JP4743796B2 - 洗濯機用油圧ダンパ - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯機用油圧ダンパに関し、特に、ピストンロッドのストローク量に応じて減衰力を可変とした洗濯機用油圧ダンパに関する。
ピストンロッドのストローク量に応じて減衰力を可変としたダンパとしては、例えば、特開平5−248468号に示すような摩擦ダンパが知られている。
この従来例としての摩擦ダンパは、ロッド(ピストンロッド)に摺動自在に設けたフリーピストンをシリンダに嵌合し、フリーピストンの外周に設けた摩擦材をシリンダに対して接触させ、ロッドにはフリーピストンが当接するストッパを設けた構成としている。
これにより、ロッドが大きくストロークするような場合には、ストッパによって、ロッドと共にフリーピストンを移動させて高減衰力が発生する。また、ロッドが小さくストロークするような場合には、ストッパからフリーピストンが離れた状態でロッドがストロークするので、ロッドの円滑なストローク(低減衰力)が保証されるようになっている。
このような摩擦ダンパは、例えば全自動洗濯機に用いられ、洗濯機の外郭をなすフレームと、このフレーム内に回転自在に配設されたドラムとの間に摩擦ダンパを設け、ドラムの回転時における振動を低減して、洗濯機の振動や騒音の発生を抑えるようにしている。
一般に、全自動洗濯機においては、洗濯及びすすぎ(低速回転)を終えて脱水(高速回転)に移行する際、ドラム内の衣類の偏り等によってドラム起動時の振動(揺動)は大きく(振幅大)、ある程度回転速度が速くなるとその振動は小さくなる(振幅小)。
したがって、ドラム起動時における振動が大きいとき、すなわち、ロッドのストロークが大きいときは、高減衰力を発生してドラムの振動を迅速に抑え、振動が小さくなった場合、すなわち、ロッドのストロークが小さいときには、低減衰力にしてドラムの微振動がフレームに伝達されるのを抑えることができる。
特開平5−248468号
しかしながら、上記従来例の摩擦ダンパにあっては、ロッドのストロークが大きいときには、ストッパを介してロッドとフリーピストンとが当接するが、ロッド及びフリーピストンの質量が共に大きいことや、フリーピストンの静止摩擦が大きいことから、当接時の衝撃が大きく、この衝撃によりダンパ自体が発生する振動や騒音が問題となっていた。
そこで、この衝撃を抑えるべく、例えばフリーピストンの質量を小さくしたり、フリーピストンの静止摩擦を小さくすることが考えられるが、このようにするとドラム起動時における減衰力が不足し、ドラムの振動を迅速に抑えることができなくなる。
本発明は、上述のような摩擦ダンパの回避不可能な問題点に鑑みてなされたもので、油圧式により上述の摩擦ダンパの減衰力特性と同様の特性を備えた、新規な洗濯機用油圧ダンパを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、洗濯機のフレームとドラムとの間に設けられる洗濯機用油圧ダンパにおいて、
該油圧ダンパは、油液が封入されたシリンダと、該シリンダに対してストロークするピストンロッドと、前記シリンダ内に摺動可能に配置されると共に前記ピストンロッドに連結され、前記ピストンロッドと共にストロークした際に前記シリンダ内の油液が通過する複数の油液通路を有するピストンと、前記ピストンロッドに前記ピストンの軸方向に離れて固定された規制部材と、前記ピストンと前記規制部材との間に設けられ付勢されることなく前記ピストンに対して軸方向に自由に移動できるフローティングディスクバルブとを備え、脱水に移行する際の大きくストロークするときは、前記フローティングディスクバルブが前記複数の油液通路の一部を閉塞して油液の流動を絞り、脱水でドラムの回転速度が速くなったストロークの小さいときと比べ、高減衰力を発生させることを特徴とする。
このように構成したことにより、脱水に移行する際の振動の大きいとき、すなわち、ピストンロッドの大ストローク時にはディスクバルブによって油液通路が絞られて高減衰力が発生し、小ストローク時には油液通路が解放されてピストンロッドが円滑にストローク(低減衰力)できる。
また小ストローク時の振動によって、フローティングバルブを確実にピストンから離間することができる。
以上詳述したように、本発明の洗濯機用油圧ダンパによれば、脱水に移行する際の振動の大きいとき、すなわち、ピストンロッドの大ストローク時にはディスクバルブによって油液通路が絞られて高減衰力が発生し、小ストローク時には油液通路が解放されてピストンロッドが円滑にストロークできるので、大きな振動(大ストローク)と小さな振動(小ストローク)を発生する洗濯機を効果的に制振することができる。また小ストローク時の振動によって、フローティングバルブを確実にピストンから離間させることができ、減衰力の切り替え応答性が向上する。
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図4に基づき説明する。
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る油圧ダンパ1は、外郭をなす外筒2内にシリンダ3が設けられた2重筒構造となっており、シリンダ3内には油液が封入され、シリンダ3と外筒2との間には、油液及びガスが封入されたリザーバ室4が形成されている。
シリンダ3内には、摺動自在にピストン5が嵌挿され、ピストン5はシリンダ3内を上下2室3a、3bに画成している。ピストン5には、ピストンロッド6の一端(下端)がナット7によって固定され、ピストンロッド6の他端(上端)は、ロッドガイド8及びオイルシール9を介してシリンダ3の外部に延出されている。
シリンダ3の下端には、シリンダ下室3bとリザーバ室4とを接続するベースバルブ10が設けられ、ベースバルブ10には、ピストンロッド6の縮み行程時に所定の減衰力(低減衰力)を発生する減衰バルブ10aと、ピストンロッド6の伸び行程時にリザーバ室4からシリンダ下室3bへの油液の流れを許容するチェックバルブ10bが設けられている。
ピストンロッド6の上端及び外筒2の下端には、洗濯機のフレーム及びドラム等の被取付部材(図示せず)に油圧ダンパ1を取付けるための取付けアイ11a、11bが設けられている。
ピストンロッド6には嵌合部6aが設けられ、この嵌合部6aには、ピストン5が嵌合され、さらにピストン5の上下側にはリテーナ12a、12b、筒状のスペーサ13a、13bが嵌合部6aに嵌合して設けられている。
スペーサ13aの上側には、後述の伸び側ディスクバルブ16に対してピストンロッド6が下方へ移動した際に、伸び側ディスクバルブ16の後述する規制部材18aへの当接時の衝撃を緩和し、伸び側ディスクバルブ16の変形や破損を防止する可撓性の小径リテーナ14a及び大径リテーナ15aが設けられている。
スペーサ13bの下側には、後述の縮み側ディスクバルブ17に対してピストンロッド6が上方へ移動した際に、縮み側ディスクバルブ17の後述する規制部材18bへの当接時の衝撃を緩和し、縮み側ディスクバルブ17の変形や破損を防止する可撓性の小径リテーナ14b及び大径リテーナ15bが設けられている。
18a及び18bに示す部材は、大径及び小径それぞれのリテーナ14、15の背面側への変形を規制する規制部材で、規制部材18aは、油圧ダンパ1が伸び側にフルストロークした際に、ロッドガイド8に当接して衝撃を吸収するリバウンドストッパの機能を果たすものである。
ピストン5には、シリンダ上下室3a及び3bを連通する複数の連通路19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bが、ピストン5の周方向に所定の間隔を持ってそれぞれ穿設されている。これらの連通路19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bが、本発明における油液通路を構成している。
連通路19は、油液の流通に対して小さな抵抗となる流路面積に設定され、一方、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bは、油液の流通に対して大きな抵抗を与える(絞りを与える)流路面積に設定されている。
ピストン5の上下両端面には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17が離着座(離接)する環状のバルブシート21a、21bが形成されている。
伸び側ディスクバルブ16は、その内周がスペーサ13aに摺動自在に案内され、上下方向にバネ等の付勢部材に付勢されることなく、ピストン5に形成されたバルブシート21aに対して軸方向に自由に移動できるフローティングバルブであり、この伸び側ディスクバルブ16は、ピストン5がシリンダ3に対して上方に大きく移動(伸び行程、大ストローク)した際、バルブシート21aに着座して、連通路19及び縮み側連通路20bを閉塞するようになっている。
縮み側ディスクバルブ17は、その内周がスペーサ13bに摺動自在に案内され、伸び側ディスクバルブ16と同様にピストン5に形成されたバルブシート21bに対して軸方向に自由に移動できるフローティングバルブとなっている。この縮み側ディスクバルブ17は、ピストン5がシリンダ3に対して下方に大きく移動(縮み行程、大ストローク)した際、バルブシート21bに着座して、連通路19及び伸び側連通路20aを閉塞するようになっている。
ここで、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17、連通路19、19及び伸び側及び縮み側連通路20a、20bによって、本発明における減衰力発生機構が構成されている。
次に、以上のように構成された本発明における第1実施形態の作動について、以下説明する。
伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がスペーサ13a、13bに対して、スペーサ13a、13bの軸長以上程度に摺動するような場合、すなわち、ピストンロッド6が大きくストロークするような場合には、図2に示す状態(伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21a、21bから離間した状態)から図3及び図4に示す状態(伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21a、21bに着座した状態)に伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17とピストン5とが相対移動する。
ピストンロッド6が伸び方向に大きくストロークした場合(図3の矢印A方向)、ストローク初期には、連通路19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bが解放されているので(合計流路面積S)、油室R1の油液が小さな抵抗で油室R2に移動する。
一方、伸び側ディスクバルブ16の外周縁部とシリンダ3との間に形成された環状通路16a(流路面積S1)は、シリンダ上室3aと油室R1との間を流通する油液に流通抵抗(絞り)を与えるようになっており、この流通抵抗によって伸び側ディスクバルブ16のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制されている。
すなわち、上記合計流路面積Sの方が上記流路面積S1よりも大きく設定されているため(S>S1)、伸び側ディスクバルブ16に対してピストン5が移動して接近し、結果、伸び側ディスクバルブ16がバルブシート21aに着座する。
伸び側ディスクバルブ16がバルブシート21aに着座すると、連通路19及び縮み側連通路20bが閉塞され、シリンダ上下室3a、3bを連通する油液通路が、図3中矢印のように伸び側連通路20aのみとなり、結果、油液通路が絞られて高減衰力が発生する。
ここで、伸び側連通路20aの流路面積S2は、環状通路16aの流路面積S1よりも小さく設定されており(S2<S1)、伸び側ディスクバルブ16のバルブシート21aへの着座時における、図中下方への大きな変形を防止している。
縮み側ディスクバルブ17は、小径リテーナ14b及び大径リテーナ15bの順に当接して下方への移動が規制されている。
また、ピストンロッド6が縮み方向に大きくストロークした場合(図4の矢印B方向)には、ストローク初期には、連通路19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bが解放されているので(合計流路面積S)、油室R2の油液が小さな抵抗で油室R1に移動する。
一方、縮み側ディスクバルブ17の外周縁部とシリンダ3との間に形成された環状通路17a(流路面積S1)は、シリンダ下室3bと油室R2との間を流通する油液に流通抵抗(絞り)を与えるようになっており、この流通抵抗によって縮み側ディスクバルブ17のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制されている。
すなわち、上記合計流路面積Sの方が上記流路面積S1よりも大きく設定されているため(S>S1)、縮み側ディスクバルブ17とピストン5とが相対移動して接近し、結果、縮み側ディスクバルブ17がバルブシート21bに着座する。
縮み側ディスクバルブ17がバルブシート21bに着座すると、連通路19及び伸び側連通路20aが閉塞され、シリンダ上下室3a、3bを連通する油液通路が、図4中矢印のように縮み側連通路20bのみとなり、結果、油液通路が絞られて高減衰力が発生する。
ここで、縮み側連通路20bの流路面積S2は、環状通路17aの流路面積S1よりも小さく設定されており(S2<S1)、縮み側ディスクバルブ17のバルブシート21bへの着座時における、図中上方への変形を防止している。
伸び側ディスクバルブ16は、小径リテーナ14a及び大径リテーナ15aの順に当接して上方への大きな移動が規制されている。
このように、ピストンロッド6が伸び方向及び縮み方向にそれぞれ大きくストロークするような場合には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17とピストン5とが上下方向に相対移動して、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21a、21bにそれぞれ着座し、油液は伸び側及び縮み側連通路20a、20bのみを流通するようになって、結果、油液通路が絞られて高減衰力が発生する。
このとき、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17が、バルブシート21a、21b、小径リテーナ14a、14b及び大径リテーナ15a、15bに勢いよく衝突しても、ディスクバルブ16、17の質量が小さいため、衝突による振動や音の発生を抑えることができる。
伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がスペーサ13a、13bに対して、スペーサ13a、13bの軸長以内程度で摺動するような場合、すなわち、ピストンロッド6が小さくストロークするような場合には、環状通路16a、17aによって、シリンダ上室3aと油室R1及びシリンダ下室3bと油室R2をそれぞれ流通する油液に流通抵抗が生じるため、この流通抵抗によって、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17のシリンダ3に対する上下方向への移動が規制され、小ストローク振動を繰り返すことで、図3及び図4に示す状態から図2に示す状態に徐々に復帰する。
そして、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がバルブシート21a、21bから離間した範囲内でピストンロッド6がストロークする。
したがって、ピストン5が伸び及び縮み方向に小さくストロークする際、ピストン5の上下両端面の、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17との間に形成された油室R1、R2内の油液が、連通路19、伸び側連通路20a及び縮み側連通路20bを介して油室R1、R2間を行き来する(油室R1及びR2の合計体積の増減は無い)ので、結果、油液通路は小さな抵抗となり(低減衰力)、ピストンロッド6が移動できる。
以上のように構成した第1実施形態によれば、油圧ダンパ1のピストンロッド6がスペーサ13a、13bの軸長を越えてストロークする大ストローク時には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17が油液通路を絞って高減衰力を発生することができる。
また、ピストンロッド6がスペーサ13a、13bの軸長の範囲内でストロークする小ストローク時には、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17が油液通路を解放してピストンロッド6は円滑にストローク(低減衰力)できる。
さらに、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17は、従来の技術で説明した摩擦ダンパのフリーピストンに比して質量が大幅に小さいので、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17がピストン5に当接するときの衝撃が小さく、油圧ダンパ1自体が発生する振動や騒音を確実に防止できる。
次に、本発明の第2実施形態について、図5乃至図9に基づき説明する。この第2実施形態では、上述の第1実施形態に対して、特にピストンロッド6が伸び側及び縮み側に大きくストロークし、かつストローク速度が速い場合に、減衰力が急激に立ち上がる(図9中破線)ことを改善するようにしている。なお、第1実施形態と同じ部分には同一の符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
図5に示すように、油圧ダンパ1Aのシリンダ3内のシリンダ上室3aには、内部に空気(ガス)が密閉封入された環状の空気袋30a(容積可変体)が設けられ、空気袋30aは、その外周がシリンダ3に嵌挿されてロッドガイド8の下部に位置している。
空気袋30aは、ゴム製の可撓性薄膜により形成され、シリンダ上室3aの圧力の増加に応じて凹むようになっている。
また、ピストンロッド6に螺着されたナット7の下部には、断面が略コ字形状の受け部材31がピストンロッド6に螺着して設けられ、受け部材31の内部には、空気袋30b(容積可変体)が設けられている。
受け部材31は、ピストンロッド6の作動時に、空気袋30bがシリンダ下室3b内でピストン5側に移動して破損したりすることを防止する。
空気袋30bもゴム製の可撓性薄膜により形成され、シリンダ下室3bの圧力の増加に応じて凹むようになっている。
次に、以上のように構成された本発明の第2実施形態の作動について、以下説明する。なお、基本的な作動は上述した第1実施形態と同様であり、異なる作動についてのみ説明する。
ピストンロッド6が伸び側に大きくストロークし、かつストローク速度が速い場合、ピストン5が伸び側ディスクバルブ16に勢いよく当接する。この場合、環状通路16aの絞り作用によって、伸び側ディスクバルブ16の上側の油液が圧縮されてシリンダ上室3a内の圧力が急激に上昇し、このとき、シリンダ上室3a内の空気袋30aが凹んで、シリンダ上室3a内の圧力の上昇を抑えることができる。
その結果、図9中実線に示すように伸び側の減衰力が滑らかに高減衰力に移行して、第1実施形態のように減衰力が急激に立ち上がる(図9中破線)ことによって発生する衝撃を抑えることができる。
また、ピストンロッド6が縮み側に大きくストロークし、かつストローク速度が速い場合においても、シリンダ下室3bに設けた空気袋30bが凹んで、シリンダ下室3b内の圧力の上昇を抑え、図9中実線に示すように縮み側の減衰力が滑らかに高減衰力に移行して、衝撃を抑えることができる。
このように、上記第2実施形態によれば、特にピストンロッド6が伸び側及び縮み側に大きくストロークし、かつストローク速度が速い場合において、高減衰力への移行を滑らかにすることができるので、ダンパが発生する衝撃を確実に抑えることができる。
次に、本発明における第2実施形態の変形例について、以下説明する。
上述の図5に示した実施形態は、ピストンロッド6を上側にして使用する、所謂、正立型の油圧ダンパであったが、図6の変形例に示すように倒立型として使用することもできる。
すなわち、図6において、油圧ダンパ1Bのベースバルブ10には、固定ピン40によって減衰バルブ10a及びチェックバルブ10bを固定しており、固定ピン40の下側には、断面が略コ字形状の受け部材41が一体的に形成され、この受け部材41の内部には、空気袋40b(容積可変体)が設けられている。この受け部材41によって、油圧ダンパ1の作動時に空気袋40bがボトムバルブ10等に当接して破損したりすることを防止する。
なお、油圧ダンパ1Bは倒立させて使用するため、リザーバ室4内には、油液とガスを画成するためのガスが封入されたリザーバ袋4aが設けられている。
さらに、図7に示す他の変形例においては、油圧ダンパ1Cのピストンロッド6の嵌合部6aの下端側に螺着された受け部材51は箱状に形成され、内部に空気袋50b(容積可変体)を収容する構成としている。この受け部材51には複数の油液通路51a、51aが穿設され、この油液通路51a、51aを介して、受け部材51の内部に抵抗無く油液が流入するようになっている。これにより、図7の油圧ダンパ1Cは、正立及び倒立の何れの使用条件にも対応できるようになっている。
なお、油圧ダンパ1Cにおいても、リザーバ室4内に油液とガスを画成するためのガスが封入されたリザーバ袋4aが設けられている。
また、図8に示すさらに他の変形例においては、油圧ダンパ1Dのピストン5をピストンロッド6に固定するナットと、本発明における容積可変体とを一体化した構成としている。すなわち、略円筒状の筒部材60の上側をナット60aとし、また、筒部材60の下側を空気(ガス)室62を形成する筒部60bとしており、さらに、この筒部60bを包囲するようにゴム製の可撓性薄膜61を設け、この可撓性薄膜61と筒部60bとによって、容積可変体を構成している。
このように構成した油圧ダンパ1Dにおいても、シリンダ下室3b内の圧力が急激に上昇した場合、容積可変体の一部、すなわち、可撓性薄膜61が上方に凹んで、シリンダ下室3b内の圧力の上昇を抑えて、高減衰力への移行を滑らかにすることができる。
なお、上述の各実施形態では、環状通路16a、17aによって、シリンダ上室3aと油室R1及びシリンダ下室3bと油室R2をそれぞれ流通する油液に流通抵抗が生じるようにし、ピストン5が伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17に対して接近するようにしたが、別段これに限られるものではない。
すなわち、例えば、大ストローク時のストローク速度が速い特性を有する機器等に本発明の油圧ダンパを用いる場合には、上記環状通路を大きくしても(絞らなくても)、伸び側及び縮み側ディスクバルブの前面側と背面側に圧力差が生じ、この圧力差によって伸び側及び縮み側ディスクバルブがピストンに対して接近できる。この場合、上記環状通路を絞らないようにすることができるので、通常の車両等に搭載される油圧緩衝器のディスクバルブを汎用できる。
また、上述の各実施形態では、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17を、スペーサ13a、13bに摺動自在に嵌合させ、その外周縁部とシリンダ3との間に環状通路16a、17aを設けたが、別段これに限らず、連通路19、19、伸び側及び縮み側連通路20a、20bを、ピストン5に適宜配設して、伸び側及び縮み側ディスクバルブをシリンダに摺動自在に嵌合させ、その内周縁部とスペーサとの間に環状通路を設けたり、伸び側及び縮み側ディスクバルブをスペーサ及びシリンダの両方に摺動自在に嵌合させ、ディスクバルブの径方向中間部に連通路を設け、連通路19及び伸び側連通路20a(または縮み側連通路20b)を閉塞するようにしてもよい。
さらに、上述の各実施形態では、伸び側及び縮み側ディスクバルブ16、17を、上下方向にバネ等の付勢部材に付勢されることなくピストンに対して軸方向に自由に移動できるフローティングバルブとしたが、別段これに限らず、フローティングバルブが閉弁付近に位置する場合にのみ、フローティングバルブを弱い力で開弁方向に付勢する微弱バネを、伸び側及び縮み側ディスクバルブとピストンとの間に配設してもよい。
この場合、油圧ダンパが大ストロークから小ストロークへ切り替わる際に、伸び側及び縮み側ディスクバルブを、ピストンから素早く離間させることができ、高減衰力の発生から円滑なストローク(低減衰力)へと素早く切り替えることができる。
ここで言うフローティングバルブとは、ピストンに対してバネ等を介さず完全に自由に軸方向に対して移動できるバルブのみを言うのではなく、油液の流通抵抗やバルブの前面側と背面側との圧力差により、上記微弱バネ程度の付勢力に影響を受けずにピストンに対して軸方向に移動して閉弁できるバルブを含むものである。
また、スペーサ13a、13bの軸長を適宜変更することで、容易に高減衰力の発生タイミングを変更でき、あらゆる用途に対応することができる。
さらに、上述の各実施形態では、2重筒構造の油圧ダンパに本発明を適用したものを示したが、別段これに限らず、フリーピストンを備えた単筒式の油圧ダンパに適用することもできる。
さらに、上述の第2実施形態において、シリンダ上室3aに設けた環状の空気袋30a(図6乃至図8では図示省略)は、シリンダ3に嵌挿させずにピストンロッド6の規制部材18aの上部にピストンロッド6に対して嵌合させてもよく、また、図5及び図6における空気袋30b、40bを受け部材31、41にそれぞれ嵌めてもよい。
また、上述の第2実施形態において、空気袋(容積可変体)をシリンダ上下室の各々に設けたものを示したが、油圧ダンパの初期作動方向(油圧ダンパが作動していない状態から最初に大ストロークする振動方向)が決まっているものに適用する場合、例えば初期作動方向が伸び側の場合には、シリンダ下室3b側の空気袋(容積可変体)を省略し、また、初期作動方向が縮み側の場合には、シリンダ上室3a側の空気袋(容積可変体)を省略してもよい。
また、上述の第2実施形態において、シリンダ上下室に設けた各空気袋には、所定圧のガスを封入してもよく、この場合、適宜ガス圧を調整した空気袋を使用することで減衰力の立ち上がり調整(チューニング)が容易になる。
さらに、上述の第2実施形態において、容積可変体としてゴム製の可撓性薄膜を用いたものを示したが、別段これに限らず、樹脂製または金属製のベローズ等を用いてもよい。
本発明における第1実施形態の油圧ダンパ全体を示す縦断面図である。 図1のピストン部分(減衰力発生機構部分)の拡大縦断面図である。 図1の油圧ダンパが伸び方向に大きくストロークした場合のピストン部分の拡大縦断面図である。 図1の油圧ダンパが縮み方向に大きくストロークした場合のピストン部分の拡大縦断面図である。 本発明における第2実施形態の油圧ダンパ全体を示す縦断面図である。 第2実施形態の変形例を示す部分拡大縦断面図である。 第2実施形態の他の変形例を示す部分拡大縦断面図である。 第2実施形態のさらに他の変形例を示す部分拡大縦断面図である。 第2実施形態の減衰力特性を示す図である。
符号の説明
1 油圧ダンパ
3 シリンダ
5 ピストン
6 ピストンロッド
16 伸び側ディスクバルブ(減衰力発生機構、フローティングバルブ)
17 縮み側ディスクバルブ(減衰力発生機構、フローティングバルブ)
19 連通路(油液通路、減衰力発生機構)
20a 伸び側連通路(油液通路、減衰力発生機構)
20b 縮み側連通路(油液通路、減衰力発生機構)
30a、30b 空気袋(容積可変体)
40b 空気袋(容積可変体)
50b 空気袋(容積可変体)
60b 筒部(容積可変体)
61 可撓性薄膜(容積可変体)

Claims (1)

  1. 洗濯機のフレームとドラムとの間に設けられる洗濯機用油圧ダンパにおいて、
    該油圧ダンパは、油液が封入されたシリンダと、
    該シリンダに対してストロークするピストンロッドと、
    前記シリンダ内に摺動可能に配置されると共に前記ピストンロッドに連結され、前記ピ
    ストンロッドと共にストロークした際に前記シリンダ内の油液が通過する複数の油液通路
    を有するピストンと、
    前記ピストンロッドに前記ピストンの軸方向に離れて固定された規制部材と、
    前記ピストンと前記規制部材との間に設けられ付勢されることなく前記ピストンに対して軸方向に自由に移動できるフローティングディスクバルブとを備え、
    脱水に移行する際の大きくストロークするときは、前記フローティングディスクバルブ
    が前記複数の油液通路の一部を閉塞して油液の流動を絞り、脱水でドラムの回転速度が速
    くなったストロークの小さいときと比べ、高減衰力を発生させることを特徴とする洗濯機
    用油圧ダンパ。
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