JP2001202927A - ポリマー電池用包装材料およびその製造方法 - Google Patents
ポリマー電池用包装材料およびその製造方法Info
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Abstract
ー電池本体の保護物性とともに、生産性の良い製造方法
を提供する。 【解決手段】少なくとも基材層、接着層、化成処理層、
アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール
性フィルム層からなり、ヒートシール性フィルム層が接
着樹脂によってサンドイッチラミネートされた層である
ポリマー電池用包装材料であって、化成処理がリン酸ク
ロメート処理であること、前記接着樹脂が酸変性PP樹
脂、ヒートシール性フィルム層がポリプロピレンフィル
ムであることを含むものである。
Description
性を有する、固体有機電解質(高分子ポリマー電解質)
を持つポリマー電池用包装材料に関する。
もいわれ、高分子ポリマー電解質を持ち、リチウムイオ
ンの移動で電流を発生する電池であって、正極・負極活
物質が高分子ポリマーからなるものを含むものである。
リチウム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウ
ム、ニッケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボ
ンブラック、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリ
ル等の高分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレ
ンメチルカーボネート等のカーボネート系電解液、リチ
ウム塩からなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活
性物質(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリ
アクリロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材
(銅、ニッケル、ステンレス)及びそれらを包装する外
装体からなる。ポリマー電池の用途としては、パソコ
ン、携帯端末装置(携帯電話、PDA等)、ビデオカメ
ラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、
衛星等に用いられる。前記ポリマー電池の外装体として
は、金属をプレス加工して円筒状または直方体状に容器
化した金属製缶、あるいは、最外層、アルミニウム、シ
ーラント層から構成される積層体を袋状にしたものが用
いられていた。
池の外装体として、次のような問題があった。金属製缶
においては、容器外壁がリジッドであるため、電池自体
の形状が決められてしまう。そのため、ハード側を電池
にあわせる設計をするため、該電池を用いるハードの寸
法が電池により決定されてしまい形状の自由度が少なく
なる。そこで、積層体を袋状にしてポリマー電池本体を
収納するパウチタイプまたは、前記積層体をプレス成形
して凹部を形成し、該凹部にポリマー電池本体を収納す
るエンボスタイプが開発されている。エンボスタイプ
は、パウチタイプと比較して、よりコンパクトな包装体
が得られる。いずれのタイプの外装体であっても、ポリ
マー電池としての防湿性あるいは耐突き刺し性等の強
度、絶縁性等は、ポリマー電池の外装体として欠かせな
いものである。そして、ポリマー電池用包装材料として
は、少なくとも、基材層、バリア層、ヒートシール性フ
ィルム層からなる積層体とする。そして、前記各層の層
間の接着強度が、ポリマー電池の外装体として必要な性
質に影響をあたえることが確認されている。例えば、バ
リア層とヒートシール性フィルム層との接着強度が不十
分であると、外部から水分の浸入の原因となり、ポリマ
ー電池を形成する成分の中の電解質と前記水分との反応
により生成するフッ化水素酸により前記アルミニウム面
が腐食して、バリア層とヒートシール性フィルム層との
間にデラミネーションが発生する。また、前記エンボス
タイプの外装体とする際に、前記積層体をプレス成形し
て凹部を形成するが、この成形の際に最外層とバリア層
との間にデラミネーションが発生することがある。そこ
で、本発明者らは、アルミニウム面に対して、酸変性ポ
リプロピレンのエマルジョンを塗布、焼付けして皮膜を
形成し、酸変性ポリプロピレン樹脂を接着樹脂とするサ
ンドイッチラミネート法によりヒートシール性フィルム
をラミネートすると、接着強度は改善されることを確認
したが、前記酸変性ポリプロピレンのエマルジョンコー
ト後の焼付けに時間がかかり生産効率が良くなかった。
本発明の目的は、ポリマー電池包装に用いる材料とし
て、ポリマー電池本体の保護物性とともに、生産性の良
い製造方法を提供することである。
材層、接着層、化成処理層、アルミニウム、化成処理
層、接着樹脂層、ヒートシール性フィルム層からなり、
ヒートシール性フィルム層が接着樹脂によってサンドイ
ッチラミネートされた層であるポリマー電池用包装材料
であって、化成処理がリン酸クロメート処理であるこ
と、前記接着樹脂が酸変性PP樹脂、ヒートシール性フ
ィルム層がポリプロピレンフィルムであることを含むも
のであり、また、アルミニウムの両面に化成処理を施
し、基材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラ
ミネートした後、前記化成処理を施した他の面とヒート
シール性フィルム層をポリプロピレンフィルムとし、酸
変性PP樹脂を接着樹脂として、サンドイッチラミネー
ト法によりラミネートして得られた積層体を後加熱によ
り、前記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱す
ることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法
である。また、少なくとも基材層、接着層、アルミニウ
ム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール性フィルム
からなり、ヒートシール性フィルム層が接着樹脂によっ
てサンドイッチラミネートされた層であるポリマー電池
用包装材料であって、化成処理がリン酸クロメート処理
であること、前記接着樹脂が酸変性PP樹脂、ヒートシ
ール性フィルム層がポリプロピレンフィルムであること
を含み、その製造方法は、アルミニウムの片面に化成処
理を施し、基材と前記アルミニウムの化成処理を施さな
い面とをドライラミネートした後、前記化成処理を施し
た面とヒートシール性フィルム層をポリプロピレンフィ
ルムとし、酸変性PP樹脂を接着樹脂として、サンドイ
ッチラミネート法によりラミネートして得られた積層体
を後加熱により、前記接着樹脂がその軟化点以上になる
条件に加熱するものである。
及び、生産性のよいポリマー電池用包装材料であって、
バリア層の両面に化成処理を施し、ヒートシール性フィ
ルム層をサンドイッチラミネート法によりラミネート
し、その後、加熱により接着強度を向上することを特徴
とする。図1は、本発明のポリマー電池用包装材料にお
ける積層体の構成を説明する断面図である。図2は、ポ
リマー電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図で
ある。図3は、ポリマー電池のエンボスタイプの外装体
を説明する斜視図である。図4は、エンボスタイプにお
ける成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成
形された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)
Y1部拡大図である。図5は、ポリマー電池用包装材料
を製造するサンドイッチラミネートを説明する概念図で
ある。図6は、ポリマー電池用包装材料とタブとの接着
における接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図で
ある。
ン/接着層/アルミニウム/接着層/キャストポリプロ
ピレンであり、前記接着層がドライラミネート法により
形成されていると、ポリマー電池の外装体がエンボスタ
イプの場合、プレス成形において、前記側壁部において
アルミニウムと基材層との間が剥離するデラミネーショ
ンがおこることが多く、また、ポリマー電池本体を外装
体に収納してその周縁をヒートシールする部分において
もデラミネーションの発生があった。また、電池の構成
要素である電解質と水分との反応により生成するフッ化
水素により、アルミニウムの内面側表面が侵され、デラ
ミネーションを起こすことがあった。
ヒートシール時において、デラミネーションの発生のな
い積層体であって、また、耐内容物性のあるポリマー電
池用の外装体として満足できる包装材料について鋭意研
究の結果、アルミニウムの両面に化成処理を施し、ま
た、アルミニウムの内容物側の化成処理面に、不飽和カ
ルボン酸グラフトランダムプロピレン等の酸変性PP
(以下、PPaと記載することがある)を接着性樹脂と
して押出しポリプロピレンフィルムをサンドイッチラミ
ネート法により積層した後、得られた積層体を後加熱す
ることによって、前記課題を解決できることを見出し本
発明を完成するに到った。
は、図1に示すように、少なくとも基材層11、接着層
16、化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成
処理層15(2)、接着樹脂層13、ヒートシール層
(ポリプロピレンフィルム)14からなる積層体であ
り、前記接着樹脂層13により、ポリプロピレンフィル
ム14がサンドイッチラミネートされ、さらに、後述す
る後加熱により接着強度の向上を図ったものである。
2の両面に化成処理層15を設けること、ポリプロピレ
ンフィルム14をバリア層12の内面側に、接着樹脂1
3を押出してサンドイッチラミネートして積層し、さら
に、形成された積層体を後加熱により、接着樹脂の軟化
点以上に加熱するものである。
体を包装する外装体であって、その外装体の形式によっ
て、図2に示すようなパウチタイプと、図3に示すよう
なエンボスタイプとがある。前記パウチタイプには、三
方シール、四方シール等およびピロータイプ等の袋形式
があるが、図2は、ピロータイプとして例示している。
また、前記エンボスタイプとしては、図3(a)に示す
ように、片面に凹部を形成しても良いし、図3(b)に
示すように、両面に凹部を形成してポリマー電池本体を
収納して周縁の四方をヒートシールして密封しても良
い。また、図3(c)に示すような折り部をはさんで両
側に凹部形成して、ポリマー電池を収納して3辺をヒー
トシールする形式もある。本発明におけるポリマー電池
用包装材料の層構成は、図1に示すように、少なくとも
最外層、化成処理層、バリア層、化成処理層、接着樹脂
層およびヒートシール層からなる積層体であり、前記ヒ
ートシール層は、サンドイッチラミネート法により積層
するものである。そして、前記ヒートシール性フィルム
は未延伸のポリプロピレン(以下、CPP)からなるも
のである。そして、エンボスタイプの外装体の場合に
は、ポリマー電池本体を包装する収納部となる凹部を形
成するために成形性の優れた積層体であることが要求さ
れる。次に、積層体の各層を構成する材料および貼り合
わせについて説明する。
ステルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポ
リエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステ
ル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンと
しては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイ
ロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合
体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド
(MXD6)等が挙げられる。
れる場合、ハードと直接接触する部位であるため、基本
的に絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体でのピ
ンホールの存在、および加工時のピンホールの発生等を
考慮すると、最外層は6μm以上の厚さが必要であり、
好ましい厚さとしては12〜25μmである。
性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させるた
めに、積層化することも可能である。最外層を積層体化
する場合、最外層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つ
を含み、各層の厚みが6μm以上、好ましくは、12〜
25μmである。最外層を積層化する例としては、図示
はしないが次の1)〜7)が挙げられる。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中で
の搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工とてポリマー電池用の外装体をエンボス
タイプとする際に、エンボス時の金型と最外層との摩擦
抵抗を小さくする目的で、最外層を多層化、最外層表面
にフッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹
脂層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティ
ング後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コ
ーティング後乾燥で形成) 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/
延伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂は
フィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
池の内部に特に水蒸気が浸入することを防止するための
層で、バリア層単体のピンホール、及び加工適性(パウ
チ化、エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホール
をもたせるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニ
ッケルなどの金属、又は、無機化合物、例えば、酸化珪
素、アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられる
が、バリア層として好ましくは厚さが20〜80μmの
アルミニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善
し、ポリマー電池の外装体のタイプをエンボスタイプと
する場合、エンボス成形におけるクラックなどの発生の
ないものとするために、本発明者らは、バリア層として
用いるアルミニウムの材質が、鉄含有量が0.3〜9.
0重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%とすること
によって、鉄を含有していないアルミニウムと比較し
て、アルミニウムの展延性がよく、積層体として折り曲
げによるピンホールの発生が少なくなり、かつ前記エン
ボスタイプの外装体を成形する時に側壁の形成も容易に
できることを見出した。前記鉄含有量が、0.3重量%
未満の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形
性の改善等の効果が認められず、前記アルミニウムの鉄
含有量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムと
しての柔軟性が阻害され、積層体として製袋性が悪くな
る。
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。たとえば、エンボス成形時のしわやピンホ
ールを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなま
しされた軟質アルミニウムを用いることができる。
意研究の結果、ポリマー電池用包装材料のバリア層であ
るアルミニウム表、裏面に化成処理を施すことによっ
て、前記包装材料として満足できる積層体とすることが
できた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、クロ
ム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸
性皮膜を形成することによってエンボス成形時のアルミ
ニウムと基材層との間のデラミネーション防止と、ポリ
マー電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化
水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアル
ミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食する
ことを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ
性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基
材層とアルミニウムとのデラミネーション防止、電解質
と水分との反応により生成するフッ化水素によるアルミ
ニウム内面側でのデラミネーション防止効果が得られ
た。各種の物質を用いて、アルミニウム面に化成処理を
施し、その効果について研究した結果、前記耐酸性皮膜
形成物質のなかでも、フェノール樹脂、フッ化クロム
(3)化合物、リン酸の3成分から構成されたものを用
いるリン酸クロメート処理が良好であった。
パウチタイプの場合には、アルミニウムの最内層側の片
面だけでよい。ポリマー電池の外装体がエンボスタイプ
の場合には、アルミニウムの両面に化成処理することに
よって、エンボス成形の際のアルミニウムと基材層との
間のデラミネーションを防止することができる。アルミ
ニウムの両面に化成処理した積層体をパウチタイプに用
いてもよい。
として押出してCPPをサンドイッチラミネートする
と、化成処理面への押出酸変性PP樹脂の接着性が悪
く、その対策として、本発明者らは、前記化成処理面
に、酸変性PPのエマルジョン液をロールコート法等に
より塗布し、乾燥後、170〜200℃の温度で焼付け
を行った後、前述の酸変性PPを接着樹脂としてサンド
イッチラミネートすると、その接着強度はよくなるが、
前記焼付けの加工速度は極めて遅く、生産性の悪いもの
である。
布、焼付けが無くとも、安定した接着強度を示す積層方
法について鋭意研究の結果、基材層と両面に化成処理し
たバリア層の片面とをドライラミネートし、バリア層の
他の面に酸変性PPの接着樹脂により、ヒートシール層
となるポリプロピレンフィルムをサンドイッチラミネー
トして積層体とした後、該積層体を前記接着樹脂がその
軟化点以上になる条件に加熱することによって、所定の
接着強度を有する積層体とすることができた。前記加熱
の具体的な方法としては、熱ロール接触式、熱風式、近
または遠赤外線等の方法があるが、本発明においてはい
ずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着樹脂がそ
の軟化点温度以上に加熱できればよい。
ッチラミネートの際に、アルミニウムのヒートシール層
側の表面温度が酸変性PP樹脂の軟化点に到達する条件
に加熱することによっても接着強度の安定した積層体と
することができた。
として、前記、基材層、バリア層、ヒートシール層(C
PP)の他に、バリア層とヒートシール層との間に中間
層を設けてもよい。中間層は、ポリマー電池用包装材料
としての強度向上、バリア性の改善安定化などのために
積層されることがある。
適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ
化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のため
に、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理
等の表面活性化処理をしてもよい。
積層体のヒートシール層には、CPPが好適に用いられ
る。ヒートシール層にCPPを用いるのは、CPP同士
でのヒートシール性がよいこと、防湿性、耐熱性等のポ
リマー電池用包装材料のヒートシール層としての要求さ
れる保護物性を有し、また、ラミネート加工性の良さ、
エンボス成形性の良さ等により、望ましい材質である。
前記CPPとしては、(1)融点150℃以上のホモタ
イプ、(2)融点130℃以上のエチレンープロピレン
との共重合体(ランダム共重合タイプ)、(3)融点1
10℃以上であるエチレンーブテンープロピレン共重合
体(ターポリマー)の単体又はブレンド物の単層あるい
は多層品が用いられる。
/m3以下の低結晶性のエチレンーブテン共重合体、低
結晶性のプロピレンーブテン共重合体、あるいは、非晶
性のエチレンープロピレン共重合体、非晶性のプロピレ
ンーエチレン共重合体等を5%以上添加して柔軟性を付
与し、耐折り曲げ性の向上、成形時でのクラック防止を
行ってもよい。
ル性がないため、ポリマー電池におけるタブ部のヒート
シールの際には、図6(a)、図6(b)、図6(c)
に示すように、タブと積層体のヒートシール層との間
に、金属とCPPとの双方に対してヒートシール性を有
する接着フィルムを介在させることにより、タブ部での
密封性も確実となる。前記接着フィルムは、図6
(d)、図6(e)、図6(f)に示すように、タブの
所定の位置に巻き付けても良い。前記接着性フィルムと
しては、前記不飽和カルボングラフトポリオレフィン、
金属架橋ポリエチレン、エチレンまたはプロピレンとア
クリル酸、またはメタクリル酸との共重合物からなるフ
ィルムを用いることができる。
基材とバリア層の化成処理面とは、ドライラミネート法
によって貼り合わせることが望ましい。前記、基材とア
ルミニウムのリン酸クロメート処理面とのドライラミネ
ートに用いる接着剤としては、ポリエステル系、ポリエ
チレンイミン系、ポリエーテル系、シアノアクリレート
系、ウレタン系、有機チタン系、ポリエーテルウレタン
系、エポキシ系、ポリエステルウレタン系、イミド系、
イソシアネート系、ポリオレフィン系、シリコーン系の
各種接着剤を用いることができる。
実施例によりさらに具体的に説明する。化成処理は、い
ずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム
(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコート
法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件
において焼き付けた。クロムの塗布量は、10mg/m2
(乾燥重量)である。実施例1、比較例1及び比較例3
は、パウチタイプの外装体で、いずれも、50mm巾、
長さは、80mmのピロータイプのパウチを製袋し、ポ
リマー電池本体を収納して密封シールした。なお、実施
例2、比較例2及び比較例4は、エンボスタイプの外装
体で、いずれも片面エンボスタイプとし、成形型の凹部
(キャビティ)の形状を30mm×50mm,深さ3.
5mmとしてプレス成形して成形性の評価をした。な
お、各例とも、ポリマー電池のタブのシール部には、接
着フィルムとして、厚さ20μmの不飽和カルボン酸グ
ラフトランダムプロピレンからなるフィルムをタブのシ
ール部に巻き付けてヒートシールした。 [実施例1](パウチタイプ) アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面に延伸ポリエステルフィルム(厚さ16
μm)をドライラミネート法により貼り合わせ、次に、
化成処理したアルミニウムの他の面に、軟化点120℃
の酸変性PPを接着樹脂として、20μmの厚さに押出
して、PPフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラ
ミネートし、得られた積層体をアルミニウムの表面温度
が150℃になる様に加熱して検体実施例1を得た。 [実施例2](エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、軟
化点120℃の酸変性PPを接着樹脂として、20μm
の厚さに押出して、PPフィルム(厚さ30μm)をサ
ンドイッチラミネートし、得られた積層体をアルミニウ
ムの表面温度が150℃になる様に加熱して検体実施例
2を得た。 [比較例1](パウチタイプ) アルミニウム20μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面に延伸ポリエステルフィルム12μmを
ドライラミネート法により貼り合わせ、次に、化成処理
したアルミニウムの他の面に、軟化点120℃の酸変性
PPを接着樹脂として、20μmの厚さに押出して、P
Pフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネート
して検体比較例1を得た。 [比較例2](エンボスタイプ) アルミニウム40μmの両面に化成処理を施し、化成処
理した一方の面にナイロン25μmをドライラミネート
法により貼り合わせ、次に、化成処理した他の面に、軟
化点120℃の酸変性PPを接着樹脂として、20μm
の厚さに押出して、PPフィルム(厚さ30μm)をサ
ンドイッチラミネートして検体比較例2を得た。 [比較例3](パウチタイプ) アルミニウム20μmの一方の面に延伸ポリエステルフ
ィルムをドライラミネート法により貼り合わせ、次に、
アルミニウムの他の面に、軟化点120℃の酸変性PP
を接着樹脂として、20μmの厚さに押出して、PPフ
ィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネートし、
得られた積層体をアルミニウムの表面温度が150℃に
なる様に加熱して検体比較例3を得た。 [比較例4](エンボスタイプ) アルミニウム40μmの一方の面にナイロン25μmを
ドライラミネート法により貼り合わせ、次に、アルミニ
ウムの他の面に、軟化点120℃の酸変性PPを接着樹
脂として、20μmの厚さに押出して、PPフィルム
(厚さ30μm)をサンドイッチラミネートし、得られ
た積層体をアルミニウムの表面温度が150℃になる様
に加熱して検体比較例4を得た。 <エンボス成形、包装>得られた各検体の実施例1、比
較例1および比較例3はパウチとして製袋し、実施例
2、比較例2および比較例4はプレス成形し、それぞれ
ポリマー電池本体を包装して下記の評価を行った。 <評価方法> 1)成形時のデラミネーション 成形直後にアルミニウムと基材層とのデラミネーション
の有無を確認した。 2)耐内容物性 保存条件として、各検体を、60℃、90%RHの恒温
槽に、7日間保存した後に、アルミニウムとCPPのデ
ラミネーションの有無を確認した。 3)ヒートシール時のデラミネーション ヒートシール直後にアルミニウムと最内樹脂層とのデラ
ミネーションの有無を確認した。 <結果>実施例1、実施例2ともに、エンボス成形時、
ヒートシール時のデラミネーションはなく、また、耐内
容物に起因するデラミネーションも認められなかった。
比較例1及び比較例2ともに、ヒートシール時に、おけ
るデラミネーションは認められなかった。比較例2にお
けるエンボス成形時のデラミネーションもなかった。し
かし、比較例1及び比較例2ともに、内容物側のデラミ
ネーションは100検体中、すべてに認められた。ただ
し、内容物側のデラミネーションはアルミニウム面の腐
食によるものではなく、化成処理面と酸変性PP層との
界面剥離であった。比較例3及び比較例4共に、ヒート
シール時に、それぞれ100検体中40、46検体にデ
ラミネーションがあった、比較例4においてはエンボス
成形時に、それぞれ100検体中20検体にデラミネー
ションがみとめられた。さらに、耐内容物性に起因する
デラミネーションは100検体中、すべてに認められ
た。内容物側のデラミネーションはアルミニウム面の腐
食に起因するものであった。
るアルミニウムの両面に施した化成処理によって、エン
ボス成形時、及びヒートシール時の基材層とアルミニウ
ムとの間でのデラミネーションの発生を防止することが
でき、また、ポリマー電池の電解質と水分との反応によ
り発生するフッ化水素によるアルミニウム面の腐食を防
止できることにより、アルミニウムとの内容物側の層と
のデラミネーションをも防止できる顕著な効果を示す。
また、ヒートシール層のCPPフィルムは、酸変性PP
を接着性樹脂としてサンドイッチラミネート法により積
層できるので生産性がよく、また後加熱処理により、ポ
リマー電池用包装材料としての接着強度を得ることがで
きてポリマー電池の外装体として利用することができ
る。
体の構成を説明する断面図である。
る斜視図である。
する斜視図である。
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
チラミネートを説明する概念図である。
る接着性フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
Claims (8)
- 【請求項1】少なくとも基材層、接着層、化成処理層、
アルミニウム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール
性フィルム層からなり、ヒートシール性フィルム層が接
着樹脂によってサンドイッチラミネートされた層である
ことを特徴とするポリマー電池用包装材料。 - 【請求項2】化成処理がリン酸クロメート処理であるこ
とを特徴とする請求項1に記載のポリマー電池用包装材
料。 - 【請求項3】前記接着樹脂が酸変性PP樹脂、ヒートシ
ール性フィルム層がポリプロピレンフィルムであること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のポリマー
電池用包装材料。 - 【請求項4】アルミニウムの両面に化成処理を施し、基
材と前記化成処理を施した一方の面とをドライラミネー
トした後、前記化成処理を施した他の面とヒートシール
性フィルム層をポリプロピレンフィルムとし、酸変性P
P樹脂を接着樹脂として、サンドイッチラミネート法に
よりラミネートして得られた積層体を後加熱により、前
記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱すること
を特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方法。 - 【請求項5】少なくとも基材層、接着層、アルミニウ
ム、化成処理層、接着樹脂層、ヒートシール性フィルム
層からなり、ヒートシール性フィルム層が接着樹脂によ
ってサンドイッチラミネートされた層であることを特徴
とするポリマー電池用包装材料。 - 【請求項6】化成処理がリン酸クロメート処理であるこ
とを特徴とする請求項5に記載のポリマー電池用包装材
料。 - 【請求項7】前記接着樹脂が酸変性PP樹脂、ヒートシ
ール性フィルム層がポリプロピレンフィルムであること
を特徴とする請求項5または請求項6に記載のポリマー
電池用包装材料。 - 【請求項8】アルミニウムの片面に化成処理を施し、基
材と前記アルミニウムの化成処理を施さない面とをドラ
イラミネートした後、前記化成処理を施した面とヒート
シール性フィルム層をポリプロピレンフィルムとし、酸
変性PP樹脂を接着樹脂として、サンドイッチラミネー
ト法によりラミネートして得られた積層体を後加熱によ
り、前記接着樹脂がその軟化点以上になる条件に加熱す
ることを特徴とするポリマー電池用包装材料の製造方
法。
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