JPH11322966A - シーラントフィルム - Google Patents

シーラントフィルム

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JPH11322966A
JPH11322966A JP13539098A JP13539098A JPH11322966A JP H11322966 A JPH11322966 A JP H11322966A JP 13539098 A JP13539098 A JP 13539098A JP 13539098 A JP13539098 A JP 13539098A JP H11322966 A JPH11322966 A JP H11322966A
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JP
Japan
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film
density
ldpe
sealant film
weight
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JP13539098A
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English (en)
Inventor
Kenichi Inoue
憲一 井上
Yasuhiro Inagaki
泰博 稲垣
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】121℃でのレトルト処理に耐え得る耐熱性、
従来のL−LDPEタイプと同様の耐衝撃性、−20℃
でも物性低下がなく冷凍食品への適用にも耐え得る耐寒
性、無機物の高濃度充填によるシール強度低下がないヒ
ートシール性、および、良好な透明性を兼ね備えたシー
ラントフィルムを提供する。 【解決手段】密度0.940g/cm3 、MFR2.0
g/10min のL−LDPE64.8重量%に、密度
0.960g/cm3 、MFR1.0g/10minのH
DPE34.9重量%、および、平均粒径10μmの球
状シリコーン微粒子A0.3重量%を配合し、樹脂組成
物を調製した。この樹脂組成物を空冷インフレーション
成形機にかけ、厚み70μmの単層シーラントフィルム
を得た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱加圧殺菌(いわ
ゆるレトルト処理)によって製造する食品の容器包装材
料に関し、とりわけ同食品容器の材料であるラミネート
フィルムの最内層に使用されるシーラントフィルムに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】加工済み食品は、簡便性、長期保存性等
の点から成長率の高い商品となっているが、流通段階で
の破袋を防止する対策や、加工時間の短縮等の観点から
その包装用フィルムに対する要求はますます厳しくなっ
て来ている。レトルト食品は加工済み食品のうち主要な
位置を占めており、特に、レトルト食品容器の材料であ
るラミネートフィルムの最内層に使用されるシーラント
フィルムの性能が重要である。
【0003】従来、いくつかのタイプのシーラントフィ
ルムが開発されており、それらを大別すると下記のよう
になる。
【0004】1.ポリプロピレン(以下PPと略記す
る)系樹脂フィルム ランダムPP系樹脂フィルム:プロピレン−エチレン
ランダム共重合体またはそれにエチレン系エラストマー
を混合し、この混合物を押出成形したフィルムである。
プロピレン−エチレンランダム共重合体としてはエチレ
ン含量が2〜3%程度、融点が140〜145℃程度、
メルトフローレートが5〜10程度であるものが使用さ
れる。エチレン系エラストマーとしては主にエチレン−
プロピレンエラストマー、エチレン−ブテンエラストマ
ーが用いられる(特開平5−262900号公報参
照)。
【0005】ブロックPP系樹脂フィルム:プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体またはそれにエチレン系
エラストマーを混合し、この混合物を押出成形したフィ
ルムである(特開昭59−115312号公報参照)。
【0006】2.ポリエチレン(以下PEと略記する)
系樹脂フィルム 高密度PE(以下HDPEと略記する)系樹脂フィル
ム:HDPEにエチレン系エラストマー等を混合し、こ
の混合物を押出成膜したフィルムである。
【0007】直鎖状低密度PE(以下L−LDPEと
略記する)系樹脂フィルム:L−LDPEの密度を高め
て耐熱性を付与したフィルムや、L−LDPEにHDP
Eを混合し、この混合物を押出成形したフィルム(特開
平8−3383号公報参照)、L−LDPEにアンチブ
ロッキング剤を0.4〜5重量%添加し、この組成物を
押出成形したフィルムである(特開平5−261871
号公報参照)。
【0008】これらのフィルムのうち、現在最も広く用
いられているのはPP系樹脂フィルムであるが、このフ
ィルムは耐寒性に劣り、寒冷地で流通される商品や、チ
ルド商品または冷凍流通商品には用い難い。このような
場合は低温特性の良いL−LDPE系樹脂フィルムが用
いられる。
【0009】PP系樹脂フィルムのうち、ランダムP
P系樹脂フィルムは、透明性が良く、125℃程度まで
の耐熱性があるが、耐衝撃性が必ずしも充分でない上
に、低温(特に0℃以下)での耐衝撃性に劣り、そのた
め冷凍流通には向かない。ブロックPP系樹脂フィル
ムは、ランダムPP系樹脂フィルムより耐衝撃性がよ
く、135℃程度までの耐熱性があるが、ヒートシール
温度が高くてラミネート基材が耐熱性の良いものに制限
され、低温(特に0℃以下)での耐衝撃性が充分でな
く、そのため冷凍流通には向かず、加えて透明性が劣る
という短所を有する。
【0010】また、PE系樹脂フィルムのうち、HD
PE系樹脂フィルムは、125℃程度までの耐熱性があ
るが、耐衝撃性が必ずしも充分でない。L−LDPE
系樹脂フィルムは、耐衝撃性に優れ、低温でも耐衝撃性
が低下しないが、耐熱性は115℃までしかないため、
袋の内面同士が融着し、開封しづらくなったり、輸送中
に融着部に応力が集中するためにピンホールや破袋が生
じ易く、用途が限定される。また、アンチブロック剤を
高濃度に添加したものは121℃程度での耐熱性を有す
るが、透明性が低下したり、ヒートシール強度が低下す
ることがあり、その上、多量に添加されたアンチブロッ
キング剤が経時的にブリードアウトし、フィルム物性が
安定しないことがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記各種レ
トルト用シーラントフィルムの長短所に鑑み、最も一般
的な処理温度条件とされる121℃でのレトルト処理に
耐え得る耐熱性、従来のL−LDPEタイプと同様の耐
衝撃性、−20℃でも物性低下が少なく冷凍食品への適
用にも耐え得る耐寒性、無機物の高濃度充填によるシー
ル強度低下がないヒートシール性、および、良好な透明
性を兼ね備えたシーラントフィルムを提供することを課
題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
密度0.935〜0.960g/cm3 、メルトフロー
レート(以下MFRと略記する)0.1〜5g/10分
のL−LDPEを主成分とするPE系樹脂に、平均粒径
0.5〜15μmの略球状シリコーン微粒子が0.2〜
2重量%添加されてなる組成物からなるシーラントフィ
ルムである。
【0013】上記L−LDPEの密度が0.935g/
cm3 未満であると、フィルムの耐熱性が低下してレト
ルト処理時に内面同士の融着が発生することがある。ま
た、密度が0.960g/cm3 を超えるとフィルムが
硬くなり過ぎて耐衝撃性が低下し、耐破袋性が不十分と
なる嫌いがある。
【0014】L−LDPEには、その特性を低下しない
範囲で、HDPEまたは低密度PE、超低密度PE、ポ
リオレフィン系エラストマーを適宜混合しても構わな
い。
【0015】請求項2記載の発明は、示差走査熱量計
(以下DSCと略記する)測定による主な融点ピークが
125℃〜130℃、かつクロス分別クロマトグラフ
(以下CFCと略記する)法による90℃以下の溶出量
が全樹脂量の50%未満、より好ましくは30%未満で
あるL−LDPEを主成分とするPE系樹脂に、平均粒
径0.5〜15μmの略球状シリコーン微粒子が0.2
〜2重量%添加されてなる組成物からなるシーラントフ
ィルムである。
【0016】DSCの主融点ピークが125℃未満であ
るとフィルムの耐熱性が不足し、フィルムが121℃で
のレトルト処理に耐えられなくなる。DSCの主融点ピ
ークが130℃より高いとフィルムが硬くなり過ぎて耐
衝撃性が不足し、さらにはフィルムの透明性が極めて悪
くなる恐れがある。
【0017】また、CFC法による90℃以下の溶出量
が全樹脂量の50%以上であると、フィルムの耐熱性が
不足し、やはりフィルムが121℃でのレトルト処理に
耐えられなくなる恐れがある。
【0018】本発明で採用するCFC法は以下に示すと
おりである。
【0019】まず、樹脂を、完全に溶解する温度のo一
ジクロロベンゼンに溶解し、次いで一定速度で冷却し、
予め用意しておいた不活性担体の表面に薄いポリマー層
を結晶性の高い順及び分子量の大きい順に生成させる。
次に、温度を連続的または段階的に上昇させ、順次溶出
した成分の濃度を検出して組成分布(結晶性分布)を測
定する。これを温度上昇溶離分別という。同時に、順次
溶出した成分を高温型GPCにより分析して、分子量と
分子量分布を測定する。本発明では上述した温度上昇溶
離分別部分と高温GPC部分の両者をシステムとして備
えているCFC装置(三菱油化社製CFC−T150A
型)を使用して上述データを測定した。
【0020】従来、L−LDPEを主成分とする樹脂配
合だけでは121℃以上のレトルト処理に適応する耐熱
性は得られないので、これに表面の密着面積を低減させ
るためのアンチブロッキング剤を添加していたが、12
1℃以上のレトルト処理のような過酷な条件下では、珪
藻土、合成シリカ等の従来のアンチブロッキング剤では
かなり高濃度に添加しなければ耐熱性(非融着性)が発
揮できない。例えばL−LDPEとHDPEとの混合物
(密度0.948g/cm3 )において平均粒径3μm
の合成シリカを添加する場合、添加量1.5重量%でも
121℃でのレトルト時に融着が発生してしまう。一
方、このような過度な添加量のアンチブロッキング剤は
透明性の低下、シール性の低下等の弊害を引き起こす。
更に、すべり性を得るためにスリップ剤などの添加剤を
も添加しなければならなず、それもフィルムの透明性低
下、シール不良の原因となる。
【0021】そこで、本発明によるシーラントフィルム
ではアンチブロッキング剤として上記従来品の代わりに
シリコーン微粒子が用いられ、これがPE系樹脂に添加
されている。シリコーン微粒子の添加量は0.2〜2重
量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲である。この
添加量が上記範囲未満であるとフィルムの耐熱性が低下
してレトルト処理時に内面同士の融着が発生することが
あり、上記範囲を超えるとフィルムの透明性が損なわれ
たり、シール強度が低下する傾向が現れたりする。
【0022】シリコーン微粒子の形状としては球状が好
適である。また平均粒径は好ましくは0.5〜15μm
程度、より好ましくは2〜8μm程度である。平均粒径
が上記範囲を下回ると、フィルムの耐熱性が低下してレ
トルト処理時に内面同士の融着が発生することがあり、
すべり性も低下してしまう。平均粒径が上記範囲を上回
ると、フィルム外観上問題が発生しがちである。
【0023】このような略球状微粒子の製造方法として
は、一般式(I)
【化1】 で示されるオルガノポリシロキサンと、これと共重合可
能な非架橋性ラジカル重合性単量体及び架橋性ラジカル
重合性単量体とを溶液重合させ、得られた共重合体を含
む溶液または非水分散液をスプレードライして略球状微
粒子を乾燥させる方法、または、懸濁重合により得られ
た共重合体微粒子を脱水・乾燥させる方法、または、乳
化重合により得られた共重合体をスプレードライ法によ
り乾燥するか、あるいは上記乳化反応液から緩やかに凝
析させたスラリー状の共重合体を水洗・乾燥した後、ジ
ェットミル等で解砕して略球状微粒子を得る方法、更に
は、懸濁重合または乳化重合により架橋微粒子を予め作
製し、この微粒子表面に上記オルガノポリシロキサンの
乳化物を反応させた後、この微粒子を乾燥させて取り出
す方法等がある。
【0024】上記一般式(I) 中の基Rは、互いに同一ま
たは異なり、炭素数1〜12の置換または非置換の1価
炭化水素基である。このようなRとしては、メチル基、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、n−ヘキシル基等のアルキル基;フェニル基、トリ
ル基、ナフチル基等のアリール基;フェネチル基、ベン
ジル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,
3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基が
例示される。これらのうち、特にメチル基、ブチル基、
フェニル基が好ましく、十分な滑り性、耐ブロッキング
性付与のためには、全R中の50モル%以上はメチル基
である。
【0025】オルガノポリシロキサン(I) 中の有機基X
は、ラジカル重合性官能基含有有機基であり、好ましく
は下記式(II)
【化2】 (R1 はヘテロ原子を含み得る炭素数3〜20の2価の
有機基を、R2 は水素原子またはメチル基を表す)また
は下記式(III )
【化3】 で示される基である。式(II)中の−R1 −としては、
−(CH2 3 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、
−(CH2 4 −、−(CH2 6 −、−(CH 2 3
O(CH2 2 −、−(CH2 3 −(C2 4 O)2
−等が例示される。
【0026】一般式(I) 中のnは5〜200の整数であ
る。nが5未満であると滑り性が乏しく、200を越え
ると透明性が劣ることがある。
【0027】一般式(I) で示されるオルガノポリシロキ
サンと共重合可能である非架橋性ラジカル重合性単量体
の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブ
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等
のアルキル(メタ)アクリレート類;メトキシエチル
(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリ
レート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート
類;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート
等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートはそれ
ぞれ単独で用いても、または2種以上の組合せで用いて
もよい。
【0028】また、本発明の効果を損なわない範囲内
で、上記(メタ)アクリル酸エステル類に上記以外のラ
ジカル重合性単量体を併用することもできる。
【0029】また、一般式(I) で示されるオルガノポリ
シロキサンと共重合可能である架橋性ラジカル重合性単
量体の例としては、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アク
リレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
ジビニルベンゼン等の1分子中に2個以上のエチレン性
不飽和基を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。
【0030】共重合の際、上記一般式(I) で示されるオ
ルガノポリシロキサン/ラジカル重合性単量体の共重合
比は重量基準で、好ましくは(5〜70)/(95〜3
0)である。
【0031】上記ラジカル重合性単量体に対してオルガ
ノポリシロキサンの共重合比が小さすぎると目的とする
滑り性が得られにくく、大きすぎると真球状の微粒子が
得られにくくなる。
【0032】このように、アンチブロッキング剤として
シリコーン微粒子を用いることによって、耐融着性の効
果と同時にすべり性も得られ、スリップ剤の添加量を減
少させることができるために透明性の良いフィルムが期
待できる。更には、上述のようにスリップ剤の添加量を
軽減できることから、シール性の低下などの物性の不具
合を防ぐことができる。
【0033】本発明によるシーラントフィルムは、その
特性を低下しない範囲で、更に、可塑剤、光安定剤、酸
化防止剤、着色剤、加工性改良剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤等を含有することもできる。
【0034】本発明によるシーラントフィルムは、上記
樹脂組成物を公知の成形方法で成膜することによって得
られる。
【0035】また、本発明によるシーラントフィルム
は、これに主にL−LDPEからなる基材層を積層して
なる複合フィルムの形態をとっていても良い。この場
合、基材層用のL−LDPEとしては密度が0.930
g/cm3 以上であるものが望ましい。密度がこの範囲
未満であると、層厚比によっては耐熱性が低下する恐れ
がある。この積層方法としては共押出法、ラミネート法
等公知の各種の方法を適用することができる。
【0036】本発明によるシーラントフィルムの片面
(多層品では非シール面)に、他のプラスチックフィル
ム・金属箔・紙などの補強層を積層することも好まし
い。補強層の積層には、ラミネート法など公知の方法が
適用できる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示すが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0038】まず、下記の2種の球状シリコーン微粒子
を調製した。
【0039】<球状シリコーン微粒子A>メチルメタク
リレート90重量部とブタンジオールジアクリレート5
重量部の混合物に、下記化学式で示されるシロキサン
(IV)を5重量部添加し、これらを乳化重合により共重
合した。得られた共重合体をスプレードライ法により乾
燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径2、10、1
2、13、18、20μmの6種の微粒子Aを得た。
【0040】
【化4】
【0041】<球状シリコーン微粒子B>メチルメタク
リレート65重量部、ブチルアクリレート6重量部、ス
チレン5重量部、アクリル酸1重量部およびアリルメタ
クリレート3重量部の混合物に、下記化学式で示される
シロキサン(V)を20重量部添加し、これらを乳化重
合により共重合した。得られた共重合体をスプレードラ
イ法により乾燥し、ジェットミルで解砕し、平均粒径1
0μmの微粒子Bを得た。
【0042】
【化5】
【0043】実施例1 密度0.940g/cm3 、MFR2.0g/10min
のL−LDPE64.8重量%に、密度0.960g/
cm3 、MFR1.0g/10min のHDPE34.9
重量%、および、アンチブロッキング剤として平均粒径
10μmの球状シリコーン微粒子A0.3重量%を配合
し、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を空冷イン
フレーション成形機にかけ、厚み70μmの単層シーラ
ントフィルムを得た。
【0044】実施例2〜3、比較例1〜5 L−LDPE、HDPEおよびアンチブロッキング剤を
表1のものに代え、単層または2層のシーラントフィル
ムを得た。
【0045】比較例6〜7 市販のランダムPPタイプのレトルト用シーラントフィ
ルムおよびブロックPPタイプのレトルト用シーラント
フィルムをそれぞれ用意した。
【0046】実施例1〜3および比較例1〜7のフィル
ム構成を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】実施例4 DSC測定による融点127℃、CFC法による溶出量
(90℃以下)が全樹脂量の25重量%であるL−LD
PE80重量部と密度0.960g/cm3 、MI1.
0のHDPE20重量部とからなるPE系樹脂に、平均
粒径10μmの球状シリコーン微粒子Aを0.4重量%
配合し、樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物と、密
度0.940g/cm3 、MFR1.5g/10分のL
−LDPEとのTダイ2層共押出により、厚み70μm
の2層シーラントフィルムを得た。
【0049】実施例5〜6、比較例8〜13 L−LDPE、アンチブロッキング剤を表2のものに代
え、2層のシーラントフィルムを得た。
【0050】実施例4〜6および比較例8〜13のフィ
ルム構成を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】性能評価 実施例および比較例で得られた各フィルムを下記の項目
について評価した。
【0053】まず、各フィルムの片面(多層品では非シ
ール面)にコロナ処理を施し、この処理面にドライラミ
ネートにて2軸延伸ポリアミドフィルム(三菱化学社製
「サントニールLP3」、厚み15μm)を貼り合せ
た。このラミネートフィルムを以下の項目について評価
した。
【0054】1.耐熱性 ラミネートフィルムのシール面を内面にして15cm×
20cmの3方袋を作製した(シール条件は下記ヒート
シール性の項で述べるヒートシール飽和温度およびシー
ル圧2kg/cm2 、時間1秒とした)。この袋にサラ
ダ油10mlを入れ、空気がなるべく入らないような状
態で開口部をヒートシールした。この密封包装物を長さ
3cmのゼムクリップで挾み、そのまま各温度で30分
間レトルト処理した。続いてこの処理包装物を乾燥させ
た後、ゼムクリップを取り外し、その部分の15mm幅
当たりの内面融着強度を引張速度300mm/分で測定
し、その値が40g以下である最高温度を耐熱上限温度
とした。
【0055】2.耐衝撃性 上記と同様にして作製した20cm×30cmの袋に不
凍液入りの水1000mlを入れ、開口部をヒートシー
ルした。この密封袋を120℃×30分のレトルト処理
に付した。この処理包装物を2列×5段重ねでダンボー
ル箱に梱包した。この梱包物を−10℃の環境下に24
時間放置した後、各高さから水平落下させ、破袋が起き
るまで落下を繰り返し、その落下回数を求めた。
【0056】3.ヒートシール性 2枚のラミネートフィルムの各シール面同士を合わせ、
各温度において2kg/cm2 、1秒の条件にてヒート
シールを行った。15mm幅当たりのシール強度を引張
速度300mm/分で測定し、その強度がほぼ飽和する
温度をヒートシール飽和温度とした。
【0057】4.透明性 JIS−K7105に規定の方法により、フィルムのヘ
イズを測定した。
【0058】上記評価結果を表3および表4にまとめて
示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】表3および表4から分かるように、実施例
のフィルムは、いずれの項目においても良好な結果を示
した。
【0062】
【発明の効果】本発明により、最も一般的な処理温度条
件とされる121℃でのレトルト処理に耐え得る耐熱
性、従来のL−LDPEタイプと同様の耐衝撃性、−2
0℃でも物性低下がなく冷凍食品への適用にも耐え得る
耐寒性、無機物の高濃度充填によるシール強度低下がな
いヒートシール性、および、良好な透明性を兼ね備えた
シーラントフィルムを提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.935〜0.960g/c
    3 、メルトフローレート0.1〜5g/10分の直鎖
    状低密度ポリエチレンを主成分とするポリエチレン系樹
    脂に、平均粒径0.5〜15μmの略球状シリコーン微
    粒子が0.2〜2重量%添加されてなる組成物からなる
    シーラントフィルム。
  2. 【請求項2】 示差走査熱量計測定による主な融点ピー
    クが125℃〜130℃、かつクロス分別クロマトグラ
    フ法による90℃以下の溶出量が全樹脂量の50%未満
    である直鎖状低密度ポリエチレンを主成分とするポリエ
    チレン系樹脂に、平均粒径0.5〜15μmの略球状シ
    リコーン微粒子が0.2〜2重量%添加されてなる組成
    物からなるシーラントフィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003062932A (ja) * 2001-08-24 2003-03-05 Toppan Printing Co Ltd 積層体および包装材料
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