JPH0532931A - コーテイング組成物 - Google Patents

コーテイング組成物

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JPH0532931A
JPH0532931A JP21597991A JP21597991A JPH0532931A JP H0532931 A JPH0532931 A JP H0532931A JP 21597991 A JP21597991 A JP 21597991A JP 21597991 A JP21597991 A JP 21597991A JP H0532931 A JPH0532931 A JP H0532931A
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JP21597991A
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Masaaki Kinugawa
真明 衣川
Hirotoshi Miyazaki
弘年 宮崎
Hitoshi Maruyama
均 丸山
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面歩留まり性がよく、高い表面強度と高い
バリヤー性を与えるコーティング組成物を提供する。 【構成】 分子内にシリル基を有する変性ポリビニルア
ルコール(A)および珪酸ナトリウム(B)を有効成分
とし、(A)成分100重量部に対して(B)成分0.
5〜20重量部からなるコーティング組成物で、この溶
液は粘度のpH依存性が大きく塗工前は低粘度であるが
塗工した後に塗液のpHが変化するにしたがって粘度が
上昇することにより紙内部への浸透が抑えられることに
よって表面歩留まり性の良好な効果が得られる。さらに
低粘度で塗工できるために高速塗工が可能で、高い表面
強度とバリヤー性を付与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコーティング組成物、と
くに紙用コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコール(以下ポ
リビニルアルコールをPVAと略記する)は各種バイン
ダー、接着剤あるいは表面処理糊剤として広く使用され
ており、造膜性および強度において他の糊剤の追従を許
さぬすぐれた性能を有することが知られている。とくに
紙用コーティング剤としては紙の表面強度の向上、水や
有機溶剤に対するバリヤー性にすぐれた効果をあげてい
る。従来、これらの性能をあるレベル以上に上げるため
には多くの糊剤を塗布することが必要とされ、とくに紙
表面を優れた物性にするためには高粘度の糊液を塗工
し、糊液の紙内部への浸透を押さえ、表面に歩留まりや
すくする方法がとられている。しかしながら、高粘度の
コーティング剤の塗布量を多くすることはコスト面で不
利なばかりでなく、PVAを主剤とするコーティング剤
ではとくにロール塗工性が非常に悪くなることが知られ
ている。すなわち、ロールに糊液のすじができたり、糊
飛びが発生し、塗工むらや塗工紙の汚染ができたりする
ことがあり、高速塗工ができなくなることがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に紙表面
へ歩留まり性の優れたPVA系コーティング剤を提供す
ることにあり、塗工性の良好な低粘度の糊剤で、紙へ塗
工した後急速に粘度が増大し紙内部への浸透が抑えら
れ、表面歩留まり性の優れたコーティング剤を提供する
ものである。このようなコーティング剤は従来知られて
なく、まったく新規なものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
に鑑み、鋭意検討した結果、分子内にシリル基を有する
変性ポリビニルアルコール(A)および珪酸ナトリウム
(B)を有効成分とし、(A)成分100重量部に対し
て(B)成分0.5〜20重量部からなるコーティング
組成物は、塗工時の塗工液は低粘度であるが、紙にコー
ティングした後に増粘し紙表面へ歩留まり性のよいこと
を見出だし、本発明を完成するに到った。
【0005】本発明のコーティング組成物の紙表面への
歩留まり性のよい性能の発現機構は、はっきりとは解明
できないが次のように推測される。すなわち本発明のコ
ーティング組成物はpHによる粘度依存性がきわめて鋭
敏であり、pH9〜12領域では低粘度であるが、pH
9未満になると急激に粘度が上昇する性質を有してい
る。これはシリル基がpH9未満になると珪酸ナトリウ
ムの珪酸部分と反応し分子間で架橋構造を形成し増粘す
るものと考えられる。また通常の原紙は硫酸アルミニウ
ムが内添剤に含有されているため紙自身が酸性になって
おり、本発明のコーティング組成物を塗工すると紙表面
で糊液のpHがさがり、糊液の粘度が急上昇する。その
ため紙表面への歩留まり性の良好な性能が発現するもの
と思われる。
【0006】以下に本発明について更に詳細に説明す
る。本発明で使用される分子内にシリル基を含有する変
性PVAは分子内にケイ素を含むものであればいずれで
もよいが、分子内に含有されるシリル基がアルコキシル
基あるいはアシロキシル基あるいはこれらの加水分解物
であるシラノール基又はその塩等の反応性置換基を有し
ているものが特に好ましく用いられる。
【0007】かかる変性PVAの製造方法としては、
PVAあるいはカルボキシル基又は水酸基を含有する変
性ポリ酢酸ビニルに、シリル化剤を用いて後変性により
シリル基を導入する方法、 ビニルエステルとシリル基
含有オレフイン性不飽和単量体との共重合体をケン化す
る方法、 シリル基を有するメルカプタンの存在下でビ
ニルエステルを重合することによって得られる末端にシ
リル基を有するポリビニルエステルをケン化する方法が
挙げられる。PVAあるいは変性ポリ酢酸ビニルにシリ
ル化剤を用いて後変性する方法においては例えば、シリ
ル化剤と反応しない有機溶媒、たとえばベンゼン、トル
エン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、エーテル又はア
セトンなどにシリル化剤を溶解させ、該溶液中に粉末状
PVAあるいは上記変性ポリ酢酸ビニルを攪拌下に懸濁
させ、常温〜シリル化剤の沸点の範囲の温度においてシ
リル化剤とPVAあるいは上記変性ポリ酢酸ビニルを反
応させることによってあるいは更にアルカリ触媒等によ
って酢酸ビニル単位をケン化することによってシリル基
含有変性PVAを得ることができる。後変性において用
いられるシリル化剤としては、トリメチルクロルシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、ビニルトリクロルシラン、ジフェニルジクロルシラ
ン、トリエチルフルオルシラン等のオルガノハロゲンシ
ラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチルジアセト
キシシランなどのオルガノシリコンエステル、トリメチ
ルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオ
ルガノアルコキシシラン、トリメチルシラノール、ジエ
チルシランジオール等のオルガノシラノール、N−アミ
ノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ
アルキルシラン、トリメチルシリコンイソシアネート等
のオルガノシリコンイソシアネート等が挙げられる。シ
リル化剤の導入率すなわち変性度は用いられるシリル化
剤の量、反応時間によって任意に調節することができ
る。また得られるシリル基含有変性PVAの重合度、ケ
ン化度は用いられるPVAの重合度、ケン化度あるいは
上記変性ポリ酢酸ビニルの重合度およびケン化反応によ
って任意に調節することができる。
【0008】またビニルエステルとシリル基含有オレフ
イン性不飽和単量体との共重合体をケン化する方法にお
いては、例えば、アルコール中においてビニルエステル
とシリル基含有オレフイン性不飽和単量体とをラジカル
開始剤を用いて共重合せしめ、しかる後に該共重合体の
アルコール溶液にアルカリあるいは酸触媒を加えて該共
重合体をケン化せしめることによってシリル基含有変性
PVAを得ることができる。上記の方法において用いら
れるビニルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ギ酸ビニル等が挙げられるが、経済的にみて酢
酸ビニルが好ましい。また上記の方法において用いられ
るシリル基含有オレフイン性不飽和単量体としては下記
の化1で示されるビニルシラン、化2で示される(メ
タ)アクリルアミド−アルキルシランが挙げられる。
【化1】
【化2】 〔ここでnは0〜4、mは0〜2、R↑1は炭素数1〜
5のアルキル基(メチル、エチルなど)、R↑2は炭素
数1〜40のアルコキシル基またはアシロキシル基(こ
こでアルコキシル基又はアシロキシル基は酸素を含有す
る置換基を有していてもよい。)、R↑3は水素原子ま
たはメチル基、R↑4は水素原子または炭素数1〜5の
アルキル基、R↑5は炭素数1〜5のアルキレン基また
は連鎖炭素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合
された2価の有機残基をそれぞれ示す。なおR↑1が同一
単量体中に2個存在する場合はR↑1は同じものであっ
てもよいし、異なるものであってもよい。またR↑2が
同一単量体中に2個以上存在する場合も、R↑2は同じも
のであってもよいし、異なるものであってもよい。〕
【0009】化1で示されるビニルシランの具体例とし
ては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリス−(β−メトキシエトキ
シ)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、アリルトリ
メトキシシラン、アリルトリアセトキシシラン、ビニル
メチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエ
トキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニ
ルジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジメト
キシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニル
トリブトキシシラン、ビニルトリヘキシロキシシラン、
ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニルジメトキ
シオクチロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシ
シラン、ビニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキ
シジラウリロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロキ
シシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラン、ビニ
ルジメトキシオレイロキシシラン、更には下記の化3で
表されるポリエチレングリコール化ビニルシラン等が挙
げられる。
【化3】 (ここでR↑1、mは前記と同じ、xは1〜20を示
す。)
【0010】また化2で表される(メタ)アクリルアミ
ド−アルキルシランの具体例としては例えば、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルトリメトキシシラン、3
−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリエトキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ(β−
メトキシエトキシ)シラン、2−(メタ)アクリルアミ
ド−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、2−(メ
タ)アクリルアミド−2−メチルエチルトリメトキシシ
ラン、N−(2−(メタ)アクリルアミド−エチル)−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アク
リルアミド−プロピルトリアセトキシシラン、2−(メ
タ)アクリルアミド−エチルトリメトキシシラン、1−
(メタ)アクリルアミド−メチルトリメトキシシラン、
3−(メタ)アクリルアミド−プロピルメチルジメトキ
シシラン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルジメ
チルメトキシシラン、3−(N−メチル−(メタ)アク
リルアミド)−プロピルトリメトキシシラン、3−
((メタ)アクリルアミド−メトキシ)−3−ハイドロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−((メタ)アク
リルアミド−メトキシ)−プロピルトリメトキシシラ
ン、ジメチル−3−(メタ)アクリルアミド−プロピル
−3−(トリメトキシシリル)−プロピルアンモニウム
クロライド、ジメチル−2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロピル−3−(トリメトキシシリル)プロ
ピルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0011】又、本発明において使用される変性PVA
を製造するにあたってビニルエステルとケイ素含有オレ
フィン性不飽和単量体との共重合を行うにあたっては上
記2成分以外にかかる単量体と共重合可能な他の不飽和
単量体、例えばスチレン、アルキルビニルエーテル、バ
ーサチック酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、エチレ
ン、プロピレン、α−ヘキセン、α−オクテン等のオレ
フイン、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マ
レイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和酸、及びそ
のアルキルエステル、アルカリ塩、2−アクリルアミド
−2−メチルブロパンスルホン酸等のスルホン酸含有単
量体及びそのアルカリ塩、トリメチル−2−(1−(メ
タ)アクリルアミド−1,1−ジメチルエチル)アンモ
ニウムクロリド、トリメチル−3−(1−(メタ)アク
リルアミドプロピル)アンモニウムクロリド、1−ビニ
ル−2−メチルイミダゾールおよびその4級化物等のカ
チオン性単量体等を少割合で存在させることも可能であ
る。
【0012】またシリル基を有するメルカプタンの存在
下でビニルエステルを重合することによって得られる末
端にシリル基を有するポリビニルエステルをケン化する
方法においては、例えばビニルエステルをラジカル開始
剤を用いて重合せしめる際、シリル基を有するメルカプ
タンを重合系に一括または分割あるいは連続して添加
し、重合系中にシリル基を有するメルカプタンを存在せ
しめ、メルカプタンへの連鎖移動によって末端にシリル
基を有するポリビニルエステルを生成せしめた後、該ポ
リビニルエステルのアルコール溶液にアルカリあるいは
酸触媒を加えて該ポリビニルエステルをケン化せしめる
ことによってシリル基を有する変性PVAを得ることが
できる。
【0013】本方法で用いられるシリル基を有するメル
カプタンとしては3−(トリメトキシシリル)−プロピ
ルメルカプタン等が使用しうる。本方法で変性PVAを
製造するにあたっては の方法で用いられるビニルエス
テルと共重合可能な不飽和単量体を少割合で存在させる
ことも可能である。
【0014】本発明において使用される分子内にシリル
基を含有する変性PVAの上述した3つの製造方法にお
いては、ビニルエステルとシリル基を含有するオレフイ
ン性不飽和単量体との共重合体をケン化する方法および
シリル基を有するメルカプタンの存在下でビニルエステ
ルを重合して得られる末端にシリル基を有するポリビニ
ルエステルをケン化する方法が工業的製造の容易性およ
び、得られる変性PVAの均質性の点で好ましく用いら
れる。
【0015】本発明において使用されるシリル基を含有
する変性PVA中のシリル基の含有量、ケン化度あるい
は重合度は目的に応じて適宜選択され特に制限はない。
シリル基は比較的少量の含有率でも効果が発揮され、通
常シリル基を含む単量体単位として0.01〜10モル
%、好ましくは0.1〜2.5モル%の範囲から選ばれ
る。ケン化度は通常70〜100モル%の範囲が好まし
い。また重合度は通常10〜3000の範囲から選ばれ
る。
【0016】本発明において使用される上記変性PVA
を水に溶解するにあたっては、通常変性PVAを水に分
散後場合によっては水酸化ナトリウム等のアルカリを添
加し、攪拌しながら加温することによって均一な水溶液
を得ることができる。
【0017】本発明に用いられる珪酸ナトリウムは、二
酸化珪素と水酸化ナトリウムを融解反応して得られるも
ので、一般に水ガラスと呼ばれている1号、2号または
3号水ガラスのいずれも使用でき、メタ珪酸ナトリウム
およびその水和物、オルト珪酸ナトリウム、二珪酸ナト
リウム、四珪酸ナトリウム等種々の単一物質またはこれ
らの混合物も使用することができる。
【0018】本発明のコーティング組成物において、分
子内にシリル基を有する変性PVA(A)と珪酸ナトリ
ウム(B)との配合比率は、(A)成分100重量部に
対して(B)成分0.5〜20重量部であり、より好ま
しくは(A)成分100重量部に対して(B)成分1〜
10重量部である。(B)成分の配合比率が0.5重量
部未満の場合には本発明のコーティング組成物の表面歩
留まり性が優れているという特徴が発現しないし、20
重量部を越えるとコーティング組成物の溶液粘度が高く
なりすぎ塗工できなくなったり、pHが高くなるために
pH変化による溶液の増粘性が発現しないので使用でき
ない。
【0019】本発明のコーティング組成物は上述の如く
分子内にシリル基を有する変性PVAおよび珪酸ナトリ
ウムを含んでいることが必須の条件であるが、それ以外
にも用途に応じて溶媒、各種添加剤、他の水溶性樹脂あ
るいは高分子水性分散体等を含有することができる。溶
媒としては水が好ましく用いられるが、これに各種アル
コール、ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシドなどの溶媒を併用することもでき、また添加剤
としては、各種消泡剤、各種分散剤、各種界面活性剤、
シランカップリング剤あるいはpH調節剤などが挙げら
れ、水性樹脂としてはカルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体、そ
の他アクリル系重合体、ピロリドン基含有重合体、未変
性PVA、カルボキシル基含有変性PVAPを始めとす
る各種変性PVA、さらに高分子水性分散体としてはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンなどの各種分
散体などを本発明の支障のない範囲で添加することがで
きる。本発明のコーティング組成物は、紙の表面強度を
必要とする場合や、バリヤー性が必要な場合にとくに有
効に使用される。塗工時のコーティング剤の濃度や粘度
を高くして塗工性を損うことなく、低粘度で十分優れた
性能と塗工性を得ることができる。さらに本発明のコー
ティング組成物は紙の分野ばかりでなくフィルムやシー
トなどのコーティング剤としても使用することもでき
る。
【0020】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。なお実施例中とくに断りのないかぎり「%」およ
び「部」は重量基準を表す。
【0021】実施例1 酢酸ビニルとビニルトリメトキシシランとの共重合体を
けん化して、シリル基をビニルシラン単位として0.3
モル%含有し、酢酸ビニル単位のけん化度98.4モル
%、重合度1800の分子内にシリル基を含む変性PV
Aを得た。この変性PVAを水で加熱溶解し変性PVA
の4%水溶液を作成した。この水溶液に固形分比で、変
性PVA100部に対して1号水ガラス5部を添加し本
発明のコーティング組成物を作成した。本発明のコーテ
ィング組成物の水溶液粘度のpH依存性を見るために1
N−硫酸標準液で溶液のpHを調整し、20℃の溶液の
粘度をB型粘度計で測定した。下記の表1に見られるよ
うにpH9以上では低粘度であるが、pH9未満になる
と溶液粘度は急激に上昇することがわかる。
【表1】
【0022】実施例2 実施例1で作成したpH9.5のコーティング組成物水
溶液を用いて、坪量63g/m↑2の上質紙へアプリケ
ーターバーを用いて塗工後、直ちに100℃のロータリ
ードライヤーで乾燥して塗布量0.8g/m↑2の塗工
紙を得た。得られた塗工紙を20℃、65%RHで1日
間調湿し、IGT印刷適正試験機により紙の表面強度を
測定した(JIS P8129,TAPPI T−44
9に準じて測定した。印圧35kg/m↑2、インキH
を使用)。紙むけ(Picking)開始点の印刷速度
で評価したところ、94cm/secと高い値を得た。
また塗工紙の表面に本発明の組成物の存在状態を観察す
るためにヨード呈色を行った後、紙の断面を顕微鏡で観
察したところ、紙内部への浸透は少なく紙表面に多く歩
留まっていた。
【0023】比較例1 実施例1で用いたシラン変性PVAの代わりに、重合度
1750、けん化度98.6モル%の未変性PVAを用
いたほかは実施例1と同様にして水ガラスとの組成物を
作成した。1N−硫酸標準溶液を用いてpH9.5に調
整した。実施例2と同様にして塗布量0.8g/m↑2
の塗工紙を作成し、表面強度を測定したところ、42c
m/secであった。また実施例2と同様、塗工紙の表
面にこの組成物の存在状態を観察したところ、紙内部へ
のかなりの浸透が見られた。
【0024】比較例2 実施例1で用いたシラン変性PVAの4%水溶液で、水
ガラスを加えない塗工液を作成し実施例2と同様にして
塗布量0.8g/m↑2の塗工紙を作成し、表面強度を
測定したところ、46cm/secであった。またこの
水溶液の粘度のpH依存性を見たがpH7〜10の範囲
では粘度変化はほとんど見られなかった。
【0025】実施例3 ジメチル−3−メタアクリルアミドプロピル−3−トリ
メトキシシリルプロピルアンモニウムクロリドと酢酸ビ
ニルとの共重合体をけん化して、シリル基を0.5モル
%含有し、酢酸ビニル単位のけん化度99.2モル%、
重合度1780の変性PVAを得た。変性PVAに対し
て固形分比で2.5%の水酸化ナトリウムを含有する水
に、変性PVAを加熱溶解し、変性PVAの8%水溶液
を作成した。この水溶液に、固形分比で、変性PVA1
00部に対して3号水ガラス3部を添加し本発明のコー
ティング組成物を作成した。この溶液のpHを硫酸標準
溶液で9.5に調整した。この組成物水溶液を用いて、
試験用ゲートロールコーターで、実施例2で用いた原紙
へ塗工し100℃のロータリードライヤーで乾燥し、塗
布量1.4g/m↑2の塗工紙を作成した。ロール塗工
性は良好であった。実施例2と同様にして表面強度を測
定したところ100cm/sec以上の高い値を示し
た。またこの塗工紙の透気度をJIS P8117に準
じて王研式透気度試験機(加圧式)で測定したところ、
3950secを示し高いバリヤー性を示した。なお塗
工前の原紙の透気度は12secであった。
【0026】
【発明の効果】本発明のコーティング組成物は分子内に
シリル基を有する変性PVAおよび珪酸ナトリウムを有
効成分とし、とくに紙用コーティング剤として用いた場
合に紙表面への歩留まり性にすぐれ、低塗布量で高い表
面強度と高いバリヤー性を与える。また低粘度で塗工で
きるためロールへのリブの発生や糊飛びが少なく高速塗
工が可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/60

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 分子内にシリル基を有する変性ポリビニ
    ルアルコール(A)および珪酸ナトリウム(B)を有効
    成分とし、(A)成分100重量部に対して(B)成分
    0.5〜20重量部からなるコーティング組成物。
JP21597991A 1991-07-31 1991-07-31 コーテイング組成物 Pending JPH0532931A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08188992A (ja) * 1994-07-21 1996-07-23 Kaemmerer Gmbh ケイ酸塩を含有する下塗を有する剥離ベース紙及び剥離紙
EP1384754A1 (de) * 2002-07-18 2004-01-28 Wacker Polymer Systems GmbH & Co. KG Silan-modifizierte Polyvinylalkohol-Mischungen
JP2013237829A (ja) * 2011-09-22 2013-11-28 Kuraray Co Ltd コーティング剤、並びにこのコーティング剤を塗工してなる塗工物及びその製造方法
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