JPH09241840A - マグネトロンスパッタ装置 - Google Patents

マグネトロンスパッタ装置

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JPH09241840A
JPH09241840A JP7962596A JP7962596A JPH09241840A JP H09241840 A JPH09241840 A JP H09241840A JP 7962596 A JP7962596 A JP 7962596A JP 7962596 A JP7962596 A JP 7962596A JP H09241840 A JPH09241840 A JP H09241840A
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film
magnetron sputtering
substrate
particles
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JP7962596A
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Yoshiro Shiokawa
善郎 塩川
Keiji Ishibashi
啓次 石橋
Kazufumi Watabe
一史 渡部
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Anelva Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枚葉型マグネトロンスパッタ装置でITO薄
膜等を成膜する場合にターゲットの形態と電源方式を適
切に組合せてITO薄膜等の膜厚・膜特性の均一性を向
上し、パーティクルを低減する。 【解決手段】 放電電源とマグネット装置22を併用して
プラズマ50を生成し、プラズマでイオンを酸化物ターゲ
ット21に衝突させてターゲット材をスパッタし、大型基
板23に透明導電膜を成膜する静止枚葉型マグネトロンス
パッタ装置であり、ターゲットは一体形状を有し、放電
電源に高周波電源41が使用される。一体ターゲットと高
周波電源の各利点が組合される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマグネトロンスパッ
タ装置に関し、特に、液晶ディスプレイ用大型基板上に
透明導電膜(代表的にITO薄膜)を成膜する、全面エ
ロージョン方式の枚葉型マグネトロンスパッタ装置にお
いて、大型の一体ターゲットとこれに適した電源方式の
組合せを採用することにより、当該一体ターゲットの実
用的使用を可能にし、成膜プロセス中に発生するパーテ
ィクルを低減し、作製された薄膜の膜厚および膜特性の
分布を改良したことに関する。
【0002】
【従来の技術】スパッタ法は、例えば、Ar(アルゴ
ン)ガス中でプラズマを生成し、Arイオンをターゲッ
トに衝突させてターゲット物質をはじき出すことによ
り、ターゲットに対向させた基板にターゲット物質を薄
膜として堆積させる薄膜形成方法であり、またマグネト
ロンスパッタ法は、基板上の成膜速度を向上するため、
ターゲット背面にマグネット装置を設けてターゲット表
面近傍に所要の磁場を生成し、プラズマの密度を高くす
るようにしたスパッタ法である。
【0003】以下に、従来例としてマグネトロンスパッ
タ法を利用して基板に例えばITO(Indium Tin Oxid
e:インジウム−錫酸化物)薄膜を成膜する従来のマグ
ネトロンスパッタ装置について、使用する電源方式、膜
厚の均一性、成膜時に基板に付着するパーティクルの観
点で説明する。
【0004】使用する電源方式に関して:マグネトロン
スパッタ装置でプラズマ生成のための放電用電力を得る
方式としては、従来ターゲットに印加される電力方式に
応じてDC方式(直流電源方式)とRF方式(高周波電
源方式)の2種類が存在する。従来では、DC方式が、
ターゲットに供給される電力を調整するための整合器が
不要である点で構造や操作が簡単であり、かつ成膜速度
が高いという理由で、主流となっている。これに対し
て、RF方式は、ターゲットが絶縁物である場合に限り
使用されていた。
【0005】一方、ITO薄膜は透明導電膜として知ら
れ、液晶ディスプレイ装置(以下LCDという)におけ
る透明電極として不可欠な薄膜である。このITO薄膜
を基板に成膜するには一般的にマグネトロンスパッタ装
置が使用されている。マグネトロンスパッタ装置による
ITO薄膜の成膜では、ターゲットにITO材(以下I
TOターゲットという)が使用される。またITOター
ゲットを使用したマグネトロンスパッタ装置によるIT
O薄膜の成膜では、電源として過去ではRF電源が使用
されていた。この理由は、ITOターゲットとして充填
密度が60%までのもの(いわゆる低密度のITOター
ゲット)しか作れず、インピーダンスが高くほとんど絶
縁物に近い状態であり、DC電源を使用することができ
なかったからである。しかしながら近年では、充填密度
70%以上のインピーダンスが十分に低いITOターゲ
ット(いわゆる高密度のITOターゲット)を作ること
ができるようになったのでDC電源を用いることが可能
となり、前述の理由と併せてDC方式が主流になってい
る。
【0006】ITO薄膜等の透明導電膜を成膜するDC
方式の成膜装置を開示する従来の技術文献として、ここ
では、特開平2−232358号公報と特開平3−24
9171号公報を挙げる。特開平2−232358号に
よる透明導電膜の製造装置では、その第1図に示すごと
くプラズマ放電用電源としてDC電源(9)のみを備え
ている。また特開平3−249171号による透明導電
膜の製造装置では、その第2図に示すごとくDC電源
(19)とRF電源(20)を備えているが、DC電源
は放電用電力を供給するための主電源として使用され、
RF電源はスパッタ放電電圧を低下させるためのDC電
源に重畳される副電源として使用されている。
【0007】膜厚の均一性について:次に、マグネトロ
ンスパッタ装置で基板にITO薄膜を成膜する場合、膜
厚の均一性が問題になる。すなわちマグネトロンスパッ
タ装置では、ターゲットの背面に配置されたマグネット
装置が原因で、ターゲットの表面において磁力線がター
ゲット面に平行になる部分を中心としたプラズマが集中
する部分(以下「エロージョン部」という)と、それ以
外の部分(以下「非エロージョン部」という)が形成さ
れ、その結果、エロージョン部に対向する基板箇所と非
エロージョン部に対向する基板箇所との間で成膜速度が
異なり、膜厚が異なる。膜厚の差は、シート抵抗、透過
率、スイッチング速度等の膜特性の差をもたらし、膜の
特性を不均一にする。
【0008】またLCDに使用されるITO薄膜では、
生産性向上のため1枚のガラス基板からLCD用パネル
大の基板を複数枚取り出すようにするため、成膜用基板
は相対的に大型のものとなり、300mm角以上(平面
形状で一辺が300mm以上の矩形形状)の大きさとな
っている。最近の基板の大きさは例えば400mm角程
度であるが、将来的にはさらに大型の600〜700m
m角程度となることが予想される。
【0009】そして、上記のような大型の基板の全体に
おいて、膜厚の基板面内均一性と共に、比抵抗値の均一
性が要求される。
【0010】仮に大型基板において膜厚や比抵抗値のば
らつきが存在すると、ディスプレイ装置として完成され
たときに画面にむらが生じ、LCD製品の品質を低下さ
せることになる。以上のような観点で、マグネトロンス
パッタ装置を用いてITO薄膜を基板に成膜する場合、
膜厚の均一化および比抵抗値の均一化を図る必要があ
る。
【0011】パーティクルに関して:マグネトロンスパ
ッタ装置で基板にITO薄膜を成膜する場合、基板に付
着するパーティクルが大きな問題となる。LCDとして
最終製品とするまでには、ITO成膜後数多くの成膜、
エッチング過程が必要となっており、その際に基板に微
小な異物、すなわちパーティクルが存在しているとこれ
らの過程において部分的に不良を生じ、LCD全体とし
ても不良品となってしまう。半導体製造においてもパー
ティクルの問題は深刻ではあるが、半導体では基板上の
不良のチップのみを使用しなければその他のチップは全
て使用可能である。これに対して、LCDでは一箇所で
も不良があるとその基板全体が全く使用できなくなるの
で、パーティクルの発生は半導体に比べより深刻な問題
である。
【0012】ITOでのパーティクル発生に関しては次
のことが明らかとなっている。ITOターゲットから放
出された原子・分子は基板に到達後、基板上で気相に存
在する酸素と結合して膜として形成される。この時に気
相の酸素の量(分圧)を適当な値として最適な酸化量と
することにより、1〜3×10-4Ωcm程度の比抵抗値の
低い導電性のITO膜が形成される。しかし、放出され
た原子・分子の一部は気相で酸素と結合してしまい、そ
のため微粒子すなわちパーティクルが形成されてしま
う。このパーティクルを、ここでは「気相起源パーティ
クル」と呼ぶことにする。気相起源パーティクルは形成
された後、基板に直接付着したり、ターゲット表面ある
いは周辺に堆積したりする。ターゲット上で常にArイ
オンの衝撃によりスパッタされている場所、いわゆるエ
ロージョン上ではこの気相起源パーティクルもスパッタ
されてしまい、その数は少なく、非エロージョン部上に
多く存在することになる。気相起源パーティクルは気相
で酸素と結合したため最適な酸素量とはならず、比抵抗
値の高い絶縁性となっていると予想される。そのため、
スパッタのための放電により非エロージョン部上に堆積
していた気相起源パーティクルはチャージアップして激
しく飛散するので、成膜中は空間でのパーティクル密度
が高い状態となる。
【0013】また、気相起源パーティクルが堆積したタ
ーゲット表面では、これが核となってターゲット表面に
微小な突起物(以下「ノジュール」という)が発生す
る。このノジュールはターゲットと同成分であることが
分かっている。このノジュールが成長すると先端部が崩
れて微小な粒子、すなわちパーティクルとなる。このパ
ーティクルを、ここでは「ノジュール起源パーティク
ル」と呼ぶことにする。このパーティクルはターゲット
と同成分の導電性であると考えられる。気相起源パーテ
ィクルの存在密度に対応してノジュール起源パーティク
ルもエロージョン部上では少なく、非エロージョン部上
で多くなっている。ITO成膜では、前述の2種類のパ
ーティクルが発生しやすく大きな問題となっている。
【0014】以上の説明で明らかなように、大型の基板
上にITO薄膜を成膜するマグネトロンスパッタ装置で
は、ITO薄膜の膜厚の均一性および比抵抗値の均一性
を高めると共に、成膜プロセス中に発生する前述のパー
ティクルを可能な限り低減するということが要求され
る。このような要求に応えるためには、上記マグネトロ
ンスパッタ装置における成膜処理の形式を検討すること
が必要である。現状では、マグネトロンスパッタ装置で
大型基板にITO薄膜を成膜する場合、バッチ型、イン
ライン型、枚葉型の3つのタイプの成膜処理形式が存在
する。
【0015】バッチ型:バッチ型は、基板を交換する際
には成膜室を大気に開放してから基板交換を行う。この
方式では、成膜室への大気圧ガスの導入、排気のそれぞ
れの過程で大量のパーティクルの発生、基板への付着が
起きる。そこで、パーティクルの低減という観点からみ
ると、このバッチ型は全く不適当な方式といえる。
【0016】インライン型:インライン型のマグネトロ
ンスパッタ装置では、トレイに保持された基板はロード
ロック室を経由して真空槽に導入された後、ターゲット
の上を通過・移動しながら成膜が行われる。インライン
型装置によれば、基板の成膜面の各部はターゲットのエ
ロージョン部と非エロージョン部の各々に対向して通過
するので、最終的に膜厚および膜特性の均一性を達成で
きるという利点を有する。しかし、繰返し使用されるト
レイに厚く成膜されたITO膜が、成膜のための加熱、
冷却により剥がれて先の2種類のパーティクルとは別種
のパーティクルを発生してしまうという非常に深刻な欠
点を有する。
【0017】枚葉型:枚葉型のマグネトロンスパッタ装
置では、複数のプロセス室を中央のロボット室(基板搬
送機構を備える)の周辺に集めた構成を有し、ロボット
室の基板搬送機構によって基板のみが各プロセス室に搬
入され、各プロセス室で基板に対して成膜が行われる。
成膜が行われる工程中、基板はターゲットに対して対向
された状態にある。枚葉型成膜装置によれば、装置構成
が小型かつ簡易になるという特長を持っている。また、
基板のみがプロセス室に搬入されるのでパーティクルの
発生が少ないという大きな特長を備えている。このた
め、最近のLCD用のITO成膜装置としては、この枚
葉型が主流になりつつある。特に、今後パーティクルの
問題がより深刻になるにしたがって、LCD用のITO
成膜装置としては枚葉型のマグネトロンスパッタ装置し
か使用されなくなるものと考えられる。
【0018】しかし枚葉型成膜装置では、成膜中基板は
ターゲットに対向するためターゲット上の不均一性がそ
のまま基板上の膜の不均一になるという問題がある。ま
た、ターゲットの大きさは当然、基板よりも大きいこと
が必要となる。しかし、ITOターゲットは酸化物(セ
ラミック)であるため焼結後に反りが発生しやすく、割
れやすいことなどからサイズの大きなものは製作が非常
に難しい。そのため、現在では、小さく分割されたター
ゲットを4個または6個程度ならべて全体として大きな
ターゲットを構成するようにしている。しかし、このよ
うな分割ターゲットでは、分割された各ターゲット間に
わずかとはいえ必ず隙間ができてしまい、この部分はプ
ラズマの影となりArイオンの衝撃が少なくなってしま
う。これは非エロージョン部上と同様な状況となるた
め、その部分ではノジュールが多く発生しノジュール起
源パーティクルの発生源となっている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】従来の枚葉型のマグネ
トロンスパッタ装置で全面エロージョン方式で大型の基
板上にITO薄膜を成膜する場合、比抵抗値等の膜特性
の基板面内均一化については少なくとも現在のところ達
成している基板面内で10%程度を堅持し、さらにでき
れば当該均一性を向上することが望まれる。またパーテ
ィクルの低減については、現在、基板全体で50個以下
がようやく達成されるところであり、未だ十分なもので
はない。このパーティクルの問題は、将来では、より小
さいパーティクルについてさらに厳しい条件が要求され
ると考えられる。
【0020】以上のことから、大型のLCDを製作する
ための大型基板へのITO薄膜の成膜に使用される枚葉
型のマグネトロンスパッタ装置において、薄膜の膜厚の
均一性および膜特性の均一性、成膜中のパーティクル発
生の低減を達成することが大きな課題となる。
【0021】そこで本発明者らは、上記課題を解決すべ
く、全面エロージョン方式の枚葉型マグネトロンスパッ
タ装置を用いたITO薄膜の成膜において、ターゲット
の形態(分割型ではなく一体型)と、電源としてRF方
式を利用する装置形式を研究し、その結果、RF方式を
利用した枚葉型マグネトロンスパッタ装置によって、膜
厚と膜特性の均一性を維持したままパーティクルの問題
を大幅に解決し得ることを見出した。
【0022】本発明の目的は、全面エロージョン方式の
枚葉型マグネトロンスパッタ装置でITO薄膜等を成膜
する場合において、ターゲットの形態と電源方式を適切
に組合せることにより、ITO薄膜等の膜厚、および膜
特性の均一性を向上する共に、パーティクルの低減を達
成したマグネトロンスパッタ装置を提供することにあ
る。
【0023】
【課題を達成するための手段および作用】第1の本発明
(請求項1に対応)に係るマグネトロンスパッタ装置
は、上記目的を達成するため、放電電源とマグネット装
置を併用してプラズマを生成し、このプラズマを利用し
てイオンを酸化物のターゲットに衝突させてターゲット
材をスパッタし、相対的に大型の基板に透明導電膜を成
膜する枚葉型のマグネトロンスパッタ装置であり、前記
ターゲットは一体形状(単体であって分割されていない
形状)を有し、放電電源に、放電用電力の主たる部分を
供給する高周波電源が使用されるように構成される。
【0024】上記の本発明では、枚葉型マグネトロンス
パッタ装置で相対的に大型の基板にITO薄膜等を成膜
することにおいて、分割ターゲットに比較して一体ター
ゲット(単体であって分割されていない形状を有するタ
ーゲット)が有する有利な点と、直流電源に比較して高
周波電源が有する有利な点が組合され、これによって、
ITO薄膜等の膜厚および膜特性の均一性を向上する共
に、成膜プロセス中に発生するパーティクルを低減す
る。
【0025】第2の本発明(請求項2に対応)に係るマ
グネトロンスパッタ装置は、第1の発明の構成におい
て、ターゲットが、その平面形状が矩形であって平板状
の形状を有し、300mm角以上の相対的に形状を有す
るように構成される。
【0026】第3の本発明(請求項3に対応)に係るマ
グネトロンスパッタ装置は、前記の各発明の構成におい
て、マグネット装置を揺動させる構成とし、もって全面
エロージョン方式で成膜を行うように構成される。
【0027】第4の本発明(請求項4に対応)に係るマ
グネトロンスパッタ装置は、前記の各発明の構成におい
て、マグネット装置が、環状エロージョン部を形成す
る、中心マグネットと外周マグネットからなるユニット
を複数並設して構成される。
【0028】第5の本発明(請求項5に対応)に係るマ
グネトロンスパッタ装置は、前記の各発明の構成におい
て、ターゲットの材質がITOであることを特徴とす
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0030】図1は本発明に係るマグネトロンスパッタ
装置の第1の実施形態の全体的構成を示す外観斜視図で
ある。このマグネトロンスパッタ本装置は、大型基板に
ITO薄膜を均一に形成するための全面エロージョン方
式の枚葉型成膜装置であり、電源としてRF方式(高周
波電源)が用いられ、ターゲットには、平面形状が矩形
で、かつ一体であって、大型基板に対応する相対的に大
型なものが使用される。なお基板上に成膜される薄膜と
しては、ITO薄膜の他にITO薄膜に類似する透明導
電膜が考えられる。また基板としては例えば460×3
60mmの大型のガラス基板が使用される。基板の大き
さについてはそれ以上のものであってもよく、好ましく
は300mm角以上のものが使用される。
【0031】図1において、基板を搬送するための搬送
機構(または搬送ロボット)が収容されるロボット室1
1が中央に設けられ、ロボット室11の周囲にロードロ
ック室12、基板加熱室13、成膜室14が配設され
る。ロボット室11と各室12〜14との間には各室を
互いに隔離するためのバルブ15が配設される。成膜対
象である基板は、装置外部の大気側からロードロック室
12を経由して装置内の真空側に搬入され、ロボット室
11に設けられた搬送機構によって基板が、基板加熱室
13、成膜室14と、予め定められた順序に従って搬送
され、成膜室14内に搬入される。成膜室14に搬入さ
れる基板は、基板加熱室13で加熱された状態にある。
【0032】図2は成膜室14の内部の要部を示す断面
図、図3はマグネットユニットとターゲットと基板の位
置関係を示す平面図である。
【0033】図2において、成膜室14に配置されたタ
ーゲット21は、生成されるプラズマによってスパッタ
される面を下向きにして配置される。ターゲット21
は、分割されたものではなく、一体で形成された形状を
有する平板状のもので、処理対象である基板よりも大き
な形状を有する。
【0034】図4にターゲット21の外観斜視図を示
す。ターゲット21は、従来に比し相対的に大きな形態
を有する平板状の一体ターゲットであり、その平面形状
は好ましくはほぼ長方形である。従来のターゲットとの
比較を示すために、図5に従来の分割型のターゲット1
21の一例を示す。このターゲット121は、6つに分
割された部分から構成される。
【0035】再び図2において、ターゲット21の背面
側(図2中の上面側)にはマグネット組立22が配置さ
れ、ターゲット21の下面側には基板23が例えば静止
状態でターゲット21に対向して配置される。ここでマ
グネット組立22とは、複数のマグネットの配列によっ
て構成される所要磁場を生成するための装置のことであ
る。
【0036】マグネット組立22は、図3に示すように
棒状の中心マグネット25(ターゲット対向面が例えば
N極)とその外側の周囲に配置された矩形環状の外周マ
グネット26(ターゲット対向面が例えばS極)からな
るマグネットユニット27を例えば5組分用意し、これ
らをその長手方向が平行になるように配置することによ
り構成される。このようなマグネット組立22を多連型
マグネット組立と呼ぶ。5組のマグネットユニットは支
持プレート28に固定される。マグネットユニット27
の個数は一般的には4〜6が好ましい。支持プレート2
8は、マグネット移動機構29によって、図2および図
3に示されるようにB方向に往復移動(または揺動)さ
れ、これによってマグネット組立22の全体が往復移動
する。この往復移動は周期的に行われることが望まし
い。マグネット移動機構29は、例えばモータやカム機
構を用いて構成されるが、その他に任意の構成の駆動機
構を採用することができる。
【0037】なお、マグネット25,26の下面からタ
ーゲット表面までの間隔(D)を、T/M間隔という。
ここで、Tはターゲットの略であり、Mはマグネットの
略である。
【0038】また図2で30は周期的に往復移動するマ
グネット組立22の移動軌跡を示し、図3で31は往復
移動における移動距離(または移動幅)を示している。
図3に示すように、平行に配列された5つのマグネット
ユニット27からなるマグネット組立22の形状は、全
体として長方形の形状を有している。マグネット組立2
2が移動距離31で往復移動することによって、マグネ
ット組立22が基板23の全体を覆うように設定されて
いる。
【0039】41はターゲット21に対しプラズマを生
成するための放電用電力を供給するために設けられた高
周波電源(RF電源)である。高周波電源41としては
例えば周波数13.56MHz の高周波を出力するものが
使用され、高周波電源41から出力された高周波は、整
合器42を通して所望の値に調整された状態でターゲッ
ト21に与えられる。
【0040】図6は図2中のA部を拡大して示した図で
ある。図2と図6において、ターゲット21の下面にお
ける50は生成された環状(またはドーナツ状)のプラ
ズマであり、さらに51はエロージョン部、52は非エ
ロージョン部であり、基板23の表面における53はエ
ロージョン対向部(エロージョン部51に対向した基板
の領域)、54は非エロージョン対向部(非エロージョ
ン部52に対向した基板の領域)である。図6に示すご
とく、エロージョン部51は、中心マグネット25と環
状マグネット26の間の環状空間に形成される。非エロ
ージョン部52はエロージョン部51の内側に形成され
る。
【0041】次に、上記マグネトロンスパッタ装置にお
ける動作を説明する。図1で示した成膜室14におい
て、図2に示すように基板23は静止した状態でターゲ
ット21に対向している。ターゲット21の表面上には
マグネット組立22によって磁場(ターゲット表面に垂
直な成分がゼロとなる部分で平行な成分の磁場強度が2
00〜500Gの範囲の磁場)が形成されている。この
成膜室14内に3×10-3Torr程度のAr(アルゴン)
ガスが導入される。なお図2において排気機構およびガ
ス導入機構の図示は省略されている。この状態でターゲ
ット21に高周波電源41から高周波電力が供給される
と、放電が発生し、プラズマ50が生成される。ターゲ
ット21には、ITO材が使用される。成膜時にはAr
ガスに微量のO2 (酸素)ガス(0〜5%)を添加して
薄膜中の酸素含有量を最適に調整する。これは、ITO
薄膜の比抵抗値が酸素含有量により大幅に変化するため
である。
【0042】生成されたプラズマ50は、ターゲット2
1の表面において、当該表面に対し磁力線が平行となる
部分を中心とした領域に集中する。プラズマ50が集中
しているターゲット21上の部分が前述のエロージョン
部51であり、その他の部分が前述の非エロージョン部
52である。これらのターゲット21におけるエロージ
ョン部51、非エロージョン部52のそれぞれに対向す
る基板部分として前述のエロージョン対向部53および
非エロージョン対向部54が決まる。マグネット組立2
2はマグネット移動機構29によって微小な幅31で揺
動するので、これに応じてプラズマ50も揺動する。
【0043】上記実施形態のように、本発明では、プラ
ズマ50を発生させるための放電用電力供給装置として
高周波電源41を用いること、すなわち電源方式に関し
てRF方式を採用すること、および分割されていないタ
ーゲット、すなわち一体ターゲットを使用することによ
って、大型のガラス基板23の上に膜厚および比抵抗値
が均一で、かつパーティクルが非常に少ないITO薄膜
を形成することを可能にした。
【0044】従来の分割ターゲット121でその隙間部
分に起因して生じたノジュール起源パーティクルが、一
体形状のITOターゲットにおいては低減されることを
確認するため、実際に一体ITOターゲットを試作して
みた。
【0045】そして、まず、上記の一体ターゲットを全
面エロージョン方式の枚葉型マグネトロンスパッタ装置
に組込み、DCにてITO薄膜の成膜を実際に多数回行
なった後、パーティクルの量を測定した。その結果、分
割ターゲット121に比べてパーティクルの数はかなり
減少していた。しかしながら、パーティクルの減少数ハ
かならずしも満足されるものではなかった。これは、隙
間がなくなったためノジュール起源パーティクルは大き
く減少したものの、気相起源パーティクルが減少しなか
ったためと考えられる。なぜなら、気相起源パーティク
ルは、ターゲットの分割形状あるいは一体形状には無関
係であると考えられるからである。つまり、ターゲット
の一体形状だけではパーティクルの対策として不十分で
あることが確認された。
【0046】前述の試作されたITOターゲットは50
0mm角程度であるが、予想された通り、反りが発生
し、その大きさは2〜3mm程度であった。この程度の
反りであれば、ターゲットの装置への装着には問題がな
いものの、基板上の膜質の分布には悪い影響を与えるこ
とが予想された。しかし、膜質の分布への影響は、ター
ゲットの反り以外に非常に数多くの要素が絡みあってい
るため、実際の成膜実験において、反りにより膜質の分
布が悪くなったか否かということは、直接確認すること
はできなかった。
【0047】しかしながら、以下に示すように、ターゲ
ットの反りが膜質の分布に悪影響を与えることは容易に
推測できる。
【0048】ターゲットをArで衝撃させる作用を持つ
プラズマの密度やその他の特性は、ターゲット上での磁
場強度に非常に敏感である。そして、この磁場強度は磁
石とターゲット表面までの距離、いわゆるT/M間隔に
強く依存する。これは磁場の形状が放射状的であること
から容易に推測できる。実際に成膜を数多く行ったター
ゲットは、その表面が削れて2〜3mm程度凹んでしま
うが、このようになった時の成膜、および膜質の特性
は、当初の表面が平坦である時に比べると、大きく変わ
ってしまうことはよく知られていることである。従っ
て、一体ターゲットにすることにより反りが発生する
と、ターゲットの場所に依存してT/M間隔が異なり、
その結果、基板の場所に応じて膜質が変化してしまうこ
とになる。すなわち、一体ターゲットでは膜質分布が悪
くなる。図7に、ターゲット21の反りとT/M間隔
(D)の関係を示す。
【0049】しかし、本実施形態による構成では、以下
に述べるように、各種の間接的なデータとこれらを新た
な観点から考察することにより、ターゲットの反りと膜
質分布に関して新規でかつ重要な結論を見出すことがで
きた。
【0050】まず、本発明者が平成7年7月25日に社
団法人、日本工業技術振興協会、スパッタリングおよび
プラズマプロセス技術部会の研究例会で発表した「IT
OスパッタにおけるDC/RFの比較と分圧測定により
酸素添加メカニズムの解析」の表4に注目すると、RF
電源方式、DC電源方式の両方とも磁場の大きさにより
抵抗値が変化していることが分かる。上段のDCの30
0Wと同じ成膜速度のRFは、中段のRFの600W、
T/S=70になるが、この両者における比抵抗値の差
を比較すると、DCの方がRFより2倍も大きい。つま
り、DCの方が磁場の影響に敏感であることが分かる。
【0051】次に、膜質に影響を与える領域は、DCと
RFのそれぞれにおいて、ターゲットと基板の間のどこ
であるかを検討・考察し、その結果から、反りと膜質分
布の関係を導く。
【0052】本出願人が先に出願した特願平6−257
591号(出願日:平成6年9月27日、発明の名称:
「マグネトロンスパッタ装置」)の図5〜図10に示し
た内容およびこれらの図に関連する記載部分(段落[0
052]〜[0058])を要約して述べれば、DCで
は非エロージョン対向部とエロージョン対向部の差が非
常に大きいのに対して、RFではこの差が少ない、とい
う実験結果が開示されている。このことから、膜質に影
響を与える領域は、横方向(ターゲット表面に平行な方
向)に関して、DCではエロージョン上に局在化してい
るのに対して、RFでは全体に広がっていることが分か
る。
【0053】一方、縦方向(ターゲット表面に垂直な方
向)での膜質に影響を与える領域については、どうであ
ろうか。上記の実験で、プラズマの拡がりを目視で確認
したところ、DCではプラズマはターゲット表面のエロ
ージョン上付近に局在化しているのに対して、RFでは
プラズマは基板付近にまで拡がっていた。また、上記
「ITOスパッタにおけるDC/RFの比較と分圧測定
により酸素添加メカニズムの解析」の図2と図11、あ
るいは図6と図10によれば、基板全面にメッシュを設
置すると、RFでは大きく特性が変化するのに対して、
DCでは変化がほとんどないことが分かる。以上の事柄
から考えると、膜質に影響を与える領域は、縦方向に関
してもDCではターゲット表面上に局在化しているのに
対して、RFでは全体に広がっていると判断される。
【0054】以上まとめると、膜質に対しての磁場の影
響は、DCの方がRFより2倍程度も大きく、しかも膜
質に影響を与える領域はDCの方がターゲット表面上に
局在化していることが判明した。一方、図7より、ター
ゲットに反りがあるとT/M間隔が変化し、ターゲット
表面の磁場の大きさが変化する。これらのことから推測
すると、ターゲットに反りがあった場合、その影響はD
Cの方がRFより非常に大きくなるものと判断できるで
あろう。この影響は、反りの大きさに対応してすなわち
横方向に異なってくる。つまり、膜質の分布を悪くして
しまう。従って、ターゲットに反りがあった場合、DC
では膜質の分布が非常に悪くなるが、RFではあまり分
布が悪くならないと結論することができる。
【0055】前記の実験で、一体ターゲットに割れは発
生しなかった。しかし、ターゲットは酸化物(セラミッ
ク)で本質的に割れやすい上に、ターゲットの厚み5〜
10mmに対して、幅は400mm以上、現状でも50
0mm程度なので幅方向に熱ひずみが発生すれば容易に
割れてしまうと考えられる。完全に割れないにしても、
簡単にひびが入ったりする。これにより成膜が不安定に
なるだけでなく、直接、間接にパーティクルを増加させ
る。
【0056】ターゲットの割れに関しては次のように考
えられる。前述したように、DCではプラズマがターゲ
ット表面のエロージョン上に集中しているのに対して、
RFでは横方向にもエロージョン上だけでなく非エロー
ジョン上にまでほぼ一様に広がっている。また、長時間
成膜を行ったターゲットの表面は削れて凹状になるが、
この幅はDCに比べてRFの方が広くなることはよく知
られている。
【0057】上記のことから、DCでは、衝撃するAr
イオンがターゲット表面のエロージョン上のかなり狭い
範囲に集中しているのに対して、RFではかなり広い範
囲に拡がっている。つまり、Arイオンの衝撃によるタ
ーゲットに対する入熱の分布は、DCでは局在化してい
るのに対してRFでは緩やかに拡がっている。従って、
ターゲットの熱ひずみはRFの方がDCよりかなり小さ
いと考えられる。この点からターゲットの熱ひずみの小
さなRFの方がDCよりターゲットの割れの可能性が少
ないと考えられる。
【0058】上記のDCとRFの熱ひずみの比較は同一
形状でのマグネットユニットにおいて行われたものであ
る。実際の装置では、さらにマグネットユニットの形
状、大きさ、数が問題となる。本実施形態では、5組の
細長い矩形のマグネットユニットを同時に放電させてい
る。成膜における均一性のみを考えると、1組の細長い
矩形のマグネットユニットをターゲットの端から端まで
動揺させることによっても達成される。むしろ、ターゲ
ットユニット間の一様性を考慮する必要がないため、1
組の方が有利とも考えられる。しかし、熱ひずみを考え
ると、一式ではターゲットの各場所で入熱の強弱が繰り
返されるので、非常に好ましくない。本実施形態の複数
のマグネットユニットを同時に放電させる方式では、タ
ーゲットに対して一様な入熱が期待されるので、ターゲ
ットの割れが起こりにくいと考えられる。
【0059】またRFによりパーティクルを直接低減す
る効果も存在することが、以下のように推測される。
【0060】一体ターゲットによっても低減しない気相
起源パーティクルは絶縁性であるので、非エロージョン
部上に堆積した気相起源パーティクルは、放電時にチャ
ージアップして飛散し、空間に舞い上がると考えられ
た。しかし、この放電がDCの場合には当然パーティク
ルはチャージアップするが、RFでは電荷の一方的な流
れがないためチャージアップはほとんど発生しないと考
えられる。実際、RFでは絶縁性のターゲットでもチャ
ージアップなしにスパッタ成膜が可能であることは周知
の事実である。また前述した「ITOスパッタにおける
DC/RFの比較と分圧測定により酸素添加メカニズム
の解析」の表2に注目すると、DCではターゲット電圧
は350Vにまで達するが、RFでは100V以下と非
常に小さい。そこで、万一チャージアップしたとしても
その電圧はRFの方が小さく、飛散の程度は小さいと考
えられる。従って、気相起源パーティクルが非エロージ
ョン部上に堆積していても、RFの場合には、空間に舞
い上がることがなく、基板に付着することが少ないと考
えられる。
【0061】一体ターゲットにRFを適用した場合、R
Fの第2の問題点である異常放電については、次のよう
に考えることができる。小型の実験装置によるITO成
膜のRF実験によると、RFでの異常放電は、他の異常
放電(ITOのDCでの異常放電、あるいは他の材料で
のRFによる異常放電)とは現象が非常に異なってい
る。ITOのRFでの異常放電は、放電中にターゲット
表面のあるところから直径0.5mm程度の明るく輝く
火球が発生し、すぐにエロージョン部上を毎秒数回程度
の速さで回転する。そのまま数秒間回転して消失するこ
ともあるし、数分間も持続する場合もある。後でターゲ
ット表面を調べると、エロージョン部上に深さ0.1〜
0.2mm程度の削れた跡がはっきりと観察できる。
【0062】この状況から推測すると、異常放電の原因
はターゲット表面から小さなITOの塊が脱離し、これ
に電荷が集中することと考えられる。分割ターゲットで
は各隙間でのエッジ部や隙間付近に多く存在するノジュ
ールから小さなITOの塊が脱離し、RFの異常放電が
非常に多くなる可能性がある。これに対して、一体ター
ゲットであればターゲットの表面が平滑で突起物がない
ので、異常放電はかなり低減されるものと予想される。
【0063】以上に述べた本発明の特徴をまとめると次
のようになる。 (1)一体ターゲットのため隙間がなく、ノジュール起
源パーティクルの発生が少ない。 (2)RFのためチャージアップがなく、気相起源パー
ティクルの基板への付着が少ない。 (3)一体ターゲットでは反りが発生するが、RFを用
いることでそれによる分布劣化が少ない。 (4)一体ターゲットは割れやすいが、RFを用いれ
ば、熱ひずみが小さく割れにくい。 (5)一体ターゲットは割れやすいが、多連マグネット
ユニットでは熱ひずみが小さく割れにくい。 (6)RFは異常放電が問題となるが、一体ターゲット
では表面が平坦なので異常放電の発生が少ない。
【0064】以上のような特徴により、本発明によれ
ば、大型基板に対してパーティクルが非常に少なく、し
かも膜質の分布が良好なITO成膜が行える。
【0065】前述の実施形態では、ターゲットに対して
プラズマを生成するための放電用電力を供給する電源と
して高周波電源(RF)のみを使用するようにしたが、
高周波電源(RF)を主たる電力を供給するための主電
源とし、その他に副電源として直流電源(DC)を付加
するように構成することもできる。
【0066】前記実施形態ではITO薄膜の成膜例を説
明したが、透明導電膜としてはITO薄膜に限定されな
い。Sn,Zn,Cd酸化物と基本構成として必要に応
じてドナーとなる元素を添加したITO薄膜と類似の構
造を持った透明導電膜に対しても本発明を適用できるの
は勿論である。
【0067】前記実施形態ではRF方式として周波数が
13.56MHz のものを説明したが、この周波数に限定
されない。例えば40MHz や60MHz でもかまわない。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、全面エロージョン方式の枚葉型マグネトロンスパ
ッタ装置によってITO薄膜等を成膜する場合におい
て、一体ターゲットとRF電源を組合せるように構成し
たため、ITO薄膜等の膜厚および膜特性の均一性を向
上し、パーティクルを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネトロンスパッタ装置の代表
的実施形態の全体的構成を示す外観斜視図である。
【図2】成膜室の概略構成の断面図である。
【図3】成膜室におけるマグネットユニットとターゲッ
トと基板の位置関係を示す平面図である。
【図4】一体ターゲットの外観斜視図である。
【図5】従来の分割ターゲットの外観斜視図である。
【図6】図2におけるA部拡大図である。
【図7】ターゲットの反りとT/M間隔の関係図であ
る。
【符号の説明】
11 ロボット室 12 ロードロック室 13 基板加熱室 14 成膜室 15 バルブ 21 ターゲット 22 マグネット組立 23 基板 25 中心マグネット 26 外周マグネット 27 マグネットユニット 29 マグネット移動機構 41 高周波電源 42 整合器 50 プラズマ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電電源とマグネット装置を併用してプ
    ラズマを生成し、このプラズマを利用してイオンを酸化
    物ターゲットに衝突させてターゲット材をスパッタし、
    相対的に大型の基板に透明導電膜を成膜する枚葉型のマ
    グネトロンスパッタ装置において、 前記ターゲットは一体形状を有し、 前記放電電源は、放電用電力の主たる部分を供給する高
    周波電源である、 ことを特徴とするマグネトロンスパッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記ターゲットは平面形状が矩形で平板
    状の形状を有し、300mm角以上の大きさを有するこ
    とを特徴とする請求項1記載のマグネトロンスパッタ装
    置。
  3. 【請求項3】 前記マグネット装置を揺動することによ
    り全面エロージョン方式で成膜が行われることを特徴と
    する請求項1または2記載のマグネトロンスパッタ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記マグネット装置は、環状エロージョ
    ン部を形成する、中心マグネットと外周マグネットから
    なるユニットを複数並設してなることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項にマグネトロンスパッタ装置。
  5. 【請求項5】 前記ターゲットの材質はITOであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のマグ
    ネトロンスパッタ装置。
JP7962596A 1996-03-07 1996-03-07 マグネトロンスパッタ装置 Pending JPH09241840A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003264307A (ja) * 2002-03-11 2003-09-19 Sharp Corp 薄膜太陽電池及びその製造方法
JP2012227503A (ja) * 2010-08-18 2012-11-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 成膜装置及び成膜方法
CN104060234A (zh) * 2014-06-30 2014-09-24 宇龙计算机通信科技(深圳)有限公司 一种溅镀装置及溅镀方法

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JP2012227503A (ja) * 2010-08-18 2012-11-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 成膜装置及び成膜方法
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