JPH11306877A - 酸化物バルク超電導体 - Google Patents
酸化物バルク超電導体Info
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Abstract
結晶体からなる、円盤あるいは円柱形状の大型バルク超
電導体において、バルク体形状以外の要因に起因する表
面磁束密度分布の歪曲を抑制する。 【解決手段】 断面円の直径が50mmを越える上記大
型バルク材において、ほぼ同心円状の表面磁束密度分布
形状が実現されるバルク超電導材料の実現により、磁気
浮上力等の各種超電導特性が著しく改善される。
Description
O7-x 型の酸化物超電導体相を有するバルク超電導材料
に関するものである。
ク超電導体は超強力マグネットや磁気浮上などの応用に
有望な材料の一つと目されているが、その特性を最大限
に引き出すためにはバルク体試料の単結晶化を図る必要
がある。これを実現する方法の一つとしてQMG法(特
開昭63−261607)が開発され、多結晶バルク体
に特有の結晶粒界が基本的に皆無な、REBa2 Cu3
O7-x 型酸化物バルク超電導体が比較的容易に得られる
ようになった。
るように秤量されたRE、Ba、Cuの複合酸化物の混
合粉末を加圧成形した後、半溶融状態になるように加熱
し、適度な温度勾配を保ちながら徐冷することによって
一方向結晶成長を誘起し、その結果REBa2 Cu3 O
7-x 型酸化物超電導体の単結晶バルク体を得るというも
のである。また、試料周辺部において発生しやすい未配
向結晶粒の生成を抑制し、より確実な単結晶化を行う目
的から、成形体内部に123相の結晶生成温度の異なる
成分層あるいは組成層を成形体の温度勾配に沿って配置
するなどの発明がこれまでになされており(特開平3−
354469)、直径100mmを越える大型円盤状単
結晶が既に作製可能な現況にある。
的には123相のマトリックス内に微細な211相が分
散した組織を有しており、近年特に後者の211相につ
いては、Pt、Rh、あるいはCeO2 などの微量添加
により約1μm程度まで微細化が可能になっている。微
細な211相は超電導体内に侵入した磁束線を強固にピ
ン止めする作用があるため、同種の無添加従来材に比べ
て臨界電流密度を格段に向上させることに成功してい
る。近年では、液体窒素温度下で強磁場を印加すること
によって磁束を捕捉させ、試料を超強力マグネットとし
て用いるなど、高臨界電流密度の特徴を生かした様々な
用途に供試されつつある。
本系の半溶融体に適当な結晶化開始起点を与えると、適
度な温度環境下では、一般的には{100}面の晶癖面
で覆われた123相結晶が成長し、最終的に試料全体の
単結晶化が完了する。円盤状の半溶融体の場合について
例示するならば、通常は種結晶と呼ばれる、半溶融体の
123相結晶生成温度よりも高い123相結晶生成温度
を有する成分系の、大きさ約数mm角程度の微小単結晶
片を結晶化開始起点として用い、円盤の底面に向かって
適当な温度勾配を付与しながら徐冷を行うことにより単
結晶化を行う方法が一般的に行われている。このとき、
種結晶をそのc面が円盤状半溶融成形体の上面部中央に
接触するように静置すると、123相のc軸([00
1]軸)が円盤の中心軸に平行な単結晶が得られる。
で中心軸方向に十分に大きな強磁場(通常は1.5T以
上)を印加し、しかる後に上面あるいは底面の表面近傍
の磁束密度の強度分布を測定すると、試料内の123相
が完全な単結晶状態にあるならば、円盤の中心軸上に最
大値を有する同心円状の磁束密度分布(等値曲線)が得
られる筈である。臨界電流密度の磁場依存性が問題とな
らない条件下では、試料直径が大きい程、中心軸上の磁
束密度の最大値も大きくなり、このため、マグネットと
してより強力な磁力、あるいはより強力な磁気浮上力を
要求されるような応用局面においては、試料の直径を大
きくする大型化が有効な方法の一つとなる。従来までの
知見では、直径が約45mmの円盤状単結晶(厚さ約1
5mm)では、ほぼ同心円状の磁束密度分布が得られて
いる。
を越えて大型化するにつれて次第に磁束密度分布の乱れ
が大きくなるという問題が指摘されていた。その典型例
を図1ないし図3に示す。図中の3試料はいずれも未配
向結晶粒の無い単結晶体である。なお、液体窒素温度下
での最大外部印加磁場は1.7Tとした。発明者らの解
析によれば、結晶化開始起点を含む試料上面の表面磁束
密度分布を測定すると、円盤の直径が大きくなるに従い
(100)あるいは(010)晶癖面のほぼ中心を結ぶ
軸上(面内の[100]および[010]軸方向)の試
料周辺付近における磁束密度強度が小さく、その結果、
磁束密度分布としてはこの方向の等値曲線が円盤中心部
に向かって屈曲した、全体としてほぼ四回対称に近い形
状を呈することが判明している。このような現象は、図
3に顕著に見られるように、特に直径が70mmを越え
る場合に著しい。かような状況では、不均一な磁束密度
分布の影響を受けて中心軸上の最大磁束密度が低下した
り、永久磁石体との磁気反発力、すなわち磁気浮上力が
弱められてしまう。また他方で、バルク試料を加工して
各種用途に供試する場合に超電導特性の不均一性が顕現
し、動作特性に問題が生じる。すなわち、試料が本来有
している超電導特性が大型試料において十分に発現でき
なくなり、大型化によるメリットが失われるという問題
が生じてしまう。
化物超電導相を有するバルク超電導体において、試料の
大型化に伴って発生する磁束密度分布の不均一化の問題
を改善し、大型試料においても、磁束密度分布に、バル
ク体形状以外の要因に起因する歪曲を有しない、超電導
特性の極めて均一な大型バルク超電導材料を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
度を表す指標を以下のように定義する。バルク体の上面
あるいは底面の中心付近の磁束密度最大位置から、面内
の[100]あるいは[010]あるいはそれらと等価
な任意の123相結晶方向に、最大磁束密度値Bm に対
してx×Bm (0.0≦x≦1.0)の磁束密度値を与
える点までの距離をTA、また同様に面内の[110]
あるいは[−110]あるいはそれらと等価な任意の1
23相結晶方向についての距離をTBとした場合に、比
TB/TAを、図1ないし図3において示した3つの試料
について計算した。図4にその結果を示す。なお図にお
いて横軸は上記のx、すなわち最大磁束密度値Bm を1
と規格化した場合の各点における磁束密度値を表す。
回対称に近い乱れが生じる結果、比TB/TAが増加して
おり、特に直径75mmのバルク体の場合では、その値
はx=0.6において最大1.63に及ぶことが判る。
このように、比TB/TAはバルク体大型化に伴う表面磁
束密度分布の乱れを表し得るパラメーターの一つであ
り、その変化が最も大きいx=0.6における値を、以
下の本文では均一度と定義する。すなわち、バルク体の
上面あるいは底面の表面磁束密度分布について、中心付
近の表面最大磁束密度値Bm に対して0.6×Bm の磁
束密度値に対応する等値曲線と磁束密度最大位置までの
距離のうち、面内の[100]あるいは[010]ある
いはそれらと等価な123相結晶方向の値の中の最小値
をtA、また面内の[110]あるいは[−110]あ
るいはそれらと等価な123相結晶方向の最大値をtB
とした場合、均一度をtB/tAと定義する。図5に本定
義式を説明する模式図を示す。
円あるいはそれに類する形状の断面を有する酸化物バル
ク超電導体において、その大型化に伴って発生する前記
ような磁束密度分布の乱れが抑制され、断面円の直径が
50mm以上70mm未満の円盤あるいは円柱であるバ
ルク超電導体の場合、均一度が1.1以下、また断面円
の直径が70mm以上の円盤あるいは円柱であるバルク
超電導体の場合、1.3以下であることを特徴とする、
REBa2 Cu3 O7-x 型の酸化物超電導相を有するバ
ルク超電導材料に関するものである。本発明のバルク超
電導材料の具体的な構成要件の詳細について以下に述べ
る。
123相の{100}晶癖面の前進によって進行するこ
とは前項にて述べた。ところで詳細な結晶学的解析によ
れば、一方向結晶成長によって得られた123単結晶中
には、小傾角粒界などの下部構造が併存しており無欠陥
な完全単結晶ではないこと、またc晶癖面((001)
面)の前進によって形成された結晶領域と、aあるいは
b晶癖面((100)あるいは(010)面)の前進に
よって形成された結晶領域とでは、その下部構造が著し
く異なっていることが判明している。図6に前項にて取
り上げた円柱状バルク体の例について、そのような異な
る結晶領域の存在部分の概略を示す。このような二つの
結晶領域を以下ではそれぞれ簡単にc結晶領域、a/b
結晶領域と略記することとする。
て作製された大型バルク材において、磁束密度分布を劣
化させている原因について、目下のところ主として以下
に述べる点を指摘するに至っている。すなわち、 (1)試料が大型化すると、123相の結晶成長過程中
に、液相の一部あるいは211相などの非超電導相が、
成長末端部の、特にa/b晶癖面の前面部に偏析、孤立
化しやすい傾向があり、それらの非超電導相が結晶成長
の過程で123相結晶中に取り込まれることにより、結
晶成長後のバルク体内部での超電導電流の通路に迂回が
生じ、結果的に磁束密度分布に乱れが生じる。 (2)バルク体が大型化した場合に、123相中の下部
構造による影響が指摘され、特にa/b結晶領域中に存
在する小傾角粒界において、超電導弱結合が発生しやす
く、このため超電導特性が劣化することにより磁束密度
分布の形状に乱れが生じる。
明者らは、特に断面円の直径が50mmを越える大型バ
ルク材において、ほぼ同心円状の表面磁束密度分布形状
が実現される、REBa2 Cu3 O7-x 型の酸化物超電
導体相を有するバルク超電導材料を見出すに至った。以
下に本発明の酸化物バルク超電導体の概要と、そのバル
ク体において均一な表面磁束密度分布形を発現している
メカニズムについて、具体的製造方法の一例を例示しな
がら述べる。
の123相結晶化開始温度よりも高い結晶化開始温度を
持つ組成の成形体を別途作製し、これをバルク体本体上
部に配置する。この時の成形体の形状(直径および厚さ
等々)は炉内温度分布や試料内温度勾配などの成長条件
を考慮して決定する。しかる後、通常法と同様に結晶成
長を行うが、微小種結晶は上部成形体の上面中央に静置
し、炉内温度を降下させながら成形体全体を順次結晶化
させる。このような場合、まず123相結晶化開始温度
の高い上部成形体が完全に結晶化する。このとき試料の
厚さを予め適当に指定することによりバルク体本体と接
している上部成形体下部面の大半がc結晶領域で構成さ
れるようにすることが出来る。しかる後にさらに温度を
降下、徐冷することにより上部成形体下部面のc結晶領
域を成長起点としてバルク体本体の結晶化が進行し、最
終的にバルク体本体内部の結晶化が完了する。
a/b結晶領域の存在部分の概念図を示す。このように
して作製した試料では、バルク体本体内の、a/b結晶
領域のバルク体全体積に対する体積占有率が小さく、そ
の結果直径45mmの円盤状単結晶のような小型バルク
試料のそれに近づけることが可能になり、非超電導相の
偏析・孤立化を抑制して、前記(1)が解決されるに及
んだと考えられる。
oらによって指摘されているように、小傾角粒界を挟ん
で、亜結晶粒のc軸方向に数度の偏差が存在することが
知られている[J.Mater.Res.,12(199
7)p.2889]。123相のようなコヒーレンス長
が極端に短い超電導物質の場合、角度偏差が約5度を越
えると超電導弱結合が発生するといわれ[Phys.R
ev.B,41(1990)p.4038]、このよう
な場合にはa/b結晶領域中での磁束捕捉力が低下し、
磁束密度分布の形状を乱してしまう。発明者らの知見に
よれば、円盤状単結晶の場合、その直径が45mmを越
えて大きくなると、a/b結晶領域中の小傾角粒界にお
ける角度偏差に比較的大きなものが現れ易く、特に直径
65mmのバルク体では、上記の超電導弱結合が起こる
臨界角度偏差に及ぶものが生成する確率が大きくなる。
結晶領域の体積占有率を小さくすることによって、上述
の角度偏差が比較的大きな小傾角粒界の発生を抑制し、
その結果として大型バルク材の下部構造を、上述の原因
(2)が特性上問題にならない程度に抑えられている、
直径45mmの円盤状単結晶のような小サイズのバルク
体(その表面磁束密度分布が図1に示されている)の下
部構造に近づけることを可能にすることによってもたら
されているものと推測される。
上記と類似の手法によって大型単結晶試料を得るという
製造方法が提案されているが、そこで述べられている解
決手段の目的は、未配向結晶粒の無い完全な単結晶試料
を得る点にある。未配向結晶粒とは、結晶成長過程にお
いて結晶成長中の晶癖面端部とは異なる部分より独立に
生成する、種結晶により成長した主結晶部分とは基本的
に結晶配向に相関を持たない結晶粒を指すものであり、
バルク体の表面磁束密度分布をはじめとする各種の超電
導特性を著しく劣化させる原因となるものである。しか
しながら、そのような未配向結晶粒が皆無なバルク体試
料においても、単結晶中の微細組織においては、小傾角
粒界等々の下部構造や異相は不可避なものとして通常必
ず存在する。
方向結晶成長法で作製された酸化物バルク超電導体にお
いて、これらの下部構造等を含むもののうち、a/b結
晶領域の試料全体積に対する体積占有率が低減された大
型酸化物バルク超電導体の表面磁束密度分布が著しく改
善されていることを主旨とするものであり、この点前記
の発明の主旨とは根本的に異なるものである。また、特
開平7―41394において述べられているような、未
配向結晶粒の発生を抑制することによって再現性を向上
させることを目的とする発明とも、上記同様、目的とす
る効果自体が本発明と基本的に異なることも明白であ
る。
る。 (実施例1)モル比でYBa2 Cu3 O7-x :Y2 Ba
CuO5 =0.75:0.25となるようにY2 O3 、
BaO2 、及びCuO原料粉を混合した混合粉A、及び
モル比でDyBa2 Cu3 O7-x :Dy2 BaCuO5
=0.75:0.25となるようにDy2 O3 、BaO
2 、及びCuO原料粉を混合した混合粉Bを作製した
後、約900℃で8時間仮焼した。これらの仮焼粉を解
砕し、CIP成形により直径100mm、厚さ35mm
のA混合粉圧縮成形体、及び直径60mm、厚さ20m
mのB混合粉圧縮成形体を作製した。
すようにA混合粉圧縮成形体上部に配置し、1180℃
で1時間保持した。しかる後、予め作製しておいた約2
mm角の(Nd0.5Sm0.5)Ba2 Cu3 O7-x
種結晶を、そのc面がB混合粉圧縮成形体上部面中央に
接触するように静置し、引き続いて950℃まで平均
0.2℃/hrで徐冷して単結晶化させた。成長完了
後、一度室温まで冷却し、さらに酸素雰囲気中にて45
0℃100時間の酸素富化アニール処理を行った。
部分の単結晶体は直径75mmであった。これから厚さ
15mmの円盤状試料を切りだし、液体窒素中に浸漬し
た後、円盤の中心軸方向に平行に1.7Tの磁場を印加
した。液体窒素に浸漬した状態で円盤試料の表面磁束密
度をホール素子を用いて測定した。その結果を図8に示
す。図3に示す従来の酸化物バルク超電導体と比較した
場合、目視によっても明らかなように、本発明の酸化物
バルク超電導体において表面磁束密度分布の形状が大幅
に改善され、ほぼ同心円状になっていることが判る。
と同様に比TB/TAのx依存性を計算した。その結果を
図9に示す。両試料の均一度tB/tAは、それぞれ1.
01(本発明)および1.62(従来法=比較例)であ
り、表面磁束密度分布の大幅な改善が本結果によって裏
付けられていることが判る。
り、直径85mm、厚さ30mmのA混合粉圧縮成形
体、及び直径40mm、厚さ18mmのB混合粉圧縮成
形体を作製し、引き続いて同様の結晶成長処理および酸
素富化処理を行った。得られた単結晶体は直径65mm
であった。なお、B混合粉圧縮成形体を用いない従来法
によって、同様サイズの比較用試料を作製した。実施例
1と同様に、上記の二試料から直径約65mmの円盤状
バルク体を切り出し、しかる後に液体窒素中で1.7T
の磁場を印加後、表面磁束密度を測定した。本発明の試
料および比較試料の均一度tB/tAは、それぞれ1.0
3および1.18であった。
り、直径130mmのA混合粉圧縮成形体、及び直径6
0mmのB混合粉圧縮成形体を作製し、引き続いて同様
の結晶成長処理および酸素富化処理を行った。本体部分
から得られた単結晶体の直径は約100mm、厚さは2
0mmである。比較用試料として、B混合粉圧縮成形体
を用いない従来法により同じサイズのバルク体を作製し
た。実施例1と同様に、液体窒素中で1.7Tの磁場を
印加後、表面磁束密度を測定した。本発明の試料および
比較試料の均一度tB/tAは、それぞれ1.26、1.
94であった。
かる後に円盤垂直上方から永久磁石を漸次近づけ、その
時の永久磁石が超電導試料より受ける反発力、すなわち
磁気浮上力を測定した。ここで使用した磁石は直径90
mm、高さ70mmのネオジウム・鉄・ほう素系永久磁
石である。測定の結果、本発明材料の場合154kg
f、比較試料の場合で127kgfであり、表面磁束密
度分布形状が改善された本発明のバルク試料において磁
気浮上力が大幅に改善されていることが判る。
面磁束密度分布にバルク体形状以外の要因に起因する歪
曲が無く、基本的にはほぼ同心円状の磁束密度分布を有
する、超電導特性の極めて均一なバルク超電導材料が作
製可能になった。バルク体本体のマグネット応用や浮上
力応用は勿論のこと、バルク体を加工することによって
作製された試料についても超電導特性が極めて均一であ
るがゆえに、電流リード等の応用にあたっても、格段に
素子の動作特性や信頼性を向上することが可能になっ
た。
束密度分布
束密度分布
束密度分布
いて計算の結果、得られたTA/TBのx依存性
度値=1.0Tを仮定)の場合の均一度tB/tAを説明
する模式図
晶領域の存在部分を示す模式図
ルク超電導体を作製する製造方法の概念図
径75mmの円形状断面を有する円盤状バルク体試料の
表面磁束密度分布の測定結果
来法による試料の表面磁束密度分布について計算の結
果、得られたTA/TBのx依存性
Claims (2)
- 【請求項1】 単結晶状のREBa2 Cu3 O7-x 相
(123相)中(REはYを含む希土類元素およびそれ
らの組み合わせ)に、微細なRE2 BaCuO5 相(2
11相)が分散した組織からなるバルク体であり、かつ
断面の直径が50mm以上70mm未満である円盤ある
いは円柱形状を有し、その中心軸方向に123相結晶の
c軸([001]軸)が平行な、RE、BaおよびCu
の複合酸化物からなる酸化物バルク超電導体において、
液体窒素温度下で強磁場印加後に測定した上面あるいは
底面いづれかの表面磁束密度分布について、面中心付近
の最大磁束密度の0.6倍の磁束密度値に対応する等値
曲線と磁束密度最大位置までの距離のうち、面内の[1
00]あるいは[010]あるいはそれらと等価な12
3相結晶方向の距離の最小値をtA、また面内の[11
0]あるいは[−110]あるいはそれらと等価な12
3相結晶方向の距離の最大値をtBとする場合に、tB/
tAが1.1以下であることを特徴とする酸化物バルク
超電導体。 - 【請求項2】 単結晶状のREBa2 Cu3 O7-x 相
(123相)中(REはYを含む希土類元素およびそれ
らの組み合わせ)に、微細なRE2 BaCuO5 相(2
11相)が分散した組織からなるバルク体であり、かつ
断面の直径が70mm以上である円盤あるいは円柱形状
を有し、その中心軸方向に123相結晶のc軸([00
1]軸)が平行な、RE、BaおよびCuの複合酸化物
からなる酸化物バルク超電導体において、液体窒素温度
下で強磁場印加後に測定した上面あるいは底面いづれか
の表面磁束密度分布について、面中心付近の最大磁束密
度の0.6倍の磁束密度値に対応する等値曲線と磁束密
度最大位置までの距離のうち、面内の[100]あるい
は[010]あるいはそれらと等価な123相結晶方向
の距離の最小値をtA、また面内の[110]あるいは
[−110]あるいはそれらと等価な123相結晶方向
の距離の最大値をtBとする場合に、tB/tAが1.3
以下であることを特徴とする酸化物バルク超電導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12663198A JP4101930B2 (ja) | 1998-04-22 | 1998-04-22 | 酸化物バルク超電導体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11306877A true JPH11306877A (ja) | 1999-11-05 |
JP4101930B2 JP4101930B2 (ja) | 2008-06-18 |
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JP (1) | JP4101930B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012173116A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Nippon Steel Corp | 磁気特性予測装置、磁気特性予測方法、及びコンピュータプログラム |
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-
1998
- 1998-04-22 JP JP12663198A patent/JP4101930B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012173116A (ja) * | 2011-02-21 | 2012-09-10 | Nippon Steel Corp | 磁気特性予測装置、磁気特性予測方法、及びコンピュータプログラム |
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