JP2003272571A - 電池用包装材料 - Google Patents

電池用包装材料

Info

Publication number
JP2003272571A
JP2003272571A JP2002075883A JP2002075883A JP2003272571A JP 2003272571 A JP2003272571 A JP 2003272571A JP 2002075883 A JP2002075883 A JP 2002075883A JP 2002075883 A JP2002075883 A JP 2002075883A JP 2003272571 A JP2003272571 A JP 2003272571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
battery
chemical conversion
resin layer
packaging material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002075883A
Other languages
English (en)
Inventor
Rikiya Yamashita
力也 山下
Kazuki Yamada
一樹 山田
Masataka Okushita
正隆 奥下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002075883A priority Critical patent/JP2003272571A/ja
Publication of JP2003272571A publication Critical patent/JP2003272571A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)
  • Sealing Battery Cases Or Jackets (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電池包装に用いる材料として、電池本体の安定
した保護物性とともに、白化やクラックの発生のない生
産性のよい製造方法を提供する。 【解決手段】電池本体を挿入し周縁部をヒートシールに
より密封する電池の包装において、外装体を形成する包
装材料が、少なくとも基材層、接着層、化成処理層
(1)、アルミニウム、化成処理層(2)、シーラント
部から構成される積層体とし、少なくともシーラント部
が接着樹脂層とエチレンの含有量が3から10%のポリ
プロピレン系樹脂層との共押出しにより形成し、化成処
理層(2)側を接着樹脂層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿性、耐内容物
性を有し、液体または固体有機電解質(高分子ポリマー
電解質)を持つ電池、または燃料電池、コンデンサ、キ
ャパシタ等の外装体に用いられる包装材料で、外装体の
加工適性のよい材質を有する電池用包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】前記電池としては、化学的エネルギーを
電気的エネルギーに変換する素子を含むもの、例えば、
リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、燃料電池
等や、または、液体、固体セラミック、有機物等の誘電
体を含む液体コンデンサ、固体コンデンサ、二重層コン
デンサ等の電解型コンデンサ等がある。例えば、リチウ
ム2次電池の構成は、正極集電材(アルミニウム、ニッ
ケル)/正極活性物質層(金属酸化物、カーボンブラッ
ク、金属硫化物、電解液、ポリアクリロニトリル等の高
分子正極材料)/電解質層(プロピレンカーボネート、
エチレンカーボネート、炭酸ジメチル、エチレンメチル
カーボネート等のカーボネート系電解液、リチウム塩か
らなる無機固体電解質、ゲル電解質)/負極活性物質
(リチウム金属、合金、カーボン、電解液、ポリアクリ
ロニトリルなどの高分子負極材料)/負極集電材(銅、
ニッケル、ステンレス)及びそれらを包装する外装体か
らなる。電池の用途としては、パソコン、携帯端末装置
(携帯電話、PDA等)、ビデオカメラ、電気自動車、
エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星等に用いられ
る。前記電池の外装体としては、金属をプレス加工して
円筒状または直方体状に容器化した金属製缶、あるい
は、最外層、アルミニウム、シーラント層から構成され
る積層体を袋状にしたものが用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、電池の外装
体として、次のような問題があった。金属製缶において
は、容器外壁がリジッドであるため、電池自体の形状が
決められてしまう。そのため、ハード側を電池にあわせ
る設計をするため、該電池を用いるハードの寸法が電池
により決定されてしまい形状の自由度が少なくなる。そ
こで、積層体を袋状にして電池本体を収納するパウチタ
イプまたは、前記積層体をプレス成形して凹部を形成
し、該凹部に電池本体を収納するエンボスタイプが開発
されている。エンボスタイプは、パウチタイプと比較し
て、よりコンパクトな包装体が得られる。いずれのタイ
プの外装体であっても、電池としての防湿性あるいは耐
突き刺し性等の強度、絶縁性等は、電池の外装体として
欠かせないものである。そして、電池用包装材料として
は、少なくとも、基材層、バリア層、最内樹脂層からな
る積層体とする。そして、前記各層の層間の接着強度
が、電池の外装体として必要な性質に影響をあたえるこ
とが確認されている。例えば、バリア層と最内樹脂層と
の接着強度が不十分であると、外部から水分の浸入の原
因となり、電池を形成する成分の中の電解質と前記水分
との反応により生成するフッ化水素酸により前記アルミ
ニウム面が腐食して、バリア層と最内樹脂層との間にデ
ラミネーションが発生する。また、前記エンボスタイプ
の外装体とする際に、前記積層体をプレス成形して凹部
を形成するが、この成形の際に最外層とバリア層との間
にデラミネーションが発生することがある。
【0004】そこで、本発明者らは、アルミニウム面に
対して、酸変性ポリプロピレンのエマルジョンを塗布、
焼付けして皮膜を形成し、酸変性ポリプロピレン樹脂を
接着樹脂とするサンドイッチラミネート法によりヒート
シール性フィルムをラミネートすると、接着強度は改善
されることを確認したが、前記酸変性ポリプロピレンの
エマルジョンコート後の焼付けに時間がかかり生産効率
がよくなかった。また、前記最内樹脂層としては、耐熱
性、ヒートシール性、防湿性等において安定した特性を
有するランダムポリプロピレンが用いられるが、従来の
ランダムタイプのキャストポリプロピレンを用いた場合
には、電池用包装材料としてストレスを受けると、その
部位において、フィルムが白化したりクラックが発生す
ることがあった。本発明の目的は、電池包装に用いる材
料として、電池本体の安定した保護物性とともに、白化
やクラックの発生のない生産性のよい製造方法を提供す
ることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の発
明によって解決することができる。すなわち、請求項1
に記載した発明は、電池本体を挿入し周縁部をヒートシ
ールにより密封する電池の包装において、外装体を形成
する包装材料が、少なくとも基材層、接着層、化成処理
層(1)、アルミニウム、化成処理層(2)、シーラン
ト部から構成される積層体であって、少なくともシーラ
ント部が接着樹脂層とエチレンの含有量が3から10%
のポリプロピレン系樹脂層との共押出しにより形成さ
れ、化成処理層(2)側が接着樹脂層であることを特徴
とする電池用包装材料からなる。請求項2に記載した発
明は、請求項1に記載のポリプロピレン系樹脂がプロピ
レンとエチレンとの共重合体であることを特徴とするも
のである。請求項3に記載した発明は、請求項1に記載
のポリプロピレン系樹脂がプロピレンとエチレンとブテ
ンとの3成分共重合体であることを特徴とするものであ
る。請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3の
いずれかに記載の接着樹脂層が不飽和カルボン酸でグラ
フト変性したポリオレフィンであることを特徴とするも
のである。請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求
項3のいずれかに記載の接着樹脂層の不飽和カルボン酸
でグラフト変性したポリオレフィンがプロピレンとエチ
レンとの共重合体であることを特徴とするものである。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいず
れかに記載の接着樹脂層の不飽和カルボン酸でグラフト
変性したプロピレンとエチレンとブテンとの3成分共重
合体であることを特徴とするものである。請求項7に記
載した発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の
電池の包装において、積層体とリード線との間に接着性
フィルムを介在させることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、防湿性、耐内容物性、
及び、生産性のよい電池用包装材料であって、バリア層
の両面に化成処理を施し、バリア層の内面側に、接着樹
脂層とエチレン含量が3から10%のポリプロピレン系
樹脂層とを共押出しラミネート法により積層するもので
あって、エンボス成形性にすぐれ、シーラント層におけ
る白化のない包装材料である。図1は、本発明の電池用
包装材料における積層体の構成を説明する断面図であ
り、(a)は、最内樹脂層が単層の例であり、(b)
は、最内樹脂層が多層の例である。図2は、電池のパウ
チタイプの外装体を説明する斜視図である。図3は、電
池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視図である。
図4は、エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
図5は、本発明の電池用包装材料を製造する共押出しラ
ミネートを説明する概念図である。図6は、電池用包装
材料とタブとの接着における接着性フィルムの装着方法
を説明する斜視図である。
【0007】電池用包装材料が、例えばナイロン/接着
層(1)/アルミニウム/接着層(2)/キャストポリ
プロピレンであり、前記接着層(2)がドライラミネー
ト法により形成されていると、電池の外装体5がエンボ
スタイプの場合、プレス成形において、前記側壁部にお
いてアルミニウムと基材層との間が剥離するデラミネー
ションがおこることが多く、また、電池本体を外装体に
収納してその周縁をヒートシールする部分においてもデ
ラミネーションの発生があった。また、電池の構成要素
である電解質と水分との反応により生成するフッ化水素
により、アルミニウムの内面側表面が侵され、デラミネ
ーションを起こすことがあった。
【0008】また、エンボス成形段階でキャストポリプ
ロピレン層部分に白化やクラックが生じることがあっ
た。そのクラック部分からアルミニウムの腐食を促進さ
せる場合があった。また、パウチタイプの外装体等にお
いては、積層体を折り曲げ加工した時、キャストポリプ
ロピレン層にクラックが入り、そのクラック部分からア
ルミニウムの腐食を促進させる場合があった。
【0009】そこで、本発明者らはアルミニウムの両面
に化成処理を施し、また、アルミニウムの内容物側の化
成処理面に接着樹脂層、シーラント層として、ポリプロ
ピレン系樹脂層を、後述する共押出しラミネート法によ
り形成することによって、前記課題を解決できることを
見出し本発明を完成するに到った。前記接着樹脂層とし
ては、不飽和カルボン酸でグラフト変性したポリプロピ
レン系樹脂が好ましく用いられる。前記接着樹脂層とし
ては、不飽和カルボン酸でグラフト変性したプロピレン
ーエチレン共重合体または同じく不飽和カルボン酸でグ
ラフト変性したプロピレンとエチレンとブテンとの3成
分共重合体である。また、シーラント層の前記ポリプロ
ピレン系樹脂としては、プロピレンーエチレン共重合体
またはプロピレンとエチレンとブテンとの3成分共重合
体であって、そのエチレン含有量が3から10%のもの
を用いる。そのエチレン含有量が3%未満では、シーラ
ント層に白化やクラックが発生し、該クラックからフッ
化水素が浸透してバリア層と接着樹脂層との間のデラミ
ネーションを引き起こす恐れがある。また、そのエチレ
ン含有量が10%を超えると、白化クラックの発生はな
いが、エンボス成形適性が低下し、成形部にしわ等が発
生し易くなる。
【0010】本発明におけるシーラント部の形成は、共
押出しラミネート法を用いるが、その方法は、例えば、
図5に示すように、接着樹脂を31aの押出機から、シ
ーラント層となるポリプロピレン系樹脂を31bの押出
機から押出し、ダイ32の中で合流させて、2層の溶融
樹脂膜33として、基材層と両面に化成処理されたバリ
ア層とをラミネートした中間積層体36の化成処理面に
ラミネートする。ラミネートの際に、前記バリア層のラ
ミネート面を接着樹脂の軟化点以上の温度に加熱してラ
ミネートすることによってラミネート強度が安定する。
前記加熱の具体的な方法としては、熱ロール接触式、熱
風式、近または遠赤外線等の方法があるが、本発明にお
いてはいずれの加熱方法でもよく、前述のように、接着
樹脂がその軟化点温度以上に加熱できればよい。あるい
は、ラミネート強度を安定させるために、ラミネートし
た積層体巻取37を接着樹脂の軟化点以上温度になるよ
うに加熱する後加熱方法を用いてもよい。共押出しラミ
ネートは、シーラント層の形成とラミネート工程が同時
に行うことにより製造コストが安価となる。
【0011】本発明の電池用包装材料の層構成は、図1
(a)に示すように、少なくとも基材層11、接着層1
6、アルミニウム12、化成処理層15、接着樹脂層1
3、最内樹脂層14からなる積層体であり、アルミニウ
ムの両面に化成処理層を設けて、基材層11、接着層1
6、化成処理層15(1)、アルミニウム12、化成処
理層15(2)、接着樹脂層13、最内樹脂層14から
なる積層体としてもよい。
【0012】電池用包装材料は電池本体を包装する外装
体として用いられるものであって、その外装体の形式に
よって、図2に示すようなパウチタイプと、図3
(a)、図3(b)および図3(c)に示すようなエン
ボスタイプとがある。前記パウチタイプには、三方シー
ル、四方シール等およびピロータイプ等の袋形式がある
が、図2は、ピロータイプとして例示している。また、
前記エンボスタイプとしては、図3(a)に示すよう
に、片面に凹部を形成してもよいし、図3(b)に示す
ように、両面に凹部を形成して電池本体を収納して周縁
の四方をヒートシールして密封してもよい。また、図3
(c)に示すような折り部をはさんで両側に凹部形成し
て、電池を収納して3辺をヒートシールする形式もあ
る。エンボスタイプの外装体の場合には、電池本体を包
装する収納部となる凹部を形成するために成形性のすぐ
れた積層体であることが要求される。
【0013】次に、本発明における電池用包装材料を形
成する積層体10の各層を構成する材料および貼り合わ
せについて説明する。前記最外層11は、延伸ポリエス
テルまたはナイロンフィルムからなるが、この時、ポリ
エステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、
ポリカーボネート等が挙げられる。またナイロンとして
は、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン6、ナイロン
6,6、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体、ナ
イロン6,10、ポリメタキシリレンアジパミド(MX
D6)等が挙げられる。
【0014】前記最外層11は、電池として用いられる
場合、ハードと直接接触する部位であるため、基本的に
絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体でのピンホ
ールの存在、および加工時のピンホールの発生等を考慮
すると、最外層は6μm以上の厚さが必要であり、好ま
しい厚さとしては12から25μmである。
【0015】本発明においては、最外層11は耐ピンホ
ール性および電池の外装体とした時の絶縁性を向上させ
るために、積層化することも可能である。最外層11を
積層体化する場合、最外層11は2層以上の樹脂層を少
なくとも一つを含み、各層の厚みが6μm以上、好まし
くは、12から25μmである。最外層11を積層化す
る例としては、図示はしないが次の1)〜7)が挙げら
れる。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中で
の搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工として電池用の外装体をエンボスタイプ
とする際に、エンボス時の金型と最外層との摩擦抵抗を
小さくする目的で、最外層11を多層化、最外層表面に
フッ素系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂
層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティ
ング後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コ
ーティング後乾燥で形成) 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/
延伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂は
フィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化)
【0016】前記バリア層12は、外部から電池の内部
に特に水蒸気が浸入することを防止するための層で、バ
リア層単体のピンホール、および加工適性(パウチ化、
エンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもた
せるために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケル
などの金属、または、無機化合物、例えば、酸化珪素、
アルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バ
リア層として好ましくは厚さが20から80μmのアル
ミニウムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、電
池の外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エン
ボス成形におけるクラックなどの発生のないものとする
ために、本発明者らは、バリア層12として用いるアル
ミニウム12の材質が、鉄含有量が0.3から9.0重
量%、好ましくは0.7から2.0重量%とすることに
よって、鉄を含有していないアルミニウムと比較して、
アルミニウムの展延性がよく、積層体として折り曲げに
よるピンホールの発生が少なくなり、かつ前記エンボス
タイプの外装体を成形する時に側壁の形成も容易にでき
ることを見出した。前記鉄含有量が、0.3重量%未満
の場合は、ピンホールの発生の防止、エンボス成形性の
改善等の効果が認められず、前記アルミニウムの鉄含有
量が9.0重量%を超える場合は、アルミニウムとして
の柔軟性が阻害され、積層体として製袋性が悪くなる。
【0017】また、冷間圧延で製造されるアルミニウム
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。例えば、エンボス成形時のしわやピンホー
ルを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなまし
された軟質アルミニウムを用いることができる。
【0018】本発明の課題に対して、本発明者らは、鋭
意研究の結果、電池用包装材料のバリア層12であるア
ルミニウムの表、裏面に化成処理を施すことによって、
前記包装材料として満足できる積層体とすることができ
た。前記化成処理とは、具体的にはリン酸塩、クロム酸
塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物等の耐酸性皮
膜を形成することによってエンボス成形時のアルミニウ
ムと基材層との間のデラミネーション防止と、電池の電
解質と水分とによる反応で生成するフッ化水素により、
アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアルミニウムの表
面に存在する酸化アルミが溶解、腐食することを防止
し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ性)を向上
させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基材層とアル
ミニウムとのデラミネーション防止、電解質と水分との
反応により生成するフッ化水素によるアルミニウム内面
側でのデラミネーション防止効果が得られた。各種の物
質を用いて、アルミニウム面に化成処理を施し、その効
果について研究した結果、前記耐酸性皮膜形成物質の中
でも、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リ
ン酸の3成分から構成されたものを用いるリン酸クロメ
ート処理が良好であった。
【0019】前記化成処理15は、電池の外装体がパウ
チタイプの場合には、アルミニウムの最内層側の片面だ
けでよい。電池の外装体がエンボスタイプの場合には、
アルミニウムの両面に化成処理することによって、エン
ボス成形の際のアルミニウムと基材層との間のデラミネ
ーションを防止することができる。アルミニウムの両面
に化成処理した積層体をパウチタイプに用いてもよい。
【0020】本発明の電池用包装材料の積層体として、
前記、基材層、バリア層、最内樹脂層の他に、バリア層
と最内樹脂層との間に中間層を設けてもよい。中間層
は、電池用包装材料としての強度向上、バリア性の改善
安定化などのために積層されることがある。
【0021】本発明の積層体における前記の各層には、
適宜、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ
化、エンボス成形)適性を向上、安定化する目的のため
に、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理
等の表面活性化処理をしてもよい。
【0022】本発明におけるシーラント層を形成するポ
リプロピレン系樹脂には金属に対するヒートシール性が
ないため、電池の包装におけるタブ部のヒートシールの
際には、図6(a)、図6(b)、図6(c)に示すよ
うに、タブと積層体の最内樹脂層との間に、金属とシー
ラント層であるポリプロピレン系樹脂との双方に対して
ヒートシール性を有する接着性フィルムを介在させるこ
とにより、タブ部での密封性も確実となる。前記接着性
フィルムは、図6(d)、図6(e)、図6(f)に示
すように、タブの所定の位置に巻き付けてもよい。前記
接着性フィルムとしては、前記不飽和カルボン酸でグラ
フト変性したポリプロピレン等を用いることが望まし
い。
【0023】本発明の電池用包装材料における基材層1
1とバリア層12(化成処理層を設けた場合は化成処理
面)とは、ドライラミネート法によって貼り合わせるこ
とが望ましい。前記、基材とアルミニウムのリン酸クロ
メート処理面とのドライラミネートに用いる接着剤とし
ては、ポリエステル系、ポリエチレンイミン系、ポリエ
ーテル系、シアノアクリレート系、ウレタン系、有機チ
タン系、ポリエーテルウレタン系、エポキシ系、ポリエ
ステルウレタン系、イミド系、イソシアネート系、ポリ
オレフィン系、シリコーン系の各種接着剤を用いること
ができる。
【0024】
【実施例】本発明の電池用包装材料について、実施例に
よりさらに具体的に説明する。 1.外装体のタイプ別の材質構成 特に説明のない場合は、アルミニウム40μmの両面に
化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロン
フィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法により
貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面
(以下、化成処理面)に、各条件によるシーラント層を
記載のラミネート方法により貼り合わせて積層体を形成
した。 2.化成処理層 外装体のアルミニウムに施した化成処理は、実施例、比
較例ともに、処理液として、フェノール樹脂、フッ化ク
ロム(3)化合物、リン酸からなる水溶液を、ロールコ
ート法により、塗布し、皮膜温度が180℃以上となる
条件において焼き付けた。クロムの塗布量は、1mg/
2(乾燥重量)である。 3.外装体のタイプ 以下の、実施例および比較例において、いずれも片面エ
ンボスタイプとし、成形型の凹部(キャビティ)の形状
を30mm×50mm,深さ3.5mmとしてプレス成
形して成形性の評価をした。エンボスタイプの例におい
てはいずれも、エンボスした積層体の成形しないものを
蓋体として用いた。 4.略記 接着樹脂層、シーラント層に用いる樹脂を下記の略号で
記載する。 E−PP:プロピレンとエチレンとの共重合物 T−PP:プロピレンとエチレンとブテンとの共重合物 E−PPa:不飽和カルボン酸でグラフト変性したE−
PP T−PPa:不飽和カルボン酸でグラフト変性性したT
−PP PP :プロピレン 略号のあとに示した()内の数値は、樹脂中のエチレン
成分%を示す。 [実施例1]化成処理面を接着樹脂の軟化点以上の温度
に加熱して、接着樹脂層として、E−PPa(2)を5
μmの厚さ、シーラント層としてE−PP(5)を25
μmの厚さとして共押出し法により積層して積層体実施
例1とした。 [実施例2]化成処理面に接着樹脂層として、E−PP
a(2)を15μmの厚さ、シーラント層としてT−P
P(4)を15μmの厚さとして共押出し法により積層
し、得られた積層体を接着樹脂の軟化点以上の温度に加
熱して積層体実施例2とした。 [実施例3]化成処理面を接着樹脂の軟化点以上の温度
に加熱して、接着樹脂層として、T−PPa(3)を1
0μmの厚さ、シーラント層としてE−PP(7)を2
0μmの厚さとして共押出し法により積層して積層体実
施例3とした。 [実施例4]化成処理面に接着樹脂層として、T−PP
a(3)を15μmの厚さ、シーラント層としてT−P
P(8)を15μmの厚さとして共押出し法により積層
し、得られた積層体を接着樹脂の軟化点以上の温度に加
熱して積層体実施例4とした。 [実施例5]化成処理面に接着樹脂層として、T−PP
a(3)を5μmの厚さ、シーラント層としてT−PP
(3)を25μmの厚さとして共押出し法により積層
し、得られた積層体を接着樹脂の軟化点以上の温度に加
熱して積層体実施例5とした。 [比較例1]化成処理面に接着樹脂層として、E−PP
a(2)を5μmの厚さ、シーラント層としてPP
(1)を25μmの厚さとして共押出し法により積層
し、得られた積層体を接着樹脂の軟化点以上の温度に加
熱して積層体比較例1とした。 [比較例2]化成処理を施さないアルミニウム40μm
の一方の面に延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)を
ドライラミネート法により貼り合わせ、次に、アルミニ
ウムの他の面に、接着樹脂層として、T−PPa(3)
を5μmの厚さ、シーラント層としてT−PP(3)を
25μmの厚さとして共押出し法により積層し、得られ
た積層体を接着樹脂の軟化点以上の温度に加熱して積層
体比較例2とした。
【0025】<評価>シーラント層のクラック:成形品を目
視にて白化の有無を確認後、断面写真による観察を行い
クラックの有無を確認した。 <デラミ耐内容物性>内容物を充填したヒートシール品
を80℃、24時間保存し、内容物側の積層体のデラミ
ネーション(以下デラミ)を確認した。 内容物:電解液1M LiPF6となるようにしたエチ
レンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート(1:1:1)の混合液、3g
【0026】<結果>実施例は、成形時のシーラント層
のクラックおよびデラミネーションともに発生しなかっ
た。比較例1は、シーラント層にクラックが認められ
た。また、比較例2においては、デラミネーションが認
められた。
【0027】
【発明の効果】本発明の電池用包装材料において、シー
ラント層をエチレン含量が3から10%のポリプロピレ
ン系樹脂として、バリア層であるアルミニウムの化成処
理面に接着樹脂と共押出しラミネート法を用いて積層す
ることによって、エンボス成形部での白化あるいはクラ
ックの発生がなくなり、電池の長期保存においても電池
の電解質と水分との反応により発生するフッ化水素によ
るアルミニウム面の腐食を防止できることにより、アル
ミニウムとの内容物側の層とのデラミネーションをも防
止できる顕著な効果を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池用包装材料における積層体の構成
例を説明する断面図であり、(a)層構成を示した断面
図、(b)別の層構成を示した断面図である。
【図2】電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図
である。
【図3】電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視
図、断面図である。
【図4】エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
【図5】本発明の電池用包装材料を製造する共押出しラ
ミネートを説明する概念図である。
【図6】電池用包装材料とタブとの接着における接着性
フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 電池 2 電池本体 3 セル(蓄電部) 4 タブ(電極) 5 外装体 6 接着フィルム(タブ部) 7 凹部 8 側壁部 9 シール部 10 積層体(電池用包装材料) 11 基材層 12 アルミニウム(バリア層) 13 接着樹脂層 14 最内樹脂層 15 化成処理層 16 接着層 20 プレス成形部 21 オス型 22 メス型 23 キャビティ 30 共押出しラミネーター 31 押出機 31a 接着樹脂の押出機 31b シーラント樹脂の押出機 32 ダイ 33 シーラント部の溶融樹脂膜 34 チルロール 35 圧着ロール 36 中間積層体 37 積層体巻取
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥下 正隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA09 CC02 CC10 FF04 GG08 GG09 HH02 HH13 KK02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電池本体を挿入し周縁部をヒートシールに
    より密封する電池の包装において、外装体を形成する包
    装材料が、少なくとも基材層、接着層、化成処理層
    (1)、アルミニウム、化成処理層(2)、シーラント
    部から構成される積層体であって、少なくともシーラン
    ト部が接着樹脂層とエチレンの含有量が3から10%の
    ポリプロピレン系樹脂層との共押出しにより形成され、
    化成処理層(2)側が接着樹脂層であることを特徴とす
    る電池用包装材料。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂がプロピレンとエチ
    レンとの共重合体であることを特徴とする請求項1に記
    載した電池用包装材料。
  3. 【請求項3】ポリプロピレン系樹脂がプロピレンとエチ
    レンとブテンとの3成分共重合体であることを特徴とす
    る請求項1に記載した電池用包装材料。
  4. 【請求項4】接着樹脂層が不飽和カルボン酸でグラフト
    変性したポリオレフィンであることを特徴とする請求項
    1〜請求項3のいずれかに記載した電池用包装材料。
  5. 【請求項5】接着樹脂層の不飽和カルボン酸でグラフト
    変性したポリオレフィンがプロピレンとエチレンとの共
    重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のい
    ずれかに記載した電池用包装材料。
  6. 【請求項6】接着樹脂層の不飽和カルボン酸でグラフト
    変性したプロピレンとエチレンとブテンとの3成分共重
    合体であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいず
    れかに記載した電池用包装材料。
  7. 【請求項7】電池の包装において、積層体とリード線と
    の間に接着性フィルムを介在させることを特徴とする請
    求項1〜請求項6のいずれかに記載した電池用包装材
    料。
JP2002075883A 2002-03-19 2002-03-19 電池用包装材料 Pending JP2003272571A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075883A JP2003272571A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 電池用包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002075883A JP2003272571A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 電池用包装材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003272571A true JP2003272571A (ja) 2003-09-26

Family

ID=29204840

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075883A Pending JP2003272571A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 電池用包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003272571A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015207561A (ja) * 2015-06-11 2015-11-19 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
JP2017107861A (ja) * 2017-01-04 2017-06-15 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
JP2017213804A (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 藤森工業株式会社 積層体原反、樹脂被覆金属積層体、電池外装体及び電池
US10818891B2 (en) 2013-09-03 2020-10-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Resin composition for sealant layer of battery packaging material

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10818891B2 (en) 2013-09-03 2020-10-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Resin composition for sealant layer of battery packaging material
JP2015207561A (ja) * 2015-06-11 2015-11-19 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物
JP2017213804A (ja) * 2016-06-01 2017-12-07 藤森工業株式会社 積層体原反、樹脂被覆金属積層体、電池外装体及び電池
JP2017107861A (ja) * 2017-01-04 2017-06-15 大日本印刷株式会社 電池用包装材料のシーラント層用の樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5266628B2 (ja) 電池用包装材
JP4620202B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP4940496B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法
JP4923338B2 (ja) 電池用包装材料
JP2003242961A (ja) 電池用端子およびそれを用いた電池本体の包装材料
JP4736189B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料
JP2004074419A (ja) 積層体及びその製造方法
JP4769994B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP5109215B2 (ja) 焼付け樹脂皮膜を設けたリード線およびそれを用いた電池
JP5055654B2 (ja) リチウム電池用包装材料の製造方法
JP4993051B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法
JP5066776B2 (ja) 電池用包装材料
JP5194922B2 (ja) 電気化学セル用包装材料
JP4620203B2 (ja) ポリマー電池用包装材料の製造方法
JP5187370B2 (ja) ポリマー電池用包装材料
JP5333549B2 (ja) ポリマー電池用包装材料及びその製造方法
JP2001176463A (ja) ポリマー電池用包装材料及びその製造方法
JP2001266809A (ja) ポリマー電池用包装材料およびその製造方法
JP4993054B2 (ja) 電池のリード線用フィルム及びそれを用いた電池用包装材料
JP2002343313A (ja) 電池用包装材料
JP2003272571A (ja) 電池用包装材料
JP4090765B2 (ja) 電池用包装材料
JP2003036823A (ja) 電池用包装材料
JP2001229886A (ja) ポリマー電池用包装材料およびその製造方法
JP4968419B2 (ja) リチウムイオン電池用包装材料およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070501

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071218