JPH11257405A - オイルダンパ - Google Patents

オイルダンパ

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JPH11257405A
JPH11257405A JP7485098A JP7485098A JPH11257405A JP H11257405 A JPH11257405 A JP H11257405A JP 7485098 A JP7485098 A JP 7485098A JP 7485098 A JP7485098 A JP 7485098A JP H11257405 A JPH11257405 A JP H11257405A
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JP
Japan
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oil
piston
damping
valve
valves
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JP7485098A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Kamei
俊明 亀井
Kunio Furukawa
邦雄 古川
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストン速度が低速域にあるときにも必要な
大きさの減衰力発生を可能にし、かつ、全体的な大型化
を招来させない。 【解決手段】 ダンパ本体を構成するシリンダ体内に収
装可能に収装されてシリンダ体内に一方の油室と他方の
油室を区画するピストンに二組の減衰弁およびリリーフ
弁を有してなるオイルダンパにおいて、ピストンに一方
の油室からおよび他方の油室からそれぞれ反対側の油室
に向けて油が流出することを阻止するチェック弁が配在
されてなると共に、ロッド体内に二つの減衰弁の下流側
に連通するアキュムレータが配在されてなり、かつ、減
衰弁がピストン速度の低速域から中速域における油の通
過を許容するように設定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、オイルダンパの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、およそオイルダンパは、
外部入力で伸縮する際に減衰作用をして所定のエネルギ
ー吸収を実現し得るように設定されるが、多くの場合
に、常用されるピストン速度の低速域から中速域にかけ
ての伸縮時に所定の減衰作用をしながら、言わば異常と
なるピストン速度の高速域時にはリリーフ機能を発揮す
るように設定されるとしている。
【0003】すなわち、たとえば、図5に示すオイルダ
ンパにあって、まず、ダンパ本体1は、シリンダ体11
とこのシリンダ体11内に出没可能に挿通されるロッド
体12を有してなると共に、シリンダ体11内にはロッ
ド体12に連設されながら摺動可能に収装されてこのシ
リンダ体11内に二つの油室R1,R2を区画するピス
トン13を有してなるが、このピストン13に二組の減
衰弁2,3およびリリーフ弁4,5を有してなるとして
いる。
【0004】ちなみに、二つの油室R1,R2は、ダン
パ本体1がシリンダ体11の両端からロッド体12をそ
れぞれ突出させるいわゆる両ロッド型に設定されている
ことから、同じ受圧面積を有するとしている。
【0005】そして、減衰弁2は、一方の油室R1が高
圧側となるときに他方の油室R2への油の通過を許容
し、また、減衰弁3は、他方の油室R2が高圧側となる
ときに一方のR1への油の通過を許容し、その際にそれ
ぞれ所定の減衰力を発生するように設定されている。
【0006】また、リリーフ弁4は、一方の油室R1が
異常高圧となるときに他方の油室R2への流出を許容
し、また、リリーフ弁5は、他方の油室R2が異常高圧
となるときに一方のR1への油の流出を許容するように
設定されている。
【0007】一方、このオイルダンパにあっては、上記
の油室R1,R2がダンパ本体1の外部に配在のバイパ
ス路Lを介して互いに連通されてなるとしているが、こ
のバイパス路L中には油室R1,R2間における油の逆
流をそれぞれ阻止するチェック弁6,7が配在されると
共に、各チェック弁6,7にそれぞれ並列するオリフィ
ス絞り8,9が配在されてなるとしている。
【0008】そして、上記のバイパス路Lには、上記の
各チェック弁6,7の間となる部位でアキュムレータ1
0が接続されてなるとしている。
【0009】それゆえ、上記のオイルダンパにあって
は、外部入力で、たとえば、ピストン13がシリンダ体
11内を図5中で左行して一方の油室R1が高圧側とな
るときに、ピストン速度が低速域にあるときには、一方
の油室R1からの油がバイパス路L中のオリフィス絞り
8およびチェック弁7を通過して他方の油室R2に流入
する。
【0010】そして、ピストン速度が中速域になると、
一方の油室R1からの油が減衰弁2を通過して他方の油
室R2に流入し、ピストン速度が高速域になると、一方
の油室R1からの油がリリーフ弁4を介して他方の油室
R2に流入する。
【0011】また、上記と逆に、ピストン13がシリン
ダ体11内を図5中で右行して他方の油室R2が高圧側
となるときには、他方の油室R2からの油が、ピストン
速度が低速域にあれば、バイパス路L中のオリフィス絞
り9およびチェック弁6を通過して、また、ピストン速
度が中速域になれば、減衰弁3を通過して、さらに、ピ
ストン速度が高速域になれば、リリーフ弁5を介して、
一方の油室R1に流入することになる。
【0012】その結果、上記のオイルダンパにあって
は、図6に示すように、ピストン速度の低速域には、オ
リフィス特性の減衰力が発生すると共に、ピストン速度
の中速域以上では、減衰弁2,3とリリーフ弁4,5が
バルブ特性の減衰力を発生するように設定されること
で、所期の減衰作用を実現し得ることになる。
【0013】ちなみに、油室R1,R2における油温上
昇で油が膨張したときには、この膨張分の油がオリフィ
ス絞り8,9を介してアキュムレータ10に流出される
と共に、油室R1,R2における油温低下で油が収縮し
たときには、油室R1,R2において不足することにな
る油がオリフィス絞り8,9を介してアキュムレータ1
0から補給される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たオイルダンパにあっては、まず、ピストン速度が低速
域にあるときの減衰力がいわゆるダレてしまい、必要な
大きさの減衰力が得られなくなる不具合がある。
【0015】すなわち、上記のオイルダンパにあって
は、ピストン速度の低速域における減衰力発生を保障す
ることから当然であるが、バイパス路L中にアキュムレ
ータ10を有していて、ダンパ本体1における油量補償
はもちろんのこと、ダンパ本体1における温度補償をも
可能にしていることから、上記のバイパス路L中へのオ
リフィス絞り8,9の配設を省略できないことになる。
【0016】その結果、ピストン速度が低速域にあると
きの減衰力を全体的に大きくしようとしてもこれを実現
できないことになる。
【0017】つぎに、上記したオイルダンパにあって
は、ダンパ本体1の外部にバイパス路Lを設けると共
に、このバイパス路L中にチェック弁6,7およびオリ
フィス絞り8,9を配在し、さらに、このバイパス路L
にアキュムレータ10を接続する構成とされている。
【0018】それゆえ、オイルダンパの具体化にあっ
て、バイパス路L,チェック弁6,7およびオリフィス
絞り8,9は、多くの場合に、ダンパ本体1の外部に設
けられるであろうバルブブロック内に配在されることに
なり、また、アキュムレータ10は、多くの場合に、こ
のバルブブロックに連設されることになる。
【0019】その結果、上記のバルブブロックがダンパ
本体1に連設される場合には、オイルダンパにおける全
体的な大型化が招来されることになり、たとえば、この
オイルダンパが建築物における耐震性を向上させるため
のブレースに接続された状態で建築物における壁スペー
スに配在されて制振装置を構成するとする場合に、その
配備性を低下させることになる不具合がある。
【0020】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、ピストン
速度が中速域以上となるときに所定の減衰作用が実現さ
れるのはもちろんのこと、ピストン速度が低速域にある
ときにも必要な大きさの減衰力発生が可能になり、しか
も、全体的な大型化を招来させずして、その汎用性の向
上を期待するのに最適となるオイルダンパを提供するこ
とである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明によるオイルダンパの構成を、基本的
には、ダンパ本体がシリンダ体とこのシリンダ体内に出
没可能に挿通されるロッド体を有してなると共に、シリ
ンダ体内にロッド体に連設されながら摺動可能に収装さ
れてこのシリンダ体内に一方の油室と他方の油室を区画
するピストンを有してなり、このピストンに二組の減衰
弁およびリリーフ弁を有してなるオイルダンパにおい
て、ピストンに一方の油室からおよび他方の油室からそ
れぞれ反対側の油室に向けて油が流出することを阻止す
るチェック弁が配在されてなると共に、ロッド体内に二
つの減衰弁の下流側に連通するアキュムレータが配在さ
れてなり、かつ、減衰弁がピストン速度の低速域から中
速域における油の通過を許容するように設定されてなる
とする。
【0022】それゆえ、ダンパ本体の外部には、各チェ
ック弁およびアキュムレータが配在されなくなり、全体
的な大型化を招来させないのみならず、積極的なコンパ
クト化を可能にする。
【0023】そして、たとえば、減衰弁がポペット構造
に形成されてなるとすることで、オリフィス絞りによら
ずしてピストン速度の低速域における大きい減衰力の発
生を可能にし、しかも、その際の発生減衰力の特性をバ
ルブ特性にし得る。
【0024】また、上記の減衰弁では、ピストン速度の
低速域に引き続いてピストン速度の中速域における減衰
力発生をも可能にするから、段差のないリニアな特性の
減衰力発生が可能になる。
【0025】そして、上記のポペット構造に形成される
減衰弁では、ポペットにおける初期荷重がほぼ零になる
ように設定されることで、この減衰弁の上流側となる油
室における油温上昇で膨張した分の油のこの減衰弁を介
してのアキュムレータ側への漏出を可能にする。
【0026】また、上記のようにポペットにおける初期
荷重がほぼ零になるように設定される場合には、ピスト
ンがシリンダ体内を摺動する初期に高圧側となる油室で
油が圧縮し、反対側の低圧側の油室で油量不足となると
きに、不足分に相当する量の油がアキュムレータからチ
ェック弁を介して供給されて、低圧側の油室にある油中
での気泡発生を回避可能にする。
【0027】そして、上記から反転してピストンがシリ
ンダ体内を摺動する初期にそれまで低圧側であった油室
において過剰となる油が減衰弁を介してアキュムレータ
に流入し、それまで高圧側にあった油室が低圧側に転じ
ようとする場合の残圧発生を回避可能にする。
【0028】さらに、減衰弁の下流側における最低油圧
がアキュムレータにおける背圧で適宜に設定されること
で、減衰弁に上記した油温上昇時の膨張した分の油の漏
出作動と、ピストン速度の低速域における減衰力発生
と、これに引き続くピストン速度の中速域における減衰
力発生とを保障させることが可能になり、また、ピスト
ン速度の高速域におけるリリーフ弁の作動をも保障させ
ることが可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に、図示したところに基づい
て、この発明を説明するが、この発明によるオイルダン
パにあっても、図1に示すように、基本的には、前記し
た図5に示す従来例としてのオイルダンパと同様の要素
を有して構成されている。
【0030】それゆえ、この発明によるオイルダンパに
あって、その構成が上記の従来例と同様となるところに
ついては、図1中におよび以下に図示する実施の形態に
おいて、同一の符号を付するのみとして、必要な場合を
除き、その詳しい説明を省略し、以下には、この発明に
おいて特徴となるところを中心に説明する。
【0031】すなわち、まず、この発明によるオイルダ
ンパは、図1に示すように、二組の減衰弁2,3および
リリーフ弁4,5がピストン13に配在されてなるとす
るのはもちろんのこと、このピストン13にはチェック
弁6,7が配在されてなるとし、かつ、ロッド体12に
アキュムレータ10が内蔵されてなるとして、ダンパ本
体1のみからなる外観を呈している。
【0032】これによって、ダンパ本体1の外部にバイ
パス路(図5中の符号L参照)を配在させることを要し
なくなり、このバイパス路を設けるための、また、この
バイパス路中にチェック弁6,7およびオリフィス絞り
8,9を配在させるためのバルブブロックの連設などを
省略できることになる。
【0033】つぎに、この発明によるオイルダンパで
は、ロッド体12内にアキュムレータ10が配在されて
なるとするが、このアキュムレータ10は、ピストン1
3に配在の二つの減衰弁2,3の下流側に連通するとし
ている。
【0034】これによって、ダンパ本体1の外部にアキ
ュムレータ10を設けることによる不具合を、また、た
とえば、上記したバルブブロックにアキュムレータ10
を連設することによるオイルダンパの全体的な大型化を
阻止できることになる。
【0035】一方、この発明によるオイルダンパでは、
減衰弁2,3がピストン速度の低速域における油の通過
とこれに引き続くピストン速度の中速域における油の通
過を許容し得るように設定されてなるとしている。
【0036】これによって、まず、前記した従来例にお
けるオリフィス絞り(図5中の符号8,9参照)を配在
することなくして、ピストン速度の低速域における減衰
力発生をこの減衰弁2,3に担保させることが可能にな
る。
【0037】したがって、たとえば、減衰弁2,3をポ
ペット構造に設定することで、図2に示すように、前記
した従来例(図6参照)に比較すれば、バルブ特性の大
きい減衰力の発生を可能にし得ることになる。
【0038】つぎに、この減衰弁2,3がピストン速度
の低速域における油の通過に引き続いてピストン速度の
中速域における油の通過をも許容するように設定される
ことで、図2に示すように、ピストン速度の低速域から
中速域にかけての発生減衰力を段差のないリニアな特性
のものとして具現化できることになる。
【0039】さらに、この減衰弁2,3における初期荷
重がほぼ零になるように設定されることで、すなわち、
減衰弁2,3がポペット構造に設定されるときのポペッ
トにおける初期荷重がほぼ零になるように設定されるこ
とで、各減衰弁2,3の上流側となる油室R1,R2に
おける油温上昇で油が膨張したときに、この膨張分の油
が上記のポペットを押し開くようにしてアキュムレータ
10側に漏出することを可能にし得ることになる。
【0040】また、上記のようにポペットにおける初期
荷重がほぼ零になるように設定されることで、ピストン
13がシリンダ体11内を摺動することによって生じ得
る油室R1,R2内におけるいわゆる残圧発生を回避し
得ることにもなる。
【0041】すなわち、たとえば、ピストン13がシリ
ンダ体11内を図1中で左行するように摺動する初期に
は、油室R1が高圧側となると共に、このときに、油室
R1の油が圧縮する。
【0042】それに対して、反対側の低圧側の油室R2
では油量不足を生じ、したがって、このときには、油室
R2で不足することになる量に相当する分の油がアキュ
ムレータ10からチェック弁7を介して補給されること
になり、その結果、低圧側の油室R2にある油中での気
泡発生が回避されることになる。
【0043】そしてまた、上記から反転してピストン1
3がシリンダ体11内を図1中で右行するように摺動す
る初期には、それまで低圧側であった油室R2において
は、すなわち、高圧側に転じようとしている油室R2に
おいては、アキュムレータ10から補給された分の油が
過剰となる。
【0044】しかし、この過剰となる油は、減衰弁3を
介してアキュムレータ10に直接流入することになり、
それまで高圧側にあった油室R1が低圧側に転じようと
する場合の油室R1における残圧発生が回避されること
になる。
【0045】ところで、この発明によるオイルダンパで
は、減衰弁2,3の下流側における最低油圧がアキュム
レータ10における背圧で設定されてなるとしている。
【0046】これによって、減衰弁2,3に上記の残圧
発生に関与する油の排出作動と、前記の油温上昇時の膨
張した分の油の漏出作動と、ピストン速度の低速域にお
ける減衰力発生と、これに引き続くピストン速度の中速
域における減衰力発生とを保障させることが可能になる
と共に、さらには、ピストン速度の高速域におけるリリ
ーフ弁4,5の作動をも保障させることが可能になる。
【0047】ちなみに、アキュムレータ10における背
圧に起因する減衰弁2,3の下流側における最低油圧
は、多くの場合に、3キロ程度に設定される。
【0048】また、減衰弁2,3の下流側は、前記した
チェック弁6,7のいわゆる上流側に連通している。
【0049】以上のように構成されたこの発明によるオ
イルダンパの作動は、以下のようになる。
【0050】すなわち、ダンパ本体1が外部入力で、た
とえば、ピストン13がシリンダ体11内を図1中で左
行して一方の油室R1が高圧側となるときに、ピストン
速度が低速域にあるときおよび中速域にあるときには、
一方の油室R1からの油が減衰弁2およびチェック弁7
を介して他方の油室R2に流入する。
【0051】そして、ピストン速度が高速域になると、
一方の油室R1からの油がリリーフ弁4を介して他方の
油室R2に流入する。
【0052】また、上記と逆に、ピストン13がシリン
ダ体11内を図1中で右行して他方の油室R2が高圧側
となるときには、他方の油室R2からの油が、ピストン
速度が低速域および中速域にあれば、減衰弁3およびチ
ェック弁8を介して一方の油室R1に流入し、ピストン
速度が高速域になれば、リリーフ弁5を介して一方の油
室R1に流入することになる。
【0053】さらに、ダンパ本体1が伸縮しているか否
かにかかわりなく、油室R1,R2における油温上昇で
油が膨張したときには、この膨張分の油が減衰弁2,3
を介してアキュムレータ10に流出されると共に、油室
R1,R2における油温低下で油が収縮したときには、
油室R1,R2において不足することになる油がチェッ
ク弁6,7を介してアキュムレータ10から補給され
る。
【0054】それゆえ、このダンパ本体1における作動
は、基本的には、前記した従来例における場合と同様で
あるが、ピストン速度の低速域の油が、また、油室R
1,R2における油温上昇で膨張した分の油が減衰弁
2,3を通過するとした点に前記した従来例との差異が
ある。
【0055】そして、特に、ピストン速度の低速域の油
が減衰弁2,3を通過することで発生される減衰力が少
なくともオリフィス特性にならず、したがって、減衰弁
2,3を、たとえば、ポペット構造に設定することを条
件に、バルブ特性の減衰力発生を実現できることになる
点で有利となる。
【0056】また、残圧発生を減衰弁2,3によって回
避し得ること、特に、減衰弁2,3を通過した油がオリ
フィス絞り(図5中の符号8,9)などを介さずして直
接アキュムレータ10に流入し得ることから、速やかな
残圧解消が可能になり、以降にこの減衰弁2,3の作動
で発生される減衰力を安定させる点で有利となる。
【0057】以上のように構成されたオイルダンパを具
体化すると、たとえば、図3に示すように形成されるこ
とになるが、以下には、この具体化したところについて
少し説明する。
【0058】ちなみに、図3においては、減衰弁2,3
のうち減衰弁2のみを図示して減衰弁3の図示を省略し
ているが、減衰弁3の構成および作動は、減衰弁2と同
様であるので、必要な場合を除いて、減衰弁2の説明で
代替えする。
【0059】また、リリーフ弁4,5については、図3
中での図示を省略すると共に、リリーフ弁4,5のうち
リリーフ弁4のみを図4に示すが、リリーフ弁5の構成
および作動は、リリーフ弁4と同様であるので、これま
た必要な場合を除いて、リリーフ弁4の説明で代替えす
る。
【0060】そして、ダンパ本体1は、シリンダ体11
の両端からロッド体12を突出させる両ロッド型に設定
されてなるとするが、図示するところでは、図3中で左
端側となるシリンダ体11の一端側の図示を省略してい
る。
【0061】また、図3中で右端側となるシリンダ体1
1の他端側には、ここを軸封する軸封部材14を介して
筒状のブラケット15が連設されていて、この筒状のブ
ラケット15が図示しない他部に連結されるとしてい
る。
【0062】まず、減衰弁2は、ポペット21とこのポ
ペット21を背後側から附勢する附勢ばね22とを有し
てなるとしている。
【0063】そして、この減衰弁2において、附勢ばね
22の附勢力がピストン速度の低速域から中速域におけ
る油の通過と、油室R1において油温が上昇した際に膨
張した分の通過とを許容し得るように設定されてなる、
すなわち、ポペット21がピストン13におけるシート
部13aに着座しているときに、附勢ばね22の附勢力
が附勢力がほぼ零になるように設定されてなるとしてい
る。
【0064】ちなみに、ポペット21の尖端は、上記の
シート部13aを形成すべくピストン13に開穿されて
油室R1に連通するポート13bに対向し、また、ポペ
ット21の背後側は、同じくピストン13に開穿されて
このピストン13の内周側に連通する横孔13cに連通
し、この横孔13cは、ロッド体12のインロー部12
aの外周に形成の凹状溝12bに連通してなるとしてい
る。
【0065】そして、この凹状溝12bは、上記のイン
ロー部12aに開穿された横孔12cに連通し、この横
孔12cは、インロー部12aの軸芯部に開穿された縦
孔12dに連通し、この縦孔12dは、後述するアキュ
ムレータ10における油室R3に開口するとしている。
【0066】また、上記の凹状溝12bは、ピストン1
3に別途開穿の横孔13dに連通するとしており、この
横孔13dは、同じくピストン13に開穿の縦孔13e
に連通すると共にこの縦孔13eを介して後述するチェ
ック弁6,7のいわゆる上流側に連通するとしている。
【0067】なお、附勢ばね22の基端は、ピストン1
3に螺着されたキャップ23に係止されており、このキ
ャップ23は、上記したポペット21の背後側における
油通路の形成を実現している。
【0068】つぎに、ピストン13に配在のチェック弁
6,7は、それぞれがポペット61,71を有してなる
ポペット構造に設定されてなるもので、このポペット6
1,71を背後側から附勢する附勢ばね62,72は、
ピストン13に螺着されたキャップ63,73に係止さ
れている。
【0069】そして、各ポペット61,71の尖端は、
前記した凹状溝12bに連通する前記ピストン13に開
穿の縦孔13eに対向している。
【0070】ちなみに、上記のキャップ63,73に
は、それぞれ透孔63a,73aが形成されていて、ポ
ペット61,71の背後側に油圧が作用すること、およ
び、ポペット61,71の尖端側からのポペット61,
71を押し開いての油の通過を許容するとしている。
【0071】なお、このチェック弁6,7における附勢
ばね62,72の附勢力は、前記した減衰弁2における
附勢ばね22の附勢力に比較して、極めて小さく設定さ
れていることはもちろんである。
【0072】また、このチェック弁6,7は、上記した
ポペット構造に形成されるのに代えて、図示しないが、
鋼球構造に形成されるとして良いことはもちろんであ
る。
【0073】ピストン13に配在のリリーフ弁4は、図
4に示すように、弁体41を有してなるバルブ構造に設
定されてなるもので、この弁体41を背後側から附勢す
る附勢ばね42は、ピストン13に螺着されたキャップ
43に係止されている。
【0074】そして、弁体41の受圧面は、ピストン1
3に開穿のポート13fに対向している。
【0075】ちなみに、上記のキャップ43には、透孔
43aが形成されていて、弁体41受圧面側からのこの
弁体41を押し開いての油の通過を許容するとしてい
る。
【0076】なお、このリリーフ弁4における附勢ばね
42の附勢力は、前記した減衰弁2における附勢ばね2
2の附勢力に比較して、大きく設定されている、すなわ
ち、ピストン速度が中速域にあるときの附勢力より大き
くなるように設定されていることはもちろんである。
【0077】なお、このリリーフ弁4は、弁体41に代
えて、図示しないが、リーフバルブからなるとしても良
く、その場合に、リーフバルブが浮動構造あるいは内周
端固定などの固定構造に形成されてなるとしても良い。
【0078】さらに、ロッド体12内に内蔵されるアキ
ュムレータ10は、図3に示すように、前記した軸封部
材14の軸芯部を摺動可能に挿通しながら一端がロッド
体12のインロー部12aに螺着され他端が軸封部材1
4の軸線方向の外部に突出してロッド体12の一部とし
て機能する筒状ハウジング101内に形成されてなると
している。
【0079】ちなみに、この筒状ハウジング101は、
その一端がロッド体12のインロー部12aに螺着され
ることで、ピストンナットとしても機能するように設定
されている。
【0080】のみならず、この筒状ハウジング101に
おける径は、ロッド体12におけるいわゆる本体部の径
と同一となるように設定されていて、ピストン13にお
ける油室R1側の受圧面積と油室R2側の受圧面積を同
一にするように設定されている。
【0081】ところで、アキュムレータ10は、上記の
筒状ハウジング101内に摺動可能に収装されるフリー
ピストン102を有してなり、このフリーピストン10
2によって筒状ハウジング101内に油室R3といわゆ
る空気室Gを区画するとしている。
【0082】その一方で、上記のフリーピストン102
の軸芯部にパイプ体103の一端を植設すると共に、こ
のパイプ体103の他端をキャップ104で封止しなが
ら上記の筒状ハウジング101の外部側端に配設の軸封
部材105の軸芯部を貫通して外部に突出させるとして
いる。
【0083】そして、上記のパイプ体103の外周と筒
状ハウジング101の内周とで形成される空間、すなわ
ち、空気室Gに附勢ばね106を収装するとし、この附
勢ばね106の先端を上記のフリーピストン102に当
接させながら基端を上記の軸封部材105に係止させる
としている。
【0084】ちなみに、上記の空気室Gは、図示すると
ころでは、防錆のためにいわゆる密封構造に形成されて
なるとするが、これに代えて、図示しないが、たとえ
ば、筒状ハウジング101の外部端側などにエア抜き孔
が形成されていて、このエア抜き孔を介して空気室Gが
大気中に連通するとしても良い。
【0085】そして、空気室Gを密封構造に形成する場
合には、フリーピストン102の摺動時にいわゆるガス
ばね効果の発生をも期待でき、したがって、附勢ばね1
06のばね力を小さく設定することが可能になる点で有
利となる。
【0086】また、空気室Gを大気中に連通させる場合
には、附勢ばね106のみでフリーピストン102を附
勢することになるから、ばね力設定が容易になる点で有
利となる。
【0087】なお、このアキュムレータ10は、図3に
示す具体的な実施の形態では、減衰弁2の下流側、すな
わち、前記した油室R3における最低油圧をほぼ3キロ
グラム程度に維持し得るように設定されてなるとしてい
る。
【0088】前記したところは、ダンパ本体1がいわゆ
る横置き状態にセットされる場合を例にして説明した
が、この発明の構成からすれば、いわゆる縦置き状態に
セットされて利用されるとしても良いことはもちろんで
ある。
【0089】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、減
衰弁,リリーフ弁,チェック弁、さらには、アキュムレ
ータがダンパ本体内に内蔵されてなるとすることから、
全体的な大型化を招来させないのみならず、積極的なコ
ンパクト化を可能にする。
【0090】そして、たとえば、減衰弁がポペット構造
に形成されることで、オリフィス絞りによらずしてピス
トン速度の低速域における大きい減衰力の発生を可能に
し、しかも、その際の発生減衰力の特性をバルブ特性に
し得ることになる。
【0091】また、減衰弁がピストン速度の低速域に引
き続いてピストン速度の中速域における減衰力発生をも
可能にするから、段差のないリニアな特性の減衰力発生
が可能になる。
【0092】そして、減衰弁がポペット構造に形成さ
れ、ポペットにおける初期荷重がほぼ零になるように設
定されることで、この減衰弁の上流側となる油室におい
て油温上昇で膨張した分の油をこの減衰弁を介してのア
キュムレータ側に流出させる得ることになる。
【0093】また、ポペットにおける初期荷重がほぼ零
になるように設定される場合には、ピストンがシリンダ
体内を摺動する初期に高圧側となる油室で油が圧縮し、
反対側の低圧側の油室で油量不足するときに、この不足
分に相当する量の油がアキュムレータから供給されるこ
とになり、低圧側の油室にある油中での気泡発生を回避
可能にする。
【0094】そして、上記から反転してピストンがシリ
ンダ体内を摺動する初期にそれまで低圧側であった油室
において過剰となる油が減衰弁を介して直接アキュムレ
ータに流入し、それまで高圧側にあった油室が低圧側に
転じようとする場合の残圧発生を回避可能にする。
【0095】さらに、減衰弁の下流側における最低油圧
がアキュムレータにおける背圧で適宜に設定されること
で、減衰弁に上記した残圧発生阻止作動と、油温上昇時
の膨張した分の油の漏出作動と、ピストン速度の低速域
から中速域における減衰力発生とを保障させ得ることに
なり、また、ピストン速度の高速域におけるリリーフ弁
の作動をも保障させる得ることになる。
【0096】その結果、この発明によれば、ピストン速
度が中速域以上となるときに所定の減衰作用が実現され
るのはもちろんのこと、ピストン速度が低速域にあると
きにも必要な大きさの減衰力発生が可能になり、しか
も、全体的な大型化を招来させずして、たとえば、オイ
ルダンパが建築物における耐震性を向上させるためのブ
レースに接続された状態で建築物における壁スペースに
配在されて制振装置を構成するとする場合に、その配備
性が向上されることになり、その汎用性の向上を期待す
るのに最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるオイルダンパを原理的に示す概
略縦断面図である。
【図2】図1に示すオイルダンパによる減衰特性を示す
図である。
【図3】図1に示すオイルダンパを具体化した一実施の
形態を部分的に示す縦断面図である。
【図4】図1に示すリリーフ弁を具体化した一実施の形
態を部分的に示す縦断面図である。
【図5】従来例としてのオイルダンパを図1と同様に示
す図である。
【図6】図5に示すオイルダンパによる減衰特性を図2
と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 ダンパ本体 2,3 減衰弁 4,5 リリーフ弁 6,7 チェック弁 10 アキュムレータ 11 シリンダ体 12 ロッド体 13 ピストン R1 一方の油室 R2 他方の油室 R3 アキュムレータにおける油室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダンパ本体がシリンダ体とこのシリンダ
    体内に出没可能に挿通されるロッド体を有してなると共
    に、シリンダ体内にロッド体に連設されながら摺動可能
    に収装されてこのシリンダ体内に一方の油室と他方の油
    室を区画するピストンを有してなり、このピストンに二
    組の減衰弁およびリリーフ弁を有してなるオイルダンパ
    において、ピストンに一方の油室からおよび他方の油室
    からそれぞれ反対側の油室に向けて油が流出することを
    阻止するチェック弁が配在されてなると共に、ロッド体
    内に二つの減衰弁の下流側に連通するアキュムレータが
    配在されてなり、かつ、減衰弁がピストン速度の低速域
    から中速域における油の通過を許容するように設定され
    てなることを特徴とするオイルダンパ
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