JP2002069213A - ポリオレフィン系樹脂フィルム及び積層包装材料 - Google Patents
ポリオレフィン系樹脂フィルム及び積層包装材料Info
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Abstract
寸法安定性が優れるので、低温域での冷凍用途から高温
域での熱水殺菌用途まで巾広い温度領域に使用すること
ができるポリオレフィン系樹脂フィルム及び該ポリオレ
フィン系樹脂フィルムが基材フィルムの一方の面に積層
された積層包装材料を提供すること。 【解決手段】 密度0.950g/cm3以上の線状低
密度ポリエチレンを30〜70重量%含有し、かつ、熱
風100℃処理による収縮率が0.5%以下であること
を特徴とする。
Description
脂フィルム及び積層包装材料、特に、透明性、低温域で
の強度保持及び高温域での寸法安定性が優れたポリオレ
フィン系樹脂フィルム及び該ポリオレフィン系樹脂フィ
ルムが基材フィルムの少なくとも一方の面に積層された
積層包装材料に関するものである。
料は、強度が優れるポリアミドやポリエステルなどの基
材フィルムにヒートシール性を有するポリオレフィン系
樹脂フィルムが積層されている。しかしながら、従来の
ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いた包装材料も要求
されるすべての特性を満足できるものではない。例え
ば、ポリプロピレンフィルムは低温域での強度不足のた
め冷凍食品包装用途に不適当である。また、ポリエチレ
ンフィルムでは高温域での寸法安定不足のため熱水殺菌
用途に向いていない。さらに、特定の密度や圧縮弾性率
を有するポリエチレンを用いたポリオレフィンフィルム
(特開平3−119349号公報、特開平10−157
000号公報に開示)があるが、これらのフィルムは透
明性などの特性が充分満足できるものではない。
リオレフィン系樹脂フィルム及び積層包装材料の有する
問題点を解決し、透明性、低温域での強度保持及び高温
域での寸法安定性が優れるので、低温域での冷凍用途か
ら高温域での熱水殺菌用途まで巾広い温度領域に使用す
ることができるポリオレフィン系樹脂フィルム及び該ポ
リオレフィン系樹脂フィルムが基材フィルムの一方の面
に積層された積層包装材料を提供することにある。
め、本発明のポリオレフィン系樹脂フィルムは、密度
0.950g/cm3以上の線状低密度ポリエチレンを
30〜70重量%含有し、かつ、熱風100℃処理によ
る収縮率が0.5%以下であることを特徴とする。
ン系樹脂フィルムは、透明性、低温域での強度保持及び
高温域での寸法安定性が優れる。
は、ヘーズが10%以下であることが好ましい。
ィルムは、複数の層から形成されてなり、密度0.95
0g/cm3以上の線状低密度ポリエチレンの含有率D
(重量%)が、 ・各層の、密度0.950g/cm3以上の線状低密度
ポリエチレンの含有率(%):d1、d2・・dn ・各層の単位面積当たりの重量(g):w1、w2・・w
n ・ポリオレフィン系樹脂フィルムの単位面積当たりの重
量(g):W としたときに、下式で算出して30〜70重量%である
ことが好ましい。 D={(d1×w1+d2×w2・・dn×wn)/W}(重
量%)
フィン系樹脂フィルムが、基材フィルムの少なくとも一
方の面に積層されてなることを特徴とする。
は、透明性、低温域での強度保持及び高温域での寸法安
定性が優れるので、低温域での冷凍用途から高温域での
熱水殺菌用途まで巾広い温度領域に使用することができ
る。
樹脂フィルム及び積層包装材料の実施の形態を説明す
る。
その構成成分中に密度0.950g/cm3以上の線状
低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと略称する)を
全体に対し30〜70重量%含有し、かつ、熱風100
℃処理による収縮率が0.5%以下である。
中に含有するポリオレフィン系樹脂フィルムは、熱水処
理を行うことにより大きな寸法変化を生ずる。これは、
ポリエチレンが高温域で分子運動が活発になり、軟化変
形するためと考えられている。特に、熱風100℃処理
による収縮率が0.5%を超えるポリオレフィン系樹脂
フィルムは、食品包装材料などとして用いて熱水処理し
た後において、ガスバリア性の劣化といった問題が生じ
る。ところが、密度の高いポリエチレンは耐熱性に優
れ、ポリオレフィン系樹脂フィルム中に適量配合するこ
とで熱水処理温度域での軟化変形を防止できる。即ち、
ポリオレフィン系樹脂フィルム中に密度0.950g/
cm3以上のLLDPEを30〜70重量%含有させる
ことで熱水処理時の寸法変化を小さくすることができる
ことが判明した。
上のポリエチレンはLLDPEでなければならない。他
のポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン(HDP
E)を用いたフィルムは低温域での強度保持や透明性を
満足することができない。さらに、LLDPEを用いた
場合であっても、その密度が0.950g/cm3未満
のLLDPEを用いたフィルムでは熱水処理した後にお
いて包装材料が軟化変形するという問題がある。
ポリエチレンであり、密度0.950g/cm3以上、
融点125℃以上を有し、その単量体組成としては、エ
チレンと、好ましくは0.2〜20モル%、より好まし
くは1〜10モル%の炭素数3〜10のα−オレフィン
の少なくとも1種とを、液相又は気相法で共重合させた
ものが使用できる。上記α−オレフィンの具体例として
は、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、4−メ
チルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−
ジメチルペンテン−1などが挙げられる。LLDPEの
中でも、密度が0.950〜0.970g/cm3のも
のが好ましく使用できる。より好ましい密度は、0.9
55〜0.965g/cm3 である。
構成成分の、70〜30重量%を占める上記のLLDP
E以外のポリオレフィン系樹脂としては、種々のポリオ
レフィンを特に限定することなく使用できる。具体的に
は、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレンなど)、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポ
リ−4−メチルペンテン−1などの単独重合体、エチレ
ン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合
体、エチレン/4−メチル−ペンテン−1共重合体、エ
チレン/デセン−1共重合体、プロピレン/ブテン−1
共重合体、プロピレン/4−メチル−ペンテン−1共重
合体、デセン/4−メチル−ペンテン−1共重合体、エ
チレン/プロピレン/ブテン−1共重合体などの共重合
体などが挙げられる。
脂の、好ましいメルトインデックス(MI)の範囲は、
1〜15g/10分(JIS K7210に準じた23
0℃での値)である。ポリオレフィン系樹脂は、例え
ば、減圧処理などで脱臭処理したものを用いるのが好ま
しい。
ン系樹脂には、通常、ポリオレフィン系樹脂組成物に加
えられている各種添加剤、例えば可塑剤、熱安定剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、フィラー、帯電防止
剤、抗菌剤、滑剤、アンチブロッキング剤などを本発明
の効果を損なわない範囲で適量使用してもよい。アンチ
ブロッキング剤としては、球状の微粒子を用いることが
好ましい。球状微粒子は、フィルムの透明性、滑り性及
び耐ブロッキング性のバランスを取る効果を有する。
単層で用いる他、シーラント層として基材フィルムと積
層して積層フィルムの表層に積層して用いる場合が多い
ので、シーラントフィルムとして必要な、ヒートシール
性、滑り性、耐ブロッキング性、ラミネート性、ガスバ
リア性、耐衝撃性、表面保護性、機械的性質などに優れ
ていることも好ましい。従って、本発明のポリオレフィ
ン系樹脂フィルムは単層構成としてもよいが、上記各性
質を異なる層に分担させてポリオレフィン系樹脂フィル
ムを2層以上、さらには3層以上の積層構造で構成する
ことが好ましい。
層、即ち、2層又は3層以上の積層構造で構成されてい
る場合、密度0.950g/cm3以上の線状低密度ポ
リエチレンはポリオレフィン系樹脂フィルムを構成する
全樹脂中で30〜70重量%含有する。即ち、ポリオレ
フィン系樹脂フィルムを構成する複数層の各層が均一な
含有率であっても、各層毎に異なる含有率であってもよ
く、また、一層だけに集中して存在してもよい。 な
お、含有率D(重量%)は、 ・各層の、密度0.950g/cm3以上の線状低密度
ポリエチレンの含有率(%):d1、d2・・dn ・各層の単位面積当たりの重量(g):w1、w2・・w
n ・ポリオレフィン系樹脂フィルムの単位面積当たりの重
量(g):W としたときに、下式で求めた値である。 D={(d1×w1+d2×w2・・dn×wn)/W}(重
量%)
の複数の層とするときの各層を構成するポリオレイン系
樹脂については、同一の単量体からなる重合体の共重合
体、変性物、ブレンド物あるいは異種重合体の積層のい
ずれであってもよい。この場合、密度0.950g/c
m3以上の線状低密度ポリエチレンは、ポリオレフィン
系樹脂フィルム中で合計量として30〜70重量%含有
し、かつ、ポリオレフィン系樹脂フィルムとして熱風1
00℃処理による収縮率が0.5%以下であるように含
有される。
層構造とするときの各層を構成するポリオレイン系樹脂
については、その組み合わせとしては、例えば、(LL
DPE/MDPE/LDPE)ポリエチレン、(LLD
PE/LLDPE+MDPE/MDPE)ポリエチレン
のような3層構成にすることにより、ヒートシール部の
厚みの細り防止、添加剤のブリード防止が可能になり、
低温ヒートシール性が安定するという点で好ましい組み
合わせである。
脂フィルムを製造するには、共押出し成形法が好まし
く、例えば、円形ダイを用いるインフレーション成形
法、Tダイを用いるTダイ成形が採用できる。Tダイ成
形を行う場合には、ドラフト率を1〜10%、樹脂温度
を150〜300℃に設定して冷却ドラム上に押出すこ
とが好ましい。厚みは、ポリオレフィン系樹脂フィルム
としては、通常5〜150μm、より一般的には15〜
80μmの範囲である。ポリオレフィン系樹脂フィルム
の厚みは、150μm以上であると、フレキシブル性が
不足し、5μm以下であると包装物の破袋という問題が
生じる。上記の範囲で積層包装材料の全厚みに応じて適
宜設定することができる。
ら積層包装材料を製造するために基材フィルムに積層す
る場合の層構造は特に限定されないが、ポリオレフィン
系樹脂フィルムはシーラントフィルムとして適している
ので、ポリオレフィン系樹脂フィルムに次のような基材
フィルムを積層した積層包装材料であるのが好ましい。
成能を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであれば、
特に制限はないが、ポリプロピレン、ポリブテンなどの
ポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン−2,6−ナフタレート、ポリブチレンテ
レフタレートやそれらの共重合体などに代表されるポリ
エステル系樹脂、ポリオキシメチレンに代表されるポリ
エーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ポリメタ
キシレンアジパミドなどに代表されるポリアミド系樹
脂、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、
ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニルやそれらの共重
合体に代表されるビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂などやセロファン、アセテートなどに代表されるセル
ロース系樹脂、さらにはポリイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォ
ン、ポリスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテ
ルケトンケトン、フッ素含有重合体その他の多くの樹脂
の単体、共重合体、混合体、複合体よりなる、未延伸あ
るいは一軸又は直行する二軸方向に延伸された配向フィ
ルムなどを挙げることができる。
ルムには耐熱寸法変化や機械的強度、さらには成形性や
経済性などの面から二軸延伸されたポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリアミドなどのフィルムである場合が好
適である。
が、通常は1〜250μmであり、積層包装材料として
は3〜50μmである場合が特に好ましい。この基材フ
ィルムは、単体であっても複合された多層フィルムであ
ってもよく、多層フィルムにおける複合方法や層数など
は任意である。
び積層包装材料は、透明性、低温域での強度保持及び高
温域での寸法安定性に優れている、という特性を活か
し、食品包装材料として味噌、漬物、惣菜、ベビーフー
ド、佃煮、こんにゃく、ちくわ、蒲鉾、水産加工品、ミ
ートボール、ハンバーグ、ジンギスカン、ハム、ソーセ
ージ、その他の畜肉加工品、茶、コーヒー、紅茶、鰹
節、とろろ昆布、ポテトチップス、バターピーナッツな
どの油菓子、米菓、ビスケット、クッキー、ケーキ、饅
頭、カステラ、チーズ、バター、切り餅、スープ、ソー
ス、ラーメン、わさびなど、あるいは練り歯磨きなどの
包装に幅広く用いられ、さらにはペットフード、農薬、
肥料、輸液パック、あるいは半導体や精密材料包装な
ど、医療、電子、化学、機械などの産業材料包装にも広
く活用することができる。また包装材料の使用形態にも
特に制限がなく、袋、フタ材、カップ、チューブ、スタ
ンディングパウチなどとして広く実用化できる。
果を具体的に説明する。なお、本発明は、その要旨を逸
脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
また、本明細書中で下記実施例で採用した各種の性能試
験は次の方法によって行った。
℃の空気中で30分間処理する前と後の寸法変化を、縦
(0度)、横(90度)についてJIS−K−6782
に準ずる方法で測定し、それぞれの値を縦方向及び横方
向の収縮率とした。
ラミネート後、得られたラミネートフィルムから135
×165mm(シール巾5mm)の袋を製造し、次いで
水200ccを入れ、ヒートシール後、95℃、30分
のボイル処理を行った。次いで5℃に冷却して1.5m
の高さから袋を繰り返し落下させ、破袋までの回数を測
定した。
ラミネート後、得られたラミネートフィルムを95℃、
30分のボイル処理を行い、モコン法・ASTMD39
85にて測定した。
フィルムを形成するため、A層としてLLDPE(密度
0.960g/cm3、メルトインデックス4.0g/
10分、融点135℃:出光石油化学社製、商品名モア
テック0408G)を、B層としてLLDPE(密度
0.960g/cm3、メルトインデックス4.0g/
10分)とLLDPE(密度0.920g/cm3、メ
ルトインデックス4.0g/10分)との33:67
(重量比)の割合の混合物を、C層としてLLDPE
(密度0.920g/cm3、メルトインデックス4.
0g/10分)を、それぞれ溶融し、3層共押出し式製
膜機でTダイから冷却ロール上に押出し、各層10/3
0/10μmのポリオレフィン系樹脂フィルムを得た。
を変更した他は同様にしてポリオレフィン系樹脂フィル
ム(合計50μm)を得た。B層としてLLDPE(密
度0.960g/cm3)とLLDPE(密度0.92
0g/cm3)とを90:10の割合で混合した。
を変更した他は同様にしてポリオレフィン系樹脂フィル
ム(合計50μm)を得た。B層としてLLDPE(密
度0.960g/cm3)とLLDPE(密度0.92
0g/cm3)とを10:90の割合で混合した。
を変更した他は同様にしてポリオレフィン系樹脂フィル
ム(合計50μm)を得た。B層としてHDPE(密度
0.960g/cm3)とLLDPE(密度0.920
g/cm3)とを33:67の割合で混合した。
伸フィルム(厚み15μm:東洋紡績社製)の表面に2
液型ポリウレタン系接着剤(Tg:−12℃、武田薬品
社製「A310/A10」)を5g/m2 塗布し、そ
の上に実施例1、比較例1〜3で得られたポリオレフィ
ン系樹脂フィルムを、それぞれドライラミネートし、実
施例2、比較例5〜8の積層包装材料を得た。
レフィン系樹脂フィルム及び積層包装材料をそれぞれ熱
収縮率、ヘーズ、実用強度/酸素透過度を測定した。評
価結果を表1に示す。
及び積層包装材料によれば、透明性、低温域での強度保
持及び高温域での寸法安定性が優れ、寸法変化と透明性
の両立ができるので、低温域での冷凍用途から高温域で
の熱水殺菌用途まで巾広い温度領域に使用することがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】 密度0.950g/cm3以上の線状低
密度ポリエチレンを30〜70重量%含有し、かつ、熱
風100℃処理による収縮率が0.5%以下であること
を特徴とするポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 【請求項2】 ヘーズが10%以下であることを特徴と
する請求項1記載のポリオレフィン系樹脂フィルム。 - 【請求項3】 複数の層から形成されてなり、密度0.
950g/cm3以上の線状低密度ポリエチレンの含有
率D(重量%)が、 ・各層の、密度0.950g/cm3以上の線状低密度
ポリエチレンの含有率(%):d1、d2・・dn ・各層の単位面積当たりの重量(g):w1、w2・・w
n ・ポリオレフィン系樹脂フィルムの単位面積当たりの重
量(g):W としたときに、下式で求めた値が30〜70重量%であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載のポリオレフィ
ン系樹脂フィルム。 D={(d1×w1+d2×w2・・dn×wn)/W}(重
量%) - 【請求項4】 請求項1、2又は3記載のポリオレフィ
ン系樹脂フィルムが、基材フィルムの少なくとも一方の
面に積層されてなることを特徴とする積層包装材料。
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JP2000264881A JP5041110B2 (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | ポリオレフィン系樹脂フィルム及び積層包装材料 |
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