JP4636299B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の油圧緩衝器に係り、特にピストンストロークに応じて減衰力を変化させるピストン位置依存型の油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のピストン位置依存型油圧緩衝器は、図7に示すように、有底筒状のシリンダ1を有底筒状の外筒2内に納め、シリンダ1内に摺動可能に嵌装したピストン3から延ばしたピストンロッド4を、シリンダ1および外筒2の開口端部を共通に閉塞するロッドガイド5を摺動可能に挿通してシリンダ1の外部へ延出させ、シリンダ1内のロッド側室6と反ロッド側室7とに油液を封入すると共に、シリンダ1と外筒2との間のリザーバ8に油液およびガスを封入し、ピストン3には、伸び行程時、縮み行程時に減衰力を発生するリリーフ弁(主減衰力発生機構)9、10を設け、さらにロッドガイド5およびシリンダ1の底部1aには、それぞれリザーバ7からロッド側室6、反ロッド側室7への油液の流通のみを許容する逆止弁11、12をそれぞれ設けている。なお、外筒2の底部とピストンロッド4の先端部とには、車両への取付部となるブラケット13a、13bが固設されている。
【0003】
上記した構成は、一般的な油圧緩衝器に見られるもので、ピストン位置依存型油圧緩衝器においては、上記した構成に加えて、シリンダ1の側壁の、ロッドガイド5に近接する部位とその底部1aに近接する部位との2箇所に、伸び行程時、縮み行程時に減衰力を発生する固定オリフィス(第1副減衰力発生機構)14、15を設けると共に、シリンダ1の外壁の、長手方向中間位置よりもロッドガイド5側または底部1a側に偏った部位に、同じく伸び行程時、縮み行程時に減衰力を発生するリリーフ弁(第2副減衰力発生機構)16、17を設けている。第2副減衰力発生機構16、17は、前記ピストン3に設けた主減衰力発生機構9、10よりも低圧で作動(開弁)するようにリリーフ圧が設定されている。なお、ロッドガイド5およびシリンダ1の底部1aには、それぞれ逆止弁11、12と並列に非常用(安全用)の高圧リリーフ弁18、19が設けられている。
【0004】
上記のように構成したピストン位置依存型油圧緩衝器においては ピストン3が2つの第2副減衰力発生機構16と17と間の区間で移動(伸縮)する場合は、その低速移動時には、第1副減衰力発生機構(固定オリフィス)14、15により低い減衰力が、その中速移動時には、主に第2副減衰力発生機構(リリーフ弁)16、17により比較的高い減衰力が、その高速移動時には、主に主減衰力発生機構(リリーフ弁)9、10によって高い減衰力がそれぞれ発生する。一方、ピストン3が2つの第2副減衰力発生機構16、17よりもロッドガイド5側または底部1a側に位置する区間で移動(伸縮)する場合は、第2副減衰力発生機構16、17が非作動状態となるため、ピストン3の低速移動時には、第1副減衰力発生機構14、15により低い減衰力が、その中高速移動時には、主に主減衰力発生機構9、10によって高い減衰力がそれぞれ発生する。すなわち、ピストン3のストローク(位置)並びに移動速度に応じて異なる特性の減衰力が発生し、車両揺れが効果的に減衰されるようになっている。なお、特開2000−283210号公報には、同様のピストン位置依存型油圧緩衝器が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図示した従来のピストン位置依存型油圧緩衝器によれば、伸び側および縮み側で対をなす主減衰力発生機構9、11並びに第2副減衰力発生機構16、17を、伸び側および縮み側に対応してそれぞれ2つ設けなければならないため、部品点数が増加し、それらの組付工数も増加することとなって、コスト負担が上昇する、という問題があった。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、減衰力発生機構の選択幅を犠牲にすることなく部品点数を削減し、もって組付工数の削減並びにコスト低減に寄与するピストン位置依存型油圧緩衝器を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、油液が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、伸び行程で異なる特性の減衰力を発生する複数の伸び側減衰力発生機構と、縮み行程で異なる特性の減衰力を発生する複数の縮み側減衰力発生機構とを備え、前記ピストンのストロークに応じて前記特性の異なる減衰力発生機構を選択的に作動させる油圧緩衝器において、前記複数の減衰力発生機構のうち、伸び側および縮み側で対をなす少なくとも1組の減衰力発生機構を1つのユニットに集約して、該ユニットが、シリンダ内のロッド側室または反ロッド側室の油圧上昇に応じて開弁するリリーフ弁からなることを特徴とする。
このように構成した油圧緩衝器においては、伸び側および縮み側で対をなす減衰力発生機構の少なくとも1組をユニット化することで、部品点数の削減を達成できる。
【0007】
上記したリリーフ弁は、シリンダ内のロッド側室および反ロッド側室に通じる2つのポートと、該2つのポートから共通に圧力を受ける1つのポペット弁と、該ポペット弁を閉弁方向へ付勢するばね手段とを備えている構造とし、あるいはシリンダ内のロッド側室および反ロッド側室に通じる2つのポートと、該2つのポートから独立に圧力を受ける、伸縮可能に連結された2つのポペット弁と、該2つのポペット弁を閉弁方向へ付勢するばね手段とを備えている構造とすることができる。前者のリリーフ弁は、汎用のリリーフ弁にポートを追加するだけでよいので構造が簡単となり、後者のリリーフ弁は、ポペット弁をシリンダの軸方向へ配列することができるので、径方向での小型化を達成できる。
本発明は、上記したユニットを、伸び側と縮み側とで異なる減衰力を発生する構成としてもよいものである。このような構成とするには、上記した各リリーフ弁において2つのポートの流路面積を変えるようにしても、あるいは上記した後者のリリーフ弁において、2つのポペット弁に対するばね手段のばね力を変えるようにしてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
図1〜図3は、本発明に係るピストン位置依存型油圧緩衝器の一つの実施の形態を示したものである。なお、本油圧緩衝器の基本構造は、前記図6に示したものと同じであるので、ここでは、同一部分に同一符号を付し、重複する説明は省略することとする。本実施の形態の特徴とするところは、前記図6に示したシリンダ1の外壁の2つのリリーフ弁(第2副減衰力発生機構)16、17を1つのリリーフ弁(ユニット)20に集約した点にある。
【0010】
すなわち、該リリーフ弁20は、図2によく示されるように、底部に2つのポート21、22を有する有底筒状のバルブケース23を備えている。2つのポート21、22は、一端が内底面に、他端が側壁の相反する部位にそれぞれ開口するようにバルブケース23の底部にL字形に設けられている。2つのポート21、22はまた、異なる流路面積を有しており、その一方は小径ポート21として、その他方は大径ポート22として構成されている。ここで、2つのポート21、22を、それぞれ小径、大径として異なる流路面積としているが、これは、ピストン3の両側における受圧面積差による伸び行程時と縮み行程時との減衰力の相違を吸収し、伸び行程時および縮み行程時で、ピストン3の移動速度が同じ場合においてほぼ同一の減衰力を発生させるためである。バルブケース23内には、前記2つのポート21、22から圧力を受けるポペット弁24と、バルブケース23の開口端部に螺合したばね受け25に一端が支承され、ポペット弁24を常時は2つのポート21、22を閉鎖する方向すなわち閉弁方向へ付勢する圧縮ばね(ばね手段)26とを備えている。なお、ばね受け25には複数の貫通孔25aが設けられている。
【0011】
本リリーフ弁20は、前記2つのポート22、23を設けたバルブケース23の底部側をシリンダ1の外壁に設けた凸部27に嵌合させた状態で該シリンダ1に一体化され、この状態で、そのバルブケース23の内部がばね受け25に設けられた貫通孔25aを通じて前記リザーバ8に連通するようになっている。しかして、シリンダ1の凸部27には、前記リリーフ弁20の2つのポート21、22をシリンダ1内にそれぞれ連通させる2つの油路28、29が形成されている。これら2つの油路のうち、一方の油路28のシリンダ内面側開口部28aは、シリンダ1の長手方向中間位置よりもロッドガイド5側に偏った部位に、他方の油路29のシリンダ内面側開口部29aは、シリンダ底部1a側に偏った部位にそれぞれ設定されている。したがって、ピストン3がシリンダ1の長手方向中間部分に位置している状態では、小径ポート21はロッド側室6に、大径ポート22は反ロッド側室7にそれぞれ連通する状態となる。なお、シリンダ1の外壁に設けた凸部27は、図1ではシリンダ1の一部として示されているが、この凸部27は、シリンダ1とは別体として、シリンダ1に接合一体化するようにしてもよいものである。また、この油路28、29は、前記シリンダ1から切離した配管内に設定してもよいものである。
ここで、油圧緩衝器に取付ける被取付部材側の寸法によっては、油圧緩衝器を、例えば、図1に示す用荷ピストン3がシリンダ1の長手方向中間部分に位置している状態からロッドガイド5側に偏らせた位置とした状態を基準長(ダンパセット長)とする場合もあるが、この場合、シリンダ内面側開口部28a、29aを、ダンパセット長に応じてシリンダ1の長手方向に対して、それぞれをロッドガイド5側に偏らせて設ければよい。また、被取付部材の振動特性等に応じて、シリンダ内面側開口部28a、29aを、例えば、図1に示す位置から互いに近接させたり、離間させたり、シリンダ内面側開口部28aのみをロッドガイド5側に位置するように設定することもできる。
【0012】
ところで、ピストン3に設けられた主減衰力発生機構としてのリリーフ弁9、10は、従来汎用のもので、図3に示すように、ピストン31に設けられた油路30に設定したポート31から圧力を受けるポペット弁32と、ピストン3に螺合したリング状ばね受け33に一端が支承され、ポペット弁32を常時閉弁方向へ付勢する圧縮ばね(ばね手段)34とを備えている。なお、ポペット弁32は、その先端に設けた扁平突起または溝付き突起32aをポート31に嵌合させることにより、その円滑な動きが保証されている。ここで、図3には、伸び行程時に減衰力を発生する主減衰力発生機構9が示されているが、縮み行程時に減衰力を発生する主減衰力発生機構10の場合は、ポペット弁32の向きが図示の状態とは逆になる。また、ロッドガイド5およびシリンダ1の底部1aに設けられた高圧リリーフ弁18、19も、この主減衰力発生機構としてのリリーフ弁9、10とほぼ同一の構成になっているが、ポペット弁を常時閉弁方向へ付勢する圧縮ばねのばね力を異ならせている。
【0013】
以下、上記のように構成した油圧緩衝器の作用を説明する。
[伸び行程時]
(1)ピストン3が、シリンダ1に設けた2つの油路28、29のシリンダ内面側開口部28aと29aとの間の区間に位置して、伸び側へ移動する場合は、その低速移動時には、第1副減衰力発生機構としての固定オリフィス14を通じてロッド側室6の油液がリザーバ8へ流れ、低い減衰力が発生する。また、ピストン3の中速移動時には、ロッド側室6の油液が、主にシリンダ1に設けた一方の流路28から第2副減衰力発生機構としてのリリーフ弁20の小径ポート21に流れ、リリーフ弁20のポペット弁24を開弁させてリザーバ8へ流れ、比較的高い減衰力が発生する。さらに、ピストン3の高速時には、ロッド側室6の油液が、主に主減衰力発生機構としてのリリーフ弁9を開弁させて反ロッド側室7へ流れ、より高い減衰力が発生する。
(2)一方、ピストン3が、上記シリンダ1に設けた2つの油路のうちの一方の油路28のシリンダ内面側開口部28aよりもロッドガイド5側に位置する区間で伸び側へ移動する場合は、該開口部28aがピストン3により閉塞されるか、低圧の反ロッド側室7に開口するため、その低速移動時には、固定オリフィス14を通じてロッド側室6の油液がリザーバ8へ流れ、低い減衰力が発生する。また、ピストン3中高速移動時には、ロッド側室6の油液が、主に主減衰力発生機構としてのリリーフ弁9を開弁させて反ロッド側室7へ流れ、高い減衰力が発生する。
なお、上記伸び行程時には、何れの場合においてもリザーバ8内の油液がシリンダ1の底部1aの逆止弁12を開いて反ロッド側室7に流入する。また、ピストン3が極端に早い速度で移動する場合は、ロッドガイド5に設けた高圧用リリーフ弁18が開弁し、安全が保たれる。
【0014】
[縮み行程時]
(1)ピストン3が、シリンダ1に設けた2つの油路28、29のシリンダ内面側開口部28aと29aとの間の区間に位置して、縮み側へ移動する場合は、その低速移動時には、第1副減衰力発生機構としての固定オリフィス15を通じて反ロッド側室7の油液がリザーバ8へ流れ、低い減衰力が発生する。また、ピストン3の中速移動時には、反ロッド側室7の油液が、主にシリンダ1に設けた他方の流路29から第2副減衰力発生機構としてのリリーフ弁20の大径ポート22に流れ、リリーフ弁20のポペット弁24を開弁させてリザーバ8へ流れ、比較的高い減衰力が発生する。さらに、ピストン3の高速移動時には、反ロッド側室7の油液が、主に主減衰力発生機構としてのリリーフ弁10を開弁させてロッド側室6へ流れ、より高い減衰力が発生する。
(2)一方、ピストン3が、上記シリンダ1に設けた2つの油路のうちの一方の油路29のシリンダ内面側開口部29aよりもシリンダ底部1a側に位置する区間で縮み側へ移動する場合は、該開口部29aがピストン3により閉塞されるか低圧のロッド側室6に開口するため、その低速移動時には、固定オリフィス15を通じて反ロッド側室7の油液がリザーバ8へ流れ、低い減衰力が発生する。また、ピストン3の中高速移動時には、反ロッド側室7の油液が、主に主減衰力発生機構としてのリリーフ弁10を開弁させてロッド側室6へ流れ、高い減衰力が発生する。
なお、上記縮み行程時には、何れの場合においてもリザーバ8内の油液がロッドガイド5に設けた逆止弁11を開いてロッド側室6に流入する。また、ピストン3が極端に早い速度で移動する場合は、シリンダ底部1aに設けた高圧リリーフ弁19が開弁し、安全が保たれる。
【0015】
このように、ピストン3のストローク(位置)並びに移動速度に応じて異なる特性の減衰力が発生し、従来と同様に車両揺れが効果的に減衰される。しかして、本実施の形態においては、第2副減衰力発生機構としてのリリーフ弁が一つのリリーフ弁20に集約されているので、部品点数が削減するばかりか組付工数が削減し、その分、コスト低減を達成できる。本実施の形態においては特に、該リリーフ弁20が、汎用のリリーフ弁(図3に示すものと実質同じ構造)にポートを1つ追加するだけとなっているので、その構造は簡単となり、部品点数のより一層の削減を達成できる。
【0016】
ここで、上記第2副減衰力発生機構としてのリリーフ弁20は、図4または図5に示すような構造に変更することができる。なお、図4および図5において、前記図2に示したものと同一構成要素には同一符号を付している。
【0017】
図4に示したリリーフ弁20´は、バルブケース23をシリンダ1の軸方向へ横置きとして、前記シリンダ1に設けられた一方の油路28に連通する小径ポート21のみをこのバルブケース23の底部に設け、シリンダ1に設けられた他方の油路29に連通する大径ポート22を前記ばね受け25に設けている。また、バルブケース23内には、相互に伸縮可能に雌雄嵌合(連結)させた2つのポペット弁40、41を配設し、一方のポペット弁40は伸び行程用として前記小径ポート21に、他方のポペット弁41は縮み行程用として前記大径ポート22にそれぞれ対向させている。また、前記圧縮ばね(ばね部材)26は、両ポペット弁40と41との間に介装して、両者で共用するようにしている。なお、バルブケース23の側壁には前記リザーバ8に連通する貫通孔23aが設けられている。
このリリーフ弁20´の作用は、上記実施の形態におけるリリーフ弁20と実質同じあり、伸び行程時には一方のポペット弁40が、縮み行程時には他方のポペット弁41がそれぞれ開弁して比較的高い減衰力が発生する。この場合、2つのポート21と22との流路面積の差により、伸び行程時と縮み行程時とでほぼ同一の減衰力が発生することも、上記実施の形態と同様である。しかして、本リリーフ弁20´によれば、バルブケース23を横置きとして、2つのポペット弁40、41をシリンダ1の軸方向に配列しているので、シリンダ1の半径方向にそれほどスペースをとらず、したがって、油圧緩衝器の全体を比較的小径に形成することが可能になる。
【0018】
図5に示したリリーフ弁20" は、上記図4に示したリリーフ弁20´と実質同じ構造において、2つのポート21、22の流路面積を同一に設定し、2つのポペット弁40、41に共用したばね部材26とは別に、伸び行程用のポペット弁40を常時閉弁方向へ付勢する追加のばね部材45を設けたことを特徴としている。
このリリーフ弁20"の作用は、上記図4に示したリリーフ弁20´と実施同じであるが、縮み行程用のポペット弁41には共用のばね部材26のばね力が作用しているのに対し、伸び行程用のポペット弁40には、この共用のばね部材26と追加のばね部材45とのばね力が作用しているので、このばね力に差をもたせて設定することにより伸び行程時と縮み行程時とでほぼ同一の減衰力が発生する。
【0019】
なお、上記リリーフ弁20(図2)およびリリーフ弁20´(図4)において、伸び行程時と縮み行程時とでほぼ同一の減衰力を得るために、伸び行程用のポート21を小径、縮み行程用のポート22を大径にしたが、伸び行程時と縮み行程時とで減衰力を異ならせる場合には、これらを逆の関係、すなわち伸び行程用のポート21を大径、縮み行程用のポート22を小径とし、また、これら2つのポート21、22を同一の流路面積を有する構成とすればよい。
また、上記リリーフ弁20"(図5)において、2つのポート21と22とは同じ流路面積を有しているが、伸び行程時と縮み行程時とで減衰力を異ならせる場合には、異なる流路面積を有する構成としてもよく、またばね部材26とばね部材45とのばね力を同一にする構成としてもよい。
【0020】
さらに、上記実施の形態においては、シリンダ1の外壁の2つのリリーフ弁(第2副減衰力発生機構)16、17を1つのリリーフ弁20(20´、20")に集約したが、本発明は、これに代えてまたはこれに加えて、図6に示すようにピストン3´に設ける2つの主減衰力発生機構(リリーフ弁)9´、10´を1つのユニットに集約してもよいものである。ただし、この場合は、別途、伸び行程時と縮み行程時とで独立の油液流れを形成するためのチェック弁9a、10aが必要である。
【0021】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明に係る油圧緩衝器によれば、伸び側および縮み側で対をなす減衰力発生機構の少なくとも1組をユニット化したので、部品点数並びに組付工数が削減し、減衰力発生機構の選択幅を犠牲にすることなく製造コストの低減を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るピストン位置依存型油圧緩衝器の全体構造を示す断面図である。
【図2】ユニット化したリリーフ弁の構造を示す断面図である。
【図3】ピストンに設けた主減衰力発生機構としてのリリーフ弁の構造を示す断面図である。
【図4】図2に示したリリーフ弁の変形構造を示す断面図である。
【図5】図4に示したリリーフ弁の変形構造を示す断面図である。
【図6】ピストンに設けるリリーフ弁をユニット化した構造を示す断面図である。
【図7】従来のピストン位置依存型油圧緩衝器の全体構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ、 2 外筒、 3 ピストン
4 ピストンロッド、 5 ロッドガイド
6 ロッド側室、 7 反ロッド側室、 8 リザーバ
9、10 主減衰力発生機構(リリーフ弁)
11、12 逆止弁
14、15 第1副減衰力発生機構(固定オリフィス)
20、20´、20" 第2副減衰力発生機構(リリーフ弁…ユニット)
21、22 ポート
24、40、41 ポペット弁
26 圧縮ばね(ばね手段)
28、29 シリンダに設けた油路
45 追加のばね
Claims (6)
- 油液が封入されたシリンダと、シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が該ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、伸び行程で異なる特性の減衰力を発生する複数の伸び側減衰力発生機構と、縮み行程で異なる特性の減衰力を発生する複数の縮み側減衰力発生機構とを備え、前記ピストンのストロークに応じて前記特性の異なる減衰力発生機構を選択的に作動させる油圧緩衝器において、
前記複数の減衰力発生機構のうち、伸び側および縮み側で対をなす少なくとも1組の減衰力発生機構を1つのユニットに集約して、該ユニットが、シリンダ内のロッド側室または反ロッド側室の油圧上昇に応じて開弁するリリーフ弁からなることを特徴とする油圧緩衝器。 - リリーフ弁が、シリンダ内のロッド側室および反ロッド側室に通じる2つのポートと、該2つのポートから共通に圧力を受ける1つのポペット弁と、該ポペット弁を閉弁方向へ付勢するばね手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
- 2つのポートが、異なる流路面積を有していることを特徴とする請求項2に記載の油圧緩衝器。
- リリーフ弁が、シリンダ内のロッド側室および反ロッド側室に通じる2つのポートと、該2つのポートから独立に圧力を受ける、伸縮可能に連結された2つのポペット弁と、該2つのポペット弁を閉弁方向へ付勢するばね手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の油圧緩衝器。
- 2つのポートが、異なる流路面積を有しており、ばね手段が、2つのポペット弁に共用されることを特徴とする請求項4に記載の油圧緩衝器。
- 2つのポートが、同じ流路面積を有しており、ばね手段が、前記2つのポペット弁の何れか一方を付勢する追加のばね部材を備えていることを特徴とする請求項4に記載の油圧緩衝器。
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