JPH10152596A - レトルト用シーラントフィルム - Google Patents
レトルト用シーラントフィルムInfo
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- JPH10152596A JPH10152596A JP31181996A JP31181996A JPH10152596A JP H10152596 A JPH10152596 A JP H10152596A JP 31181996 A JP31181996 A JP 31181996A JP 31181996 A JP31181996 A JP 31181996A JP H10152596 A JPH10152596 A JP H10152596A
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- ethylene
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 120℃付近の温度で行われる通常のレトル
ト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟で、耐熱性、ヒー
トシール性及び耐衝撃性に優れたレトルト用シーラント
フィルムを得る。 【解決手段】 このレトルト用シーラントフィルムは、
ポリプロピレン系軟質樹脂5〜50重量%と、メルトフ
ローレート(測定条件:温度230℃、荷重2.16k
g)が0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が1
〜5モル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体9
5〜50重量%との混合樹脂に、無機のアンチブロッキ
ング剤0.35〜1.5重量%が含有されてなる。
ト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟で、耐熱性、ヒー
トシール性及び耐衝撃性に優れたレトルト用シーラント
フィルムを得る。 【解決手段】 このレトルト用シーラントフィルムは、
ポリプロピレン系軟質樹脂5〜50重量%と、メルトフ
ローレート(測定条件:温度230℃、荷重2.16k
g)が0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が1
〜5モル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体9
5〜50重量%との混合樹脂に、無機のアンチブロッキ
ング剤0.35〜1.5重量%が含有されてなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト包装袋の
最内層に用いるレトルト用シーラントフィルムに関す
る。
最内層に用いるレトルト用シーラントフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】食品を袋に入れたまま加熱殺菌するレト
ルト包装袋の需要は、益々増大している。この種のレト
ルト包装袋の最内層に用いるレトルト用シーラントフィ
ルムとしては、主に、エチレン−プロピレンブロック共
重合体からなるフィルム及びエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体にエチレン−プロピレンラバーをブレンド
してなるフィルムが使用されている。
ルト包装袋の需要は、益々増大している。この種のレト
ルト包装袋の最内層に用いるレトルト用シーラントフィ
ルムとしては、主に、エチレン−プロピレンブロック共
重合体からなるフィルム及びエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体にエチレン−プロピレンラバーをブレンド
してなるフィルムが使用されている。
【0003】しかし、前者のフィルムは、特にヒートシ
ール温度域が狭く、安定したシール強度を得るのが容易
ではない。また、後者のフィルムは、安定したシール強
度を得るのが容易であるが、特に低温での耐衝撃性が劣
る。十分な耐衝撃性を得るには多量のエチレン−プロピ
レンラバーをブレンドする必要があるが、この場合、レ
トルト処理時に袋の内面が融着してしまう。
ール温度域が狭く、安定したシール強度を得るのが容易
ではない。また、後者のフィルムは、安定したシール強
度を得るのが容易であるが、特に低温での耐衝撃性が劣
る。十分な耐衝撃性を得るには多量のエチレン−プロピ
レンラバーをブレンドする必要があるが、この場合、レ
トルト処理時に袋の内面が融着してしまう。
【0004】これ等の欠点を改善するために、特開昭5
9−115312号公報には、特定条件下の多段階重合
により得られる、メルトフローレートが0.5〜15g
/10分で、エチレン含有量が5.5〜17重量%のポ
リプロピレン系樹脂を主成分とするレトルト用シーラン
トフィルムが提案されている。
9−115312号公報には、特定条件下の多段階重合
により得られる、メルトフローレートが0.5〜15g
/10分で、エチレン含有量が5.5〜17重量%のポ
リプロピレン系樹脂を主成分とするレトルト用シーラン
トフィルムが提案されている。
【0005】また、特開平5−262900号公報に
は、メルトフローレートが5g/10分以上で、溶媒と
してオルソジクロロベンゼンを使用し且つ80℃でのク
ロス分別法による溶出量が20重量%以下で、エチレン
含有量が1.5〜3.5重量%のポリプロピレン系樹脂
を主成分とするレトルト用シーラントフィルムが提案さ
れている。
は、メルトフローレートが5g/10分以上で、溶媒と
してオルソジクロロベンゼンを使用し且つ80℃でのク
ロス分別法による溶出量が20重量%以下で、エチレン
含有量が1.5〜3.5重量%のポリプロピレン系樹脂
を主成分とするレトルト用シーラントフィルムが提案さ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記提案の
レトルト用シーラントフィルムにあって、前者の提案の
フィルムは、主に殺菌処理温度が130〜135℃の高
温短時間レトルト殺菌(ハイレトルト)に使用されるも
ので、ヒートシール温度が高く、しかも不透明であり、
食品の充填加工処理の速度が低下するなど、フィルムの
使用条件が厳しく使いにくいという問題がある。
レトルト用シーラントフィルムにあって、前者の提案の
フィルムは、主に殺菌処理温度が130〜135℃の高
温短時間レトルト殺菌(ハイレトルト)に使用されるも
ので、ヒートシール温度が高く、しかも不透明であり、
食品の充填加工処理の速度が低下するなど、フィルムの
使用条件が厳しく使いにくいという問題がある。
【0007】また、後者の提案のフィルムは、耐衝撃性
が十分に満足できる程度に改善されず、また樹脂の選択
幅が狭く、まだ充分に満足のいくものではない。さら
に、ポリプロピレン系樹脂にエチレン系樹脂をブレンド
する際には、単に混合するだけでは分散が不十分で、一
旦混練してペレット化する等の工程が必要で、フィルム
の成形条件が厳しく使いにくいという問題もある。
が十分に満足できる程度に改善されず、また樹脂の選択
幅が狭く、まだ充分に満足のいくものではない。さら
に、ポリプロピレン系樹脂にエチレン系樹脂をブレンド
する際には、単に混合するだけでは分散が不十分で、一
旦混練してペレット化する等の工程が必要で、フィルム
の成形条件が厳しく使いにくいという問題もある。
【0008】本発明は、上記の問題を解決するもので、
その目的とするところは、120℃付近の温度で行われ
る通常のレトルト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟
で、耐熱性、ヒートシール性及び耐衝撃性に優れたレト
ルト用シーラントフィルムを提供することにある。
その目的とするところは、120℃付近の温度で行われ
る通常のレトルト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟
で、耐熱性、ヒートシール性及び耐衝撃性に優れたレト
ルト用シーラントフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ポリプロ
ピレン系軟質樹脂5〜50重量%と、メルトフローレー
ト(測定条件:温度230℃、荷重2.16kg)が
0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が1〜5モ
ル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体95〜5
0重量%との混合樹脂に、無機のアンチブロッキング剤
0.35〜1.5重量%が含有されてなるレトルト用シ
ーラントフィルムによって、達成することができる。
ピレン系軟質樹脂5〜50重量%と、メルトフローレー
ト(測定条件:温度230℃、荷重2.16kg)が
0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が1〜5モ
ル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体95〜5
0重量%との混合樹脂に、無機のアンチブロッキング剤
0.35〜1.5重量%が含有されてなるレトルト用シ
ーラントフィルムによって、達成することができる。
【0010】本発明に用いるポリプロピレン系軟質樹脂
としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレ
ンとエチレンとの共重合体、プロピレンと1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンと
の共重合体が挙げられる。
としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレ
ンとエチレンとの共重合体、プロピレンと1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘプテン、1−オクテン等のα−オレフィンと
の共重合体が挙げられる。
【0011】なお、これ等のポリプロピレン系軟質樹脂
には、エチレン−プロピレンブロック共重合体やエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体も包含されるが、この
ようなポリプロピレン系軟質樹脂に混合される、メルト
フローレート(測定条件:温度230℃、荷重2.16
kg)が0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が
1〜5モル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体
は除外される。
には、エチレン−プロピレンブロック共重合体やエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体も包含されるが、この
ようなポリプロピレン系軟質樹脂に混合される、メルト
フローレート(測定条件:温度230℃、荷重2.16
kg)が0.3〜12g/10分で、エチレン含有量が
1〜5モル%のエチレン−プロピレンランダム共重合体
は除外される。
【0012】上記ポリプロピレン系軟質樹脂は、その重
量平均分子量8万〜50万のものが好ましく、15万〜
35万のものがより好ましい。この樹脂の重量平均分子
量が8万を下回るとフィルムの耐衝撃性が不十分となる
ことがあり、逆に50万を上回るとフィルムの柔軟性が
損なわれ、耐ピンホール性等の点で性能が低下すること
がある。
量平均分子量8万〜50万のものが好ましく、15万〜
35万のものがより好ましい。この樹脂の重量平均分子
量が8万を下回るとフィルムの耐衝撃性が不十分となる
ことがあり、逆に50万を上回るとフィルムの柔軟性が
損なわれ、耐ピンホール性等の点で性能が低下すること
がある。
【0013】特に、上記ポリプロピレン系軟質樹脂は、
クロス分別法による各温度範囲での溶出量が、樹脂の全
量に対して、10℃以下で45〜80重量%、10〜7
0℃で5〜45重量%、70〜95℃で0〜20重量
%、95〜125℃で3〜35重量%であるものが好ま
しい。特に、10℃以下での溶出量が45重量%未満に
なるとフィルムの柔軟性が損なわれ、耐衝撃性や耐ピン
ホール性が低下し、逆に10℃以下での溶出量が70重
量%を超えるとフィルムの柔軟性が非常に大きくなり、
製袋の際など加工適性が悪くなる恐れがある。
クロス分別法による各温度範囲での溶出量が、樹脂の全
量に対して、10℃以下で45〜80重量%、10〜7
0℃で5〜45重量%、70〜95℃で0〜20重量
%、95〜125℃で3〜35重量%であるものが好ま
しい。特に、10℃以下での溶出量が45重量%未満に
なるとフィルムの柔軟性が損なわれ、耐衝撃性や耐ピン
ホール性が低下し、逆に10℃以下での溶出量が70重
量%を超えるとフィルムの柔軟性が非常に大きくなり、
製袋の際など加工適性が悪くなる恐れがある。
【0014】ここで、ポリプロピレン系軟質樹脂の重量
平均分子量及びクロス分別法による各温度範囲での溶出
量は、クロス分別クロマトグラフ装置(例えば、三菱化
学社製CFC−T150A型)を使用し、溶媒としてオ
ルソジクロロベンゼンを用いて測定される値である。
平均分子量及びクロス分別法による各温度範囲での溶出
量は、クロス分別クロマトグラフ装置(例えば、三菱化
学社製CFC−T150A型)を使用し、溶媒としてオ
ルソジクロロベンゼンを用いて測定される値である。
【0015】本発明において、上記ポリプロピレン系軟
質樹脂の重量平均分子量及びクロス分別法による各温度
範囲での溶出量が上記範囲にあることは、耐熱性、耐衝
撃性、耐ピンホール性等に優れたフィルムを得る点で望
ましいことである。
質樹脂の重量平均分子量及びクロス分別法による各温度
範囲での溶出量が上記範囲にあることは、耐熱性、耐衝
撃性、耐ピンホール性等に優れたフィルムを得る点で望
ましいことである。
【0016】クロス分別法による溶出量が上記の範囲に
ある特定のポリプロピレン系軟質樹脂は、例えばモンテ
ルJPO社製のキャタロイ、プロファックス、トクヤマ
社製のPER等が市販されている。また、前述の特開平
5−262900号公報に記載のエチレン−プロピレン
共重合体の中にも存在し得る。また、前述の特開昭59
−115312号公報に記載の多段階重合により製造す
ることができる。
ある特定のポリプロピレン系軟質樹脂は、例えばモンテ
ルJPO社製のキャタロイ、プロファックス、トクヤマ
社製のPER等が市販されている。また、前述の特開平
5−262900号公報に記載のエチレン−プロピレン
共重合体の中にも存在し得る。また、前述の特開昭59
−115312号公報に記載の多段階重合により製造す
ることができる。
【0017】そして、本発明においては、上記ポリプロ
ピレン系軟質樹脂に、メルトフローレート(測定条件:
温度230℃、荷重2.16kg)が0.3〜12g/
10分で、エチレン含有量が1〜5モル%のエチレン−
プロピレンランダム共重合体が混合される。
ピレン系軟質樹脂に、メルトフローレート(測定条件:
温度230℃、荷重2.16kg)が0.3〜12g/
10分で、エチレン含有量が1〜5モル%のエチレン−
プロピレンランダム共重合体が混合される。
【0018】上記エチレン−プロピレンランダム共重合
体は、主にレトルト処理時のヒートシール強度(レトル
トパウチ食品類製造流通基準:2.3kg/15mm以
上)を改善するために、上記ポリプロピレン系軟質樹脂
に混合されるのであるが、このエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体を配合すると、レトルト処理時に袋の内
面融着も改善される方向に向かう。
体は、主にレトルト処理時のヒートシール強度(レトル
トパウチ食品類製造流通基準:2.3kg/15mm以
上)を改善するために、上記ポリプロピレン系軟質樹脂
に混合されるのであるが、このエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体を配合すると、レトルト処理時に袋の内
面融着も改善される方向に向かう。
【0019】このエチレン−プロピレンランダム共重合
体において、エチレン含有量が1モル%未満ではフィル
ムの柔軟性が損なわれ、耐衝撃性も悪くなり、逆にエチ
レン含有量が5モル%を超えると樹脂の融点が低くな
り、レトルト処理時に袋の内面が融着してしまう。
体において、エチレン含有量が1モル%未満ではフィル
ムの柔軟性が損なわれ、耐衝撃性も悪くなり、逆にエチ
レン含有量が5モル%を超えると樹脂の融点が低くな
り、レトルト処理時に袋の内面が融着してしまう。
【0020】また、上記メルトフローレートは、JIS
K 7210に基づいて測定される値であり、このメ
ルトフローレートが0.3g/10分未満ではフィルム
の成形性が悪くなり、逆に12g/10分を超えると低
温での耐衝撃性が悪くなる。特に、メルトフローレート
が4〜10g/10分のエチレン−プロピレンランダム
共重合体を使用するのが好ましい。
K 7210に基づいて測定される値であり、このメ
ルトフローレートが0.3g/10分未満ではフィルム
の成形性が悪くなり、逆に12g/10分を超えると低
温での耐衝撃性が悪くなる。特に、メルトフローレート
が4〜10g/10分のエチレン−プロピレンランダム
共重合体を使用するのが好ましい。
【0021】上記ポリプロピレン系軟質樹脂とエチレン
−プロピレンランダム共重合体との混合割合は、ポリプ
ロピレン系軟質樹脂5〜50重量%に対し、エチレン−
プロピレンランダム共重合体95〜50重量%とされ
る。エチレン−プロピレンランダム共重合体が50重量
%未満では、フィルムに必要なヒートシール強度が得ら
れず、逆にエチレン−プロピレンランダム共重合体が9
5重量%を超えるとフィルムに必要な耐衝撃性が得られ
ない。
−プロピレンランダム共重合体との混合割合は、ポリプ
ロピレン系軟質樹脂5〜50重量%に対し、エチレン−
プロピレンランダム共重合体95〜50重量%とされ
る。エチレン−プロピレンランダム共重合体が50重量
%未満では、フィルムに必要なヒートシール強度が得ら
れず、逆にエチレン−プロピレンランダム共重合体が9
5重量%を超えるとフィルムに必要な耐衝撃性が得られ
ない。
【0022】さらに、本発明では、上記ポリプロピレン
系軟質樹脂とエチレン−プロピレンランダム共重合体と
の混合樹脂に、無機のアンチブロッキング剤0.35〜
1.5重量%が含有される。
系軟質樹脂とエチレン−プロピレンランダム共重合体と
の混合樹脂に、無機のアンチブロッキング剤0.35〜
1.5重量%が含有される。
【0023】この無機のアンチブロッキング剤は、上記
エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂による改善効
果と相まって、レトルト処理時に袋の内面が融着するの
を確実に防止するために含有されるもので、例えば、タ
ルク、ゼオライト、シリカなどの無機微粉末が用いられ
る。脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、ポリマービーズなど
の有機系のものは、フィルムの成形温度近傍では分解し
て臭気が発生したり、袋の内面融着の防止効果が消失す
る。
エチレン−プロピレンランダム共重合樹脂による改善効
果と相まって、レトルト処理時に袋の内面が融着するの
を確実に防止するために含有されるもので、例えば、タ
ルク、ゼオライト、シリカなどの無機微粉末が用いられ
る。脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、ポリマービーズなど
の有機系のものは、フィルムの成形温度近傍では分解し
て臭気が発生したり、袋の内面融着の防止効果が消失す
る。
【0024】これ等の無機のアンチブロッキング剤の含
有量が、上記混合樹脂に対して0.35重量%未満では
レトルト処理時に袋の内面密着防止の改善効果がなく、
逆に1.5重量%を超えるとフィルムの耐衝撃性が低下
することがある。特に、上記混合樹脂に対して0.4〜
1.5重量%が含有されるのが好ましい。
有量が、上記混合樹脂に対して0.35重量%未満では
レトルト処理時に袋の内面密着防止の改善効果がなく、
逆に1.5重量%を超えるとフィルムの耐衝撃性が低下
することがある。特に、上記混合樹脂に対して0.4〜
1.5重量%が含有されるのが好ましい。
【0025】なお、レトルト用シーラントフィルムとし
ての本発明の効果を損なわない範囲で、少量の熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤など従来のレ
トルト用シーラントフィルムに用いられている各種添加
剤を配合することができる。
ての本発明の効果を損なわない範囲で、少量の熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、スリップ剤など従来のレ
トルト用シーラントフィルムに用いられている各種添加
剤を配合することができる。
【0026】本発明のレトルト用シーラントフィルム
は、上記ポリプロピレン系軟質樹脂とプロピレン−エチ
レンランダム共重合体との混合樹脂に、無機のアンチブ
ロッキング剤を配合し、これをフィルム状に溶融押出成
形し、単層フィルムとして得ることができる。
は、上記ポリプロピレン系軟質樹脂とプロピレン−エチ
レンランダム共重合体との混合樹脂に、無機のアンチブ
ロッキング剤を配合し、これをフィルム状に溶融押出成
形し、単層フィルムとして得ることができる。
【0027】また、上記ポリプロピレン系軟質樹脂とプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体との混合樹脂に、
無機のアンチブロッキング剤を配合し、これをナイロン
樹脂やポリエステル樹脂などの基材樹脂と溶融共押出成
形し、積層フィルムとして得ることができる。
ロピレン−エチレンランダム共重合体との混合樹脂に、
無機のアンチブロッキング剤を配合し、これをナイロン
樹脂やポリエステル樹脂などの基材樹脂と溶融共押出成
形し、積層フィルムとして得ることができる。
【0028】また、上記ポリプロピレン系軟質樹脂とプ
ロピレン−エチレンランダム共重合体との混合樹脂に、
無機のアンチブロッキング剤を配合し、これをナイロン
フィルムやポリエステルフィルムやアルミニウム箔など
の基材に溶融押出しラミネートすることにより、積層フ
ィルムとして得ることができる。
ロピレン−エチレンランダム共重合体との混合樹脂に、
無機のアンチブロッキング剤を配合し、これをナイロン
フィルムやポリエステルフィルムやアルミニウム箔など
の基材に溶融押出しラミネートすることにより、積層フ
ィルムとして得ることができる。
【0029】
【作用】本発明のレトルト用シーラントフィルムによれ
ば、ポリプロピレン系軟質樹脂により、主にフィルムの
耐衝撃性をはじめ柔軟性や耐ピンホール性が改善され
る。また、エチレン−プロピレンランダム共重合体によ
り、主にレトルト処理時のヒートシール強度が改善され
るとともに、レトルト処理時に袋の内面融着が改善され
る方向に向かい、さらに無機のアンチブロッキング剤に
より、レトルト処理時に袋の内面融着が確実に改善され
る。
ば、ポリプロピレン系軟質樹脂により、主にフィルムの
耐衝撃性をはじめ柔軟性や耐ピンホール性が改善され
る。また、エチレン−プロピレンランダム共重合体によ
り、主にレトルト処理時のヒートシール強度が改善され
るとともに、レトルト処理時に袋の内面融着が改善され
る方向に向かい、さらに無機のアンチブロッキング剤に
より、レトルト処理時に袋の内面融着が確実に改善され
る。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を示す。実施例1、2及び比較例1〜4 ポリプロピレン系軟質樹脂として、モンテルJPO社製
の商品名「キャタロイKS−081P」(メルトフロー
レート0.8g/10分)及びグランドポリマー社製の
「HC021」(エチレン−プロピレンブロック共重合
体)(メルトフローレート7.0g/10分)を用意し
た。また、エチレン−プロピレンランダム共重合体とし
て、三菱化学社製の「FW4A%」(メルトフローレー
ト6.0g/10分、エチレン含有量3.5重量%)を
用意した。また、無機のアンチブロッキング剤としてシ
リカ(富士シリシア社製の「サイリシア550」)(平
均粒径3.0μm)を用意した。
を示す。実施例1、2及び比較例1〜4 ポリプロピレン系軟質樹脂として、モンテルJPO社製
の商品名「キャタロイKS−081P」(メルトフロー
レート0.8g/10分)及びグランドポリマー社製の
「HC021」(エチレン−プロピレンブロック共重合
体)(メルトフローレート7.0g/10分)を用意し
た。また、エチレン−プロピレンランダム共重合体とし
て、三菱化学社製の「FW4A%」(メルトフローレー
ト6.0g/10分、エチレン含有量3.5重量%)を
用意した。また、無機のアンチブロッキング剤としてシ
リカ(富士シリシア社製の「サイリシア550」)(平
均粒径3.0μm)を用意した。
【0031】上記ポリプロピレン系軟質樹脂、エチレン
−プロピレンランダム共重合体及び無機のアンチブロッ
キング剤を、表1に示すように配合し、これをTダイ押
出成形装置を用いて、250℃でフィルム状に溶融押出
し、厚さ70μmの6種類のレトルト用シーラントフィ
ルムを成形した。
−プロピレンランダム共重合体及び無機のアンチブロッ
キング剤を、表1に示すように配合し、これをTダイ押
出成形装置を用いて、250℃でフィルム状に溶融押出
し、厚さ70μmの6種類のレトルト用シーラントフィ
ルムを成形した。
【0032】これ等のレトルト用シーラントフィルムに
ついて、下記の方法でその性能を評価した。その結果を
まとめて表1に示す。
ついて、下記の方法でその性能を評価した。その結果を
まとめて表1に示す。
【0033】〈ヒートシール強度〉上記フィルムを延伸
ナイロンフィルムとドライラミネート加工し、このシー
ル面同士を重ね合わせて、これをシールバー温度170
℃、圧力2kg/cm2、時間1秒の条件でシールし、
JIS Z 1707(食品包装用プラスチックフィル
ム)に基づいて、ヒートシール強度を測定した。
ナイロンフィルムとドライラミネート加工し、このシー
ル面同士を重ね合わせて、これをシールバー温度170
℃、圧力2kg/cm2、時間1秒の条件でシールし、
JIS Z 1707(食品包装用プラスチックフィル
ム)に基づいて、ヒートシール強度を測定した。
【0034】〈ダート衝撃強度〉上記フィルムについ
て、JIS K 7124(プラスチックフィルム及び
シートのダート衝撃試験方法)に基づいて、ダート衝撃
強度(50%破壊エネルギー)を測定した。
て、JIS K 7124(プラスチックフィルム及び
シートのダート衝撃試験方法)に基づいて、ダート衝撃
強度(50%破壊エネルギー)を測定した。
【0035】〈内面融着性〉上記フィルムを、延伸ナイ
ロンフィルムとドライラミネート加工し、このシール面
同士を重ね合わせて、これをシールバー温度170℃、
圧力2kg/cm2、時間1秒の条件でシールして、縦
100mm×横80mm及び縦210mm×横160m
mの袋を作製した。 (簡易試験)上記縦100mm×横80mmの袋を各3
袋ずつ使用し、その中に3mlのサラダ油を封入し、こ
の袋をオイルバスに入れ、所定温度(120℃、122
℃、124℃、126℃)で30分間加熱した後、袋内
面の融着の有無を調べた。融着無しを○、融着有りを×
で示す。
ロンフィルムとドライラミネート加工し、このシール面
同士を重ね合わせて、これをシールバー温度170℃、
圧力2kg/cm2、時間1秒の条件でシールして、縦
100mm×横80mm及び縦210mm×横160m
mの袋を作製した。 (簡易試験)上記縦100mm×横80mmの袋を各3
袋ずつ使用し、その中に3mlのサラダ油を封入し、こ
の袋をオイルバスに入れ、所定温度(120℃、122
℃、124℃、126℃)で30分間加熱した後、袋内
面の融着の有無を調べた。融着無しを○、融着有りを×
で示す。
【0036】(実用試験)上記縦210mm×横160
mmの袋を使用し、その中に10mlのサラダ油を封入
し、この袋を高温高圧調理殺菌装置(トレー10段積
み)(フレーバーエース:日阪製作所製)の最上段と最
下段とに、各3袋ずつ入れ、121℃で30分間レトル
ト処理(熱水準備槽の温度124℃)した後、袋内面の
融着の有無を調べた。融着無しを○、融着有りを×で示
す。
mmの袋を使用し、その中に10mlのサラダ油を封入
し、この袋を高温高圧調理殺菌装置(トレー10段積
み)(フレーバーエース:日阪製作所製)の最上段と最
下段とに、各3袋ずつ入れ、121℃で30分間レトル
ト処理(熱水準備槽の温度124℃)した後、袋内面の
融着の有無を調べた。融着無しを○、融着有りを×で示
す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】上述の通り、本発明のレトルト用シーラ
ントフィルムは、ポリプロピレン系軟質樹脂5〜50重
量%と、メルトフローレート(測定条件:温度230
℃、荷重2.16kg)が0.3〜12g/10分で、
エチレン含有量が1〜5モル%のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体95〜50重量%との混合樹脂に、無
機のアンチブロッキング剤0.35〜1.5重量%が含
有されてなり、それにより、120℃付近の温度で行わ
れる通常のレトルト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟
で、耐熱性、ヒートシール性及び耐衝撃性に優れる。
ントフィルムは、ポリプロピレン系軟質樹脂5〜50重
量%と、メルトフローレート(測定条件:温度230
℃、荷重2.16kg)が0.3〜12g/10分で、
エチレン含有量が1〜5モル%のエチレン−プロピレン
ランダム共重合体95〜50重量%との混合樹脂に、無
機のアンチブロッキング剤0.35〜1.5重量%が含
有されてなり、それにより、120℃付近の温度で行わ
れる通常のレトルト処理時に袋の内面が融着せず、柔軟
で、耐熱性、ヒートシール性及び耐衝撃性に優れる。
【0039】したがって、本発明のレトルト用シーラン
トフィルムを用いたレトルト袋によれば、食品の充填加
工処理の速度の低下がなく、フィルムの使用条件も広
く、使いやすいという利点がある。
トフィルムを用いたレトルト袋によれば、食品の充填加
工処理の速度の低下がなく、フィルムの使用条件も広
く、使いやすいという利点がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリプロピレン系軟質樹脂5〜50重量
%と、メルトフローレート(測定条件:温度230℃、
荷重2.16kg)が0.3〜12g/10分で、エチ
レン含有量が1〜5モル%のエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体95〜50重量%との混合樹脂に、無機の
アンチブロッキング剤0.35〜1.5重量%が含有さ
れてなることを特徴とするレトルト用シーラントフィル
ム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31181996A JPH10152596A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | レトルト用シーラントフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31181996A JPH10152596A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | レトルト用シーラントフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152596A true JPH10152596A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18021793
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31181996A Pending JPH10152596A (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | レトルト用シーラントフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10152596A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6599639B2 (en) | 2001-03-16 | 2003-07-29 | Cryovac, Inc. | Coextruded, retortable multilayer film |
WO2006062956A3 (en) * | 2004-12-07 | 2006-11-09 | Fina Technology | Random copolymers and formulations useful for thermoforming and blow molding applications |
WO2010107003A1 (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-23 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン系樹脂多層シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 |
CN103097134A (zh) * | 2010-09-14 | 2013-05-08 | 日本聚丙烯株式会社 | 丙烯类树脂多层片和使用其的加热处理用包装体 |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP31181996A patent/JPH10152596A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6599639B2 (en) | 2001-03-16 | 2003-07-29 | Cryovac, Inc. | Coextruded, retortable multilayer film |
WO2006062956A3 (en) * | 2004-12-07 | 2006-11-09 | Fina Technology | Random copolymers and formulations useful for thermoforming and blow molding applications |
US7473750B2 (en) * | 2004-12-07 | 2009-01-06 | Fina Technology, Inc. | Random copolymers and formulations useful for thermoforming and blow molding applications |
WO2010107003A1 (ja) * | 2009-03-17 | 2010-09-23 | 日本ポリプロ株式会社 | プロピレン系樹脂多層シートおよびそれを用いた加熱処理用包装体 |
CN102355994A (zh) * | 2009-03-17 | 2012-02-15 | 日本聚丙烯株式会社 | 多层丙烯类树脂片和使用其的可加热处理的包装材料 |
US8859062B2 (en) | 2009-03-17 | 2014-10-14 | Japan Polypropylene Corporation | Multilayer propylene resin sheet and heat-treatable packaging material using same |
CN103097134A (zh) * | 2010-09-14 | 2013-05-08 | 日本聚丙烯株式会社 | 丙烯类树脂多层片和使用其的加热处理用包装体 |
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