JPH1130263A - ダンパ内蔵型フロントフォーク - Google Patents

ダンパ内蔵型フロントフォーク

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JPH1130263A
JPH1130263A JP9203791A JP20379197A JPH1130263A JP H1130263 A JPH1130263 A JP H1130263A JP 9203791 A JP9203791 A JP 9203791A JP 20379197 A JP20379197 A JP 20379197A JP H1130263 A JPH1130263 A JP H1130263A
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JP
Japan
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relief valve
damper
valve
guide member
compression
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JP9203791A
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Inventor
Naoki Ito
直樹 伊藤
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸側作動油室に設けたリリーフバルブの通常
時での機能を損なうことなく、ダンパが中・高速域で大
きなストローク範囲に亙り圧縮動作した場合のストロー
ク後半でのリリーフバルブのリリーフ作用を抑えて、圧
側減衰力の急激な低下による底突きの発生を防止する。 【解決手段】 低速域と中・高速域における圧側減衰特
性に差をもたせるためのリリーフバルブ16が伸側作動
油室Tに設けられる点と、懸架スプリング42のばね力
がフロントフォークの圧縮動作に伴って増大する点とに
着目して、リリーフバルブ16の背面側に調整用のガイ
ド部材40を直列に並べて接離可能に配設し、この調整
用のガイド部材40を懸架スプリング42と検知用のば
ね部材41とで挟んで設け、ダンパ8が中・高速域で大
きなストローク範囲に亙り圧縮動作した場合のストロー
ク後半でのリリーフバルブ16のリリーフ作用をガイド
部材40で抑えて圧側減衰力の急激な低下による底突き
の発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動二輪車の前
輪を車体に対し弾性的に支架して車体振動を吸収する二
輪車用のフロントフォークに関し、特に、伸縮支柱の内
部に懸架スプリングと併せて減衰力発生用のダンパを介
装したダンパ内蔵型フロントフォークに関する。
【0002】
【従来の技術】特許出願人は、平成9年4月18日付で
特許出願した平成9年特許願第116231号で、伸側
と圧側の減衰特性に影響を与えることなく圧縮作動時の
低速域での減衰特性のみを低く抑え、底突きの発生防止
と併せて乗心地の向上をも図ることのできるダンパ内蔵
型フロントフォークを提案した。
【0003】すなわち、このダンパ内蔵型フロントフォ
ークの改良案は、添付図面の図3に示すように、アウタ
チューブ1とインナチューブ2からなるテレスコープ状
の伸縮支柱3(上方部分は図示省略)の内部に、伸張方
向へと付勢する懸架スプリング42と併せてピストン2
0に対し圧縮動作時に開く背面バルブ26を設けたダン
パ8を介装している。
【0004】そして、これら伸縮支柱3とダンパ8とで
両者の間の空間部分をリザーバ室Rとして形成すると共
に、ダンパ8におけるシリンダ5の内部をピストン20
で伸側作動油室Tと圧側作動油室Cとに区画し、かつ、
伸側作動油室Tを伸縮支柱3の圧縮動作時における低速
域でのオイル圧力によって開くリリーフバルブ16を通
してリザーバ室Rへと連通したのである。
【0005】これによって、ダンパ8が伸張する伸縮支
柱3の伸張動作時にあっては、伸側作動油室T内のオイ
ルをピストン20に設けた伸側減衰バルブ25とリリー
フバルブ16を開いて圧側作動油室Cとリザーバ室Rと
に押し出し、これら伸側減衰バルブ25とリリーフバル
ブ16を押し開いて流れるオイルの流動抵抗で全伸張速
度域に適応する伸側減衰力を発生する。
【0006】また、上記とは逆の圧縮動作時にあって
は、中・高速域での圧縮動作時に圧側作動油室Cから伸
側作動油室Tに向うオイルの流れをピストン20に設け
た背面バルブ26で制限し、伸側作動油室Tのオイル圧
力の上昇を抑えながら圧側作動油室C内のオイルをシリ
ンダボトム7に設けた圧側減衰バルブ35を押し開いて
リザーバ室Rへと流し、この圧側減衰バルブ35を押し
開いて流れるオイルの流動抵抗で中・高速域での圧側減
衰力を発生する。
【0007】それに対して、低速域での圧縮動作時に
は、上記した背面バルブ26によるオイル流れの制限を
殆ど受けることなく伸側作動油室Tのオイル圧力を圧側
作動油室Cのオイル圧力に近づけ、圧側減衰バルブ35
と共にリリーフバルブ16をも押し開いて圧側作動油室
C内のオイルをリザーバ室Rへと流す。
【0008】これにより、リリーフバルブ16でリリー
フ作用を行いながら圧側減衰バルブ35を通るオイル流
量を減少させ、当該低速域での圧側減衰力を低く保って
二輪車としての乗心地の向上を図る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これとても、
伸縮支柱3の圧縮動作に伴ってダンパ8が中・高速域で
大きなストローク範囲に亙り圧縮動作した場合の初期で
は、これまで述べてきたように、リリーフバルブ16を
開くことなく圧側減衰バルブ35のみを開いて圧側作動
油室C内のオイルを押し出し、当該圧側減衰バルブ35
で所定の高さの圧側減衰力を発生する。
【0010】そうとは言っても、圧縮動作が進んでスト
ロークエンドに近づくと、圧縮速度が遅くなって即ち低
速域に入って先に述べたように伸側作動油室T内のオイ
ル圧力が上昇し、当該オイル圧力がリリーフバルブ16
のクラッキング圧力を越えた時点でリリーフ作用が開始
される。
【0011】このリリーフ作用の開始により圧側減衰バ
ルブ35を通るオイル流量が減少して圧側減衰力が急激
に低下し、圧抜け現象が生じてピストン20がシリンダ
ボトム7へと激しく衝突し、底突きによる衝撃の発生を
助長するという問題点を有していた。
【0012】したがって、この発明の目的は、通常時で
のリリーフバルブによる機能を損なうことなく、ダンパ
が中・高速域で大きなストローク範囲に亙り圧縮動作し
た場合のストローク後半でリリーフバルブによるリリー
フ作用を抑えて、圧側減衰力の急激な低下による底突き
の発生を防止することのできるこの種のダンパ内蔵型フ
ロントフォークを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、特許出願人が
先に提案したダンパ内蔵型フロントフォークは、ダンパ
内の伸側作動油室を低速域での圧縮動作時のオイル圧力
で開くリリーフバルブを通してリザーバ室へと連通した
点に特徴を有する。
【0014】そこで、上記した点と懸架スプリングのば
ね力がフロントフォークの圧縮動作に伴い増大していく
点とに着目して、この発明では、当該ダンパ内蔵型フロ
ントフォークにおけるリリーフバルブの背面側に調整用
のガイド部材を直列に並べて接離可能に配設し、この調
整用のガイド部材を懸架スプリングと検知用のばね部材
とで挟んで設けたのである。
【0015】これにより、懸架スプリングと検知用のば
ね部材のばね特性の関係を、伸縮支柱がストロークエン
ドの近くに達した時点で懸架スプリングのばね力が検知
用のばね部材のばね力を上回るようにしておけば、それ
以外の通常のストローク範囲でのフロントフォークの伸
縮動作時に懸架スプリングで調整用のガイド部材を押し
下げてリリーフバルブを抑え込むことはない。
【0016】これにより、通常のストローク範囲でのフ
ロントフォークの伸縮動作時にあっては、リリーフバル
ブの機能を損なうことなく先に提案したダンパ内蔵型フ
ロントフォークと同様に、伸張および圧縮動作に伴いリ
リーフバルブを選択的に開閉動作させつつそれぞれに適
応した伸圧両方の減衰力を発生する。
【0017】また、圧縮動作でありながらそれが低速域
であった場合には、同じく先に提案したダンパ内蔵型フ
ロントフォークと同様に、リリーフバルブを開いてリリ
ーフ作用を行いつつ圧側減衰バルブを通るオイル流量を
減少させ、当該圧側減衰バルブで発生する圧側減衰力を
低く保って二輪車としての乗心地を向上させる。
【0018】それに対し、中・高速域での圧縮動作時に
フロントフォークが大きくストロークしてストロークエ
ンドに近づくと、圧縮速度が遅くなって伸側作動油室内
のオイル圧力が上昇し、それまで閉じていたリリーフバ
ルブが開いてその分だけ圧側減衰バルブを通るオイル流
量が減少し、圧側減衰力が急激に低下して激しい衝撃を
伴う底突きを起こそうとする。
【0019】しかし、このとき同時に、懸架スプリング
のばね力が検知用のばね部材のばね力を上回って調整用
のガイド部材を押し下げ、調整用のガイド部材でリリー
フバルブを抑え込む。
【0020】そのために、リリーフバルブがリリーフ作
用を行うことなく圧側減衰バルブを通るオイル流量を確
保して圧側減衰力の急激な低下を阻止し、圧抜け現象に
よる激しい底突きを防止して衝撃の発生を除去すること
になるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付した図面に基いて説明していくことにするが、この場
合においてその理解を容易にするために、先に述べた図
3と同一の部品については同じ符号を用いて説明してい
くことにする。
【0022】図1において、アウタチューブ1とインナ
チューブ2からなるテレスコープ状の伸縮支柱3の内部
には、シリンダヘッド4を貫通してシリンダ5から外方
へと向って延びるピストンロッド6の先端とシリンダ5
の基端を塞ぐシリンダボトム7とを通してダンパ8を介
装(上方部分は図示省略)している。
【0023】シリンダヘッド4は、ピストンロッド6を
通すための大径穴9をもつキャップ部材10と、内周面
にベアリング11とシール部材12を備えたガイド部材
13の二つの部品からなっており、ガイド部材13にワ
ッシャ14を当接してキャップ部材10に加締め15を
施すことにより、ガイド部材13をキャップ部材10の
内部に納めて一体に構成してある。
【0024】なお、この場合において、キャップ部材1
0の内部には、予め、外周部分をガイド部材13で挟ん
でリリーフバルブ16を装着しておくと共に、ワッシャ
14とシール部材12の間からキャップ部材10とガイ
ド部材13の間に亙って、シリンダヘッド4をバイパス
しつつリリーフバルブ16へと通じる一連の油路17を
形成している。
【0025】かくして、シリンダヘッド4は、ガイド部
材13のベアリング11でピストンロッド6を摺動自在
にガイドしつつ、当該ピストンロッド6とベアリング1
1の摺接面をシール部材12で油密に保つと共に、ダン
パ8におけるシリンダ5の上端内部を油路17からリリ
ーフバルブ16およびキャップ部材10の大径穴9を通
して伸縮支柱3の内部へと連通する。
【0026】シリンダヘッド4を貫通してシリンダ5の
内部へと延びるピストンロッド6の内端には、ピストン
ホルダ18をねじ19により結合してピストン20をナ
ット21により取り付け、ピストン20の外周面をダン
パ8におけるシリンダ5の内壁面にピストンリング22
を介して摺接させることにより、ピストン20でダンパ
8の内部を伸側作動油室Tと圧側作動油室Cに区画して
いる。
【0027】また、アウタチューブ1とインナチューブ
2からなる伸縮支柱3の内部に納めたダンパ8のシリン
ダ5とピストンロッド6との間における空間部分はリザ
ーバ室Rとして形成してある。
【0028】ピストン20は、伸側および圧側作動油室
T,Cを相互に連通する二組の伸側ポート群23と圧側
ポート群24を有し、伸側ポート群23における圧側作
動油室Cへの出口部分を伸側減衰バルブ25で塞ぐと共
に、圧側ポート群24における伸側作動油室Tへの出口
部分を背面バルブ26でそれぞれ塞いでいる。
【0029】一方、シリンダボトム7からは、圧側作動
油室Cに向って軸部27が延びており、この軸部27に
隔壁体28をナット29で取り付けて外周面のシール3
0をシリンダ5の内壁面に当て、当該シール30でシリ
ンダ5の下端部分に油室31を区画し、かつ、この油室
31をシリンダ5に穿った油孔32で伸縮支柱3とダン
パ8の間のリザーバ室Rに連通している。
【0030】隔壁体28に対しても上記したピストン2
0と同様に、油室31と油孔32を通してシリンダ5内
の圧側作動油室Cとリザーバ室Rを相互に連通する二組
の圧側ポート群33と伸側ポート群34を設け、圧側ポ
ート群33における油室31への出口部分を圧側減衰バ
ルブ35で塞ぐと共に、伸側ポート群34における圧側
作動油室Cへの出口部分を吸込バルブ36でそれぞれ塞
いでいる。
【0031】なお、ダンパ8内の上端部分には、シリン
ダヘッド4の下端で挟んで緩衝スプリング37を保持す
るホルダ38を設置し、ダンパ8の伸張動作時において
この緩衝スプリング37へとピストンホルダ18に設け
た鍔39を衝合させることにより、ダンパ8の伸切り時
に発生する衝撃を緩和するようにしている。
【0032】以上述べてきた構成は、先に従来の技術と
して述べた特許出願人の提案であるダンパ内蔵型フロン
トフォークと同一であるが、この従来の技術であるダン
パ内蔵型のフロントフォークにあっては、懸架スプリン
グ42をアウタチューブ1の上端内面とダンパ8におけ
るシリンダヘッド4の間に介装しており、この点で図1
の実施の態様と相違している。
【0033】すなわち、上記した図1の実施の態様で
は、リリーフバルブ16の背面側に調整用のガイド部材
40を直列に並べて接離可能に配設し、この調整用のガ
イド部材40をシリンダヘッド4との間に介装したゴム
製の検知用ばね部材41で支持すると共に、ガイド部材
40とアウタチューブ1の上部内面との間に懸架スプリ
ング42を介装し、ガイド部材40をこれら検知用ばね
部材41と懸架スプリング42で挟んで介装したのであ
る。
【0034】次に、以上のように構成したフロントフォ
ークの作用について説明することにする。
【0035】フロントフォークの伸張動作時には、それ
に伴いダンパ8が共に伸張動作してピストン20により
伸側作動油室Tの容積を縮小しつつ内部にあるオイルを
加圧し、伸側作動油室T内のオイルをピストン20の伸
側ポート群23から伸側減衰バルブ25を押し開いて圧
側作動油室Cへと押し出す。
【0036】また、これと併せて、伸側作動油室T内の
オイルをシリンダヘッド4に設けた油路17からリリー
フバルブ16を押し開いてリザーバ室Rへも押し出し、
上記した伸側減衰バルブ25とリリーフバルブ16を押
し開いて流れるときのオイルの流動抵抗で所定の伸側減
衰力を発生する。
【0037】なお、このときにシリンダ5からのピスト
ンロッド6の退出によって圧側作動油室Cに生じるオイ
ルの不足分は、シリンダボトム7に設けた隔壁体28の
伸側ポート群34から吸込バルブ36を開いてリザーバ
室R内のオイルを圧側作動油室Cへと吸い込むことによ
り補償される。
【0038】それに対して、圧縮動作時には、逆にダン
パ8の圧側作動油室Cの容積が縮小して内部のオイルを
ピストン20の圧側ポート群24から背面バルブ26を
押し開いて伸側作動油室Tへと押し出し、この背面バル
ブ26を押し開いて流れるときのオイルの流動抵抗で伸
側作動油室T内のオイル圧力を圧縮速度に応じて速くな
ればなるほど低く保つ。
【0039】これにより、圧縮速度の比較的速い中・高
速域での圧縮動作時には、伸側作動油室T内のオイル圧
力を低く保ってリリーフバルブ16を開くことなく、シ
リンダ5内へのピストンロッド6の浸入で伸側作動油室
Tへと入り切らない量のオイルを、圧側作動油室Cから
シリンダボトム7に設けた隔壁体28の圧側ポート群3
3を通して圧側減衰バルブ35を押し開きつつリザーバ
室Rへと押し出し、当該圧側減衰バルブ35を押し開い
て流れるときのオイルの流動抵抗で中・高速域での所定
の圧側減衰力を発生する。
【0040】また、圧縮速度の遅い低速域での圧縮動作
時には、背面バルブ26によるオイルの流動抵抗の影響
を殆ど受けることなく伸側作動油室T内のオイル圧力を
圧側作動油室Cのオイル圧力とほぼ同等に保ち、圧側減
衰バルブ35とリリーフバルブ16を押し開いて圧側作
動油室C内のオイルをリザーバ室Rへと押し出すことに
より、圧側減衰バルブ35を通るオイル流量を減じて所
定の低い減衰力を発生する。
【0041】このようにして、伸張動作時には、伸側減
衰バルブ25とリリーフバルブ16を、また、中・高速
域での圧縮動作時には、圧側減衰バルブ35を押し開い
て伸側および圧側減衰力をそれぞれ発生することになる
ために、伸側減衰力と圧側減衰力を個々の減衰特性に設
定することが可能になるばかりでなく、圧縮動作時にお
ける中・高速域での減衰特性に比べ、低速域での減衰特
性を低下させて二輪車としての乗心地をも向上させるこ
とになる。
【0042】そうとは言っても、上記した圧縮動作時に
おいて、中・高速域での大きなストローク範囲に亙る圧
縮動作が進んでストークエンドに近づくと、圧縮速度が
遅くなって即ち低速域に入って先に述べたように伸側作
動油室T内のオイル圧力が上昇し、当該オイル圧力がリ
リーフバルブ16のクラッキング圧力を越えた時点でリ
リーフ作用が開始される。
【0043】このリリーフ作用の開始により圧側減衰バ
ルブ35を通るオイル流量が減少して圧側減衰力が急激
に低下し、圧抜け現象を生じてピストン20がシリンダ
ボトム7へと激しく衝突し、底突きによる衝撃を発生し
ようとする。
【0044】しかし、圧縮動作の進行と並行して懸架ス
プリング42も押し縮められていくことから、懸架スプ
リング42のばね力が検知用のばね部材41のばね力に
打ち勝って調整用のガイド部材40を押し下げ、当該調
整用のガイド部材40を通してリリーフバルブ16を抑
え込む。
【0045】そのために、圧縮速度が低速域に入って伸
側作動油室T内のオイル圧力が上昇したとしても、リリ
ーフバルブ16が開いてリリーフ作用を行うことなく圧
側減衰バルブ35を通るオイル流量を確保して圧側減衰
力の急激な低下を阻止し、圧側減衰力を所定の高さに保
持して圧抜け現象による激しい底突きを防止しつつ衝撃
の発生を除去することになるのである。
【0046】なお、上記図1の実施の形態にあっては、
ガイド部材40によりリリーフバルブ16を直接抑え込
んでリリーフ作用を制御するようにしたが、このように
する代わりに、図2の他の実施の形態に示すように、ガ
イド部材40を通してリリーフバルブ16のバルブスト
ッパ43を撓ませつつリリーフバルブ16の開度を制御
して、中・高速域での圧縮動作のストロークエンド付近
での圧側減衰力を所定の高さに保つようにしてもよい。
【0047】また、これまで述べた図1および図2の実
施の形態にあっては、何れも検知用のばね部材41とし
てゴム材を用いてきたが、これに代えて、金属製の皿ば
ねやコイルスプリング或いはその他のばね材を用いるよ
うにしてもよい。
【0048】さらに、図1および図2に示した実施の形
態のように、アウタチューブ1に対してインナチューブ
2を下方に向けた倒立型のフロントフォークのみに限ら
れることなく、ダンパ8をそのままにしてアウタチュー
ブ1とインナチューブ2の位置関係を上下逆にした正立
型のフロントフォークにも同様にして適用し得ることは
言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、伸側作動油室に配置したリリーフバルブの背面側に
調整用のガイド部材を直列に並べて接離可能に配設し、
この調整用のガイド部材を懸架スプリングとガイド部材
の動作位置を制御する検知用のばね部材とで挟んで設け
るという簡単な構成を施すだけで、伸圧両方の減衰特性
の独立した個々の設定と圧縮動作時における低速域での
減衰特性の低下による乗心地の向上とを図りながら、し
かも、ダンパが中・高速域で大きなストローク範囲に亙
り圧縮動作した場合のストローク後半でのリリーフバル
ブによるリリーフ作用を抑えて、圧側減衰力の急激な低
下による底突きを防止しつつ衝撃の発生をも抑えること
ができる。
【0050】請求項2の発明によれば、ガイド部材で直
にリリーフバルブの開きを抑えることによって上記請求
項1と同等の効果を発揮することができる。
【0051】同様に、請求項3の発明によれば、ガイド
部材でリリーフバルブの開度を制御することによって同
等の効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態であるダンパ内蔵型フロ
ントフォークの要部を取り出して示す縦断正面図であ
る。
【図2】同じく、この発明の他の実施の形態であるダン
パ内蔵型フロントフォークの要部を取り出して示す縦断
正面図である。
【図3】従来のダンパ内蔵型フロントフォークの要部を
取り出して示す縦断正面図である。
【符号の説明】
C 圧側作動油室 T 伸側作動油室 R リザーバ室 1 アウタチューブ 2 インナチューブ 3 伸縮支柱 4 シリンダヘッド 5 シリンダ 6 ピストンロッド 7 シリンダボトム 8 ダンパ 16 リリーフバルブ 20 ピストン 25 伸側減衰バルブ 26 背面バルブ 35 圧側減衰バルブ 36 吸込バルブ 40 調整用のガイド部材 41 検知用のばね部材 42 懸架スプリング 43 バルブストッパ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アウタチューブとインナチューブからな
    るテレスコープ状の伸縮支柱の内部に、伸張方向へと付
    勢する懸架スプリングと併せて圧縮動作時に開く背面バ
    ルブを備えたピストンをもつダンパを介装し、これら伸
    縮支柱とダンパとで両者の間の空間部分をリザーバ室と
    して形成すると共に、ダンパ内の伸側作動油室を圧縮動
    作時の低速域でのオイル圧力によって開くリリーフバル
    ブを通してリザーバ室へと連通した二輪車用のフロント
    フォークにおいて、上記リリーフバルブの背面側に調整
    用のガイド部材を直列に並べて接離可能に配設し、この
    調整用のガイド部材を懸架スプリングと当該懸架スプリ
    ングに対抗してガイド部材の動作位置を制御する検知用
    のばね部材とで挟んで設けたことを特徴とするダンパ内
    蔵型フロントフォーク。
  2. 【請求項2】 開閉動作を行うリリーフバルブのバルブ
    部分と対向して調整用のガイド部材を直列に並べて接離
    可能に配設した請求項1のダンパ内蔵型フロントフォー
    ク。
  3. 【請求項3】 リリーフバルブの最大開度を制限するバ
    ルブストッパを撓み可能の部材で構成し、このバルブス
    トッパと対向して調整用のガイド部材を直列に並べて接
    離可能に配設した請求項1のダンパ内蔵型フロントフォ
    ーク。
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