JPH11303444A - 機械式駐車場の乗降室構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 乗降室の占有スペースを最少にできる機械式
駐車場の乗降室構造を提供する。 【解決手段】 パレット受渡し設備１０を設置した乗降
室６と、自動車を載せたパレットを搬送するエレベータ
Ｅを昇降させるエレベータ室８を備え、乗降室６とエレ
ベータ室８は隣接して配置されており、パレット受渡し
設備１０は、搭載したパレットを横送りする横送り機構
７０と旋回させるターンテーブルフレーム３０を有し、
該ターンテーブルフレーム３０の旋回位置は、パレット
の旋回軌跡の一部が乗降室６からエレベータ室８側には
み出す位置であり、自動車を入出庫させる際のパレット
の入出庫位置は、前記旋回位置を境にして反エレベータ
室側に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は機械式駐車場の乗降
室構造に関する。さらに詳しくは、乗降室に入庫した自
動車を搬送装置によって格納層に搬送して格納する大形
の機械式駐車場における乗降室構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】大形の機械式駐車場において、乗降室が
通り抜けるタイプの場合は、入庫の後に、あるいは出庫
の前に自動車を方向転換する必要はないが、乗降室が通
り抜けできないタイプの場合は、入庫の後か出庫の前に
自動車を方向転換しないと、後進で乗降室から出庫しな
ければならないため、運転がやりづらく危険ですらあ
る。そこで、乗降室が通り抜けできないタイプの機械式
駐車場では、乗降室にターンテーブル等の方向転換装置
を多くの場合設けているが、自動車を載せたパレット外
端の旋回軌跡は非常に大きいため、乗降室が非常に大き
なスペースを占有する原因となっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このため、駐車場の設
置が困難になったり、周辺の諸施設のスペースが犠牲に
なるなどの問題を生じていた。本発明は上記事情に鑑
み、乗降室の占有スペースを最少にできる機械式駐車場
の乗降室構造を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の乗降室構造
は、自動車が入出庫し、自動車を載せたパレットを横送
りするパレット受渡し設備を設置した乗降室と、自動車
を格納する格納層と、前記乗降室と各格納層との間で自
動車を載せたパレットを搬送する搬送装置を設けた搬送
室を備え、前記乗降室と前記搬送室は隣接して配置され
ており、前記パレット受渡し設備は、搭載したパレット
を横送りする横送り機構と旋回させるターンテーブルを
有し、該ターンテーブルの旋回位置は、パレットの旋回
軌跡の一部が乗降室から搬送室側にはみ出す位置であ
り、自動車を入出庫させる際のパレットの入出庫位置
は、前記旋回位置を境にして反搬送室側に位置すること
を特徴とする。請求項２の乗降室構造は、請求項１の発
明において、前記パレット受渡し設備が、昇降機構を備
えており、前記旋回位置でパレットを上昇させて、ター
ンテーブルを旋回させるように構成されていることを特
徴とする。請求項３の乗降室構造は、請求項１または２
記載の発明において、前記パレット受渡し設備は、パレ
ットを旋回させ、横送りするパレットリフターと、該パ
レットリフターの反エレベータ室側に設置された補助支
持装置とからなり、前記パレットリフターは前記旋回位
置に固定的に設置され、前記補助支持装置は一側縁が前
記パレットリフターで支持されたパレットの他側縁を支
持する位置に設けられていることを特徴とする。請求項
４の乗降室構造は、請求項１または２記載の発明におい
て、前記パレットリフターは、パレット横送り機構を備
えたターンテーブルフレームと、該ターンテーブルフレ
ームを旋回させる旋回装置と、ターンテーブルベアリン
グを介してターンテーブルフレームを支持するリフター
フレームと、前記リフターフレームに取付けたガイドロ
ーラと、該ガイドローラの昇降を案内するガイド支柱か
らなるガイド機構と、前記リフターフレームを昇降駆動
するトグルリンクを有し、リフターフレームの上昇位置
をトグルリンクで支えるようにした昇降装置とからなる
ことを特徴とする。請求項５の乗降室構造は、請求項４
記載の発明において、前記旋回装置は、前記リフターフ
レームに固定された旋回用減速機付モータと、前記ター
ンテーブルフレームと前記リフターフレームの間に設置
されたターンテーブルベアリングと、前記旋回用減速機
付モータの出力軸に取り付けられ、ターンテーブルベア
リングを回転させるピニオンギアとからなることを特徴
とする。請求項６の乗降室構造は、請求項１記載の発明
において、乗降室とエレベータ室との間にリフトゲート
が開閉自在に設けられており、前記パレットリフター
は、乗降室中心から少しエレベータ室側にずれたところ
に設置され、リフトゲートが開いている時に上昇・回転
させ、回転軌跡をリフトゲートからはみ出させることを
特徴とする。

【０００５】請求項１の発明において、パレット受渡し
設備によって入庫した自動車をパレットに載せ、搬送装
置に移載したり、搬送装置から受取って出庫させること
ができる。そして、パレット受渡し設備のターンテーブ
ルを旋回位置で旋回させると、パレットの旋回軌跡は乗
降室から搬送室にはみ出す。このことは旋回に要するス
ペースのうち、一部は搬送室側が受持つので、乗降室は
残りのスペースを収容する大きさであればよいことにな
る。よって、乗降室の大きさを小さくすることができ
る。請求項２の発明によれば、パレットを上昇させてか
ら旋回させうるので、周囲の機器と接触することなく円
滑に旋回させることができる。請求項３の発明によれ
ば、パレットリフターと補助パレット支持装置とからな
り、パレットリフターにパレットを旋回させ横送りする
機構をまとめて設けている。したがって、種々の機構を
バラバラに設けるのに比べて機構的に簡素となる。ま
た、パレットリフターを旋回位置に固定的に設置してい
るので、パレットリフター自体を横移動させる必要がな
く、構成が簡単となっている。しかも自動車の入出庫時
には、パレットを反搬送室側の補助パレット支持装置を
併せ用いて支持できるので、入出庫も自在に行える。請
求項４の発明によれば、リフターフレームとその昇降装
置により昇降自在であり、ターンテーブルフレームとそ
の旋回装置により旋回自在であり、ターンテーブル上の
パレット横送り機構によりパレットの横送りが可能であ
って、乗降室で必要なパレットの昇降・旋回・横送りが
全て可能であって、しかも簡素な構成である。また、昇
降動作はガイド機構により横方向のズレがなく安定して
おり、しかも上昇姿勢ではトグルリンクにより強大な力
で支えうるので安全である。請求項５の発明によれば、
ターンテーブルをターンテーブルベアリングを介し減速
機付モータにより旋回させうるので、重いパレットでも
円滑に回転させることができる。請求項６の発明によれ
ば、通常はリフトゲートを閉じておいて人の転落事故を
未然に防止すると共に自動車の方向転換時にはリフトゲ
ートを開いてパレットの回転軌跡をエレベータ側へはみ
出させているので、安全であり、しかも小スペースの乗
降室を実現できる。

【０００６】

【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図１は本発明の一実施形態に係る乗
降室であって自動車が方向転換している状態の平面図、
図２の（Ａ）図は本発明が適用される機械式駐車場の平
面図、同（Ｂ）図は側面図、図３は同機械式駐車場の格
納層の平面図、図４は乗降室に自動車が出庫してきた状
態の平面図、図５は図４にＶ−Ｖ線で示す乗降室内の側
面図、図６はパレットリフターの側面図、図７はパレッ
トリフターの平面図、図８はパレットリフターの昇降装
置の側面図、図９は同昇降装置の平面図、図１０はガイ
ド機構の側面図、図１１はターンテーブルフレームの平
面図、図１２は旋回装置の側面図、図１３は出庫時にお
ける自動車の方向転換操作の説明図、図１４は出庫操作
の説明図である。

【０００７】まず、図２〜３に基づき本発明が適用され
る機械式駐車場の全体構成を説明する。同図において、
１〜４は４層の格納層であり、最上層５に入出庫兼用の
乗降室６が１カ所設けられており、乗降室６に隣接して
垂直にエレベータ室８が形成され、エレベータＥが昇降
するようになっている。前記格納層の階数は任意であ
り、３層以下（例えば、１層）でもよく、５層以上であ
ってもよい。さらに、図示の駐車場は地下型であるが、
地上型や地上地下併用型であってもよい。各格納層１〜
４は同一構成であり、図３に示すように、３列の長尺の
スペースＬ１、Ｌ２、Ｌ３に区分されている。そして、
中央のスペースＬ２は台車走行レーンであり、その左右
のスペースＬ１、Ｌ３が格納棚Ｈを多数配置した駐車ス
ペースとなっている。なお、片側のスペースＬ１（Ｌ
２）のみが駐車スペースのものも本発明に含まれる。前
記乗降室６にはパレット受渡し設備１０（図５参照）が
設置されている。なお、本発明において、格納層が上記
のように多層の場合は、エレベータＥとエレベータ室８
が特許請求の範囲にいう「搬送装置」と「搬送室」に相
当し、格納層が一層の場合は、エレベータとエレベータ
室の代りに搬送台車と搬送台車室が設けられ、この搬送
台車と搬送台車室が特許請求の範囲にいう「搬送装置」
と「搬送室」に相当する。

【０００８】つぎに、前記乗降室６の詳細を説明する。
図４〜５において、乗降室６は、出入口６ａと歩道６ｂ
を有しており、乗降室６とエレベータ室８との間にはゲ
ート９が昇降するようになっている。このゲート９は、
垂直な壁部材９ａとその下端に取付けられた水平な歩道
部材９ｂとから構成されている。そして、このゲート９
は、パレットを乗降室６とエレベータＥとの間で移動さ
せるときは、上昇しており、パレットの移動が停止し、
乗降室６内で自動車に人が乗降しているときは、降下す
るようになっている。なお、降下したとき、下端の歩道
部材９ｂを人が歩いて出入りすることができる。

【０００９】パレット受渡し設備１０は、パレットリフ
ター１１と補助支持装置１２とから構成されている。こ
のパレットリフター１１の詳細は後述するが、主な構成
要素としてリフターフレーム２０とターンテーブルフレ
ーム３０とからなり、リフターフレーム２０は昇降自
在、ターンテーブルフレーム３０は旋回自在であり、タ
ーンテーブルフレーム３０にはパレットの横送り機構が
設けられている。

【００１０】エレベータＥは、特開平１０−６８２４３
号公報記載のものと同様に、上下２段のパレット収容部
Ｒ１、Ｒ２を備えており、実車パレット（自動車Ａを積
載したパレットをいう）と空パレット（自動車を積載し
ていないパレットをいう）を、前記パレット受渡し装置
１０との間で、ほぼ同時に交換できるものである。

【００１１】図４〜５において、実線で示すパレットＰ
１は自動車Ａの入出庫させる際の入出庫位置にあり、こ
の状態のパレットＰ１はパレットリフター１１と補助支
持装置１２によって支持されている。想像線で示すパレ
ットＰ２は、旋回位置で上昇させられた状態であり、こ
の状態で旋回すると、図１に示す旋回軌跡を描くことに
なる。さらに想像線で示すパレットＰ３は、エレベータ
Ｅに載置された状態を示しており、この状態からエレベ
ータは下降していって各格納層１〜４の格納棚に自動車
を格納する。また収納していた自動車をエレベータＥに
積載して、乗降室６と同レベルまで上昇し自動車を払い
出す。

【００１２】つぎに、前記パレット受渡し設備１０を構
成するパレットリフター１１と補助支持装置１２の詳細
を説明する。前記パレットリフター１１を、図６〜７に
基づき説明する。このパレットリフター１１は、昇降自
在なリフターフレーム２０の上面にターンテーブルフレ
ーム３０が旋回自在に取付けられたものである。前記リ
フターフレーム２０は、井桁状に組んだフレーム２１を
有しており、このフレーム２１の外形はパレットＰより
若干小さくなっている。このフレーム２１の長手方向両
端には昇降装置５０が取付けられており、このフレーム
２１の４隅の外側には昇降ガイド機構６０が取付けられ
ている。

【００１３】つぎに、昇降装置５０を説明する。前記リ
フターフレーム２０の両側方には、ベースフレーム５１
が、乗降室の床面上に設置されている。このベースフレ
ーム５１上には減速機付モータ５２と、２個の軸受５３
が固定され、２個の軸受５３には１本の支軸５４が回転
自在に軸支されている。そして、前記モータ５２の主軸
に取付けられたスプロケット５５と前記支軸５４に取付
けられたスプロケット５６にはチェーン５７が巻き掛け
られている。そして、前記支軸５４の両端には第１リン
ク５８と第２リンク５９からなるトグルリンク機構が取
付けられている。そして、第２リンク５９の他端はリフ
ターフレーム２０に取付けられたブラケット２２に軸止
されている。

【００１４】前記昇降装置５０を図８〜９を併せ参照し
ながら説明する。同図に示すように、第１リンク５８の
先端に第２リンク５９の基端がピンで回動自在に連結さ
れ、第２リンク５９の先端はピンで回動自在にブラケッ
ト２２に連結され、ブラケット２２はリフターフレーム
２０のフレーム２１に固定されている。したがって、第
１リンク５８を想像線図示の状態から実線図示の状態ま
で回転させると、リフターフレーム２０を上昇させるこ
とができ、反対方向に回転させるとリフターフレーム２
０を降下させることができる。

【００１５】前記ガイド機構６０を図９〜１０を併せ参
照しながら説明する。このガイド機構６０は４カ所全て
同一構成であるので、１カ所で代表させて説明する。６
１は凹溝を有するガイド支柱であり、この凹溝内を転動
するガイドローラ６２とガイド支柱の表面を転動するガ
イドローラ６３がブラケット６４に回転自在に軸支され
ている。このブラケット６４はリフターフレーム２０の
フレーム２１に固定されている。そして、前記ガイドロ
ーラ６２によってリフターフレーム２０の長手方向の動
きが規制され、前記ガイドローラ６３によってリフター
フレーム２０の短手方向の動きが規制される。これによ
って、リフターフレーム２０は前後左右の動きを生ずる
ことなく昇降動作のみ許容され、円滑な昇降が行える。

【００１６】前記リフターフレーム２０は前記ガイド機
構６０で上下方向のみに移動するので機構学上の骨子と
考えることができ、第１リンク５８と第２リンク５９は
トグルリンク機構を構成している。図８の実線はリフタ
ーフレーム２０の上昇途中の状態であり、図８の想像線
は上昇完了状態を示している。想像線に示す上昇途中に
おいて、第１・第２リンク５８・５９が直線に近づく程
リフターフレーム２０を押し上げる押上力は強くなり、
最終時には理論上無限大となる。そして、昇降ストロー
クは、昇降途中で大きく上昇限度に近づくにつれ小さく
なるので、上昇限度での停止、また降下始めの動きは極
めて滑らかとなる。また、上昇限度において、第１・第
２リンク５８・５９は直線に近くなるが、この状態にお
いて、リフターフレーム２０に作用する荷重（パレット
Ｐと自動車の重量およびリフターフレーム２０の自重）
は、第１・第２リンク５８・５９によって支えることが
でき、第１リンク５８に回転力が働かないので、モータ
５２に負荷をかけることはない。

【００１７】また、本発明のパレットリフター１１は、
リフターフレーム２０の上昇状態で自動車を積載した実
車パレットＰａを支え、下降状態および上昇工程では空
パレットＰｅのみ積載するのであるが、上記のごとく上
昇限度近辺で必要モータトルクは最小となり、モータ５
２の出力は非常に小さなもので足りることになる。この
ため、本実施例のパレットリフター１１は上下高さが小
さくなり、乗降室での設置高さを小さくできる。

【００１８】つぎに、ターンテーブルフレーム３０を図
１１に基づき説明する。このターンテーブルフレーム３
０も井桁状に組付けたフレーム３１を有しており、その
フレーム３１の上面にパレット横送り機構７０を取付け
ている。このパレット横送り機構７０は、駆動ローラ７
１と遊動ローラ７３とからなり、駆動ローラ７１には減
速機付モータ７２が付設されている。そして、駆動ロー
ラ７１はフレーム３１の４隅に取付けられ、遊動ローラ
７３は、一対の駆動ローラ７１の間に取付けられてい
る。よって、駆動ローラ７１を正転あるいは逆転させる
ことにより、その上面に載せたパレットを左方向あるい
は右方向に横送りすることができる。

【００１９】前記ターンテーブルフレーム３０と前記リ
フターフレーム２０の間にはターンテーブルフレーム３
０の旋回装置８０が取付けられている。すなわち、旋回
ベアリング８１の外レース８２がターンテーブルフレー
ム３０の下面に固定され、内レース８３がリフターフレ
ーム２０の上面に固定され、ターンテーブルフレーム３
０は回転自在に支持されている。前記外レース８２の外
周には外歯ギヤ８４が形成され、この外歯ギヤ８４にピ
ニオン８５が噛み合っている。このピニオン８５は減速
機付モータ８６で回転させられる。よって、前記モータ
８６の正逆回転により、ターンテーブルフレーム３０は
自在に旋回する。

【００２０】前記補助支持装置１２は、図５に示すよう
に、ベースフレームから立ち上がった支柱の上端に遊動
ローラ７３を回転自在に取付けて構成されている。な
お、図６に示すように、パレットリフター１１の長手方
向両端部には、パレットＰの長手方向両端部下縁を下か
ら支える補助ローラ７５が取付けられている。

【００２１】つぎに、上記実施形態の乗降室構造におけ
る自動車の方向転換作業を図１および図１３〜１４に基
づき説明する。図１３〜１４は出庫作業を示しており、
はエレベータＥで出庫車Ａを格納層より乗降室６へ搬
送してきた状態である。空パレットＰｅはパレットリフ
ター１１と補助支持装置１２で保持されており、ゲート
９は下降している。

【００２２】に示すように、ゲート９を上昇させ、空
パレットＰｅをエレベータＥの下段収納部へ送りをか
け、空パレットＰｅの送りが完了すると、に示すよう
に、パレットリフター１１を上昇させる。ついで、自動
車Ａを載せた実車パレットＰａをパレットリフター１１
上に引き取り、エレベータＥを少し下降させる。その後
および図１に示すように、ターンテーブルフレーム３
０を旋回させる。この旋回中心Ｑ２は乗降室中心Ｑ１よ
りエレベータＥ側へ寄っているので、パレットＰの外端
の旋回軌跡Ｌの一部は乗降室６からエレベータ室８側へ
はみ出すことになる。

【００２３】旋回を終えると、に示すようにパレット
リフター１１を降下させ、実車パレットＰａをさらに乗
降室６中心へ向け横送りする。は横送りが完了し、自
動車Ａが出庫位置にある状態である。この後、ゲート９
を降下させ、人が自動車Ａに乗り込んで、に示すよう
に出庫していき、エレベータＥはつぎの出庫に備え降下
していく。上記の自動車方向転換は出庫操作中に行った
が、入庫操作中に行ってもよい。入庫操作は前記出庫作
業をほぼ逆順に行うことでよい。

【００２４】以上に説明したように、本実施形態では、
自動車が方向転換する際の旋回軌跡Ｌをエレベータ室８
側にはみ出させたことにより、乗降室６のスペースを小
さくすることができる。

【００２５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、パレット受渡
し設備のターンテーブルを旋回位置で旋回させると、パ
レットの旋回軌跡の一部が乗降室から搬送室にはみ出す
ので、乗降室は残りの旋回軌跡を収容する大きさであれ
ばよいことになり、乗降室の大きさを小さくすることが
できる。請求項２の発明によれば、パレットを上昇させ
てから旋回させうるので、周囲の機器と接触することな
く円滑に旋回させることができる。請求項３の発明によ
れば、種々の機構をバラバラに設けるのに比べて機構的
に簡素となり、パレットリフターを旋回位置に固定的に
設置しているので、パレットリフター自体を横移動させ
る必要がなく、構成が簡単となっている。請求項４の発
明によれば、乗降室で必要なパレットの昇降・旋回・横
送りが全て可能でありながら簡素な構成であり、昇降動
作はガイド機構により横方向のズレがなく安定してお
り、しかも上昇姿勢ではトグルリンクにより強大な力で
支えうるので安全である。請求項５の発明によれば、重
いパレットでも円滑に回転させることができる。請求項
６の発明によれば、通常はリフトゲートを閉じておいて
人の転落事故を未然に防止すると共に自動車の方向転換
時にはリフトゲートを開いてパレットの回転軌跡をエレ
ベータ側へはみ出させているので、安全である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る乗降室であって自動
車が方向転換している状態の平面図である。

【図２】（Ａ）図は本発明が適用される機械式駐車場の
平面図、（Ｂ）図は側面図である。

【図３】同機械式駐車場の格納層の平面図である。

【図４】乗降室に自動車が出庫してきた状態の平面図で
ある。

【図５】図４にＶ−Ｖ線で示す乗降室内の側面図であ
る。

【図６】パレットリフターの側面図である。

【図７】パレットリフターの平面図である。

【図８】パレットリフターの昇降装置の側面図である。

【図９】同昇降装置の平面図である。

【図１０】ガイド機構の側面図である。

【図１１】ターンテーブルフレームの平面図である。

【図１２】旋回装置の側面図である。

【図１３】出庫時における自動車の方向転換操作の説明
図である。

【図１４】出庫操作の説明図である。

【符号の説明】

６ 乗降室 ８ エレベータ室 ９ ゲート １０ パレット受渡し設備 １１ パレットリフター １２ 補助支持装置 ２０ リフターフレーム ３０ ターンテーブルフレーム ５０ 昇降装置 ６０ ガイド機構 ７０ パレット横送り機構 ８０ 旋回装置

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車が入出庫し、自動車を載せたパレッ
   トを横送りするパレット受渡し設備を設置した乗降室
   と、自動車を格納する格納層と、前記乗降室と各格納層
   との間で自動車を載せたパレットを搬送する搬送装置を
   設けた搬送室を備え、前記乗降室と前記搬送室は隣接し
   て配置されており、前記パレット受渡し設備は、搭載し
   たパレットを横送りする横送り機構と旋回させるターン
   テーブルを有し、該ターンテーブルの旋回位置は、パレ
   ットの旋回軌跡の一部が乗降室から搬送室側にはみ出す
   位置であり、自動車を入出庫させる際のパレットの入出
   庫位置は、前記旋回位置を境にして反搬送室側に位置す
   ることを特徴とする機械式駐車場の乗降室構造。
2. 【請求項２】前記パレット受渡し設備が、昇降機構を備
   えており、前記旋回位置でパレットを上昇させて、ター
   ンテーブルを旋回させるように構成されていることを特
   徴とする請求項１記載の機械式駐車場の乗降室構造。
3. 【請求項３】前記パレット受渡し設備は、パレットを旋
   回させ、横送りするパレットリフターと、該パレットリ
   フターの反エレベータ室側に設置された補助支持装置と
   からなり、前記パレットリフターは前記旋回位置に固定
   的に設置され、前記補助支持装置は一側縁が前記パレッ
   トリフターで支持されたパレットの他側縁を支持する位
   置に設けられていることを特徴とする請求項１または２
   記載の機械式駐車場の乗降室構造。
4. 【請求項４】前記パレットリフターは、パレット横送り
   機構を備えたターンテーブルフレームと、該ターンテー
   ブルフレームを旋回させる旋回装置と、ターンテーブル
   ベアリングを介してターンテーブルフレームを支持する
   リフターフレームと、前記リフターフレームに取付けた
   ガイドローラと、該ガイドローラの昇降を案内するガイ
   ド支柱からなるガイド機構と、前記リフターフレームを
   昇降駆動するトグルリンクを有し、リフターフレームの
   上昇位置をトグルリンクで支えるようにした昇降装置と
   からなることを特徴とする請求項１または２記載の機械
   式駐車場の乗降室構造。
5. 【請求項５】前記旋回装置は、前記リフターフレームに
   固定された旋回用減速機付モータと、前記ターンテーブ
   ルフレームと前記リフターフレームの間に設置されたタ
   ーンテーブルベアリングと、前記旋回用減速機付モータ
   の出力軸に取り付けられ、ターンテーブルベアリングを
   回転させるピニオンギアとからなることを特徴とする請
   求項４記載の機械式駐車場の乗降室構造。
6. 【請求項６】乗降室とエレベータ室との間にリフトゲー
   トが開閉自在に設けられており、前記パレットリフター
   は、乗降室中心から少しエレベータ室側にずれたところ
   に設置され、リフトゲートが開いている時に上昇・回転
   させ、回転軌跡をリフトゲートからはみ出させることを
   特徴とする請求項１記載の機械式駐車場の乗降室構造。