターゲット
セグメントから構成されていることを特徴とするインラ
イン型スパッタリング装置を提供する。
いて、複数個のターゲットセグメントの中で、最外方両
端に位置するターゲットセグメントからの成膜速度が最
も速くなるように構成することが好ましい。そのために
は、最外方両端に位置するターゲットセグメントを基板
に対して最も接近させて配置することが好ましく、その
際最外方両端に位置するターゲットセグメントから基板
までの最短距離と、基板から最も離間したターゲットセ
グメントから基板までの距離(ターゲット中心から該基
板までの最短距離)との差が5〜70mmであることが
好ましい。また、複数個のターゲットセグメントの中
で、少なくとも最外方両端に位置するターゲットセグメ
ントが、基板の中央側に向けて、特にその鉛直軸と基板
の鉛直軸とのなす角が5〜40°となるように傾斜して
いることが好ましい。さらに、複数個のターゲットセグ
メントの中で、最外方両端に位置するターゲットセグメ
ントのカソードに最も大きな放電電力が供給されること
が好ましい。
明は、成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、基板と対向
させ基板と隔置された固定ターゲット前を連続的に通過
させて基板表面に薄膜を成膜するインライン方式のスパ
ッタリング方法において、基板の搬送方向と直交して、
少なくとも基板の全幅に相当する長さにわたり複数個の
ターゲットセグメントが配列された固定ターゲット前を
通過させることを特徴とするスパッタリング方法を提供
する。特に、上記方法において、複数個のターゲットセ
グメントの中で、最外方両端に位置するターゲットセグ
メントからの成膜速度を最も速くしてスパッタリングを
行うことが好ましい。尚、上記において、成膜速度とは
単位時間当たりの基板への膜成分付着量を示す。
びスパッタリング方法によれば、従来の単一で大面積の
ターゲットに代えて、小面積のターゲットセグメントを
複数個用いることにより、ターゲットの製作コストが低
減し、また軽量になることから取り回しが容易になる。
また、個々のターゲットセグメント毎にスパッタ条件を
制御できることから、それぞれのエロージョンの進行度
合に応じてスパッタリングを続けることができ、結果と
して従来の単一のターゲットに比べてターゲット寿命を
延ばすことができるとともに、反応性スパッタリングの
場合には、個々のターゲットセグメント毎に反応性ガス
との反応性を制御でき、薄膜の組成の均一化も可能とな
る。また、複数個のターゲットセグメントの中で基板の
幅方向両端に位置するターゲットセグメントからの成膜
速度が最も速くなるように構成することにより、得られ
る薄膜は、図12に示したような膜厚分布において基板
の幅方向両端の傾斜部分が上方に補正され、基板全体に
わたりより均一な膜厚分布となる。さらに、膜厚分布修
正板を用いることなく均一な薄膜が得られることから、
この膜厚分布修正板に起因するダストの発生や着膜率の
低下等の不具合が無くなり、製品歩留りや生産性の向上
を図ることができる。
して詳細に説明する。本発明のインライン型スパッタリ
ング装置は、その全体構成は従来のインライン型スパッ
タリング装置と同様であり、例えば図10に示すよう
に、基板10の搬送経路(Z方向に移動)の上流側より
順に、ローディング室20と、バッファチャンバA30
と、成膜チャンバ40と、バッファチャンバB50とア
ンローディング室60とを連設して概略構成される。ま
た、これら各室間には、同様に、ドアバルブ21、3
1、41、51が設けられており、隣接する室との連結
あるいは室毎の密閉が行われる。そして、本発明のイン
ライン型スパッタリング装置は、成膜チャンバ40に配
置される固定ターゲットを複数個のターゲットセグメン
トで構成したことを特徴とする。複数個のターゲットセ
グメントは、それぞれ独立に放電電力を印加できること
が好ましい。以下に、ターゲットセグメントの構成に関
して好ましい実施形態を説明する。
ントの構成の第1の例を示す概略構成図であり、図10
の成膜チャンバ40について、基板10の搬送方向
(Z)側から見た図に相当する。図示されるように、成
膜チャンバ40内には、基板10の搬送方向と直交し
て、複数個、例えば5個に分割されたターゲットセグメ
ント101〜105が、基板10と対向して所定間隔で
整列して配置されている。また、ターゲットセグメント
101〜105は全て同一形状であり、特に円形ターゲ
ットが好ましい。ここで、個々のターゲットセグメント
101〜105の面積やその総数は特に制限されるもの
ではないが、全てのターゲットセグメント101〜10
5を整列した時に、少なくとも基板10の全幅に相当す
るように、その面積や総数、整列する時の間隔が調整さ
れるべきである。また、本発明においては、得られる薄
膜は個々のターゲットセグメント101〜105からの
被膜が重なり合ったものとなることから、その膜厚分布
にはターゲットセグメントの数と同数またはそれ以下の
数の波状の凹凸が現れる(図4、図5参照)。従って、
ターゲットセグメントの数が少なく、間隔も広い場合に
は、膜厚分布には比較的大きなうねりの凹凸が現れ、一
方、ターゲットセグメントの数が多く、間隔も狭い場合
には膜厚分布は多数の小さな凹凸からなる比較的平坦な
形状を示すようになる。本発明においては、3個以上、
好ましくは5個以上のターゲットセグメントを基板10
の全幅に見合うように整列させると、基板全体にわたり
ほぼ平坦な膜厚分布の薄膜が得られることを実験的に見
い出している。
〜105の中で最外方両端に位置するターゲットセグメ
ント101、105が最も基板10に接近して(好まし
くは基板10の中央部に向って傾斜するように)構成さ
れている。従って、全てのターゲットセグメント101
〜105のカソードに等しく放電電力を印加しても、最
外方両端に位置するターゲットセグメント101、10
5は他のターゲットセグメント102〜104に比べて
成膜速度が速くなり、その結果として基板10の幅方向
両端部分の膜厚が他の部分よりも厚くなる。ここで、最
外方両端に位置するターゲットセグメント101、10
5の基板10に最も近い箇所から基板10までの距離を
(T/S)2 とし、基板10から最も離間したターゲッ
トセグメントから基板10までの距離を(T/S)1 と
した時に、(T/S)2 と(T/S)1 との差Δ(T/
S)が5〜70mmであることが好ましい。Δ(T/
S)が5mm未満では、基板10への接近が不十分で幅
方向両端部における膜厚の補正効果が十分得られない。
また、Δ(T/S)が70mmを越える場合には、膜厚
補正効果が大きくなり過ぎて、膜厚分布において基板1
0の幅方向両端部に角が生えたような形状になる。
とともに、最外方両端に位置するターゲットセグメント
101、105を、その鉛直軸110と基板10の鉛直
軸111とのなす角θが5〜40°の範囲となるよう
に、基板10の中央に向けて傾斜させることがさらに好
ましい。角θがこの範囲にあれば、膜厚の補正効果がよ
り著しくなる。
5について、種々の変更が可能である。例えば、ターゲ
ットセグメント101〜105のカソードの裏面(ター
ゲットとは反対側の面)に磁石を付設して、所謂マグネ
トロンカソード構成とすることは好ましい態様である。
その際、磁石配置を工夫した静磁場タイプとしてもよい
し、磁石をターゲットセグメントと平行な面内を揺動
(回転運動や往復運動など)させる構成としてもよい。
このようなマグネトロンカソード構成とすることによ
り、電子の閉じ込め効果が増してプラズマ密度を高める
ことができる。特にターゲット材料が透明導電性材料
(例えばITO、Ga添加ZnO、Al添加ZnOな
ど)の場合、通常、ターゲット表面での磁束密度の垂直
成分がゼロの位置での磁束密度の水平成分が400G
(ガウス)以上という強磁場が要求されている。更に、
磁石を揺動させることにより、ターゲットセグメントの
局所的なエロージョンが無くなり、ターゲットセグメン
トの有効利用及び寿命を延ばすことができる。このよう
な効果は、磁石の配置を工夫することによっても得られ
る。尚、使用する磁石は電磁石でも永久磁石でもよい
が、永久磁石を用いることにより、電磁石を使用する際
の電力が不要になり、またコイルの経時劣化も無くな
り、長期安定性に優れるようになる。
5の基板10への接近並びに傾斜は、最外方両端に位置
するターゲットセグメント101、105のみに限ら
ず、必要に応じてその内側に位置するターゲットセグメ
ント(この場合、ターゲットセグメント102、10
4)についても行うことができる。その場合、基板10
の中心に近いターゲットセグメントほど、基板10との
距離を大きく、また傾斜角θが小さくなるように配置す
る。これにより、膜厚分布において基板中心付近の膜厚
を調整することができ、より均一な膜厚分布とすること
ができる。
ンライン型スパッタリング装置を用いて成膜を行う場
合、例えば以下の手順により実施することができる。図
1及び図10を参照して説明する。 (1)ローディング室20において、基板10を搬送手
段(本例では、アノードを兼ねている)108にセット
した後、バッファチャンバA30との間のドアバルブ2
1を開いて基板10をバッファチャンバA30に搬送す
る。 (2)バッファチャンバA30、成膜チャンバ40およ
びバッファチャンバB50を真空排気した後、バッファ
チャンバA30と成膜チャンバ40との間のドアバルブ
31を開いて基板10を成膜チャンバ40に搬送する。 (3)ドアバルブ31を閉めた後、成膜チャンバ40の
中を真空ポンプ(図示せず)にて減圧し、背圧を例えば
1×10-5Torr以下にする。 (4)成膜チャンバ40の中にガス導入口109から放
電ガス(例えば、45体積%窒素と15体積%酸素とア
ルゴンとからなるガス)を導入し、成膜チャンバ40と
真空ポンプ(図示せず)との間にあるバルブ(図示せ
ず)を調整して成膜チャンバ40内のガス圧を例えば5
mTorrに固定する。 (5)放電用電源106からターゲットセグメント10
1〜105の各カソードに等しく放電電力を印加し、プ
ラズマを発生させる。尚、マグネトロンカソードとした
場合には、同時に磁石を作用させる。 (6)搬送手段108を移動させて、基板10を上記
(5)で発生したプラズマ中を通過させる。この通過に
伴い、基板10の表面にはターゲットセグメントからの
スパッタ粒子が堆積して薄膜が形成される。 (7)成膜チャンバ40とバッファチャンバB50との
間のドアバルブ41を開いて、基板10をバッファチャ
ンバB50に搬送する。 (8)ドアバルブ41を閉じた後に、バッファチャンバ
B50内を大気圧に戻し、大気圧下にあるアンローディ
ング室60との間のドアバルブ51を開いて、基板10
をアンローディング室60に搬送する。 (9)アンローディング室60にて基板10を取り出し
て、一連の成膜工程が終了する。
ントの構成の第2の例を示す概略構成図であり、基板と
ターゲットセグメントのみを示している。図示されるよ
うに、複数個、例えば5個に分割されたターゲットセグ
メント201〜205が、全て基板10に対して等距離
となるように設置されている。また、ターゲットセグメ
ント201〜205は、基板10の全幅に相当する長さ
にわたり所定間隔で整列される。それに伴い、最外方両
端に位置するターゲットセグメント201、205のカ
ソード(図示せず)には最も大きな放電電力が印加され
る。この放電電力の差は、最も小さいものと比較して1
倍より大きく、かつ2倍未満であることが好ましく、特
に1.1倍〜1.5倍が好ましく、1.1倍〜1.25
倍が最も好ましい。電力差が1倍、すなわち電力差がな
くなると、基板の幅方向両端部分の膜厚補正効果が不十
分となり、電力差が2倍を越えると、最外方両端に位置
するターゲットセグメント201、205と対向する部
分の膜厚分布が大きく突出する。また、各ターゲットセ
グメント201〜205は、第1実施形態と同様に、円
形ターゲットが好ましく、マグネトロンカソードとする
ことがより好ましい。
成によれば、第1実施形態と同様に、最外方両端に位置
するターゲットセグメント201、205からの成膜速
度が最も速くなり、結果として膜厚分布において基板1
0の幅方向両端部における膜厚が上方に補正される。
えるインライン型スパッタリング装置を用いて成膜を行
う場合には、上記した第1実施形態のインライン型スパ
ッタリング装置による工程(5)において、最外方両端
に位置するターゲットセグメント201、205のカソ
ードに、他のターゲットセグメント202〜204のカ
ソードに比べて、例えば1.2倍大きな放電電力を印加
すること以外は同様にして実施することができる。
5について、種々の変更が可能である。例えば、最外方
両端に位置するターゲットセグメント201、205以
外のターゲットセグメント間でも放電電力の差をつけて
もよい。例えば、より基板10の中心に近いターゲット
セグメントのカソードへの放電電力がより小さくなるよ
うに、放電電力に傾斜を持たせることもできる。また、
第1実施形態との組み合わせも可能である。すなわち、
最外方両端に位置するターゲットセグメント201、2
05を傾斜させるとともに、それらのカソードに最も大
きな放電電力を印加する構成とすることもできる。
ントの構成の第3の例を示す概略平面図であり、ターゲ
ットセグメントのみを示している。図示されるように、
本実施形態では、複数個のターゲットセグメントが同一
平面上に千鳥格子状に配置されている。すなわち、基板
搬送方向Zと直交して5個のターゲットセグメント30
1〜305が整列してなる第1列と、同じく4個のター
ゲットセグメント401〜404が整列してなる第2列
と、同じく5個のターゲットセグメント501〜505
が整列してなる第3列とが、一方の列のターゲットセグ
メントが他方の列のターゲットセグメント間の空所に対
向するように配置されている。このような千鳥格子状配
置により、ターゲットセグメント間の空所における成膜
が補完されて、より平坦な膜厚分布が得られる(図6参
照)。また、各ターゲットセグメントは円形ターゲット
で、特にマグネトロンカソードとすることがが好まし
い。
いて、上記第1実施形態で述べた傾斜様式並びに第2実
施形態で述べた放電電力の印加様式を組み合わせること
もできる。例えば、各列において、最外方両端に位置す
るターゲットセグメントを基板10に最も近づけてもよ
い。また、これらのターゲットセグメントを基板10の
中心に向けて傾斜させてもよい。また、これらのターゲ
ットセグメントのカソードに最も大きな放電電力を印加
してもよい。さらに、これら全ての組み合わせも可能で
ある。このような組み合わせにより、ターゲットセグメ
ント間の空所における成膜の補完に加えて、基板の幅方
向両端部における膜厚の補正を行うことができる。尚、
上記において3列の千鳥格子状配置を示したが、2列以
上であれば列数は不問である。
は制限されるものではなく、例えばCr、Ti、Al、
Cu、Ag、Mo、Ta、Si等の金属、ITO、Sn
O2、In2 O3 、ZnO、Ga添加ZnO、Al添加
ZnO、SiO2 、SiNx等の酸化物あるいは窒化
物、Fe、Co、Ni等の強磁性金属、及びFe−C
o、Co−Ni、Fe−Co−Ni、Fe−Cu、Co
−Cu、Co−Au、Co−Pt、Mn−Bi、Mn−
Al、Fe−Cr、Co−Cr、Ni−Cr、Fe−C
o−Cr、Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−Cr
等の強磁性合金等の磁性材料等を挙げることができる。
するが、本発明はこれら実施例により何ら制限されるも
のではない。 (実施例1)図1に示すターゲットセグメント構成を備
えるインライン型スパッタリング装置を用い、全幅68
0mmのガラス板上に酸窒化クロムを成膜し、得られた
薄膜の膜厚分布を調べた。尚、ターゲットセグメントと
して直径6インチの円形ターゲットを用い、それを5
個、中心間距離で7インチ離間させて整列させるととも
に、内側の3個のターゲットセグメント(102〜10
4)と基板との距離(T/S)1 を120mm、また最
外方両端のターゲットセグメント(101、105)を
10°(θ)傾けてΔ(T/S)が約36mmとなるよ
うに設置した。また、カソードはマグネトロンカソード
とした。そして、成膜チャンバ(40)内に45体積%
窒素と15体積%酸素とアルゴンとからなるガスを供給
するとともに、全てのターゲットセグメント(101〜
105)のカソードに等しく放電電力を印加して成膜を
行った。膜厚分布を図4に示すが、各ターゲットセグメ
ントの対向部分を頂部とする波が見られるものの、最外
方両端のターゲットセグメント対向部分を含め全ての波
の高さが揃っており、膜厚の均一な領域が基板の幅方向
両端にまで広がっていることがわかる。
ント構成を備えるインライン型スパッタリング装置を用
い、全幅680mmのガラス板上に酸窒化クロムを成膜
し、得られた薄膜の膜厚分布を調べた。尚、ターゲット
として直径6インチの円形ターゲットを用い、それを5
個、基板(107)との距離を120mmとし、中心間
距離で7インチ離間させて設置した。また、カソードは
マグネトロンカソードとした。そして、成膜チャンバ
(40)内に45体積%窒素と15体積%酸素とアルゴ
ンとからなるガスを供給するとともに、最外方両端に位
置するターゲットセグメント(201、205)のカソ
ードには、他のターゲットセグメント(202〜20
4)のカソードの1.2倍の放電電力を印加して成膜を
行った。膜厚分布を図5に示すが、実施例1と同様に、
各ターゲットセグメントの対向部分を頂部とする波が見
られるものの、最外方両端のターゲットセグメント対向
部分を含め全ての波の高さが揃っており、膜厚の均一な
領域が基板の幅方向両端にまで広がっていることがわか
る。
ント構成を備えるインライン型スパッタリング装置を用
い、全幅680mmのガラス板上に酸窒化クロムを成膜
し、得られた薄膜の膜厚分布を調べた。尚、ターゲット
として直径6インチの円形ターゲットを用い、各列にお
けるターゲット間距離(D1)および列間におけるター
ゲット間距離(D2)をともに7インチとして千鳥格子
状に整列させた。また、全てのターゲットセグメントは
基板に対して平行であり、かつ第1列および第3列の最
外方両端に位置するターゲットセグメント301、30
5、501、505のみ基板から55mm離間させ、他
のターゲットセグメントを基板から80mm離間させ
た。そして、成膜チャンバ(40)内に45体積%窒素
と15体積%酸素とアルゴンとからなるガスを供給する
とともに、全てのターゲットセグメントのカソードに等
しく放電電力を印加して成膜を行った。膜厚分布を図6
に示すが、上記実施例1及び実施例2と同様に、各ター
ゲットセグメントの対向部分を頂部とする波が見られる
ものの、波の頂部と谷との差が小さく、また波の幅が広
くなっており、ターゲットセグメント間の空所における
補完効果が認められた。
ンチの円形ターゲットをターゲット間距離が6インチ間
隔で5個整列した第1列と、このターゲットをターゲッ
ト間距離が6インチ間隔で4個整列した第2列とを、列
間におけるターゲット間距離が400mmとなるように
水平方向に互いにずらして整列させたターゲットセグメ
ント構成からなるインライン型スパッタリング装置を用
い、全幅560mmのガラス板上に酸窒化クロムを成膜
し、得られた薄膜の膜厚分布を調べた。尚、カソードは
マグネトロンカソードとし、ターゲット表面での磁束密
度の垂直成分がゼロの位置での磁束密度の水平成分を1
00Gとした。また、各ターゲットセグメントは、それ
ぞれに付された数字(単位:mm)だけ基板から離間さ
せた。そして、成膜チャンバ(40)内に45体積%窒
素と15体積%酸素とアルゴンとからなるガスを供給す
るとともに(ガス圧:5mTorr)、全てのターゲッ
トセグメントのカソードに等しく放電電力(1.0k
W)を印加して成膜を行った。尚、基板は非加熱とし
た。膜厚分布を図8に示すが、実施例1〜3と同様に、
各ターゲットセグメントの対向部分を頂部とする波が見
られるものの、波の頂部と谷との差が小さく、また波の
幅が広くなっており、ターゲットセグメント間の空所に
おける補完効果が認められた。
型スパッタリング装置でITOターゲットを用い、全幅
560mmのガラス板上にITOを成膜し、得られた薄
膜の膜厚分布を調べた。尚、カソードはマグネトロンカ
ソードとし、ターゲット表面での磁束密度の垂直成分が
ゼロの位置での磁束密度の水平成分を1000Gとし、
カソードの裏面で永久磁石をターゲットセグメントに平
行な面内で回転運動させた。そして、成膜チャンバ(4
0)内に1.5体積%酸素とアルゴンとからなるガスを
供給するとともに(ガス圧:5mTorr)、全てのタ
ーゲットセグメントのカソードに等しく放電電力(1.
0kW)を印加し、基板の表面温度を280℃に維持し
て成膜を行った。膜厚分布は実施例4と略同一のプロフ
ァイルを示しており、ターゲットセグメント間の空所に
おける補完効果が認められた。
はさらに種々の変更が可能である。例えば、基板10が
それほど大型でない場合には、図9に示すように、2個
のターゲットセグメント601、602を基板10の中
心に向けて傾斜させて配置することもできる。この時の
傾斜は、第1実施形態と同様にθとして5〜40°の範
囲とする。このような構成においても、基板10の幅方
向両端部における成膜速度が速くなり、均一な膜厚分布
が得られる。
従来の単一で大面積のターゲットに代えて、小面積のタ
ーゲットセグメントを複数個用いることにより、ターゲ
ットの製作コストを低減し、人手による取り回しを容易
にする。また、大型の基板であっても均質で、均一な膜
厚分布の薄膜を成膜することができる。更に、膜厚分布
修正板を用いなくとも良好な膜厚分布が得られるため、
この膜厚分布修正板から発生するダストを抑制すること
ができる。
用されるターゲットセグメントの第1実施形態を示す概
略構成図である。
用されるターゲットセグメントの第2実施形態を示す概
略構成図である。
用されるターゲットセグメントの第3実施形態を示す概
略構成図である。
ラフである。
ラフである。
ラフである。
スパッタリング装置に使用されたターゲットセグメント
の配列を示す図である。
ラフである。
ある。
す概略構成図である。
ーゲットを示す上面図である。
り成膜された薄膜の膜厚分布を示すグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、基
板と対向させ基板と隔置された固定ターゲット前を連続
的に通過させて基板表面に薄膜を成膜するインライン型
スパッタリング装置において、 前記固定ターゲットが、基板の搬送方向と直交して、少
なくとも基板の全幅に相当する長さにわたり整列された
複数個のターゲットセグメントから構成されていること
を特徴とするインライン型スパッタリング装置。 - 【請求項2】 複数個のターゲットセグメントが、その
最外方両端に位置するターゲットセグメントからの成膜
速度が最も速くなるように配置されていることを特徴と
する請求項1記載のインライン型スパッタリング装置。 - 【請求項3】 複数個のターゲットセグメントの中で、
最外方両端に位置するターゲットセグメントを基板に対
して最も接近させて配置したことを特徴とする請求項1
または2に記載のインライン型スパッタリング装置。 - 【請求項4】 最外方両端に位置するターゲットセグメ
ントから基板までの最短距離と、基板から最も離間した
ターゲットセグメントから基板までの距離との差が5〜
70mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
か一項に記載のインライン型スパッタリング装置。 - 【請求項5】 複数個のターゲットセグメントの中で、
少なくとも最外方両端に位置するターゲットセグメント
が、基板の中央側に向けて傾斜していることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれか一項に記載のインライン型ス
パッタリング装置。 - 【請求項6】 最外方両端に位置するターゲットセグメ
ントが、その鉛直軸と基板の鉛直軸とのなす角が5〜4
0°となるように傾斜していることを特徴とする請求項
5に記載のインライン型スパッタリング装置。 - 【請求項7】 複数個のターゲットセグメントの中で、
最外方両端に位置するターゲットセグメントのカソード
に最も大きな放電電力が供給されることを特徴とする請
求項1〜6のいずれか一項に記載のインライン型スパッ
タリング装置。 - 【請求項8】 成膜チャンバ内で基板を搬送しつつ、基
板と対向させ基板と隔置された固定ターゲット前を連続
的に通過させて基板表面に薄膜を成膜するインライン方
式のスパッタリング方法において、 基板の搬送方向と直交して、少なくとも基板の全幅に相
当する長さにわたり複数個のターゲットセグメントが配
列された固定ターゲット前を通過させることを特徴とす
るスパッタリング方法。 - 【請求項9】 複数個のターゲットセグメントの中で、
最外方両端に位置するターゲットセグメントからの成膜
速度を最も速くしてスパッタリングを行うことを特徴と
する請求項8記載のスパッタリング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11228594A JP2000129436A (ja) | 1998-08-19 | 1999-08-12 | インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-232980 | 1998-08-19 | ||
JP23298098 | 1998-08-19 | ||
JP11228594A JP2000129436A (ja) | 1998-08-19 | 1999-08-12 | インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129436A true JP2000129436A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=26528345
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11228594A Withdrawn JP2000129436A (ja) | 1998-08-19 | 1999-08-12 | インライン型スパッタリング装置およびスパッタリング方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129436A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1999
- 1999-08-12 JP JP11228594A patent/JP2000129436A/ja not_active Withdrawn
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