JP2003051290A - 電池用包装材料およびそれを用いた電池 - Google Patents

電池用包装材料およびそれを用いた電池

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】基材層、バリア層、保護層、接着樹脂層、シー
ラントからなる電池用包装材料において、生産性がよ
く、耐内容物性の良好な積層体構成を提供する。 【解決手段】電池本体を挿入し周縁部をヒートシールに
より密封する電池の外装体を形成する包装材料が、少な
くとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接
着樹脂層、ポリプロピレン樹脂系シーラント層から構成
される積層体であって、接着樹脂層がメルトインデック
スの異なる少なくとも2種のポリプロピレン系樹脂をブ
レンドした樹脂とし、ブレンド樹脂としてのメルトイン
デックスを7〜25g/10分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体または固体有
機電解質(高分子ポリマー電解質)を持つ電池、または
燃料電池、コンデンサ、キャパシタ等に用いられる防湿
性、耐内容物性を有する電池用包装材料に関する。前記
電池の外装体としては、金属をプレス加工して円筒状ま
たは直方体状に容器化した金属製缶、あるいは、プラス
チックフィルム、金属箔等のラミネートにより得られる
複合フィルムからなる積層体を袋状にしたもの(以下、
外装体)が用いられていた。電池の外装体として、次の
ような問題があった。金属製缶においては、容器外壁が
リジッドであるため、電池自体の形状が決められてしま
う。そのため、ハード側を電池にあわせる設計をするた
め、該電池を用いるハードの寸法が電池により決定され
てしまい形状の自由度が少なくなる。そのため、前記袋
状の外装体を用いる傾向にある。前記外装体の材質構成
は、例えば、電池としての必要な物性、加工性、経済性
等から、少なくとも基材層、バリア層、接着樹脂層、シ
ーラント層と前記各層を接着する接着層、および保護層
からなり、必要に応じて中間層を設けることがある。電
池の前記構成の積層体からパウチを形成し、または、少
なくとも片面をプレス成形して電池の収納部を形成して
電池本体を収納し、パウチタイプまたは、エンボスタイ
プ(蓋体を被覆して)において、それぞれの周縁の必要
部分をヒートシールにより密封することによって電池と
する。前記シーラント層としては、シーラント層同士の
ヒートシール性とともにリード線(金属)に対してもヒ
ートシール性を有することが求められ、金属接着性を有
する酸変性ポリオレフィン樹脂等をシーラント層(シー
ラント層が多層構成の場合にはその最内樹脂層)とする
ことでリード線部との密着性は確保される。
【0002】しかし、酸変性ポリオレフィン樹脂を外装
体のシーラントとして積層すると、一般的なポリオレフ
ィン樹脂と比較してその加工性が劣ること、また、コス
トが高いこと等のために、外装体のシーラント層として
一般的なポリオレフィン樹脂層とし、リード線部にシー
ラント層とリード線との両方に熱接着可能なリード線用
フィルムを介在させる方法が採用されていた。また、電
池用包装材料として、前記基材層、バリア層、接着樹脂
層、シーラント層からなる構成において、シーラント層
をポリプロピレン系樹脂から形成させた場合に、バリア
層と該シーラント層との積層における接着樹脂層とし
て、酸変性ポリプロピレンを用いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】接着樹脂層としての酸
変性ポリプロピレン樹脂は、押出ラミネーターにおい
て、加熱熔融状態として加圧され、T型ダイスからバリ
ア層とシーラント層となるフィルムとの間に押出し製膜
されサンドイッチラミネートされて積層体を形成する。
あるいは、シーラント層を形成する樹脂とともに共押出
ラミネート法により積層体を形成することもある。前記
接着樹脂層として、T型ダイスから酸変性ポリプロピレ
ンを押出す際に、押出速度を確保するために高いメルト
インデックス(以下、高MI)を有する酸変性ポリプロ
ピレン(以下、PPa)を用い、高MIのPPa単体樹
脂では、押出しにおいてネックインが大きく製膜性が悪
かった。一方、低メルトインデックス(以下、低MI)
のPPaを用いた場合には、ネックインの問題は解消す
るが、押出速度が上がらず、製膜性が悪く厚みにバラツ
キが発生していた。そのため、通常、前記高MIのPP
aに適量の低密度ポリエチレン(以下、LDPE)およ
びエチレンとプロピレンとの共重合体やエチレンとブテ
ンとの共重合体や、ブタジエン等の樹脂成分をブレンド
することによって、製膜性を安定させていた。しかし、
前記、各樹脂を接着樹脂層として積層した包装材料を電
池用包装材料として包装した場合、酸変性ポリプロピレ
ン樹脂と他のブレンドされた樹脂との界面でクラックが
発生することがあり、このクラックが発生するとそのク
ラックから電解液が浸透するようになる。この時、電解
液がバリア層と直接接触場合があり、これにより電池本
体、リード線の金属、バリア層間の絶縁性が壊れ、電位
差が発生し、バリア層に腐食による貫通孔が形成された
り、デンドライトと呼ばれる電解質である金属イオンの
反応物が形成されたりすることで電池の寿命が短くなる
場合があった。本発明の目的は、基材層、バリア層、保
護層、接着樹脂層、シーラントからなる電池用包装材料
において、生産性がよく、耐内容物性の良好な積層体構
成を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。すなわち、請求項1
に記載した発明は、電池本体を挿入し周縁部をヒートシ
ールにより密封する電池の外装体を形成する包装材料
が、少なくとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処
理層、接着樹脂層、ポリプロピレン樹脂系シーラント層
から構成される積層体であって、接着樹脂層がメルトイ
ンデックスの異なる少なくとも2種のポリプロピレン系
樹脂をブレンドした樹脂からなり、ブレンド樹脂として
のメルトインデックスが7〜25g/10分であること
を特徴とする電池用包装材料からなる。請求項2に記載
した発明は、請求項1に記載した接着樹脂層を形成する
ポリプロピレン系樹脂の少なくともそのうち一つが酸変
性ポリプロピレン樹脂であることを特徴とするものであ
る。請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項
3に記載した接着樹脂層が、メルトインデックスが0.
3〜6.0g/10分の範囲の低メルトインデックスの
ポリプロピレン系樹脂と、メルトインデックスが7〜3
0g/10分の範囲の高メルトインデックスのポリプロ
ピレン系樹脂との2種の樹脂をブレンドした樹脂から形
成されていることを特徴とするものである。請求項4に
記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載
した積層体が、少なくとも基材層、接着層、化成処理層
(1)アルミニウム、化成処理層(2)、接着樹脂層、
ポリプロピレン樹脂系シーラント層から構成されている
ことを特徴とするものである。請求項5に記載した発明
は、電池本体が請求項1〜請求項4のいずれかに記載し
た電池用包装材料により形成された外装体に収納され密
封されたことを特徴とする電池からなる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の電池用包装材料は、少な
くとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接
着樹脂層、ポリプロピレン樹脂系シーラント層を酸変性
ポリオレフィン層とするシーラント層から構成される電
池の外装体において、少なくとも、前記接着樹脂層を形
成する樹脂のメルトインデックスを7〜25g/10分
の範囲とすることによって、接着樹脂層に発生するマイ
クロクラックを防止するものである。以下、図面等を参
照して詳細に説明する。
【0006】図1は、本発明の電池用包装材料を説明す
る図で、(a)電池用包装材料の層構成例を示した断面
図、(b)電池用包装材料の別の層構成例を示した断面
図である。図2は、本発明の電池用包装材料のシーラン
トの層構成を説明する断面図である。図3は、電池のパ
ウチタイプの外装体を説明する斜視図である。図4は。
電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図であ
る。図5は、エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X1−X1部断面図、(d)Y1部拡大図である。
図6は、電池用包装材料とリード線との接着におけるリ
ード線用フィルムの装着方法を説明する図である。
【0007】電池用包装材料の積層加工において、バリ
ア層とシーラント層とを酸変性ポリプロピレン樹脂を接
着樹脂層としてサンドイッチラミネート法または共押出
ラミネート法により貼り合わせる際に、熔融した酸変性
ポリプロピレン樹脂をTダイから被ラミネート材に押出
す際に、メルトインデックス(以下、MI)が7から3
0g/10分と大きな酸変性ポリプロピレン(以下、高
MIPPa)であると、ネックインが大きく製膜がしに
くい、また、MIが0.3から3g/10分と小さな酸
変性ポリプロピレン(以下、低MIPPa)を用いると
製膜速度が低下する問題や、膜厚が均一にならず辺難が
発生したりしていた。その対策として、従来、高MIP
Pa樹脂に低密度ポリエチレン(以下、LDPE)をブ
レンドしていた。しかし、前記ブレンド樹脂を接着樹脂
層としてシーラント層を積層して得られた積層体を電池
用包装材料として、エンボス加工して外装体を形成し、
リチウムイオン電池の外装体として、電池本体を密封包
装すると、エンボス加工され引き伸ばされた接着樹脂層
の酸変性ポリプロピレン樹脂と他のブレンドされた樹脂
(LDPE)との界面でクラックが発生し、このクラッ
クが発生するとそのクラックから電解液が浸透するよう
になる。この時、電解液がバリア層と直接接触する場合
があり、これにより電池本体、リード線の金属、バリア
層間の絶縁性が壊れ、電位差が発生し、バリア層に腐食
による貫通孔が形成されたり、デンドライトと呼ばれる
電解質である金属イオンの反応物が形成されたりするこ
とで電池の寿命が短くなることがあった。すなわちエン
ボス加工における接着樹脂層が、図7(a)または図7
(b)に示すように、高MIのPPaR1とLDPER5
とが海島構造となり、LDPER5の周縁にマイクロク
ラックMCが形成され、前記接着樹脂層13に発生した
マイクロクラックMCの部分に電解液が浸透し絶縁性を
悪化させまたバリア層表面に到達し、バリア層を腐食さ
せたり、電解液との反応物を発生させる原因となってい
ることが確認できた。
【0008】本発明者らは前記バリア層の腐食につい
て、鋭意研究の結果、前記接着樹脂層を構成する高MI
PPa樹脂とLDPE樹脂とが、図7(a)および図7
(b)に示すように海島構造となり、高MIのPPaR
1とLDPER5の伸びの違いから低密度ポリエチレンの
表面に微小な割れ目(以下、マイクロクラックMC)が
発生し、この現象が接着性樹脂の絶縁性を悪化させ、ま
た、バリア層を腐食させたり、電解液との反応物を発生
させる原因となっていることが確認できた。また、この
マイクロクラックMCは目視確認により、白化現象とし
て確認できる。前記マイクロクラックMCの発生を防止
する方法について、さらに研究の結果、接着樹脂層13
を2種以上のポリプロピレン樹脂のブレンドとしその最
終ブレンド樹脂のMIが7から25g/10分となるよ
うにMI=0.3〜6.0g/10分の低MIPP系樹
脂と、MI=7〜30g/10分の高MIのPP系樹脂
との少なくとも2種の樹脂をブレンドした樹脂とし、前
記2種の樹脂の何れかをPPaとすることによって、前
記マイクロクラックMCの発生を防止し、また電池用包
装材料の積層加工において、バリア層とシーラント層と
を接着樹脂層を用いサンドイッチラミネート法または共
押出ラミネート法により貼り合わせる際に、熔融した接
着樹脂層をTダイから被ラミネート材に押出す際に、ネ
ックインが小さくでき安定した製膜ができることを見出
し本発明を完成するに到った。
【0009】本発明の電池用包装材料における接着樹脂
層の組成について、さらに、具体的には、少なくとも、
いずれかのPP系樹脂を酸変性ポリプロピレンとして、
高MIのPP系樹脂と低MIのPP系樹脂とをブレンド
樹脂としての見かけのMIFを7〜25g/10分とす
ることでマイクロクラックの発生を防止でき、製膜加工
時ネックインが小さくでき安定した生産が可能になる。
ここで、本発明に用いられるポリプロピレン樹脂とは、
ポリプロピレンとしては、ホモタイプポリプロピレン、
ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイプポリプ
ロピレン、プロピレンとエチレンとブテンとの共重合体
であるターポリマー樹脂を用いることができる。また、
MIの測定方法は、JIS K7210に準拠し区別で
きる。また、酸変性とは不飽和カルボン酸をグラフト重
合したことを示す。前記見かけのMI、Fとは、ブレン
ド樹脂A(MI=m1)とブレンド樹脂B(m2)とを
ブレンドの重量比も比をA:B=x:yとした時に F=m1×x/(x+y)+m2×y/(x+y) により求められる値とする。例えば、 PP(MI=0.5)<4>+PPa(MI=18)<
6> F=11 PPa(MI=1)<1>+PP(MI=18)<9>
F=16.3 PPa(MI=3)<2>+PPa(MI=10)<8
> F=8.6 [略号 PP:ポリプロピレン樹脂、略号の後の<>内
数字は、ブレンドの割合を示す数字である。]
【0010】以上述べたように、接着樹脂層に用いる樹
脂として、高MIのPP(PPa)単体では、製膜時ネ
ックインし製膜し難いが、高MIのPP(PPa)に低
MIのPP(PPa)をブレンドすることで、ネックイ
ンが小さくなって問題なく製膜できる。また、接着樹脂
層にマイクロクラックが入らず接着樹脂層の絶縁性が保
たれ、またバリア層の腐食を防止し、電池性能を安定化
できる層となった。
【0011】本発明の電池用包装材料は、図1(a)に
示すように、少なくとも基材層11、接着層16、アル
ミニウム12、化成処理層15、接着層13d、多層シ
ーラント層14から構成される積層体であり、また、後
述する外装体がエンボスタイプの場合には、図1(b)
に示すように、前記積層体が基材層11、接着層16、
化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成処理層
15(2)、接着層13d、多層シーラント層14とす
ることが望ましい。
【0012】本発明においては、電池用包装材料を積層
する場合にバリア層に設けた化成処理層とシーラント層
との接着は、接着樹脂層を用いるサンドイッチラミネー
ト法または共押出ラミネート法による。この場合、リチ
ウムイオン電池等における電解液と水分との反応により
発生するフッ化水素酸などによるデラミネーション防止
のために、以下に述べる接着安定化処理を行うことが望
ましい。
【0013】例えば、図1(a)に示すように、基材層
11とバリア層12の片面とをドライラミネート16
し、バリア層12の他の面(化成処理層15)に、酸変
性ポリオレフィン13を押出してシーラント層14をサ
ンドイッチラミネートする場合、または、酸変性ポリオ
レフィン樹脂13とシーラント層14とを共押出しして
積層体とした後、得られた積層体を前記酸変性ポリプロ
ピレン樹脂13の軟化点以上になる条件に加熱すること
によって、所定の接着強度を有する積層体とすることが
できる。バリア層の表面の化成処理層15は、図1
(b)に示すように、バリア層12の両面に設けてもよ
い。前記加熱の具体的な方法としては、熱ロール接触
式、熱風式、近または遠赤外線等の方法があるが、本発
明においてはいずれの加熱方法でもよく、前述のよう
に、接着樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよ
い。
【0014】また、別の方法としては、前記、サンドイ
ッチラミネートまたは共押出しラミネートの際に、アル
ミニウム12のシーラント層側の表面温度が酸変性ポリ
プロピレン樹脂の軟化点に到達する条件に加熱すること
によっても接着強度の安定した積層体とすることができ
る。
【0015】本発明のシーラント層に用いるポリプロピ
レンとしては、ホモタイプポリプロピレン、ランダムタ
イプポリプロピレン、ブロックタイプポリプロピレン、
プロピレンとエチレンとブテンとの共重合体であるター
ポリマー樹脂を用いることができる。また、酸変性ポリ
プロピレンを用いることもできる。酸変性ポリプロピレ
ン樹脂としては、不飽和カルボン酸がグラフトされたラ
ンダムタイプポリプロピレン、ホモタイプポリプロピレ
ン、または、ブロックタイプポリプロピレンを用いるこ
とができる。また、シーラント層は、前記の樹脂からな
る単層でもよいが、また、前記樹脂の中から選択される
2種の樹脂からなる多層フィルム、例えば、図2(a)
に示すようにS2、S3からなる2層あるいは図2
(b)に示すようにS1、S2、S3からなる3層であ
ってもよい。
【0016】電池のリード線としては、細長の板状また
は棒状の金属からなり、板状のリード線としては、厚さ
が50〜2000μm、 巾 が2.5〜20mm程度で
あって、その材質としては、 AL、Cu(Niメッキ
を含む)、Ni、等である。
【0017】本発明の電池用包装材料のシーラント層と
して、前記酸変性ポリプロピレン系樹脂を用いる場合、
酸変性ポリプロピレンは、金属に対する接着性があり、
リード線に対するヒートシールが可能であるが、金属に
対して接着性を持たないポリプロピレン系樹脂からなる
シーラント層とする場合には、密封シール時に、電池リ
ード線部と外装体との間に、シーラント層とリード線と
の双方にヒートシール性を有するリード線用フィルムを
介在させる必要がある。外装体5とリード線4との間に
リード線用フィルム6を介在させるがその具体的方法
は、例えば、図6(a)および図6(b)に示すよう
に、電池本体2のリード線4の密封シール部の上下にリ
ード線用フィルム6をおいて(実際には仮着シールによ
り固定して)外装体5に挿入しリード線部を挟持した状
態でヒートシールすることによって密封する。リード線
用フィルム6のリード線4への介在方法として、図6
(d)または図6(e)に示すように、リード線4の所
定の位置にリード線用フィルム6のフィルムを巻き付け
てもよい。
【0018】前記リード線用フィルムを用いる場合、具
体的には、前記シーラント層とリード線の何れにも熱接
着性を有する酸変性ポリプロピレンからなるフィルム等
を用いる。酸変性ポリプロピレン樹脂としては、不飽和
カルボングラフトポリプロピレン等を用いることができ
る。
【0019】該リード線用フィルム20の層厚は、使用
されるリード線の厚さの1/3以上有ればよく、例え
ば、100μmの厚さのリード線であれば、リード線用
フィルム20の総厚は概ね30μm以上あればよい。
【0020】電池用包装材料は電池本体を包装する外装
体を形成するものであって、その外装体の形式によっ
て、図3に示すようなパウチタイプと、図4(a)、図
4(b)または図4(c)に示すようなエンボスタイプ
とがある。前記パウチタイプには、三方シール、四方シ
ール等およびピロータイプ等の袋形式があるが、図3
は、ピロータイプとして例示している。エンボスタイプ
は、図4(a)に示すように、片面に凹部を形成しても
よいし、図4(b)に示すように、両面に凹部を形成し
て電池本体を収納して周縁の四方をヒートシールして密
封してもよい。また、図4(c)に示すような折り部を
はさんで両側に凹部形成して、電池を収納して3辺をヒ
ートシールする形式もある。電池用包装材料をエンボス
タイプとする場合、図5(a)〜図5(d)に示すよう
に、積層された包装材料10をプレス成形して凹部7を
形成する。
【0021】次に、本発明の電池用包装材料を構成する
各層について説明する。外装体における前記基材層11
は、延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなる
が、この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重
合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。ま
たナイロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイ
ロン6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6
との共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレン
アジパミド(MXD6)等が挙げられる。前記基材層1
1は、電池として用いられる場合、ハードと直接接触す
る部位であるため、基本的に絶縁性を有する樹脂層がよ
い。フィルム単体でのピンホールの存在、および加工時
のピンホールの発生等を考慮すると、基材層は6μm以
上の厚さが必要であり、好ましい厚さとしては12〜3
0μmである。
【0022】基材層11は耐ピンホール性および電池の
外装体とした時の絶縁性を向上させるために、積層化す
ることも可能である。基材層を積層体化する場合、基材
層が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の
厚みが6μm以上、好ましくは、12〜30μmであ
る。基材層を積層化する例としては、次の1)〜8)が
挙げられる。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレー
トまた、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中
での搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工とて電池用の外装体をエンボスタイプと
する際に、エンボス時の金型と基材層との摩擦抵抗を小
さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層を
保護するために、基材層を多層化、基材層表面にフッ素
系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポ
リエステル系樹脂層、またはこれらのブレンド物からな
る樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティ
ング後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コ
ーティング後乾燥で形成) 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/
延伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂は
フィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化) 8)アクリル系樹脂+ポリシロキサングラフト系アクリ
ル樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、
または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0023】前記バリア層12は、外部から電池の内部
に特に水蒸気が浸入することを防止するための層で、バ
リア層単体のピンホール、および加工適性(パウチ化、
エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもた
せるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケル
などの金属、または、無機化合物、例えば、酸化珪素、
アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バ
リア層として好ましくは厚さが20〜80μmのアルミ
ニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、電池
の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボ
ス成形におけるクラックなどの発生のないものとするた
めに、本発明者らは、バリア層として用いるアルミニウ
ムの材質が、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好まし
くは0.7〜2.0重量%とすることによって、鉄を含
有していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの
展延性がよく、積層体として折り曲げによるピンホール
の発生が少なくなり、かつ前記エンボスタイプの外装体
を成形する時に側壁の形成も容易にできることを見出し
た。前記鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピン
ホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が
認められず、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0重量
%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害
され、積層体として製袋性が悪くなる。
【0024】また、冷間圧延で製造されるアルミニウム
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。例えば、エンボス成形時のしわやピンホー
ルを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなまし
された軟質アルミニウムを用いることが望ましい。
【0025】本発明者らは、電池用包装材料のバリア層
12であるアルミニウムの表、裏面に化成処理を施すこ
とによって、前記包装材料として満足できる積層体とす
ることができた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸
塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物
等の耐酸性皮膜を形成することで、前記耐酸性皮膜形成
物質の中でも、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化
合物、リン酸の3成分から構成されたものを用いるリン
酸クロメート処理が良好である。または、少なくともフ
ェノール樹脂を含む樹脂成分に、モリブデン、チタン、
ジルコン等の金属、または金属塩を含む化成処理剤が良
好であった。前記耐酸性皮膜が形成されることによって
エンボス成形時のアルミニウムと基材層との間のデラミ
ネーション防止と、電池の電解質と水分とによる反応で
生成するフッ化水素により、アルミニウム表面の溶解、
腐食、特にアルミニウムの表面に存在する酸化アルミが
溶解、腐食することを防止し、かつ、アルミニウム表面
の接着性(濡れ性)を向上させ、エンボス成形時、ヒー
トシール時の基材層11とアルミニウム12とのデラミ
ネーション防止、電解質と水分との反応により生成する
フッ化水素によるアルミニウム内面側でのデラミネーシ
ョン防止効果が得られた。各種の物質を用いて、アルミ
ニウム面に化成処理を施し、その効果について研究した
結果、前記耐酸性皮膜形成物質の中でも、フェノール樹
脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成分から構
成されたものを用いるリン酸クロメート処理が良好であ
った。または、少なくともフェノール樹脂を含む樹脂成
分に、モリブデン、チタン、ジルコン等の金属、または
金属塩を含む化成処理剤が良好であった。
【0026】アルミの化成処理は、外装体がパウチタイ
プである場合、シーラント層側のみの片側または基材層
側とシーラント層側の両面のどちらでもよい。電池の外
装体がエンボスタイプの場合には、アルミニウムの両面
に化成処理することによって、エンボス成形の際のアル
ミニウムと基材層との間のデラミネーションを防止する
ことができる。
【0027】本発明の電池用包装材料におけるシーラン
ト層は、前述のようにポリプロピレン系樹脂から構成さ
れる。ポリプロピレン系樹脂とは、ホモタイプポリプロ
ピレン、ランダムタイプポリプロピレン、ブロックタイ
ププロピレン等のポリプロピレン、酸変性ポリプロピレ
ン等からなる単層または多層構成である。そして、少な
くとも、最内層を前記酸変性ポリプロピレン樹脂とする
場合には、電池の密封包装の際、外装体とリード線との
間にリード線用フィルムを介在される必要はない。
【0028】
【実施例】本発明の電池用包装材料について、実施例に
よりさらに具体的に説明する。 (1)電池用包装材料の構成 実施例、比較例ともに、以下の構成とした。 ON25μm/DL3μm/両面化成処理ALM40μ
m/接着性樹脂15μm/シーラント:30μm [略号 ON:2軸延伸ナイロンフィルム、DL:ドラ
イラミネート、ALM:アルミニウム] 酸変性ポリプロピレンは、不飽和カルボン酸グラフトラ
ンダムプロピレンとし、また、シーラントは、いずれも
ランダムポリプロピレン樹脂からなるフィルムまたは押
出層とした。実施例および比較例に説明する、接着樹脂
をブレンド樹脂とする場合のブレンド割合は重量部であ
る。 (2)化成処理 外装体のバリア層に施した化成処理は、実施例、比較例
ともに、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム
(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコート
法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件
において焼き付けた。クロムの塗布量は、1mg/m
2(乾燥重量)である。 (2)外装体のタイプ 実施例および比較例のいずれもエンボスタイプの外装体
として評価した。その形状は、片面エンボスタイプと
し、成形型の凹部(キャビティ)の形状を30mm×5
0mm,深さ3.5mmとしてプレス成形して成形性の
評価をした。エンボスタイプの例においてはいずれも、
エンボスした積層体の成形しないものを蓋体として用い
た。 [実施例1]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を、遠赤
外線と熱風とにより、接着樹脂であるポリプロピレン系
樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、後述の接着樹
脂を押出してシーラント層となるポリプロピレンフィル
ム30μmをサンドイッチラミネートして積層体とし
た。接着樹脂は、MI30g/10分の酸変性ポリプロ
ピレン74部とMI0.5g/10分のポリプロピレン
26部とをブレンドした樹脂とした。ブレンド樹脂とし
てのMIは20g/10分である。得られた積層体を用
いてエンボス成形によりトレイとし、成形しない積層体
を蓋材として外装体とした。 [実施例2]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、ポリ
プロピレン系ブレンド樹脂を接着樹脂15μmとして、
シーラント層となるポリプロピレンフィルムをサンドイ
ッチラミネートして一次積層体とした。接着樹脂は、接
着樹脂は、MI26g/10分の酸変性ポリプロピレン
60部とMI1.0g/10分の酸変性ポリプロピレン
40部とをブレンドした樹脂とした。ブレンド樹脂とし
てのMIは16g/10分である。一次積層体を,熱風
により接着樹脂の軟化点以上の温度に加熱して二次積層
体としエンボス成形によりトレイとし、成形しない二次
積層体を蓋材として外装体とした。 [実施例3]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を、遠赤
外線と熱風とにより、接着樹脂であるポリプロピレン系
樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、後述の接着樹
脂およびシーラント層となるポリプロピレン樹脂を共押
出ラミネートして積層体とした。接着樹脂は、MI18
g/10分のポリプロピレン40部とMI3.0g/1
0分の酸変性ポリプロピレン60部とをブレンドした樹
脂とした。ブレンド樹脂としてのMIは9g/10分で
ある。得られた積層体をエンボス成形してトレイとし、
成形しない積層体を蓋材として外装体とした。 [実施例4]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、後述
の接着樹脂およびシーラント層となるポリプロピレン樹
脂を共押出ラミネートして一次積層体とした。接着樹脂
は、MI8g/10分の酸変性ポリプロピレン84部と
MI2.0g/10分のポリプロピレン16部とをブレ
ンドした樹脂とした。ブレンド樹脂としてのMIは8g
/10分である。一次積層体を,熱風により接着樹脂の
軟化点以上の温度に加熱して二次積層体としエンボス成
形によりトレイとし、成形しない二次積層体を蓋材とし
て外装体とした。
【0029】[比較例1]アルミニウム40μmの両面
に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロ
ンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法によ
り貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の
面に、後述の樹脂を接着樹脂15μmとして、シーラン
ト層となるポリプロピレンフィルムをサンドイッチラミ
ネートして一次積層体とした。接着樹脂は、MI18g
/10分の酸変性ポリプロピレン90部と低密度ポリエ
チレン10部とをブレンドした樹脂とした。ブレンド樹
脂としてのMIは17g/10分である。一次積層体
を,熱風により接着樹脂の軟化点以上の温度に加熱して
二次積層体としエンボス成形によりトレイとし、成形し
ない二次積層体を蓋材として外装体とした。 [比較例2]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を、遠赤
外線と熱風とにより、接着樹脂であるポリプロピレン系
樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、後述の接着樹
脂を押出してシーラント層となるポリプロピレンフィル
ム30μmをサンドイッチラミネートして積層体とし
た。接着樹脂は、MI10g/10分の酸変性ポリプロ
ピレン樹脂100部とした。得られた積層体を用いてト
レイをエンボス成形してトレイとし、成形しない積層体
を蓋材として外装体とした。 [比較例3]化成処理を施さないアルミニウム40μm
の一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)を
ドライラミネート法により貼り合わせ、次に、アルミニ
ウムの他の面に、後述の樹脂を接着樹脂15μmとし
て、シーラント層となるポリプロピレンフィルムをサン
ドイッチラミネートして一次積層体とした。接着樹脂
は、MI26g/10分の酸変性ポリプロピレン樹脂6
0部とMI1.0g/10分のポリプロピレン40部と
をブレンドした樹脂とした。ブレンド樹脂としてのMI
は17g/10分である。一次積層体を,熱風により接
着樹脂の軟化点以上の温度に加熱して二次積層体としエ
ンボス成形してトレイとし、成形しない二次積層体を蓋
材として外装体とした。
【0030】<評価項目> 1)接着樹脂層の白化:目視確認による。 2)接着樹脂層内MC:断面を透過型電子顕微鏡で確認
(×2000)による。 3)絶縁性:電解液を充填し、バリア層と電解液間の抵
抗値を25Vで測定した。電解液としては、1M Li
PF6となるようにしたエチレンカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート(1:1:1)
の混合液、3gを充填して測定した。 4)デラミネーション:1M LiPF6となるように
したエチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ
メチルカーボネート(1:1:1)の混合液3gをを充
填し、85℃の温度に7日間保持した後、ALMと接着
樹脂層との間のデラミネーションを目視により確認し
た。
【0031】<結果>実施例1〜実施例4は、いずれも
接着樹脂層での白化、マイクロクラックの発生もなく、
絶縁性も保たれていた。また、ALMと接着樹脂層との
間のデラミネーションも認められなかった。なお、押出
加工の際のネックインも小さく製膜性としても安定した
ものであった。比較例1は、接着樹脂層での白化および
マイクロクラックがともに認められ、また、バリア層と
電解液間の抵抗値も1.0MΩと絶縁性が破壊されてい
た。比較例2は、接着樹脂層での白化、マイクロクラッ
クの発生もなく、絶縁性も保たれていたが、ラミネーシ
ョン加工時のネックインが大きく、厚さのバラツキも大
きく、製膜性が安定しなかった。比較例3は、接着樹脂
層での白化、マイクロクラックの発生もなく、絶縁性も
保たれていたが、ALMと接着層樹脂の間でデラミネー
ションが発生した。
【0032】
【発明の効果】電池用包装材料を、基材層、バリア層、
化成処理層、接着樹脂層、ポリプロピレン系シーラント
層からなる積層体として、接着樹脂層を押出してシーラ
ント層をサンドイッチラミネート、共押出ラミネートに
よりシーラント層を積層する場合に、接着樹脂層の組成
を高MIのポリプロピレン系樹脂と低MIのポリプロピ
レン系樹脂とのブレンド樹脂とすることによって、接着
樹脂層に発生するマイクロクラックに起因するアルミニ
ウムの腐食を防止することが可能となった。。また、外
装体のアルミニウムの両面に施した化成処理によって、
エンボス成形時、およびヒートシール時の基材層とアル
ミニウムとの間でのデラミネーションの発生を防止する
ことができ、また、シーラント層を、サンドイッチラミ
ネート法または共押出ラミネート法により形成した場合
に、積層体の形成時の加熱、または積層体形成後の加熱
によって、電池の電解質と水分との反応により発生する
フッ化水素によるアルミニウム面の腐食を防止できるこ
とにより、アルミニウムとの内容物側の層とのデラミネ
ーションをも防止できる外装体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用包装材料を説明する図で、
(a)電池用包装材料の層構成例を示した断面図、
(b)電池用包装材料の別の層構成例を示した断面図で
ある。
【図2】本発明の電池用包装材料のシーラントの層構成
を説明する断面図である。
【図3】電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図
である。
【図4】電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視
図である。
【図5】エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X1−X1部断面図、(d)Y1部拡大図である。
【図6】電池用包装材料とリード線との接着におけるリ
ード線用フィルムの装着方法を説明する図である。
【図7】従来の組成の接着樹脂層におけるマイクロクラ
ック発生を説明する、(a)電池用包装材料の断面図、
(b)Y2部拡大図である。
【符号の説明】
1 高MIPPa R2 低MIPPa R3 高MIPP R4 低MIPP R5 低密度ポリエチレン R6 ゴム成分 MC マイクロクラック 1 電池 2 電池本体 3 セル(蓄電部) 4 リード線(電極) 5 外装体 6 リード線用フィルム 7 凹部 8 側壁部 9 シール部 10 積層体(電池用包装材料) 11 基材層 12 アルミニウム(バリア層) 13 接着樹脂層 14 シーラント層 S1 シーラント層の外層 S2 シーラント層の中間層 S3 シーラント層の内層 15 化成処理層 16 基材側ドライラミネート層 20 プレス成形部 21 オス型 22 メス型 23 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01G 9/155 H01M 8/02 Z H01M 8/02 H01G 9/00 301Z (72)発明者 奥下 正隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 3E067 AA24 AB32 AC01 BA10A BA12A BB12A BB16A BB25A BC03A BC06A CA16 EA08 EA09 FA01 FC01 3E086 AD01 AD05 BA04 BA13 BA15 BA33 BB74 CA40 5H011 AA01 AA02 CC02 CC06 CC10 KK00 5H026 BB10 EE02 EE18

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電池本体を挿入し周縁部をヒートシールに
    より密封する電池の外装体を形成する包装材料が、少な
    くとも基材層、接着層、アルミニウム、化成処理層、接
    着樹脂層、ポリプロピレン樹脂系シーラント層から構成
    される積層体であって、接着樹脂層がメルトインデック
    スの異なる少なくとも2種のポリプロピレン系樹脂をブ
    レンドした樹脂からなり、ブレンド樹脂としてのメルト
    インデックスが7〜25g/10分であることを特徴と
    する電池用包装材料。
  2. 【請求項2】接着樹脂層を形成するポリプロピレン系樹
    脂の少なくともそのうち一つが酸変性ポリプロピレン樹
    脂であることを特徴とする請求項1に記載した電池用包
    装材料。
  3. 【請求項3】接着樹脂層が、メルトインデックスが0.
    3〜6.0g/10分の範囲の低メルトインデックスの
    ポリプロピレン系樹脂と、メルトインデックスが7〜3
    0g/10分の範囲の高メルトインデックスのポリプロ
    ピレン系樹脂との2種の樹脂をブレンドした樹脂から形
    成されていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載した電池用包装材料。
  4. 【請求項4】前記積層体が、少なくとも基材層、接着
    層、化成処理層(1)アルミニウム、化成処理層
    (2)、接着樹脂層、ポリプロピレン樹脂系シーラント
    層から構成されていることを特徴とする請求項1〜請求
    項4のいずれかに記載した電池用包装材料。
  5. 【請求項5】電池本体が請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載した電池用包装材料により形成された外装体に収
    納され密封されたことを特徴とする電池。
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