JP4582281B2 - 積層体および包装材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバリア層としてアルミニウム箔を、シーラント層としてエチレン−α−オレフィン共重合体をサンド樹脂の押出ラミネーションにより積層した積層体及び包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、携帯電話等の携帯端末装置、ビデオカメラ、衛星などに用いられる電池として、超薄型化、小型化の可能なリチウム電池が盛んに開発されている。このリチウム電池用の外層体としては、従来電池包材として用いられていた金属製缶とは異なり、軽量で電池の形状を自由に選択できるという利点から、多層フィルムを袋状にしたものが多用されている。
多層フィルムの構成としては、例えば最外層/バリア層/シーラント層という構成のものがあり、バリア層としてはその優れたガスバリア性能からアルミニウム箔を用いることができる。しかし、現状では、リチウム電池用包材として要求されているような機能・物性、例えば耐熱性、ガスバリア性、内容物耐性等、を十分に満足するものが開発されていない。
【0003】
リチウム電池は、電池内容物として正極材、負極材と共に、炭酸プロピレン、炭酸エチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチルなどの非プロトン性溶媒にリチウム塩を溶解した電解液、もしくはその電解液を含浸させたポリマーゲルからなる電解質層を含んでいる。このような強浸透性の溶媒がシーラント層を通過すると、アルミニウム箔層とシーラント層間のラミネート強度を低下させ、最終的には電解液が漏れ出すといった問題があり、アルミニウム箔とシーラント層との層間強度を強め、内容物耐性を持たせることは必須である。
【0004】
また、電解液中のリチウム塩としてはLiPF6、LiBF4等の物質が用いられているが、これらの塩は水分との加水分解反応によりフッ酸を発生し、これは金属面の腐食、ラミネート強度低下を引き起こす。解決策としてバリア層にアルミニウム箔を用いることで、包材の表面からの水分侵入はほぼ遮断される。しかし、リチウム電池用の外装材は多層フィルムをヒートシールによって貼り合わせた構造をしており、最内層であるシーラント層のシール部端面からの水分の侵入を防ぐ必要もあり、シーラント層に水蒸気透過度の低い高密度な樹脂を用いるなどの工夫もなされている。
【0005】
しかしながら、そのように高密度な樹脂は一般的に硬くて脆いために、基材への接着性、ヒートシール性が悪く、シーラント層に用いた場合にヒートシール強度がそれほど強くないという問題点があった。リチウム電池は内容物に上記したような危険物質を含んでいるため、包材として用いるためには内容物の漏れが起こらない程充分強いヒートシール強度を持ち、また充填時に内容物が付着したとしてもシールが可能な夾雑物シール性を有している必要がある。
【0006】
また、リチウム電池は真夏の車内等の60,70℃という高温下で使用される可能性があるが、このような状況下においても充分なシール強度を保持できるような耐熱性を兼ね備えていることも重要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記課題点を克服するためになされたものであり、強浸透性物質を内容物として長期間保存してもバリア層とシーラント層間のラミネート強度を低下させることなく、またこの積層体同士をヒートシールした場合に充分強いシール強度及び夾雑物シール性を持たせることが可能で、さらに水分バリア性、耐熱性を付与させることができる積層体及び包装材料を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、少なくとも最外層/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層の構成からなる積層体において、バリア層、シーラント層がそれぞれ、
(1)バリア層;厚さ9〜200μmからなるアルミニウム箔層、
(2)シーラント層;密度が0.925g/cm3以上、融解熱量のピークトップが115℃以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層、
からなり、前記アルミニウム箔層面に、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクトタイプを溶媒で溶解した溶液を塗布乾燥した層を厚さ1μm以上5μm以下で積層しその層を介し、前記サンド樹脂を設けたことを特徴とする積層体である。
【0010】
請求項記載の発明は、
前記バリア層の前記アルミニウム箔層のシーラント層側もしくは両面に熱水変成処理が施されていて、熱水変成処理がベーマイト処理であり、処理を施した面の破断面を透過型電子顕微鏡により観察した時、処理層の厚みが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の積層体である。
【0011】
請求項記載の発明は、前記サンド樹脂が、密度0.940g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に項記載の積層体である。
【0012】
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体を、最小単位として用いたことを特徴とする包装材料である。
【0013】
請求項記載の発明は、前記包装材料を、リチウム電池用外装材として用いたことを特徴とする請求項記載の包装材料である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
本発明の積層体は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1記載の発明は、少なくとも最外層/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層の構成からなる積層体において、バリア層、シーラント層が以下に示すような層であることを特徴とするものである。
(1)バリア層;厚さ9〜200μmからなるアルミニウム箔層であり、このアルミニウム箔のシーラント層側もしくは両面に熱水変成処理が施されている層。
(2)シーラント層;密度が0.925g/cm3以上、融解熱量のピークトップが115℃以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層。
【0016】
バリア層として用いたアルミニウム箔が最外層になった場合、加工、流通等の時にピンホールが発生する恐れがあるため、これを防ぐ目的でアルミニウム箔の外に最外層を設ける必要がある。また、電池用外装材として用いる場合には、アルミニウムとハードとの直接の接触を避ける必要もある。これらのことを考慮して、最外層は絶縁性のある樹脂層がよい。そのような樹脂層の例として、延伸ポリエステルフィルム、延伸ナイロンフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム等のフィルムを単層または2層以上積層した多層フィルムを使用することができる。
耐ピンホール性、絶縁性を向上させるために6μm以上、また成形性を考慮すると40μm以下の厚みのフィルムがよく、好ましくは15〜25μmのものである。
【0017】
最外層である基材フィルムとバリア層であるアルミニウム箔はドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の公知の手法により貼り合わせることができる。
【0018】
バリア層として用いるアルミニウム箔表面には、基材との貼り合わせを行う前に熱水変成処理を施す。処理水にはアンモニア、トリエタノールアミンのようなアルカリを水中に0.01〜1.0wt.%、好ましくは0.1〜0.5wt.%の範囲で添加したものを用いることができる。
【0019】
アルミ、アルミナなどを熱水変成処理すると、その処理温度によって様々な水和酸化物層が形成される。常圧下で80〜100℃、好ましくは90−100℃の範囲の前記処理液中に、アルミニウム箔を1分以上、好ましくは3分以上浸漬させることで、水和酸化物としてベーマイトを形成させることができる。以下熱水変成処理をベーマイト処理と呼ぶ。
【0020】
アルミニウム面にベーマイト処理を施すことにより、各種熱可塑性樹脂との接着性を向上させることができる。ベーマイト処理後のアルミニウム箔表面は、ベーマイトの結晶が針状に形成される構造になっており、未処理のものと比較して著しく表面が粗い。また、その表面にはベーマイトの水酸基が多く存在している。表面の粗さの結果による投錨効果、水酸基と樹脂との水素結合等の結果により、接着性を向上させることが可能である。さらに、強浸透性物質を内容物として長期間保存してもバリア層とシーラント層間のラミネート強度を低下させることがない。
【0021】
前記条件でベーマイト処理を施したアルミニウム箔の破断面を透過型電子顕微鏡により観察すると、形成された処理層の厚みは0.1μm以上となる。
【0022】
アルミニウム箔としては、バリア性、耐ピンホール性、加工性を考慮して9〜200μm、好ましくは15〜100μmの範囲の厚みのものを使用できる。また、その材質は一般の軟質アルミニウム箔を用いることができるが、さらなる耐ピンホール性、及び成形時の伸長性を付与させる目的で、鉄含有率が0.1〜9.0wt.%、好ましくは0.5〜2.0wt.%の範囲のアルミニウム箔を用いるのがよい。鉄含有率が0.1wt.%以下であると耐ピンホール性、伸長性を十分に付与させることができず、9.0wt.%以上になると柔軟性が損なわれる。
【0023】
次に、シーラント層について詳細な説明をする。シーラント層は包装材料を形成する際に、積層体同士をヒートシールするために積層するものである。
【0024】
シーラント層としては、密度が0.925g/cm3以上、融解熱量のピークトップが115℃以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体を用いることで、水蒸気透過率を低くでき、シーラント層端面からの微量な水分の侵入を確実に遮断することが出来るようになる。仮に、低密度ポリエチレンを用いると、水蒸気透過率が高くなり、高密度ポリエチレンを用いると構造中に含まれる少量の低密度ポリエチレン成分の影響により、水蒸気透過度が高くなる可能性がある。さらに、エチレン−α−オレフィン共重合体を用いることによって、夾雑物シール性も付与することが可能であり、シール性向上にもつながる。
【0025】
又、上記のシーラント層により耐熱性も付与でき、密度0.925g/cm3以下、融解熱量のピークトップが115℃以下になると、樹脂の耐熱性が低くなり、高温時での使用時にシール劣化等が起こる可能性がある。
【0026】
シーラント層の厚みは20〜100μmの範囲がよく、好ましくは30〜70μmの範囲のものである。厚みが薄すぎるとシール強度が弱くなり、厚すぎるとシール不良が起こる、またシーラント端面からの水分侵入が起こりやすくなる可能性がある。
【0027】
シーラント層とアルミ箔層とを貼り合わせる方法としては、ドライラミネーション、ウエットラミネーション等の接着剤を使用する方法がある。しかしながら、このような方法に使用する接着剤には強浸透性の内容物に対する耐性がないものが多く、特にリチウム電池用の電解液のような内容物を入れると、接着剤が膨潤してデラミネーションが起こる原因となる。
【0028】
従って、シーラントフィルムとアルミ箔を接着する場合には、接着剤を必要としない押出ラミネーションを用いるのがよい。張り合わせるための樹脂、すなわちサンド樹脂としては、密度0.940g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることができる。エチレン−α−オレフィン共重合体を用いることで、前記したように効果的に水分を遮断することが可能である。また、密度0.940g/cm3以上になると、硬くて脆い層になり、アルミニウム箔層との接着強度が低くなるおそれがある。
【0029】
サンド樹脂層の厚みは5〜30μmであることが好ましい。5μmより薄いと膜厚を調整することが困難で加工に支障をきたし、30μmより厚いとシーラント層と貼り合わせた際の全体の厚みが厚くなり、シール不良を引き起こす原因となる。
【0030】
ベーマイト処理面に直接前記したような熱可塑性樹脂をラミネートしても、十分な接着強度は得られるが、強浸透性の内容物に対する耐性を持たせるためには、ベーマイト表面にアンカーコート層として各種イソシアネート系化合物をグラビアなどのコーティング方法により、厚さ5μm以下、好ましくは3μm以下、さらに好ましくは1μm以下で設けた後に、熱可塑性樹脂層をラミネートすることが好ましい。
【0031】
イソシアネート系化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネートなどの各種ジイソシアネート系モノマー、これらをアダクト、ビューレット、イソシアヌレートの形で複合化した化合物が使用可能である。
【0032】
本発明の積層体は、単体もしくは各層間に中間層を設けることで、各種包装材料として用いることが可能である。以下に、構成例を示す。
・熱可塑性樹脂層(最外層)/熱可塑性樹脂層(中間層)/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層
・熱可塑性樹脂層(最外層)/紙(中間層)/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層
・熱可塑性樹脂層(最外層)/バリア層/熱可塑性樹脂層(中間層)/サンド樹脂層/シーラント層
各層は、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等の公知の手法により製膜することができる。
【0033】
また、リチウム電池用の外装材として用いることも可能である。
【0034】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0035】
[ベーマイト処理]
厚さ40μmのアルミニウム箔を、95℃に熱したトリエタノールアミン0.5wt.%水溶液中に3分間浸漬させることにより、アルミニウム箔表面にベーマイト処理を施した。
【0036】
[評価用サンプル作成]
<使用材料>
サンド用樹脂
・LLDPE−1(d=0.93g/cm3 融点124℃)
・LLDPE−2(d=0.925g/cm3 融点122℃)
・LDPE−3(d=0.92g/cm3 融点110℃)
・HDPE−4(d=0.941g/cm3 融点126℃)
シーラントフィルム(40μm)
・LLDPE−シ1(d=0.94g/cm3 融点125℃)
・LLDPE−シ2(d=0.935g/cm3 融点123℃)
・LLDPE−シ3(d=0.915g/cm3 融点105℃)
・LDPE−シ4(d=0.913g/cm3 融点110℃)
LDPE :低密度ポリエチレン
LLDPE:直鎖状低密度ポリエチレン
HDPE :高密度ポリエチレン
【0037】
<評価用サンプル1>
前記方法により処理したアルミニウム箔と、基材フィルムとして厚さ25μmの二軸延伸ナイロンフィルムを、ドライラミネーションによって貼り合わせた。
次に、アルミニウム箔の処理面にアンカーコート層として固形分5wt.%のトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクトタイプ/酢酸エチル溶液を、乾燥後の厚さが1μmになるように塗布した。さらに、LLDPE−1を押出ラミネーションすることによりシーラント層であるLLDPE−シ1をアルミ箔と貼り合わせた。サンド樹脂層は10μmとした。
【0038】
<評価用サンプル2>
サンド用樹脂にLLDPE−2、シーラントフィルムにLLDPE−シ2を用いた以外は評価用サンプル1と同様にして作成した。
<評価用サンプル3>
サンド用樹脂にLLDPE−2、シーラントフィルムにLLDPE−シ1を用いた以外は評価用サンプル1と同様にして作成した。
【0039】
<評価用サンプル4>
サンド用樹脂にLDPE−3、シーラントフィルムにLLDPE−シ2を用いた以外は評価用サンプル1と同様にして作成した。
【0040】
<評価用サンプル5>
サンド用樹脂にHDPE−4、シーラントフィルムにLLDPE−シ3を用いた以外は評価用サンプル1と同様にして作成した。
【0041】
<評価用サンプル6>
サンド用樹脂にLLDPE−1、シーラントフィルムにLDPE−シ4を用いた以外は評価用サンプル1と同様にして作成した。
【0042】
[評価]
<評価方法1>
評価用サンプルのシーラント層同士を、190℃、0.3MPa、3sec、シール幅15mmの条件にてヒートシールしたサンプルの剥離試験を行い、ヒートシール強度を測定した。
【0043】
<評価方法2>
100℃雰囲気下におけるヒートシール強度を、評価方法1と同様の方法で測定した。
【0044】
<評価方法3>
シーラントフィルム、サンド樹脂層の単膜の水蒸気透過度を測定した。測定は温度40℃、湿度90%の条件下でモダンコントロール社製MOCON PERMATRAN−W3/31(モコン法)により行った。結果を表2に示す。
【0045】
<評価方法4>
評価用サンプル作成前のベーマイト処理を施したアルミニウム箔表面を、透過型電子顕微鏡により、処理層の厚みを測定した。測定装置には日立製作所製H−8000を用い、加速電圧は200kVとした。その結果、処理層の厚みは0.35〜0.45μmであった。
【0046】
<実施例1>
評価用サンプル1を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
<実施例2>
評価用サンプル2を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
<実施例3>
評価用サンプル3を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
【0047】
<比較例1>
評価用サンプル4を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
<比較例2>
評価用サンプル5を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
<比較例3>
評価用サンプル6を用いて、前記評価方法1,2を行った。結果を表1に示した。
【0048】
【表1】
Figure 0004582281
【0049】
【表2】
Figure 0004582281
【0050】
水蒸気透過度のデータから、本実施例においてサンド樹脂及びシーラントとして用いたLLDPEは、HDPE、LDPEと比較して低い値となり、積層体の端面から水蒸気を効果的に遮断できる。また、ヒートシール強度のデータから、本実施例では比較例に対し、常温及び100℃の雰囲気下において充分強いヒートシール強度を示している。これらの結果より、本実施例は総合的に良好な結果であった。
【0051】
【発明の効果】
本発明の積層体は、以上のような構成であり、以上のような作用をするから、強浸透性物質を内容物として長期間保存してもバリア層とシーラント層間のラミネート強度を低下させることなく、またこの積層体同士をヒートシールした場合に充分強いシール強度及び夾雑物シール性を持たせることが可能で、さらに水分バリア性、耐熱性を付与させることができる積層体及び包装材料とすることができる。
又本願の積層体は、ベーマイト処理を施したアルミニウム箔面上にイソシアネート化合物からなるアンカーコート層を介し、その上に融点の高いエチレン−α−オレフィン共重合体フィルムをベーマイトアルミニウム面への埋まり性のよい樹脂で貼り合わせた構造をしている。シーラント層に融点の高いエチレン−α−オレフィン共重合体を用いることで、高温下で使用しても強いシール強度を維持することができ、またこの層を密度の低い樹脂で貼り合わせることで、ベーマイト層への樹脂の埋まり具合をよくして接着強度をよくすることができる。さらに、通常のドライラミネーション等の方法で貼り合わせる必要がないため、強浸透性の内容物への耐性も充分持たせることができる。
【0052】
本発明の積層体およびそれを用いた包装材料は、リチウム電池用外装材としてだけでなく、その強浸透性内容物耐性から、殺菌剤、湿布剤、浴用剤等の包装材料として使用することも可能である。

Claims (5)

  1. 少なくとも最外層/バリア層/サンド樹脂層/シーラント層の構成からなる積層体において、バリア層、シーラント層がそれぞれ、
    (1)バリア層;厚さ9〜200μmからなるアルミニウム箔層、
    (2)シーラント層;密度が0.925g/cm3以上、融解熱量のピークトップが115℃以上であるエチレン−α−オレフィン共重合体からなる層、
    からなり、前記アルミニウム箔層面に、
    トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクトタイプを溶媒で溶解した溶液を塗布乾燥した層を厚さ1μm以上5μm以下で積層しその層を介し、前記サンド樹脂を設けたことを特徴とする積層体。
  2. 前記バリア層の前記アルミニウム箔層のシーラント層側もしくは両面に熱水変成処理が施されていて、熱水変成処理がベーマイト処理であり、処理を施した面の破断面を透過型電子顕微鏡により観察した時、処理層の厚みが0.1μm以上であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記サンド樹脂が、密度0.940g/cm3以下のエチレン−α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の積層体を、最小単位として用いたことを特徴とする包装材料。
  5. 前記包装材料を、リチウム電池用外装材として用いたことを特徴とする請求項記載の包装材料。
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