JP2001214951A - 油圧ダンパ - Google Patents

油圧ダンパ

Info

Publication number
JP2001214951A
JP2001214951A JP2000174514A JP2000174514A JP2001214951A JP 2001214951 A JP2001214951 A JP 2001214951A JP 2000174514 A JP2000174514 A JP 2000174514A JP 2000174514 A JP2000174514 A JP 2000174514A JP 2001214951 A JP2001214951 A JP 2001214951A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
oil
cylinder
oil liquid
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000174514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001214951A5 (ja
JP4844945B2 (ja
Inventor
Hiroshi Murata
広志 村田
Yasuo Inose
恭夫 猪瀬
Yukio Matsumoto
幸男 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP2000174514A priority Critical patent/JP4844945B2/ja
Publication of JP2001214951A publication Critical patent/JP2001214951A/ja
Publication of JP2001214951A5 publication Critical patent/JP2001214951A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4844945B2 publication Critical patent/JP4844945B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大きな振動(大ストローク)や小
さな振動(小ストローク)を発生する機器を効果的に制
振できる油圧ダンパを提供する。 【解決手段】 ピストン5が伸び側(縮み側)デ
ィスクバルブ16(17)に対して、上方(下方)に大
きく移動した際、バルブシート21a(21b)に着座
して、連通路19、19及び縮み側(伸び側)連通路2
0b(20a)を閉塞して高減衰力を発生する。ピスト
ン5が小さく移動した際、伸び側及び縮み側ディスクバ
ルブ16、17はバルブシート21a、21bから離間
した範囲内でピストン5が移動する。油液が連通路1
9、19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20b
を介して行き来するので、油液通路が絞られずに抵抗無
く(低減衰力)ピストンロッド6が移動できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油圧ダンパに関
し、特に、ピストンロッドのストローク量に応じて減衰
力を可変とした油圧ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】ピストンロッドのストローク量に応じて
減衰力を可変としたダンパとしては、例えば、特開平5
−248468号に示すような摩擦ダンパが知られてい
る。
【0003】この従来例としての摩擦ダンパは、ロッド
(ピストンロッド)に摺動自在に設けたフリーピストン
をシリンダに嵌合し、フリーピストンの外周に設けた摩
擦材をシリンダに対して接触させ、ロッドにはフリーピ
ストンが当接するストッパを設けた構成としている。
【0004】これにより、ロッドが大きくストロークす
るような場合には、ストッパによって、ロッドと共にフ
リーピストンを移動させて高減衰力が発生する。また、
ロッドが小さくストロークするような場合には、ストッ
パからフリーピストンが離れた状態でロッドがストロー
クするので、ロッドの円滑なストローク(低減衰力)が
保証されるようになっている。
【0005】このような摩擦ダンパは、例えば全自動洗
濯機に用いられ、洗濯機の外郭をなすフレームと、この
フレーム内に回転自在に配設されたドラムとの間に摩擦
ダンパを設け、ドラムの回転時における振動を低減し
て、洗濯機の振動や騒音の発生を抑えるようにしてい
る。
【0006】一般に、全自動洗濯機においては、洗濯及
びすすぎ(低速回転)を終えて脱水(高速回転)に移行
する際、ドラム内の衣類の偏り等によってドラム起動時
の振動(揺動)は大きく(振幅大)、ある程度回転速度
が速くなるとその振動は小さくなる(振幅小)。
【0007】したがって、ドラム起動時における振動が
大きいとき、すなわち、ロッドのストロークが大きいと
きは、高減衰力を発生してドラムの振動を迅速に抑え、
振動が小さくなった場合、すなわち、ロッドのストロー
クが小さいときには、低減衰力にしてドラムの微振動が
フレームに伝達されるのを抑えることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例の摩擦ダンパにあっては、ロッドのストロークが大
きいときには、ストッパを介してロッドとフリーピスト
ンとが当接するが、ロッド及びフリーピストンの質量が
共に大きいことや、フリーピストンの静止摩擦が大きい
ことから、当接時の衝撃が大きく、この衝撃によりダン
パ自体が発生する振動や騒音が問題となっていた。
【0009】そこで、この衝撃を抑えるべく、例えばフ
リーピストンの質量を小さくしたり、フリーピストンの
静止摩擦を小さくすることが考えられるが、このように
するとドラム起動時における減衰力が不足し、ドラムの
振動を迅速に抑えることができなくなる。
【0010】本発明は、上述のような摩擦ダンパの回避
不可能な問題点に鑑みてなされたもので、油圧式により
上述の摩擦ダンパの減衰力特性と同様の特性を備えた、
新規な油圧ダンパを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、油液が封入されたシリンダと、
該シリンダ内に摺動自在に設けられ前記シリンダ内を2
室に画成するピストンと、一端側が該ピストンに連結さ
れ他端側が前記シリンダ外に延出されたピストンロッド
と、該ピストンロッドの摺動時に前記2室間の油液の流
動を制御して減衰力を発生する減衰力発生機構とからな
る油圧ダンパにおいて、前記減衰力発生機構は、前記ピ
ストンに設けられた前記2室間を連通する油液通路と、
前記ピストンに対して離接可能なディスクバルブとから
なり、該ディスクバルブは、前記ピストンロッドの大ス
トローク時に前記ピストンに接することにより前記油液
通路の油液の流動を絞り、前記ピストンロッドの小スト
ローク時に前記ピストンから離間して前記油液通路を開
放することを特徴とする。
【0012】このように構成したことにより、ピストン
ロッドの大ストローク時にはディスクバルブによって油
液通路の油液の流動が絞られて高減衰力が発生し、小ス
トローク時には油液通路が開放されてピストンロッドが
円滑にストローク(低減衰力)できる。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、油液通路を、2室間を連通する第1油液通路と、デ
ィスクバルブがピストンに接した際に、2室間の連通が
遮断される第2油液通路と、から構成したことを特徴と
する。
【0014】この場合、ピストンロッドの大ストローク
時には、ディスクバルブがピストンに接して第2油液通
路が遮断されて、油液は第1油液通路のみを流動するの
で、結果、油液の流動が絞られて高減衰力を発生する。
【0015】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、ディスクバルブに油孔を設け、ディスクバルブがピ
ストンに接した際に、油孔によって油液の流動を絞るこ
とを特徴とする。
【0016】この場合、ピストンロッドの大ストローク
時には、ディスクバルブがピストンに接して、油孔を油
液が流動するので、結果、油液の流動が絞られて高減衰
力を発生する。
【0017】請求項4の発明は、請求項1乃至3の発明
において、前記ディスクバルブは、前記ピストンに対し
て軸方向に移動可能なフローティングバルブとしたこと
を特徴とする。
【0018】この場合、小ストローク時の振動によっ
て、フローティングバルブを確実にピストンから離間さ
せることができる。
【0019】請求項5の発明は、請求項1乃至4の発明
において、内部にガスが封入され、前記シリンダ室内の
圧力の増加に応じて少なくとも一部が凹む容積可変体
を、前記シリンダの2室内の少なくとも何れか一方に設
けたことを特徴とする。
【0020】この場合、ピストンロッドが大きく、かつ
速くストロークして高減衰力が発生する際、シリンダ室
の急激な圧力の増加を容積可変体が吸収するので、高減
衰力への移行を滑らかにすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施形態につ
いて、図1乃至図4に基づき説明する。
【0022】図1に示すように、本発明の第1実施形態
に係る油圧ダンパ1は、外郭をなす外筒2内にシリンダ
3が設けられた2重筒構造となっており、シリンダ3内
には油液が封入され、シリンダ3と外筒2との間には、
油液及びガスが封入されたリザーバ室4が形成されてい
る。
【0023】シリンダ3内には、摺動自在にピストン5
が嵌挿され、ピストン5はシリンダ3内を上下2室3
a、3bに画成している。ピストン5には、ピストンロ
ッド6の一端(下端)がナット7によって固定され、ピ
ストンロッド6の他端(上端)は、ロッドガイド8及び
オイルシール9を介してシリンダ3の外部に延出されて
いる。
【0024】シリンダ3の下端には、シリンダ下室3b
とリザーバ室4とを接続するベースバルブ10が設けら
れ、ベースバルブ10には、ピストンロッド6の縮み行
程時に所定の減衰力(低減衰力)を発生する減衰バルブ
10aと、ピストンロッド6の伸び行程時にリザーバ室
4からシリンダ下室3bへの油液の流れを許容するチェ
ックバルブ10bが設けられている。
【0025】ピストンロッド6の上端及び外筒2の下端
には、洗濯機のフレーム及びドラム等の被取付部材(図
示せず)に油圧ダンパ1を取付けるための取付けアイ1
1a、11bが設けられている。
【0026】ピストンロッド6には嵌合部6aが設けら
れ、この嵌合部6aには、ピストン5が嵌合され、さら
にピストン5の上下側にはリテーナ12a、12b、筒
状のスペーサ13a、13bが嵌合部6aに嵌合して設
けられている。
【0027】スペーサ13aの上側には、後述の伸び側
ディスクバルブ16に対してピストンロッド6が下方へ
移動した際に、伸び側ディスクバルブ16の後述する規
制部材18aへの当接時の衝撃を緩和し、伸び側ディス
クバルブ16の変形や破損を防止する可撓性の小径リテ
ーナ14a及び大径リテーナ15aが設けられている。
【0028】スペーサ13bの下側には、後述の縮み側
ディスクバルブ17に対してピストンロッド6が上方へ
移動した際に、縮み側ディスクバルブ17の後述する規
制部材18bへの当接時の衝撃を緩和し、縮み側ディス
クバルブ17の変形や破損を防止する可撓性の小径リテ
ーナ14b及び大径リテーナ15bが設けられている。
【0029】18a及び18bに示す部材は、大径及び
小径それぞれのリテーナ14、15の背面側への変形を
規制する規制部材で、規制部材18aは、油圧ダンパ1
が伸び側にフルストロークした際に、ロッドガイド8に
当接して衝撃を吸収するリバウンドストッパの機能を果
たすものである。
【0030】ピストン5には、シリンダ上下室3a及び
3bを連通する複数の連通路19、19(第2油液通
路)、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20b(第
1油液通路)が、ピストン5の周方向に所定の間隔を持
ってそれぞれ穿設されている。これらの連通路19、1
9、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bが、本
発明における油液通路を構成している。
【0031】連通路19、19は、油液の流通に対して
小さな抵抗となる流路面積に設定され、一方、伸び側連
通路20a及び縮み側連通路20bは、油液の流通に対
して大きな抵抗を与える(絞りを与える)流路面積に設
定されている。
【0032】ピストン5の上下両端面には、伸び側及び
縮み側ディスクバルブ16、17が離着座(離接)する
環状のバルブシート21a、21bが形成されている。
【0033】伸び側ディスクバルブ16は、その内周が
スペーサ13aに摺動自在に案内され、上下方向にバネ
等の付勢部材に付勢されることなく、ピストン5に形成
されたバルブシート21aに対して軸方向に自由に移動
できるフローティングバルブであり、この伸び側ディス
クバルブ16は、ピストン5がシリンダ3に対して上方
に大きく移動(伸び行程、大ストローク)した際、バル
ブシート21aに着座して、連通路19及び縮み側連通
路20bを閉塞(遮断)するようになっている。
【0034】縮み側ディスクバルブ17は、その内周が
スペーサ13bに摺動自在に案内され、伸び側ディスク
バルブ16と同様にピストン5に形成されたバルブシー
ト21bに対して軸方向に自由に移動できるフローティ
ングバルブとなっている。この縮み側ディスクバルブ1
7は、ピストン5がシリンダ3に対して下方に大きく移
動(縮み行程、大ストローク)した際、バルブシート2
1bに着座して、連通路19及び伸び側連通路20aを
閉塞(遮断)するようになっている。
【0035】ここで、伸び側及び縮み側ディスクバルブ
16、17、連通路19、19及び伸び側及び縮み側連
通路20a、20bによって、本発明における減衰力発
生機構が構成されている。
【0036】次に、以上のように構成された本発明にお
ける第1実施形態の作動について、以下説明する。
【0037】伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、1
7がスペーサ13a、13bに対して、スペーサ13
a、13bの軸長以上程度に摺動するような場合、すな
わち、ピストンロッド6が大きくストロークするような
場合には、図2に示す状態(伸び側及び縮み側ディスク
バルブ16、17がバルブシート21a、21bから離
間した状態)から図3及び図4に示す状態(伸び側及び
縮み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21
a、21bに着座した状態)に伸び側及び縮み側ディス
クバルブ16、17とピストン5とが相対移動する。
【0038】ピストンロッド6が伸び方向に大きくスト
ロークした場合(図3の矢印A方向)、ストローク初期
には、連通路19、19、伸び側連通路20a及び縮み
側連通路20bが開放されているので(合計流路面積
S)、油室R1の油液が小さな抵抗で油室R2に移動す
る。
【0039】一方、伸び側ディスクバルブ16の外周縁
部とシリンダ3との間に形成された環状通路16a(流
路面積S1)は、シリンダ上室3aと油室R1との間を
流通する油液に流通抵抗(絞り)を与えるようになって
おり、この流通抵抗によって伸び側ディスクバルブ16
のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制されてい
る。
【0040】すなわち、上記合計流路面積Sの方が上記
流路面積S1よりも大きく設定されているため(S>S
1)、伸び側ディスクバルブ16に対してピストン5が
移動して接近し、結果、伸び側ディスクバルブ16がバ
ルブシート21aに着座する。
【0041】伸び側ディスクバルブ16がバルブシート
21aに着座すると、連通路19、19及び縮み側連通
路20bが閉塞され、シリンダ上下室3a、3bを連通
する油液通路が、図3中矢印のように伸び側連通路20
aのみとなり、結果、油液通路の油液の流動が絞られて
高減衰力が発生する。
【0042】ここで、伸び側連通路20aの流路面積S
2は、環状通路16aの流路面積S1よりも小さく設定
されており(S2<S1)、伸び側ディスクバルブ16
のバルブシート21aへの着座時における、図中下方へ
の大きな変形を防止している。
【0043】縮み側ディスクバルブ17は、小径リテー
ナ14b及び大径リテーナ15bの順に当接して下方へ
の移動が規制されている。
【0044】また、ピストンロッド6が縮み方向に大き
くストロークした場合(図4の矢印B方向)には、スト
ローク初期には、連通路19、19、伸び側連通路20
a及び縮み側連通路20bが開放されているので(合計
流路面積S)、油室R2の油液が小さな抵抗で油室R1
に移動する。
【0045】一方、縮み側ディスクバルブ17の外周縁
部とシリンダ3との間に形成された環状通路17a(流
路面積S1)は、シリンダ下室3bと油室R2との間を
流通する油液に流通抵抗(絞り)を与えるようになって
おり、この流通抵抗によって縮み側ディスクバルブ17
のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制されてい
る。
【0046】すなわち、上記合計流路面積Sの方が上記
流路面積S1よりも大きく設定されているため(S>S
1)、縮み側ディスクバルブ17とピストン5とが相対
移動して接近し、結果、縮み側ディスクバルブ17がバ
ルブシート21bに着座する。
【0047】縮み側ディスクバルブ17がバルブシート
21bに着座すると、連通路19、19及び伸び側連通
路20aが閉塞され、シリンダ上下室3a、3bを連通
する油液通路が、図4中矢印のように縮み側連通路20
bのみとなり、結果、油液通路の油液の流動が絞られて
高減衰力が発生する。
【0048】ここで、縮み側連通路20bの流路面積S
2は、環状通路17aの流路面積S1よりも小さく設定
されており(S2<S1)、縮み側ディスクバルブ17
のバルブシート21bへの着座時における、図中上方へ
の変形を防止している。
【0049】伸び側ディスクバルブ16は、小径リテー
ナ14a及び大径リテーナ15aの順に当接して上方へ
の大きな移動が規制されている。
【0050】このように、ピストンロッド6が伸び方向
及び縮み方向にそれぞれ大きくストロークするような場
合には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17と
ピストン5とが上下方向に相対移動して、伸び側及び縮
み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21a、
21bにそれぞれ着座し、油液は伸び側及び縮み側連通
路20a、20bのみを流通するようになって、結果、
油液通路の油液の流動が絞られて高減衰力が発生する。
【0051】このとき、伸び側及び縮み側ディスクバル
ブ16、17が、バルブシート21a、21b、小径リ
テーナ14a、14b及び大径リテーナ15a、15b
に勢いよく衝突しても、ディスクバルブ16、17の質
量が小さいため、衝突による振動や音の発生を抑えるこ
とができる。
【0052】伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、1
7がスペーサ13a、13bに対して、スペーサ13
a、13bの軸長以内程度で摺動するような場合、すな
わち、ピストンロッド6が小さくストロークするような
場合には、環状通路16a、17aによって、シリンダ
上室3aと油室R1及びシリンダ下室3bと油室R2を
それぞれ流通する油液に流通抵抗が生じるため、この流
通抵抗によって、伸び側及び縮み側ディスクバルブ1
6、17のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制
され、小ストローク振動を繰り返すことで、図3及び図
4に示す状態から図2に示す状態に徐々に復帰する。
【0053】そして、伸び側及び縮み側ディスクバルブ
16、17がバルブシート21a、21bから離間した
範囲内でピストンロッド6がストロークする。
【0054】したがって、ピストン5が伸び及び縮み方
向に小さくストロークする際、ピストン5の上下両端面
の、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17との間
に形成された油室R1、R2内の油液が、連通路19、
19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bを介
して油室R1、R2間を行き来する(油室R1及びR2
の合計体積の増減は無い)ので、結果、油液通路は小さ
な抵抗となり(低減衰力)、ピストンロッド6が移動で
きる。
【0055】以上のように構成した第1実施形態によれ
ば、油圧ダンパ1のピストンロッド6がスペーサ13
a、13bの軸長を越えてストロークする大ストローク
時には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17が
油液通路の油液の流動を絞って高減衰力を発生すること
ができる。
【0056】また、ピストンロッド6がスペーサ13
a、13bの軸長の範囲内でストロークする小ストロー
ク時には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17
が油液通路を開放してピストンロッド6は円滑にストロ
ーク(低減衰力)できる。
【0057】さらに、伸び側及び縮み側ディスクバルブ
16、17は、従来の技術で説明した摩擦ダンパのフリ
ーピストンに比して質量が大幅に小さいので、伸び側及
び縮み側ディスクバルブ16、17がピストン5に当接
するときの衝撃が小さく、油圧ダンパ1自体が発生する
振動や騒音を確実に防止できる。
【0058】なお、上記第1実施形態において、第1油
液通路として伸び側連通路20a及び縮み側連通路20
bをピストン5の上下側を連通して設けたが、別段これ
に限らず、伸び側及び縮み側バルブシート21a、21
bに、それぞれ径方向に切欠を複数箇所設けて、シリン
ダ上下室3a、3bを当該切欠(第1油液通路)を介し
て連通路19、19(第2油液通路)に連通させるよう
にしてもよい。
【0059】次に、本発明の第2実施形態について、図
5乃至図9に基づき説明する。この第2実施形態では、
上述の第1実施形態に対して、特にピストンロッド6が
伸び側及び縮み側に大きくストロークし、かつストロー
ク速度が速い場合に、減衰力が急激に立ち上がる(図9
中破線)ことを改善するようにしている。なお、第1実
施形態と同じ部分には同一の符号を付し、異なる部分に
ついてのみ説明する。
【0060】図5に示すように、油圧ダンパ1Aのシリ
ンダ3内のシリンダ上室3aには、内部に空気(ガス)
が密閉封入された環状の空気袋30a(容積可変体)が
設けられ、空気袋30aは、その外周がシリンダ3に嵌
挿されてロッドガイド8の下部に位置している。
【0061】空気袋30aは、ゴム製の可撓性薄膜によ
り形成され、シリンダ上室3aの圧力の増加に応じて凹
むようになっている。
【0062】また、ピストンロッド6に螺着されたナッ
ト7の下部には、断面が略コ字形状の受け部材31がピ
ストンロッド6に螺着して設けられ、受け部材31の内
部には、空気袋30b(容積可変体)が設けられてい
る。
【0063】受け部材31は、ピストンロッド6の作動
時に、空気袋30bがシリンダ下室3b内でピストン5
側に移動して破損したりすることを防止する。
【0064】空気袋30bもゴム製の可撓性薄膜により
形成され、シリンダ下室3bの圧力の増加に応じて凹む
ようになっている。
【0065】次に、以上のように構成された本発明の第
2実施形態の作動について、以下説明する。なお、基本
的な作動は上述した第1実施形態と同様であり、異なる
作動についてのみ説明する。
【0066】ピストンロッド6が伸び側に大きくストロ
ークし、かつストローク速度が速い場合、ピストン5が
伸び側ディスクバルブ16に勢いよく当接する。この場
合、環状通路16aの絞り作用によって、伸び側ディス
クバルブ16の上側の油液が圧縮されてシリンダ上室3
a内の圧力が急激に上昇し、このとき、シリンダ上室3
a内の空気袋30aが凹んで、シリンダ上室3a内の圧
力の上昇を抑えることができる。
【0067】その結果、図9中実線に示すように伸び側
の減衰力が滑らかに高減衰力に移行して、第1実施形態
のように減衰力が急激に立ち上がる(図9中破線)こと
によって発生する衝撃を抑えることができる。
【0068】また、ピストンロッド6が縮み側に大きく
ストロークし、かつストローク速度が速い場合において
も、シリンダ下室3bに設けた空気袋30bが凹んで、
シリンダ下室3b内の圧力の上昇を抑え、図9中実線に
示すように縮み側の減衰力が滑らかに高減衰力に移行し
て、衝撃を抑えることができる。
【0069】このように、上記第2実施形態によれば、
特にピストンロッド6が伸び側及び縮み側に大きくスト
ロークし、かつストローク速度が速い場合において、高
減衰力への移行を滑らかにすることができるので、ダン
パが発生する衝撃を確実に抑えることができる。
【0070】次に、本発明における第2実施形態の変形
例について、以下説明する。
【0071】上述の図5に示した実施形態は、ピストン
ロッド6を上側にして使用する、所謂、正立型の油圧ダ
ンパであったが、図6の変形例に示すように倒立型とし
て使用することもできる。
【0072】すなわち、図6において、油圧ダンパ1B
のベースバルブ10には、固定ピン40によって減衰バ
ルブ10a及びチェックバルブ10bを固定しており、
固定ピン40の下側には、断面が略コ字形状の受け部材
41が一体的に形成され、この受け部材41の内部に
は、空気袋40b(容積可変体)が設けられている。こ
の受け部材41によって、油圧ダンパ1の作動時に空気
袋40bがボトムバルブ10等に当接して破損したりす
ることを防止する。
【0073】なお、油圧ダンパ1Bは倒立させて使用す
るため、リザーバ室4内には、油液とガスを画成するた
めのガスが封入されたリザーバ袋4aが設けられてい
る。
【0074】さらに、図7に示す他の変形例において
は、油圧ダンパ1Cのピストンロッド6の嵌合部6aの
下端側に螺着された受け部材51は箱状に形成され、内
部に空気袋50b(容積可変体)を収容する構成として
いる。この受け部材51には複数の油液通路51a、5
1aが穿設され、この油液通路51a、51aを介し
て、受け部材51の内部に抵抗無く油液が流入するよう
になっている。これにより、図7の油圧ダンパ1Cは、
正立及び倒立の何れの使用条件にも対応できるようにな
っている。
【0075】なお、油圧ダンパ1Cにおいても、リザー
バ室4内に油液とガスを画成するためのガスが封入され
たリザーバ袋4aが設けられている。
【0076】また、図8に示すさらに他の変形例におい
ては、油圧ダンパ1Dのピストン5をピストンロッド6
に固定するナットと、本発明における容積可変体とを一
体化した構成としている。すなわち、略円筒状の筒部材
60の上側をナット60aとし、また、筒部材60の下
側を空気(ガス)室62を形成する筒部60bとしてお
り、さらに、この筒部60bを包囲するようにゴム製の
可撓性薄膜61を設け、この可撓性薄膜61と筒部60
bとによって、容積可変体を構成している。
【0077】このように構成した油圧ダンパ1Dにおい
ても、シリンダ下室3b内の圧力が急激に上昇した場
合、容積可変体の一部、すなわち、可撓性薄膜61が上
方に凹んで、シリンダ下室3b内の圧力の上昇を抑え
て、高減衰力への移行を滑らかにすることができる。
【0078】次に、本発明の第3実施形態について、図
10乃至図13に基づき説明する。
【0079】この第3実施形態では、上述の第1実施形
態に対し、ピストン及びディスクバルブの形状、また、
シリンダの上端とピストンロッドの上端との間にコイル
スプリングを備えている点が異なり、第1実施形態と同
じ部分には同一の符号を付し、異なる部分についてのみ
説明する。
【0080】油圧ダンパ1Eのシリンダ3内を摺動する
ピストン5aには、シリンダ上下室3a及び3bを連通
する複数の連通路19a、19a(油液通路)のみが、
ピストン5aの周方向に所定の間隔を持って穿設されて
おり、上述した各実施形態のピストン5に穿設した伸び
側連通路20a及び縮み側連通路20bが省略されてい
る。
【0081】連通路19a、19aの流路面積は、上述
した各実施形態の連通路19、19と略同じ流路面積に
設定され、油液の流通に対して小さな抵抗を与えるよう
になっている。
【0082】ピストン5aの上下両端面には、伸び側及
び縮み側ディスクバルブ160、170が離着座(離
接)する環状のバルブシート210a、210bが形成
され、各ディスクバルブ160、170は、バルブシー
ト210a、210bに対してそれぞれ軸方向に自由に
移動(フローティング)できるようになっている。
【0083】各ディスクバルブ160、170には、固
定オリフィス160a、170a(油孔)が設けられ、
この固定オリフィス160a、170aは、各バルブシ
ート210a、210bの内径側(径方向ピストンロッ
ド6寄り)に設けた連通路19a、19aに略対向する
位置に周方向に4箇所設けられている。なお、固定オリ
フィスの個数は4箇所に限らず、所望の減衰力を得るた
めに、固定オリフィスの径や個数を適宜設定してもよ
い。
【0084】固定オリフィス160a、170aの流路
面積は、上述した各実施形態のピストン5に穿設した伸
び側連通路20a及び縮み側連通路20b(S2)と略
同じ流路面積に設定されている。
【0085】また、各ディスクバルブ160、170の
外周縁部とシリンダ3との間に形成された環状通路16
0b、170bの流路面積(S3)は、上述した各実施
形態の伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17の外
周縁部とシリンダ3との間に形成された環状通路16
a、17aの流路面積(S1)に対して、略S3=S1
−S2の関係を有するように設定されている。これによ
り、各ディスクバルブ160、170のシリンダ3に対
する上下方向への移動が規制される。
【0086】ここで、伸び側及び縮み側ディスクバルブ
160、170、連通路19a、19a及び固定オリフ
ィス160a、170aによって、本発明における減衰
力発生機構が構成されている。
【0087】ピストンロッド6の上端側には、スプリン
グ200の上端を支持するスプリングシート6aが溶接
により固定され、スプリング200の下端は、外筒2の
上端を閉塞するキャップ2aに支持されている。そし
て、スプリング200には所定の初期荷重が設定され、
ピストンロッド6の中間伸張位置で、例えば、乾燥機等
の回転ドラム(振動部材)を軸方向に支持できるように
している。なお、スプリング200は、本実施形態にか
かわらず、振動機器への取付構造に合わせて上述した第
1及び第2実施形態にも用いることができる。
【0088】以上のように構成した第3実施形態におい
ても、大ストローク時には、伸び側及び縮み側ディスク
バルブ160、170が、バルブシート210a、21
0bにそれぞれ着座し、油液は固定オリフィス160
a、170aのみを流通するようになって、結果、油液
通路の油液の流動が絞られて高減衰力が発生する。ま
た、上述の第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0089】さらに、この第3実施形態によれば、上述
した各実施形態の伸び側及び縮み側連通路20a、20
bの絞り機能を、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16
0、170に形成した固定オリフィス160a、170
aに持たせたので、ピストン5aには、比較的太い連通
路19a、19aのみを形成して、傾斜した細い伸び側
及び縮み側連通路20a、20bを設けなくて済み、製
造工程を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【0090】また、上述した各実施形態においては、図
3及び図4に示したように、油液は環状通路16a、1
7aを介して折り返されて伸び側及び縮み側連通路20
a、20bを流れるので、この際、伸び側及び縮み側デ
ィスクバルブ16、17の外周縁部の下流側に渦が発生
して、これにより作動音が生じることが考えられる。
【0091】この第3実施形態では、各ディスクバルブ
160、170がバルブシート210a、210bに着
座した際には、図11(伸び側大ストローク時)の矢印
に示すように、各ディスクバルブ160、170の外周
縁部には油液の流れが生じず、油液は固定オリフィス1
60a、170aを介して直線的に連通路19aへ流れ
込むので、作動音の発生をより確実に抑えることができ
る。
【0092】なお、第3実施形態の変形例として、図1
2に示したディスクバルブ160、170に代えて、図
13に示す複数の切欠161a、171aが設けられた
切欠ディスクバルブ161、171を用いることもでき
る。
【0093】この場合、切欠161a、171aは、ピ
ストン5aのバルブシート210a、210bの内径側
(径方向ピストンロッド6寄り)に設けた連通路19
a、19aと連通するように延ばして形成され、切欠1
61a、171aの流路面積と、切欠ディスクバルブ1
61、171の外周縁部とシリンダ3との間の環状通路
(図示せず)の流路面積の合計は、上述した各実施形態
の伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17の外周縁
部とシリンダ3との間に形成された環状通路16a、1
7aの流路面積(S1)と略同等に設定する。
【0094】ただし、切欠161a、171aの流路面
積の設定については、切欠ディスクバルブ161、17
1が、各バルブシート210a、210bに着座した際
に、切欠161a、171aのピストンロッド6側の先
端側とバルブシート210a、210bの内径側稜線に
よって囲まれて形成された固定オリフィス161b、1
71b(油孔)を、上述した各実施形態のピストン5に
穿設した伸び側連通路20a及び縮み側連通路20b
(S2)と略同じ流路面積に設定するようにする。
【0095】なお、上述の各実施形態では、シリンダ上
室3aと油室R1及びシリンダ下室3bと油室R2をそ
れぞれ流通する油液に流通抵抗が生じるようにし、ピス
トン5(5a)が伸び側及び縮み側ディスクバルブ16
(160、161)、17(170、171)に対して
接近するようにしたが、別段これに限られるものではな
い。
【0096】すなわち、例えば、大ストローク時のスト
ローク速度が速い特性を有する機器等に本発明の油圧ダ
ンパを用いる場合には、上記環状通路を大きくしても
(絞らなくても)、伸び側及び縮み側ディスクバルブの
前面側と背面側に圧力差が生じ、この圧力差によって伸
び側及び縮み側ディスクバルブがピストンに対して接近
できる。この場合、上記環状通路を絞らないようにする
ことができるので、通常の車両等に搭載される油圧緩衝
器のディスクバルブを汎用できる。
【0097】また、上述の第1及び第2実施形態では、
伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17を、スペー
サ13a、13bに摺動自在に嵌合させ、その外周縁部
とシリンダ3との間に環状通路16a、17aを設けた
が、別段これに限らず、連通路19、19、伸び側及び
縮み側連通路20a、20bを、ピストン5に適宜配設
して、伸び側及び縮み側ディスクバルブをシリンダに摺
動自在に嵌合させ、その内周縁部とスペーサとの間に環
状通路を設けたり、伸び側及び縮み側ディスクバルブを
スペーサ及びシリンダの両方に摺動自在に嵌合させ、デ
ィスクバルブの径方向中間部に連通路を設け、連通路1
9及び伸び側連通路20a(または縮み側連通路20
b)を閉塞するようにしてもよい。そして、上述の第3
実施形態では、連通路19a、19a及び固定オリフィ
ス160a、170aの位置を変更すること無く、上記
のように容易にディスクバルブの摺動部を設定できる。
【0098】さらに、上述の各実施形態では、伸び側及
び縮み側ディスクバルブ16(160、161)、17
(170、171)を、上下方向にバネ等の付勢部材に
付勢されることなくピストンに対して軸方向に自由に移
動できるフローティングバルブとしたが、別段これに限
らず、フローティングバルブが閉弁付近に位置する場合
にのみ、フローティングバルブを弱い力で開弁方向に付
勢する微弱バネを、伸び側及び縮み側ディスクバルブと
ピストンとの間に配設してもよい。
【0099】この場合、油圧ダンパが大ストロークから
小ストロークへ切り替わる際に、伸び側及び縮み側ディ
スクバルブを、ピストンから素早く離間させることがで
き、高減衰力の発生から円滑なストローク(低減衰力)
へと素早く切り替えることができる。
【0100】ここで言うフローティングバルブとは、ピ
ストンに対してバネ等を介さず完全に自由に軸方向に対
して移動できるバルブのみを言うのではなく、油液の流
通抵抗やバルブの前面側と背面側との圧力差により、上
記微弱バネ程度の付勢力に影響を受けずにピストンに対
して軸方向に移動して閉弁できるバルブを含むものであ
る。
【0101】また、スペーサ13a、13bの軸長を適
宜変更することで、容易に高減衰力の発生タイミングを
変更でき、あらゆる用途に対応することができる。
【0102】さらに、上述の各実施形態では、2重筒構
造の油圧ダンパに本発明を適用したものを示したが、別
段これに限らず、フリーピストンを備えた単筒式の油圧
ダンパに適用することもできる。
【0103】さらに、上述の第2実施形態において、シ
リンダ上室3aに設けた環状の空気袋30a(図6乃至
図8では図示省略)は、シリンダ3に嵌挿させずにピス
トンロッド6の規制部材18aの上部にピストンロッド
6に対して嵌合させてもよく、また、図5及び図6にお
ける空気袋30b、40bを受け部材31、41にそれ
ぞれ嵌めてもよい。
【0104】また、上述の第2実施形態において、空気
袋(容積可変体)をシリンダ上下室の各々に設けたもの
を示したが、油圧ダンパの初期作動方向(油圧ダンパが
作動していない状態から最初に大ストロークする振動方
向)が決まっているものに適用する場合、例えば初期作
動方向が伸び側の場合には、シリンダ下室3b側の空気
袋(容積可変体)を省略し、また、初期作動方向が縮み
側の場合には、シリンダ上室3a側の空気袋(容積可変
体)を省略してもよい。
【0105】また、上述の第2実施形態において、シリ
ンダ上下室に設けた各空気袋には、所定圧のガスを封入
してもよく、この場合、適宜ガス圧を調整した空気袋を
使用することで減衰力の立ち上がり調整(チューニン
グ)が容易になる。
【0106】さらに、上述の第2実施形態において、容
積可変体としてゴム製の可撓性薄膜を用いたものを示し
たが、別段これに限らず、樹脂製または金属製のベロー
ズ等を用いてもよい。
【0107】また、上述の第2実施形態で用いた容積可
変体を上述の第3実施形態に用いても構わない。
【0108】さらにまた、本発明の油圧ダンパは、洗濯
機への適用に限らず、例えば空気圧縮機のように、モー
タ起動時や回転速度切換時等に大きく振動し、また、低
速回転時や一定速度回転時等に振動が小さいような機器
等に用いることもできる。
【0109】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1の油圧ダ
ンパによれば、ピストンロッドの大ストローク時にはデ
ィスクバルブによって油液通路の油液の流動が絞られて
高減衰力が発生し、小ストローク時には油液通路が開放
されてピストンロッドが円滑にストローク(低減衰力)
できるので、小ストローク時に減衰力が高くなりすぎる
ことがなく、大ストローク時の振動を迅速に抑えること
ができる。
【0110】請求項2の油圧ダンパによれば、請求項1
において、油液通路は、第1油液通路と、ディスクバル
ブがピストンに接した際に連通が遮断される第2油液通
路とから構成したので、小ストローク時に減衰力が高く
なりすぎることがなく、大ストローク時の振動を迅速に
抑えることができる油圧ダンパを、簡単な構造で達成す
ることができる。
【0111】請求項3の油圧ダンパによれば、請求項1
において、ディスクバルブに油孔を設け、ディスクバル
ブがピストンに接した際に、油孔によって油液の流動を
絞るようにしたので、ディスクバルブには、例えばプレ
ス加工等によって容易に絞り通路を設けることができ
て、製造工程を簡略化して、コストダウンを図ることが
できる。
【0112】請求項4の油圧ダンパによれば、請求項1
乃至3において、ディスクバルブをピストンに対して軸
方向に移動可能なフローティングバルブとしたので、小
ストローク時の振動によって、フローティングバルブを
確実にピストンから離間させることができ、減衰力の切
り替え応答性が向上する。
【0113】請求項5の油圧ダンパによれば、請求項1
乃至4において、内部にガスが封入され、シリンダ室内
の圧力の増加に応じて少なくとも一部が凹む容積可変体
を、シリンダの2室内の少なくとも何れか一方に設けた
ので、ピストンロッドが大きく、かつ速くストロークし
て高減衰力が発生する際、シリンダ室の急激な圧力の増
加を容積可変体が吸収するので、高減衰力への移行を滑
らかにすることができ、減衰力が急激に立ち上がること
による衝撃を確実に抑えることができる。
【0114】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明における第1実施形態の油圧ダンパ全
体を示す縦断面図である。
【図2】 図1のピストン部分(減衰力発生機構部分)
の拡大縦断面図である。
【図3】 図1の油圧ダンパが伸び方向に大きくストロ
ークした場合のピストン部分の拡大縦断面図である。
【図4】 図1の油圧ダンパが縮み方向に大きくストロ
ークした場合のピストン部分の拡大縦断面図である。
【図5】 本発明における第2実施形態の油圧ダンパ全
体を示す縦断面図である。
【図6】 第2実施形態の変形例を示す部分拡大縦断面
図である。
【図7】 第2実施形態の他の変形例を示す部分拡大縦
断面図である。
【図8】 第2実施形態のさらに他の変形例を示す部分
拡大縦断面図である。
【図9】 第2実施形態の減衰力特性を示す図である。
【図10】 本発明における第3実施形態の油圧ダンパ
全体を示す縦断面図である。
【図11】 図10のピストン部分(減衰力発生機構部
分)の拡大縦断面図である。
【図12】 図10のディスクバルブを示す平面図であ
る。
【図13】 第3実施形態のディスクバルブの変形例を
示す部分拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 油圧ダンパ 3 シリンダ 5 ピストン 6 ピストンロッド 16、160、161 伸び側ディスクバルブ(減衰力
発生機構、フローティングバルブ) 17、170、171 縮み側ディスクバルブ(減衰力
発生機構、フローティングバルブ) 19、19a 連通路(油液通路、減衰力発生機構、第
2油液通路) 20a 伸び側連通路(油液通路、減衰力発生機構、第
1油液通路) 20b 縮み側連通路(油液通路、減衰力発生機構、第
1油液通路) 30a、30b 空気袋(容積可変体) 40b 空気袋(容積可変体) 50b 空気袋(容積可変体) 60b 筒部(容積可変体) 61 可撓性薄膜(容積可変体) 160a、161a 固定オリフィス(減衰力発生機
構、油孔) 170a、171a 固定オリフィス(減衰力発生機
構、油孔)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 幸男 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 Fターム(参考) 3J069 AA54 CC13 EE29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油液が封入されたシリンダと、該シリンダ
    内に摺動自在に設けられ前記シリンダ内を2室に画成す
    るピストンと、一端側が該ピストンに連結され他端側が
    前記シリンダ外に延出されたピストンロッドと、該ピス
    トンロッドの摺動時に前記2室間の油液の流動を制御し
    て減衰力を発生する減衰力発生機構とからなる油圧ダン
    パにおいて、 前記減衰力発生機構は、前記ピストンに設けられた前記
    2室間を連通する油液通路と、前記ピストンに対して離
    接可能なディスクバルブとからなり、該ディスクバルブ
    は、前記ピストンロッドの大ストローク時に前記ピスト
    ンに接することにより前記油液通路の油液の流動を絞
    り、前記ピストンロッドの小ストローク時に前記ピスト
    ンから離間して前記油液通路を開放することを特徴とす
    る油圧ダンパ。
  2. 【請求項2】前記油液通路は、前記2室間を連通する第
    1油液通路と、前記ディスクバルブが前記ピストンに接
    した際に、前記2室間の連通が遮断される第2油液通路
    と、から構成したことを特徴とする請求項1に記載の油
    圧ダンパ。
  3. 【請求項3】前記ディスクバルブには、前記油液通路の
    合計面積よりも小さい合計面積となる油孔を設け、前記
    ディスクバルブが前記ピストンに接した際に、前記油孔
    によって前記油液通路の油液の流動を絞ることを特徴と
    する請求項1に記載の油圧ダンパ。
  4. 【請求項4】前記ディスクバルブは、前記ピストンに対
    して軸方向に移動可能なフローティングバルブであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3に記載の油圧ダンパ。
  5. 【請求項5】内部にガスが封入され、前記シリンダ室内
    の圧力の増加に応じて少なくとも一部が凹む容積可変体
    を、前記シリンダの2室内の少なくとも何れか一方に設
    けたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の油圧ダン
    パ。
JP2000174514A 1999-06-09 2000-06-09 油圧ダンパ Expired - Fee Related JP4844945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000174514A JP4844945B2 (ja) 1999-06-09 2000-06-09 油圧ダンパ

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1999162807 1999-06-09
JP16280799 1999-06-09
JP11-330823 1999-11-22
JP11-162807 1999-11-22
JP33082399 1999-11-22
JP1999330823 1999-11-22
JP2000174514A JP4844945B2 (ja) 1999-06-09 2000-06-09 油圧ダンパ

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007306228A Division JP4743796B2 (ja) 1999-06-09 2007-11-27 洗濯機用油圧ダンパ

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2001214951A true JP2001214951A (ja) 2001-08-10
JP2001214951A5 JP2001214951A5 (ja) 2008-01-17
JP4844945B2 JP4844945B2 (ja) 2011-12-28

Family

ID=27322059

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000174514A Expired - Fee Related JP4844945B2 (ja) 1999-06-09 2000-06-09 油圧ダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4844945B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118651A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fuji Latex Kk ショックアブソーバ
JP2006342955A (ja) * 2005-05-10 2006-12-21 Honda Motor Co Ltd 可変減衰力ダンパー
DE102011102513A1 (de) 2010-05-28 2012-01-19 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Stossdämpfer
US10239376B2 (en) 2016-09-22 2019-03-26 Beijingwest Industries Co., Ltd. Hydraulic damper with an x-flow piston assembly
CN113719571A (zh) * 2021-09-08 2021-11-30 宁波鸿裕工业有限公司 一种减振器
CN114791029A (zh) * 2021-10-19 2022-07-26 广西科技大学 一种阻尼力可调的阀式磁流变阻尼器

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006118651A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Fuji Latex Kk ショックアブソーバ
JP2006342955A (ja) * 2005-05-10 2006-12-21 Honda Motor Co Ltd 可変減衰力ダンパー
JP4602191B2 (ja) * 2005-05-10 2010-12-22 本田技研工業株式会社 可変減衰力ダンパー
DE102011102513A1 (de) 2010-05-28 2012-01-19 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Stossdämpfer
US8479894B2 (en) 2010-05-28 2013-07-09 Hitachi Automotive Systems, Ltd. Shock absorber
US10239376B2 (en) 2016-09-22 2019-03-26 Beijingwest Industries Co., Ltd. Hydraulic damper with an x-flow piston assembly
CN113719571A (zh) * 2021-09-08 2021-11-30 宁波鸿裕工业有限公司 一种减振器
CN114791029A (zh) * 2021-10-19 2022-07-26 广西科技大学 一种阻尼力可调的阀式磁流变阻尼器
CN114791029B (zh) * 2021-10-19 2023-04-25 广西科技大学 一种阻尼力可调的阀式磁流变阻尼器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4844945B2 (ja) 2011-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4318080B2 (ja) 油圧緩衝器
JP2000110881A (ja) 二段型ショックアブソ―バ
JPH07217692A (ja) 緩衝器のバルブ構造
US8028813B2 (en) Shock absorber
JP2007315600A (ja) 緩衝装置の逆止めバルブ
KR100896251B1 (ko) 유압 댐퍼
EP1584836A1 (en) Hydraulic damper
JP2001214951A (ja) 油圧ダンパ
JP4743796B2 (ja) 洗濯機用油圧ダンパ
JPH08226484A (ja) 油圧緩衝器
JPH10339345A (ja) 液圧緩衝装置
JP4318071B2 (ja) 油圧緩衝器
JPH0669476U (ja) 油圧緩衝器のピストンチェックバルブ構造
KR100320807B1 (ko) 쇽 업소버
JP2635962B2 (ja) 減衰力可変型液圧緩衝器
JP3727089B2 (ja) 倒立型フロントフォーク
JP4636299B2 (ja) 油圧緩衝器
JP7422941B2 (ja) 緩衝器
JPH1038006A (ja) フロントフォーク
JP7281008B1 (ja) バルブ
JPH0364735B2 (ja)
JPH0379831A (ja) 油圧緩衝器
JPH0611387Y2 (ja) 減衰力可変型液圧緩衝器
JP2002161940A (ja) フロントフォーク
JPH11173362A (ja) 油圧緩衝器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20000612

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041126

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070531

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071127

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090818

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20090826

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091009

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100329

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111004

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141021

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees