JPH10244641A - レトルト用多層シーラントフィルム - Google Patents

レトルト用多層シーラントフィルム

Info

Publication number
JPH10244641A
JPH10244641A JP9053295A JP5329597A JPH10244641A JP H10244641 A JPH10244641 A JP H10244641A JP 9053295 A JP9053295 A JP 9053295A JP 5329597 A JP5329597 A JP 5329597A JP H10244641 A JPH10244641 A JP H10244641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
density
polyethylene
layer
heat
retort
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9053295A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Inoue
憲一 井上
Tomohiro Yokota
知宏 横田
Yasuhiro Inagaki
泰博 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP9053295A priority Critical patent/JPH10244641A/ja
Publication of JPH10244641A publication Critical patent/JPH10244641A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトルト処理に於ける耐熱性と冷凍流通に於
ける耐衝撃性とに有効なレトルト用多層シーラントフィ
ルムを提供する。 【解決手段】 少なくともヒートシール層(イ)とこれ
を保持する層(ロ)の2層から構成される多層シーラン
トフィルムであって、ヒートシール層(イ)が、特定密
度範囲の直鎖状低密度ポリエチレン(A)と特定密度範
囲の高密度ポリエチレン(B)とから構成される特定密
度範囲の混合ポリエチレン(C)99.8〜98重量%
に、平均粒子径5〜18μmのアンチブロッキング剤
0.2〜2重量%が配合されたポリエチレン組成物
(D)からなり、前記ヒートシール層(イ)を保持する
層(ロ)が、直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高密度
ポリエチレン(B)とから構成される特定密度範囲の混
合ポリエチレン(E)で構成されていることを特徴とす
るレトルト用多層シーラントフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト用多層シ
ーラントフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】加工食品は、従来の缶詰、瓶詰を始めと
して、冷凍食品、レトルト食品などがあり、近年、需要
はますます増加している。特に、レトルト食品は、取扱
いが容易で、衛生的であり、廃棄物処理が楽な点から、
一般家庭、レストラン、弁当業者に幅広く利用され、レ
トルト食品の種類、量ともにますます多様性を増してき
ている。レトルト食品の形状は、缶詰型が原型であった
が、近年のプラスチック材料や二次加工技術の発展に伴
い、シール性が優れた袋状のものが主流になった。
【0003】レトルト処理は、元来、食品を長期に保存
する手段として考案されたもので、食品を高温高圧下で
殺菌、密封するものである。現在の日本農林規格では、
「レトルト食品とは、プラスチックフィルム若しくは金
属箔又はこれらを多層に合わせたものを袋状その他の形
状に成形した容器(機密性及び遮光性を有するものに限
る)に調整した食品を詰め、熱溶融により密封し、加圧
加熱殺菌したものをいう」と定義されている。機密性及
び遮光性は、保存食品の必要事項であり、これにより常
温での長期保存が可能となる。
【0004】一方、レトルト処理を長期保存の手段では
なく、調理手段として使用し、透明の袋状の容器に調理
した食品を詰める場合が多い。透明の袋状の容器は保存
性は低下するが、内容物が見えるという長所を有する。
又、流通速度が早く、製造してから消費されるまでの時
間が短い製品では、基材フィルムとシーラントフィル
ム、又は、ガスバリアーフィルムとシーラントフィルム
との単純な2層構造の容器に密封されることが多い。
【0005】シーラントフィルムに使用される樹脂とし
てはプロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体、高密度ポリエチレン等
が挙げられ、これらの中で、プロピレン−エチレンラン
ダム共重合体は、透明性が良好な樹脂で、レトルト処理
の一般的な温度である120〜125℃の耐熱性を有
し、ヒートシール温度が適度に低いため、最も多用され
ている。そのため、最近では、レトルト処理を行った後
に、レトルト食品を冷凍流通させる方法も出現し、容器
のバリアー性能を省略することも可能となった。
【0006】その結果、従来のレトルト食品用のシーラ
ントフィルムを用いたフィルム容器が冷凍流通に出回
り、各種の不都合が生じるに至った。即ち、プロピレン
−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブ
ロック共重合体をフィルム容器のシーラントに用いる
と、低温に於ける耐衝撃性が不充分であるため、冷凍流
通時に破袋を起こした。又、高密度ポリエチレンの場合
は、低温のみならず常温領域においても、耐衝撃性が不
充分であった。一方、耐衝撃性を改良するために、直鎖
状低密度ポリエチレンを使用すると、121℃以上のレ
トルト処理の耐熱性に十分に耐えないという問題を生じ
た。
【0007】上記問題を解決する方法として、各種提案
がなされ、例えば、特開平5−261871号公報に
は、耐衝撃性、耐熱融着性、透明性に優れたシーラント
フィルムを得るために、直鎖状エチレン−α−オレフィ
ン共重合体にアンチブロッキング剤を0.4重量%以上
添加することが開示されている。しかし、アンチブロッ
キング剤の添加量が少ないと、耐熱融着性が十分でな
く、これが多いと、透明性、ヒートシール強度が低下す
ることが多かった。
【0008】又、特開平8−3383号公報には、シー
ラントフィルムに、メルトフローレートが0.1〜20
g/10分、密度が0.920〜0.940g/c
3 、α−オレフィンの炭素数が3〜18のエチレン−
α−オレフィンの共重合体70〜95重量%とメルトフ
ローレートが0.1〜20g/10分、密度が0.94
5g/cm3 以上の高密度ポリエチレン30〜5重量%
とからなるポリエチレン系樹脂組成物を用いることが開
示されている。該組成物は押出加工性が良好で、得られ
るシーラントフィルムを用いた複合フィルムは、ヒート
シール性、耐熱性、低温耐衝撃性が優れていると記載さ
れている。しかし、120℃程度のレトルト処理に於い
て、耐熱性に十分な余裕がないために、処理槽が部分的
に高温になると、延伸ナイロンフィルムなどと上記シー
ラントフィルムの積層体に於いて、部分的に皺が発生す
ることが多かった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述のような
問題を解決するためになされたもので、レトルト処理に
於ける耐熱性と冷凍流通に於ける耐衝撃性とに有効なレ
トルト用多層シーラントフィルムを提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のレトルト用多層
シーラントフィルムは、少なくともヒートシール層
(イ)とこれを保持する層(ロ)の2層から構成される
多層シーラントフィルムであって、ヒートシール層
(イ)が、密度0.935〜0.945g/cm3 の直
鎖状低密度ポリエチレン(A)と密度0.955〜0.
970g/cm3 の高密度ポリエチレン(B)とから構
成される密度0.945〜0.950g/cm3の混合
ポリエチレン(C)99.8〜98重量%に、平均粒子
径5〜18μmのアンチブロッキング剤0.2〜2重量
%が配合されたポリエチレン組成物(D)からなり、前
記ヒートシール層(イ)を保持する層(ロ)が、密度
0.935〜0.945g/cm3 の直鎖状低密度ポリ
エチレン(A)と密度0.955〜0.970g/cm
3 の高密度ポリエチレン(B)とから構成される密度
0.940〜0.945g/cm3 の混合ポリエチレン
(E)で構成されていることを特徴とする。
【0011】本発明に於いて、「少なくともヒートシー
ル層(イ)とこれを保持する層(ロ)の2層から構成さ
れる多層シーラントフィルム」とは、ヒートシール層
(イ)とヒートシール層(イ)を保持する層(ロ)の2
層から構成されるシーラントフィルムを最小単位とし、
該最小単位のフィルムの層(ロ)の表面に、任意の樹脂
フィルムが積層されている多層シーラントフィルムを意
味する。ヒートシール層(イ)は、加熱により融着封止
(シール)できる層であって、必ず片面は外部に露出し
ており、もう一方の面はヒートシール層(イ)を保持す
る層(ロ)に積層されている。又、任意の樹脂フィルム
とは、フィルムであれば、特に限定されるものではな
く、例えば、樹脂の種類、肉厚、単層、複層、積層方
法、延伸、未延伸など特定する条件を何ら含まない。
【0012】本発明に於いて、直鎖状低密度ポリエチレ
ン(A)としては、耐熱融着性、耐衝撃性、透明性をバ
ランス良く調和させるために、密度が0.935〜0.
945g/cm3 であることが必要であって、特に限定
するものではないが、エチレンとα−オレフィンとの共
重合体が好ましく、特に、エチレンと炭素数が4〜8の
α−オレフィン、例えば、ブテン−1、ヘキセン−1、
4−メチルぺンテン−1、オクテン−1等の共重合体が
好適に使用される。密度が0.935g/cm3 未満で
あると、得られるレトルトフィルム容器の耐熱性が不充
分となり、ヒートシール面が内面融着することがあり、
0.945g/cm3 を超えると、耐衝撃性が不充分と
なり、冷凍流通時に破袋する場合がある。
【0013】高密度ポリエチレン(B)としては、耐熱
性と耐衝撃性とをバランス良く調和させるために、密度
が0.955〜0.970g/cm3 であることが必要
であって、特に限定するものではないが、通常の高密度
ポリエチレンの重合方法で製造されるものが使用され
る。密度が0.955g/cm3 未満であると、得られ
るレトルトフィルム容器の耐熱性が不充分となり、ヒー
トシール面が内面融着することがあり、0.970g/
cm3 を超えると、耐衝撃性が不充分となり、冷凍流通
時に破袋する場合がある。
【0014】上述の直鎖状低密度ポリエチレン(A)と
高密度ポリエチレン(B)との混合ポリエチレン(C)
の密度は、0.945〜0.950g/cm3 であるこ
とが必要であり、この密度が0.945g/cm3 未満
であると、得られるレトルトフィルム容器の耐熱性が不
充分となり、ヒートシール面が内面融着することがあ
り、0.950g/cm3 を超えると、耐衝撃性が不充
分となり、冷凍流通時に破袋する場合がある。
【0015】本発明のアンチブロッキング剤は、通常の
フィルムのブロック化防止剤に使用されるものであっ
て、例えば、シリカ系、ゼオライト系、タルク系、シリ
コーン系、ポリメチルメタクリレート系、ポリスチレン
系、ポリアミド系などの平均粒子径が5〜18μmであ
るものが使用され、粒子の形状は、球状であることが好
ましい。平均粒子径が5μm未満の場合は、得られるレ
トルトフィルム容器の耐熱性が不充分となり、ヒートシ
ール面が内面融着することがあり、18μmを超える
と、粒子が大き過ぎて、透明性などの外観が劣悪となる
場合がある。尚、本発明において、粒子径はコールター
カウンター法により測定されたものをいう。
【0016】かくして、本発明のヒートシール層(イ)
は、直鎖状低密度ポリエチレン(A)と高密度ポリエチ
レン(B)との混合ポリエチレン(C)99.8〜98
重量%と平均粒子径5〜18μmのアンチブロッキング
剤0.2〜2重量%が配合されたポリエチレン組成物
(D)からなっている。アンチブロッキング剤の配合量
が、0.2重量%未満の場合は、得られるレトルトフィ
ルム容器の耐熱性が不充分となり、ヒートシール面が内
面融着することがあり、2重量%を超えると、透明性を
損なう。
【0017】ヒートシール層(イ)を保持する層(ロ)
は、密度0.935〜0.945g/cm3 の直鎖状低
密度ポリエチレン(A)と密度0.955〜0.970
g/cm3 の高密度ポリエチレン(B)とから構成さ
れ、得られた混合物の密度が0.940〜0.945g
/cm3 である混合ポリエチレン(E)で構成されてい
ることを特徴とする。直鎖状低密度ポリエチレン
(A)、高密度ポリエチレン(B)は、それぞれ、上述
のヒートシール層(イ)に使用されるポリエチレンと同
一の範疇の樹脂であり、混合組成を異にして、密度が
0.940〜0.945g/cm3 である混合ポリエチ
レン(E)で構成される。
【0018】直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリ
エチレンのそれぞれの密度が、0.935、0.955
g/cm3 未満の場合は、層(ロ)の耐熱性が不充分と
なって、ヒートシール層(イ)を熱的に保持できなくす
ることがあり、例えば、層(ロ)の上に、耐熱性の延伸
ナイロンフィルムが積層されている場合、レトルト処理
の耐熱性に耐えきれず、フィルムに皺を発生させること
がある。又、直鎖状低密度ポリエチレン及び高密度ポリ
エチレンのそれぞれの密度が、0.945、0.970
g/cm3 を超える場合は、層(ロ)の耐熱性は向上す
るが、耐衝撃性が低下し、冷凍流通時にレトルト容器が
破袋する場合がある。
【0019】混合ポリエチレン(E)の密度範囲は、
0.940〜0.945g/cm3 であり、ヒートシー
ル層の混合ポリエチレン(C)の密度範囲0.945〜
0.950g/cm3 よりも、低い密度範囲に設定され
る。ヒートシール層(イ)とこれを保持する層(ロ)を
同じ組成にした場合、耐熱性は得られるが透明性、耐衝
撃性が不充分となる。それ故に、層(ロ)は層(イ)よ
りも低密度に設定し、耐熱性、透明性と耐衝撃性との調
和を取っている。
【0020】混合ポリエチレン(E)の密度は、0.9
40〜0.945g/cm3 の範囲が必要であり、0.
940g/cm3 未満の場合は、耐熱性が不充分で、2
軸延伸ナイロンフィルムなどの積層体に於いて、レトル
ト処理時に積層面に皺を発生させることがある。又、
0.945g/cm3 を超える場合は、透明性、耐衝撃
性が低下する。
【0021】ヒートシール層(イ)とこれを保持する層
(ロ)との肉厚の比率については、層(イ)の肉厚は、
層(ロ)の肉厚の1/2〜1/6であることが好まし
い。1/2を超える場合は、フィルムの耐衝撃性が低下
し、1/6未満の場合は、耐熱性が不充分で、内面融着
が起き易くなる。上記の層(イ)と(ロ)の2層から構
成される最小単位のシーラントフィルムの肉厚は、一般
的に40〜120μmの範囲であることが好ましく、肉
厚が40μm未満の場合は、ヒートシール強度が低下す
る傾向にあり、120μmを超える場合は、積層フィル
ムの肉厚が厚すぎて、実用面で各種の不都合を生じる場
合が多い。
【0022】本発明のレトルト用多層シーラントフィル
ムの各層を形成する組成に於いて、上述の各種条件を満
たす限り、滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料等適宜
配合されていても構わず、上記各層の積層は、熱融着ラ
ミネート、共押出、押出ラミネート、ドライラミネー
ト、接着ラミネートなど通常のラミネート方法が適用さ
れるが、上記の層(イ)と(ロ)の2層から構成される
最小単位のシーラントフィルムには、共押出、押出ラミ
ネートが好適であり、該最小単位のシーラントフィルム
と2軸延伸ナイロンフィルムなど他の耐熱フィルムとの
積層は、ドライラミネートが好適に採用される。
【0023】(作用)本発明のレトルト用多層シーラン
トフィルムは、ヒートシール層の耐熱性を向上させるた
めに、特定の密度範囲の直鎖状低密度ポリエチレンを用
意し、これに特定の密度範囲の高密度ポリエチレンと特
定粒子径のアンチブロッキング剤とを配合して、レトル
ト処理に耐える耐熱性を付与するものである。しかし、
ヒートシール層に耐熱性を付与すると(又は、しすぎる
と)、耐衝撃性が低下するため、ヒートシール層を保持
する層を、上記のヒートシール層と同系統のポリエチレ
ン組成で、ヒートシール層の特定密度範囲より、相対的
に若干低く設定して、耐衝撃性をヒートシール層より大
きくして、ヒートシール層の耐衝撃性の低下を緩和し、
本発明のシーラントフィルム自体を実質的に耐熱性で、
且つ、耐衝撃性にするものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例をもって説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1 ヒートシール層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状
低密度ポリエチレン64.8重量%、密度0.960g
/cm3 の高密度ポリエチレン34.9重量%、平均粒
子径10μmの球状の架橋ポリメチルメタクリレート
(以下、架橋PMMAと記す)0.3重量%からなる組
成物であって、ヒートシール層を保持する層(以下、保
持層という)が、密度0.940g/cm3 の直鎖状低
密度ポリエチレン80重量%と密度0.960g/cm
3 の高密度ポリエチレン20重量%からなる組成物にな
るように、インフレーション成形にて、ヒートシール層
と保持層の比が1:3で、肉厚70μmのレトルト用多
層シーラントフィルムを得た。
【0025】実施例2 ヒートシール層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状
低密度ポリエチレン59.8重量%、密度0.966g
/cm3 の高密度ポリエチレン39.7重量%、平均粒
子径13μmの球状の架橋PMMA0.5重量%からな
る組成物であって、保持層が、密度0.935g/cm
3 の直鎖状低密度ポリエチレン75重量%と密度0.9
66g/cm3 の高密度ポリエチレン25重量%からな
る組成物になるように、Tダイ成形にて、ヒートシール
層と保持層の比が1:3で、肉厚70μmのレトルト用
多層シーラントフィルムを得た。
【0026】比較例1 ヒートシール層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状
低密度ポリエチレン59.8重量%、密度0.966g
/cm3 の高密度ポリエチレン39.7重量%、平均粒
子径13μmの球状の架橋PMMA0.5重量%からな
る組成物であって、保持層が、密度0.935g/cm
3 の直鎖状低密度ポリエチレンになるように、Tダイ成
形にて、ヒートシール層と保持層の比が1:3で、肉厚
70μmのレトルト用多層シーラントフィルムを得た。
【0027】比較例2 ヒートシール層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状
低密度ポリエチレン64.8重量%、密度0.960g
/cm3 の高密度ポリエチレン34.9重量%、平均粒
子径10μmの球状の架橋PMMA0.3重量%からな
る組成物であって、保持層が、密度0.935g/cm
3 の直鎖状低密度ポリエチレン98重量%と密度0.9
60g/cm3 の高密度ポリエチレン2重量%からなる
組成物になるように、インフレーション成形にて、ヒー
トシール層と保持層の比が1:3で、肉厚70μmのレ
トルト用多層シーラントフィルムを得た。
【0028】比較例3 ヒートシール層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状
低密度ポリエチレン64重量%、密度0.960g/c
3 の高密度ポリエチレン34重量%、平均粒子径3μ
mの不定型合成シリカ2.0重量%からなる組成物であ
って、保持層が、密度0.940g/cm3 の直鎖状低
密度ポリエチレン80重量%と密度0.960g/cm
3 の高密度ポリエチレン20重量%からなる組成物にな
るように、インフレーション成形にて、ヒートシール層
と保持層の比が1:3で、肉厚70μmのレトルト用多
層シーラントフィルムを得た。
【0029】(評価方法)実施例、比較例の各フィルム
の保持層面にコロナ放電を施して、ドライラミネートに
て、2軸延伸ポリアミドフィルム(三菱化学製サントニ
ールLP3、15μm)と貼付し、これらの複合フィル
ムについて、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
【0030】(1)耐熱性;内面融着、外観 ヒートシール面を内面にして、8cm×11cmの三方
袋を作製し、これにサラダ油3ccを封入し、空気がで
きる限り入らない状態で、開口部をヒートシールした。
上記で得られた測定試料を、各テスト温度で30分間、
レトルト処理を行い、レトルト処理後、袋の内面の融着
状態、袋の皺の有無などの官能評価を行った。
【0031】(2)耐衝撃性 121℃、30分間のレトルト処理後、−15℃の低温
槽内に放置し、JIS−P8134に基づき、ヒートシ
ール面側から打ち抜いた時の強度から耐衝撃性を評価し
た。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】本発明のレトルト用多層シーラントフィ
ルムは、上述のように構成されているので、121℃の
レトルト処理に於いても、レトルト釜の不均一な温度勾
配などにより、外観不良や内面融着を起こさず、且つ、
冷凍輸送時に、破袋することがない。従って、冷凍食品
包装、レトルト食品包装いずれにも有効に使用できるシ
ーラントフィルムを提供することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともヒートシール層(イ)とこれ
    を保持する層(ロ)の2層から構成される多層シーラン
    トフィルムであって、ヒートシール層(イ)が、密度
    0.935〜0.945g/cm3 の直鎖状低密度ポリ
    エチレン(A)と密度0.955〜0.970g/cm
    3 の高密度ポリエチレン(B)とから構成される密度
    0.945〜0.950g/cm3 の混合ポリエチレン
    (C)99.8〜98重量%に、平均粒子径5〜18μ
    mのアンチブロッキング剤0.2〜2重量%が配合され
    たポリエチレン組成物(D)からなり、前記ヒートシー
    ル層(イ)を保持する層(ロ)が、密度0.935〜
    0.945g/cm3 の直鎖状低密度ポリエチレン
    (A)と密度0.955〜0.970g/cm3 の高密
    度ポリエチレン(B)とから構成される密度0.940
    〜0.945g/cm3 の混合ポリエチレン(E)で構
    成されていることを特徴とするレトルト用多層シーラン
    トフィルム。
JP9053295A 1997-03-07 1997-03-07 レトルト用多層シーラントフィルム Pending JPH10244641A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9053295A JPH10244641A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 レトルト用多層シーラントフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9053295A JPH10244641A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 レトルト用多層シーラントフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10244641A true JPH10244641A (ja) 1998-09-14

Family

ID=12938745

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9053295A Pending JPH10244641A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 レトルト用多層シーラントフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10244641A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256116A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム
JP2003191411A (ja) * 2001-12-28 2003-07-08 Tohcello Co Ltd 熱融着性積層フィルム及びその用途
JP2003192803A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Tohcello Co Ltd 熱融着性フィルム及びその用途
JP2011231330A (ja) * 2011-06-15 2011-11-17 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム及びその包装用フィルムを使用した積層包装材料
JP2013086276A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Shikoku Kako Kk 深絞り食品包装用多層フィルム
WO2015186618A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 株式会社細川洋行 レトルト包装用積層体及び容器
JP2016179569A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱樹脂株式会社 医療用フィルムおよび高周波ウェルダー加工包装体
WO2022056095A1 (en) 2020-09-11 2022-03-17 Amcor Flexibles North America, Inc. Heat stable multilayer barrier film structure
WO2023100403A1 (ja) * 2021-11-30 2023-06-08 住友化学株式会社 積層フィルム、及びその製造方法
WO2023249633A1 (en) 2022-06-24 2023-12-28 Amcor Flexibles North America, Inc. Multilayer packaging films

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002256116A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム
JP2003191411A (ja) * 2001-12-28 2003-07-08 Tohcello Co Ltd 熱融着性積層フィルム及びその用途
JP2003192803A (ja) * 2001-12-28 2003-07-09 Tohcello Co Ltd 熱融着性フィルム及びその用途
JP2011231330A (ja) * 2011-06-15 2011-11-17 Toyobo Co Ltd 包装用フィルム及びその包装用フィルムを使用した積層包装材料
JP2013086276A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Shikoku Kako Kk 深絞り食品包装用多層フィルム
WO2015186618A1 (ja) * 2014-06-05 2015-12-10 株式会社細川洋行 レトルト包装用積層体及び容器
US10633158B2 (en) 2014-06-05 2020-04-28 Hosokawa Yoko Co., Ltd. Laminate for retort packaging and container
JP2016179569A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 三菱樹脂株式会社 医療用フィルムおよび高周波ウェルダー加工包装体
WO2022056095A1 (en) 2020-09-11 2022-03-17 Amcor Flexibles North America, Inc. Heat stable multilayer barrier film structure
WO2023100403A1 (ja) * 2021-11-30 2023-06-08 住友化学株式会社 積層フィルム、及びその製造方法
WO2023249633A1 (en) 2022-06-24 2023-12-28 Amcor Flexibles North America, Inc. Multilayer packaging films

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4960103B2 (ja) ポリプロピレン系フィルムおよびその積層体
EP0273341A2 (en) Cook-in shrink film
JPH1086300A (ja) 線状低密度ポリエチレン系複合フィルム
JPH10244641A (ja) レトルト用多層シーラントフィルム
JP3643449B2 (ja) 多層フィルム、それからなる包装容器および包装製品
JP2014188923A (ja) 積層フィルム
JPH1081764A (ja) 線状低密度ポリエチレン系フィルム
JP5259897B2 (ja) 包装用フィルム
JPH0686109B2 (ja) レトルト殺菌包装材料用複合フィルム積層体
JP3543456B2 (ja) イージーピールシール用フィルムおよび容器
JP3413542B2 (ja) 線状低密度ポリエチレン系フイルム
KR100845504B1 (ko) 열밀봉성 필름 및 그 용도
JP2004358683A (ja) 加熱殺菌処理食品包装用フィルム
JP4178847B2 (ja) ポリオレフィン系重合体積層フィルム及び包装体
JPH1087909A (ja) レトルト用シーラントフィルム
JPH10152596A (ja) レトルト用シーラントフィルム
JP2002187962A (ja) ポリエチレン系フィルム及び積層包装材料
JPH11292992A (ja) シーラントフイルム
JP2014070200A (ja) 防湿層形成用樹脂組成物、防湿層形成用シーラント及び防湿フィルム
JP7136397B1 (ja) 積層フィルム及び包装材
JP7380345B2 (ja) レトルト食品用シーラントフィルム
JP7326909B2 (ja) 撥液性積層体及び包装材
JPH1095466A (ja) レトルト用シーラントフィルム
JPH03277365A (ja) 医療液体用袋
JP2000072150A (ja) 清涼飲料水包装袋

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071214

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131214

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250