JPH11302331A - 耐水性組成物 - Google Patents

耐水性組成物

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JPH11302331A
JPH11302331A JP10883498A JP10883498A JPH11302331A JP H11302331 A JPH11302331 A JP H11302331A JP 10883498 A JP10883498 A JP 10883498A JP 10883498 A JP10883498 A JP 10883498A JP H11302331 A JPH11302331 A JP H11302331A
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water
vinyl alcohol
vinyl
pva
molecule
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JP10883498A
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Naoki Fujiwara
直樹 藤原
Takeshi Kusufuji
健 楠藤
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組成物の水溶液を室温で乾燥したり、室温で
熱処理する場合であっても著しく耐水性に優れる組成物
を提供する。 【解決手段】 分子中に珪素を含有するビニルアルコー
ル系重合体(A)ならびにジルコニウム化合物(B)か
らなり、成分(A)と成分(B)の重量配合比率(A)
/(B)が99.99/0.01〜80/20である耐
水性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定のビニルアルコ
ール系重合体からなる耐水性に優れた組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりビニルアルコール系重合体(以
下、ビニルアルコール系重合体をPVAと略記すること
がある。)は各種バインダー、接着剤あるいは表面処理
剤として広く使用されており、造膜性および強度におい
て他の水溶性樹脂の追随を許さぬ優れた性能を有するこ
とが知られている。しかしながら、PVAは水溶性であ
るため、耐水性、特に低温で乾燥する場合には耐水性が
低いという欠点があり、従来よりこの欠点を改良するた
めに種々の方法が検討されてきた。例えば、PVAをグ
リオキザール、グルタルアルデヒドあるいはジアルデヒ
ドデンプン、水溶性エポキシ化合物、メチロール化合物
等で架橋させる方法が知られている。しかしながら、こ
の方法でPVAを十分耐水化するためには100℃以
上、特に120℃以上の高温で長時間熱処理することが
必要である。また、低温乾燥で耐水化するためには、例
えばpH2以下のような強酸性条件を用いることも知ら
れているが、この場合にはPVA水溶液の粘度安定性が
悪く使用中にゲル化する等の問題点があり、耐水性も不
十分であるという欠点を有している。さらに、カルボン
酸含有PVAをポリアミドエピクロルヒドリン樹脂で架
橋させる方法、アセトアセチル基含有PVAをグリオキ
ザール等の多価アルデヒド化合物で架橋させる方法等も
知られているが、これらの方法でも、耐水性が不十分で
あり、PVA水溶液の粘度安定性が悪い等の問題点を有
している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、室温
から50℃程度の低温で乾燥あるいは熱処理する場合に
も、冷水のみならず温水に対しても著しく耐水性に優
れ、水溶液の粘度安定性等の問題点のない耐水性組成物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討した結果、分子中に珪素を含有
するビニルアルコール系重合体(A)ならびにジルコニ
ウム化合物(B)からなり、成分(A)と成分(B)の
重量配合比率(A)/(B)が99.99/0.01〜
80/20である耐水性組成物を見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の分子中に珪素を含有する
ビニルアルコール系重合体(A)の中でも、下記の化3
または化4の構造単位を有するビニルアルコール系重合
体(A)が好ましい。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】上記の化3および化4において、R1
2、R3およびR5は水素原子または炭素数8以下の炭
化水素基を表し、R4は炭素数1〜40のアルコキシル
基またはアシロキシル基(ここで、アルコキシル基、ア
シロキシル基は酸素を含有する置換基を有していてもよ
い。)を表し、R6は炭素数5以下のアルキレン基また
は連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素で中断された2価の
有機残基を表し、nは0〜4の整数を表し、kは0〜2
の整数およびmは0〜3の整数であってk+mは3以下
であることを表し、Xは1価の金属または水素原子を表
す。
【0009】本発明のPVA(A)は、上記の化3また
は化4の構造単位に変換しうるオレフィン性不飽和単量
体とビニルエステルとの共重合体をけん化することによ
り得られる。また、本発明のPVA(A)は、その原料
である変性ビニルエステル系重合体中のアルコキシシラ
ン基がけん化反応時に加水分解されてシラノール基また
はその塩基に変換されていても差し支えない。 また、
本発明のPVA(A)は、珪素を含有する構造単位が重
合体の分子中にランダムに、導入されているもののほか
に、重合体の分子末端に導入されているものでもよい。
【0010】本発明のPVA(A)として特に好ましい
ものとしては、分子中に珪素を含有する共にさらにエチ
レン単位を含有するPVAが好ましい。エチレン単位の
含有量としては、1〜20モル%が適当であり、1.5
〜18モル%が好ましく、2〜15モル%が特に好まし
い。エチレン単位の含有量が1モル%未満の場合にはエ
チレン変性の効果が低く、エチレン単位の含有量が20
モル%より大の場合には水溶性が低下する。さらに好ま
しくは、分子中に珪素を含有する構造単位を0.01〜
5モル%含有し且つエチレン単位1〜20モル%を含有
するビニルアルコール系重合体が特に好ましい。
【0011】前記の化3に変換しうるオレフィン性不飽
和単量体の具体例としては、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキシ)シラン、
アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラ
ン、アリルトリアセトキシシラン、ビニルメチルジメト
キシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメ
チルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラ
ン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルジメチル
アセトキシシラン、ビニルイソブチルジメトキシシラ
ン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブト
キシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメ
トキシジヘキシロキシシラン、ビニルジメトキシオクチ
ロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシシラン、
ビニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキシジラウ
リロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキシシラ
ン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニルジメ
トキシオレイロキシシランなどが挙げられる。
【0012】前記の化4に変換しうるオレフィン性不飽
和単量体の具体例としては、3−(メタ)アクリルアミ
ド−プロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリ
ルアミド−プロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)
アクリルアミド−プロピルトリ(β−メトキシエトキ
シ)シラン、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルエチルトリメトキシシラン、N−(2
−(メタ)アクリルアミド−エチル)−アミノプロピル
トリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プ
ロピルトリアセトキシシラン、2−(メタ)アクリルア
ミド−エチルトリメトキシシラン、1−(メタ)アクリ
ルアミド−メチルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリルアミド−プロピルメチルジメトキシシラン、3−
(メタ)アクリルアミド−プロピルジメチルメトキシシ
ラン、3−(N−メチル−(メタ)アクリルアミド)−
プロピルトリメトキシシラン、3−((メタ)アクリル
アミド−メトキシ)−3−ハイドロキシプロピルトリメ
トキシシラン、3−((メタ)アクリルアミド−メトキ
シ)−プロピルトリメトキシシラン、ジメチル−3−
(メタ)アクリルアミド−プロピル−3−(トリメトキ
シシリル)−プロピルアンモニウムクロライド、ジメチ
ル−2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピル
−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウム
クロライドなどが挙げられる。
【0013】また、本発明において使用される前記の化
3または化4の構造単位を有するビニルアルコール系重
合体(A)は、前記の化3または化4に変換しうるオレ
フィン性不飽和単量体とビニルエステルとの共重合体を
けん化することにより得られる。共重合の方法として
は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法
などの公知の方法を採用することができる。その中で
も、無溶媒あるいはアルコールなどの溶媒中で重合する
塊状重合法や溶液重合法が通常採用される。また、高重
合度のものを得る場合には、乳化重合法が採用される。
溶液重合時に溶媒として使用されるアルコールとして
は、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコールなどの低級アルコールが挙げられる。共重合に
使用される開始剤としては、例えば、α,α'−アゾビス
イソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2'−アゾビス(4−メトキ
シ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾ
イル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ
系開始剤または過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が
挙げられる。重合温度については特に制限はないが、−
30〜150℃の範囲が適当である。
【0014】上述の方法で用いるビニルエステルとして
は、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピ
バリン酸ビニルなどが挙げられるが、一般的には酢酸ビ
ニルが用いられる。
【0015】上記の方法により得られる変性ポリビニル
エステル系重合体は、前記の化3または化4の構造単位
に変換しうるオレフィン性不飽和単量体とビニルエステ
ル以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合可
能なエチレン性不飽和単量体を共重合してもよい。この
エチレン性不飽和単量体としては、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)
マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和酸類ある
いはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアル
キルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN
−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるい
はその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリルアミド
類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキル
メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミ
ド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいは
その塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンある
いはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリルアミ
ド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド
類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテ
ル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシア
ルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;酢酸アリ
ル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルア
ルコール、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジ
メチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩、炭素数1〜2
0のヒドロキシアルキル基含有のα−オレフィン等が挙
げられる。これらのエチレン性不飽和単量体単位の含有
量としては、20モル%以下が好ましい。
【0016】本発明において使用されるPVA(A)中
の珪素を含有する構成単位の含有量は、0.01〜5モ
ル%が好ましく、0.05〜3.5モル%がさらに好ま
しく、0.1〜2.5モル%が特に好ましい。珪素を含
有する構成単位の含有量が0.01モル%より少ない場
合には本発明の効果が低く、一方、含有量が5モル%よ
り大きい場合には水溶性が低下する。PVA(A)の粘
度平均重合度(以下、重合度と略記する。)およびけん
化度は目的に応じて適宜選択され、特に制限はない。し
かしながら、重合度としては通常50〜10000、好
ましくは100〜7000、より好ましくは100〜5
000の範囲から選ばれる。また、けん化度としては5
0モル%以上、好ましくは70モル%以上である。けん
化度が50モル%より低い場合には水溶性が低下する。
【0017】本発明において使用されるPVA(A)を
水に溶解するには、通常PVA(A)を水に分散後、場
合によっては水酸化ナトリウムなどのアルカリを添加
し、撹拌しながら加温することによって均一な水溶液を
得ることができる。
【0018】本発明の耐水性組成物を構成するジルコニ
ウム化合物(B)としては、酸塩化ジルコニウム、硫酸
ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、
炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、ス
テアリン酸ジルコニウム、オクチル酸ジルコニウム、珪
酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらのジルコニウ
ム化合物のなかでも水溶性のものが好ましく、塩素を持
たないものがさらに好ましい。具体的には硫酸ジルコニ
ウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジル
コニウムアンモニウムが挙げられる。これらのジルコニ
ウム化合物は必ずしも単独で使用する必要はなく、必要
に応じて2種以上混合して用いることもできる。
【0019】本発明の耐水性組成物において、PVA
(A)とジルコニウム化合物(B)との重量配合比率
[(A)/(B)]は、99.99/0.01〜80/20であり、好
ましくは99.97/0.03〜88/12であり、さらに好ましくは9
9.95/0.05〜92/8である。(A)/(B)が99.99/0.01
を超える場合には耐水化効果が低下し、一方、(A)/
(B)が80/20未満の場合には耐水性組成物水溶液の粘
度安定性および強度が低下する。
【0020】本発明の耐水性組成物は、成分(A)およ
び成分(B)の他に、用途に応じて、溶媒、各種添加
剤、他の水溶性樹脂あるいは高分子水性分散体等を含有
させることができる。溶媒としては、水が好ましく用い
られるが、これに各種アルコール、ケトン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の溶媒を併用して
用いることもできる。添加剤としては、各種消泡剤、各
種分散剤、ノニオン性あるいはアニオン性界面活性剤、
シランカップリング剤、pH調節剤あるいは炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、小麦粉などの充填剤等が挙げら
れる。水溶性樹脂としては、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導
体、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリヒドロキシ(メタ)
アクリレートまたはその共重合体、ポリアクリルアミド
等の(メタ)アクリル系重合体、ポリビニルピロリドン
またはその共重合体、カルボキシル基含有変性PVA、
硫酸基含有変性PVA、スルホン酸基含有変性PVA、
リン酸基含有変性PVA、4級アンモニウム塩基含有変
性PVA等のPVA誘導体、及び一般のPVA等が挙げ
られる。高分子水性分散体としては、アクリル重合体及
び共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ビニルエ
ステル系重合体及び共重合体、スチレン-ブタジエン共
重合体等の水性分散体が挙げられる。
【0021】本発明の組成物は低温での造膜性、皮膜強
度あるいは耐水性を生かして、無機物あるいは有機物用
接着剤あるいはバインダー、塗料用ビヒクル、無機質材
料あるいは有機質材料の処理剤、たとえば表面コート剤
とりわけ高温で熱処理のできない感熱紙のオーバーコー
ト剤として有効に使用される。また、顔料分散などの分
散剤、架橋性エマルジョンの重合安定剤、ゼラチンブレ
ンドあるいは感光性樹脂等の画像形成材料、菌体固定ゲ
ルあるいは酵素固定ゲル等のハイドロゲル用基材、さら
には、従来水溶性樹脂が使用されていた用途にも広範に
使用できる。さらに、フィルム、シート、繊維などの成
形物にも使用できる。さらに、従来水溶性樹脂が使用さ
れていた用途にも広範に使用できる。
【0022】本発明の組成物は水あるいは前述の有機溶
媒を含む水に溶解あるいは分散し、好ましくは水性分散
体として用いられる。本発明の組成物は成分(A)と成
分(B)を混合して用いてもよいし、成分(A)に成分
(B)を後から添加するという方法を用いてもよい。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、実施例中で特に断りのない限
り、「%」および「部」はそれぞれ「重量%」および
「重量部」を意味する。
【0024】シート状物の膨潤度、溶出率はそれぞれ次
式で求めた。 膨潤度(倍)=(W1−W2)/W2 溶出率(%)=(W3−W2)/W3×100 上記の式において、記号は下記の意味を有する。 W1:膨潤後の試料の重量 W2:膨潤後さらに乾燥した後の試料重量 W3:膨潤前の試料重量
【0025】合成例1 シリル基とエチレン単位を有す
るPVAの合成例 撹拌機、窒素導入口、エチレン導入口および開始剤添加
口を備えた100L加圧反応槽に酢酸ビニル56kg、
メタノール5.8kgおよびビニルトリメトキシシラン
121gを仕込み、60℃に昇温した後、30分間窒素
バブリングにより系中を窒素置換した。次いで反応槽圧
力が7.0kg/cm2になるようにエチレンを導入仕
込みした。開始剤として2、2’ーアゾビス(4ーメト
キシー2、4ージメチルバレロニトリル)をメタノール
に溶解した濃度2.8g/L溶液を調製し、窒素ガスによ
るバブリングを行って窒素置換した。上記の反応槽内温
を60℃に調整した後、上記の開始剤溶液50mLを注
入し、重合を開始した。重合中はエチレンを導入して反
応槽圧力を7.0kg/cm2に、重合温度を60℃に
維持し、上記の開始剤溶液を170mL/hrで連続添
加した。6時間後に重合率が40%に達したところで冷
却して重合を停止した。反応槽を解放して脱エチレンし
たあと窒素ガスをバブリングして脱エチレンを完全に行
った。次いで減圧下に未反応酢酸ビニルモノマーを除去
し、ホ゜リ酢酸ヒ゛ニル(以下、PVAcと略記する。)のメ
タノール溶液とした。20%に調整した該溶液にモル比
(NaOHのモル数/ホ゜リ酢酸ヒ゛ニル中の酢酸ヒ゛ニル単位のモル数)0.
05のNaOHメタノール溶液(10%濃度)を添加してけん
化した。得られたPVA(PVA−1)のけん化度は9
8.4モル%であった。
【0026】重合後、未反応酢酸ビニルモノマー除去し
て得られたPVAcのメタノール溶液をnーヘキサンに
沈殿、アセトンで溶解する再沈精製を3回行った後、6
0℃で減圧乾燥して精製PVAcを得た。該PVAcの
アルカリ消費量を測定して求めたエチレン変性量は6.
5モル%であった。上記のPVAcのメタノール溶液を
アルカリモル比0.2でけん化した後、メタノールソック
スレーを3日間実施し、次いで乾燥して精製PVAを得
た。常法のJIS K6726に準じて、該PVAの平
均重合度を測定したところ1480であった。また該P
VAについて1H-NMRからビニルトリメトキシシラン
の含有量を測定したところ0.26モル%であった。
【0027】実施例1 ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体を
けん化してシリル基をビニルシラン単位として0.25
モル%含有し、酢酸ビニル単位のけん化度98.4モル
%、重合度1650の分子内にシリル基を含むPVAを
得た。このPVAを水に溶解し、PVAの7%水溶液を
作成した。このPVA水溶液100部に、ジルコゾールZ
C−2(第一稀元素化学工業(株)製)を酸化ジルコニ
ウム換算で濃度0.17%の水溶液41.4部を加え
て、耐水性組成物の5%水溶液を作成した。この溶液を
流延し、20℃で乾燥してシート状物を得た。得られた
シート状物を水中(20℃)および温水(60℃)に2
4時間浸漬した後、膨潤度および溶出率を測定した。シ
ート状物の水中膨潤度は6.1倍、温水中膨潤度は6.
0倍であり、しっかりとした皮膜状態を維持していた。
結果を表1に示す。
【0028】比較例1 実施例1で用いた変性PVAに代えて、重合度170
0、けん化度98.5モル%の無変性PVAを用いる以
外は、実施例1と同様にしてシート状物を得た。このシ
ート状物は、水に浸漬したところ溶解した。
【0029】実施例2 実施例1で用いた変性PVAおよびジルコゾールZC−
2に代えて、合成例1で得たエチレン単位をさらに含有
するシリル基変性PVAおよび炭酸ジルコニウムアンモ
ニウムを用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果
を表1に示す。
【0030】実施例3〜5、比較例2〜6 実施例1で用いた変性PVAおよびジルコゾールZC−
2に代えて、表1に示すPVAおよびジルコニウム化合
物を用いる以外は、実施例1と同様に行った。結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1の脚注を下記に示す。 1)前記一般式の化1または化2の構造単位に由来するオ
レフィン性不飽和単量体変性量 2)20℃で流延乾燥したフィルムの耐水性 3)シ゛メチル-3-メタクリルアミト゛フ゜ロヒ゜ル-3-トリメトキシシリルフ゜ロヒ゜ルアンモニウムク
ロライト゛ 0.58モル%共重合 4)ヒ゛ニルトリイソフ゜ロホ゜キシシラン 0.15モル%共重合 5)ヒ゛ニルメチルシ゛メトキシシラン 1.42モル%共重合
【0033】
【発明の効果】上記の実施例から明らかなように、本発
明の組成物は、室温での乾燥処理する場合であっても著
しく耐水性に優れるものが得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08F 216/06 230:08)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子中に珪素を含有するビニルアルコー
    ル系重合体(A)ならびにジルコニウム化合物(B)か
    らなり、成分(A)と成分(B)の重量配合比率(A)
    /(B)が99.99/0.01〜80/20である耐
    水性組成物。
  2. 【請求項2】 分子中に珪素を含有するビニルアルコー
    ル系重合体(A)が下記の化1または化2の構造単位を
    有するビニルアルコール系重合体(A)である請求項1
    記載の耐水性組成物。 【化1】 【化2】 (ここで、R1、R2、R3およびR5は水素原子または炭
    素数8以下の炭化水素基を表し、R4は炭素数1〜40
    のアルコキシル基またはアシロキシル基を表し、R6
    炭素数5以下のアルキレン基または連鎖炭素原子が酸素
    もしくは窒素で中断された2価の有機残基を表し、nは
    0〜4の整数を表し、kは0〜2の整数およびmは0〜
    3の整数であってk+mは3以下であることを表し、X
    は1価の金属または水素原子を表す。)
  3. 【請求項3】 分子中に珪素を含有するビニルアルコー
    ル系重合体(A)が分子中に珪素を含有する構造単位を
    0.01〜5モル%含有し且つエチレン単位1〜20モ
    ル%を含有するビニルアルコール系重合体である請求項
    1記載の耐水性組成物。
JP10883498A 1998-04-20 1998-04-20 耐水性組成物 Pending JPH11302331A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009521546A (ja) * 2005-12-21 2009-06-04 ボーシュ アンド ローム インコーポレイティド カチオン性親水性シロキサニルモノマー

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