JPH0611387Y2 - 減衰力可変型液圧緩衝器 - Google Patents

減衰力可変型液圧緩衝器

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JPH0611387Y2
JPH0611387Y2 JP1988124127U JP12412788U JPH0611387Y2 JP H0611387 Y2 JPH0611387 Y2 JP H0611387Y2 JP 1988124127 U JP1988124127 U JP 1988124127U JP 12412788 U JP12412788 U JP 12412788U JP H0611387 Y2 JPH0611387 Y2 JP H0611387Y2
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piston
liquid
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liquid chamber
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逸世 金成
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株式会社ユニシアジェックス
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Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は、減衰力を可変に調整できる液圧緩衝器に関す
る。
《従来の技術》 この種の従来の減衰力可変型液圧緩衝器としては、例え
ば、本出願人が先に提案した特開昭63−111332
号公報記載のものが知られている。
この減衰力可変型液圧緩衝器は、第7図に示すように構
成されている。図中の符号1はシリンダを示しており、
このシリンダ1内にピストン2が挿入され、このピスト
ン2でシリンダ1内が上部液室aと下部液室bとに画成
されている。シリンダ1の外周には、外筒3が設けら
れ、シリンダ1と外筒3との間にはリザーバ室dが画成
されている。ピストンロッド4の先端には、ピストン2
がスペーサ6を介して締結部材7で固定されている。ピ
ストン2には、このピストン2の伸張行程時に減衰力を
発生させるピストンチェックバルブ8が設けられてい
る。
シリンダ1の下端部には、ピストン2の圧縮行程時に減
衰力を発生させるベースチェックバルブ9が取り付けら
れている。そして、上部液室aとリザーバ室dとを連通
する連通路10が、ピストンロッド4内を通り、ベース
チェックバルブ9を貫通して形成されている。この連通
路10内には、オリフィス12が形成されている。この
オリフィス12は、複数個設けられており、それぞれ異
なった孔径を有している。そして、この複数個のオリフ
ィス12の内側には、これらのうちの一つを選択的に開
通させて伸張側及び圧縮側の減衰力を調整する減衰力調
整手段13が設けられている。
《考案が解決しようとする課題》 ところで、前記構造の減衰力可変型液圧緩衝器では、減
衰力を調整するときは減衰力調整手段13を回動させて
オリフィス12の孔径を変化させる。ところが、連通路
10の断面積を変化させるだけでは、液体の流量が大き
な割合を占めるピストン2の運動の低速域での減衰力特
性は大きく変化させることができるが、第6図(b)に
示すように、中高速域でのオリフィス特性の変化は少な
く、この中高速域での減衰力特性は、ほとんどピストン
チェックバルブ8及びベースチェックバルブ9に依存
し、調整による減衰力の大きな変化が得られないとう問
題点がある。
また、ピストン2の運動の極低速時においては、減衰力
変化が大きくなり過ぎるという問題点がある。
本考案は、前記問題点に鑑みてなされたもので、ピスト
ンの運動の低速域から中高速域まで全域に亘って減衰力
の調整幅を大きく変化させることができる減衰力可変型
液圧緩衝器を提供することを目的とする。
《課題を解決するための手段》 本考案は、前記目的を達成するために、円筒状のシリン
ダとこのシリンダの外側に配設された外筒との間に形成
されその内部にガスと液体が充填されたリザーバ室と、
中空のピストンロッドの一端に固定されて前記シリンダ
に嵌入されこのシリンダを上部液室と下部液室とに画成
するピストンと、このピストンに付設されピストンの伸
張行程時に伸側減衰力発生手段を介して上部液室の液体
を下部液室に流出させて減衰力を発生させるとともにピ
ストンの圧縮行程時に開弁して下部液室から上部液室へ
の液体の流通を許容するピストンチェックバルブと、前
記シリンダの下端部に配設されピストンの圧縮行程時に
圧側減衰力発生手段を介して下部液室内の液体をリザー
バ室へ流出させて減衰力を発生させるとともにピストン
の伸張行程時に開弁してリザーバ室から下部液室への液
体の流通を許容するベースチェックバルブと、前記ピス
トンロッド内を通り前記ベースチェックバルブを貫通し
て形成され前記上部液室及びリザーバ室間を連通する連
通路と、この連通路の途中に介装され連通路の通路断面
積を変化させてピストンの伸張行程時及び圧縮行程時に
発生する減衰力を調整する減衰力調整手段と、この減衰
力調整手段及び前記リザーバ室間に介装されピストンの
伸張行程時及び圧縮行程時に伸圧兼用減衰手段を介して
上部液室側からの液体をリザーバ室へ流出させて減衰力
を発生させる伸圧兼用減衰バルブとを備えたことを特徴
としている。
《作用》 前記構造の減衰力可変型液圧緩衝器では、ピストンに伸
張行程時においては、ピストンチェックバルブの伸側減
衰力発生手段によって減衰力を発生させるとともに、上
部液室内の液体が連通路を通ってリザーバ室に流出する
際に減衰力調整手段及び伸圧兼用減衰バルブの伸圧兼用
減衰手段によって確実に減衰力を発生させる。
ピストンの圧縮行程時においては、ベースチェックバル
ブの圧側減衰力発生手段によって減衰力を発生させると
ともに、上部液室内の液体が連通路を通ってリザーバ室
に流出する際に減衰力調整手段及び伸圧兼用減衰バルブ
の伸圧兼用減衰手段によって確実に減衰力を発生させ
る。
《実施例》 以下、添付図面を参照して本考案の一実施例を説明す
る。
本考案の減衰力可変型液圧緩衝器の全体構成は、前述し
た従来の減衰力可変型液圧緩衝器とほぼ同様である。
この減衰力可変型液圧緩衝器は、第1図に示すように、
シリンダ21内にピストン22が挿入され、このピスト
ン22でシリンダ21内が上部液室Aと下部液室Bとに
画成されている。この上下の液室A,B内には油等の液
体が充填されている。シリンダ21の外周には、外筒2
3が設けられ、シリンダ21と外筒23との間にはガス
と液体が充填されたリザーバ室Dが画成されている。図
中の符号24はシリンダ21の一端を貫通して外部へ延
出するピストンロッドを示しており、このピストンロッ
ド24の先端(図中の下端)には、ピストン22がスペ
ーサ26を介して締結部材27で固定されている。ピス
トン22には、上下の液室A,B間を連通する通路28
が設けられ、この通路28の上部液室A側開口端にはピ
ストンチェックバルブ29が設けられている。
このピストンチェックバルブ29は、第2図に示すよう
に、外筒部30aがピストン22に嵌合し屈曲形成され
たフランジ部30bがスペーサ26に嵌合するリテーナ
30と、このリテーナ30に反力を取ってばね力を発生
させるチェックスプリング31と、このチェックスプリ
ング31によってピストン22の上側面へ向けて付勢さ
れるチェックボディ32と、このチェックボディ32及
びピストン22間に介装されチェックボディ32に設け
られた通孔33及びピストン22に設けられた通路28
を開閉制御するほぼ円板状の伸側減衰力発生手段34と
から構成されている。チェックボディ32及び伸側減衰
力発生手段34は、リテーナ30とスペーサ26との間
で互いに摺接して上下へ往復動可能な状態で装着されて
いる。ピストン22の上側面には、切欠部35が形成さ
れている。伸側減衰力発生手段34は、その周縁部が切
欠部35の周縁部に当接支持され、その内周端部が切欠
部35で下部液室B側へ撓み変形できるようになってい
る。符号36はリテーナ30に形成された通路を示して
いる。
このように構成されたピストンチェックバルブ29は、
ピストン22の圧縮行程時においては、伸側減衰力発生
手段34が、下部液室B内の液圧を通路28を介して受
けて、チェックボディ32とともに上方へ摺動してチェ
ックスプリング31を押し縮め、通路28,36を開
く。これにより、下部液室B内の液体は、この通路2
8,36を介して上部液室Aへの流れを許容される。
また、ピストン22の伸長行程時においては、伸側減衰
力発生手段34の内周端部が上部液室A内の液圧を通路
36及び通孔33を介して受けて、切欠部35で下方へ
撓み変形して通孔33を開く。これにより、上部液室A
の液体は、通路36、通孔33及び通路28を介して下
部液室Bへの流れを許容され、これと同時に減衰力を発
生させる。
シリンダ21の下端部には、第1図に示すように、ベー
スチェックバルブ37が取り付けられている。このベー
スチェックバルブ37は、シリンダ21の下端部に固定
されたバルブボディ38と、このバルブボディ38の上
側に取り付けられたキャップ状のリテーナ39と、この
リテーナ39に内蔵されリテーナ上側面に反力を取るチ
ェックスプリング40と、リテーナ39に内蔵されチェ
ックスプリング40によって下方のバルブボディ38側
へ付勢されるチェックボディ41と、このチェックボデ
ィ41及びバルブボディ38間に介装されチェックボデ
ィ41に設けられた通孔42及びバルブボディ38に設
けられた通路43を開閉制御するほぼ円板状の圧側減衰
力発生手段44とから構成されている。チェックボディ
41及び圧側減衰力発生手段44は、リテーナ39と後
述するインナチューブ50との間で互いに摺接して上下
へ往復動可能な状態で装着されている。バルブボディ3
8の圧側減衰力発生手段44に対向する面には、切欠部
45が形成されており、圧側減衰力発生手段44は、そ
の周縁部が切欠部45の周縁部に当接支持され、その内
周端部が切欠部45で下方へ撓み変形できるようになっ
ている。符号46はリテーナ39に形成された通路を示
している。符号47はリザーバ室Dと後述する液溜室4
8とを連通する通路を示しており、リザーバ室Dは、通
路47,43及びベースチェックバルブ37を介して下
部液室Bと連通している。
このように構成されたベースチェックバルブ37は、ピ
ストン22の圧縮行程時においては、圧側減衰力発生手
段44の内周端部が下部液室B内の液圧を通路46及び
通孔42を介して受け、下方へ撓み変形して通孔42を
開く。これにより、下部液室B内の液体は、通路46、
通孔42及び通路43,47を介してリザーバ室Dへの
流れを許容され、これと同時に減衰力を発生させる。
ピストン22の伸張行程時においては、下部液室B内が
低圧になることにより、圧側減衰力発生手段44は、リ
ザーバ室D内の液圧を通路47,43を介して受け、チ
ェックボディ41とともに上方へ摺動してチェックスプ
リング40を押し縮めて通路43を開く。これにより、
リザーバ室D内の液体は、通路47,43,46を介し
て下部液室Bへの流れを許容される。
符号48は、シリンダ21及び外筒23の下端を塞ぐ蓋
体49とベースチェックバルブ37下側との間に形成さ
れた液溜室を示しており、この液溜室48は通路47を
介してリザーバ室Dに連通されている。符号50はベー
スチェックバルブ37に固定されたインナチューブを示
しており、このインナチューブ50は、ベースチェック
バルブ37のほぼ中央を貫通して軸方向上方へ延出し、
ピストン22の締結部材27を貫通して、ピストンロッ
ド24の中空部24a内まで延長して設けられている。
ピストンロッド24の中空部24a内には、サポートチ
ューブ52が設けられている。このサポートチューブ5
2は、中空部24a内にこの中空部24aと同芯状に配
設されており、その下端をピストンロッド24の先端
(下端)の段部24bに固定されている。このサポート
チューブ52とピストンロッド24との間には環状通路
24cが形成されている。そして、インナチューブ50
はサポートチューブ52内へ導入されている。ピストン
ロッド24の中空部24a内の上端には、筒状部材53
が取り付けられている。この筒状部材53はその下端突
起部53aがサポートチューブ52に圧入されており、
上端部53bが中空部24aの内周に嵌合固定されてい
る。筒状部材53の中間部にはオリフィス54が設けら
れている。このオリフィス54は、筒状部材53の周壁
に複数個設けられており、それぞれ異なった孔径を有し
ている。これにより、サポートチューブ52の内部は、
筒状部材53のオリフィス54を介して環状通路24c
に連通されている。筒状部材53の内側には、筒状の減
衰力調整手段55が回転自在に装着されている。この減
衰力調整手段55には、ピストンロッド24の上部に配
設されたアクチュエータ56から延出したコントロール
ロッド57の先端部が連結されている。ピストンロッド
24の上端には、筒状部材53をサポートチューブ52
上端に圧入して中空部24a内の上端に装着した状態で
固定支持するとともにコントロールロッド57を回転自
在に支持する取付部24dが取り付けられている。減衰
力調整手段55は、その下端を筒状部材53の下端突起
部53aの絞った部分で支持され、その上端を取付部2
4dの下側面で支持されて、上下動が規制されコントロ
ールロッド57による回転が許容されるように構成され
ている。減衰力調整手段55の周面には切欠溝55aが
設けられており、この減衰力調整手段55を回転させる
ことで切欠溝55aが複数のオリフィス54のうちの一
つに整合してそれを開口し、サポートチューブ52内部
を環状通路24cに連通させる。ピストンロッド24に
は、上部液室Aと環状通路24cとを連通する連通孔5
9が設けられている。そして、連通孔59、環状通路2
4c、オリフィス54、サポートチューブ52、インナ
チューブ50、液溜室48及び通路47によって上部液
室Aとリザーバ室Dとが連通する連通路60が構成され
ている。
そして、この連通路60の途中であるインナチューブ5
0下端の液溜室48に面する位置には、伸圧兼用減衰バ
ルブ61が設けられている。この伸圧兼用減衰バルブ6
1は、ベースチェックバルブ37のバルブボディ38に
固定されたチェックボディ63と、このチェックボディ
63に設けられた通孔64の下側面に当接され通孔64
を開閉制御する伸圧兼用減衰手段65と、この伸圧兼用
減衰手段65をチェックボディ63に固定するボルト6
6とから構成されている。
そして、圧縮行程時あるいは伸張行程時に、伸圧兼用減
衰バルブ61に連通路60の減衰力調整手段55側から
圧力が加わると、伸圧兼用減衰手段65が下方へ撓み、
液溜室48へ液体を流出させて減衰力を発生させる。
以上のように構成された減衰力可変型液圧緩衝器では、
ピストン22の伸張行程時においては、第4図に示すよ
うに、上部液室Aの液圧が上昇し、下部液室Bの液圧が
下降するため、上部液室A内の液体が伸側減衰力発生手
段34を介して下部液室Bに流出して減衰力を発生させ
るとともに、ベースチェックバルブ37が開弁してリザ
ーバ室Dから下部液室Bへの流体の流通が許容されピス
トンロッド24の退出分の液体が補充される。これと同
時に、上記作用と並列的に、上部液室A内の液体の一部
が、連通孔59から連通路60へ流入し、減衰力調整手
段55を有するオリフィス54及び伸圧兼用減衰バルブ
61の伸圧兼用減衰手段65により減衰力を発生させ
る。
ピストン22の圧縮行程時においては、第5図に示すよ
うに、下部液室Bの液圧が上昇するとピストンチェック
バルブ29が開弁し、下部液室B内の液体が上部液室A
へ流出して上部液室Aの液圧を下部液室Bの液圧ととほ
ぼ同圧に昇圧させるとともに、ピストンロッド24がシ
リンダ21内に浸入してその体積が増加し、上部液室A
内の液体の一部は、連通孔59から連通孔60を通って
リザーバ室Dへ流出し、オリフィス54及び伸圧兼用減
衰バルブ61の伸圧兼用減衰手段65により減衰力を発
生させる。これと同時に、上記作用と並列的に、下部液
室Bの液圧が所定値に達すると、下部液室B内の液体が
ベースチェックバルブ37の圧側減衰力発生手段44を
介してリザーバ室Dへ流出し、減衰力を発生させる。
また、減衰力を調整するときは、アクチュエータ56を
操作して減衰力調整手段55を回転させて、その切欠溝
55aをオリフィス54のうちの最適のものに選択して
整合させる。これにより、連通路60の通路断面積が変
化し、その大きさに応じてリザーバ室Dへ流出する液体
の量が変化して、伸張行程時及び圧縮行程時にそれぞれ
伸側減衰力発生手段34、圧側減衰力発生手段44及び
伸圧兼用減衰バルブ61によって発生する減衰力を調整
することができる。
以上のように、ピストン22に伸側減衰力発生手段34
を有するピストンチェックバルブ29を設け、シリンダ
21及び外筒23の下端部に、圧側減衰力発生手段44
を有するベースチェックバルブ37を設けるとともに、
連通路60内に、ピストンチェックバルブ29及びベー
スチェックバルブ37と並列的に、減衰力調整手段55
及び伸圧兼用減衰バルブ61を設けたので、特にピスト
ン22の運動の中高速域でのオリフィス54の特性の低
下を伸圧兼用減衰バルブ61が補って、これらオリフィ
ス54及び伸圧兼用減衰バルブ61による低い減衰力特
性を確保することができる。これにより、伸側減衰力発
生手段34及び圧側減衰力発生手段44による高い減衰
力特性と、オリフィス54及び伸圧兼用減衰バルブ61
による低い減衰力特性とを効率的に自由に選択して、第
6図(a)のように、ピストン低速域から高速域まで、
減衰力の調整幅を大きく変化させることができ、車両の
乗り心地と走行安定性との両条件を満足することができ
るようになる。
なお、本実施例では、アクチュエータ56をピストンロ
ッド24とは別の部材として設けたが、本考案はこの構
造に限定されず、例えば第3図に示すように、アクチュ
エータ56aをピストンロッド24の中空部24aに内
蔵して、コントロールロッド57aによって減衰力調整
手段55を回転制御させるように構成してもよい。そし
てこの場合も、前記実施例と同様の作用、効果を奏する
ことができる。
《考案の効果》 以上、説明したように、本考案の減衰力可変型液圧緩衝
器によれば、減衰力を調整する減衰力調整手段の他に、
この減衰力調整手段とリザーバ室間に介装されピストン
の伸張行程時及び圧縮行程時に伸圧兼用減衰手段を介し
て上部液室側からの液体をリザーバ室へ流出させて減衰
力を発生させる伸圧兼用減衰バルブを備えた結果、ピス
トンの圧縮行程時に開弁して下部液室から上部液室への
液体の流通を許容するピストンチェックバルブが上部液
室の容積保障機能を果たしつつ、圧側減衰力発生手段の
減衰力の調整幅を、ピストンの低速域ばかりでなく中高
速域においても大きく設定できるのである。
すなわち、圧縮行程においてピストンが下降して上部液
室が拡大する際、ピストンチェックバルブは、上部液室
へ液体を流通させるのであるが、このとき、ピストンチ
ェックバルブは、いわば逆止弁的な機能を果たし、減衰
力をそれ程発生させずに液体の流通を果たすため、液体
が下部液室から上部液室へ容易に流通して、下部液室及
び上部液室の容積保障を行う。これにより、上部液室が
負圧になることがなく、キャビテーションを防止でき
る。
反面、シリンダの下端部に配設されピストンの圧縮行程
時に圧側減衰力発生手段を介して下部液室内の液体をリ
ザーバ室へ流出させて減衰力を発生させるとともにピス
トンの伸張行程時に開弁してリザーバ室から下部液室へ
の液体の流通を許容するベースチェックバルブの他に、
減衰力調整手段及び前記リザーバ室間に介装されピスト
ンの伸張行程時及び圧縮行程時に伸圧兼用減衰手段を介
して上部液室側からの液体をリザーバ室へ流出させて減
衰力を発生させる伸圧兼用減衰バルブを備えたため、上
部液室からリザーバ室までの流れと下部液室からリザー
バ室への流れの途中で、圧側減衰力を発生させることが
できる。この結果、圧側減衰力発生手段の減衰力を大き
く設定できることとなる。
また、減衰力調整手段により、減衰力を調整するのであ
るが、この調整は、例えば可変オリフィスを用いて行う
もので、この可変オリフィスのオリフィス径を選択する
ことによって、圧側減衰力発生手段または伸圧兼用減衰
バルブによって発生する減衰力特性を選択的に切換え
て、ピストンの低速から中高速まで域に適合した減衰力
を発揮させるものである。そして、本考案は、特に、ピ
ストン低速域ばかりでなく、中高速域での減衰力の調整
幅をも大きく変化させることができるものである。
すなわち、減衰力調整手段の低減衰力設定時において
は、前記減衰力調整手段の可変オリフィスは、より大き
く開くこととなる。この結果、減衰力調整手段のオリフ
ィスより、より多くの液体が伸圧兼用減衰バルブに作用
することとなる。この伸圧兼用減衰バルブは、前記圧側
減衰力発生手段より弱い減衰力が発生するようにばね力
を設定しているので、低減衰力設定時に適合した減衰力
特性を発揮することとなる。
逆に、高減衰力設定時においては、前記減衰力調整手段
の可変オリフィスは、大きく絞られるよう調整される。
この結果、減衰力調整手段のオリフィスよりの液体は非
常に少量かむしろ遮断されている状態と考えられ、この
結果、伸圧兼用減衰バルブの減衰力はほとんど関係な
く、圧側減衰力発生手段が、強い減衰力を発生して、中
高速域に適合した大きな減衰力特性を発揮することとな
る。この結果、この中高速域において、減衰力の可変幅
を大きく採ることができる。
以上のことから、本考案では、伸行程時とともに圧行程
時においても、ピストンの低速域から中高速域まで全域
に渡って、減衰力の調整幅を大きく変化させることがで
き、車両の乗り心地と走行安定性との両条件を満足する
ことが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例としての減衰力可変型液圧緩
衝器の全体構造を示す断面図、第2図は第1図の減衰力
可変型液圧緩衝器のピストン部分を示す部分断面図、第
3図は本考案の他の実施例を示す部分断面図、第4図及
び第5図は第1図の減衰力可変型液圧緩衝器の作用を説
明する概略構成図、第6図(a)は本考案の減衰力可変
型液圧緩衝器におけるピストン速度と伸張側及び圧縮側
の減衰力の大きさとの関係を示すグラフ、第6図(b)
は従来の減衰力可変型液圧緩衝器におけるピストン速度
と伸張側及び圧縮側の減衰力の大きさとの関係を示すグ
ラフ、第7図は従来の減衰力可変型液圧緩衝器の全体構
造を示す断面図である。 21…シリンダ、22…ピストン、23…外筒、24…
ピストンロッド、29…ピストンチェックバルブ、34
…伸側減衰力発生手段、37…ベースチェックバルブ、
44…圧側減衰力発生手段、55…減衰力調整手段、6
0…連通路、61…伸圧兼用減衰バルブ、65…伸圧兼
用減衰手段、A…上部液室、B…下部液室、D…リザー
バ室。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状のシリンダとこのシリンダの外側に
    配設された外筒との間に形成されその内部にガスと液体
    が充填されたリザーバ室と、中空のピストンロッドの一
    端に固定されて前記シリンダに嵌入されこのシリンダを
    上部液室と下部液室とに画成するピストンと、このピス
    トンに付設されピストンの伸張行程時に伸側減衰力発生
    手段を介して上部液室の液体を下部液室に流出させて減
    衰力を発生させるとともにピストンの圧縮行程時に開弁
    して下部液室から上部液室への液体の流通を許容するピ
    ストンチェックバルブと、前記シリンダの下端部に配設
    されピストンの圧縮行程時に圧側減衰力発生手段を介し
    て下部液室内の液体をリザーバ室へ流出させて減衰力を
    発生させるとともにピストンの伸張行程時に開弁してリ
    ザーバ室から下部液室への液体の流通を許容するベース
    チェックバルブと、前記ピストンロッド内を通り前記ベ
    ースチェックバルブを貫通して形成され前記上部液室及
    びリザーバ室間を連通する連通路と、この連通路の途中
    に介装され連通路の通路断面積を変化させてピストンの
    伸張行程時及び圧縮行程時に発生する減衰力を調整する
    減衰力調整手段と、この減衰力調整手段及び前記リザー
    バ室間に介装されピストンの伸張行程時及び圧縮行程時
    に伸圧兼用減衰手段を介して上部液室側からの液体をリ
    ザーバ室へ流出させて減衰力を発生させる伸圧兼用減衰
    バルブとを備えたことを特徴とする減衰力可変型液圧緩
    衝器。
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