JPH11332508A - 黒米の色素の抽出方法および着色製品の製造方法 - Google Patents
黒米の色素の抽出方法および着色製品の製造方法Info
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- JPH11332508A JPH11332508A JP14123798A JP14123798A JPH11332508A JP H11332508 A JPH11332508 A JP H11332508A JP 14123798 A JP14123798 A JP 14123798A JP 14123798 A JP14123798 A JP 14123798A JP H11332508 A JPH11332508 A JP H11332508A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 黒米より、簡易かつ安全な方法で赤色色素を
抽出し、これを酒類、食品、あるいは飲料の製造のため
に利用する。 【構成】 黒米の糠を水に入れ、これを沸騰して浮上す
る不純物を取り除く。この後、固液分離して赤紫色の液
体を得る。あるいはこれを乾燥して粉末赤紫色の色素を
得る。得られた色素を酒類、加工食料品あるいは飲料の
製造工程で添加する。
抽出し、これを酒類、食品、あるいは飲料の製造のため
に利用する。 【構成】 黒米の糠を水に入れ、これを沸騰して浮上す
る不純物を取り除く。この後、固液分離して赤紫色の液
体を得る。あるいはこれを乾燥して粉末赤紫色の色素を
得る。得られた色素を酒類、加工食料品あるいは飲料の
製造工程で添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は黒米の色素、その抽
出方法、およびそれを用いた着色製品の製造方法に関す
る。
出方法、およびそれを用いた着色製品の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、酒類および飲料を始め、一般食料
品に至るまで、様々に多様化した製品が市場に出てい
る。このような製品の中で、食欲増進のためや美感を高
めるために着色が施されているものは数多い。
品に至るまで、様々に多様化した製品が市場に出てい
る。このような製品の中で、食欲増進のためや美感を高
めるために着色が施されているものは数多い。
【0003】食品を着色する添加物に関しては、人体に
及ぼす影響に鑑みて、法律により限定された一部の物質
にのみ使用が許可されている。しかしながら、最近、化
学合成物質の添加物による弊害が指摘されている。例え
ばアトピ−性皮膚炎や各種の疾病の原因が化学合成物質
の添加物の多用によるものではないかという懸念もあ
る。消費者も化学合成物質を避け、天然の色素を用いた
製品を嗜好する傾向にある。
及ぼす影響に鑑みて、法律により限定された一部の物質
にのみ使用が許可されている。しかしながら、最近、化
学合成物質の添加物による弊害が指摘されている。例え
ばアトピ−性皮膚炎や各種の疾病の原因が化学合成物質
の添加物の多用によるものではないかという懸念もあ
る。消費者も化学合成物質を避け、天然の色素を用いた
製品を嗜好する傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】天然の色素が要望され
ているにもかかわらず、このような色素で、天然から見
だされている例は少ない。あるいは、色素が見いだされ
てもそれを簡易に抽出する方法がなく抽出の過程で化学
合成物質を用いたり、煩雑な工程を経ているために、完
全に安全な食品添加物を望む声に答えているとは言えな
かった。
ているにもかかわらず、このような色素で、天然から見
だされている例は少ない。あるいは、色素が見いだされ
てもそれを簡易に抽出する方法がなく抽出の過程で化学
合成物質を用いたり、煩雑な工程を経ているために、完
全に安全な食品添加物を望む声に答えているとは言えな
かった。
【0005】本発明の目的は、天然色素を簡易かつ安全
な方法で得ることにある。
な方法で得ることにある。
【0006】本発明の別の目的は、簡易かつ安全な方法
で得られた天然の色素を、酒類、食料品、あるいは飲料
の製造のために用いることにある。
で得られた天然の色素を、酒類、食料品、あるいは飲料
の製造のために用いることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、黒
米に多量に含まれる天然色素のアントシアンに着目し、
この天然色素を、化学的合成物質を一切用いず簡易かつ
安全な方法で抽出することおよびその色素を酒類、食料
品、あるいは飲料に利用することに関して鋭意検討を重
ねた結果、本発明に至ったのである。
米に多量に含まれる天然色素のアントシアンに着目し、
この天然色素を、化学的合成物質を一切用いず簡易かつ
安全な方法で抽出することおよびその色素を酒類、食料
品、あるいは飲料に利用することに関して鋭意検討を重
ねた結果、本発明に至ったのである。
【0008】本発明に係る黒米の色素の要旨とするとこ
ろは、黒米の糠から水で抽出されたことにある。
ろは、黒米の糠から水で抽出されたことにある。
【0009】次に、本発明に係る黒米の色素の抽出方法
の要旨とするところは、黒米の糠から水で色素を抽出さ
れたことにある。
の要旨とするところは、黒米の糠から水で色素を抽出さ
れたことにある。
【0010】さらに、本発明に係る黒米の色素の抽出方
法の他の要旨とするところは、黒米の糠を水と混合して
加熱する工程および混合液をろ過して濃い赤紫色の液体
を得る工程を含むことにある。
法の他の要旨とするところは、黒米の糠を水と混合して
加熱する工程および混合液をろ過して濃い赤紫色の液体
を得る工程を含むことにある。
【0011】好ましくは、この抽出方法の黒米の糠を水
と混合して加熱する工程において、液面に浮上した不純
物を除去する過程を含む。
と混合して加熱する工程において、液面に浮上した不純
物を除去する過程を含む。
【0012】本発明に係る黒米の色素を利用した着色製
品の製造方法の要旨とするところは、酒類、飲料、およ
び加工食料品からなる群より選択される1の製品の製造
のために、黒米の糠から水で抽出される色素を原料の一
部として用いることにある。
品の製造方法の要旨とするところは、酒類、飲料、およ
び加工食料品からなる群より選択される1の製品の製造
のために、黒米の糠から水で抽出される色素を原料の一
部として用いることにある。
【0013】好ましくは、この着色製品の製造方法にお
いて、前記原料の一部は、仕込み水である。
いて、前記原料の一部は、仕込み水である。
【0014】本発明の用語「黒米」は、赤紫色の色素層
を有し、黒色の外観を呈する例えば紫黒米などの米をい
う。一般的に、黒米は、古くからタイ北部、ミャンマー
北部、中国等で栽培されており、日本では農林水産省の
農業研究センターで交配された「朝紫」が代表的であ
る。栽培はどこでもできるが、寒冷地の方が色素が豊か
になり、色素抽出用には、特に東北産の黒米が好まし
い。
を有し、黒色の外観を呈する例えば紫黒米などの米をい
う。一般的に、黒米は、古くからタイ北部、ミャンマー
北部、中国等で栽培されており、日本では農林水産省の
農業研究センターで交配された「朝紫」が代表的であ
る。栽培はどこでもできるが、寒冷地の方が色素が豊か
になり、色素抽出用には、特に東北産の黒米が好まし
い。
【0015】本発明の用語「糠」は、玄米の糠層、すな
わち、果皮、種皮、および糊粉層を含む部分を意味す
る。具体的には、玄米を精米機で削って得られる米の外
側部分を指す。
わち、果皮、種皮、および糊粉層を含む部分を意味す
る。具体的には、玄米を精米機で削って得られる米の外
側部分を指す。
【0016】本発明の用語「仕込み水」は、酒類、飲料
あるいは加工食品の製造において用いられる原料として
の水をいう。例えば、清酒製造過程のもろみ発酵工程に
おける初添、仲添、あるいは留添において用いられる仕
込み水、飲料製造の際に濃縮された成分を希釈するため
の水、あるいは和菓子等の製造工程において、もち米を
炊くのに用いられる水などを指す。
あるいは加工食品の製造において用いられる原料として
の水をいう。例えば、清酒製造過程のもろみ発酵工程に
おける初添、仲添、あるいは留添において用いられる仕
込み水、飲料製造の際に濃縮された成分を希釈するため
の水、あるいは和菓子等の製造工程において、もち米を
炊くのに用いられる水などを指す。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の黒米から色素を抽出する
ために用いられる水には、通常の飲料水、例えば水道水
あるいは井戸水などを用いることができ、さらに硬水あ
るいは軟水のいずれもが使用でき、特に限定されない。
ただし、好ましくは、色素を利用して製造する製品の種
類に応じて適当な水が選択される。例えば、この製品
は、清酒などの酒類、清涼飲料水、あるいは加工した食
品であり得る。
ために用いられる水には、通常の飲料水、例えば水道水
あるいは井戸水などを用いることができ、さらに硬水あ
るいは軟水のいずれもが使用でき、特に限定されない。
ただし、好ましくは、色素を利用して製造する製品の種
類に応じて適当な水が選択される。例えば、この製品
は、清酒などの酒類、清涼飲料水、あるいは加工した食
品であり得る。
【0018】色素を抽出するための黒米の糠は、通常の
玄米から糠を採る方法により得られる。例えば、黒米の
玄米を精米機で削ることにより、糠が得られる。このと
き、玄米の体積の約1%から11%、好ましくは、約2
%から8%、より好ましくは約3から5%を削る。
玄米から糠を採る方法により得られる。例えば、黒米の
玄米を精米機で削ることにより、糠が得られる。このと
き、玄米の体積の約1%から11%、好ましくは、約2
%から8%、より好ましくは約3から5%を削る。
【0019】色素を抽出するために黒米の糠を用いるの
は、黒米の果皮、種皮、および糊粉層の部分に色素成分
が含まれており、この色素を簡易に効率的に抽出するた
めである。
は、黒米の果皮、種皮、および糊粉層の部分に色素成分
が含まれており、この色素を簡易に効率的に抽出するた
めである。
【0020】従って、玄米の体積の1%以下を削る場
合、精白した黒米に色素成分が多量に残存しており、黒
米に含まれる色素を効率的に抽出できなくなる。一方、
玄米の体積の11%以上を削る場合、得られる糠部に、
色素抽出には不要な胚乳部分が含まれることとなり、好
ましくない。
合、精白した黒米に色素成分が多量に残存しており、黒
米に含まれる色素を効率的に抽出できなくなる。一方、
玄米の体積の11%以上を削る場合、得られる糠部に、
色素抽出には不要な胚乳部分が含まれることとなり、好
ましくない。
【0021】本発明の黒米の色素は、糠を水に入れて加
熱することにより得られる。糠と水の割合は特に限定さ
れないが、好ましくは糠1kgに対して、水を10リッ
トルからl00リットルの割合で、より好ましくは水を
約30リットルから約60リットルの割合で加える。
熱することにより得られる。糠と水の割合は特に限定さ
れないが、好ましくは糠1kgに対して、水を10リッ
トルからl00リットルの割合で、より好ましくは水を
約30リットルから約60リットルの割合で加える。
【0022】糠1kgに対して水の量を10リットル以
下にした場合、色素成分が水中ですぐに飽和状態に達
し、固形成分中に色素が残存して効率よく色素を抽出す
ることができない。糠1kgに対して水の量を100リ
ットル以上にした場合、水中の色素成分の濃度が低くな
る。このため、色素を利用して清酒などの食品を十分に
着色しようとすると、多量の色素抽出液が必要となる
か、あるいは色素抽出液の濃縮などに長時間を要するこ
ととなり、好ましくない。
下にした場合、色素成分が水中ですぐに飽和状態に達
し、固形成分中に色素が残存して効率よく色素を抽出す
ることができない。糠1kgに対して水の量を100リ
ットル以上にした場合、水中の色素成分の濃度が低くな
る。このため、色素を利用して清酒などの食品を十分に
着色しようとすると、多量の色素抽出液が必要となる
か、あるいは色素抽出液の濃縮などに長時間を要するこ
ととなり、好ましくない。
【0023】加熱は、糠と水の混合物の表面に不純物が
分離可能な状態で浮上してくるまで行なうことが好まし
い。このためには通常の状態で沸騰するまで加熱するこ
とが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。例え
ば、90℃以上に温度を上昇させれば不純物が分離可能
になる。あるいは減圧下において沸騰させ、不純物の浮
上を促すこともできる。
分離可能な状態で浮上してくるまで行なうことが好まし
い。このためには通常の状態で沸騰するまで加熱するこ
とが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。例え
ば、90℃以上に温度を上昇させれば不純物が分離可能
になる。あるいは減圧下において沸騰させ、不純物の浮
上を促すこともできる。
【0024】加熱の時間は約30分から120分が好ま
しいが、必ずしもこれに限定されない。加熱時間が短い
場合、色素が水中に十分抽出されない。さらに糠に含ま
れる油成分あるいは他の成分とが結合した不純物が分離
可能な状態まで液表面に浮上せず、得られる色素液に不
純物が含まれ、色素を添加する製品の味や質の低下の原
因となる。一方、加熱時間が120分以上となった場
合、色素の抽出は一定レベルを超えることはなく、時間
をかけることが無意味となる。
しいが、必ずしもこれに限定されない。加熱時間が短い
場合、色素が水中に十分抽出されない。さらに糠に含ま
れる油成分あるいは他の成分とが結合した不純物が分離
可能な状態まで液表面に浮上せず、得られる色素液に不
純物が含まれ、色素を添加する製品の味や質の低下の原
因となる。一方、加熱時間が120分以上となった場
合、色素の抽出は一定レベルを超えることはなく、時間
をかけることが無意味となる。
【0025】加熱を一定の時間行なった後、混合液をろ
過して表面に浮いている不純物と液中の固形成分とを液
体成分から取り除くことにより、濃い赤紫色の液体を得
ることができる。
過して表面に浮いている不純物と液中の固形成分とを液
体成分から取り除くことにより、濃い赤紫色の液体を得
ることができる。
【0026】あるいは表面に浮上してきた不純物を、例
えば柄杓あるいは目の細かい網などを用いてすき取り除
去する。不純物の除去は、浮上してくる度に何回かに分
けて行うこともできるし一度で除去することもできる。
この表面に浮いてきた不純物は、糠に含まれる油性分あ
るいは糠中の他の成分である。
えば柄杓あるいは目の細かい網などを用いてすき取り除
去する。不純物の除去は、浮上してくる度に何回かに分
けて行うこともできるし一度で除去することもできる。
この表面に浮いてきた不純物は、糠に含まれる油性分あ
るいは糠中の他の成分である。
【0027】不純物除去後、固形成分が混合している液
体をろ過し、固形分と液体とを分離し得る。ろ過の方法
は特に限定されず、例えば、ろ布あるいはろ紙を用いる
通常の方法で行われ得る。
体をろ過し、固形分と液体とを分離し得る。ろ過の方法
は特に限定されず、例えば、ろ布あるいはろ紙を用いる
通常の方法で行われ得る。
【0028】上述のようにして得られた濃い赤紫色の液
体は、黒米から抽出された色素として、そのまま酒類、
食料品、あるいは飲料の製造に利用され得る。
体は、黒米から抽出された色素として、そのまま酒類、
食料品、あるいは飲料の製造に利用され得る。
【0029】あるいは、上述の赤紫色の液体をさらに濃
縮して酒類、食料品、あるいは飲料の製造に利用するこ
ともできる。濃縮の方法は、特に限定されない。加熱し
て液体を沸騰させ濃縮する方法あるいは減圧蒸留により
濃縮する方法などが好ましく用いられる。
縮して酒類、食料品、あるいは飲料の製造に利用するこ
ともできる。濃縮の方法は、特に限定されない。加熱し
て液体を沸騰させ濃縮する方法あるいは減圧蒸留により
濃縮する方法などが好ましく用いられる。
【0030】このようにして得られた濃縮液をさらに乾
燥させて固体の色素を得ることもできる。
燥させて固体の色素を得ることもできる。
【0031】得られた色素を含む液または固体の色素
は、例えば赤紫色を呈する酒類を製造するのに用いら
れ、着色剤として作用し得る。特に清酒の製造には、関
連法規により原料などが規定されており、食品添加物と
して法律で許可されている着色料を清酒の製造工程で加
えることはできないが、米を原料とした本発明の色素
は、清酒の製造に好ましく用いられ得る。
は、例えば赤紫色を呈する酒類を製造するのに用いら
れ、着色剤として作用し得る。特に清酒の製造には、関
連法規により原料などが規定されており、食品添加物と
して法律で許可されている着色料を清酒の製造工程で加
えることはできないが、米を原料とした本発明の色素
は、清酒の製造に好ましく用いられ得る。
【0032】酒の種類は特に限定されないが、好ましく
は清酒である。色素または色素を含む液は清酒製造のい
ずれの段階で加えてもよいが、酵母、水、蒸米からなる
もとの製造段階、あるいは醪発酵工程の初添、仲添、留
添のいずれかの段階で、仕込み水として色素を含む液体
を加えるのが好ましい。四段仕込みにしていずれかの段
階で、色素を含む液体を加えても良い。
は清酒である。色素または色素を含む液は清酒製造のい
ずれの段階で加えてもよいが、酵母、水、蒸米からなる
もとの製造段階、あるいは醪発酵工程の初添、仲添、留
添のいずれかの段階で、仕込み水として色素を含む液体
を加えるのが好ましい。四段仕込みにしていずれかの段
階で、色素を含む液体を加えても良い。
【0033】色素あるいは色素を含む液は、例えば赤色
あるいは赤紫色を呈する食料品、特に菓子類に好ましく
用いられ得る。菓子は、洋菓子でも和菓子でもよく、例
えば、餅菓子、キャンデー類、冷菓類などである。餅菓
子に用いる場合、例えば、餅の形状にする前に原料を練
る際に色素を含む液を仕込み水として他の原料に加え
る。アイスクリームなどの冷菓の製造の際は、牛乳、砂
糖、安定剤などの原料とともに色素を含む液を混合し、
その後に氷結させ得る。
あるいは赤紫色を呈する食料品、特に菓子類に好ましく
用いられ得る。菓子は、洋菓子でも和菓子でもよく、例
えば、餅菓子、キャンデー類、冷菓類などである。餅菓
子に用いる場合、例えば、餅の形状にする前に原料を練
る際に色素を含む液を仕込み水として他の原料に加え
る。アイスクリームなどの冷菓の製造の際は、牛乳、砂
糖、安定剤などの原料とともに色素を含む液を混合し、
その後に氷結させ得る。
【0034】さらに、本発明の色素は、例えば清涼飲料
水に混合され、着色作用を発揮し得る。
水に混合され、着色作用を発揮し得る。
【0035】本発明の黒米から得られる色素の抽出方法
およびそれを利用した着色製品の製造方法の実施例を以
下に示すが、色素抽出の条件や色素の利用態様は、以下
の例に限定されない。すなわち、本発明は、発明の趣旨
を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々なる改
良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
およびそれを利用した着色製品の製造方法の実施例を以
下に示すが、色素抽出の条件や色素の利用態様は、以下
の例に限定されない。すなわち、本発明は、発明の趣旨
を逸脱しない範囲で、当業者の知識に基づき種々なる改
良、修正、変形を加えた態様で実施し得るものである。
【0036】
【実施例】実施例1 黒米から色素を抽出する方法を以下に示す。
【0037】まず、黒米の玄米を精米機で削り、精米歩
合96%として、米糠を得た。米糠2kgを水82リッ
トルに入れ混合し、約60分間加熱し、沸騰させた。6
0分後、沸騰している液体の表面に浮いた油成分などの
不純物を、杓子によりすきとって除去した。除去は不純
物が浮上する度に行った。不純物の除去後、赤紫色にな
って液体中の固体成分を取り除くため、濾紙を用いて濾
過し、液体と固体とを分離した。この操作によって得ら
れた色素を含む液は、40リットルであった。この液体
をさらに加熱して沸騰させ、濃縮した赤紫色の色素液2
0リットルを得た。以上の操作を10回繰り返して、合
計200リットルの赤紫色の色素液を得た。
合96%として、米糠を得た。米糠2kgを水82リッ
トルに入れ混合し、約60分間加熱し、沸騰させた。6
0分後、沸騰している液体の表面に浮いた油成分などの
不純物を、杓子によりすきとって除去した。除去は不純
物が浮上する度に行った。不純物の除去後、赤紫色にな
って液体中の固体成分を取り除くため、濾紙を用いて濾
過し、液体と固体とを分離した。この操作によって得ら
れた色素を含む液は、40リットルであった。この液体
をさらに加熱して沸騰させ、濃縮した赤紫色の色素液2
0リットルを得た。以上の操作を10回繰り返して、合
計200リットルの赤紫色の色素液を得た。
【0038】実施例2 実施例1で得られた黒色の色素液を、原料の一部として
清酒の製造に用いた。
清酒の製造に用いた。
【0039】清酒の製造は、日本晴れ298kgを原料
米として用いた。精米から製麹および酒母の製造までは
通常の酒づくりと同様にして行なった。もろみの発酵工
程において、1日目の初添および3日めの仲添は、仕込
み水として、通常の水を用いた。次の4日目の留添の段
階で、実施例1で得られた濃縮した赤紫色色素液と水と
を60:40の割合で混合した液170リットルを仕込
み水として用いた。その後常法に従って、約25日間発
酵を行なった。
米として用いた。精米から製麹および酒母の製造までは
通常の酒づくりと同様にして行なった。もろみの発酵工
程において、1日目の初添および3日めの仲添は、仕込
み水として、通常の水を用いた。次の4日目の留添の段
階で、実施例1で得られた濃縮した赤紫色色素液と水と
を60:40の割合で混合した液170リットルを仕込
み水として用いた。その後常法に従って、約25日間発
酵を行なった。
【0040】得られた熟成醪681リットルを酒袋にい
れ圧搾して液部と酒粕とにわけ、清酒559リットルを
得た。得られた清酒をおり引きして、生酒としてそのま
ま、あるいは火入れして瓶詰を行った。得られた清酒
は、あざやかな赤紫色を呈した。
れ圧搾して液部と酒粕とにわけ、清酒559リットルを
得た。得られた清酒をおり引きして、生酒としてそのま
ま、あるいは火入れして瓶詰を行った。得られた清酒
は、あざやかな赤紫色を呈した。
【0041】実施例3 実施例1で得られた色素液を原料の一部として、和菓子
の製造に利用した。
の製造に利用した。
【0042】糯米5合を洗い、ザルにあげて約1時間放
置する。この糯米を、ほぼ同量の実施例1で得られた色
素液に漬け、通常の方法で炊いた。
置する。この糯米を、ほぼ同量の実施例1で得られた色
素液に漬け、通常の方法で炊いた。
【0043】炊き上がった糯米はうっすらとした紅色を
呈しており、そのままでも美感を有していた。この炊き
上がった糯米を、通常の餅つきの要領でつき、餅を形成
した。でき上がった餅は、うっすらとした紅色を呈し、
食欲を増進する外観であった
呈しており、そのままでも美感を有していた。この炊き
上がった糯米を、通常の餅つきの要領でつき、餅を形成
した。でき上がった餅は、うっすらとした紅色を呈し、
食欲を増進する外観であった
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、黒米から天然の赤紫色
素を簡易かつ安全な方法で得ることができる。
素を簡易かつ安全な方法で得ることができる。
【0045】さらに本発明によれば、簡易かつ安全な方
法で得られた黒米の色素を、酒類、食料品、あるいは飲
料の製造のために使用することができる。
法で得られた黒米の色素を、酒類、食料品、あるいは飲
料の製造のために使用することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 黒米の糠を水と混合して加熱する工程お
よび混合液をろ過して赤紫色の液体を得る工程を含むこ
とを特徴とする黒米の色素の抽出方法。 - 【請求項2】 前記黒米の糠を水と混合して加熱する工
程において、液面に浮上した不純物を除去する過程を含
むことを特徴とする、請求項1に記載の黒米の色素の抽
出方法。 - 【請求項3】 酒類、飲料、および加工食料品からなる
群より選択される1つの製品の製造方法において、請求
項1または2に記載の黒米の色素の抽出方法で得られた
黒米色素を添加することを特徴とする、着色製品の製造
方法。 - 【請求項4】 前記黒米色素が、仕込み水に添加される
ことを特徴とする、請求項3に記載の着色製品の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14123798A JPH11332508A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 黒米の色素の抽出方法および着色製品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14123798A JPH11332508A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 黒米の色素の抽出方法および着色製品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11332508A true JPH11332508A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15287302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14123798A Withdrawn JPH11332508A (ja) | 1998-05-22 | 1998-05-22 | 黒米の色素の抽出方法および着色製品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11332508A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR101938326B1 (ko) * | 2017-07-21 | 2019-04-11 | 한국식품연구원 | 합성 카라멜 색소를 사용하지 않은 떡갈비 조성물 및 이의 제조방법 |
CN109984311A (zh) * | 2019-03-25 | 2019-07-09 | 烟台市水产研究所 | 一种利用天然食材为淡干海参着色的方法 |
-
1998
- 1998-05-22 JP JP14123798A patent/JPH11332508A/ja not_active Withdrawn
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